JP2010229576A - 工程剥離紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウレタンフィルム研磨布等の粘着性フィルムにおいてポリウレタンフィルムと基材との間に配置され両者を粘着するための粘着層を、表面に形成し、ポリウレタンフィルム又は基材に転写するために使用される工程剥離紙であり、表面に均一な粘着層が形成でき、かつポリウレタンフィルムへの前記粘着層の転写性が高く、充分な耐熱性、優れた寸法安定性および強度(引張強度、引裂強度)を有する工程剥離紙を提供すること。
【解決手段】基紙と、前記基紙上に設けられた目止め層と、前記目止め層上に設けられた剥離層とからなり、前記目止め層が顔料及び粘着剤を主成分とする塗工層であり、前記剥離層が、水性シリコーン及びポリビニルアルコールを含有し、前記ポリビニルアルコールの含有割合が、乾燥質量で前記水性シリコーン100質量部に対して、30〜50質量部である。
【選択図】図1

Description

本発明は、工程剥離紙に関する。より詳しくは、ウレタンフィルム研磨布を構成する基材とポリウレタンフィルムを貼り合わせる粘着層を形成するために用いる工程剥離紙に関するものである。
剥離紙は一般に、接着シートの剥離紙(接着テープやラベルなど)、産業用基材(例えば、マーキングシート、金属箔等の剥離紙など)、包装用紙(例えば、紙袋、ブックカバーなど)、工程剥離紙(例えば、合成皮革、プリプレグ、プラスチックフィルム等の工程剥離紙)などとして多用されている。
中でも工程剥離紙は、目的製品を得るための使用用途別に異なる性能が必要とされている。
ウレタンフィルム研磨布を構成する基材とポリウレタンフィルムを貼り合わせる粘着層を形成するために用いる工程剥離紙は、特に表面性と剥離性に優れた工程剥離紙が必要とされる。ウレタンフィルム研磨布は、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、ハードディスク用基板、シリコンウエハ、液晶ガラス等、高精度に平坦性が要求される材料の平坦加工用の研磨布の材料として使用されており、その構造は、フィルム等の基材上に、多孔質構造を有するポリウレタンを、粘着剤からなる粘着層を設けて貼り合わせたものである(特許文献1、特許文献2を参照)。粘着層は、工程剥離紙上に粘着剤を塗布して形成され、この粘着層をポリウレタンフィルム上にフィルム転写した後、基材と貼り合わせる方法が用いられている。粘着層を設けるために工程剥離紙には、加熱に対する耐熱性や、粘着剤を均一に転写するための寸法安定性および強度(引張強度、引裂強度)が求められている。
工程剥離紙には、ポリエチレンラミネートした基材上に、剥離性を付与するための剥離剤としてシリコーンを塗布したものが用いられている。シリコーンの種類は、有機溶剤に分散させた溶剤性シリコーン、水に分散・乳化させた水性シリコーン、無溶剤性シリコーンの3種類がある。剥離紙や工程紙の用途には、従来から均一な塗工層を有し、良好な剥離性が得られる溶剤性シリコーンが使用されていたが、昨今の環境問題に対する意識の高さから、有機溶媒を使用せず環境負荷の少ない水性シリコーンを使用した工程剥離紙に対する要望が大きくなってきており、水性シリコーンを使用した剥離紙に関する技術も開示されている(特許文献3を参照)。
一方で、工程剥離紙の剥離剤として水性シリコーンを用いた場合、基紙が非塗工紙であれば、シリコーンが基紙に沈み込むため、一定期間放置後すると製造直後より剥離性が大幅に低下する問題がある。このため、基紙に水溶性高分子からなる目止め層を設けた後に剥離剤を塗工する技術が開示されている(特許文献3を参照)。
上記技術を使用することで、水性シリコーンを用いた工程剥離紙を得ることはできるが、しかしながら、例えばポリウレタンフィルムを基材に粘着させる用途に用いる等、強い粘着性を有する粘着層を形成するための工程剥離紙として使用する場合は、充分な耐熱性、寸法安定性および強度(引張強度、引裂強度)が得られない問題がある。特にウレタンフィルム研磨布の場合は、研磨用途のため表面が均一でなくてはならず、粘着層においても均一な層を形成し、かつ、均一にポリウレタンフィルムへ転写する必要がある。
均一な粘着層が形成でき、かつ高い転写性を得るためには、より平坦性に優れる剥離層が必要となる。剥離層の平坦性を向上させるためには目止め層の平坦性を向上させる必要があり、例えば無機顔料からなる目止め層の上に水性シリコーンを塗工することが考えられる。しかしながら無機顔料の上に水性シリコーンを塗布すると、目止め層表面の無機顔料が水性シリコーンと親和性が低く水性シリコーンを弾くため、均一な剥離層が得られない問題があり、均一な転写性を有する工程剥離紙を得ることができなかった。
