JPH11336000A - 印刷用塗工紙およびその製造方法 - Google Patents

印刷用塗工紙およびその製造方法

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JPH11336000A
JPH11336000A JP14390798A JP14390798A JPH11336000A JP H11336000 A JPH11336000 A JP H11336000A JP 14390798 A JP14390798 A JP 14390798A JP 14390798 A JP14390798 A JP 14390798A JP H11336000 A JPH11336000 A JP H11336000A
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coating
coated
printing
coating liquid
paper
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JP14390798A
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Yuichi Shiba
裕一 柴
Kengo Yamane
憲吾 山根
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドライピック強度、白紙光沢、印刷光沢、およ
びインキ着肉性などの優れた印刷適性を有し、かつ高速
での製造が可能である印刷用塗工紙およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】少なくとも原紙の片面に1層以上の塗工層
を設けた印刷用塗工紙において、最上層が、平均粒子径
40〜80nmのラテックスバインダーを、顔料100
重量部に対して7〜12重量部含有する塗工液を塗工し
た層であることを特徴とする印刷用塗工紙。また、塗工
液の固形分濃度を64.0%以上、速度1400m/分
以上にて最上層を塗工、さらに、せん断速度1051/s
でのキャピラリー粘度計による粘度が55mPa・s以
下であり、かつ圧力50kPa、測定時間60秒でのA
A−GWRによる脱水量が60g/m2以下である塗工液
を塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライピック強
度、白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性などの優
れた印刷適性を有し、かつ高速での製造が可能である印
刷用塗工紙およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】枚葉および輪転式などの印刷機に使用す
る印刷用紙は、優れた印刷品質を得るために塗工工程を
経て製造される。近年、この塗工工程においては製品の
コストダウンおよびエネルギーの効率的な利用などのた
め、高速化が求められているが、塗工液は高濃度で顔料
やバインダーラテックスなどの粒子を含むため、高せん
断速度下では粘性的性質を示すとともに、塗工液中の水
分が原紙または隣接下層へ移行することにより、塗工液
固形分濃度が上昇し、この粘性的性質が助長される。こ
れらが原因となり、高速での塗工では、ブレード先端で
ストリーク、ブリーディング、および石筍の発生などの
塗工欠陥を生じ、塗工工程の操業性に悪影響を及ぼす。
また、高速での操業に伴い、塗工機の乾燥能力への負担
の増加が問題となっている。
【0003】従来より、これらを満足させるために種々
の提案がなされている。例えば、特開平7−82695
では、塗工液中に顔料またはバインダーとして含まれる
合成ゴムラテックスの数平均粒子径が1300 すなわ
ち130nm以下である固形分濃度60〜70%の塗工
液について、圧力100kPa、測定時間100秒での
AA−GWRによる脱水量を80g/m2以下と限定する
ことで、ブリーディングの発生を伴わない高速での塗工
を実現しようとしている。しかし、該明細書中には、塗
工欠陥の発生に深く関係している高せん断速度下での粘
度に関する記述が無い。塗工欠陥を抑制するには塗工液
の脱水量を規定し高い保水性を実現すると同時に、高せ
ん断速度下での粘度を低い値に規定することが不可欠で
あるが、該明細書中にはこの様な新規の技術についての
記述は見られない。またラテックスの平均粒子径が13
0nm以下という限定では、印刷用塗工紙の塗工液に一
般的に含まれるラテックスの平均粒子径の多くが含まれ
ることとなり、また、この様な限定では高保水性と高せ
ん断速度下での低粘性を両立するという非常に困難な塗
液の設計は実現せず、更なる高速塗工において塗工欠陥
を伴わない安定した操業に対する寄与は極めて小さいと
いえる。
