JP2005067155A - 擬似接着用紙 - Google Patents

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峰靖 西沢
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Abstract

【課題】白色度、隠蔽性、擬似接着性、印字性に優れ、しかもコスト安な擬似接着用紙を提供する。
【解決手段】擬似接着用紙の基紙を、3層以上の紙層を有する積層構造とし、かつ、最も表面側に位置する表面側紙層と最も裏面側に位置する裏面側紙層との間に、古紙パルプを原料とする再生紙層が設ける。
【選択図】なし

Description

本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる機能を有する疑似接着用紙に関するものである。さらに詳しく述べれば、基紙の少なくとも片面の一部または全部に、通常状態では接着せず加圧により接着性を有しかつ接着後に再剥離が可能な疑似接着剤層が設けられている擬似接着用紙に関する。
擬似接着用紙は、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、天然ゴム等を基材とする疑似接着剤を塗工してなる擬似接着剤層を備え、この擬似接着剤層同士を重ね合わせて所定の圧力を加えること等により一時的に接着するが、必要時には容易に剥離できる機能を備える。この擬似接着用紙は、受取人が疑似接着部分を剥離してそこに記載された隠蔽情報を読み取る親展葉書等に使用される。
このため、擬似接着用紙は、親展情報等が透けて外方から視認できないよう、高不透明度であることが要求される。また、意図しない不用意な剥離が生じないように均一疑似接着剤層を備えることが要求される。さらに、情報等を印刷、プリンター印字等する必要があることから白色度が高く、印字性等に優れることが要求され、このような要求を満たすべく、通常は、平滑性、白色度、印字性等に優れるバージンパルプを原料とする単層の上質紙を基紙として使用する。
一方で、近年、環境保護の声が高まるなか、資源木の伐採を促進する上質紙の使用を控えることが望ましいとされ、再生紙を基紙として利用した擬似接着用紙も市販に供されはじめている。再生紙を基紙とする擬似接着用紙は、上質紙を基紙とする擬似接着用紙と比較して、古紙パルプ由来の填料を多く含むことから填料使用量を少なくしても不透明度を高くできるので、隠蔽性および経済性の点では擬似接着用紙の基紙として都合がよい。
特開2001−335765 特開平11−161180
しかしながら、再生紙を基紙とする擬似接着用紙は、上質紙を基紙とする擬似接着用紙と比較して、(1)再生紙の平滑度は上質紙の平滑度より低いため均一な擬似接着剤層が形成されづらく意図しない剥離が生じやすい、(2)古紙由来のインク成分により白色度が低いため見た目に劣り、印字した記録情報が読み取りづらい、(3)古紙パルプ中に含まれる長繊維に起因して印字、印刷時に滲みが生じやすい、という欠点を有する。
そこで、本発明の主たる課題は、古紙パルプの利用を図りつつ古紙パルプ利用に起因する上記欠点を解消することにある。
そして、上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を有する疑似接着用紙であって、
前記基紙が、最も表面側に位置する表面側紙層と、最も裏面側に位置する裏面側紙層と、前記表面側紙層と前記裏面側紙層との間に設けられた中間紙層と、を備える積層構造であり、かつ、
前記中間紙層が、古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする再生紙層であり、前記表面側紙層および前記裏面側紙層が、前記再生紙層の形成に要する原料パルプよりも古紙パルプ配合量の少ないパルプを原料パルプとする紙層であることを特徴とする擬似接着用紙。
<請求項2記載の発明>
基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を有する疑似接着用紙であって、
前記基紙が、最も表面側に位置する表面側紙層と、最も裏面側に位置する裏面側紙層と、前記表面側紙層と裏面側紙層との間に設けられた中間紙層と、を備える積層構造であり、かつ、
前記中間紙層が、古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする再生紙層であり、前記表面側紙層および前記裏面側紙層が、古紙パルプを原料としない非再生紙層である、ことを特徴とする擬似接着用紙。
<請求項3記載の発明>
前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方が、バージンパルプを原料とする上質紙層である請求項2記載の擬似接着用紙。
<請求項4記載の発明>
前記中間紙層中に酸化チタンが含まれている請求項1〜3の何れか1項に記載の疑似接着用紙。
<請求項5記載の発明>
前記中間紙層を構成する再生紙層が雑誌古紙を原料としていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の疑似接着用紙。
<請求項6記載の発明>
