JP2009270220A - 封入封緘シート用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い白紙光沢を有し、オフセット印刷適性、インクジェット記録適性を兼ね備え、且つ比較的重量物や、角張った形状のものを封入しても、自動仕分け機で破損することがなく、環境、個人情報保護をも考慮した、ダイレクトメールに適する封入封緘シート用塗工紙を提供する。
【解決手段】 印刷後の塗工紙を、封入物が内包可能な形状に加工を行い、封入物を封入して封緘する封入封緘用紙として使用する封入封緘シート用塗工紙において、前記塗工紙が、基紙と、その少なくとも一面上に、顔料およびバインダー樹脂とを主成分とする一層以上の塗工層とを設け、前記基紙の全パルプ100質量部中の、NBKP配合量が50質量部以下であり、前記塗工紙が、破裂強度(ISO 2758)400kPa以上、引裂強度100gf以下で、且つ前記塗工紙表面の75°白紙光沢度(JIS−P8142)が50%以上である封入封緘シート用塗工紙。
【選択図】 なし
【解決手段】 印刷後の塗工紙を、封入物が内包可能な形状に加工を行い、封入物を封入して封緘する封入封緘用紙として使用する封入封緘シート用塗工紙において、前記塗工紙が、基紙と、その少なくとも一面上に、顔料およびバインダー樹脂とを主成分とする一層以上の塗工層とを設け、前記基紙の全パルプ100質量部中の、NBKP配合量が50質量部以下であり、前記塗工紙が、破裂強度(ISO 2758)400kPa以上、引裂強度100gf以下で、且つ前記塗工紙表面の75°白紙光沢度(JIS−P8142)が50%以上である封入封緘シート用塗工紙。
【選択図】 なし
Description
本発明は、封入封緘シート用塗工紙に関するものである。詳しくは、オフセット印刷適性、インクジェット記録適性を兼ね備え、且つ比較的重量物や、角張った形状のものを封入しても、自動仕分け機で、破損することがない封入封緘物が得られる塗工紙であり、さらに、環境、個人情報保護をも考慮した、ダイレクトメールに適する封入封緘シート用塗工紙に関するものである。
郵便法の改正に伴い、必要情報を記録したシートを二つ折り、又は三つ折りに折り畳み、親展性を持つ葉書システムが実用化され普及している。最近では、ドアオープナー効果を利用して商品情報を見せる販売促進用のダイレクトメールとしても使われている。さらに、より高い開封率、レスポンス率を得るために、資料、返信はがきをはじめ、カード類、地図、CD、DVD等のメディア、プレミアム商品、試供サンプル等を封入封緘した封筒型式のダイレクトメールも増加傾向である。
現在、このような封入封緘物作成において使用されている塗工紙は、通常、特開平7−189179号公報(特許文献1)記載のような商業用印刷(オフセット印刷)の分野に用いられてきたものを使用することが一般的であった。該塗工紙は、通常各種コーターを用いて、顔料、バインダー等を含む塗工層用塗料を基紙の片面あたり10g/m2 以上塗布し、その後、カレンダー処理して表面を平滑化して製造されている。
したがって、これら一般的な塗工紙はオフセット印刷を主眼においているため、封入封緘シート用としては、強度に乏しく、比較的重量物や、角張ったものを封入封緘し、郵送時の自動仕分け機通過の際、封入封緘物が破損する懸念がある。封入封緘シートの強度を得るために、プラスチックフィルムや未晒または晒の針葉樹クラフトパルプから作られるクラフト紙をその基紙に用いられている場合がある。しかし、ダイレクトメールは顧客の企業に対する第一印象を左右するものであるため、プラスチックフィルムを基紙に用いたダイレクトメールでは、その企業の環境保護に対するイメージが損なわれる懸念がある。また、封入封緘シートには宛名等の個人情報が印刷、もしくは貼付されているため、廃棄する場合、ちぎって破られることが多い。封筒のみを3〜4回ちぎって破る場合、3回目では8枚重ね、4回目では16枚重ねでちぎられるため、基紙にプラスチックフィルムやクラフトパルプを用いる等により、引裂強度が高い場合、ちぎることが容易でない。
一方、近年インクジェット方式の高速化、高画質化が進んでいることから、これまでの印刷方法で作製した印刷物に宛名等の可変情報を追加記録する傾向が顕著になってきている。一般的な塗工紙はインクジェットインクの吸収性も極めて低いため、にじみの発生や乾燥不良によるインク汚れが発生するため高速インクジェット記録が困難であり、満足なものが得られていない。従って、満足な封入封緘シート用塗工紙は得られていないのが現状である。
本発明の目的は、高い白紙光沢を有し、オフセット印刷適性、インクジェット記録適性を兼ね備え、且つ比較的重量物や、角張った形状のものを封入しても、自動仕分け機で破損することがない封入封緘物が得られる封入封緘シート用塗工紙であり、さらに、環境、個人情報保護をも考慮した、ダイレクトメールに適する封入封緘シート用塗工紙を提供するものである。
本発明は以下の様態を含む。
(1)印刷後の塗工紙を、封入物が内包可能な形状に加工を行い、封入物を封入して封緘する封入封緘用紙として使用する封入封緘シート用塗工紙において、前記基紙のNBKPの配合量が全パルプ100質量部中、50質量部以下であり、前記塗工紙が、基紙と、その少なくとも一面上に、顔料およびバインダー樹脂とを主成分とする一層以上の塗工層とを設け、前記塗工紙が、破裂強度(ISO 2758)400kPa以上、引裂強度100gf以下であり、且つ前記塗工紙表面の75°における白紙光沢度(JIS−P8142)が、50%以上であることを特徴とする封入封緘シート用塗工紙。
