JP2011104840A - 高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙 - Google Patents

高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙 Download PDF

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克彦 福地
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Abstract

【課題】本発明の目的は、オフセット印刷適性とインクジェット印字適性を兼備し、かつ、親展葉書用紙として実用上必要とされる接着性及び再剥離性を具備した再剥離性圧着葉書用記録紙であって、特に、印刷・印字情報の隠蔽性が極度に改善された技術を確立するものである。
【解決手段】本発明に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙は、支持体の両面又は片面に、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能である感圧接着層を形成した再剥離性圧着葉書用記録紙において、支持体がパルプ繊維を主要素とし、表層と、裏層と、表層及び裏層の間に1層以上の中層とを有する3層以上の多層抄き原紙であり、中層のうち、少なくとも1層以上が着色された遮蔽層であり、感圧接着層が非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明の高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙は、インクジェット方式による記録及び水性インクを用いる他のペンプロッターなどの記録、印刷、筆記に用いることができる葉書状の圧着記録用紙であって、プロセスインキ、UVインキなどによるオフセット印刷も可能であり、更に、これら各種の方法を印刷・印字などの用途において、兼用可能で、かつ、容易に情報秘匿ができる再剥離性の圧着葉書用記録紙に関する。ここで、圧着記録用紙とは、通常状態では粘着性、接着性ともに示さず、加圧時に接着性を示し、加圧接着後に剥離可能な感圧接着層を有する記録用紙のことである。
従来、官庁、自治体などの公的・準公的機関、銀行、生命保険会社、証券会社などの金融機関、更には学校などからの成績通知・受験(検)合否通知書などの個人的プライバシーに関わる親展情報の郵送には、発送者の判断によって、葉書又は封書のいずれかが使われていた。しかし、個人情報の隠蔽化の観点から、封書を使用するケースが多く、発送者に多額の郵便費用が掛かる問題があった。
そこで、情報記入欄を隠蔽紙片、ラベルなどの副資材で覆うことによって情報の隠蔽化を図れる葉書(例えば、特許文献1又は2を参照。)が提案されている。
また、近年、郵便法の改正に伴い、封書より郵便料金が安く、封書と同様に情報の機密保持ができる親展性葉書として二つ折り、三つ折りの記録用紙を重ね合わせ、葉書状に圧着する所謂「再剥離性圧着葉書」が開発され、普及している。
再剥離性圧着葉書とは、原紙の感圧接着面となる側に通常では粘着性、接着性ともに示さず、加圧時に接着性を示す感圧接着層を形成させ、親展情報を印字後に用紙を折り畳み、感圧接着層同士を合わせた状態で加圧接着するものであり、受取人は接着された感圧接着面を剥離して親展情報を読み取ることができ、剥離後は通常の方法では再接着できないことで情報の親展性を確保することができる。
この種の再剥離性圧着葉書では、感圧接着面の接着強度の調整が難しく、再剥離時に紙剥けが起こったり、印字情報が感圧接着面に転写したりする問題があり、それを解決した技術も開示されている(例えば、特許文献3又は4を参照。)。
一方、情報システムの発展は目覚しく、それに伴い各情報システムに適合した記録方式が種々開発されている。コピー・印字スピードの高速化だけでなく、カラー化に代表される高画質化が進み、これらの実現に大きく寄与するために複写・印字方式である電子写真記録方式、インクジェット記録方式、感熱記録媒体を使用するサーマルヘッド記録方式が広く採用されている。
特に、インクジェット記録方式は、種々の原理によってインクの微小液滴を飛ばして画像・文字などを記録する方式であるが、高速、低騒音、多色化が容易であり、現像・定着が不要などの特長があり、記録装置として種々の用途において普及している。さらに、多色インクジェット方式によって形成される画像は、製版方式による多色印刷と遜色無いものを得ることが可能である。また、コストが安価であることから、作成部数が少なくて済むフルカラー画像記録分野にまで用途範囲が広がってきている。
葉書に情報を印刷する方式としては、一般情報と、個人情報(可変情報)の全てをインクジェットプリンターで印刷する場合と、あらかじめオフセット印刷機によって葉書としての定型事項、広告、定型文などの一般情報を印刷し、その後個人情報などの秘密情報(可変情報)だけをインクジェットプリンターで印刷する場合とがあり、インクジェット印字適性と、オフセット印刷適性とを兼ね備えた用紙への要求が高まっている。
