JP2005335235A - 通帳用表紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金融機関のオンライン金融端末機で使用される通帳用表紙(6)と中紙(7)を有する通帳において、オフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性を有し、リサイクルが可能であり、使用環境の温度や湿度が変化しても金融機関のオンライン金融端末機において2枚めくりが発生しない安定したページめくりが可能な、塗工層を有する通帳用表紙(6)を提供する。
【解決手段】 紙基材の表裏に、通帳用表紙(6)の見返し部分と中紙(7)との静摩擦係数と中紙(7)の表裏面同士の静摩擦係数の差を特定した塗工層を設ける。この塗工層にオフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性を付与させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、金融機関のオンライン金融端末機で使用される通帳に関する。詳しくはリサイクルが可能で、温度や湿度が変化しても安定した自動ページめくりが可能な通帳用表紙に関する。
従来より、金融機関のオンライン金融端末機で使用される通帳の表紙には、使用する際に発生する中紙の巻き込みといったトラブル防止の為のカール対策や、保管時における破れなどの破損防止を目的として、特許文献1に記載されているように「通帳用クロス」と称されている、対折強度や引っ張り強度の強い紙などをベースとし、この上に布や合成樹脂フィルムを貼合したり、さらにはこの表面に接着剤、顔料、充填剤などからなる組成物を表面に塗工したものが使用されていた。
この通帳用クロスは、その表面に銀行名などを印刷するためのオフセット印刷適性や、使用者の名前や番号などの可変情報を印字するためのドットインパクトプリンタ適性が必要であり、インキの発色性や適切な表面強度が要求される。そのため、上記したように通帳用クロスの表面に接着剤、顔料、充填剤などからなる組成物を1層若しくは数層設けた塗工層を有するのが一般的である。またカールを防止するために、その裏面にも塗工層を設けたり薄紙層などを設けた構成としていた。
通帳用クロスとして紙を用いた基材においては、紙基材の耐折強度、引っ張り強度、耐水強度などの通帳用表紙として必要な強度を向上させるために樹脂を含浸させた含浸紙を使用し、上記した通帳用クロスと同様に、その表面にオフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性を得るための塗工層を設けた構成となっていた。
通帳用クロスとして求められる性能としては、上記したようなオフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性以外にも、オンライン金融端末機で通帳を処理する際のカール防止や、持ち運び、保管時における破損防止のために耐水性が必要とされ、これらの適性を有した通帳用クロスが市販されていた。
これらの通帳用クロスを使用して通帳を作成する際には、オンライン通帳端末機において安定した自動ページめくり適性を得るために、通帳用クロスの裏面に中紙を貼り合わせて最終的なオンライン金融端末機用の通帳用表紙としていた。
また、昨今の環境問題の流れから、オンライン金融端末機用の通帳における表紙用材料においてもリサイクル化の要求が高まってきた。しかし、従来から使用されている通帳用クロスにおいては、上記したように布やフィルムを貼り合わせたり、あるいは強力な耐水紙を使用しているために全くリサイクルができず、そのための改良が求められてきた。このような流れの中で、耐水性を維持しながらリサイクルも可能であるような紙素材が各メーカーから提案され、それらを使用して通帳用表紙を作成する動きが進んでいる。
しかし、このようなリサイクル可能な耐水紙は吸湿性が少なく、耐水紙自体の寸法変化も少ないため、湿度変化による寸法変化の大きな中紙と貼り合わせて使用する際に、湿度変化によるカールが著しくなってオンライン金融端末機で使用する際にトラブルが発生し易くなるといった問題を有していた。
特許文献2では耐水層を設けた通帳表紙材料を作成する方法が記載されているが、その表面に印刷適性を付与した塗工層を有する通帳用表紙と、記帳用に使用される上質紙からなる中紙とでは、その表面における吸湿性が異なるので、温度や湿度が変化することにより表面の摩擦抵抗が異なってくる。特に梅雨時のように高温、高湿下においては、めくろうとするページが見返し部分に接するページの前のページであるような場合に、最終ページも一緒にめくってしまう、いわゆる2枚めくりが発生し易くなり、実際に通帳用表紙として使用するまでには至っていないのが現状である。
この2枚めくりに対処する方法として、特許文献3では摩擦係数をコントロールする方法が、特許文献4や特許文献5ではインクによって摩擦係数をコントロールする方法が提案されている。しかし、これらの方法はいずれも中紙を見返しとして使用する場合についての提案であり、耐水紙自体を見返しとして使用した場合においては温度、湿度の変化に伴う摩擦係数の変化に対応できず、高温、高湿下での2枚めくりに対応することはできなかった。
実開昭62−009564号公報 特開2004−090554号公報 特公平08−025345号公報 特開平11−291667号公報 特開2003−191665号公報