(2)前記塗工層において、最表層の塗工層に含まれる顔料100質量部中、カオリンが50質量部以上、軽質炭酸カルシウムが10〜50質量部であることが好ましい。
(3)前記塗工層が、前記基紙上にブレードコーターにて形成されることが好ましい。
(4)前記基紙中に、ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤が0.20〜0.40質量部含有することが好ましい。
(2)前記塗工層において、最表層の塗工層に含まれる顔料100質量部中、カオリンが50質量部以上、軽質炭酸カルシウムが10〜50質量部であることが好ましい。
(3)前記塗工層が、前記基紙上にブレードコーターにて形成されることが好ましい。
(4)前記基紙中に、ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤が0.20〜0.40質量部含有することが好ましい。
本発明は、高い白紙光沢を有し、オフセット印刷適性、インクジェット記録適性を兼ね備え、且つ比較的重量物や、角張った形状のものを封入しても、自動仕分け機で破損することがない封入封緘物が得られる封入封緘シート用塗工紙であり、さらに、環境、個人情報保護をも考慮した、ダイレクトメールに適する封入封緘シート用塗工紙を得られる。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の封入封緘シート用塗工紙は、基紙と、その少なくとも一面上に、顔料およびバインダー樹脂とを主成分とする一層以上の塗工層を少なくとも一層有しており、前記塗工紙の破裂強度、引裂強度、表面光沢度が特定範囲内であることを特徴とする。
塗工紙の破裂強度としては、400kPa以上が好ましい。破裂強度が400kPaより小さい場合、比較的重量物や、角張った形状のものを封入封緘すると、郵送時の自動仕分け機で破損する懸念がある。より好ましくは、500kPa以上である。なお、破裂強度の測定器としては、ミューレン破裂試験機(低圧型、ISO 2758)が用いられる。
塗工紙の引裂強度(JIS P8116)としては、100gf以下が好ましい。本発明者らは、いろいろな引裂強度の用紙を16枚重ねてちぎるテストを行ったところ、引裂強度が100gfより大きい場合、大きな力を要することになり、何回かに分けてちぎったり、はさみを用意しなければならない等のよけいな手間が生じてしまうことがわかった。ダイレクトメールは基本的に相手の了解を得ずに配達されるものであるため、個人情報を保護するための手段が、手間がかかったとの印象は、企業イメージそのものを損ねてしまうおそれがある。より好ましい引裂強度は50gf以下である。
前記特定の範囲の破裂強度と引裂強度を実現するためには、基紙のNBKPの配合量を全パルプ100質量部中、50質量部以下とするものである。NBKPの配合量が50質量部を超えると、破裂強度が大きくなるとともに引裂強度が増大してしまうため好ましくない。より好ましくは、30質量部以下である。
基紙を構成するパルプについて、本発明の効果を損なわない範囲において、その製法及び種類等に特に限定はない。例えばKPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP及びCTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、並びにケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプであってもよく、またポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、再生繊維、例えばポリノジック繊維並びにガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。なお、基紙に用いるパルプとして、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプを用いることが好ましい。
基紙を構成するパルプの叩解度については、特に限定するものではないが、例えば300〜550cc(CSF)の範囲で調整されることが好ましい。叩解度が550ccを超える場合は、繊維の絡み合いや接着力が不十分なため、満足な破裂強度が得られないことがある。また、300cc未満の場合は、繊維の絡み合いによる接着改善効果は飽和しており、逆に単繊維強度低下の影響により破裂強度は低下してしまう。より好ましくは350〜520ccである。
