JP2008080524A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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裕治 澤
Tomoyuki Nakano
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Abstract

【課題】 製造時により多くの填料を効率よく紙中に留める事が可能で、且つインク吸収性と裏抜けが良好なため両面印字に好適で、紙粉や印字の際の走行系の汚れのトラブルを生じ難いインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 平均粒子径0.1〜30μmの無機粒子とカチオン性化合物およびカチオン性以外の澱粉の糊液とを混合処理して得られた複合物を填料として含有し、JIS P8251に規定される方法で測定した灰分が15〜40%である紙を基紙とする。前記混合処理において、無機粒子とカチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉の混合比率が、固形分質量比で無機粒子/カチオン性化合物/カチオン性以外の澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録に好適なインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、種々の機構を用いてプリンターヘッドより飛翔させたインクの微小液滴を、紙などの記録用紙に付着させて画像や文字を形成させる記録方式である。この記録方式は、高速化、フルカラー化が容易である上、記録時の騒音が低く、装置が低価格なこともあって、家庭ユーザー用として目覚しく普及している。また、商業用途の分野において、可変情報(公共料金やクレジットの請求書や領収書、配送用伝票、広告など)の印刷は、従来ノンインパクト(NIP)印刷を用いていたが、最近では、ラインヘッドを有する高速インクジェットプリンターによる印刷に置き換わり始めている。
インクジェット記録方式に用いる記録用紙は、顔料を含むインク受理層を設けないか若しくは極薄く設けた普通紙タイプと、顔料を含むインク受理層を十分な厚みで設けた塗工紙タイプとに大別され、ホームページ印刷やビジネスレポートには安価な普通紙タイプの記録用紙が用いられ、デジタルカメラなどの出力には高精細画像を再現できる塗工紙タイプの記録用紙が用いられている。
ところで、近年のインクジェットプリンターの高精細化に伴い、記録用紙へのインクの吐出量が増加傾向にあり、よりインク吸収性(特に吸収容量)の良好な記録用紙が求められている。また、インク吐出量の増加は、用紙にインクジェット記録した際に裏から文字や画像などが透けて見える現象(裏抜け)を生じ易くなる傾向を生み、両面印字の際に文字などの識別が困難になるため、インク吸収性が良好で、且つ裏抜けし難い記録用紙の要望が高まっている。
インク吸収性と裏抜けし難いことの両立には、通常、(1)ベースとなる基紙に内添する填料の量を増加させること、(2)基紙自体の坪量を大きくすること、(3)基紙上に設置するインク吸収層の量を極端に大きくすることなどが行われる。しかしながら、(1)の場合には用紙の強度が低下することや紙粉の発生が大きくなること等の問題があり、(2)の場合には製品の坪量が大きく(重量が重く)なるため、用紙の紙腰が高くなり取り扱い難くなること、郵送する書類用途などへの利用の際には枚数に制限を受けること等の問題があった。更に、(3)の場合には、塗工層の脱落(特に用紙端部より)が生じ易く、また、コスト高となる等の問題があった。
これらの問題を改善すべく、炭酸カルシウムおよび古紙パルプを含む原料を抄紙してなり、特定量の機械パルプを含み、また灰分が特定の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用紙(特許文献1)や、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムとパルプを主成分とし特定のサイズ度並びに灰分とした非水系インクを用いて記録を行うインクジェット記録用紙(特許文献2)が開示されているが、これらの記録用紙は製造時に填量を多く留める事が困難であると共に、用紙からの紙粉や填料の脱落については配慮されておらず不十分なものであった。
特開2005−007588号公報 特開2005−193660号公報
このような状況に鑑みて、本発明の課題は、インクジェット記録用紙に関し、製造時により多くの填料を効率よく紙中に留める事が可能で、且つインク吸収性と裏抜けが良好で両面印字に好適に利用でき、紙粉や印字の際の走行系の汚れのトラブルを生じ難いインクジェット記録用紙を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討を進めた結果、無機粒子の表面をカチオン性化合物およびカチオン性以外の澱粉を混合処理して得られた複合物を填料として基紙に含有し、JIS P8251に規定される方法で測定した基紙の灰分を15〜40%とすることで、上記問題を解決可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、平均粒子径0.1〜30μmの無機粒子とカチオン性化合物およびカチオン性以外の澱粉の糊液とを混合処理して得られた複合物を填料として含有し、JIS P8251に規定される方法で測定し灰分が15〜40%である紙を基紙とすることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