前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方が、インクジェット記録用紙層である請求項1〜5の何れか1項に記載の擬似接着用紙。
<請求項7記載の発明>
前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方が、キャストコート紙層である請求項1〜6の何れか1項に記載の擬似接着用紙。
本発明によれば、基紙を複数の紙層からなる積層構造とし、古紙パルプを原料とする再生紙層を中間紙層にし、表面側紙層および裏面側紙層は、中間紙層の形成に要する原料パルプよりも古紙配合量の低い原料パルプにより形成される紙層としたので、少なくとも表裏面側紙層においては、中間紙層よりも古紙パルプに起因する欠点が小さくなる。そうすると、古紙パルプを原料とする再生紙が表裏面を構成することによる欠点(平滑度の低下、白色度の低下、印刷時のにじみ)を小さくしつつ、古紙パルプ利用の利点(高不透明および経済性)が得られる。
特に、表面側紙層および裏面側紙層を古紙パルプを原料としない非再生紙層とすれば、古紙パルプを原料とする再生紙が表裏面を構成することによる欠点(平滑度の低下等)をなくすことができるとともに、古紙パルプを利点することによる利点(高不透明度による高い隠蔽性と経済性)が得られる。
さらには、表面側紙層および裏面側紙層を上質紙層に構成することで、従来の上質紙を基紙とした場合とほぼ同等の、印字性や白色度を備え、かつ、均一な擬似接着剤層の形成が可能となる。
本発明の擬似接着用紙は、前記中間層が、古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする再生紙層であり、前記表面側紙層および前記裏面側紙層が、古紙パルプを含まない非再生紙層あるいは前記中間層の形成に要する原料パルプよりも古紙パルプ配合量の少ないパルプを原料パルプとする紙層である、積層構造の基紙に擬似接着剤層を設けたものである。
基紙を積層構造とするにあたっては、湿紙をプレスして積層構造の紙を得る従来既知の多層抄きによる製造方法、あるいは乾燥状態の紙を貼り合せる従来既知の製造方法によって達成できる。多層抄きとする場合には、複数のワイヤー部から流れてくる湿紙を重ねてプレスするプレス部を有する従来既知の多層式抄紙機を用いることができる。抄紙機のその他の形式については限定されない。長綱抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーションマシンなどの形式が使用できる。貼り合わせによる場合には、従来既知の接着剤による貼り合わせ方法を用いることができる。この場合における接着剤は、疑似接着剤ではなく、非剥離性の接着剤を用いる。かかる接着剤については、従来この種の用途に用いられている接着剤を問題なく使用することができる。
前記基紙は、3層以上の紙層であれば紙層がいくつであるかは限定されない。すなわち中間紙層の層数は特に限定されない。少なくとも1層が再生紙層であればよい。
また、基紙の米坪は使用用途に応じて適宜変更すればよい。隠蔽性を必要とする葉書への使用する場合には、70〜170g/m2程度とするのが望ましい。基紙の厚みについても使用用途に応じて適宜変更すればよい。前記隠蔽性を必要とする葉書への使用する場合には、厚さ80〜170μm程度とするのが望ましい。さらに、前記基紙の白色度についても使用用途に応じて適宜変更すればよい。印刷適性等を考慮して白色度70〜90ポイントに調整するのが望ましい。
再生紙層の形成に用いる古紙パルプについては、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙、上質古紙など従来既知の古紙を原料とする古紙パルプを用いることができるが、雑誌古紙を使用することが不透明度を向上させる点で最も良い。古紙パルプをスラリー化、湿紙化するにあたっては、従来既知の再生紙製造技術により行えばよい。この場合において、印刷適性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電剤、蛍光染料、着色染料、防腐剤、保湿剤など各種の添加剤を添加することができる。さらに、古紙パルプスラリーに、酸化チタンを配合することで、不透明性を高めることができる。酸化チタンの不透明度向上効果は既知であるが、従来の単層の場合や、表面側紙層および裏面側紙層に過度に、原料パルプ100重量部あたり20重量部以上に添加すると粉落ちという弊害が発生するが、本発明のように中間紙層である再生紙層に含有せしめる場合には、中間紙層を構成する原料パルプ100重量部あたり、0〜30重量部程度、含有せしめることができる。
前記再生層の厚み・米坪は、特に限定されないが、好適には、米坪30〜100g/m2、厚さ40〜100μm程度である。
表面側紙層、裏面側紙層の構成については、古紙パルプを含まない非再生紙層あるいは前記中間紙層の再生紙層と比較して古紙パルプ配合量を少なくした低古紙パルプ配合再生紙層とする。非再生紙層とするならば、フィルム層や合成紙層としてもよい。好適には、表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を上質紙層とするのが望ましい。表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を上質紙層とすると、平滑性、白色度、印字性に優れた基紙となる。また、表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方は、インクジェット記録用インクの吸収性に富むインク受理層が記録面に形成されたインクジェット記録用紙層や、グラビア印刷等の凸版や凹版印刷に適する印刷用紙層とすることができる。