本発明では、特定の範囲の破裂強度と引裂強度を実現するために、ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤を添加することによって調整されることが好ましい。ポリアクリルアミド樹脂紙力増強剤の使用量としては、0.20〜0.40質量部の範囲が好ましく、0.25〜0,40質量部であればより好ましい。ポリアクリルアミド樹脂紙力増強剤の使用量が0.20質量部より小さい場合は、満足な破裂強度が得られないことがある。また、0.40質量部を超える場合は、引裂強度が高くなりすぎるため好ましくない。さらに紙力増強剤としては、両性ポリアクリルアミド系樹脂が好ましい。両性ポリアクリルアミド系樹脂紙力増強剤は、その分子中のアニオン性基間で形成される水素結合、カチオン性基による繊維凝集力、微細繊維歩留まり向上効果等が相乗的に働くため好ましい。その他、本発明の効果を損なわない範囲において、バインダー、湿潤紙力増強剤をも併用可能である。バインダーとしては、例えば各種デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子が挙げられる。湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等が挙げられる。
基紙のサイズ度は、原料中に含有される内添サイズ剤や、サイズプレス塗工機で塗工される表面サイズ剤をそれぞれ単独または組み合わせて所定のサイズ度に調整される。内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸系の中性サイズ剤等のサイズ剤が使用でき、硫酸バンド、カチオン化デンプン等、適当なサイズ剤と定着剤を組み合わせて使用する。表面サイズ剤としては、上記内添サイズで使用したものの他、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンアクリル産共重合体、スチレンメタクリル酸共重合体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
また、基紙中には、必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、一般に上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子および貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
なお、基紙の抄紙時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、パルプ繊維や填料の他に、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
基紙の抄紙方法については特に限定はなく、例えば抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の、全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用することができる。
塗工紙の塗工層用顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、サチンホワイト、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物材料からなる顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、並びにこれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機材料からなる有機顔料等が挙げられる。
本発明では、塗工層が単層の場合は、塗工層中、複数設ける場合は特に最表層の塗工層に含まれる顔料としては、全顔料100質量部中、上記カオリンを50質量部以上、且つ軽質炭酸カルシウムを10〜50質量部に調整することによって、高光沢とオフセット印刷適性、さらには高速インクジェット記録適性も得られやすいため好ましいが、もちろん上記選択に限定するものではない。これら顔料は数種類を適宜組合せて用いることができる。
塗工層用バインダー樹脂としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂系ラテックス、ポリウレタン系ラテックス、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン樹脂系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。本発明では前記顔料バインダー樹脂の中から1種類あるいは2種類以上を適宜組合せて用いることができる。
塗工層用バインダー樹脂の使用量としては、特に限定されるものではないが、高い表面光沢とインクジェットインク吸収性を両立させるためには、例えば、塗工層中に顔料100質量部に対して5〜30質量部配合させることが好ましく、8〜20質量部配合させることがさらに好ましい。
また各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等の少なくとも1種が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
本発明の感圧接着シート用塗工紙において、基紙に設けられる塗工層の塗工量は、6〜30g/m2が好ましい。塗工量が6g/m2より少ない場合は、基紙表面の凹凸を十分に被覆できずに、光沢度を適正化できないことがある。また、30g/m2より多い場合では、塗工時の乾燥性が悪くなるなど、操業性が低下し、製造原価も高くなるおそれがある。
