JP4593121B2 - 擬似接着用紙 - Google Patents

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本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる機能を有する擬似接着用紙に関するものである。さらに詳しく述べれば、基紙の少なくとも片面の一部に、通常状態では接着せず加圧により接着性を有しかつ接着後に再剥離が可能な擬似接着剤層が設けられている擬似接着用紙に関する。
個人情報などの各種情報が折り畳み内面に記載された往復葉書状の葉書を折り畳み、重ね合わせた部分を擬似接着して、情報を隠蔽したのち、郵送し、受取人が擬似接着部分を剥離して隠蔽情報を読み取る葉書システムが普及している。葉書システムは、会社が従業員にあるいは銀行やクレジット会社が顧客に親展性を有する情報を連絡する場合に使用されることが多く使用時に容易に剥離できて親展性情報等を読みやすいことが重要である。
このような葉書システムには、通常、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、天然ゴム等を基材とする擬似接着剤を塗工してなる擬似接着剤層を備え、所定の圧力を加えること等により一時的には接着するが必要時に容易に剥離する擬似接着用紙が使用される。
従って、このような擬似接着用紙では、隠蔽情報を見るために擬似接着面を容易に再剥離できることが重要である。また、再剥離したときに剥離片部分がカールして隠蔽情報が見づらくなることがあり、これを防止することも重要である。
このようなカール防止策としては、紙厚を厚くして紙の剛度を高めることにより解消する方法、基紙の表裏面を可撓性のフィルムシートで被覆してカールを防止する方法が知られている。
特開2003−105287 特開2003−072265 特開2002−023643
しかしながら、前者の紙厚を厚くする方法では再剥離操作がしづらくなる欠点があり、後者のフィルムシート層を設ける方法では、シートを設けた後では記録情報の印字や印刷が困難になることから記録情報の印字を、フィルムシート層を設ける前にしなければならず煩雑な操作が要せられる。
そこで、本発明の主たる課題は、再剥離しやすく、かつ、再剥離後に剥離片のカールがなく、しかも、記録情報の印字等がしやすい擬似接着用紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を有する擬似接着用紙であって、
前記基紙が、2層以上の紙層を有する積層構造をなし、最も表面側に位置する表面側紙層と最も裏面側に位置する裏面側紙層がパルプを原料とする紙層で構成され、かつ、前記表面側紙層と前記裏面側紙層との間に、着色した可撓性の可撓性シート層が設けられ
前記可撓性シートが抄紙可能な合成繊維状原料により目付け量が30〜70g/m 2 となるように形成され、当該可撓性シートを含めて前記基紙が多層抄きにより積層構造とされていることを特徴とする擬似接着用紙。
<請求項2記載の発明>
前記可撓性シート層の厚みが、10〜300μmとされている請求項1記載の擬似接着用紙。
本発明に従って、最も表面側に位置する紙層または最も裏面側に位置する紙層との間に、可撓性を有する可撓性シート層を設けた擬似接着用紙とすれば、剥離のしやすさおよび剥離のさいのカール防止性を備えつつ、シート層を設けた後の印字等が可能な擬似接着用紙となる。
次いで、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
本発明は、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を有する擬似接着用紙であって、
前記基紙が、2層以上の紙層を有する積層構造をなし、最も表面側に位置する表面側紙層と最も裏面側に位置する裏面側紙層がパルプを原料とする紙層で構成され、かつ、前記表面側紙層と前記裏面側紙層との間に、可撓性の可撓性シート層が設けられていることを特徴とする。
基紙を積層構造とするにあたっては、湿紙をプレスして積層構造の紙を得る従来既知の多層抄きによる製造方法、あるいは乾燥状態の紙を貼り合せる従来既知の製造方法によって達成できる。抄紙可能な繊維状原料により可撓性シート層を形成するのであれば多層抄きにより積層構造とすればよく、フィルムシートからなる可撓性シート層など、多層抄きにより設けることが困難なシート層を形成するのであれば、貼り合わせによって積層構造とすればよい。
多層抄きとする場合には、複数のワイヤー部から流れてくる湿紙を重ねてプレスするプレス部を有する従来既知の多層式抄紙機を用いることができる。抄紙機のその他の形式については限定されない。長綱抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーションマシンなどの形式が使用できる。
貼り合わせによる場合には、従来既知の接着剤による貼り合わせ方法を用いることができる。この場合における接着剤は、擬似接着剤ではなく、非剥離性の接着剤を用いる。かかる接着剤については、従来シート体同士の接着に用いられる接着剤のなかから接着力等を考慮して適宜選択すればよい。
前記基紙は、2層以上の紙層であれば紙層がいくつであるかは限定されない。また、基紙の米坪は使用用途に応じて適宜変更すればよい。隠蔽性を必要とする葉書へ使用する場合には、70〜170g/m2程度とするのが望ましい。基紙の厚みについても使用用途に応じて適宜変更すればよい。前記隠蔽性を必要とする葉書へ使用する場合には、厚さ80〜170μm程度とするのが望ましい。さらに、前記基紙の白色度についても使用用途に応じて適宜変更すればよい。印刷適性等を考慮してJIS P 8123に規定される白色度を70〜90に調整するのが望ましい。