前記混合処理において、無機粒子とカチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉の混合比率が、固形分質量比で無機粒子/カチオン性化合物/カチオン性以外の澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100であることが、好ましい。
さらに、前記基紙を用い、少なくともカチオン性樹脂を含む塗液を含浸したインクジェット記録用紙や、前記基紙の少なくとも片面に、カチオン性樹脂を含む塗液を塗工したインクジェット記録用紙、及び前記基紙の少なくとも片面に、非晶質シリカと有機高分子接着剤を含有する塗工層を設けたインクジェット記録用紙では、よりインクジェット適性が良好である。
一般に、無機粒子とパルプ繊維との間には水素結合のような相互作用が働かず、しかもパルプ繊維間に介在する無機粒子は填料としてパルプ繊維間の水素結合を阻害する。このため、紙に内添される無機粒子の量が多いほど、紙力の低下や粉落ちの悪化を引き起こす。しかし、本発明においては、無機粒子とカチオン性化合物およびカチオン性以外の澱粉糊液を混合処理して得られる複合物を紙料へ内添して基紙を抄紙することにより、次のような顕著な効果が得られる。
(1)無機粒子、カチオン性化合物、およびカチオン性以外の澱粉糊液を混合することにより、無機粒子を核とし、その表面をカチオン性化合物とカチオン性以外の澱粉のコンプレックスが被覆した複合物が得られる。これを内添抄紙すると、カチオン性化合物と澱粉のコンプレックスの作用により、填料としてパルプ繊維に定着しやすくなるため、製造時の填料歩留まりが向上する。
(2)また、紙中のカチオン性化合物や澱粉の量が増加すること、及びカチオン性化合物と澱粉のコンプレックスで被覆された無機粒子がパルプ繊維と接着可能になることで、パルプスラリーに無機粒子、カチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉糊液を別々に添加して作製した紙料を用いて抄紙した紙に比較して、填料が高配合となるにもかかわらず、紙力の低下や紙粉の発生が少ない。
上記効果により、製造時により多くの填料を効率よく紙中に留める事が可能となり、インク吸収性と裏抜けが良好なため両面印字に好適でかつ、紙粉や印字の際の走行系の汚れのトラブルを生じ難いインクジェット記録用紙を提供することが可能となる。
本発明では、平均粒子径0.1〜30μmの無機粒子の表面をカチオン性化合物およびカチオン性以外の澱粉を混合処理して得られる複合物を填料として基紙に含有し、JIS P8251に規定される方法で測定した基紙の灰分を15〜40%としてインクジェット記録用紙を得る。
本発明で使用する平均粒子径が0.1〜30μmの無機粒子としては、公知の白色顔料であればいずれも用いることができる。具体的にはタルク、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛の群から選ばれる少なくとも1種類以上であることが好ましく、特に炭酸カルシウムが好適である。
また、本発明で使用するカチオン性化合物は、水に溶解(又は分散)したときにカチオン性を示す化合物であればいずれも使用することが出来る。具体的には、カチオン化澱粉、ポリアミンエピクロロヒドリン、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリビニルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのホモポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、架橋型カチオン化澱粉の群から選ばれる少なくとも1種類以上であることが好ましい。
なお、カチオン性化合物としてカチオン化澱粉を用いる場合にはその原料に限定は無く、トウモロコシ、ワキシーメイズ、タピオカ、甘藷、馬鈴薯、小麦、米等の原料澱粉を使用できる。更に、カチオン基が第3級アミン基でも第4級アンモニウム基であっても良く、その置換度も限定されない。
本発明で使用するカチオン性以外の澱粉としては、水に溶解したときにカチオン性を示さない澱粉であればいずれも使用することが出来る。具体的には、酸化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、両性化澱粉、アセチル化澱粉、未加工澱粉の群から選ばれる少なくとも1種類の澱粉であることが好ましく、これらのこれらの澱粉の原料も限定は無く、トウモロコシ、ワキシーメイズ、タピオカ、甘藷、馬鈴薯、小麦、米等の澱粉を使用できる。また、これらのエーテル基、エステル基の置換度も限定もされない。