塗工層を形成する塗工方法としては、一般に従来の塗工装置、例えばブレードコーター、エヤーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロール、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター等の塗工装置を適宜に用いることができる。なかでも、高濃度塗料を高速塗工できるブレードコーターは、塗工層のバインダー樹脂の基紙へのしみこみが小さく抑えられるため、前記バインダー樹脂の使用量で、高光沢度とインクジェットインク吸収性が得られるため好ましい。
前記塗工層を設けた塗工基材に平滑化処理を施す際には、通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置を用いて行われる。前記平滑化処理はオンマシンやオフマシンで適宜施されてもよく、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に応じて適宜調節される。塗工紙表面の光沢度は50%以上であることが好ましい。より好ましくは、60%以上である。
本発明において、封入封緘物の作成方法については、特に限定するものではない。例えば、印刷後の塗工紙を封筒状に加工して、封入物を封入後、折り加工、糊付け、封緘を行う方法、塗工紙を封筒状に加工する際、封入物を封筒若しくは、シート状の内封物に貼り付けた後、封筒状に加工する等の方法がある。加工の順序についても限定するものでなく、各工程は手作業で行っても良いし、加工機を用いてもよい。または、アタッチャーを用いて、一貫加工を行うこともできる。本発明において、宛名、バーコード等の可変情報記録のタイミングに関しても、特に限定するものでなく、塗工紙の印刷加工前、または印刷加工後でもよい。または、封入封緘後に非接触型インクジェットプリンター等を用いて行うこともできる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、勿論本発明はこれに限定されるものではない。実施例において示す「部」および「%」は、特に明示の無い限り、質量部および質量%である。
(実施例1)
[基紙の製造]
LBKP(CSFフリーネス450ml)90質量部、NBKP(CSFフリーネス450ml)10質量部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(商品名:ファイブラン81、ナショナルスターチ社製)0.05質量部、両性ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤(商品名:PS1280、荒川化学社製)0.3質量部、硫酸バンド0.6質量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH5.3、固形分濃度1.1%の紙料を調製した。この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、スチレンマレイン酸共重合体(商品名:ポリマロン385、荒川化学工業社製)0.2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を濃度5.5%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/m2となるように塗布し、乾燥して、さらにマシンカレンダを用いて平滑化処理を施して、坪量90g/m2の基紙を製造した。
[基紙の製造]
LBKP(CSFフリーネス450ml)90質量部、NBKP(CSFフリーネス450ml)10質量部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(商品名:ファイブラン81、ナショナルスターチ社製)0.05質量部、両性ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤(商品名:PS1280、荒川化学社製)0.3質量部、硫酸バンド0.6質量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH5.3、固形分濃度1.1%の紙料を調製した。この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、スチレンマレイン酸共重合体(商品名:ポリマロン385、荒川化学工業社製)0.2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を濃度5.5%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/m2となるように塗布し、乾燥して、さらにマシンカレンダを用いて平滑化処理を施して、坪量90g/m2の基紙を製造した。
[塗工液の調製]
カオリン(商品名:ハイドラグロス90、ヒューバー社製)70質量部と軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121、奥多摩工業社製)30質量部に分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.1質量部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調整した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)3質量部およびSBRラテックス(商品名:スマーテックスPA−5703C、日本A&L社製)10質量部を添加攪拌し、さらに水を加えて、固形分濃度60%の塗工液を調整した。