特開2006−192746号公報 特開2004−42315号公報 特開2006−198799号公報 特開2001−219680号公報
しかしながら、従来の再剥離性圧着葉書では、再剥離時の層間剥離を回避するために、単層抄きである場合が多く、印字に適した白色のパルプ繊維で構成すると、オフセット印刷、インクジェット印字、その他の印刷方式、筆記方式によるインク量の多い画線部では、室内光の放射条件でさえショースルー(下の紙の絵柄が上の1枚の白紙を透き通して見えること)が起きてしまう場合がある。これは、秘匿情報の保護という点で好ましくない。隠蔽紙片、ラベルなどの副資材を貼り付けたり、シーリングを行ったり、濃色のベタやモアレパターンのような印刷をしたりして、秘匿情報のショースルーを防ぐ例があるが、工程が煩雑となり、かつ不経済である。さらに、適度な再剥離性の実現を優先することで、インクジェット印字適性が犠牲となっていた。
そこで、本発明の目的は、オフセット印刷適性とインクジェット印字適性を兼備し、かつ、親展葉書用紙として実用上必要とされる接着性及び再剥離性を具備した再剥離性圧着葉書用記録紙であって、特に、印刷・印字情報の隠蔽性が極度に改善された技術を確立するものである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、再剥離性圧着葉書用記録紙において、パルプ繊維が主要素となっている原紙において、積層構造をとっており、そのうち1層以上を着色し、感圧接着層は、非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを必須成分として含有することで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙は、第1の形態として、支持体の両面又は片面に、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能である感圧接着層を形成した再剥離性圧着葉書用記録紙において、前記支持体がパルプ繊維を主要素とし、表層と、裏層と、該表層及び該裏層の間に1層以上の中層とを有する3層以上の多層抄き原紙であり、前記中層のうち、少なくとも1層以上が着色された遮蔽層であり、前記感圧接着層が非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有することを特徴とする。
第2の形態として、本発明に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙は、支持体の両面に、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能である感圧接着層を形成した再剥離性圧着葉書用記録紙において、前記支持体がパルプ繊維を主要素とし、表層と裏層とを有する2層抄き原紙であり、前記表層又は裏層のいずれかが、着色された遮蔽層であり、前記感圧接着層が非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有することを特徴とする。
本発明に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙では、前記非晶質合成シリカが、多孔性合成シリカであることが好ましい。多孔性合成シリカを選択することで、鮮明で、発色のよい高画質な印字を実現することができ、かつ再剥離強度を向上することができる。
本発明に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙では、前記天然ゴム系感圧接着剤が、メタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴムであることが好ましい。メタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴムを選択することで、表面強度、耐刷力、耐ブロッキング性、耐熱性、顔料の固着性などを向上させることができる。
本発明に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙では、前記感圧接着層が、乾燥質量で、5〜15g/mであることが好ましい。この範囲とすることで、インクジェット印字におけるインクジェット受理層としての機能、及びオフセット印刷におけるオフセットインキ受理層としての機能を安定させることができる。
前記解決手段によって、オフセット印刷適性とインクジェット印字適性を兼備し、かつ、親展葉書用紙として実用上必要とされる接着性及び再剥離性を具備した再剥離性圧着葉書用記録紙であって、特に、印刷・印字情報の隠蔽性が極度に改善された技術を確立することができる。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙は、第1の形態として、支持体の両面又は片面に、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能である感圧接着層を形成した再剥離性圧着葉書用記録紙において、前記支持体がパルプ繊維を主要素とし、表層と、裏層と、該表層及び該裏層の間に1層以上の中層とを有する3層以上の多層抄き原紙であり、前記中層のうち、少なくとも1層以上が着色された遮蔽層であり、前記感圧接着層が非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有する。
