JP5400978B2 - 塗工白板紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、古紙を配合した原紙に顔料塗工層を設ける塗工白板紙に関する。より詳しくは、本発明は白色度が高く、白色ムラが少ない嵩高な塗工白板紙およびその製造方法に関する。
塗工白板紙の原紙は、通常、多層抄きによって製造され、表層には白色度が高く高価な晒化学パルプが多く使用され、表下層および中層には晒し化学パルプに比べ白色度が低く安価な脱墨および未脱墨の古紙パルプが多く使用される。表層に晒化学パルプを使用するのは、塗工白板紙の表面における白色ムラを良好に保ち、古紙パルプに含まれるチリ等の異物を表面から見えにくくするためである。また、表下層および中層に古紙パルプを使用するのは環境面およびコストダウンの観点からである。
近年、環境に対する取り組みおよびコストダウンに対する要求が高まっていることから、古紙パルプの使用率が増加する傾向にある。これに伴い、塗工白板紙の表面において白色ムラや、チリ等の異物が目立ちやすくなるという問題が増加している。チリ等の異物を除去するためには、脱墨や除塵処理を強化する必要があるが、処理を強化するほど歩留りが悪化する。また、古紙パルプの使用率を上げると、塗工前の板紙原紙の白色度も低くなる傾向にある。これらの課題への対応として、例えば、塗工量を多くする方法が提案されている。しかし、塗工量を多くしすぎると同等の坪量において密度が高くなり、嵩高性を損なう。また、塗工量を多くすると塗工時の乾燥性が悪くなるなど操業性が低下し、さらにバインダーマイグレーションにより印刷ムラも発生する。この他、特許文献1および2には、塗工液に隠蔽性の高い顔料を使用した白板紙の製造方法が開示されている。しかし、隠蔽性の高い顔料は高価であり、古紙パルプの使用率を高くしてコストダウンした利点が失われる。
特許文献3には、表層と表下層の白色度差を一定以下にする、すなわち紙層構造を改善することにより白色ムラを改善する方法が開示されている。しかし、この方法では、白色度差を特定の範囲とするために、古紙パルプの使用率が制限されるので多量の古紙パルプを使用できない。
さらに、通常使用されるブレード塗工方式の代わりに、ロール転写塗工方式やエアナイフ塗工方式を使用することも提案されている。ブレード塗工方式は、原紙の凹凸によらず塗工後の表面が平坦化されるという特徴を有するので塗工表面の平滑性は高いが塗工量が不均一になることから白色ムラが生じやすい。一方、ロール転写塗工方式やエアナイフ塗工方式では、ブレード塗工方式に比べ塗工量が均一であるために白色ムラが目立たないという利点がある。しかしながら、ロール塗工方式ではオレンジピール等と呼ばれるロール特有の塗工パターンが発生しやすい。また、エアナイフ塗工方式では、原理上、塗工液の粘度を低くしなければならず、そのために固形分濃度を低くする必要が生じる。このため、原紙に塗工液の水分が過剰に染みこんで原紙が膨潤し、表面平滑性が悪化する、または乾燥に必要なエネルギーが増加するという問題がある。
この他、特許文献4には、カーテン塗工を行うことにより、ロール塗工方式のような塗工欠陥の発生をなくして白色ムラおよびチリを目立たなくする方法が開示されている。
特開平6−166991号公報 特開2003−306892号公報 特開2005−298998号公報 特開2009−41131号公報
一般にカーテン塗工は、塗工時に塗工液の掻き落としがない前計量式の塗工方式であるため、原紙に多少の凹凸が存在しても均一な塗工層を塗設することができ、白色ムラを生じにくいと考えられる。また、カーテン塗工は、ブレードによる掻き落としがなく、カーテン膜として形成された塗工層が原紙に載せられるため塗工層の空隙が多く、光散乱性や白色度の点で好ましいとされる。
しかしながら、塗工層を設ける側の板紙原紙の白色度が低い場合には、カーテン塗工によっても塗工白板紙の白色度を上げるには限界があり、さらには白色ムラも顕著になるという問題があった。
このような状況に鑑み、本発明は、白色度の低い原紙を用いても、製品の白色度が高く、白色ムラがない、印刷光沢度が良好な塗工白板紙を、カーテン塗工により製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、性質の異なる複数の塗工層を1つのカーテン膜で同時塗工することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