カオリン(商品名:ハイドラグロス90、ヒューバー社製)70質量部と軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121、奥多摩工業社製)30質量部に分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.1質量部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調整した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)3質量部およびSBRラテックス(商品名:スマーテックスPA−5703C、日本A&L社製)10質量部を添加攪拌し、さらに水を加えて、固形分濃度60%の塗工液を調整した。
[塗工紙の作製]
得られた塗工液を、前記基紙の両面に、ブレードコーターを用いて片面当たり乾燥塗布量が19g/m2なるように塗工し、スーパーカレンダー処理を施し、坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(実施例2)
実施例1の基紙の製造において、坪量が66g/m2となるように製造した以外は実施例1と同様にして坪量104g/m2の塗工紙を得た。
(実施例3)
実施例1の基紙の製造において、両性ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤の使用量を0.22質量部に減らした以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(実施例4)
実施例1の基紙の製造において、パルプスラリー配合をLBKP(CSFフリーネス450ml)60質量部、NBKP(CSFフリーネス450ml)40質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして基紙を得た。得られた基紙を用いて、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(比較例1)
実施例1の基紙の製造において、パルプスラリー配合をNBKP(CSFフリーネス450ml)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして基紙を得た。得られた基紙を用いて、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(比較例2)
比較例1の基紙製造において、坪量が66g/m2となるように製造した以外は比較例1と同様にして坪量104g/m2の塗工紙を得た。
(比較例3)
実施例1の基紙の製造において、両性ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
得られた塗工液を、前記基紙の両面に、ブレードコーターを用いて片面当たり乾燥塗布量が19g/m2なるように塗工し、スーパーカレンダー処理を施し、坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(実施例2)
実施例1の基紙の製造において、坪量が66g/m2となるように製造した以外は実施例1と同様にして坪量104g/m2の塗工紙を得た。
(実施例3)
実施例1の基紙の製造において、両性ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤の使用量を0.22質量部に減らした以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(実施例4)
実施例1の基紙の製造において、パルプスラリー配合をLBKP(CSFフリーネス450ml)60質量部、NBKP(CSFフリーネス450ml)40質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして基紙を得た。得られた基紙を用いて、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(比較例1)
実施例1の基紙の製造において、パルプスラリー配合をNBKP(CSFフリーネス450ml)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして基紙を得た。得られた基紙を用いて、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
(比較例2)
比較例1の基紙製造において、坪量が66g/m2となるように製造した以外は比較例1と同様にして坪量104g/m2の塗工紙を得た。
(比較例3)
実施例1の基紙の製造において、両性ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2の塗工紙を得た。