特に無機顔料として平坦性に優れた、板状顔料であるカオリンクレーを用いた場合には、水性シリコーンがカオリンクレーとなじまず、目止め層が水性シリコーンを弾いて塗工ムラが発生し、実用に耐え得る剥離層が得られない問題がある。
上述のごとく、無機顔料、特にカオリンクレーを有する目止め層上には、水性シリコーンを均一に塗工することができなかった。このため、均一に粘着剤を塗布することができず、水性シリコーンを塗布した工程剥離紙において、均一な粘着層が形成でき、かつ高い転写性が得られる工程剥離紙は、いまだ得られていなかった。
特開2004−358584号公報 特開2005−153053号公報 特開2003−147693号公報
本発明の課題は、ウレタンフィルム研磨布においてポリウレタンフィルム又は基材の表面に粘着層を転写形成し、ポリウレタンフィルムと基材とを粘着するための工程剥離紙であり、剥離剤である水性シリコーンを基紙上に均一に塗工できるため均一な剥離層を形成でき、剥離層上に表面に均一な粘着層が形成でき、かつポリウレタンフィルムへの前記粘着層の転写性が高く、充分な耐熱性を有する工程剥離紙を提供することである。更には、優れた寸法安定性および強度(引張強度、引裂強度)を有する工程剥離紙を提供することである。
本発明の工程剥離紙は、ウレタンフィルム研磨布等の粘着性フィルムにおいてポリウレタンフィルムと基材との間に配置され両者を粘着するための粘着層を、表面に形成し、ポリウレタンフィルム又は基材に転写するために使用される工程剥離紙であって、基紙と、前記基紙上に設けられた目止め層と、前記目止め層上に設けられた剥離層とからなり、前記目止め層が顔料及び粘着剤を主成分とする塗工層であり、前記剥離層が、水性シリコーン及びポリビニルアルコールを含有し、前記ポリビニルアルコールの含有割合が、乾燥質量で前記水性シリコーン100質量部に対して、30〜50質量部であることを特徴とする。
本発明の工程剥離紙は、製造時に、無機顔料を含む目止め塗工層が水性シリコーンを弾く問題がなく、ウレタンフィルム研磨布等のポリウレタンフィルムと基材との間に配置され両者を粘着するための粘着層の形成及び転写に用いられる工程剥離紙であり、表面に均一な粘着層が形成でき、かつポリウレタンフィルムへの前記粘着層の転写性が高く、充分な耐熱性、優れた寸法安定性および強度(引張強度、引裂強度)を有している。また、古紙原料としてリサイクルが容易である。
本発明の工程剥離紙の層構成を示す概念図 ウレタンフィルム研磨布の層構成を示す概念図
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
本発明の工程剥離紙10は、図1に示すように、基紙11と、基紙11上に設けられた目止め層12と、目止め層12上に設けられた剥離層13とからなり、目止め層12が顔料及び接着剤を主成分とする塗工層であり、剥離層13が、水性シリコーン及びポリビニルアルコールを含有する。
目止め層12及び剥離層13は、図1では基紙の片面のみに設けているが、両面に設けてもよい。
<基紙>
基紙の材料としては特に限定されず、通常製紙用途として用いる原料パルプを使用することができる。例えば、未晒針葉樹パルプ(NUKP)、未晒広葉樹パルプ(LUKP)、晒針葉樹パルプ(NBKP)、晒広葉樹パルプ(LBKP)等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ等を使用することができる。また、古紙からなる古紙パルプを使用することも可能であり、例えば、雑誌古紙、チラシ古紙、オフィス古紙等から製造される離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等があげられる。本発明では、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
本実施形態においては、以上の原料パルプを混合して抄紙原料(紙料スラリー)を調製するが、当該原料パルプには、例えば、内添サイズ剤、紙力増強剤、紙厚向上剤、歩留向上剤等の通常の製紙工程で配合される種々の添加剤を、その種類及び配合量を適宜調整して内添することができる。
また、基紙を抄造する抄紙機も特に限定されず、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式など各方式を適宜用いることができる。また、平滑度を高め、剥離強度を安定化させるために、ヤンキードライヤーやカレンダーなどの平滑化処理を行うことが好ましい。