第1の形態は、記録紙を、感圧接着層同士が向かい合うようにV字状に二つ折り又はZ字状に三つ折りして葉書の形態にすることができる。二つ折りの場合は、感圧接着層を少なくとも片面に形成すればよい。二つ折りの場合において、両面に感圧接着層を形成してもよいが、コスト、排紙などのプリンター走行性、重送防止などの点から、片面だけに感圧接着層を形成することがより好ましい。感圧接着層を片面だけに形成した場合は、他方の面には、オフセット印刷可能なインクジェット用インク受理層を形成することができる。一方、三つ折りの場合は、両面に感圧接着層を形成する。葉書の形態にする方法としては、通常、葉書としての定型事項、広告、定型文などの一般情報を印刷し、その後個人情報などの秘密情報を印刷した後、ドライシーラーなどで秘密情報が外部から見えないように加圧積層して親展葉書となる。
第2の形態として、表層と裏層の2層抄きの場合である。第2の形態は、第1の形態と構成をほぼ同一とするが、中層が無いために、表層又は裏層のいずれかが着色された遮蔽層である。したがって、第1の形態のようにV字状に二つ折りの葉書の形態には適さない。感圧接着層が支持体の両面に形成してあるので、記録紙をZ字状に三つ折りして葉書の形態にすることができる。
本実施形態に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙の使用材料及び製造方法について次に説明する。
支持体の主要素であるパルプ繊維としては、例えば、広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)、針葉樹さらしクラフトパルプ(NBKP)などの化学パルプ、グランドパルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナー砕木パルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、ケミグランドパルプ(CGP)などの機械パルプ、脱墨パルプなどの古紙パルプなどの各種木材パルプが挙げられる。その中で、特に、特にNBKP、LBKP及びその混合物を各層に使用することが好ましい。さらしクラフトパルプ(BKP)を必須として使用することで、原紙の物理的強度を確保することができる。紙の剛度とのバランスを考慮するとNBKPとLBKPの使用割合(質量比)が9:1〜1:9であるのが好ましい。より好ましくは、8:2〜2:8であり、特に好ましくは、6:4〜4:6である。また、中層で使用されるパルプには、木材パルプだけで構成されてもよいが、回収パルプ(損紙)を含んでもよい。
支持体は、必要に応じて従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤などの各種添加剤を混合してもよい。支持体は、パルプ繊維と、前記添加剤とを混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種公知の抄紙機にて紙匹を形成した後に、乾燥させて得ることができる。
各層のパルプ全体の叩解度は、紙力、白紙の肌、透気度、剛度などの諸特性を考慮して、カナダ標準ろ水度(JIS P 8121:1995 パルプのろ水度試験方法)でCFS500ml以下とすることが好ましい。好ましくは、CFS450ml以上500ml以下である。
原紙は、一般公知の抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、スーパーウルトラフォーマー抄紙機などを用いて抄造することができ、抄紙機にて紙匹を形成した後に、乾燥して得ることができる。なお、本実施形態では、原紙の抄造方法に限定されるものではない。
第1の形態において、中層のうち少なくとも1層以上が着色された遮蔽層である。3層の場合は、例えば、第1層を表層、第2層を中層、第3層を裏層とし、第2層を遮蔽層とする。4層の場合は、例えば、第1層を表層、第2層及び第3層を中層、第4層を裏層とし、第2層若しくは第3層のいずれか1層又は両方の層を遮蔽層とする。5層の場合は、例えば、第1層を表層、第2層〜第4層を中層、第5層を裏層とし、第2層〜第4層のいずれか1層若しくは選択した2層又は全ての層(3層)を遮蔽層とする。6層以上も同様である。このとき、中層のうち、より中央側の中層を遮蔽層とすることがより好ましい。例えば、5層の場合は、第3層である。このような構成とすることで、遮蔽層の色が表層及び裏層に透けることを防止し、印刷をより鮮明にすることができる。
遮蔽層は、遮蔽層とする層のパルプ原料に着色剤を添加して抄造することで得ることができる。着色剤の色は、本実施形態では限定されないが、隠蔽性を高めるために、青、黒などにすることが好ましい。着色剤としては、セルロース繊維に対する親和性の強い直接染料、セルロース繊維に対する親和性が弱いが硫酸バンドで容易に定着する有色顔料が一般的に使用されるが、特に限定されない。