表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方をインクジェット記録紙層とするならば、その形成にあっては、従来既知のインクジェット記録用紙の製造方法に準じて形成することができる。例えば、多層式抄紙機により製造するのであれば、表面側紙層および裏面側紙層を上質紙層とし中間紙層を古紙パルプを原料とする再生紙層とした3層構造の基紙原紙を形成した後、前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方の紙層をインクジェット記録用紙層とすべく、この基紙原紙の表裏面の少なくとも一方の面に、インク吸収性に富む顔料を含む塗工液を塗工してインク受理層を形成することにより製造できる。貼り合せにより製造するのであれば、インク受理層を有するインクジェット記録用紙とそれ以外の紙を、前記インク受理層が表裏面の何れかを構成するようにして、貼り合せることにより製造できる。
前記インク受理層は、従来既知のインクジェット記録用紙の製造にあたって設けるインク受理層と同様のものでよい。例えば、バインダーにインク吸収性に優れる顔料を添加せしめたインク受理層用塗工液を塗工機で塗工して形成するインク受理層である。
前記インク受理層用塗工液に使用する顔料としては、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、酸化チタン、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料等が挙げられる。
前記インク受理層用塗工液に使用するバインダーとしては、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレンマレイン酸樹脂及びその誘導体、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、酢酸ビニル系エマルジョン又はこれらの二種以上の縮合物等が挙げられる。
前記インク受理層用塗工液におけるバインダーの配合量は従来技術によって選択できる。従来技術の一例を挙げれば、顔料100重量部に対して1〜30重量部とするのが好適である。
また、前記インク受理層用塗工液には、必要に応じて分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、離型剤、防腐剤、着色顔料、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤等を添加されていてもよい。
前記インク受理層用塗工液を塗工する塗工機としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等が挙げられる。
一方、表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を前記印刷用紙層とするのであれば、その形成は、従来既知の印刷用紙の製造方法に準じて形成することができる。例えば、多層式抄紙機により製造するのであれば、表面側紙層および裏面側紙層を上質紙層とし中間紙層を古紙パルプを原料とする再生紙層とした3層構造の基紙原紙を形成した後、前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方の紙層を印刷用紙層とすべく、この基紙原紙の表裏面の少なくとも一方の面に、印刷適性に優れるようにする顔料を含む塗工液を塗工して印刷用紙層とすることにより製造できる。もちろん、前記塗工液の塗工前に、カレンダー処理などを施してもよい。表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方を印刷用紙層とする場合の好適な例としては、表面光沢が極めて高く、平滑性も高いことから、高級印刷用紙として広く利用されているキャストコート紙からなるキャストコート紙層とするのが望ましい。キャストコート紙層とする場合には、従来既知のキャストコート紙の製造方法に従って製造できる。すなわち、1)基紙に、顔料とバインダーとを含むキャスト塗工液を塗工した後、その塗工層が湿潤状態であるうちに、加熱した鏡面ドラムに圧接させて表面光沢処理を行うウェットキャストコート法、2)基紙に顔料とバインダーとを含むキャスト塗工液を塗工した後その塗工層をゲル化状態とし、このゲル化状態とした塗工層を加熱した鏡面ドラムに圧接して表面光沢処理を行うゲル化キャストコート法、3)基紙に顔料とバインダーとを含むキャスト塗工液を塗工した後、その塗工層を一旦乾燥し、その後に再湿潤液によって当該塗工層を湿潤状態とし、かかる再湿潤状態の塗工層を加熱した鏡面ドラムに圧接して表面光沢処理を行うリウェットキャストコート法により製造できる。但し、各製造方法とも、湿潤状態の塗工層を加熱した鏡面ドラムに接触させることで、塗工層中の水分を乾燥させるとともに表面の光沢を発現させる点で共通するので、多層式抄紙機を用いて製造する場合には、中間紙層の透水性については考慮する必要がある。貼り合せによる製造の場合にはこの限りでない。