【0004】また、特開平7−138899号公報で
は、塗工液中の顔料粒子のサイズ分布と粒子サイズが1
μm以下の粒子のサイズフラクションの平均粒子縦横比
を限定し、塗工液中の水分が原紙に移動する程度、すな
わち脱水量を抑制することで速度1400m/分での安
定した塗工工程を実現しようとしているが、1500m
/分を超えるような更なる高速塗工を可能にする技術と
しては、前記技術は十分に満足しうるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
のような背景をもとに、ドライピック強度、白紙光沢、
印刷光沢およびインキ着肉性などの優れた印刷適性を有
し、かつ高速での製造が可能である印刷用塗工紙および
その製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、塗工液を塗工した印
刷用塗工紙において、塗工液として特定のラテックスバ
インダーを使用し、特定の添加量とすることで、ドライ
ピック強度、白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性な
どの優れた印刷適性が得られ、また、該ラテックスバイ
ンダーにより塗工液の高せん断速度下での粘度を低減
し、かつ保水力を増大させることができ、ストリーク、
ブリーディングおよび石筍の発生などの塗工欠陥を伴わ
ずに高濃度の塗工液を高速で塗工原紙などに塗工し、高
品質の印刷用塗工紙を高効率で製造できることを見いだ
した。
【0007】すなわち、本発明の印刷用塗工紙は、少な
くとも原紙の片面に1層以上の塗工層を設けた印刷用塗
工紙において、最上層が、平均粒子径40〜80nmの
ラテックスバインダーを、顔料100重量部に対して7
〜12重量部含有する塗工液を塗工した層であることを
特徴とするものである。
【0008】本発明の上記印刷用塗工紙の製造方法は、
塗工液の固形分濃度を64.0%以上とし、塗工速度1
400m/分以上にて最上層を塗工することを特徴とす
るものである。
【0009】また、本発明の上記印刷用塗工紙の製造方
法は、最上層として、せん断速度1051/sでのキャピ
ラリー粘度計による粘度が55mPa・s以下であり、
かつ圧力50kPa、測定時間60秒でのAA−GWR
による脱水量が60g/m2以下である塗工液を塗工する
ことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、特定のラテックスバイ
ンダーを特定添加量で使用するにより、優れた印刷適性
を有する印刷用塗工紙を提供することができる。また、
その製造に当たっては、ラテックスバインダーによる特
性により、塗工欠陥を伴うことなく高速塗工ができる。
以下、本発明の印刷用塗工紙およびその製造方法につい
て、詳細に説明する。
【0011】本発明の印刷用塗工紙は、最上層に主とし
て特定のラテックスバインダーを使用するものである。
従来より、ラテックスバインダーは顔料と共に使用され
てきているが、本発明においては、特定の平均粒子径を
有するラテックスバインダーを使用することに特徴があ
る。
【0012】ラテックスバインダーは、小粒子径にする
に従ってラテックスバインダー自体の表面積が増大し、
それに伴って混合する顔料への接着面積が増加してい
く。この結果、印刷用塗工紙の諸物性は種々の影響を受
けることになる。一般的には、接着強度の上昇、透気性
の低下、インキ着肉性の低下、印刷光沢の上昇、強制熱
乾燥を伴う印刷工程で必要となる耐ブリスター性の低
下、およびカレンダー効果の低下に伴う白紙光沢の低下
などが挙げられる。
【0013】本発明の印刷用塗工紙においては、ラテッ
クスバインダーの平均粒子径が40〜80nmであり、
かつ混合する顔料100重量部当たり該ラテックスバイ
ンダーの添加量を7〜12重量部とすることにより、従
来使用しているラテックスバインダーに比較して添加量
を少なくでき、ドライピック強度、白紙光沢、印刷光
沢、インキ着肉性などの印刷適性に優れた効果を発揮す
ることができる。
【0014】本発明に使用されるラテックスバインダー
は、平均粒子径が40〜80nmのものである。ここ
で、平均粒子径が40nmよりも小さいと顔料に対する
接着面積を増加させ、インキ着肉性などを悪化させる。
また、80nmを超えて大きいと接着性に影響を与え、
ドライピック強度などを悪化させる。
【0015】本発明におけるラテックスバインダーの平
均粒子径とは、水中のラテックスバインダーのブラウン
運動を動的レーザー光散乱法により観測し、その値をタ
イムインターバル法等の光子相関法により解析したもの
である。(単位;nm)
【0016】本発明に使用されるラテックスバインダー
としては、例えば、スチレン−ブタジエン系、アクリル
系、酢酸ビニル系などの各種共重合体ラテックスバイン
ダーが挙げられる。
【0017】本発明におけるラテックスバインダーの添