直接染料は、例えば、ポリアゾ系染料、チアゾールモノアゾ系染料、フタロシアニン系、ジオキサジン系などの有機顔料スルホン化系染料、塩基性基含有系染料(塩基性直接染料)が挙げられる。有色顔料は、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料などの有機顔料、酸化物系顔料、水酸化物系顔料などの無機顔料が挙げられる。着色剤の添加量は、室内光においてショースルーが発生しない範囲であれば、特に制限されない。特に、好ましくは、中層のパルプ100質量部に対して、0.5〜4.0質量部である。より好ましくは、1.0〜2.0質量部である。また、中層には、必要に応じて従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤などの各種薬品を添加してもよい。
直接染料、有色顔料のパルプへの添加方法はあらかじめ水中に分散させ、パルパー、ビーター、チェスト、種箱送りポンプサクションなどで添加し、紙料と十分に混合しなければならない。直接染料や有色顔料の定着には硫酸アルミニウムなどの定着剤を用いることが好ましい。
各層には、層間剥離・剛度対策として澱粉、変性澱粉、ポリアクリルアミドなどの紙力剤を内添することが好ましい。紙力剤の添加率は、薬品の種類によって異なるがパルプに対して固形分で0.01〜1.00質量%の添加が好ましい。より好ましくは、0.10〜1.00質量%である。0.01質量%未満では、紙力が発現せず、1.00質量%を超えると、工程が汚れやすくなり、かつ、紙力剤の添加量対効果を考慮すると、不経済となるデメリットが大きくなる。
各層間には、層間剥離・剛度対策として層間澱粉を塗布することが好ましい。澱粉としては、糊化温度の低いタピオカ澱粉、アセチル化澱粉、尿素リン酸化澱粉などが好ましい。各層間に塗布する澱粉濃度は、2質量%以上とすることが好ましい。また、澱粉塗付量は、固形分換算値で1.0g/m以上とすることが好ましい。より好ましくは、1.0〜3.0g/mである。1.0g/m未満であると、層間の接着強度が出ず、層間剥離を容易に起こす場合がある。これは、オフセット印刷された場合には、層間剥離による印刷トラブルの原因ともなり、更に、特に、インクジェット印字においては、両面印刷での端面めくれの原因ともなる。層間澱粉の塗付方法は、特に限定されないが、澱粉を噴霧することによって、各層間に付着させることがより好ましい。
支持体の両面又は片面をサイズプレス処理面としてもよい。表面サイズプレス処理用の紙力剤としては、酸化澱粉、カチオン化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド樹脂などが使用される。なお、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、その他樹脂ポリマーなど表面サイズ剤も使用できる。この表面サイズ処理用の紙力剤をサイズプレスで両面に片面あたり固形分換算値で3.0〜5.0g/m、好ましくは4.0〜4.4g/mの範囲で塗布する。3.0g/m未満であると、剛度が低くなる上、折れ割れしやすくなるといった欠点が出てくる。さらに、一般的には、原紙側である程度のサイズが無いと、オフセット印刷での耐刷力や、インクジェット印字での印字品位が損なわれることもある。一方、5.0g/mを超えると、不経済である。また、透気度が上がり、インクジェットインクの吸収性が劣る場合があり、好ましくない。さらに、抄紙工程の薬品汚れも懸念される。
また、表面の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどが挙げられるが、本実施形態においては特に限定されない。
感圧接着層は、微粒子充填剤として非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有する。微粒子充填剤は、インクジェット印字適性を付与させるために、インク吸収性などを考慮して非晶質合成シリカを使用する。なお、本実施形態では、非晶質合成シリカの他に、耐ブロッキング性向上のために公知の微粒子充填剤を併用することができる。公知の微粒子充填剤は、例えば、二酸化チタン、アルミナなどの各種金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸カリウムなどの各種炭酸塩、硫酸カルシウムなどの各種硫酸塩、珪酸アルミニウムなどの各種珪酸塩、クレー、タルクなどの無機顔料、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、中空有機顔料、樹脂ビーズなどの有機顔料が挙げられる。
非晶質合成シリカは、製造方法によって、乾式法、湿式法、ゾル法に分類される。本実施形態では、インクジェット印字適性及び再剥離強度を向上させる目的において、多孔性合成シリカ、すなわち湿式法による合成シリカが好ましい。平均2次粒子径が、3.0〜12.0μmであることが好ましい。さらに、湿式法合成シリカは、沈降法合成シリカ及びゲル法合成シリカに分類される。本実施形態では、本発明の効果を奏しない限りにおいて、沈降法合成シリカ又はゲル法合成シリカを単独で使用してもよいし、併用してもよい。例えば、平均2次粒子径の異なる沈降法合成シリカを2種類以上併用してもよいし、沈降法合成シリカとゲル法合成シリカとを併用してもよい。また、本実施形態では、沈降法及びゲル法以外の合成シリカを併用してもよい。