(1)複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、原紙上に、最外塗工層である上塗り層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を形成する工程を含む塗工白板紙の製造方法であって、
前記上塗り層の白色度が85%以上であり、かつ当該上塗り層に隣接する下塗り層の比散乱係数が80m/kg以上である、前記方法;および
(2)当該方法により製造された塗工白板紙。
本発明によれば、原紙の白色度が低くても製品の白色度が高く、白色ムラがない嵩高な塗工白板紙を、カーテン塗工により製造することができる。
本発明は、特定の白色度を達成できる上塗り塗工液と、特定の比散乱係数を達成できる下塗り塗工液の2つの塗工液を同時にカーテン塗工することを特徴とする。これにより原紙の白色度が低くても、白色度が高くかつ白色ムラを低下させた塗工白板紙を製造できる。この理由は限定されないが、次のように推察される。
そもそも塗工によって表面の白色度を高くするには、塗工層の白色度が塗工前の表面よりも高く、かつ塗工層が光散乱性を持つ必要がある。一般に、塗工層の白色度が塗工前の表面の白色度に対して高いほど、塗工後の白色度は高くなる。しかしながら、塗工層の白色度が塗工前の表面の白色度に対して十分に高い場合であっても、光散乱性が高くなければ、塗工前の表面を十分に隠蔽できず、白色度を高くする効果は低い。ここで、塗工層の白色度と光散乱性のどちらが塗工後の白色度の向上に対してより有効かについては、塗工前の表面の白色度によって異なると考えられる。具体的には、塗工前の表面の白色度が低い場合には、表面を隠蔽する必要性が高いために、光散乱性が高いことが有効であり、一方、塗工前の表面の白色度が高い場合には、表面を隠蔽する必要性が低いために、白色度が高いことが有効であると考えられる。これを前提として本発明について推察すると次のとおりとなる。下塗り層は、白色度が低くかつチリの多い原紙の上に設けられるため、これらを隠蔽して白色度を効果的に高くするには、白色度が高いことよりも光散乱性が高いことの方が有効と考えられる。このとき、下塗り層の白色度は通常の処方においては原紙の白色度よりも十分に高いため、必要とされる条件は十分に満たしていると考えられる。一方、上塗り層は、下塗り層によってある程度隠蔽された、白色度が比較的高い表面に設けられると考えることができる。したがって、上塗り塗工層の白色度は、そのような表面に比べてさらにもう一段階高い必要があるが表面を隠蔽する必要性は相対的に低いと考えられる。以上、本発明においてはこのような機序により、これにより原紙の白色度が低くても、白色度が高くかつ白色ムラを低下させた塗工白板紙を製造できると考えられる。
塗工白板紙とは、原紙の片面、もしくは両面に顔料塗工層を設けた板紙であり、古紙パルプが少なくとも配合される。本発明において塗工白板紙の坪量は200g/m以上が好ましい。以下、本発明を詳細に説明する。
1.原紙
本発明で使用される原紙は、古紙パルプが少なくとも配合されていれば、それ以外のパルプ配合は特に制限されない。例えば、晒化学パルプ、未晒化学パルプなどを配合した原紙を使用できる。古紙パルプは、脱墨処理されていてもいなくてもよい。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプなどを使用することができる。古紙パルプの配合量は、全パルプ中50重量%以上、好ましくは80重量%以上とできる。
原紙は、上記各種パルプを混合したものでもよいし、同一のパルプからなるものでもよいし、あるいは異なるパルプを1層以上重ねたものでもよい。例えば、中層に白色度の低いパルプを用いて、表層、裏層にそれより白色度の高いパルプを用いた原紙であってもよいし、すべての層のパルプを同じものとして複数層重ねて得た原紙であってもよい。本発明の原紙は、2層以上のパルプ層(紙層)を多層抄きしたものが好ましい。
