JP2007126774A - 感圧接着用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】大規模な圧着装置を必要とせず、手でこする程度の弱圧でも接着が可能な感圧接着用紙を提供する。
【解決手段】アクリル変性天然ゴムラテックスと、過酸化物前加硫ラテックスと、合成ゴムラテックスとを含有する感圧接着剤組成物を塗布形成してなる接着層を有する感圧接着用紙。
【選択図】なし
【解決手段】アクリル変性天然ゴムラテックスと、過酸化物前加硫ラテックスと、合成ゴムラテックスとを含有する感圧接着剤組成物を塗布形成してなる接着層を有する感圧接着用紙。
【選択図】なし
Description
本発明は、感圧接着用紙に関し、更に詳しくは、弱圧による接着が可能な感圧接着用紙に関する。
近年、銀行、クレジット会社、官公庁等より個人宛に各個人の預金状況、残高情報、年金情報等を通知する手段として「親展性はがき」が使用されている。かかる親展性はがきに使用される用紙は、その情報記載面に、感圧接着剤が塗工されており、低い圧力では全く接着しないが、所定圧力以上で圧着すると接着するよう構成されている(特許文献1,2)。
しかし、従来の感圧接着剤は、接着に比較的高い圧力を要するため、接着にはドライシーラー等の圧着装置が必要であり、用途が限られていた。
本発明は、大規模な圧着装置を必要とせず、手でこする程度の弱圧でも接着が可能な感圧接着用紙を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の感圧接着用紙は、アクリル変性天然ゴムラテックスと、過酸化物前加硫ラテックスと、合成ゴムラテックスとを含有する感圧接着剤組成物を塗布形成してなる接着層を有することを特徴とする。
本発明の感圧接着用紙は、弱圧での接着が可能であり、例えば、接着層同士を対向させて、硬貨、ペン先等を用いて比較的強めに数回こする程度で接着することができる。そのため、接着にドライシーラー等の圧着装置を必要としない。
また、本発明の感圧接着用紙は、通常状態では接着しないため、接着層を剥離紙等で保護する必要がなく、コスドダウンを図れる。また、接着層は透明であり、基材に印刷された文字等を視認できるし、接着層自体が印刷適性を有するため、接着層表面に印刷することも可能である。更に、レーザープリンター、インクジェットプリンター等により印字が可能である。
また、本発明の感圧接着用紙は、一旦接着した後に剥離することが可能であり、その後は、再度加圧しても再び接着することはないため、親展性はがき等に好適に使用できる。しかも、剥離時には、接着層形成面に印刷された文字等の判読は可能であるが、剥離した痕跡が残る程度に基材が破れる。
更に、本発明の感圧接着用紙は、接着層の接着力を調整することにより、接着後に基材を破ることなく剥離する擬似接着タイプとすることが可能である。
まず、本発明で用いる感圧接着剤組成物について説明する。
本発明で用いる感圧接着剤組成物は、アクリル変性天然ゴムラテックスと、過酸化物前加硫ラテックスと、合成ゴムラテックスとを含有する。
アクリル変性天然ゴムラテックスは、天然ゴムラテックスをアクリル系単量体でグラフとしたラテックスである。アクリル系単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル等が挙げられ、これらのうちでもメタクリル酸メチルが好ましい。また、グラフト化の度合いは、天然ゴム比5〜50重量%であることが好ましい。
過酸化物前加硫ラテックスは、天然ゴムラテックスを過酸化物で前加硫したラテックスである。過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、t−ブチルハイドロパーオキシド等が挙げられ、これらのうちでもt−ブチルハイドロオキシドが、反応時のラテックス分散性、安定性に優れていることが知られている。
合成ゴムラテックスとしては、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス等々が挙げられる。
アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)の合計量と、合成ゴムラテックス(樹脂固形分)との配合比率(アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)の合計量:合成ゴムラテックス(樹脂固形分))は、重量比で60:40〜90:10であることが好ましく、より好ましくは70:30〜85:15である。アクリル変性天然ゴムラテックスと過酸化物前加硫ラテックスの合計量がこの範囲より多すぎると(合成ゴムラテックスがこの範囲より少なすぎると)、基材への密着性、剥離時の凝集力が不足する傾向があり、アクリル変性天然ゴムラテックスと過酸化物前加硫ラテックスの合計量がこの範囲より少なすぎると(合成ゴムラテックスがこの範囲より多すぎると)、接着力が低下する傾向がある。
また、アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)との配合比率(アクリル変性天然ゴムラテックス:過酸化物前加硫ラテックス)は、重量比で10:90〜90:10であることが好ましく、より好ましくは20:80〜30:70であるが、擬似接着タイプの組成物とする場合は80:20〜70:30であることがより好ましい。アクリル変性天然ゴムラテックスがこの範囲より多すぎると(過酸化物前加硫ラテックスがこの範囲より少なすぎると)、接着に要する圧力が高くなる傾向があり、アクリル変性天然ゴムラテックスがこの範囲より少なすぎると(過酸化物前加硫ラテックスがこの範囲より多すぎると)、剥離が困難になる傾向があり、無理に剥離すると基材の破損を生じる可能性がある。
感圧接着剤組成物中のアクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)と合成ゴムラテックス(樹脂固形分)との合計含有量は、好ましくは50〜70重量%、より好ましくは60〜70重量%である。合計含有量が50重量%未満では接着力が低下する傾向があり、70重量%を超えると剥離が困難になる傾向があり、無理に剥離すると基材の破損を生じる可能性がある。
感圧接着剤組成物は、保存時の接着層同士の接着を避ける為にアンチブロッキング剤を含有することが好ましい。
アンチブロッキング剤の含有量は、アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)と合成ゴムラテックス(樹脂固形分)との合計量100重量部に対し10〜50重量部であることが好ましく、10〜30重量部であることがより好ましい。アンチブロッキング剤の含有量が10重量部未満では保存時に接着層同士が接着する可能性があり、50重量部を超えると接着力が低下する傾向がある。
アンチブロッキング剤としては、例えば、重炭酸カルシウム、軽炭酸カルシウム、タルク、ステアリン酸金属石けん、でん粉、シリカ等が挙げられる。これらのうちでも、接着層形成後のレーザープリンターによる印刷等に対する耐熱性を向上せしめる為にシリカを含有させることが好ましい。また、擬似接着タイプの組成物とする場合には、でん粉を含有させることが好ましく、その含有量は、好ましくはアンチブロッキング剤中40〜80重量%、より好ましくは50〜70重量%である。
感圧接着剤組成物には、塗工適性を維持・向上せしめる為に、界面活性剤、消泡剤、増粘剤等の添加物を添加してもよい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を併用することが好ましく、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等で、HLBが13.0〜19.0のもの、アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、硫酸エステル系等を用いることができる。消泡剤としては非シリコン系消泡剤が接着力に影響をされずに好ましく、0.1〜0.5重量%程度添加することが好ましい。増粘剤はコーターの塗工適性上のため使用され、アクリル系、ポリアクリル酸、PVA、CMC等、セルローズ系増粘剤を用いることができるが、アクリル系増粘剤が粘度の経時変化も少なく好ましい。
本発明で用いる感圧接着剤組成物は、例えば、アクリル変性天然ゴムラテックスと過酸化物前加硫ラテックスとを配合し、要すれば界面活性剤を添加した後に、合成ゴムラテックスを配合し、要すればアンチブロッキング剤を添加し、更に必要に応じて消泡剤、増粘剤等の添加物を添加して混合することにより製造することができる。アンチブロッキング剤は、分散性をよくするために界面活性剤等の分散媒中に分散させて添加することが好ましい。
次に、本発明の感圧接着用紙について説明する。
本発明の感圧接着用紙は、上記感圧接着剤組成物を塗布形成してなる接着層を有する。
