JP2013204157A - 塗工白板紙およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】白色度が高く白色ムラが少なく、かつ平滑性が良好な白板紙を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、原紙上に、最外塗工層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を形成する工程を含む塗工白板紙の製造方法であって、前記最外塗工層がプラスチックピグメントを含み、かつ当該最外塗工層の塗工量が、前記カーテン塗工層における最外塗工層以外の層の塗工量よりも少ない、前記製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、原紙上に、最外塗工層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を形成する工程を含む塗工白板紙の製造方法であって、前記最外塗工層がプラスチックピグメントを含み、かつ当該最外塗工層の塗工量が、前記カーテン塗工層における最外塗工層以外の層の塗工量よりも少ない、前記製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、古紙を配合した多層抄き原紙に顔料塗工層を設ける塗工白板紙およびその製造方法に関する。
塗工白板紙の原紙は、通常、多層抄きによって製造される。表層には白色度が高く高価な晒化学パルプが多く使用され、表下層および中層には晒し化学パルプに比べ白色度が低く安価な脱墨および未脱墨の古紙パルプが多く使用される。表層に晒化学パルプを使用するのは、塗工白板紙の表面における白色ムラを低減し、古紙パルプに含まれるチリ等の異物を表面から見えにくくするためである。また、表下層および中層に古紙パルプを使用するのは環境面およびコストダウンの観点からである。
近年、環境に対する取り組みおよびコストダウンに対する要求が高まっていることから、表下層や中層のみならず、表層に対しても古紙パルプを使用することへの要求が高まっている。しかしながら、表層に古紙パルプを使用した場合、白色度が低下することに加え、古紙パルプに由来するチリ等の異物が原紙の表面に存在することになる。原紙の白色度が低下すると、塗工後の白色度が低下するだけでなく、塗工層と原紙の白色度の差および塗工層の厚みが均一でないことに由来する白色度のムラが生じる。また、チリ等の異物は塗工後でも塗工層から透けて見えやすいため、塗工後の表面における外観を著しく損ねる。古紙パルプの白色度を上げ、チリ等の異物を除去するためには、脱墨や除塵処理を強化する必要があるが、処理を強化するほど歩留りが低下する。
原紙の白色度が低く、表面にチリが存在する場合であっても、白色度が高く、白色ムラが少ない塗工白板紙を得る方法として、塗工液をカーテン塗工によって塗工する方法が知られている。カーテン塗工とは、塗工液からなるカーテン膜に原紙を通して原紙上に塗工層を形成する塗工方式である。塗工時に塗工液の掻き落としがない前計量式の塗工方式であるため、原紙に多少の凹凸が存在しても均一な厚みの塗工層を塗設することができ、これにより白色ムラが生じにくいと考えられる。またこのとき、白板紙の製造において一般的に使用されるブレード塗工方式に比べ、塗工液が原紙に高い圧力で押し込まることがないために、塗工層内の空隙が多くなり、塗工層の光散乱性が高くなり、それにより白色度が高くなると言われている。
しかしながら、カーテン塗工方式により塗工した場合、一般的なブレード塗工方式と比較して塗工後の平滑性が劣ることが知られている。紙の凹凸を平滑化しながら塗工するブレード塗工と異なり、カーテン塗工では原紙の凹凸が塗工後もそのまま反映されるためである。平滑性が劣る場合、グラビア印刷時においてスペックルと言われる網点抜けが発生し、美的印刷品質を著しく損なう。原紙の平滑性を高くするためには、原紙を高い線圧でカレンダー処理する必要があるが、線圧を高くすると原紙の厚みが低下し、曲げこわさや圧縮強さなど、塗工白板紙に必要とされる品質が低下する。
カーテン塗工方式で塗工した場合に高い平滑性を得る方法として、特許文献1には、表面塗工層に使用する塗工液中にプラスチックピグメントを全固形分に対し25〜90重量%含有させる方法が開示されている。具体的には、ロールコータを用いて設けた下塗り層の上に前記塗工液を用いてカーテン塗工して上塗り層を設ける方法が開示されている。
カーテン塗工方式で塗工した場合に高い平滑性を得る別の方法として、特許文献2には、塗工液中にプラスチックピグメントを顔料の総量100重量部に対して3重量部以上含有する方法が開示されている。具体的には、プラスチックピグメントを含まない塗工液を用いてカーテン塗工して下塗り層を設けた後、プラスチックピグメントを含む塗工液を用いてカーテン塗工して上塗り層を設ける方法が開示されている。
発明者らは先行技術文献に記載の技術について予備的な検討を行なった。その結果、特許文献1に記載の方法で得られた塗工紙は、オフセット印刷時に必要な表面強度が低下し、結果として紙ムケが発生すること、十分な表面平滑性を有さないことを見出した。強度が低下する理由は、プラスチックピグメントを含有する塗工液は、塗工液の固形分濃度が非常に低いので、カーテン塗工時に塗工液中の接着剤成分が原紙中に過剰に浸透しやすくなるためと推察した。また、十分な表面平滑性が得られない理由は、プラスチックピグメントも原紙側へ移動しやすくなるため、最外層における量が低下するためと推察した。