表面側紙層および裏面側紙層については、パルプを原料とする紙層であれば特に限定されない。具体例としては、既知のKP、TCF、ECFのような化学パルプ、PGW、SGP、RGP、BCTMP、CTMP等の機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプ、あるいはケナフ、竹、麻、藁等由来の非木材パルプ等とすることができる。これらのパルプは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら表裏面の紙層には、従来既知の填料、サイズ剤、紙力増強剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
好適には、表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を上質紙層とするのが望ましい。表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を上質紙層とすると、平滑性、白色度、印字性に優れた基紙となる。また、表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方は、インクジェット記録用インクの吸収性に富むインク受理層が記録面に形成されたインクジェット記録用紙層や、グラビア印刷等の凸版や凹版印刷に適する印刷用紙層とすることができる。
表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方をインクジェット記録紙層とするならば、その形成にあっては、従来既知のインクジェット記録用紙の製造方法に準じて形成することができる。例えば、多層式抄紙機により製造するのであれば、表面側紙層および裏面側紙層を上質紙層とし中間紙層を古紙パルプを原料とする再生紙層とした3層構造の基紙原紙を形成した後、前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方の紙層をインクジェット記録用紙層とすべく、この基紙原紙の表裏面の少なくとも一方の面に、インク受理層を形成することにより製造できる。貼り合せにより製造するのであれば、インク受理層を有するインクジェット記録用紙とそれ以外の紙を、前記インク受理層が表裏面の何れかを構成するようにして、貼り合せることにより製造できる。
前記インク受理層は、従来既知のインクジェット記録用紙の製造にあたって設けるインク受理層と同様のものでよい。例えば、バインダーにインク吸収性に優れる顔料を添加せしめたインク受理層用塗工液を塗工機で塗工して形成するインク受理層である。
前記インク受理層用塗工液に使用する顔料としては、合成微粒子シリカ、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、酸化チタン、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料等が挙げられる。
前記インク受理層用塗工液に使用するバインダーとしては、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレンマレイン酸樹脂及びその誘導体、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、酢酸ビニル系エマルジョン又はこれらの二種以上の縮合物等が挙げられる。
前記インク受理層用塗工液におけるバインダーの配合量は従来技術によって選択できる。
また、前記インク受理層用塗工液には、必要に応じて分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、離型剤、防腐剤、着色顔料、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤等を添加されていてもよい。
前記インク受理層用塗工液を塗工する塗工機としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等が挙げられる。
一方、表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を前記印刷用紙層とするのであれば、その形成は、従来既知の印刷用紙の製造方法に準じて形成することができる。例えば、多層式抄紙機により製造するのであれば、表面側紙層および裏面側紙層を上質紙層とし中間紙層を古紙パルプを原料とする再生紙層とした3層構造の基紙原紙を形成した後、前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方の紙層を印刷用紙層とすべく、この基紙原紙の表裏面の少なくとも一方の面に、印刷適性に優れるようにする顔料を含む塗工液を塗工して印刷用紙層とすることにより製造できる。もちろん、前記塗工液の塗工前に、カレンダー処理などを施してもよい。表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を印刷用紙層とする場合の好適な例としては、表面光沢が極めて高く、平滑性も高いことから、高級印刷用紙として広く利用されているキャストコート紙からなるキャストコート紙層とするのが望ましい。キャストコート紙層とする場合には、従来既知のキャストコート紙の製造方法に従って製造できる。