天然ゴム系感圧接着剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、天然加硫ゴム、メタクリル酸メチル、スチレンモノマーなどによるグラフト共重合天然ゴムエマルジョン又はこれらの混合物である。また、スチレン−ブタジエン系、ブタジエン系などの合成ゴムエマルジョン、アクリル酸エステル、スチレン−アクリルなどのアクリル共重合系エマルジョンなどを適宜併用しても良い。この中で、メタクリル酸メチルのグラフト共重合天然ゴムエマルジョンにスチレン−ブタジエン共重合エマルジョンを併用したものが、印刷インキ受理性、表面強さ、耐刷力、耐ブロッキング性、耐熱性、顔料の固着性などを向上させるのでより好ましい。
本実施形態では、感圧接着層に前述した非晶質合成シリカ、微粒子充填剤、天然ゴム系感圧接着剤の他に天然ゴムエマルジョンがエマルジョン破壊を防止する緩衝剤としてノニオン系界面活性剤、インクジェット印字適性改善のために水溶性の高分子電解質を含有させることも可能である。
感圧接着層には、更に、印刷強度(表面強さ)を向上させる目的で、各種澱粉、各種セルロース誘導体、各種蛋白質、カゼイン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル系樹脂、各種ラテックスエマルジョンなどを適宜必要に応じて含有させることができる。
感圧接着層には、塗工時の作業性向上のために、レベリング剤、消泡剤、抑泡剤、後加工性の向上を目的としてワックス類、外観改善を目的として蛍光染料など各種添加剤を含有させることができる。その他、必要に応じて分散剤、印刷適性向上剤、潤滑剤、撥水剤、浸透剤、増粘剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、染料定着剤、サイズ剤、紙力増強剤、保水剤、消臭剤、防腐剤、防ばい剤などの各種添加剤を適宜選択して併用が可能である。
本実施形態に係る高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙では、感圧接着層が、乾燥質量で5.0〜15.0g/mであることが好ましい。より好ましくは、7.5〜9.0g/mである。5.0g/m未満では、インクジェット用インク及びオフセットインキの受容量が低下し、印字品位、印刷上がりなどの視感的な面で劣り、更にインクジェット用インクの耐水性が低下する場合がある。また、塗工量が15.0g/mを超えると印字品位、印刷上がりなどの視感的な面には優れるが、経済的な面から実用性に劣るばかりか、筆記性にも劣り、紙粉が発生しやすく、感圧接着層としての接着力が強過ぎて印字面の紙表面破材を起こす場合がある。
感圧接着層の塗工は、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ダイコーターなどの公知一般的なコーターによって塗工することができる。なお、本実施形態では、塗工方法に限定されない。
感圧接着層の塗工後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、本実施形態においては特に限定されるものではない。
第1の形態において、感圧接着層を片面だけに形成した場合は、他方の面には、オフセット印刷可能なインクジェット用インク受理層を形成することができる。前記インク受理層は、多孔性合成シリカ、少なくとも1種類以上のカチオン性樹脂、及び少なくとも1種類以上の水系バインダーを含有することが好ましい。
インク受理層に用いる多孔性合成シリカは、感圧接着層に用いる非晶質合成シリカと同様の物を用いることができる。
インク受容層に用いるカチオン性樹脂は、直接染料、酸性染料又は反応染料を紙に定着させる染料定着剤として用いられる。多孔性合成シリカをそのカチオン性によってカチオン活性させ、アニオン性を有するインクジェット用インクをイオン結合によって定着させる効果があり、水性インクの耐水性を付与させるために含有させる。カチオン性樹脂は、例えば、ポリアミン、ポリアルキルアミン、変性ポリアミンなどのポリアミン系樹脂、ポリアミド・エポキシ樹脂、アミン・エピクロロヒドリン縮合樹脂が挙げられる。特に、アミン・エピクロロヒドリン縮合樹脂を使用することが好ましい。
水系バインダーは、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合物、スチレン・ブタジエン系エマルジョン共重合物である。
インク受理層には、塗工時の作業性向上のために、レべリング剤、消泡剤、抑泡剤、後加工性の向上を目的としてワックス類、外観改善を目的として蛍光染料などの各種添加剤を含有させることができる。その他、必要に応じて分散剤、印刷適性向上剤、潤滑剤、撥水剤、浸透剤、増粘剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、染料定着剤、サイズ剤、紙力増強剤、保水剤、消臭剤、防腐剤、防ばい剤などの各種添加剤を適宜選択して併用が可能である。