さらに発明者らは、引用文献2に記載の方法は高価なプラスチックピグメントを用い、かつ多くのバインダーを必要とすることから製造コストが高く、効率的でないことを見出した。
以上を鑑み、本発明は、白色度が高く白色ムラが少なく、かつ平滑性が良好な白板紙を効率的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、複数の塗工層を1つのカーテン膜で同時塗工し、このカーテン塗工により設けられる最外塗工層である上塗り層の塗工量をカーテン塗工層中の他層の塗工量より少なくし、かつ上塗り層にプラスチックピグメントを含むことにより、原紙の表層に古紙パルプを使った場合でも、白色度が高く白色ムラが少なく、かつ平滑性が良好な白板紙を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、原紙上に、最外塗工層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を形成する工程を含む塗工白板紙の製造方法であって、前記最外塗工層がプラスチックピグメントを含み、かつ当該最外塗工層の塗工量が、前記カーテン塗工層における最外塗工層以外の層の塗工量よりも少ない、前記製造方法、ならびに当該方法により製造された塗工白板紙。
本発明により、白色度が高く白色ムラが少なく、かつ平滑性が良好な白板紙を効率的に製造する方法を提供できる。
本発明の塗工白板紙の製造方法は、複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、原紙上に、最外塗工層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を形成する工程を含む。ただし、前記最外塗工層がプラスチックピグメントを含み、かつ当該最外塗工層の塗工量が、前記カーテン塗工層における最外層以外の層の塗工量よりも少ない。
塗工白板紙とは、原紙の片面または両面に顔料塗工層を設けた紙である。本発明において、塗工白板紙は古紙パルプを含む。本発明の塗工白板紙は、坪量が200g/m2以上であることが好ましい。
(1)原紙
使用する原紙は限定されないが、本発明においては、白色度が低い原紙を使用しても白色度が高い白板紙を製造できる。従って、白色度が低い原紙を使用した場合に、より高い効果が得られる。本発明で使用する原紙の白色度は、40〜70%が好ましく、50〜70%がより好ましく、53〜68%がさらに好ましい。前記白色度は、塗工層が設けられる側の原紙表面の白色度をいう。原紙の白色度が低い方が、同量の塗工量で比較した場合、カーテン塗工後の白板紙の白色度の上昇率が高い。そのため、古紙パルプを多く含む、または脱墨されていないパルプを含有する白色度の低い原紙を用いることはコスト面でも有利であり、また、環境負荷も低くなる。
使用する原紙は限定されないが、本発明においては、白色度が低い原紙を使用しても白色度が高い白板紙を製造できる。従って、白色度が低い原紙を使用した場合に、より高い効果が得られる。本発明で使用する原紙の白色度は、40〜70%が好ましく、50〜70%がより好ましく、53〜68%がさらに好ましい。前記白色度は、塗工層が設けられる側の原紙表面の白色度をいう。原紙の白色度が低い方が、同量の塗工量で比較した場合、カーテン塗工後の白板紙の白色度の上昇率が高い。そのため、古紙パルプを多く含む、または脱墨されていないパルプを含有する白色度の低い原紙を用いることはコスト面でも有利であり、また、環境負荷も低くなる。
本発明で使用される原紙は、古紙パルプが少なくとも配合されていれば、それ以外のパルプ配合は特に制限されない。例えば、晒化学パルプ、未晒化学パルプなどを含んでいてもよい。古紙パルプとしては、脱墨してもしなくてもよく、脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプなどを使用することができる。
本発明では、原紙として、一般に塗工白板紙の原紙に使用されるものを使用できる。原紙は、上記各種パルプを混合したものでもよいし、同一のパルプからなるものでもよいし、あるいは異なるパルプを1層以上重ねたものでもよい。 本発明で用いる原紙は、2以上の層を含むことが好ましい。例えば、中層に白色度の低いパルプを用いて、表層、裏層にそれより白色度の高いパルプを用いた原紙や、同じパルプからなる層を複数重ねて得た原紙を使用できる。本発明によれば、最表層に、中層や裏層に使用するのと同様の白色度の低いパルプを使用した原紙を用いても、白色ムラがなくかつ白色度の高い塗工白板紙を得ることができる。原紙の最表層とその直下層のパルプの白色度差は10ポイント以内であってもよいが、白色度差が10ポイント超であってもよい。ここでのポイントとは、白色度の差を示しており、例えば、表層のISO白色度が80%で、その直下層のISO白色度が68%の場合、直下層のISO白色度は12ポイント低いということになる。
また、本発明においては、原紙の平滑性が低くても所望の効果が奏されるため、平滑性の低い原紙を用いてもよい。しかしながら、カーテン塗工時のパドリングと呼ばれる塗料溜まりが発生しない範囲で、平滑性の高い原紙を使用することが好ましい。原紙の平滑度は、クランプ圧980kPaの条件におけるPPSラフネスで5.0〜8.0μmであることが好ましい。原紙の平滑性を高めるために、カーテン塗工前にプレカレンダー等の処理を行なってもよい。さらに、原紙の平滑性を改善する手段として、カーテン塗工前に、澱粉を主成分としたクリア塗料または顔料を含んだ塗料を原紙に塗工することができる。このプレ塗工された原紙は、乾燥工程を経ないまま、すなわち原紙上の塗料が濡れた状態で、カーテン塗工に供してもよい。このように、カーテン塗工に供される前のプレ塗工後の原紙の状態は制限されない。