すなわち、1)基紙に、顔料とバインダーとを含むキャスト塗工液を塗工した後、その塗工層が湿潤状態であるうちに、加熱した鏡面ドラムに圧接させて表面光沢処理を行うウェットキャストコート法、2)基紙に顔料とバインダーとを含むキャスト塗工液を塗工した後その塗工層をゲル化状態とし、このゲル化状態とした塗工層を加熱した鏡面ドラムに圧接して表面光沢処理を行うゲル化キャストコート法、3)基紙に顔料とバインダーとを含むキャスト塗工液を塗工した後、その塗工層を一旦乾燥し、その後に再湿潤液によって当該塗工層を湿潤状態とし、かかる再湿潤状態の塗工層を加熱した鏡面ドラムに圧接して表面光沢処理を行うリウェットキャストコート法により製造できる。但し、各製造方法とも、湿潤状態の塗工層を加熱した鏡面ドラムに接触させることで、塗工層中の水分を乾燥させるとともに表面の光沢を発現させる点で共通するので、多層式抄紙機を用いて製造する場合には、中間紙層の透水性については考慮する必要がある。貼り合せによる製造の場合にはこの限りでない。
前記キャスト塗工液に使用する顔料としては、立方形炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムの他に、カオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、異方形の軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げることができる。
前記キャスト塗工液に使用するバインダーとしては、従来既知のアルカリ感応性合成樹脂エマルジョン、アルカリ非感応性合成樹脂エマルジョン、酸化澱粉、エステル化澱粉、酸素性変性澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類、大豆蛋白等の蛋白質類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
その他、前記キャスト塗工液中には、必要に応じて、助剤として、粘度調整剤、消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等を従来既知の技術に従って含有させる。
表面側紙層と裏面側紙層との間に設ける可撓性シート層は、例えば、フィルムシート、合成繊維を抄紙してなる合成繊維シート等の可撓性を備えるシート状物により構成することができる。前記フィルムシートとしては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムシートのほか、ポリエステルフィルムシート等が挙げられる。可撓性の合成繊維シートとしては、PET繊維を抄紙してなるPET繊維シートなどが挙げられる。繊維の目付け量は、特に限定されないが、30〜70g/m2程度が好適である。また、可撓性シートの厚みも、特に限定されないが、10〜300μm、好適には50〜200μmである。
ここで、これらの可撓性シート層に関しては、着色して隠蔽性を高めることができる。例えば、前記シート状物に地紋印刷等を施せば、親展製葉書システムに使用したときに、親展情報が外方から視認しづらくなる効果が得られる。
本発明では、擬似接着剤層については特に限定されるものではなく、従来既知の擬似接着剤を前記基紙の表裏面の少なくとも一方に塗工するなどして形成すればよい。前記擬似接着剤としては、例えば、非剥離性接着剤(以下、接着基剤という)に、これに非親和性を示す充填剤を含有せしめて擬似接着力を付与した従来既知の擬似接着剤を用いることができる。前記接着基剤としては、ラテックス、具体的には天然ゴム、合成ゴム等の従来通常の接着基剤に使用されているものの中から任意に選択して使用することができるが、特に天然ゴムを無硫黄加硫し、メタアクリル酸メチルと混合した天然ゴムラテックス、天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックス、アクリル変性ゴムラテックス、ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとの混合物が、耐ブロッキング性、耐経時劣化等の点で好適である。
また、接着基剤に添加する充填剤としては、例えば、クレー、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、スチレンビーズ、シリカ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、またはこれらの混合物等が挙げられる。好適には、クレーと炭酸カルシウムである。
基紙への擬似接着剤の塗工は、従来既知の塗工方法に従って塗工すればよい。例えば、ブレードコーター、カーテンコーター、ロッドコーターあるいはエアーナイフコーターといった塗工機でオフマシン塗工してもよいし、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、ロッドメタリングコーター、2ロールコーターあるいはスプレーコーター等の塗工機でオンマシン塗工してもよい。
擬似接着剤の塗工量は、従来既知の塗工量を参照して塗工すればよい。概ね3〜15g/m2とするのが望ましい。3g/m2未満であると、所望の接着力が得られず意図しない剥離が生じやすくなり、15g/m2を超えると、接着力が強くなりすぎて剥離することができなくなったり、塗工時に塗工ロールに糊粕が付着したりして、操業上および品質上のトラブルが生じやすくなる。
かかる塗工によって形成する擬似接着剤層の厚さは、5〜20μmとするのが望ましい。また、均一な擬似接着剤層を得るために、塗工後に擬似接着剤層表面を、約1〜10kg/cm2で加圧し、擬似接着剤層表面の過度の突出を平坦にすることが好ましい。