インク受理層の塗工は、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ダイコーターなどの公知一般的なコーターによって塗工することができる。インク受理層の塗工量は、乾燥重量で5〜15g/mの範囲内にあることが望ましい。より好ましくは、6〜10g/mであり、特に好ましくは、6〜8g/mである。5g/m未満ではインクジェット用インク受理層、かつ、オフセットインキ受理層として、インク受容量が低下し、印字品位や印刷上がりなどの視感的な面で劣り、更にインクジェット用インクの耐水性が低下する場合がある。また、塗工量が15g/mを超えると印字品位、印刷上がりなどの視感的な面には優れるが、経済的な面から実用性に劣り、筆記性にも劣り、紙粉が発生しやすくなる場合がある。
インク受理層の塗工後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、本実施形態においては特に限定されるものではない。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、例中の部、%は特に断らない限り、それぞれ質量部、質量%を示す。
(実施例1)
(1)支持体の作製
支持体である原紙は、第1層(表層)、第2層(中層)及び第3層(裏層)の3層抄きとした。各層のパルプの配合割合は、第1層(表層)は、LBKP/NBKP=90/10、第2層(中層)は、LBKP/NBKP=100/0、第3層(裏層)は、LBKP/NBKP=90/10とした。各層には、各層のパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、二酸化チタン(A−110:堺化学社製)5%と、カチオン化澱粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%と、中性ロジンサイズ剤(NT−85:荒川化学社製)0.4%と、湿潤紙力増強剤(WS−4020:星光PMC社製)0.3%とを添加した。また、第2層(中層)のパルプスラリーには、第2層(中層)のパルプスラリーの絶乾パルプ100%に対して、水中に分散濃度50%で分散させた黒色染料(ダイレクトペーパーブラックDXL、アゾ系直接染料:日本化学工業所社製)2%を添加した。前記のように配合した紙料を各々長網抄紙機にて抄紙し、第1層(表層)の坪量が35g/m、第2層(中層)の坪量が40g/m、第3層(裏層)の坪量が35g/mの3層を抄き合わせ、坪量110g/mの原紙を抄造した。各層間には、澱粉(MS5300、酢酸エステル澱粉:日本食品化工社製)を噴霧した。噴霧濃度は約3%、固形分噴霧量は1.0g/mであった。
(2)感圧接着層用塗工液の調製
感圧接着層用塗工液は、ゲル法多孔性合成シリカ(サイロジェットP−405:グレースデビソン社製)35部と、ゲル法多孔性合成シリカ(サイロジェットP−612:グレースデビソン社製)3部と、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)15部と、アクリル共重合エマルジョン(VA−2682:日信化学社製)16部と、メタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴム(サイビノールX−103−204E:サイデン化学社製)28部と、ポリエチレンワックス(ハイテックE−2000:東邦化学)3部とを混合して、工業用水で、固形分濃度を20%に調製した。
(3)感圧接着層の形成
得られた支持体上に、前記の感圧接着層用塗工液(固形分濃度20%)を、乾燥塗工量が片面当たり7.5g/mとなるようにエアーナイフコーターにて両面に塗工し、120℃で乾燥して高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(実施例2)
感圧接着層用塗工液で、ゲル法多孔性合成シリカ(サイロジェットP−405:グレースデビソン社製)35部と、ゲル法多孔性合成シリカ(サイロジェットP−612:グレースデビソン社製)3部とを、沈降法多孔性合成シリカ(DSL−510J:デグサ社製)38部に置換た以外は、実施例1と同様に高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(実施例3)
原紙を、第1層(表層)、第2層(中層)、第3層(中層)及び第4層(裏層)の4層抄きとした。各層のパルプの配合割合及び坪量を、第1層(表層)はLBKP/NBKP=90/10、坪量35g/mとし、第2層(中層)はLBKP/NBKP=100/0、坪量20g/mとし、第3層(中層)はLBKP/NBKP=100/0、坪量20g/mとし、第4層(裏層)はLBKP/NBKP=90/10、坪量35g/mとし、黒色染料を、第2層及び第3層に添加し、4層を抄き合わせて坪量110g/mの原紙とした以外は、実施例1と同様に高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(実施例4)
原紙を、第1層(表層)及び第2層(裏層)の2層抄きとした。各層のパルプの配合割合及び坪量を、第1層(表層)はLBKP/NBKP=90/10、坪量55g/mとし、第2層(裏層)はLBKP/NBKP=90/10、坪量55g/mとし、黒色染料を、第2層に添加し、2層を抄き合わせて坪量110g/mの原紙とした以外は、実施例1と同様に高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(実施例5)