(2)塗工液の調製
本発明においては、2種類以上の塗工液から1つのカーテン膜、すなわち複数の層を有するカーテン膜を形成し、当該カーテン膜に原紙を通して原紙上に最外塗工層を含む2層以上からなるカーテン塗工層を形成する。本発明においては、カーテン塗工により形成された最外塗工層を上塗り層、当該上塗り塗工層を形成する塗工液を上塗り塗工液ということがある。また、上記最外層に隣接し、より原紙に近い層を下塗り塗工層、当該下塗り塗工層を形成する塗工液を下塗り塗工液ということがある。
本発明においては、2種類以上の塗工液から1つのカーテン膜、すなわち複数の層を有するカーテン膜を形成し、当該カーテン膜に原紙を通して原紙上に最外塗工層を含む2層以上からなるカーテン塗工層を形成する。本発明においては、カーテン塗工により形成された最外塗工層を上塗り層、当該上塗り塗工層を形成する塗工液を上塗り塗工液ということがある。また、上記最外層に隣接し、より原紙に近い層を下塗り塗工層、当該下塗り塗工層を形成する塗工液を下塗り塗工液ということがある。
本発明では、水と必要な成分とを混合して塗工液を調整する。塗工液の調製においては、ミキサー等の通常の混合手段を用いてよい。各成分等については以下に説明する。
1)下塗り塗工液
下塗り塗工液は、顔料と接着剤(バインダー)を含んでなる。接着剤は特に制限されないが、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。本発明においては、塗工液の増粘が低い、合成系接着剤が好適である。また、低重合度(重合度500程度)ポリビニルアルコールは、粘度を大幅に上昇させることなく接着効果も高めることができるので併用することが好ましい。
1)下塗り塗工液
下塗り塗工液は、顔料と接着剤(バインダー)を含んでなる。接着剤は特に制限されないが、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。本発明においては、塗工液の増粘が低い、合成系接着剤が好適である。また、低重合度(重合度500程度)ポリビニルアルコールは、粘度を大幅に上昇させることなく接着効果も高めることができるので併用することが好ましい。
下塗り塗工液は、カーテン塗工液に通常用いられる顔料を含むことができる。顕著な効果を得るために、下塗り塗工液にはプラスチックピグメント以外の顔料を使用することが好ましい。本発明においては、白板紙の白色度や白色ムラの観点から、平均粒子径が小さく、粒度分布がシャープな顔料を使用して、空隙の多い下塗り層を形成させることが好ましい。例えば、平均粒子径(D50)は0.2〜0.8μmが好ましく、0.2〜0.4μmがより好ましい。また、沈降方式による粒度分布曲線の75累積質量%における粒子径(D75)と25累積質量%における粒子径(D25)の比(D75/D25)が1.5以上3.5未満である軽質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。その使用量は特に制限されないが、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がさらに好ましく、20重量%〜50重量%使用するとその効果が顕著となる。50重量%超えて含有すると、印刷用塗工紙の表面強度が弱くなる傾向があるが、接着剤の量を増加することにより、解消することができる。
下塗り塗工液の固形分濃度は、好ましくは40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。下塗り塗工液の固形分濃度が、40重量%未満であると、塗工乾燥時における塗工層の体積変化が大きくなり、結果として塗工後の表面平滑性が劣ることがある。また75重量%より多いと、塗工液の流動性が悪化し、均一なカーテン膜を形成することが難しくなる場合がある。
下塗り塗工液のB型粘度は、均一で安定したカーテン膜を形成するために、また塗工液を配送するのに適切となるよう、100〜2000mPa・sの範囲であることが好ましい。当該粘度が100mPa・s以下であると、塗工液中の水分が原紙に過剰に染みこみ、原紙が膨潤するため、塗工後の表面平滑性が低下することがある。また乾燥に必要なエネルギーも上昇する。また、当該粘度が2000mPa・sより大きいと、塗工液の流動性が劣り、安定なカーテン膜を形成しにくくなる。
下塗り塗工液の表面張力は、少ない流量においても均一で安定したカーテン膜を作成するために、40mN/m以下が好ましく、35mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下であることがさらに好ましい。
2)上塗り塗工液
本発明に用いる上塗り塗工液は、下塗り塗工液と同様に、顔料と接着剤を含んでなる。顔料はプラスチックピグメントを2〜20重量%含む。当該量が2重量%未満であると、平滑性および白紙光沢度が十分に向上しないことがある。また当該量が20重量%より多いと、塗工液の固形分濃度が低くなることにより、バインダーマイグレーションが発生し、表面強度が低下し、オフセット印刷時において紙ムケが発生する場合がある。当該量のさらに好ましい範囲は3〜10%重量部である。