加量としては、顔料100重量部に対して7〜12重量
部である。この範囲外の適用では、ドライピック強度、
白紙光沢、印刷光沢、インキ着肉性などの印刷適性とい
った印刷用塗工紙の特性を同時に高い水準で維持するこ
とができない。
【0018】本発明において、ラテックスバインダーの
平均粒子径が塗工液に及ぼす影響は大きく、実用的な添
加量で平均粒子径の小さいラテックスバインダーを使用
した場合、塗工液の高せん断速度下での粘度は低減し、
また同時に優れた保水性を発揮することができる。ラテ
ックスバインダーの小粒子径化は、顔料成分を含めての
平均粒子径を微小化させ、塗工液の高せん断速度下での
低粘度化を助長することができる。また、ラテックスバ
インダーの粒子表面近傍には、保水性を発揮する親水性
の部位が存在するが、小粒子径化による表面積の増大に
より、粒子径の大きいラテックスバインダーと比較し
て、同量の添加量でより優れた保水性を発現することが
できる。
【0019】本発明の印刷用塗工紙の製造方法におい
て、塗工液の固形分濃度を64.0%以上とし、塗工速
度1400m/分以上にて最上層を塗工するものであ
る。
【0020】ここで、固形分濃度が64.0%より低い
塗工液を用い、1400m/分の塗工速度で塗工した場
合、乾燥の負担が増大するだけでなく、目標とする印刷
適性を得ることができない場合がある。
【0021】塗工工程における乾燥時の塗工層形成の挙
動が印刷用塗工紙の品質に与える影響は大きい。塗工液
をできるだけ早く不動化させることで、塗工液中に存在
する水の移動に伴う水分散性および水溶性成分の移動を
抑制し、これらの成分の分布むらが原因で生じるインキ
着肉の不均一性を著しく減少することができる。また、
乾燥時の塗工液の速やかな不動化は、嵩高な塗工層の形
成を可能とする。このような嵩高な塗工層はその高い空
隙率により、スーパーカレンダーなどの仕上げ工程にお
いて高圧縮性を発揮し、塗工層中の顔料の配向性を高
め、高平滑な印刷用塗工紙を得ることができる。つま
り、高固形分濃度の塗工液を適用し、高速の塗工工程を
実現することで、インキむらの少ない美的価値に富んだ
印刷物の基材と成りうる優れた印刷用塗工紙を効率よく
製造することができる。また、このような高固形分濃度
の塗工液を使用することは、塗工工程の乾燥の負荷を著
しく低減し、優れたエネルギー効率を実現する。
【0022】また、本発明の印刷用塗工紙の製造方法に
おいては、上述したラテックスバインダーの特徴によ
り、最上層を構成する塗工液について、高濃度化でき、
高せん断速度下における粘度を低減させ、かつ保水力を
増大させることができ、ストリーク、ブリーディングや
石筍の発生などの塗工欠陥を伴わずに高品質の印刷用塗
工紙が製造できる。
【0023】本発明の印刷用塗工紙の製造方法におい
て、最上層は、せん断速度1051/sでのキャピラリー
粘度計による粘度が55mPa・s以下であり、かつ圧
力50kPa、測定時間60秒でのAA−GWRによる
脱水量が60g/m2以下である塗工液を塗工した層であ
る。塗工液が、このような高せん断速度下における低粘
性および高保水性を有する場合、ストリーク、ブリーデ
ィングおよび石筍の発生などの塗工欠陥を伴わず高速塗
工ができる。
【0024】本発明において、粘度が55mPa・sを
著しく超えて高い場合、粘度の上昇に伴って塗工欠陥の
発生度合いも急激に悪化する傾向を示し、また塗工欠陥
が現れる速度も塗工速度1400m/分以下の中低速の
領域へと移行することになる。一方、脱水量が60g/
2を大きく超える場合、塗工液の濃度上昇に伴う粘度
の増加により、同じく塗工欠陥は悪化する傾向にある。
このように、これら2つの特性のいずれかのみを満たし
たとしても塗工欠陥が生じ易くなることを意味してい
る。
【0025】上記塗工液の粘度および脱水量の係わりに
ついて説明すると、塗工工程、特にブレード塗工におい
ては、効率化を求めて高速で操業する際に問題となるの
が、コーターのブレード部で生じるストリーク、ブリー
ディング、および石筍の発生である。塗工工程のメタリ
ング部において、塗工液は高せん断速度下に曝され、塗
工液は流動性を失って固体的挙動を示し、ストリーク、
ブリーディング、および石筍の発生といった操業上の欠
陥、すなわち塗工欠陥を引き起し易くなる。このような
トラブルの原因となる塗工液の固体的挙動は、塗工液の
高せん断速度下での粘度が高いほど助長されるので、塗
工液の高せん断速度下での粘性が高いほど操業上の欠陥
の程度は悪化する。また、塗工液の保水性が高せん断速
度下での粘性に与える影響は大きく、塗工液のアプリケ
ート時からメタリング時の間に、塗工液から隣接する塗
工層または原紙へ著しい脱水現象が起きた場合、塗工液
の固形分濃度は急激に上昇し、その結果、高せん断速度
下での粘度は上昇し、やはり操業上の欠陥を引き起こし
やすくなる。
【0026】本発明において、キャピラリー粘度計は、