なお、本発明においては、前記擬似接着剤層あるいは基紙上に擬似接着剤層とともに設けるその他の塗工層が積層構造であるか単層構造であるかについては限定されない。
本実施の形態にかかる積層構造であって表裏面層として紙層を備え、それらの紙層の間にフィルムシート層を備える擬似接着用紙(実施例1〜3)と、上質紙からなる単層の基紙を使用した擬似接着用紙(従来例1〜3)とについて、印字性、剥離性、隠蔽性、カール性の点について比較試験を行った。
実施例1は、表面側紙層および裏面側紙層をバージンパルプを原料とする米坪30g/m2上質紙層とし、中間紙層は米坪44g/m2のフィルムシート(ポリプロピレンフィルム:王子油化合成紙社製、商品名:ユポ)として、各層を貼り合わせ、米坪104g/m2の3層構造の基紙を使用した。
実施例2は、表面側紙層および裏面側紙層は実施例1と同様とし、中間紙層を米坪44g/m2の合成繊維シート(PET繊維シート)として、米坪104g/m2の3層構造の基紙とした例である。
実施例3は、実施例1におけるフィルムシートを黒色に着色した例である。
従来例1は、米坪104g/m2の上質紙を基紙として使用した。従来例2は、米坪200g/m2の上質紙を基紙として使用した例である。従来例3は、米坪104g/m2の上質紙の表面に印字した後に、ポリエステルフィルムでラミネートした例である。
各実施例および各従来例における擬似接着剤層は、天然ゴムラテックス30重量部に対してシリカを25重量部、生澱粉25重量部からなる分散液に、合成ラテックス・水溶性バインダーを10重量部含有せしめた擬似接着剤を、ブレードコーターにより300m/分で片面9g/m2を塗工して形成した。
実施例および従来例の物性測定方法および試験の詳細は次記のとおりである。
<剥離強度(擬似接着性)>
メールシーラー(MS−900:大日本印刷株式会社製)によりギャップ14で、接着幅50mm、接着長148mm、剥離しろ2mmとなるように、2枚の擬似接着用紙の擬似接着剤層面同士を加圧接着し、その後直ちに引き剥がした時の接着強度をT型剥離試験機により測定した。剥離強度の評価は、150〜250g/5cmを良(○)、100〜149g/5cmおよび251〜300g/5cmを可(△)、前記以外を不可(×)とした。
<印字性>
擬似接着剤層塗工面側にインクジェットプリンター(Pixus850i:株式会社キャノン社製)で黒色インキで文字の印字を行い、印字可能であるか否かと印字部のにじみ及び乾燥性を目視にて確認した。評価は、○:印字部の乾燥が速く滲みは確認できないあるいは印字部の乾燥は通常であるが滲みは確認できない、△:印字部の乾燥が遅く多少の滲みが確認できるあるいは印字部の乾燥が遅く滲みがはっきりと確認できる。×:印字ができない。なお、従来例3については、フィルム層形成面に対して印字操作を行った。
<隠蔽性>
JIS P 8138に基づいて擬似接着用紙の不透明度を測定した。さらに、擬似接着剤層塗工面側にインクジェットプリンター(Pixus850i:株式会社キャノン社製)で黒色インキで文字を印字し、この印字面を内側にして折り畳み擬似接着した後に、外方(擬似接着剤非塗工面側)から印字した情報が透けて見えるか否かを目視にて確認した。評価は、次記のとおりである。◎:記録情報が、全く透けて見えない。○:記録情報が透けてみえるが記録情報を読み取ることはできない。×:記録情報が透けてみえ記録情報の一部を読み取ることができるあるいは透けて見え記録情報を読み取ることができる。
<カール性>
メールシーラー(MS−900:大日本印刷株式会社製)によりギャップ14で、接着幅50mm、接着長148mm、剥離しろ2mmとなるように、2枚の擬似接着用紙の擬似接着剤層面同士を加圧接着し、直ちに再剥離させた後、カールが生ずるか否かを目視にて確認した。評価は、◎:カールなし、○:若干カールするが読み取り等に支障をきたすほどではない、×:カールし読み取り取り扱いに問題が生ずる、とした。
Figure 0004593121
試験結果は表1にも示されるとおり、本発明の実施例については、各試験項目全てにおいて○あるいは◎の評価が得られたが、従来例は何れかの試験において×の評価がある結果となった。この試験結果より、本発明が隠蔽性等の擬似接着用紙としての性能を有しつつ、カール性および印刷性の向上が図られたものであることが示されたといえる。
本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる機能を有する擬似接着用紙であり、折り畳み擬似接着用紙、重ね合わせ擬似接着用紙、その他親展性を有する情報隠蔽シート、親展性葉書、親展性封筒等に使用することができる。

Claims (2)

  1. 基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を有する擬似接着用紙であって、
    前記基紙が、2層以上の紙層を有する積層構造をなし、最も表面側に位置する表面側紙層と最も裏面側に位置する裏面側紙層がパルプを原料とする紙層で構成され、かつ、前記表面側紙層と前記裏面側紙層との間に、着色した可撓性の可撓性シート層が設けられ
    前記可撓性シートが抄紙可能な合成繊維状原料により目付け量が30〜70g/m 2 となるように形成され、当該可撓性シートを含めて前記基紙が多層抄きにより積層構造とされていることを特徴とする擬似接着用紙。
  2. 前記可撓性シート層の厚みが、10〜300μmとされている請求項1記載の擬似接着用紙。
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