基紙の米坪は特に限定されないが、粘着層の形成および転写工程において、シワ入りや波打ちによる粘着層の不均一化を防止し、かつ均一な転写性を得るためには適度な剛度が必要とされ、好ましくは紙流れ方向のテーパー剛度で0.4〜1.2mN・m、より好ましくは0.5〜1.0mN・mである。テーパー剛度は基紙の米坪で調整でき、米坪は好ましくは100〜160g/m、より好ましくは110〜140g/mである。米坪が100g/mを下回ると、テーパー剛度が0.4mN・mを下回る可能性が大きく、シワ入りや波打ちが発生しやすく耐熱性に劣る。米坪が160g/mを超過すると、テーパー剛度が1.2mN・mを超過しやすくなり、シワ入りや波打ちは発生しないが、工程剥離紙に巻きくせが付いて均一な転写性が得られなくなり、作業性が低下するため好ましくない。但し、上記米坪の範囲内であっても、例えばポリエチレンラミネート等の加工を施すと剛性が失われやすく、上記テーパー剛度の範囲から外れる可能性があり、シワ入りや波打ちが発生しやすいため注意が必要である。
繰り返し使用しても断紙が発生しない工程剥離紙とするためには、一定以上の引張強度および引裂強度を有することが好ましい。引張強度は5kN/m以上が好ましく、7kN/m以上であると更に好ましい。引裂強度も同様に500mN以上が好ましく、700mN以上であると更に好ましい。上述のとおり、米坪が100〜160g/m、より好ましくは110〜140g/mであれば、引張強度や引裂強度が上記範囲内となるため問題になりにくい。
<目止め層>
(顔料)
本発明においては、基紙上に剥離層を設ける前に、目止め層を設ける必要がある。本発明では、目止め層として、顔料及び接着剤を主成分とする顔料塗工層を使用する。顔料塗工層は、従来から使用されているラミネート層と比べて再資源化が容易であるとともに、基紙の平坦性を向上させる効果が大きく、均一な粘着層を形成でき、かつ粘着層をポリウレタンフィルムに均一に転写することができる。一方、目止め層が水溶性高分子からなるクリア塗工層では、基紙の平坦性を向上させる効果に劣り、均一な粘着層の形成および転写性を得ることができず、また、非水溶性樹脂層やラミネート層では、使用済み工程剥離紙を水中で離解しにくく、紙原料として再生しにくいため好ましくない。
顔料としては特に限定されず、従来から抄紙用途で使用している顔料を用いることができる。例えば、炭酸カルシウム(重質、軽質)、クレー(パイロフィライトクレー、カオリンクレー、ハロイサイトクレー、ろう石クレー等)、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等が挙げられ、必要に応じて1種類以上を組み合わせて使用することができる。この中でも、目止め層表面を平坦化する効果の高いクレー、特にカオリンクレーを用いると、得られる工程剥離紙の表面性が向上するため好ましい。
特に、目止め層の顔料のうち70〜100質量%がクレーであることが好ましい。クレーが70質量%未満であると、目止め層表面が平坦化されにくく、均一な粘着層が得られないだけでなく、粘着層がポリウレタンフィルムに均一に転写しにくいため好ましくない。
クレーの形状としては、従来一般に製紙用途で使用するものを使用できる。例えば大粒径クレー、微粒クレー、焼成クレー、高白色クレー等が挙げられる。この中でも粒子径0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%以上、より好ましくは80%以上を占めるクレーを用いると、目止め層のカバーリングが良いため高平滑な表面を有する目止め層が得られやすく、均一な粘着層および転写性が得られやすいため好ましい。0.3μm未満の粒子が多くなり0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%を下回ると、均一な粘着層が得られやすいものの粘着剤の転写性が低下しやすいため好ましくない。逆に0.8μmを超過する粒子が多く0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%を下回ると、均一な目止め層表面が得られにくく、強い平坦化条件が必要となり、工程剥離紙の強度(引張強度、引裂強度)が低下しやすくなるため好ましくない。
逆に、顔料としてシリカやタルク等の吸油性の高い顔料を使用した場合は、粘着剤が目止め層に吸収されやすく、均一な転写性が得られにくいため好ましくない。
また、後述する剥離層において、水性シリコーンおよびポリビニルアルコールを主成分とする塗料を塗工した場合、水性シリコーンが目止め層の顔料となじみにくいため剥離層に塗工ムラが発生しやすい。しかしながら、顔料として粒子径0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%以上、より好ましくは80%以上を占めるクレーを用いると、剥離層の塗工ムラが低減でき、より均一な転写性に優れる工程剥離紙が得られることが判った。