ACA Systems Oy社製「ACAV」を使用
し、測定条件としては、圧力200バール、キャピラリ
ー内径0.5mmで行った。
【0027】また、「AA−GWR」は、塗工液から基
材への脱水量を精度良く測定する測定装置である。本測
定法において、塗工液は、微細な空孔を有するフィルタ
ーを介して、基材と隔てられ、試験セル中に置かれる。
この試験セルには、一定圧(0〜200kPa・s)が
一定時間与えられ、基材へ浸み込んだ水分の重量より脱
水量が測定される。本発明においては、Kaltec
Scientific社製「AA−GWR」model
150を用いた。
【0028】本発明において、上記ラテックスバインダ
ーと併用できる他の接着剤としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレ
ンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミ
ン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミド
ポリアミン/エピクロルヒドリンなどの合成物、澱紛、
酸化澱紛、エーテル化澱紛、エステル化澱紛、酵素変性
澱紛やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶
性澱紛、ワックス、カゼイン、大豆蛋白などの天然物も
しくはこれらをカチオン化したものが挙げられる。
【0029】また、必要に応じて、分散剤、保水剤、増
粘剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常使用されて
いる各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化し
たものが好適に用いられる。
【0030】本発明に適用される顔料としては、例え
ば、カオリン、クレー、タルク、粉砕炭酸カルシウムな
どの精製した天然鉱物顔料、サチンホワイト、リトホン
などの複合合成顔料、酸化チタン、沈降性炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミナなどの半合成顔料、プラスチック顔
料などの合成顔料が挙げられる。
【0031】本発明に用いられる原紙としては、LBK
P,NBKPなどの化学パルプ、GP、PGWRMP、
TMP、CTMP、CGPなどの機械パルプ、DIPな
どの故紙パルプなどのパルプを含み、軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンな
どの各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強
剤などの各種添加剤を好適に添加し、酸性、中性、アル
カリ性のいずれかでも抄造できる。本発明の原紙におい
ては、ノーサイズプレス原紙、澱紛、ポリビニルアルコ
ールなどでサイズプレスされた原紙などを用いることが
できる。
【0032】本発明において、塗工装置については特に
限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロール
コーター、フィルムプレスコーター、ビルブレードコー
ター、ツインブレードコーター、各種ブレードコータ
ー、エアーナイフコーター、ロッド(バー)コーターな
どの通常の塗工装置を用いることができ、各層を塗工す
る度に乾燥される。塗工、乾燥された塗工紙は、通常の
カレンダー処理が施される。
【0033】片面の塗工量は、乾燥後の重量として、通
常1〜50g/m2、好ましくは5〜25g/m2である。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の部および%は、特に指定のない限
り、すべて重量部および重量%を示す。
【0035】 実施例1〜9および比較例1〜12 <原紙配合> LBKP(廬水度440mlcsf) 70部 NBKP(廬水度490mlcsf) 30部 <内添薬品> 軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示) *6部 市販カチオン化澱粉 1.0部 市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部 パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、坪量70g/
2の原紙を抄造した。
【0036】この原紙に対して、サイズプレスで0.3
0g/m2の酸化澱粉を付着し、塗工用原紙を得た。
【0037】このようにして製造した塗工用原紙に対し
て、ブレードコーターを用いて塗工速度1300m/分
で下記の配合からなる固形分濃度63%の塗工液を片面
14g/m2塗工し、乾燥した。得られた塗工紙をスーパ
ーカレンダー仕上げ装置(段数:10段、剛性ロール:
外径400mmのチルドロール、弾性ロール:外径40
0mmのコットンロール、線圧:220kg/cm)を
用いてカレンダリング処理を施し、印刷用塗工紙を製造
した。なお、ラテックスバインダーについては、市販ス
チレン−ブタジエン系ラテックス(SB)を使用し、そ
の平均粒子径および添加量については下記表1および表
2に記載した。
【0038】 <塗工液> 市販一級カオリンクレー 50部 市販重質炭酸カルシウム 50部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1部 ラテックスバインダー 7部〜12部 市販燐酸エステル澱粉 3部 市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部 水酸化ナトリウム pH9.6に調製
【0039】上記により得られた実施例1〜9および比
較例1〜12の印刷用塗工紙について、下記の評価方法
により評価し、その結果を表1および表2に示した。 <評価方法> 1)ドライピック強度 RI印刷適性試験機を用い、IGT試験用強タックイン
キの印刷にて紙剥け状態を目視にて判定して、◎(非常
に良好)、○(良好)、△(普通)、×(不良)の4段
階で評価した。ただし、本発明においては、○以上を発
明の対象とした。
【0040】2)白紙光沢 スーパーカレンダー処理後の印刷用塗工紙を、グロスメ
ーターにて、光沢を75°−75°反射率で評価した。
評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、○
以上を発明の対象とした。 ◎(非常に良好):白紙光沢が68%以上 ○(良好) :白紙光沢が65%以上で68%未満 △(普通) :白紙光沢が62%以上で65%未満 ×(不良) :白紙光沢が60%未満
【0041】3)印刷光沢 RI印刷適性試験機を用い、藍色、紅色、黄色の重色ベ
タ印刷を施した後、グロスメーターにて、光沢を60°
−60°反射率で評価した。評価基準を以下に示す。た
だし、本発明においては、○以上を発明の対象とした。 ◎(非常に良好):印刷光沢が72%以上 ○(良好) :印刷光沢が68%以上で72%未満 △(普通) :印刷光沢が65%以上で68%未満 ×(不良) :印刷光沢が65%未満
【0042】4)インキ着肉性 RI印刷適性試験機を用い、亜麻仁油を転写し、藍色ベ
タ印刷を施した後、印刷濃度、および印刷むらを目視に
て判定して、◎(非常に良好)、○(良好)、△(普
通)、×(不良)の4段階で評価した。ただし、本発明
においては、○以上を発明の対象とした。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】<評価結果>実施例1〜9では、ラテック
スバインダーの平均粒子径およびその添加量が本発明の
範囲内にある場合であるが、良好なドライピック強度お
よび印刷光沢を示し、同時に、一般的にこれらの諸特性
とは逆の相関性にある白紙光沢およびインキ着肉性も良
好な結果を示している。
【0046】一方、比較例1〜12では、ラテックスバ
インダーの平均粒子径またはその添加量が本発明の範囲
外にある場合で、諸特性のいずれかが本発明の基準であ
る良好以下を示している。比較例1〜6では、ラテック
スバインダーの平均粒子径が本発明の範囲内にあるが、
その添加量が本発明の範囲外にある場合である。特に、
比較例4では、平均粒子径が下限で、添加量が多いとイ
ンキ着肉性が劣る。また、比較例5では、平均粒子径が
上限で、添加量が少ないとドライピック強度と印刷光沢
が劣る。
【0047】さらに、比較例7〜12では、ラテックス
バインダーの添加量が本発明の範囲内にあり、平均粒子
径が本発明の範囲外にある場合である。特に、比較例9
では、添加量が本発明の上限で、平均粒子径が本発明の
範囲外にあるとインキ着肉性が劣る。また、比較例10
では、添加量が下限で、平均粒子径が本発明の範囲外に
あるとドライピック強度が劣る。
【0048】実施例10〜15 実施例1で使用した塗工液について、ラテックスバイン
ダーの平均粒子径および添加量、塗工液の固形分濃度を
下記表3のように代えて、塗工速度1400m/分で塗
工した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造
した。
【0049】上記により得られた実施例10〜15の印
刷用塗工紙について、上記の評価方法により評価し、そ
の結果を表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】<評価結果>実施例10〜15では、塗工
速度を1400mm/分として、塗工液の固形分濃度を
64%以上とした場合であるが、いずれも良好な諸特性
を示している。特に、固形分濃度64%の実施例13、
固形分濃度66%の実施例11および実施例14は、い
ずれの諸特性も優れている。