本発明は、金融機関のオンライン金融端末機で使用される表紙と中紙を有する通帳において、オフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性を有し、リサイクルが可能であり、使用環境の温度や湿度が変化しても金融機関のオンライン金融端末機において2枚めくりが発生しない安定したページめくりが可能な、塗工層を有する通帳用表紙を提供することを課題とする。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、紙を用いた通帳用表紙基材(1)の表面に、主として顔料と接着剤からなる塗料であって、30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、同条件下でコッブの吸水度(JIS P 8140(1998)に準ずる。)における1時間値を測定したとき10g/m未満である耐水塗工層(2)を設け、次にこの耐水塗工層(2)の上にオフセット印刷適性を付与したピグメントコート層(3)を設け、次に裏面にも耐水塗工層(2)を設け、裏面の耐水塗工層(2)の上にはオフセット印刷適性とドットインパクトプリンタ適性を有し、かつ30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、通帳用表紙(6)における見返し部分と中紙(7)との静摩擦係数(JIS P 8147(1994)に準ずる。)と中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数の差が±0.05の範囲である見返し層(4)を設けたことを特徴とする通帳用表紙(6)である。
本発明の請求2に係る発明は、紙を用いた通帳用表紙基材(1)の表面に、主として顔料と接着剤からなる塗料であって、30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、同条件下でコッブの吸水度(JIS P 8140(1998)に準ずる。)における1時間値を測定したとき10g/m未満である耐水塗工層(2)を設け、次にこの耐水塗工層(2)の上にオフセット印刷適性を付与したピグメントコート層(3)を設け、次に別に用意した通帳用表紙基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、次にこの耐水塗工層(2)の上にはオフセット印刷適性とドットインパクトプリンタ適性を有し、かつ30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、通帳用表紙(6)における見返し部分と中紙(7)の静摩擦係数(JIS P 8147(1994)に準ずる)と中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数の差が±0.05の範囲である見返し層(4)を設け、次にこれらの塗工面を表面としたときに、接着剤層(5)を介して裏面同士を貼り合わせたことを特徴とする通帳用表紙(6)である。
本発明の請求項3に係る発明は、主として顔料と接着剤からなる塗料であって、PETフィルムに固形分換算で10g/m塗工して乾燥させ、これを23℃、50%RHで24時間調湿後に質量を測定し、次に30℃、80%RHで24時間調湿後の質量を測定して、環境の変化に伴う塗料の吸湿量を測定したとき、その吸湿量が0.2g/m〜0.5g/mの範囲である塗料を見返し層(4)として塗工したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通帳用表紙(6)である。
本発明の請求項4に係る発明は、JIS P 8135(1998)に準じて測定した湿潤引っ張り強度が、JIS P 8113(1998)に準じて測定した引っ張り強度の30%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の通帳用表紙(6)である。
本発明によれば、リサイクルが可能であり、使用環境の温度や湿度が変化しても金融機関のオンライン金融端末機において2枚めくりが発生しない安定したページめくりが可能な、塗工層を有する通帳用表紙を提供することができる。
以下に、図面を参照して本発明の通帳用表紙について具体的に説明する。図1は基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、その上にピグメントコート層(3)を設け、裏面には耐水塗工層(2)を設け、その上に見返し層(4)を設けた通帳用表紙(6)の断面図である。
図2は、紙基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、その上にピグメントコート層(3)を設け、別の紙基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、その上に見返し層(4)を設けて、裏面同士を接着剤層(5)で貼り合わせた通帳用表紙(6)の断面図である。
図3は、中紙(7)と通帳用表紙(6)を組み合わせたオンライン金融端末機用の通帳(8)の概念図である。
本発明の紙基材(1)に使用するパルプは、通常の一般的な塗工紙の基紙に使用されるパルプが必要に応じて自由に使用できる。例えば針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、グラウンドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの化学パルプや機械パルプなどの木材パルプを主体とし、楮、三椏、麻、ケナフなどの靱皮繊維、綿、竹、バガス、エスパルト、藁などの非木材パルプ、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン、レーヨンなどの合成繊維や半合成繊維、あるいは炭素繊維、アルミナシリケート繊維、ロックウールなどの無機繊維を必要に応じて1種類以上組み合わせて使用することができるが、リサイクル性を考慮すると木材パルプ単独での使用が望ましい。