本発明で使用する原紙の白色度は限定されないが、白色度が低い原紙を用いるほど、本発明の効果は高くなる。本発明で使用できる原紙の白色度は、通常は45〜72%であり、50〜52%がより好ましく、55〜67%がさらに好ましい。もちろん前記範囲より低い白色度の原紙を用いても本発明の効果は奏される。前記白色度は、塗工層が設けられる側の原紙表面の白色度であり、原紙の表面から測定した値である。原紙が2層以上の紙層からなる多層抄きの場合は、最表層以外の各層のパルプの白色度は、特に限定されない。
本発明によれば、最表層に、中層や裏層に使用するのと同様の低白色度のパルプを使用しても白色ムラがなく、白色度の高い塗工白板紙を得ることができる。また、本発明では、最表層のみに白色度の高いパルプを用い、中層や裏層のパルプに低白色度のパルプを用いた原紙を使用しても、白色ムラを低減した塗工白板紙を製造できる。また、原紙の白色度が72%より高い場合であっても、白色ムラを低減した塗工白板紙を製造できる。パルプの白色度は、透けないくらいの厚さにパルプをシート状にして測定して求められる。本発明において白色度とは、特に断りがない限りISO白色度である。
このように、本発明によれば、比較的低白色度の原紙を用いても、白色度や白色ムラに優れた白板紙を製造することが可能である。古紙パルプを多く含む、または脱墨されていないパルプを含有する白色度の低い原紙を用いることはコスト面でも有利であり、環境負荷も低減できる。
本発明においては、原紙の平滑性が低くても所望の効果が奏されるため、平滑性の低い原紙を用いてもよいが、カーテン塗工時のパドリングと呼ばれる塗料溜まりが発生しない範囲で、平滑性の高い原紙を使用することが好ましい。原紙の平滑性を高めるために、カーテン塗工前にプレカレンダー等の処理を行なってもよい。さらに、原紙の平滑性を改善する手段として、カーテン塗工前に、澱粉を主成分としたクリア塗料または顔料を含んだ塗料を原紙に塗工することができる。このプレ塗工された原紙は、乾燥工程を経ないまま、すなわち原紙上の塗料が濡れた状態で、カーテン塗工に供してもよい。このように、カーテン塗工に供される前のプレ塗工後の原紙の状態は制限されない。
2.塗工液の調製
本発明においては、2種類以上の塗工液から1つのカーテン膜を形成させ、該カーテン膜に原紙を通して原紙上に2層以上のカーテン塗工層を形成する。当該カーテン塗工層は、塗工白板紙の最外層である最外塗工層を含む。当該最外塗工層を上塗り塗工層、当該上塗り塗工層を形成する塗工液を上塗り塗工液ともいう。また、上記最外層に隣接し、より原紙に近い層を下塗り塗工層、当該下塗り塗工層を形成する塗工液を下塗り塗工液ともいう。
本発明では、水と必要な成分とを混合して塗工液を調整する。塗工液の調製においては、ミキサー等の通常の混合手段を用いてよい。各成分等について以下に説明する。
(1)下塗り塗工液
1)下塗り塗工層の光散乱性
下塗り塗工層は、原紙をより効果的に隠蔽するために、光散乱性が高いことが好ましい。塗工層の光散乱性は、単位塗工量あたりの散乱性、すなわち比散乱係数を指標とすることができる。比散乱係数が高いほど、塗工層の隠蔽性が高い。
塗工層の比散乱係数は以下のように測定できる。
i)透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm、不透明度5%以下)上に、塗工液をメイヤーバーにより乾燥後の塗工層の重量が20g/m前後になるように塗布し、塗工層の重量W[g/m]を天秤により正確に測定する。乾燥は、100℃で30分以上、水分減少量の変動がなくなるまで行う。
ii)次に、この塗工したフィルムに黒色板を裏あてし、反射率計を用いて塗工層の反射率を測定し、反射率Rを得る。
iii)オーブンを用いて塗工液を100℃で30分以上、水分減少量の変動がなくなるまで乾燥し、透けない程度の十分な厚み(1mm以上)を有するペレットを得て、その反射率Rを前述のとおり測定する。
iv)これらの値を用いて、TAPPI T425(ISO 9426)に規定される次式により、比散乱係数sを算出する。
Figure 0005400978
下塗り塗工層の比散乱係数は80m/kg以上であり、90m/kg以上が好ましく、120m/kg以上がより好ましい。比散乱係数が80m/kgより低いと十分な隠蔽性を得られない。また、通常の白板紙の塗工層に用いられる成分を含有している場合、比散乱係数の上限は250m/kg程度であると考えられる。