【0052】実施例16〜25および比較例13〜15 実施例1で使用した塗工液について、ラテックスバイン
ダーの平均粒子径および添加量、塗工液の固形分濃度、
増粘剤(CMC)添加量を下記表4のように代えて、塗
工速度1800m/分で塗工した以外は実施例1と同様
にして印刷用塗工紙を製造した。なお、塗工液の粘度お
よび脱水量については、下記の測定方法により測定し、
下記の表4に示した。また、塗工時における塗工欠陥の
発生について、下記の評価方法により評価し、その結果
を表4に示した。
【0053】<測定方法> 1)粘度 ACA Systems Oy社製キャピラリー粘度計
「ACAV」を用い、測定条件は、圧力200バール、
キャピラリー内径0.5mmで行った。
【0054】2)脱水量 Kaltec Scientific社製「AA−GW
R」model 150を用い、測定条件は、圧力50
kPa、測定時間60秒で行った。
【0055】<評価方法> 1)塗工欠陥 塗工速度1000〜1800m/分の間でブレード先端
を目視にて観察し、著しいストリーク、ブリーディング
および石筍の発生した塗工速度を判定した。尚、表中の
「−」は1800m/分の塗工速度においても著しいス
トリーク、ブリーディングおよび石筍などの塗工欠陥が
発生しなかったことを示す。
【0056】
【表4】
【0057】<評価結果>実施例16〜25では、塗工
速度を1800m/分とし、塗工液の粘度および脱水量
を規定した場合である。実施例16〜22では、塗工液
の粘度および脱水量をそれぞれ55mPa・s以下、6
0g/m2以下の条件であるが、いずれも塗工欠陥を発生
することなく、良好な塗工適性を示している。また、実
施例23では、塗工液の脱水量が上記条件を超えている
場合であり、1700m/分で初めて塗工欠陥が見られ
たが問題ない程度であった。実施例24および実施例2
5では、増粘剤の添加により粘度を上記の条件以上に調
整して塗工した場合であり、それぞれ1800m/分、
1600m/分で塗工欠陥が見られたが、問題ない程度
であった。
【0058】一方、比較例13〜15では、ラテックス
バインダーの平均粒子径が本発明の範囲外であり、塗工
液の粘度および脱水量も上記条件を超えた場合であり、
いずれの場合でも、著しい塗工欠陥がそれぞれ120
0、1300、1300m/分の低速塗工時から発生
し、本発明の目的とするものではなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明は、ラテックスバインダーの平均
粒子径およびその添加量を特定の範囲に規定すること
で、ドライピック強度、白紙光沢、印刷光沢、およびイ
ンキ着肉性などの優れた印刷適性を有する印刷用塗工紙
を得ることができ、また、塗工液の粘度および脱水量を
特定の条件に設定して塗工することにより、ストリー
ク、ブリーディング、および石筍の発生などの塗工欠陥
を伴わずに高速で印刷用塗工紙を製造することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも原紙の片面に1層以上の塗工
    層を設けた印刷用塗工紙において、最上層が、平均粒子
    径40〜80nmのラテックスバインダーを、顔料10
    0重量部に対して7〜12重量部含有する塗工液を塗工
    した層であることを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の印刷用塗工紙の製造
    方法において、塗工液の固形分濃度を64.0%以上と
    し、塗工速度1400m/分以上にて最上層を塗工する
    ことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載の印刷用塗工紙の製造
    方法において、最上層として、せん断速度1051/sで
    のキャピラリー粘度計による粘度が55mPa・s以下
    であり、かつ圧力50kPa、測定時間60秒でのAA
    −GWRによる脱水量が60g/m2以下である塗工液を
    塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152528A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Oji Paper Co Ltd 顔料塗工紙
JP2009155746A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Oji Paper Co Ltd 塗工紙の製造方法及び塗工紙
CN113604101A (zh) * 2021-08-31 2021-11-05 广州爱科琪盛塑料有限公司 一种混合稀释剂在印刷油墨中的应用

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