なお、本発明で言う糊液とは、澱粉を水に溶解させ、糊状になった状態の溶液を示し、冷水に難溶の澱粉の場合は加熱処理を行い糊状にする。
本発明では、撹拌下、平均粒子径が0.1〜30μmの無機粒子とカチオン性化合物およびカチオン性以外の澱粉の糊液を混合して、複合物のスラリーを調製する。混合時の無機粒子、カチオン性化合物、澱粉糊液の添加順序は特に規定は無く、例えば、以下のような種々の添加順序を採用することができる。
(1)1)無機粒子のスラリーに、2)カチオン性化合物の水溶液またはエマルション、3)澱粉糊液、の順序で添加する。
(2)1)無機粒子のスラリーに、2)澱粉糊液、3)カチオン性化合物、の順序で添加する。
(3)1)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションに、2)無機粒子のスラリーまたは粉体、3)澱粉糊液、の順序で添加する。
(4)1)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションに、2)澱粉糊液、3)無機粒子のスラリーまたは粉体、の順序で添加する。
(5)1)澱粉糊液に、2)無機粒子のスラリーまたは粉体、3)カチオン性化合物の水溶液またはエマルション、の順序で添加する。
(6)1)無機粒子のスラリーに、2)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションと、澱粉糊液とを予め混合した混合液、の順序で添加する。
(7)1)カチオン性化合物の水溶液またはエマルションと、澱粉糊液とを予め混合した混合液に、2)無機粒子のスラリーまたは粉体、の順序で添加する。
本発明の上記混合処理において、無機粒子とカチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉の混合比率は、固形分質量比で無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100であることが好ましく、より好ましくは100/0.1/0.1〜100/50/100、更に好ましくは100/0.1/1〜100/10/50である。カチオン性化合物及び/または澱粉の添加量が0.1質量%未満では填料の歩留まり向上効果が少なく、一方、100質量%を越えて添加しても効果は頭打ちとなるため不経済である。
無機粒子とカチオン性化合物、澱粉糊液を混合して複合物スラリーを調製する装置は、これらを十分に撹拌混合できる装置であれば良く、特に限定は無い。混合は、数分〜数十分間である。混合時のスラリーの固形分濃度は特に規定はないが、80固形分質量%以下が好ましく、70固形分質量%以下がより好ましい。混合時の温度は10〜50℃が望ましい。
無機粒子とカチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉の糊液とを混合した複合物スラリーは、一時蓄えた後、紙料へ添加しても良いし、混合後直ちに連続的に添加しても良い。添加場所は、填料が通常添加されている場所であれば良く、ミキサーからヘッドボックスの間で添加する。
抄紙機では節水と熱エネルギーの節減を目的として、ワイヤーパートで脱水した白水を回収して抄紙機で再使用することが進められており、白水中に腐敗しやすい澱粉などの物質が高濃度で存在すると、これを栄養源としてスライムが繁殖し、白水系壁面などに付着したスライム層が脱落し紙に抄き込まれ、異物などの紙面欠陥を生じる場合や、これが原因で抄紙時に断紙が起こるなどの問題を引き起こす可能性がある。本発明では複合物中に澱粉等が含有されるため、スライム繁殖の問題が発生することも考えられる。これを回避する目的で、核となる無機粒子に強固に吸着していないカチオン性化合物や澱粉糊液をなるべく除去することが望ましく、無機粒子、カチオン性化合物、および澱粉糊液から調製した複合物スラリーを濾過や遠心分離により固液分離し、分離した水は抄紙機系外へ排水し、得られた脱水ケーキを水に再分散した後、この分散スラリーを紙料へ添加することもできる。なお、上記脱水ケーキは完全に乾燥した物ではなく、水分を含むため、再分散は容易である。
無機粒子とカチオン性化合物とカチオン性以外の澱粉とを混合処理して得られた複合物の、基紙中の無機分としての含有量(JIS P8251に規定される方法で測定した際の灰分に相当)は、15〜40%が好ましい範囲であり、25〜35%であることがより好ましい。15%未満では裏抜けを抑制する効果が不十分であり、一方40%を越えると、基紙の抄紙が困難になる場合がある。