上述のごとく、目止め層の顔料としてクレーを顔料全体の70〜100質量%含有すると、水性シリコーンを含有する剥離層上に、粘着剤を均一に塗工することができ、かつポリウレタンフィルム上に均一に転写できるため、基材とポリウレタンフィルムの密着性が高く均一なウレタンフィルム研磨布が得られる。更にはクレーの粒子径の分布において、0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%以上、より好ましくは80%以上を占めると、更に粘着剤を均一に塗工することができ、更に基材とポリウレタンフィルムの密着性が高く均一なウレタンフィルム研磨布が得られる。特に粘着力が強い粘着剤からなる粘着層を均一に設け、かつ被粘着物上に転写した後においても均一な粘着層を形成できる工程剥離紙が得られる。加えて、クレーとして特にカオリンクレーを用いると、更に均一な粘着層および転写性が得られやすいため好ましい。
尚、本発明の粒子径は次のように測定した。走査電子顕微鏡(型番:S−2150、(株)日立製作所製)を用いて、顔料としてクレーを塗工した塗工紙表面の顔料粒子を撮影した。クレー粒子は真円ではないため、粒子の面積と同程度の面積となるよう真円を描き、その直径を粒子径とした。撮影は倍率12000倍で10枚行い、写真毎に10点ずつ、合計100点の顔料粒子について粒子径を求めた。
(接着剤)
目止め層に用いることができる接着剤としては、一般的に製紙用途で使用できる接着剤を使用することができる。例えばカゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックスもしくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の、通常塗工紙に用いられる接着剤が例示され、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して併用することができる。
上記接着剤の中でも特にラテックス、特にスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが熱安定性が良いため好ましい。特に、ガラス転移温度が−10〜20℃、重量平均粒子径が60〜120nm、ゲル含有量が70〜85質量%であると、より均一な接着層が得られるため好ましい。
尚、ガラス転移温度、ラテックスのゲル含有量、重量平均粒子径は次のとおり求めた。
ガラス転移温度
ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作成した。上記乾燥フィルムを示差走査熱量計(デュポン社製)を用いて、昇温速度20℃/分で測定した。
ゲル含有量
ラテックス約0.3gをスライドグラス上に薄く広げ、50℃の乾燥機でフィルムとなるまで乾燥した。ラテックスフィルムを約50mlのトルエン中に一昼夜浸せきし、ガラスフィルターでろ過後、ろ液を105℃の乾燥機で乾燥して、トルエン可溶分の重量を測定した。ここで得られたトルエン可溶分の重量から、次式によりゲル含有量を算出した。
ゲル含有量(%)=(乾燥フィルム重量−トルエン可溶分重量)×100/乾燥フィルム重量
重量平均粒子径
ラテックスを0.05〜0.2%濃度に希釈した試料を調製し、波長525nmの吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線により求めた。
上述のとおり、目止め層の顔料として、粒子径0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%以上、より好ましくは80%以上を占めるクレー、より好ましくはカオリンクレーと、接着剤として、ガラス転移温度が−10〜20℃、重量平均粒子径が60〜120nm、ゲル含有量が70〜85質量%のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いると、均一な接着層が得られ、転写性が良好となるため好ましい。
目止め層における接着剤の配合量は、顔料100質量部に対して、5〜25質量部であることが好ましい。この範囲では、より均一な接着層を形成でき、かつ接着層の転写性に優れた工程剥離紙を得ることができる。
(塗工方法)
目止め層を設ける方法は、従来塗工紙用途で使用されてきた方法を用いることができる。つまり、サイズプレス、フィルム転写型ロールコーター(ゲートロールコーターやロッドメタリングサイズプレス)、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
目止め層の塗工量は、片面あたり4〜10g/mが好ましく、5〜8g/mがより好ましい。4g/m未満では十分な平坦性を得ることができず、10g/mを超過すると、過剰品質でコストアップとなり、紙粉発生の原因にもなりやすい。
<剥離層>
目止め層の上には、水性シリコーンを主成分とする剥離層を設ける。