パルプの叩解度は特に規定されるものではないが、300mlC.S.F.〜600mlC.S.F.の範囲が好ましい。通帳の表紙材料は引裂き強度、引張り強度等の紙力が必要である為、両方の強度のバランスが取れる叩解度にする必要がある。叩解度が300mlC.S.F.以下であると繊維が短い為引裂き強度が不十分である。一方叩解度が600mlC.S.F.以上である場合は、引裂き強度は高くなるが、繊維間結合が少ない為引張り強度が得られず通帳表紙用材料としては好ましくない。
また、本発明においては、塗工後の不透明度や白色度を調整するために、基紙の中に填料を使用することができる。ここで使用する填料としては一般的な抄紙用填料として使用される填料、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、セリサイト、二酸化チタンなどが、必要に応じて単独で、あるいは1種類以上組み合わせて使用することができる。これらの填料の基紙に対する配合率は特に限定されるものではないが0〜20質量%の範囲が適当である。20質量%以上の添加率では、填料により繊維間結合が阻害される為、通帳として必要な強度が得られないので好ましくない。
本発明における基紙の抄造で使用される抄紙用薬品は、一般的に抄紙用薬品として使用されるものが自由に使用できる。例えばロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤のようなサイズ剤を内添および/またはサイズプレスを使用して用いることができる。その他に乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留まり向上剤、スライムコントロール剤、濾水性向上剤、染料、顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤や、それらを定着させるための硫酸バンドやカチオン化デンプン、高分子凝集剤などの定着剤などを必要に応じて適宜使用することができる。
本発明で使用される基紙は、リサイクルを可能とする必要性から通常の条件下で離解性を有している必要がある。そのために離解性を阻害する湿潤紙力増強剤は、その種類や使用量を考慮する必要がある。
本発明でいう離解性とは、後で述べる(リサイクル性評価試験)を意味し、この評価試験において△以上の評価を得るものを離解性があるとする。
本発明で使用する湿潤紙力増強剤としては、一般的な湿潤紙力増強剤として多用されているポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリンを使用する場合には、離解が可能である添加量が上限となる。本発明においては、製紙用パルプに対して固形分比で0.5質量%未満であることが好ましい。添加量が0.5質量%以上であると離解性が悪くなってリサイクル性に問題を生じるので好ましくない。湿潤紙力増強剤は、離解性を阻害しない程度の使用量であれば、特に湿潤時の引っ張り強度が維持できるので好ましい。
本発明で使用する湿潤紙力増強剤として、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリン以外では、例えば尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンイミンなどが使用できるが、離解できる範囲での使用が望ましい。
乾燥紙力増強剤としては、基紙の強度を維持し、かつ離解性を阻害しないものとしてアニオン、両性、カチオン性のポリアクリルアミド、各種の変性デンプン、植物ガム、CMCなどを必要に応じて適宜使用することができる。これらの薬品は通帳表紙材料として必要な強度を得る為には、製紙用パルプに対して固形分比で0.2〜2.0質量%の範囲であることが好ましい。0.2質量%以下であると十分な紙力強度が得られず、2.0質量%以上では紙力強度の向上効果が期待できず、経済的メリットが少ないので好ましくない。
この様にして調整された紙料を用い、長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤーフォーマーあるいはこれら抄紙機のコンビネーションなどの一般的な抄紙機を使用して通帳用表紙(6)の基紙を抄紙することができる。
本発明で用いられる耐水塗工層(2)は、通帳用表紙が水に濡れた際に、水が紙基材(1)内部に浸透して通帳用表紙(6)としての強度が低下することを防止することを目的としている。耐水性の評価にはコッブの吸水度を使用する。本発明における通帳用表紙(6)においては、サンプルを30℃、80%RHで24時間調湿後に、調湿条件と同じ条件下でJIS P8140(1998)に準じて、1時間水と接触させた際のコッブ吸水度で評価し、この値が10g/m未満である必要がある。10g/m以上であると水に対するバリヤー性が悪くなり、通帳用表紙(6)が水分を吸収して通帳用表紙(6)として使用するのに充分な強度を保持することができなくなる。
耐水塗工層(2)で使用される樹脂は、適度な耐水性を有し、かつ離解性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えばスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン・アクリル共重合体ラテックス、アクリル系共重合ラテックス、ポリエステル系共重合体、ウレタン系共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル樹脂、疎水化デンプンなどを挙げることができる。特にスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスは耐水性が良好で、伸びが良く折れ割れによる耐水層の亀裂が生じにくいなどの点で好ましく使用できる。なお、リサイクル性を持たせた適度な耐水性を得る為には、樹脂中に水酸基やカルボキシル基等の親水基が規定の耐水性を落とさない程度に適度に含まれていることが好ましい。