基紙中に存在する上記複合物の、無機粒子、カチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉の組成比は、無機粒子/カチオン性化合物/澱粉=100/0.05/0.05〜100/90/90の範囲にあり、原紙中の無機粒子の組成を分析することにより、容易にその存在を確認することができる。無機粒子/カチオン性化合物/カチオン性化合物以外の澱粉の組成物の紙からの分離方法としては、例えば、カチオン性化合物とカチオン性化合物以外の澱粉を溶解しない溶媒中で原紙を離解後、遠心分離処理により、パルプと無機粒子を比重差に基づき分離する方法を挙げることができる。このような方法で原紙から分離した無機粒子はカチオン性化合物とカチオン性化合物以外の澱粉を吸着しており、この分離無機粒子中の無機粒子、カチオン性化合物、およびカチオン性化合物以外の澱粉の量をそれぞれ定量することで、無機粒子/カチオン性化合物/カチオン性化合物以外の澱粉の組成比を求めることができる。無機粒子またはカチオン性化合物またはカチオン性化合物以外の澱粉を定量する方法は、精度良く定量できる方法であれば良く、公知の定量法を採用することができる。
本発明で使用する基紙に用いる原料パルプは、従来から抄紙に慣用されているものを用いることができ、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプや、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、及び古紙パルプ(DIP)等の木材パルプを挙げることができる。また、コットン、麻、バガス、ケナフ、楮、三椏、雁皮等の非木材パルプや合成繊維、無機質繊維も適宜用いることができる。
これらの原料パルプの他、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、内添サイズ剤、歩留り向上剤、染料、有機顔料、蛍光増白剤、pH調整剤等を適宜添加することも可能である。
原料パルプと、無機粒子、カチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉を混合処理して得られる複合物(填料)と、必要に応じてその他の薬品を添加した原料(紙料)を抄紙する抄紙機は、オントップフォーマー、ギャップフォーマー等のツインワイヤー方式の抄紙機、長網抄紙機、円網抄紙機等、公知の抄紙機を適宜用いることができる。
本願発明では、インクジェット印字部の水に濡れた際の耐水性を付与する観点から、インクジェットインクの定着剤としての効果を示すカチオン性樹脂を含む塗液を、基紙に含浸又は少なくとも片面に塗工することが好ましい。用いられるカチオン性樹脂としては、例えば、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩誘導体、ポリアミンポリアミドエピハロヒドリン縮重合体、アンモニアとモノアミンやポリアミン等のアミン類とエピハロヒドリン類とを反応させてなる縮重合物、ジシアンジアミド・ホルムアルデヒド樹脂、ジエチレントリアミン・ジシアンジアミド・アンモニウムクロライド重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物等が例示できる。
本発明ではカチオン性樹脂に加えて、必要に応じて、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどの水系のバインダーや、スチレン・アクリル酸、スチレン・マレイン酸、オレフィン系化合物、ロジン系等の表面サイズ剤を上記塗液中に添加することもできる。
カチオン性樹脂を含む塗液の基紙への含浸又は塗工は、2ロールサイズプレス、ゲートロールコーター、ロッドメータリングサイズプレス、ブレードメータリングサイズプレスなどのサイズプレス方式の他、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、キスコーター、バーコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーター又はコンマコーター等の従来公知のオンマシン、若しくはオフマシン塗工装置の中から適宜選択して行うことができる。また、湿潤シートを乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
また、より高いレベルでのインクジェット印字品質の確保とインク吸収性、および裏抜けの防止の観点から、基紙の少なくとも片面に、少なくとも非晶質シリカと有機高分子接着剤を含有する塗工層を設けることでより好ましい形態のインクジェット記録用紙を得ることができる。使用する非晶質シリカは、公知の製造方法によって得られるものが使用可能で、例えば、四塩化ケイ素の燃焼加水分解によって製造されるものや、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸との反応によって製造されるものが挙げられる。また、有機高分子接着剤は、非晶質シリカのバインダーとして機能する、水系の公知の各種高分子接着剤が使用可能で、例えば、ポリビニルアルコール及びその変性物、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化等の変成澱粉を含む澱粉類、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂、また、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス、アクリル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、ウレタン樹脂系エマルジョン等の水系の合成樹脂分散体が利用可能である。