感圧接着層用塗工液を片面だけに塗工した以外は、実施例1と同様に高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(実施例6)
感圧接着層用塗工液を片面だけに塗工した以外は、実施例3と同様に高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(比較例1)
実施例1において、第2層(中層)の原料にて黒色染料を無添加とした以外は、実施例1と同様に再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(比較例2)
実施例3において、第2層及び第3層(中層)の原料にて黒色染料を無添加とした以外は、実施例3と同様に再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(比較例3)
原紙を単層抄きとした。パルプの配合割合及び坪量をLBKP/NBKP=90/10、坪量110g/mとし、当該層を形成するパルプスラリー中に分散濃度50%で分散させた黒色染料を、絶乾パルプ100%に対して2%添加した以外は実施例1と同様に再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。
(比較例4)
実施例1において、感圧接着層用塗工液を組成する多孔性合成シリカを炭酸カルシウムに単純置換した以外は実施例1と同様に再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。本比較例における感圧接着層用塗工液は、次のとおり調製した。炭酸カルシウム(カービタル95:イメリス社製)38部と、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)15部と、アクリル共重合エマルジョン(VA−2682:日信化学社製)16部と、メタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴム(サイビノールX−103−204E:サイデン化学社製)28部と、ポリエチレンワックス(ハイテックE−2000:東邦化学社製)3部とを混合して、工業用水で、固形分濃度を20%に調製した。
(比較例5)
実施例1において、感圧接着層用塗工液を組成するメタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴムをウレタン(IJ−50:DIC社製)に単純置換した以外は、実施例1と同様に再剥離性圧着葉書用記録紙を作製した。本比較例における感圧接着層用塗工液は、次のとおり調製した。ゲル法多孔性合成シリカ(サイロジェットP−405:グレースデビソン社製)35部と、ゲル法多孔性合成シリカ(サイロジェットP−612:グレースデビソン社製)3部と、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)15部と、アクリル共重合エマルジョン(VA−2682:日信化学社製)16部と、ウレタン(IJ−50:大日本インキ社製)28部と、ポリエチレンワックス(ハイテックE−2000:東邦化学社製)3部とを混合して、工業用水で、固形分濃度を20%に調製した。
(比較例6)
実施例1において、感圧接着層を設けない以外は、実施例1と同様に葉書用記録紙を作製した。
このようにして得られた再剥離性圧着葉書用記録紙又は葉書用記録紙において、各記録紙の白紙物性を次に示す方法で評価し、表1に示した。
なお、各種官能評価は、実際に使用するケースを想定しての評価であり、測定機では捕らえきれない様々な要素を瞬時にかつ総合的に判断できる。より実践的なものとするために、官能評価によって行った。
(1)白紙物性評価(不透明性)
白紙物性は、次に示す要領にて不透明性を評価した。実施例と比較例のサンプルに市販の油性マジックにて画線を筆記した後に、蛍光灯にかざし筆記面とは反対方向から視認できるかどうかを判断し、次のような判断基準とした。
○・・・視認できない(不透明性が高く、実用レベル。)。
×・・・視認できる(不透明性が低く、実用不適レベル。)。
(2)インクジェット印字適性
インクジェット印字適性は、次の要領にて評価した。インクジェット用パーソナルプリンター(P−660CII、キヤノン社製)を使用し、画線部の記録を行った。なお、画線はマイクロソフト社製であるワードのソフト上で作成されたものであり、画線部の太さは0.8〜1mm程度の太さとし、印字条件は一般的なインクジェット記録紙モードによった。印字部のインク吸収性や滲み具合を印字品位として目視評価を行った。また、比較として、インクジェット用コンタクト葉書(IJユニマリンメール三つ折り6面、北越紀州製紙社製)を基本とし、次のような判断基準とした。
○・・・良好(インク吸収性、インク滲み共に良好であり、実用レベル。)。
×・・・不良(インク吸収性若しくはインク滲みのいずれかが不良又はどちらも不良であり、実用不適レベル。)。
(3)オフセット印刷適性