本発明に用いる上塗り塗工液は、下塗り塗工液と同様に、顔料と接着剤を含んでなる。顔料はプラスチックピグメントを2〜20重量%含む。当該量が2重量%未満であると、平滑性および白紙光沢度が十分に向上しないことがある。また当該量が20重量%より多いと、塗工液の固形分濃度が低くなることにより、バインダーマイグレーションが発生し、表面強度が低下し、オフセット印刷時において紙ムケが発生する場合がある。当該量のさらに好ましい範囲は3〜10%重量部である。
プラスチックピグメントの平均粒子径は、0.2〜2.0μmであることが好ましい。平均粒径が0.2μm未満であると平滑性が十分に向上しにくく、2.0μmよりも大きいと表面層中のプラスチックピグメントの脱落が起こりやすい。平均粒子径のさらに好ましい範囲は0.3〜1.2μmである。プラスチックピグメントの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて個々の粒子の最大粒子径を測定し、200個の粒子の平均値を計算することにより求められる。
プラスチックピグメントの粒子の形状としては、密実型、お椀型、中空型などがあり、いずれも使用することができるが、中でも中空型が平滑性の向上に対して最も優れるため好ましい。
プラスチックピグメント以外の顔料としては、特に制限されず、塗工紙用に従来から用いられている顔料を使用できる。例えば、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、有機・無機複合顔料等を使用することができる。プラスチックピグメントと組み合わせて平滑性を向上させるには、特に微粒の重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、デラミネーテッドカオリンが好ましい。これらの顔料は単独で使用できるが、必要に応じて二種以上を混合して使用してもよい。
接着剤は特に制限されず、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用できる。接着剤の例には、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤が含まれる。接着剤は、1種類以上を適宜選択して使用できる。好ましい態様において、これらの接着剤は顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部程度の範囲で使用される。塗工液の粘度を大幅に上昇させることがないことから、合成系接着剤が好ましい。
上塗り塗工液の固形分濃度は、好ましくは40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。上塗り塗工液の固形分濃度が、40重量%未満であると、塗工乾燥時における塗工層の体積変化が大きくなり、結果として塗工後の表面平滑性が劣ることがある。また前記固形分濃度が75重量%より高いと、塗工液の流動性が悪化し、均一なカーテン膜を形成することが難しくなることがある。
上塗り塗工液のB型粘度は、均一で安定したカーテン膜を形成するために、また塗工液を配送するのに適切となるよう、100〜2500mPa・sの範囲であることが好ましい。当該粘度が100mPa・s以下であると、塗工液中の水分が原紙に過剰に染みこみ、原紙が膨潤するため、塗工後の表面平滑性が低下する。また乾燥に必要なエネルギーも上昇する。また、当該粘度が2500mPa・sより大きいと、塗工液の流動性が劣り、安定なカーテン膜を形成できない。
塗工液の表面張力は、少ない流量においても均一で安定したカーテン膜を作製するために、40mN/m以下、より好ましくは35mN/m以下、さらに好ましくは30mN/m以下であることが好ましい。
3)他の添加剤
上塗りおよび下塗り塗工液に界面活性剤を添加することで、塗工液の動的表面張力を前述の範囲に調整できる。界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が存在するが、本発明においてはアニオン性界面活性剤が好ましい。カチオン性界面活性剤は塗工液中の顔料を凝集させやすくなる。また、ノニオン性界面活性剤は塗工液に十分な濡れ性を与えにくい。アニオン性界面活性剤の例には、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤が含まれる。これらの中でも、塗工液の濡れ性をより良好とできるため、スルホン酸系界面活性剤が好ましく、特にアルキルスルホコハク酸が好ましい。好ましい態様において、これらの界面活性剤は顔料100重量部当たり0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部程度の範囲で使用される。
上塗りおよび下塗り塗工液に界面活性剤を添加することで、塗工液の動的表面張力を前述の範囲に調整できる。界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が存在するが、本発明においてはアニオン性界面活性剤が好ましい。カチオン性界面活性剤は塗工液中の顔料を凝集させやすくなる。また、ノニオン性界面活性剤は塗工液に十分な濡れ性を与えにくい。アニオン性界面活性剤の例には、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤が含まれる。これらの中でも、塗工液の濡れ性をより良好とできるため、スルホン酸系界面活性剤が好ましく、特にアルキルスルホコハク酸が好ましい。好ましい態様において、これらの界面活性剤は顔料100重量部当たり0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部程度の範囲で使用される。