前記キャスト塗工液に使用する顔料としては、立方形炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムの他に、カオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、異方形の軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げることができる。
前記キャスト塗工液に使用するバインダーとしては、従来既知のアルカリ感応性合成樹脂エマルジョン、アルカリ非感応性合成樹脂エマルジョン、酸化澱粉、エステル化澱粉、酸素性変性澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類、大豆蛋白等の蛋白質類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
その他、前記キャスト塗工液中には、必要に応じて、助剤として、粘度調整剤、消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等を従来既知の技術に従って含有させる。
他方、本発明においては、疑似接着剤は特に限定されるものではなく、従来既知の疑似接着剤を用いることができる。前記疑似接着剤としては、例えば、非剥離性接着剤(以下、接着基剤という)に、これに非親和性を示す充填剤を含有せしめて疑似接着力を付与した従来既知の疑似接着剤を用いることができる。前記接着基剤としては、ラテックス、具体的には天然ゴム、合成ゴム等の従来通常の接着基剤に使用されているものの中から任意に選択して使用することができるが、特に天然ゴムを無硫黄加硫し、メタアクリル酸メチルと混合した天然ゴムラテックス、天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックス、アクリル変性ゴムラテックス、ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとの混合物が、耐ブロッキング性、耐経時劣化等の点で好適である。
また、接着基剤に添加する充填剤としては、例えば、クレー、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、スチレンビーズ、シリカ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、またはこれらの混合物等が挙げられる。
基紙への疑似接着剤の塗工は、従来既知の塗工方法に従って塗工すればよい。例えば、ブレードコーター、カーテンコーター、ロッドコーターあるいはエアーナイフコーターといった塗工機でオフマシン塗工してもよいし、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、ロッドメタリングコーター、2ロールコーターあるいはスプレーコーター等の塗工機でオンマシン塗工してもよい。
疑似接着剤の塗工量は、従来既知の塗工量を参照して塗工すればよい。概ね3〜15g/m2とするのが望ましい。3g/m2未満であると、所望の接着力が得られず意図しない剥離が生じやすくなり、15g/m2を超えると、接着力が強くなりすぎて剥離することができなくなったり、塗工時に塗工ロールに糊粕が付着する、また印刷工程でブランケットに糊粕が付着したりして、操業上、印刷加工上、および品質上のトラブルが生じやすくなる。
かかる塗工によって形成する疑似接着剤層の厚さは、5〜15μmとするのが望ましい。また、均一な疑似接着剤層を得るために、塗工後に疑似接着剤層表面を、約1〜10kg/cm2で加圧し、疑似接着剤層表面の過度の突出を平坦にすることが好ましい。
なお、本発明においては、前記疑似接着剤層が積層構造であるか単層構造であるかについては限定されない。
本実施の形態にかかる積層構造であって中間層に再生紙層を有する擬似接着用紙(実施例1〜4)と単層の上質紙からなる基紙を使用した擬似接着用紙(従来例1)と、単層の再生紙からなる基紙を使用した擬似接着用紙(従来例2)とについて比較試験を行った。
実施例1〜4は、多層抄き抄紙機により、表面側紙層および裏面側紙層をバージンパルプを原料とする米坪30g/m2上質紙層とし、中間紙層を古紙パルプ(上物古紙パルプ・雑誌古紙パルプ)を原料とする米坪44g/m2の再生紙層とした、米坪104g/m2の3層構造の基紙を使用した。特に、実施例4については、再生紙層に酸化チタンを含有せしめた。
従来例1は、米坪104g/m2の上質紙を基紙として使用した。従来例2は、上質古紙を原料とする米坪104g/m2の再生紙を基紙として使用した。
実施例および各従来例における擬似接着剤層は、天然ゴムラテックス30重量部に対してシリカを25重量部、生澱粉25重量部からなる分散液に、合成ラテックス・水溶性バインダーを10重量部含有せしめた疑似接着剤を、ブレードコーターにより300m/分で片面7g/m2を塗工して形成した。
比較試験および物性の測定方法の詳細は次記のとおりである。
<白色度>JIS P 8123に基づいて擬似接着用紙表面の白色度を測定した。