バインダー樹脂としてラテックスを使用する場合には、そのガラス転移点は−20℃から50℃であることが好ましい。特に好ましくは0℃から30℃の範囲である。ガラス転移点が−20℃以下であると強固な連続皮膜を形成して水に対するバリヤー性が良好となるが、反面、離解性が悪くなるので好ましくない。一方50℃を越えると離解性は良好となるが水に対するバリヤー性が悪くなり、必要となる耐水強度を維持することができなくなるので好ましくない。
耐水塗工層(2)には、水に対するバリヤー性を向上させる目的でカオリンや雲母などのようなアスペクト比の高い填料を使用することが好ましい。この場合の添加量は、耐水塗工層(2)を構成する樹脂バインダー100質量部に対して0〜150質量部の範囲が好ましい。150質量部以上の添加量であると、水に対するバリヤー性が悪化して必要となる耐水強度を維持することが困難となるので好ましくない。
また、耐水塗工層(2)には、その耐水性を向上させる目的で各種の架橋剤を添加することが好ましい。例えばシランカップリング剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、メラミン樹脂などを挙げることができる。架橋剤の添加量は使用する架橋剤の樹脂の種類によって異なるが、添加量が必要以上に多くなると離解性が悪くなる影響が出てくるので、離解性を損なわない範囲で添加することが必要である。
耐水塗工層(2)には、耐水性を低下させない範囲で各種の助剤を添加することができる。例えば分散剤、pH調整剤、保水剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、染料、顔料、光安定化剤、酸化防止剤などをあげることができる。
本発明における見返し層(4)は、通帳のページめくり性を維持するために温度や湿度が変化した環境条件下でも、通帳用表紙基材における見返し部分と中紙との静摩擦係数と、中紙の表面と裏面との静摩擦係数の差が、JIS P 8147(1994)に準じて測定した時に±0.05の範囲である必要がある。この範囲を越える静摩擦係数の差が発生すると、ページの2枚めくりが発生しやすくなる。
温度と湿度の環境条件は、冬季を想定した10℃、30%RH、春秋季を想定した23℃、50%RH、夏季を想定した30℃、80%RHの3条件のいずれにおいても上記した静摩擦係数の差の範囲内にある必要がある。特に夏季の条件は湿度が一番高く、通帳用表紙(6)も水分を吸収しやすくなって静摩擦係数が高くなる傾向が強い。通常の耐水紙、含浸タイプの耐水紙あるいは一般的なオフセット印刷用のコート紙においては紙自体の吸湿性が少なく、反対に本文用紙である中紙のような非塗工の漉きっぱなしの紙では吸湿性が強くなっている。このために環境条件の変化によって吸湿量に差が出てくると静摩擦係数に差が発生してくるので、金融機関のオンライン金融端末機においてページの2枚めくりが発生し易くなるのである。従って上記したようないずれの条件下においても必要な静摩擦係数の差が一定の範囲以内に確保できればページの2枚めくり問題は解決できる。
静摩擦係数を変化させる要因としては表面の中心線表面粗さ、平滑度などの表面性の問題が一般的に知られている。非塗工紙においては内添薬品、外添薬品、地合、エンボス、カレンダー処理条件などがこれらの要因を変化させる条件と考えられている。また塗工紙においては、使用される塗料に使用される填料の種類、形状、添加率、粒子径、バインダー樹脂の種類やガラス転移点、バインダー樹脂と填料の比率、空隙率などが表面性に影響していると考えられ、その要求特性によって使用範囲が限定されてくるが、これらは一定の環境条件下によるものであり、実際には上記したような環境条件の変化による影響が大きい。
ページの2枚めくり問題に関しては、特に見返し層(4)と中紙との静摩擦係数の差が問題となる。そのために本発明では見返し層に使用する塗料の吸湿量に着目した。本発明者は、見返し層(4)に使用される塗料の吸湿量が一定の条件下にあると、中紙(7)の吸湿量と近い条件となり、見返し層(4)と中紙との静摩擦係数と中紙の表面と裏面との静摩擦係数の差が一定の範囲以内にコントロールすることができることを見出した。
本発明においては、PETフィルムに、見返し層で使用する塗料を固形分換算で10g/m塗工し、これを23℃、50%RHの条件下で24時間調湿した際の質量と、30℃、80%RHの条件下で24時間調湿した際の質量の差から吸湿量を測定し、その差が0.2g/m〜0.5g/mの範囲である塗料を見返し層(4)の塗料として使用することが好ましいことを見出した。吸湿量の差が0.2g/m以下であると、23℃、50%RHの条件下で見返し層(4)と中紙(7)との静摩擦係数と中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数の差を±0.05に調整したとしても、30℃、80%RHの条件下では吸湿量が少ないことが原因で摩擦係数が低くなり、最終ページから2枚目における2枚めくりが発生するので好ましくない。一方0.5g/m以上であると、23℃、50%RHの条件下で見返し層(4)と中紙(7)との静摩擦係数と中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数の差を±0.05と調整したとしても、30℃、80%RHの条件下では吸湿量が多いことが原因で、摩擦係数が高くなり、スタートページから2枚目において、ページの2枚めくりが発生しやすくなる為、好ましくない。