上塗り、下塗り塗工液には、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を適宜使用できる。
カーテン塗工膜が上塗り塗工液および下塗り塗工液の他に、他の塗工液を含む場合、当該塗工液の組成および特性は限定されないが、下塗り塗工液とほぼ同じであることが好ましい。
カーテン塗工膜が上塗り塗工液および下塗り塗工液の他に、他の塗工液を含む場合、当該塗工液の組成および特性は限定されないが、下塗り塗工液とほぼ同じであることが好ましい。
(3)カーテン塗工
カーテン塗工とは、塗工液をカーテン状に流下させて膜を形成し、その膜に原紙を通すことにより原紙上に塗工層を設ける塗工方式である。カーテン塗工は、原紙に沿って塗工層が形成される輪郭塗工であり、また、いわゆる前計量方式であるため塗工量の制御が容易であるという特徴を有する。
カーテン塗工とは、塗工液をカーテン状に流下させて膜を形成し、その膜に原紙を通すことにより原紙上に塗工層を設ける塗工方式である。カーテン塗工は、原紙に沿って塗工層が形成される輪郭塗工であり、また、いわゆる前計量方式であるため塗工量の制御が容易であるという特徴を有する。
本発明においては、複数の塗工液から1つのカーテン膜を形成し、当該カーテン膜に原紙を通紙して原紙上に2以上の層を含むカーテン塗工層を同時に形成する。当該カーテン塗工層は、原紙の両面または片面に形成できる。複数の塗工液から複数のカーテン膜を形成してカーテン塗工すると、カーテン膜が薄くなり膜として不安定になるため、カーテン膜が原紙に落下するまでの間に膜の状態を保てず適切に塗工できない場合がある。特に本発明では、上塗り塗工液の塗工量が、他の塗工液の塗工量よりも少ない。このような場合、膜が非常に薄くなり上塗り塗工液単独では安定した膜を形成することが非常に困難となる。しかし、本発明においては、上塗り塗工液と下塗り塗工液から1つのカーテン膜を形成するので、カーテン膜が厚くなり膜として安定するため、操業的に安定して塗工することができる。
本発明では、上塗り層の塗工量を、カーテン塗工層における他の層の合計の塗工量よりも少なくする。例えば、カーテン塗工層が、上塗り層、下塗り層、およびこれよりも原紙側に存在する第二下塗り層からなる場合、上塗り層の塗工量が、下塗り層と第二下塗り層の合計塗工量よりも少ない。このことにより、平滑性に対して大きく影響する塗工層の表層部分にプラスチックピグメントを効果的に集中して配置できる。また、下塗り層の塗工量を多くすることにより、原紙を効果的に隠蔽し、白色度が低く表面にチリが目立つ原紙を用いて場合でも、白色度が高く、白色ムラが良好な塗工板紙を得ることができる。
上塗り層の塗工量は、片面あたり乾燥重量で1〜5g/m2が好ましい。上塗り層と他の層の合計塗工量(カーテン塗工層全体の塗工量)は15〜30g/m2が好ましい。合計塗工量が15g/m2未満では、塗工層が薄くなり、白板紙の白色度、白色ムラの改善が十分にできない場合がある。一方、合計塗工量が30g/m2を越えると、塗工時の乾燥性が悪くなる等、操業性が低下したり、バインダーマイグレーションによる印刷ムラの原因になったりするので好ましくない。合計塗工量のより好ましい範囲としては、片面あたり20〜25g/m2である。特に、原紙の白色度が低い場合は、合計塗工量を片面当たり20g/m2以上とすることにより、製品の白色度を十分な値にすることができる。
カーテン塗工においては、公知の装置を使用できる。公知の装置としては、ダイから塗工液を下向きに吐出することにより直接カーテン膜を形成するスロット型カーテン塗工装置、およびダイから塗工液を上向きに吐出し、ダイ上の斜面で塗工液の膜を形成しつつ流動していき、その後ダイを離れて自由落下することによりカーテン膜を形成するスライド型カーテン塗工装置がある。本発明においてはいずれの装置を使用してもよいが、上塗り塗工液と下塗り塗工液の混合を少なくできることから、スロット型カーテン塗工装置を用いることが好ましい。
カーテン塗工における塗工速度は、特に制限されないが、一般的には100m/分〜800m/分程度である。塗工速度が高速になると、クレーターが生じる傾向にある。
本発明においては、カーテン塗工膜を原紙に接して設けることができる。すなわち、前述の原紙またはプレ塗工された原紙の上に、前記方法によりカーテン塗工を施すことができる。
本発明においては、カーテン塗工膜を原紙に接して設けることができる。すなわち、前述の原紙またはプレ塗工された原紙の上に、前記方法によりカーテン塗工を施すことができる。
あるいは、本発明においては、カーテン塗工以外の方法により追加の塗工層を設けることも可能である。例えば、ブレード塗工を行った後にカーテン塗工を行ってもよい。ただし、カーテン塗工によって形成された上塗り塗工層が最外塗工層となるようにする必要がある。また、下層塗工部を乾燥せずに上層塗工を行なうウェットオンウェット塗工をおこなってもよい。
(4)平滑化処理
本発明の塗工白板紙は、原紙上に塗工層を設けた後、通常の乾燥工程を経て製造されるが、必要に応じて表面処理工程等で平滑化処理を施してもよい。好ましい態様において、製造後の塗工白板紙の水分が3〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調整して仕上げられる。平滑化処理には、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置を用いることができる。プラスチックピグメントは、熱により塑性変形を起こしやすくなるため、中でも熱キャレンダ装置を用いて平滑化処理することが好ましい。平滑化処理装置は、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も適宜調整される。