本発明で用いる水性シリコーンは、シリコーン化合物を乳化剤等の界面活性剤を用いて水中に乳化したシリコーンエマルジョン、親水基による変性等によりシリコーン化合物を水中に分散させて得られたシリコーン分散体等である。このようなシリコーンとしては、例えば信越化学社製の品番KM−3591等が挙げられる。
水性シリコーンは、それ単体で顔料および接着剤からなる目止め層表面に塗工すると、顔料との親和性が低いため塗料の弾きが強く均一な塗工ができない。弾きを押さえるためには水性シリコーンに水溶性樹脂を加えて水性シリコーンと目止め層の顔料との親和性を高めることが必要となる。水溶性樹脂の中でもポリビルアルコールを用いると、好適に弾きを防止することができ、工程剥離紙として使用できる剥離層を得ることができる。
ポリビニルアルコールとしては、一般に製紙用途で使用されているものであれば特に限定されず、各種ケン化度や重合度を有する未変性のポリビニルアルコールや、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性ポリビニルアルコール、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アルコキシル変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、チオール変性ポリビニルアルコール等のランダム共重合体;アニオン変性、カチオン変性、チオール変性、シラノール変性、アルコキシル変性及びエポキシ変性等変性が末端基のみに行われているポリビニルアルコール、アクリルアミド、アクリル酸等の水溶性モノマーを導入したブロック共重合ポリビニルアルコール、シラノール基等をグラフトさせたグラフト共重合ポリビニルアルコール等を使用することができる。
ポリビニルアルコールのケン化度は、90mol%を超える完全ケン化タイプや、ケン化度が90mol%以下の部分ケン化タイプの、いずれをも使用することができるが、ケン化度が72.5〜92.5mol%であることが好ましく、その中でも76.5〜89.0mol%の部分ケン化タイプが更に好ましく、80.0〜83.0mol%であることが特に好ましい。ケン化度が72.5mol%を下回ったり、92.5mol%を超過すると、目止め層中の顔料が水性シリコーンを弾きやすくなり、均一な塗工層が得られないため、剥離層上に均一な粘着層を形成しにくいだけでなく、ポリウレタンフィルムへの転写性に劣り粘着層の均一性が低下し、得られるウレタンフィルム研磨布の表面性や均一性に劣り、研磨布としての性能が低下する可能性があるため好ましくない。特に、一般の粘着性フィルムよりも高い粘着性が必要とされるウレタンフィルム研磨布用途においては、上述の範囲のケン化度を有するポリビニルアルコールを使用してシリコーンの弾きを低減することにより、均一な粘着層を形成でき、ポリウレタンフィルムと基材とを均一に粘着できるため、よりウレタンフィルム研磨布に好適に使用できる工程剥離紙となる。
尚、ポリビニルアルコール中の酢酸ビニル単位のケン化度は、JISK6726に準じて測定した。
ポリビニルアルコールの重合度は、400〜1000が好ましく、500〜1000がより好ましく、500〜600が最も好ましい。重合度が400を下回ると、剥離層の耐水性が低下し、転写性が均一となりにくい。重合度が1000を超過すると、目止め層に剥離剤を塗工する際に弾きやすくなる。
尚、ポリビニルアルコールの重合度は、溶媒としてイオン交換水を用いてオストワルド粘度計により30℃で測定した極限粘度[η](g/dl)から、次式により粘度平均重合度(P)を求めた。
剥離層を形成する塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量としては、水性シリコーン100質量部に対して、乾燥重量基準で30〜50質量部である必要があり、より好ましくは35〜45質量部である。含有量が30質量部を下回ると、粘着層形成用途に用いる際の耐熱性に劣り、寸法安定性が低下するだけでなくシワ入りや波打ちが発生しやすく、粘着剤が均一に転写できにくくなる。50質量部を上回ると、粘着剤との親和性が高くなりポリウレタンフィルムに粘着層が均一に転写しにくくなるため好ましくない。上述のとおり、ウレタンフィルム研磨布用途に用いるポリウレタンフィルムに基材を貼り付けるための粘着層を形成する工程剥離紙用途においては、顔料および接着剤からなる目止め層の上に、水性シリコーンおよびポリビニルアルコールを主成分とする剥離層を設けることが好ましいが、ポリビニルアルコールの含有量は水性シリコーン100質量部に対して、乾燥重量基準で30〜50質量部とする必要があり、より好ましくは、35〜45質量部であり、これによりウレタンフィルム研磨布のごとく粘着性の高い粘着剤を用いる場合であっても、均一な粘着層を形成でき、均一な転写性を有する工程剥離紙を得ることができ、得られるウレタンフィルム研磨布の表面性が向上できるため好ましい。