本発明における見返し層(4)は、上記した静摩擦係数や吸湿量の設定値以外にも罫線などを印刷するためのオフセット印刷適性や、入出金項目や金額などの可変情報を印刷するためのドットインパクトプリンタ適性という2つの印刷適性が必要となり、それに合わせて、主として填料とバインダーからなる塗料を調製して塗工する。
ここで使用する填料は、一般的に紙用の塗工用塗料として使用されるものが必要に応じて適宜使用することができる。例えばタルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカなどの無機填料や、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、スチレン・アクリル樹脂などを使用した有機填料などがあるが、コストや作業性を考慮した場合、塗工紙の塗料用填料として一般的に使用されているタルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカなどの無機填料を1種類、あるいは2種類以上を併せて使用するのが好ましい。
本発明における見返し層(4)で使用されるバインダーとしては、一般的に紙用の塗工用塗料として使用されるものが必要に応じて適宜使用することができる。例えばスチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂や、酸化デンプン、エステル化デンプンなどの変性デンプン、カゼイン、CMCなどの天然高分子やその誘導体を適宜使用することができる。
通帳の本文用紙として使用されている用紙同士(中紙)の静摩擦係数は、具体的には23℃50%RHの条件下で0.28〜0.32の範囲であり、また、30℃80%RHの条件下では0.47〜0.56の範囲であり、通帳用表紙(6)における見返し部分と中紙(7)との静摩擦係数もこの範囲にする必要がある。
静摩擦係数を塗工層中の填料でコントロールするには、アスペクト比の高いカオリンや、粒子径の大きなタルクやシリカを使用することで静摩擦係数を下げたり、表面に顛料が配向しない重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムを使用して静摩擦係数を上げたりすることができ、これらの組み合わせによって必要とする静摩擦係数にコントロールすることが可能となる。一方、樹脂バインダーによっても静摩擦係数をコントロールすることができる。これは、一般的に硬い樹脂は静摩擦係数が低くなり、柔らかい樹脂は静摩擦係数が高くなる傾向があることを利用するもので、樹脂の硬さはガラス転移点によって大きく変わるので、一般的にはガラス転移点の高い方が硬い樹脂となり静摩擦係数を低くすることができる。
また、静摩擦係数は樹脂バインダーと顛料との配合比率によってもコントロールすることが可能であり、樹脂の比率が高くなると塗工面が平滑になるので接触面積が増加し、その結果、静摩擦係数が高くなる。逆に顛料の比率が高くなると接触面積が減少するので静摩擦係数は低くなる。また、填料の性質、例えば填料の空隙率によってもコントロールすることができる。
樹脂バインダーと顛料との配合比率はオフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性をも考慮して決定する必要がある。樹脂バインダーの配合比率は、顛料を100質量部とした場合、10〜40質量部であることが好ましい。10質量部未満であるとオフセット印刷時における表面強度が不足するのでブランケットを汚してしまい、作業性が悪くなる。一方、40質量部以上であるとドットインパクトプリンタのインクの吸収性が悪くなり、印字直後の文字を擦ると、とれてしまう可能性があるので好ましくない。
上記で述べた方法以外にも静摩擦係数をコントロールすることができる塗料用助剤として、様々な粒子径の有機顔料系の顛料やレベリング剤を適宜添加することも可能である。これらの助剤は一般的には静摩擦係数を下げる目的で使用されるが、僅かな添加量では大きな静摩擦係数のコントロールは困難であり、微調整用として使用される。このような場合、顛料100質量部に対し0〜5質量部の範囲で添加することが好ましい。これらの助剤は顛料や樹脂バインダーと比較して価格が高く、5質量部以上添加しても大きな効果を見いだすことは困難であり、経済的にも好ましくない。
以上に述べたような条件を考慮することで静摩擦係数、コッブ吸水度をコントロールし、その結果、リサイクルが可能であり、使用環境の温度や湿度が変化しても金融機関のオンライン金融端末機においてページの2枚めくりが発生しない安定したページめくりが可能で、オフセット印刷適性やドットインパクトプリンタ適性を有する通帳用表紙(6)を得ることが可能となる。
本発明におけるピグメントコート層(3)は、オフセット印刷適性がある塗工層であれば一般的な紙用塗工層で可能であり、特に限定されるものではない。顛料としては一般的に紙塗工用の顛料として使用しているものが使用可能であり、例えばタルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカなどの無機填料や、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、スチレン・アクリル樹脂などを使用した有機填料などがあるが、コストや作業性を考慮した場合、塗工紙の塗料用填料として一般的に使用されているタルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカなどの無機填料を1種類、あるいは2種類以上を併せて使用するのが好ましい。