本発明の塗工白板紙は、原紙上に塗工層を設けた後、通常の乾燥工程を経て製造されるが、必要に応じて表面処理工程等で平滑化処理を施してもよい。好ましい態様において、製造後の塗工白板紙の水分が3〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調整して仕上げられる。平滑化処理には、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置を用いることができる。プラスチックピグメントは、熱により塑性変形を起こしやすくなるため、中でも熱キャレンダ装置を用いて平滑化処理することが好ましい。平滑化処理装置は、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も適宜調整される。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されない。なお、特に断らない限り、本発明において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示し、数値範囲はその端点を含む。
[評価方法]
・白紙光沢度:JIS P8142「紙及び板紙−75度鏡面白紙光沢度の測定方法」に準拠して測定した。
・白色度:JIS P8148「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した。
・白色ムラ:以下の基準:
◎:ムラが全く目立たない
○:軽度のムラが認められる
△:ムラが認められ、実用上問題となる可能性がある
×:顕著なムラが認められ、実用に適さない
により、目視にて4段階で評価した。
・平滑度:JIS P8151「紙及び板紙−表面粗さ及び平滑度試験方法(エア・リーク法)−プリント・サーフ試験機法」に準拠して測定した。クランプ圧は980kPaとした。
・表面強度:JIS P8129「紙及び板紙−紙むけ試験方法−電気式IGT試験機による加速印刷法」に準拠して、紙むけが発生した速度を測定した。印刷試験機はIGT社製多目的印刷試験機AIC2−5、インキはIGT社製中粘度ピックテストオイルを用いた。印刷最高速度は7m/秒であった。
・白紙光沢度:JIS P8142「紙及び板紙−75度鏡面白紙光沢度の測定方法」に準拠して測定した。
・白色度:JIS P8148「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した。
・白色ムラ:以下の基準:
◎:ムラが全く目立たない
○:軽度のムラが認められる
△:ムラが認められ、実用上問題となる可能性がある
×:顕著なムラが認められ、実用に適さない
により、目視にて4段階で評価した。
・平滑度:JIS P8151「紙及び板紙−表面粗さ及び平滑度試験方法(エア・リーク法)−プリント・サーフ試験機法」に準拠して測定した。クランプ圧は980kPaとした。
・表面強度:JIS P8129「紙及び板紙−紙むけ試験方法−電気式IGT試験機による加速印刷法」に準拠して、紙むけが発生した速度を測定した。印刷試験機はIGT社製多目的印刷試験機AIC2−5、インキはIGT社製中粘度ピックテストオイルを用いた。印刷最高速度は7m/秒であった。
<実施例1>
[原紙]
脱墨古紙100%の割合で配合した白色度75%のパルプを使用して米坪40g/m2の表層、脱墨しない雑誌古紙100%で配合した白色度55%のパルプを使用して米坪210g/m2の中層、中層と同様のパルプを使用して米坪40g/m2の裏層をそれぞれ抄造し抄き合わせ、抄紙速度300m/分にてプレス、乾燥処理、プレカレンダー処理を行い、米坪290g/m2、白色度67%、平滑度6.0μmの塗工白板紙原紙を得た。
[原紙]
脱墨古紙100%の割合で配合した白色度75%のパルプを使用して米坪40g/m2の表層、脱墨しない雑誌古紙100%で配合した白色度55%のパルプを使用して米坪210g/m2の中層、中層と同様のパルプを使用して米坪40g/m2の裏層をそれぞれ抄造し抄き合わせ、抄紙速度300m/分にてプレス、乾燥処理、プレカレンダー処理を行い、米坪290g/m2、白色度67%、平滑度6.0μmの塗工白板紙原紙を得た。
[下塗り塗工液]
重質炭酸カルシウム(Imerys社製、Carbital 90)50重量部、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業者製、TP−221GS)50重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成ケミカル社製、B1735)12重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol−291PG)0.2重量部を添加した。さらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整した。固形分濃度は67重量%であった。
重質炭酸カルシウム(Imerys社製、Carbital 90)50重量部、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業者製、TP−221GS)50重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成ケミカル社製、B1735)12重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol−291PG)0.2重量部を添加した。さらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整した。固形分濃度は67重量%であった。