オフセット印刷適性は、次の要領にて評価した。得られたサンプルの両面について、プロセスインキ(墨 TV15:東洋インキ社製)を0.4ml計量し、RI印刷機(RI−3:明製作所社製)にて、60rpmの条件下で、5回刷りの自動印刷を行った。そして、印刷面のベタ均一性を目視評価し、更に、ゴムロールに付着した紙面からの脱落物を転写紙(μコート、127.9g/m:北越紀州製紙社製)にて写し取り、耐刷力の指標として目視判断を行った。また、比較として、インクジェット用コンタクト葉書(IJユニマリンメール三つ折り6面:北越紀州製紙社製)を基本とし、次のような判断基準とした。
・ベタ部均一性
○・・・均一性に優れる(実用レベル)。
△・・・やや劣る(製品としては実用下限レベル)。
×・・・劣る(製品としては実用不適レベル)。
・耐刷力
○・・・均一性に優れる(実用レベル)。
△・・・やや劣る(製品としては実用下限レベル)。
×・・・劣る(製品としては実用不適レベル)。
(4)ドライシール適性
ドライシール適性は、次の要領にて評価した。得られたサンプルを実施例1〜3及び比較例1〜6は、葉書の大きさ(10cm×15cm)に三つ折りにし、実施例4及び5は、二つ折りにし、室内環境25℃、相対湿度50%の条件にて、ドライシーラー(プレッスルエコノ:トッパンフォームズ社製)にてギャップ0.20mmで圧着を行った。圧着したサンプルが接着しているかどうか目視観察を行った。その後、手で剥離して再剥離強度が極度に弱くないか、又は、再剥離強度が極度に強く紙破れしないかを確認し評価した。また、比較として、インクジェット用コンタクト葉書(IJユニマリンメール三つ折り6面:北越紀州製紙社製)を基本とし、次に示す判断基準とした。
○・・・圧着し、手で剥離させた後に剥離強度が実用レベルにある場合。
×・・・圧着しない、又は、圧着しても、手で剥離させた後に、剥離強度が実用レベルでない場合。
Figure 2011104840
前記結果から明らかなように、実施例1〜6はすべて、オフセット印刷適性とインクジェット印字適性とを有しており、親展葉書用紙として、適正な感圧接着性と再剥離性とを有し、特に隠蔽性に優れたものであった。
比較例1及び2は、着色された遮蔽層を設けなかったことから、不透明性が低く、実用に適さないレベルとなった。比較例3は、単層抄きであり、当該層を着色したため、インクジェット印字適性、オフセット印刷適性に適さなかった。比較例4は、感圧接着層に、多孔性合成シリカを含有させず、炭酸カルシウムに置換としたために、インクジェット用インキの吸収性に劣り、インクジェット印字適性が実用不適となった。比較例5は、感圧接着層に、天然ゴムを含有させず、ウレタンに置換したために、表面強さ、耐刷力に劣り、オフセット印刷適性が実用不適となった。さらに、剥離強度が弱く、ドライシール適性も実用不適であった。比較例6は、感圧接着層を設けなかったことから、原紙がむき出しとなり、インクジェット印字適性、オフセット印刷適性が共に劣り、再剥離性も有しなかった。

Claims (5)

  1. 支持体の両面又は片面に、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能である感圧接着層を形成した再剥離性圧着葉書用記録紙において、
    前記支持体がパルプ繊維を主要素とし、表層と、裏層と、該表層及び該裏層の間に1層以上の中層とを有する3層以上の多層抄き原紙であり、
    前記中層のうち、少なくとも1層以上が着色された遮蔽層であり、前記感圧接着層が非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有することを特徴とする高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙。
  2. 支持体の両面に、通常状態では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、接着後に剥離可能である感圧接着層を形成した再剥離性圧着葉書用記録紙において、
    前記支持体がパルプ繊維を主要素とし、表層と裏層とを有する2層抄き原紙であり、
    前記表層又は裏層のいずれかが、着色された遮蔽層であり、前記感圧接着層が非晶質合成シリカと天然ゴム系感圧接着剤とを含有することを特徴とする高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙。
  3. 前記非晶質合成シリカが、多孔性合成シリカであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高隠蔽を有する再剥離性圧着葉書用記録紙。
  4. 前記天然ゴム系感圧接着剤が、メタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴムであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙。
  5. 前記感圧接着層が、乾燥質量で、5〜15g/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の高隠蔽性を有する再剥離性圧着葉書用記録紙。
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