ピグメントコート層(3)用のバインダーとしては、一般的に紙用の塗工用塗料として使用されるものが必要に応じて適宜使用することができる。例えばスチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂や、酸化デンプン、エステル化デンプンなどの変性デンプン、カゼイン、CMCなどの天然高分子やその誘導体を適宜使用することができる。その他に分散剤、消泡剤、防腐剤、染料、顔料、架橋剤などの各種助剤を必要に応じて適宜使用することができる。
上記した耐水塗工層(2)、ピグメントコート層(3)、見返し層(4)は一般的な塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーターなどを適宜使用して塗工することができる。
また、通帳用表紙は、JIS P 8135(1998)に準じて測定した湿潤引っ張り強度が、JIS P 8113(1998)に準じて測定した引っ張り強度に対して30%以上であることが好ましい。湿潤引っ張り強度が、引っ張り強度に対して30%未満であると、通帳用表紙(6)が水と接触して水分を吸収した場合に、その強度が不十分となって破れやすくなるなどの問題を生じるので好ましくない。
湿潤引っ張り強度を上記の範囲内に維持するためには、紙基材(1)自体に湿潤紙力増強剤を添加して湿潤紙力を増加させたり、耐水塗工層(2)の耐水性を上げること、あるいはこれらの組み合わせによって対応することが可能である。
片面に耐水塗工層(2)とピグメントコート層(3)または耐水塗工層(2)と見返し層(4)を設け、塗工面を表面としたときに裏面同士を貼り合わせることで通帳用表紙(6)を製造する際、貼り合わせに使用する接着剤は通常の紙の貼合用として使用される接着剤を何の限定もなく使用することができる。例えばデンプン、ポリビニルアルコール、デキストリン、CMC(カルボキシ・メチル・セルロース)水溶液、あるいはSBR、アクリル、酢酸ビニルなどのエマルジョンのような水性接着剤、ウレタン・イソシアネートなどの溶剤系接着剤、ニトリルゴムなどのゴム系接着剤、シリコン系などの無機系接着剤などが必要に応じて自由に選択できる。溶剤系接着剤の使用に際しては、溶剤のバリヤー性を確保するための層を接着剤塗工面に設けることが好ましい。リサイクル性を考慮すると、水性接着剤の使用が離解性を損ないにくい点からも好ましい。
接着剤を塗工するには、グラビアコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーターなどの一般的な塗工機を用いて塗工することができる。
[実施例1]
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)50質量部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)
50質量部をパルパーに投入し、固形分濃度5質量%で十分に離解した後、400mlC.S.F.に叩解して原料パルプを調整した。次にこの原料パルプにロジンサイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学(株)製造)を対パルプ質量あたり、固形分濃度で0.6質量%添加し、湿潤紙力増強剤(商品名「WS4024」、(株)星光PMC製造)を固形分濃度で0.1質量%添加した後、硫酸バンドを3質量%添加して十分に攪拌し、紙料を調整した。この紙料を使用し、長網抄紙機を使用して常法にて坪量が200g/mの通帳用表紙(6)として使用する紙基材(1)を抄造した。
次に耐水塗工層(2)用の塗料としてガラス転移点(Tg)が13℃のスチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名「ニポールZ400S」、日本ゼオン(株)製造)を、ブレードコーターを使用して固形分換算で10g/mを実施例1で抄造した通帳用表紙(6)として使用する紙基材(1)の両面にそれぞれ塗工した。
次にピグメントコート層(3)として、全填料を100質量部とした場合に、軽質炭酸カルシウム(商品名「BRILLIANT−15」、(株)白石工業製造)を30質量部、カオリン(商品名「ULTRA WHITE90」、エンゲルハード(株)製造)70質量部を配合し、バインダーとして酸化デンプン(商品名「MS−4600」、日本食品化工(株)製造)を5質量部、バインダー樹脂としてスチレン・ブタジエン共重合体(商品名「L7430」、旭化成(株)製造)を15質量部、分散剤として(商品名「アロンT−50」、東亞合成(株)製造)を0.3質量部配合して分散した塗料を調整し、ブレードコーターを使用して固形分換算で12g/mを耐水塗工層(2)の上に塗工した。
次に裏面側のピグメントコート層(3)へ見返し層(4)として、全填料100質量部としたときに、軽質炭酸カルシウムを70質量部、カオリンを30質量部配合し、バインダーとして酸化デンプンを5質量部、バインダー樹脂としてスチレン・ブタジエン共重合体15質量部、分散剤を0.3質量部配合して分散した塗料を調整し、エアーナイフコーターを使用して固形分換算で12g/mを耐水塗工層(2)の上に塗工し、スーパーカレンダーで平滑化処理を行って通帳用表紙(6)を得た。
通帳用表紙(6)と中紙(7)(製品名「MBR−6B」特種製紙(株)製造)を6枚組み合わせてオンライン金融端末機用の通帳(8)を作成した。
[実施例2]