同じ水溶性高分子である酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の、通常塗工紙に用いられる水溶性高分子等を併用することもできるが、ポリビニルアルコールに比べて耐熱性に劣り、シワ入りや波打ちが発生して粘着剤が均一に転写できないだけでなく、剥離強度が経時で変化したり、湿度変化の影響を受けやすい問題があるため、使用する際は注意が必要である。
上述のごとく、水性シリコーン及びポリビニルアルコールを混合して用いると、顔料塗工層である目止め層中の顔料との親和性が高くなり、目止め層上に水性シリコーンが均一に塗工できるため、均一な粘着層が形成でき、粘着層がポリウレタンフィルムに均一に転写できるため好ましい。更に、ケン化度が72.5〜92.5mol%、重合度が400〜1000、更に好ましくは500〜1000、最も好ましくは500〜600であるポリビニルアルコールを、水性シリコーン100質量部に対して、30〜50質量部の割合で混合して用いると、シリコーン塗工性が良好となるだけでなく、均一な粘着層が得られ、均一な転写性を付与でき、転写後の粘着層の表面平坦性が高くなるため好ましい。かつ、寸法安定性や耐熱性に優れ、経時で剥離力が変化しにくい、使用しやすい工程剥離紙が得られやすいため好ましい。
特にウレタンフィルム研磨布は研磨用途に用いられるため、表面の平坦性が重要である。このため、工程剥離紙には均一な粘着層を形成し、粘着層をポリウレタンフィルムに均一に転写する必要があるが、上述のとおり、水性シリコーンからなる剥離剤に対し、ケン化度が72.5〜92.5mol%、重合度が400〜1000のポリビニルアルコールを、更に好ましくはケン化度が76.5〜89.0mol%、重合度が500〜1000、最も好ましくは500〜600のポリビニルアルコールを、シリコーン100質量部に対して30〜50質量部配合することで、均一な粘着層を形成でき、その粘着層を均一にポリウレタンフィルムに転写でき、寸法安定性や耐熱性に優れ、表面性が良好なウレタンフィルム研磨布を得ることができた。
上述の水性シリコーン及びポリビニルアルコールからなる剥離層は、上述した目止め層の上に設けることで、均一な粘着層を形成することができる。つまり、顔料として粒子径0.3〜0.8μmの粒子が全体の70%以上、より好ましくは80%以上を占めるカオリンクレーと、接着剤として、ガラス転移温度が−10〜20℃、重量平均粒子径が60〜120nm、ゲル含有量が70〜85質量%のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いた目止め層の上に、上述の水性シリコーン及びポリビニルアルコールからなる剥離層を設けると、粘着力が強い粘着剤からなる粘着層を均一に形成でき、かつ、ポリウレタンフィルム上に均一に粘着層を転写できるため好ましい。
本発明の工程剥離紙の剥離層には、上記以外にも、一般に製紙用途で使用できる顔料、蛍光増白剤、蛍光増白剤の被染着物質、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等の通常使用される各種薬品を適宜配合することもできる。
剥離層の塗工量は、片面あたり0.3〜3.0g/mが好ましく、0.5〜1.2g/mがより好ましい。0.3g/m未満では均一な転写性を得ることができず、3.0g/mを超過すると、シリコーンが硬化不良を起こして脱落しやすくなり、均一な粘着層を形成できないばかりか、均一な転写性が得られない可能性があるため好ましくない。またコストアップにもなる。このようにして得られる本発明の工程剥離紙は、ウレタンフィルム研磨布の平坦性を向上することができる。
このようなウレタンフィルム研磨布用途の工程剥離紙は、次の評価基準に基づく転写性測定試験において、適度な転写性を有するため好ましい。
(用途)
本発明の工程剥離紙は、各種の工業用剥離紙に使用でき、特にウレタンフィルム研磨布においてポリウレタンフィルムと基材との間に配置され両者を貼り合わせる粘着剤層を、剥離紙表面に形成し、この粘着剤層を、ポリウレタンフィルム又は基紙に転写するために使用される工程剥離紙として使用できる。ウレタンフィルム研磨布20は、図2に示すように、基材21と、基材21上に設けられた粘着剤層22と、粘着剤層22上に設けられたポリウレタンフィルム23とからなる。ウレタンフィルム研磨布とは、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、ハードディスク用基板、シリコンウエハ、液晶ガラス等、高精度に平坦性が要求される材料の平坦加工用の研磨布の材料として使用され、研磨布の表面に多孔質構造を有するポリウレタンを設けたものである。特に、本発明の工程剥離紙10は、ウレタンフィルム研磨布内部の粘着剤層形成用途に使用することができる。具体的には、工程剥離紙10の剥離層13の表面に粘着剤を塗布することで粘着剤層を形成し、形成した粘着剤層をポリウレタンフィルム又は基材の表面に転写する。その後、粘着剤層を持つポリウレタンフィルム又は基材を、基材又はポリウレタンフィルムと貼り合わせることで、図2の層構成を持つウレタンフィルム研磨布を形成する。本発明の工程剥離紙は、粘着力の強い粘着層を均一に形成し、かつ均一に転写できるため、得られるウレタンフィルム研磨布の表面性が良好であることや、貼り合わせ強度が高くなるメリットがある。