非晶質シリカと有機高分子接着剤を含有する塗工層中には、その他に、必要に応じて、カチオン性樹脂やサイズ剤、界面活性剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光染料、着色顔料、着色染料等を含有させることができる。
非晶質シリカと有機高分子接着剤を含有する塗工層の設置方法は、2ロールサイズプレス、ゲートロールコーター、ロッドメータリングサイズプレス、ブレードメータリングサイズプレスなどのサイズプレス方式の他、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、キスコーター、バーコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーター又はコンマコーター等の従来公知のオンマシン、若しくはオフマシン塗工装置の中から適宜選択して行うことができる。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
また、本発明のインクジェット記録用紙については、必要に応じて、記録用紙表面をマシンカレンダー、ソフトカレンダー、ホットソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置にて平滑化処理することも可能である。
以下に実施例及び比較例によって本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、特に明示のない限り「固形分質量部」及び「固形分質量%」を表す。
(評価方法)
(1)平均粒子径
上述したように混合処理して得られた複合物や未処理の無機粒子の平均粒子径を超音波分散機で5分間処理後、レーザー散乱式粒子径測定機マスターサイザー2000(MARVERN社製)を用いて測定した。
(2)填料歩留まり
JIS P8251に規定される方法にて基紙の灰分を測定し、填料仕込み量との比から算出した。
(3)インクジェット適性
(3)−1インク吸収性
市販の染料インクジェットプリンター(PM−G820、セイコーエプソン社製)を用い、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色、2cm×2cm大のベタ部白抜き文字(電の字、6ポイント)パターンを近接させて印字し、白抜き文字部及び境界部のニジミの程度を目視にて評価した。
◎:ニジミが全くない
○:ニジミがほとんど無い
△:ややニジミが認められるが実使用可能
×:ニジミが酷い
(3)−2裏抜け
上記各色パターンを裏面から観察した際の見え方を、下記評価基準に基づいて目視評価した。
○:ほとんど見えない。
△:若干見えるが、両面印字でも使用可能なレベル
×:はっきりと見え、両面印字の際に支障を生じるレベル
(4)紙粉
インクジェット記録用紙を5cm×10cmの大きさにして20枚重ね、端面より1cmをギロチンで断裁した際の紙粉の発生状況を観察した。
○:紙粉の発生は極わずかかほとんどない
△:紙粉がやや発生するが、実用上問題ないレベル
×:紙粉の発生が著しい
(5)印字の際の走行系の汚れ
上記インクジェット適性の評価で用いたプリンターを使用し、記録用紙を連続して100回空通しした際の走行系のロールなどに付着した汚れ(紙粉など)を目視で評価した。
○:汚れの発生は極わずかかほとんどない
△:汚れがやや発生するが、実用上問題ないレベル
×:汚れの発生が著しい
<実施例1>
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石工業社製)を使用し、固形分濃度20%のスラリーとした後、カチオン性化合物として固形分濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液を、次いで澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(アニオン性、日本食品化工社製)糊液を、固形分質量比が軽質炭酸カルシウム/カチオン性化合物/澱粉=100/1/10となるように順次撹拌しながら添加し、室温で10分間撹拌して無機粒子を表面処理した複合物1を得た。原料パルプとしてLBKP(ろ水度400ml(c.s.f.))を75%、NBKP(ろ水度450ml(c.s.f.))を25%配合したパルプスラリーに、硫酸バンドを対パルプ0.8%添加し、次いで填料として上記複合物1をJIS P8251に規定される方法で測定した基紙の灰分が30%となるように添加した。このスラリーを長網式テスト抄紙機で抄紙して坪量68g/mの基紙を得た。この基紙に2ロールタイプのテストサイズプレス装置を用いて、固形分濃度6%の酸化澱粉糊液を乾燥塗布量が両面で2g/mとなるように塗布、乾燥して、坪量70g/mのインクジェット記録用紙を得た。
<実施例2>