実施例1と同様にして、坪量が100g/mの通帳用表紙として使用する紙基材(1)を抄造し、その片面に、実施例1と同様に、耐水塗工層(2)を固形分換算で10g/m設け、この上に実施例1と同様にピグメントコート層(3)を固形分換算で12g/m設け、通帳用表紙(6)の表面用基紙を得た。
次に実施例1と同様にして、坪量が100g/mの通帳用表紙として使用する紙基材(1)を抄造し、その片面に、実施例1と同様に、耐水塗工層(2)を固形分換算で10g/m設け、この上に実施例1と同様に見返し層(4)を固形分換算で12g/m設け、通帳用表紙(6)の裏面用基紙を得た。
この様にして製造した通帳用表紙の表面用基紙と裏面用基紙の裏面通しをアクリル系接着剤(商品名「オリバインBPW4792−4」、東洋インキ(株)製造)を固形分換算で10g/m塗工して接着し、通帳用表紙(6)を得た。
通帳用表紙(6)と中紙(7)を6枚組み合わせて、実施例1と同様にしてオンライン金融端末機用の通帳(8)を作成した。
[比較例1]
耐水塗工層(2)を塗工しなかった以外は実施例1と同様にして、オンライン金融端末機用の通帳(8)を作成した。
[比較例2]
見返し層(4)として、全填料100質量部としたときに、カオリン80質量部配合し、軽質炭酸カルシウムを20質量部配合して見返し層(4)を作成した以外は実施例1と同様にして通帳用表紙(6)を得た。
[比較例3]
見返し層(4)として、全填料100質量部としたときに、湿式シリカ(商品名「X−30」(株)トクヤマ製造)を50質量部、軽質炭酸カルシウム50質量部とし、バインダーとして酸化デンプンを5質量部、バインダー樹脂としてSBRを25質量部配合した塗料を調整し、ブレードコーターにて固形分換算で12g/mを耐水塗工層(2)の上に塗工した以外は、実施例1と同様にして通帳用表紙(6)を得た。
[比較例4]
坪量が150g/mである含浸紙(商品名「パピエスト」特種製紙(株)製造)を通帳用表紙(6)の表面用基紙として使用し、(商品名「MBR−7B」特種製紙(株)製造)を裏面用基紙として使用した以外は、実施例2と同様にして通帳用表紙(6)を得た。
実施例1〜2、および比較例1〜4について以下のような評価を行い、その結果を表1に示した。
[静摩擦係数の差]
23℃、50%RH、及び30℃、80%RHの環境下で実施例1〜2、および比較例1〜4で作成したオンライン金融端末機用の通帳(8)を調湿し、同じ環境条件下で、JIS P 8147(1994)に従って各サンプルの見返し層(4)の表面と中紙(7)との静摩擦係数、および中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数を測定し、両者の測定値の差を求め、±0.05以内であるものを合格とした。尚、23℃、50%RHにおける中紙の表面と裏面との静摩擦係数は0.28であり、30℃、80%RHにおける中紙の表面と裏面との静摩擦係数は0.50であった。
[コッブの吸水度]
30℃、80%RHの環境下で実施例1〜2、および比較例1〜4で得られた通帳用表紙(6)を24時間調湿し、同じ環境条件下で、JIS P 8140(1998)に従って、1時間、水に接触した際のコッブ吸水度を測定し、10g/m未満であるものを合格とした。
[離解性]
実施例1〜2、および比較例1〜4で得られた通帳用表紙(6)の各サンプルを10g取り、水2リットルと共にミキサーに入れて2分間攪拌し、その後、手漉きシートを作成してその表面を目視確認し、以下の通り離解性を評価し、△以上を合格とした。
○:完全に離解され、未離解分が確認されない。
△:一部に未離解物が確認されるが、紙として問題なく再生できる。
×:未離解物が多数確認され、紙として再生できない。
[耐水強度]:
実施例1〜2、および比較例1〜4で得られた通帳用表紙(6)の各サンプルをJIS P 8111(1998)に従って調湿後、JIS P 8113(1998)に従って引っ張り強さを測定した。別にサンプルを取り、JIS P 8111(1998)の条件下で6時間水に浸漬後、JIS P 8135(1998)に従って湿潤引っ張り強さを測定し、以下の計算式にて強度保持率を計算し、△以上を合格とした。
強度保持率=水に浸漬後の湿潤引っ張り強さ×100/引っ張り強さ
○:強度保持率が70%以上
△:強度保持率が30%以上70%未満
×:強度保持率が30%未満
[2枚めくり発生の確認]:
実施例1〜2、および比較例1〜4で作成したオンライン金融端末機用の通帳(8)を23℃50%RH、30℃80%RHの条件下で24時間調湿した。これらの調湿後の通帳を、同環境条件下でオンライン金融端末機にそれぞれ10回通した際に、ページの2枚めくり発生の有無を目視確認し、○を合格とした。
○:全く2枚めくりが発生しない。
△:10回中2回2枚めくりが発生した。
×:10回中で5回以上2枚めくりが発生した。
[見返し塗料の吸湿量の測定]:
厚さが100μmで大きさがB4のサイズのPETフィルムに、見返し層で使用する塗料をワイヤーバーにてスジやムラがないように固形分換算で10g/m塗工し、23℃、50%RHの条件下で24時間調湿した後、これを小数点下4桁まで測定できる天秤で質量を測定する。続いて同じサンプルを用い、30℃、80%RHの条件下で24時間調湿した後、同様の方法にて質量を測定する。30℃、80%RH調湿後の測定値から23℃、50%RH調湿後の質量測定値の差をg/m換算した数値を吸湿量とした。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2005335235