次に、実施例、比較例を挙げて本発明による作用効果を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.実施例及び比較例
〔基紙〕
パルプ原料として広葉樹晒クラフトパルプを100%使用し、フリーネスを370mlに調成した。絶乾パルプ1tに対して、カチオン化澱粉を5kg、サイズ剤0.2kgをそれぞれ有効成分基準で内添し、内添填料として軽質炭酸カルシウムを灰分10%となるよう内添した。その後、長網抄紙機で抄造・乾燥し、表に記載の坪量の基紙を得た。抄紙機はツインワイヤー(ハイブリッドフォーマー)からなるワイヤーパート、オープンドローのないストレートスルー型のプレスパート、ダブルデッキ方式のドライヤーパートを用いて抄紙した。
[目止め層の形成]
その後、表に記載の配合量の顔料(クレー、炭酸カルシウム、シリカ)と、顔料100質量部に対して10質量部のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(品番:T−2730P、JSR社製、ガラス転移温度10℃、重量平均粒子径110nm、ゲル含有量75質量%)を配合した目止め層を、ロッドメタリングサイズプレスコーターで、片面あたり8.0g/mの塗工量となるよう、原紙の両面に塗工して製造した。用いた顔料は次のとおり。
クレー:カオリンクレー(品番:カピムNP、イメリス社製)
炭酸カルシウム:重質炭酸カルシウム(品番:エスカロン#90、三共製粉(株)製)
シリカ:合成非晶質シリカ(型番:ニップジェルAZ−204、東ソー・シリカ社製)
但し、実施例9は上記のクレーをそのまま用い、他の実施例および比較例で用いたクレーは、表に記載の粒子径分布となるよう、湿式粉砕機(品番:プラネタリーミル、セイシン企業製)を用いて粉砕した。炭酸カルシウムおよびシリカは粉砕せず、そのまま用いた。比較例1及び2では目止め層を設けない代わりにポリエチレンラミネート層を設け、比較例3では目止め層もポリエチレンラミネート層も設けなかった。尚、比較例1及び2は、従来ウレタンフィルム研磨布用に用いられている工程剥離紙である。
〔剥離層の形成〕
表に示す種類及び割合で、シリコーン及び水溶性樹脂(ポリビニルアルコールおよびリン酸エステル化澱粉)を常温にて混合撹拌して剥離層用の塗工液を得た。用いた薬品は以下のとおりである。表に記載の水溶性樹脂の配合量は、乾燥重量基準でシリコーン100質量部に対する割合である。なお、硬化触媒として市販の白金触媒をシリコーン100質量部に対して3質量部使用した。
・シリコーン
水性:水性シリコーン(品番:KM−3951、信越シリコーン(株)製)
溶剤:溶剤系シリコーン(品番:KS−3601、信越シリコーン(株)製)
無溶剤:無溶剤系シリコーン(品番:KNS−316、信越シリコーン(株)製)
・ポリビニルアルコール(全てクラレ(株)社製)
品番:L−8、ケン化度:69.5〜72.5。重合度400に調整した。
品番:PVA−505、ケン化度:72.5〜74.5、重合度500。
品番:L−9−78、ケン化度:76.5〜79.0。重合度500に調整した。
品番:PVA−405、ケン化度:80.0〜83.0、重合度500。
品番:PVA−205、ケン化度:86.5〜89.0、重合度500。
品番:PVA−706、ケン化度:90.5〜92.5、重合度600。
品番:PVA−110、ケン化度:98.0〜99.0、重合度1000。
・リン酸(リン酸エステル化澱粉、品番:MS4600、日本食品加工社製)
上記塗工液を、前述した目止め層表面にエアーナイフコーターで、片面あたり乾燥質量が1.0g/mとなるように塗工し、熱風乾燥機で乾燥させた。
2.評価方法
以上のようにして製造した工程剥離紙について、以下のとおり測定・評価を行った。結果は、表1に示した。但し、シリコーン塗工性は目止め層を設けた基紙について評価した。
1)剛度
JISP8125:2000「紙及び板紙−こわさ試験方法−テーパーこわさ試験機法」に準じて、紙流れ方向(縦方向)のテーパー剛度を測定した。
2)引張強度