<剥離強度(剥離性)>シーラーによりギャップ14で、接着幅50mm、接着長148mm、剥離しろ2mmとなるように、2枚の疑似接着用紙の疑似接着剤層面同士を加圧接着し、その後直ちに引き剥がした時の剥離強度をT型剥離試験機により測定した。
<隠蔽性(不透明度)>JIS P 8138に基づいて擬似接着用紙の不透明度を測定した。さらに、擬似接着剤層塗工面側にインクジェットプリンターで黒色インキで文字を印字し、この印字面を内側にして折り畳み疑似接着した後に、外方(擬似接着剤費塗工面側)から印字した情報が透けて見えるか否かを目視にて確認した。評価は、次記のとおりである。○:記録情報が、全く透けて見えないあるいは透けてみえるが記録情報を読み取ることはできない。×:記録情報が透けてみえ記録情報の一部を読み取ることができるあるいは透けて見え記録情報を読み取ることができる。
<印字刷適性>インクジェットプリンターで黒色インキで文字を印字した後、印字部のにじみ及び乾燥性を目視にて確認した。評価は、次記載のとおりである。○:印字部の乾燥が速く滲みは確認できないあるいは印字部の乾燥は通常であるが滲みは確認できない。×:印字部の乾燥が遅くにじみが多少の滲みが確認できるあるいは印字部の乾燥が遅く滲みがはっきりと確認できる。
<原料コスト>上質古紙パルプ100%を原料とした従来例2を基準に、経済的に安価であるか否かを検討した。○:従来例2より若干劣る程度である。×:従来例2よりかなりコストがかかる。
これら試験の結果を実施例および各従来例の構成とともに表1に示す。
Figure 2005067155
表1より、本実施例1〜4は、白色度、擬似接着性、印字性については、単層の上質紙を基紙とする従来例1と同等の評価が得られた。また、隠蔽性については、従来例1よりも優れ、従来例2と比較しても同等の評価が得られた。しかも、経済性については、雑誌古紙100%を原料とする単層の再生紙を基紙とする従来例2より若干劣る程度で、従来例1よりは格段にコスト安である。
してみると、本実施例の擬似接着用紙は、白色度、隠蔽性、擬似接着性、印字性に優れ、しかもコスト安な擬似接着用紙であるといえる。
情報の隠蔽性が要求される、親展性を有する情報隠蔽シート、親展性葉書、親展性封筒等に利用できる。

Claims (7)

  1. 基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を有する疑似接着用紙であって、
    前記基紙が、最も表面側に位置する表面側紙層と、最も裏面側に位置する裏面側紙層と、前記表面側紙層と前記裏面側紙層との間に設けられた中間紙層と、を備える積層構造であり、かつ、
    前記中間紙層が、古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする再生紙層であり、前記表面側紙層および前記裏面側紙層が、前記再生紙層の形成に要する原料パルプよりも古紙パルプ配合量の少ないパルプを原料パルプとする紙層であることを特徴とする擬似接着用紙。
  2. 基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を有する疑似接着用紙であって、
    前記基紙が、最も表面側に位置する表面側紙層と、最も裏面側に位置する裏面側紙層と、前記表面側紙層と裏面側紙層との間に設けられた中間紙層と、を備える積層構造であり、かつ、
    前記中間紙層が、古紙パルプを含むパルプを原料パルプとする再生紙層であり、前記表面側紙層および前記裏面側紙層が、古紙パルプを原料としない非再生紙層である、ことを特徴とする擬似接着用紙。
  3. 前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方が、バージンパルプを原料とする上質紙層である請求項2記載の擬似接着用紙。
  4. 前記中間紙層中に酸化チタンが含まれている請求項1〜3の何れか1項に記載の疑似接着用紙。
  5. 前記中間紙層を構成する再生紙層が雑誌古紙を原料としていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の疑似接着用紙。
  6. 前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方が、インクジェット記録用紙層である請求項1〜5の何れか1項に記載の擬似接着用紙。
  7. 前記表面側紙層および裏面側紙層の少なくとも一方が、キャストコート紙層である請求項1〜6の何れか1項に記載の擬似接着用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011094280A (ja) * 2009-07-09 2011-05-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 再生パルプを含有する紙
JP2011094282A (ja) * 2009-07-23 2011-05-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 再生パルプを含有する紙

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