[上塗り塗工液]
重質炭酸カルシウム(Imerys社製、Carbital 97)95重量部、プラスチックピグメント(日本ゼオン社製、Nipol MH8103K、中空状、平均粒子径1.0μm)5重量部からなる顔料スラリーを調整した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成社ケミカル製、ALB1443)13重量部、滑剤(日新化学社製、DEF−791TF)0.5重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol291−M)0.2重量部を添加し、さらに水を添加して60rpmにおけるB型粘度が500mPa・sになるように調整した。固形分濃度は63重量%であった。
重質炭酸カルシウム(Imerys社製、Carbital 97)95重量部、プラスチックピグメント(日本ゼオン社製、Nipol MH8103K、中空状、平均粒子径1.0μm)5重量部からなる顔料スラリーを調整した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成社ケミカル製、ALB1443)13重量部、滑剤(日新化学社製、DEF−791TF)0.5重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol291−M)0.2重量部を添加し、さらに水を添加して60rpmにおけるB型粘度が500mPa・sになるように調整した。固形分濃度は63重量%であった。
[塗工]
原紙の表層側に対し、上記塗工液を用いて、スロット型カーテン塗工装置にて同時2層塗工を行い、乾燥した。塗工量は、乾燥後の重量で下塗り塗工液が20g/m2、上塗り塗工液が3g/m2であり、塗工白板紙の坪量は313g/m2であった。塗工速度は、オンマシンにより抄紙と一貫して行ったため、抄紙速度と同じく300m/分であった。
原紙の表層側に対し、上記塗工液を用いて、スロット型カーテン塗工装置にて同時2層塗工を行い、乾燥した。塗工量は、乾燥後の重量で下塗り塗工液が20g/m2、上塗り塗工液が3g/m2であり、塗工白板紙の坪量は313g/m2であった。塗工速度は、オンマシンにより抄紙と一貫して行ったため、抄紙速度と同じく300m/分であった。
[仕上げ処理]
得られた塗工白板紙をカレンダー処理することにより、塗工白板紙を得た。処理速度は、オンマシンにより抄紙、塗工と一貫して行ったため、抄紙速度および塗工速度と同じく300m/分であった。
得られた塗工白板紙をカレンダー処理することにより、塗工白板紙を得た。処理速度は、オンマシンにより抄紙、塗工と一貫して行ったため、抄紙速度および塗工速度と同じく300m/分であった。
<実施例2>
実施例1において、上塗り塗工液中のプラスチックプラスチック・ピグメントをV1004(日本ゼオン社製、密実型、平均粒子径0.3μm)に変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。上塗り塗工液の固形分濃度は65重量%であった。
実施例1において、上塗り塗工液中のプラスチックプラスチック・ピグメントをV1004(日本ゼオン社製、密実型、平均粒子径0.3μm)に変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。上塗り塗工液の固形分濃度は65重量%であった。
<実施例3>
実施例1において、原紙に対してプレカレンダー処理を行う際の線圧を調整し、原紙の平滑度を7.0μmに変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、原紙に対してプレカレンダー処理を行う際の線圧を調整し、原紙の平滑度を7.0μmに変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例4>
実施例1において、プラスチックピグメントをNipol MH 5055(日本ゼオン社製、中空プラスチックピグメント、平均粒子径0.5um)に変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、プラスチックピグメントをNipol MH 5055(日本ゼオン社製、中空プラスチックピグメント、平均粒子径0.5um)に変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例5>
実施例1において、上塗り層の塗工量を10g/m2、下塗り塗工液の塗工量を13g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り層の塗工量を10g/m2、下塗り塗工液の塗工量を13g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例6>
実施例1において、上塗り層の塗工量を0.5g/m2、下塗り塗工液の塗工量を22.5g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り層の塗工量を0.5g/m2、下塗り塗工液の塗工量を22.5g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例7>