得られた塗工紙について以下の評価を行い、結果を表1に示した。
[評価方法]
[破裂強度の測定]
得られた塗工紙の破裂強度を、ミューレン破裂試験機(低圧型、ISO 2758準拠)を用いて表裏で測定し、その平均を測定値とした。
[引裂強度の測定]
得られた塗工紙の引裂強度を、引裂強度測定器(JIS P8116に準拠)を用いて、マシン方向、巾方向で測定して、その平均を測定値とした。
[塗工層表面の光沢度の測定]
得られた塗工紙の表面光沢を、光沢度計(JIS−Z8741記載)を用い、JIS P8142に従って、入射角75度で測定した。いずれの塗工紙も70%であった。
[インクジェットインク吸収性の評価]
得られた塗工紙を市販のインクジェットプリンター(機種:PM−800C、エプソン社製)でモノクロ印字して、直後の印字部に上質紙をあてて、インクの移りを5段階評価し3点以上を実用レベルとする。
5点:全く上質紙にインクが移らない
4点:上質紙へのインク移りが、殆どなく、問題ないレベル
3点:若干、上質紙にインクが移るが、実用上問題ないレベル
2点:上質紙にインク移りが有り、実用上問題となるレベル
1点:上質紙にインクが多く移る
結果、いずれの塗工紙の評価も4点であった。
得られた塗工紙の破裂強度を、ミューレン破裂試験機(低圧型、ISO 2758準拠)を用いて表裏で測定し、その平均を測定値とした。
[引裂強度の測定]
得られた塗工紙の引裂強度を、引裂強度測定器(JIS P8116に準拠)を用いて、マシン方向、巾方向で測定して、その平均を測定値とした。
[塗工層表面の光沢度の測定]
得られた塗工紙の表面光沢を、光沢度計(JIS−Z8741記載)を用い、JIS P8142に従って、入射角75度で測定した。いずれの塗工紙も70%であった。
[インクジェットインク吸収性の評価]
得られた塗工紙を市販のインクジェットプリンター(機種:PM−800C、エプソン社製)でモノクロ印字して、直後の印字部に上質紙をあてて、インクの移りを5段階評価し3点以上を実用レベルとする。
5点:全く上質紙にインクが移らない
4点:上質紙へのインク移りが、殆どなく、問題ないレベル
3点:若干、上質紙にインクが移るが、実用上問題ないレベル
2点:上質紙にインク移りが有り、実用上問題となるレベル
1点:上質紙にインクが多く移る
結果、いずれの塗工紙の評価も4点であった。
表1が明らかに示しているように、本発明に係る封入封緘シート用塗工紙は、所定の破裂強度、引裂強度であることで、郵送時の破損を防止し、且つ廃棄時に容易にちぎれることで、個人情報保護の面で優れた塗工紙である。また、白紙光沢が高く、インクジェットインク吸収性も優れたものである(実施例1〜4)。しかし、本発明の塗工紙破裂強度、引裂強度でない場合、封入封緘シート用途に適した塗工紙は得られないものである。(比較例1〜3)。
本発明は、高い白紙光沢を有し、オフセット印刷適性、インクジェット記録適性を兼ね備え、且つ比較的重量物や、角張った形状のものを封入しても、自動仕分け機で破損することがない封入封緘物が得られる封入封緘シート用塗工紙であり、さらに、環境、個人情報保護をも考慮した、ダイレクトメールに適する封入封緘シート用塗工紙を得るものであり、実用上極めて有用なものである。
Claims (4)
- 印刷後の塗工紙を、封入物が内包可能な形状に加工を行い、封入物を封入して封緘する封入封緘用紙として使用する封入封緘シート用塗工紙において、前記塗工紙が、基紙と、その少なくとも一面上に、顔料およびバインダー樹脂とを主成分とする一層以上の塗工層とを設け、前記基紙の全パルプ100質量部中のNBKP配合量が50質量部以下であり、前記塗工紙が、破裂強度(ISO 2758)400kPa以上、引裂強度100gf以下であり、且つ前記塗工紙表面の75°における白紙光沢度(JIS−P8142)が50%以上であることを特徴とする封入封緘シート用塗工紙。
- 前記塗工層において、最表層の塗工層に含まれる顔料100質量部中、カオリンが50質量部以上、軽質炭酸カルシウムが10〜50質量部であることを特徴とする請求項1に記載の封入封緘シート用塗工紙。
- 前記塗工層が、前記基紙上にブレードコーターにて形成されたものである請求項1または2に記載の封入封緘シート用塗工紙。
- 前記基紙中に、ポリアクリルアミド樹脂からなる紙力増強剤が全パルプ100質量部に対して、0.20〜0.40質量部含有する請求項1〜3に記載の封入封緘シート用塗工紙。
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US9732474B2 (en) | 2015-05-29 | 2017-08-15 | International Paper Company | Hydrophobic coated paper substrate for polymer emulsion topcoats and method for making same |
JP2017172052A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-28 | 北越紀州製紙株式会社 | 水彩画用紙及びその製造方法 |
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