表1の結果から、実施例1および実施例2においては、静摩擦係数の差、コッブの吸水度、離解性、耐水強度、ページの2枚めくり発生、見返し塗料における吸湿量といった全ての項目において目標値をクリアしており、金融機関のオンライン金融端末機で温度や湿度の変化にも拘らずページの2枚めくりの発生が無く安心して使用でき、また、耐久性に優れ、リサイクル性にも優れたオンライン通帳用の表紙であることが確認された。これに対して比較例1ではコッブ吸水度が基準値を超えているために耐水強度が低く、耐久性が劣ることがわかる。比較例2では30℃、80%RHにおける見返し層の表面と中紙との静摩擦係数、および中紙の表面と裏面との静摩擦係数の差が基準値を超えているためにページの2枚めくりが発生している。比較例3では23℃、50%RHと30℃、80%RHの両条件で見返し層の表面と中紙との静摩擦係数、および中紙の表面と裏面との静摩擦係数の差が基準値を超えているためにページの2枚めくりが発生している。比較例4では耐水性の強い含浸紙を使用しているために離解性に問題を生じている。
以上述べたような特性を活かし、本発明で得られた通帳用表紙は、金融機関のオンライン金融端末機で好適に使用することができる。
基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、その上にピグメントコート層(3)を設け、裏面には耐水塗工層(2)を設け、その上に見返し層(4)を設けた通帳用表紙(6)の断面図である。 紙基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、その上にピグメントコート層(3)を設け、別の紙基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、その上に見返し層(4)を設けて、裏面同士を接着剤層(5)で貼り合わせた通帳用表紙(6)の断面図である。 中紙(7)と通帳用表紙(6)を組み合わせたオンライン金融端末機用の通帳(8)の概念図である。
符号の説明
1 紙基材
2 耐水塗工層
3 ピグメントコート層
4 見返し層
5 接着剤層
6 通帳用表紙
7 中紙
8 オンライン金融端末機用の通帳











Claims (4)

  1. 紙を用いた通帳用表紙基材(1)の表面に、主として顔料と接着剤からなる塗料であって、30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、同条件下でコッブの吸水度(JIS P 8140(1998)に準ずる。)における1時間値を測定したとき10g/m未満である耐水塗工層(2)を設け、次にこの耐水塗工層(2)の上にオフセット印刷適性を付与したピグメントコート層(3)を設け、次に裏面にも耐水塗工層(2)を設け、裏面の耐水塗工層(2)の上にはオフセット印刷適性とドットインパクトプリンタ適性を有し、かつ30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、通帳用表紙における見返し部分と中紙(7)との静摩擦係数(JIS P 8147(1994)に準ずる。)と中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数の差が±0.05の範囲である見返し層(4)を設けたことを特徴とする通帳用表紙(6)。
  2. 紙を用いた通帳用表紙基材(1)の表面に、主として顔料と接着剤からなる塗料であって、30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、同条件下でコッブの吸水度(JIS P 8140(1998)に準ずる。)における1時間値を測定したとき10g/m未満である耐水塗工層(2)を設け、次にこの耐水塗工層(2)の上にオフセット印刷適性を付与したピグメントコート層(3)を設け、次に別に用意した通帳用表紙基材(1)の表面に耐水塗工層(2)を設け、次にこの耐水塗工層(2)の上にはオフセット印刷適性とドットインパクトプリンタ適性を有し、かつ30℃、80%RHの環境で24時間調湿後に、通帳用表紙における見返し部分と中紙(7)の静摩擦係数(JIS P 8147(1994)に準ずる)と中紙(7)の表面と裏面との静摩擦係数の差が±0.05の範囲である見返し層(4)を設け、次にこれらの塗工面を表面としたときに、接着剤層(5)を介して裏面同士を貼り合わせたことを特徴とする通帳用表紙(6)。
  3. 主として顔料と接着剤からなる塗料であって、PETフィルムに固形分換算で10g/m塗工して乾燥させ、これを23℃、50%RHで24時間調湿後に質量を測定し、次に30℃、80%RHで24時間調湿後の質量を測定して、環境の変化に伴う塗料の吸湿量を測定したとき、その吸湿量が0.2g/m〜0.5g/mの範囲である塗料を見返し層(4)として塗工したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通帳用表紙(6)。
  4. JIS P 8135(1998)に準じて測定した湿潤引っ張り強度が、JIS P 8113(1998)に準じて測定した引っ張り強度の30%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の通帳用表紙(6)。
















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JP2012200893A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Toppan Printing Co Ltd 冊子体
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