JISP8113:2006「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に準じて、紙流れ方向(縦方向)の引張強度を測定した。
3)引裂強度
JISP8116:2000「紙−引裂強さ試験方法−エルメンドルフ形引裂試験機法」に準じて、紙流れ方向(縦方向)の引裂強度を測定した。
4)シリコーン塗工性
目止め層表面に、表に記載の剥離層用の塗工液(濃度12.5%)をワイヤーバーNo.6で片面あたり1g/mとなるよう塗工した直後、塗工面積10cmあたりに含まれる弾き(未塗工領域)の個数を、目視で以下のとおり評価した。
◎:弾きがなく、均一な塗工層が得られた。
○:弾きが1〜2個発生したが、実使用可能。
△:弾きが3〜5個発生したが、実使用可能。
×:弾きが6個以上発生し、実使用不可能。
5)寸法変化率
A4サイズ(210mm×297mm)の工程剥離紙に市販の粘着剤(アクリル系溶剤型粘着剤、品番:AS−1107、一方社油脂工業社製)を、No.2ワイヤーバーを用いて片面あたり20g/m塗布した後、120℃で2時間乾燥した。塗布乾燥前の工程剥離紙の面積(A)および塗布乾燥後の工程剥離紙の面積(A)を測定し、次の式から寸法変化率(%)を求めた。尚、寸法変化率が1.0%以上であると寸法安定性に劣るため工程剥離紙用途に使用できず、1.0%以下であれば工程剥離紙として使用でき、0.7%以下であれば寸法安定性に優れ、0.5%以下であれば寸法安定性に特に優れる工程剥離紙となる。
寸法変化率(%)=(A―A)/A×100
6)耐熱性
寸法安定性試験後の工程剥離紙の表面のシワ入り、波打ちの程度を以下のとおり評価した。
◎:工程剥離紙の表面が均一であり、シワ入り、波打ちが発生していない。
○:工程剥離紙の表面に、目視では確認できないが、ルーペで10倍に拡大すると微小なシワが確認できる。
△:工程剥離紙の表面に、目視で確認できる小さなシワがある。
×:工程剥離紙の表面に、目視で確認できる大きなシワがあり、工程剥離紙全体が波打っており、実使用不可能。
7)粘着層転写性
寸法安定性試験で得た、粘着剤を塗布した工程剥離紙に、市販のウレタンフィルム(AQUA社製、型番:ウレタン防犯フィルムKG106)の非粘着面であるポリウレタン層を乗せ、重さ4kgの金属製の円筒形ローラーを一往復させて密着させた。工程剥離紙を剥がし粘着層を転写させ、工程剥離紙の表面に残留した粘着剤の量を以下のとおり評価した。
◎:工程剥離紙表面に粘着剤がほとんど残っていない。
○:工程剥離紙表面に粘着剤が僅かに残っているが、剥離しやすく繰り返し使用しても粘着剤が工程剥離紙表面に残留しない。
△:工程剥離紙表面に粘着剤が僅かに残っており、実使用には問題ないが、繰り返し使用できる回数が◎および○よりも少ない。
×:工程剥離紙表面に粘着剤が多く残り、実使用不可能。
8)リサイクル適性
A4サイズ(210mm×297mm)の工程剥離紙を約5cm角に切り、水1リットル中に沈め、常温で30分間、100RPMで攪拌した後のパルプ原料の遊離性を目視で次のとおり評価した。
○:ほぼ全てのパルプが遊離し、リサイクル適性が良い。
×:ラミネート等に付着した一部のパルプが遊離せず、リサイクル適性が悪い。
本発明の工程剥離紙は、ポリウレタンフィルムと基材との間に配置され両者を粘着するための粘着層を、表面に形成し、ポリウレタンフィルム又は基材に転写するために使用することができる。
10 工程剥離紙
11 基紙
12 目止め層
13 剥離層
20 ウレタンフィルム研磨布
21 基材
22 粘着剤層
23 ポリウレタンフィルム

Claims (3)

  1. ポリウレタンフィルム又は基材の表面に粘着層を転写形成し、ポリウレタンフィルムと基材とを粘着するための工程剥離紙であって、
    前記工程剥離紙は、基紙と、前記基紙上に設けられた目止め層と、前記目止め層上に設けられた剥離層とからなり、
    前記目止め層が顔料及び接着剤を主成分とする塗工層であり、
    前記剥離層が、水性シリコーン及びポリビニルアルコールを含有し、
    前記ポリビニルアルコールの含有割合が、乾燥質量で前記水性シリコーン100質量部に対して、30〜50質量部であることを特徴とする工程剥離紙。
  2. 前記顔料のうちクレーが70〜100質量%であり、前記クレーのうち粒子径0.3〜0.8μmの粒子の割合が、クレー全体の70%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の工程剥離紙。
  3. 前記ポリビニルアルコールのケン化度が72.5mol%〜92.5mol%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の工程剥離紙。
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