実施例1と同様にして得た基紙に、2ロールタイプのテストサイズプレス装置を用いて、固形分濃度6%の酸化澱粉糊液と固形分濃度5%のポリアミンエピクロロヒドリン樹脂水溶液からなる塗液を、乾燥塗布量が両面で3.7g/mとなるように塗布、乾燥して、坪量71.7g/mのインクジェット記録用紙を得た。
<実施例3>
実施例1と同様にして得た基紙に、合成非晶質シリカ(ミズカシルP−50、水澤化学工業社製)100質量部と有機高分子接着剤として有機高分子接着剤としてポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ社製)35質量部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(リカボンドBE−7000、中央理化工業社製)10質量部からなる塗工液を、乾燥塗布量が片面で12g/mとなるようにメイヤーバーを用いて塗布、乾燥して、坪量80g/mのインクジェット記録用紙を得た。
<実施例4>
無機粒子として軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石工業社製)を使用し、固形分濃度20%のスラリーとした後、カチオン性化合物として固形分濃度2%のポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液を、次いで澱粉糊液として濃度2%の未加工コーン澱粉(日本食品化工社製)糊液を、固形分質量比が軽質炭酸カルシウム/カチオン性化合物/澱粉=100/10/100となるように順次撹拌しながら添加し、室温で10分間撹拌して無機粒子を表面処理した複合物2を得た。以下、複合物2を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
<比較例1>
原料パルプとしてLBKP(ろ水度400ml(c.s.f.))を75%、NBKP(ろ水度450ml(c.s.f.))を25%配合したパルプスラリーに、硫酸バンドを対パルプ0.8%添加した後、軽質炭酸カルシウム(商品名:PCX、白石工業社製)をJIS P8251に規定される方法で測定した基紙の灰分が30%となるように添加した。更に、ポリビニルアミン(商品名:カチオファストVFH、BASF社製)水溶液と未加工コーン澱粉(日本食品化工社製)糊液を、固形分質量比が軽質炭酸カルシウム/カチオン性化合物/澱粉=100/1/10となるように添加して調整したスラリーを、長網式テスト抄紙機で抄紙して坪量68g/mの基紙を得た。この基紙に2ロールタイプのテストサイズプレス装置を用いて、固形分濃度6%の酸化澱粉糊液を乾燥塗布量が両面で2g/mとなるように塗布、乾燥して、坪量70g/mのインクジェット記録用紙を得た。
<比較例2>
基紙のJIS P8251に規定される方法で測定した灰分を10%とした以外は、比較例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用紙の評価結果を表1に示した。
Figure 2008080524
本願発明のインクジェット記録用紙である実施例1〜4は、填料の歩留まりが高く、またインク吸収性と裏抜けが良好で、且つ紙粉の発生も少ない結果であった。
一方、無機粒子の表面処理を行わなかった比較例1は填料歩留まりが低く、また紙粉の発生も著しかった。また、基紙中の灰分量が少ない場合の比較例2では、紙粉の発生は少なかったもののインク吸収性と裏抜けが劣った。

Claims (5)

  1. 平均粒子径0.1〜30μmの無機粒子とカチオン性化合物とカチオン性以外の澱粉の糊液とを混合処理して得られた複合物を填料として含有し、JIS P8251に規定される方法で測定した灰分が15〜40%である紙を基紙とすることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記混合処理において、無機粒子、カチオン性化合物、カチオン性以外の澱粉の混合比率が、固形分質量比で無機粒子/カチオン性化合物/カチオン性以外の澱粉=100/0.1/0.1〜100/100/100であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記基紙に、少なくともカチオン性樹脂を含む塗液を含浸したことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記基紙の少なくとも片面に、カチオン性樹脂を含む塗液を塗工したことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記基紙の少なくとも片面に、非晶質シリカと有機高分子接着剤を含有する塗工層を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018094721A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 タキロンシーアイ株式会社 化粧シートおよびその製造方法

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