接着層は、感圧接着剤組成物を、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗布手段により塗布し、乾燥することにより形成できる。感圧接着剤組成物の塗布量は、接着層の接着性、剥離性、透明性等の観点より、好ましくは1〜5g/m2(固形分換算)、より好ましくは2〜3g/m2(固形分換算)である。
接着層は基材全面に形成してもよいし、必要な個所にパターン状に形成してもよい。
接着層が形成される基材としては、通常の紙の他に、合成紙、あるいはポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることもできる。合成フィルムを用いる場合には、マット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。
本発明の感圧接着用紙は、二つ折り、三つ折り、切り重ね、あるいは別体同士の重ね合わせなど、各種の重ね合わせの形で、ハガキ、各種帳票、通知書、各種カードなどに好適に利用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
尚、実施例で用いたラテックス、及び実施例における評価方法は以下の通りである。
<ラテックス>
(1)アクリル変性天然ゴムラテックス
「QY#25MG」(クォー・ユー化成(有)製)、樹脂固形分50wt%
(1)アクリル変性天然ゴムラテックス
「QY#25MG」(クォー・ユー化成(有)製)、樹脂固形分50wt%
(2)過酸化物前加硫ラテックス
「QY#055PC」(クォー・ユー化成(有)製)、樹脂固形分55wt%
「QY#055PC」(クォー・ユー化成(有)製)、樹脂固形分55wt%
(3)合成ゴムラテックス
「DL−620」(旭化成ケミカルズ(株)製)、ハイスチレンタイプ、樹脂固形分50wt%
「DL−620」(旭化成ケミカルズ(株)製)、ハイスチレンタイプ、樹脂固形分50wt%
<実施例1〜4,比較例1,2>
表1に示す配合で各成分を混合し、ホモコロイドミキサーでよく撹拌して、感圧接着剤組成物を得た。
表1に示す配合で各成分を混合し、ホモコロイドミキサーでよく撹拌して、感圧接着剤組成物を得た。
得られた感圧接着剤組成物を、上質紙(110kg)にバーコーターを用いて乾燥重量8〜10g/m2となるように塗工し、105℃×1分間熱風乾燥した後、25℃相対湿度50%で1時間放置して感圧接着用紙を得た。
得られた用紙の接着層を合わせ、500円玉を縦にして14.71Nまでの荷重をかけて1回なぞった際に、十分な接着力が得られる最低加重を測定すると共に、剥離速度300mm/minで剥離した際の基材の状態を目視で観察した。
評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- アクリル変性天然ゴムラテックスと、過酸化物前加硫ラテックスと、合成ゴムラテックスとを含有する感圧接着剤組成物を塗布形成してなる接着層を有することを特徴とする感圧接着用紙。
- 前記感圧接着剤組成物の、アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)との配合比率が、重量比で10:90〜90:10であることを特徴とする請求項1に記載の感圧接着用紙。
- 前記感圧接着剤組成物の、アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)の合計量と、合成ゴムラテックス(樹脂固形分)との配合比率が、重量比で60:40〜90:10であることを特徴とする請求項1または2に記載の感圧接着用紙。
- 前記感圧接着剤組成物の、アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)と合成ゴムラテックス(樹脂固形分)との合計含有量が50〜70重量%であることを特徴とする請求項項1〜3のいずれかに記載の感圧接着用紙。
- 前記感圧接着剤組成物が、アクリル変性天然ゴムラテックス(樹脂固形分)と過酸化物前加硫ラテックス(樹脂固形分)と合成ゴムラテックス(樹脂固形分)との合計量100重量部に対し10〜50重量部のアンチブロッキング剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感圧接着用紙。
- 前記アンチブロッキング剤中にでん粉を40〜80重量%含有することを特徴とする請求項5に記載の感圧接着用紙。
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