実施例1において、上塗り層の塗工量を0.8g/m2、下塗り塗工液の塗工量を22.2g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り層の塗工量を0.8g/m2、下塗り塗工液の塗工量を22.2g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例8>
実施例1において、上塗り層の塗工量4g/m2、下塗り塗工液の塗工量を19g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り層の塗工量4g/m2、下塗り塗工液の塗工量を19g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例9>
実施例1において、上塗り層の塗工量を5g/m2、下塗り塗工液の塗工量を18g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り層の塗工量を5g/m2、下塗り塗工液の塗工量を18g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<実施例10>
実施例1において、上塗り層の塗工量を6g/m2、下塗り塗工液の塗工量を17g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り層の塗工量を6g/m2、下塗り塗工液の塗工量を17g/m2に変更することにより、合計塗工量を実施例1と同じ23g/m2とした以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
<比較例1>
実施例1において、上塗り塗工液の顔料を重質炭酸カルシウム(Imerys社製、Carbital97)100重量部に変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1において、上塗り塗工液の顔料を重質炭酸カルシウム(Imerys社製、Carbital97)100重量部に変更した以外は、実施例1と同様に塗工白板紙を得た。
実施例1では表層に脱墨パルプを含む白色度の低い原紙を用いても、白色度が高く、白色ムラが非常に少なく、平滑度および白紙光沢度がともに高い塗工白板紙が得られた。実施例2では、プラスチックピグメントの形状として密実型のものを用いることにより、平滑性が実施例1に比べやや劣るものの十分に高く、かつ白紙光沢度が実施例1に比べ高い塗工白板紙が得られた。実施例3では、平滑性が低い原紙を用いたが、平滑性および白紙光沢度が高い塗工白板紙が得られた。実施例4では、プラスチックピグメントの粒子径を好ましい範囲内で変更することにより、より平滑度および白紙光沢度が優れた塗工白板紙が得られた。
実施例1と、実施例6および7との比較から、上塗り層の塗工量が1g/m2より多いと、塗工白板紙の白紙光沢度および平滑度が特に向上することが明らかである。
実施例9と実施例10との比較から、上塗り層の塗工量が5g/m2以下であると、塗工白板紙の表面強度が特に向上することが明らかである。
実施例9と実施例10との比較から、上塗り層の塗工量が5g/m2以下であると、塗工白板紙の表面強度が特に向上することが明らかである。
比較例1では、上塗り塗工液にプラスチックピグメントを用いないために、平滑性に劣る塗工白板紙が得られた。
Claims (9)
- 複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、原紙上に、最外塗工層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を形成する工程を含む塗工白板紙の製造方法であって、
前記最外塗工層がプラスチックピグメントを含み、かつ当該最外塗工層の塗工量が、前記カーテン塗工層における最外塗工層以外の層の塗工量よりも少ない、前記製造方法。 - 前記最外塗工層の塗工量が1〜5g/m2である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記最外塗工層のプラスチックピグメント含有量が、全顔料中2〜20重量%である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記カーテン塗工層の塗工量が15〜30g/m2である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記カーテン塗工層を原紙に接するように設ける、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記プラスチックピグメントの形状が中空状である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記プラスチックピグメントの平均粒子径が0.2〜2.0μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記原紙の平滑度が、クランプ圧980kPaの条件におけるPPSラフネスにおいて5.0〜8.0μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の方法により製造された塗工白板紙。
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- 2012-03-27 JP JP2012071115A patent/JP2013204157A/ja active Pending
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