下塗り塗工層の白色度は、白色度の低い原紙を隠蔽し塗工後の白色度を高くするために、塗工する面の原紙の白色度よりも高いことが好ましい。下塗り塗工層の白色度の好ましい範囲は75〜95%であり、より好ましくは80〜95%である。
下塗り塗工層を原紙上に塗工した後に、塗工層側から測定した白色度は、上塗り塗工層の白色度よりも低い方が好ましい。具体的には、当該白色度は85%未満であることが好ましい。
2)下塗り塗工液の各成分
上記の性質を有する下塗り塗工層を得るために、下塗り塗工液は、特定の顔料と接着剤(バインダー)を含むことが好ましい。顔料としては、隠蔽性の高い顔料が好ましい。下塗り塗工液を上記の比散乱係数の範囲とするためには、粒子径の分布が狭く光散乱性の高い軽質炭酸カルシウムを主として用いることが好ましい。含有率は特に制限されないが、顔料100重量部中、軽質炭酸カルシウムの含有量が50重量部以上、好ましくは70重量部以上であると隠蔽効果が顕著となる。軽質炭酸カルシウムの形状としては、立方体状、紡錘状、針状などがあり、いずれを使用してもよいが、紡錘状あるいは針状のものを使用した場合に特に隠蔽効果が高くなる。軽質炭酸カルシウムの粒子径としては、平均粒子径(D50)で0.2〜0.8μmが好ましく、0.2〜0.5μmがさらに好ましい。軽質炭酸カルシウムの代わりとして、粒度分布が狭くなるように制御したエンジニアード重質炭酸カルシウムやエンジニアードカオリンを含有させてもよいが、隠蔽性は軽質炭酸カルシウムよりも劣る。
また、顔料として粒子内に空隙を含むことにより高い光散乱性を有する焼成カオリンを一定量用いることが好ましい。焼成カオリンの粒子径としては、平均粒子径(D50)で1.0〜3.0μmが好ましく、1.5〜2.5μmがさらに好ましい。焼成カオリンの含有率は、顔料100重量部中、5〜20重量部が好ましい。当該量が5重量部より少ないと隠蔽効果が不十分となることがある。また、当該量が20重量部よりも多い場合は次の理由から、塗工液の固形分濃度を低下させる傾向にある。焼成カオリンは、他のカオリンと同様、塗工液に含有させる前に水中に分散させスラリーとする必要があるが、焼成カオリンの場合は粒子内に空隙を含む特徴のために、スラリーの固形分濃度を高くすることができない。したがって、そのようなスラリーを塗工液中に多く含有させると、塗工液の固形分濃度が低下する。焼成カオリンの代わりとして、屈折率が高いことにより高い光散乱性を有する二酸化チタンを使用してもよいが焼成カオリンに比べ接着剤の量を多く必要とするために表面強度が劣りやすい。また、二酸化チタンよりも、焼成カオリンの方が塗工白板紙の平滑性が向上するという利点もある。
また、上記の顔料に加えて、平均アスペクト比が30〜60の顔料、例えばデラミネーテッドカオリンを下塗り塗工層に併用することもできる。平均アスペクト比が30〜60の顔料は、白色ムラ、保水性をさらに向上させる。これは、顔料の隙間を扁平な顔料が埋めることにより脱水が抑制され保水性が良好になることによると推測される。平均アスペクト比が30〜60の顔料の量は特に制限されないが、全顔料中40重量%以下とすることが好ましい。
接着剤は特に制限されないが、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。本発明においては、塗料の増粘が低い、合成系接着剤が好適である。また、低重合度(重合度500程度)ポリビニルアルコールは粘度を大幅に上昇させることなく接着効果も高めることができるので併用することが好ましい。
3)下塗り塗工液の特性
下塗り塗工液の固形分濃度は、好ましくは40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。下塗り塗工液の固形分濃度が40重量%未満であると、塗工乾燥時における塗工層の体積変化が大きくなり、結果として塗工後の表面平滑性が低下することがある。また前記濃度が75重量%より多いと、塗工液の流動性が悪化し、均一なカーテン膜を形成することが難しくなることがある。
下塗り塗工液のB型粘度は、均一で安定したカーテン膜を形成するために、また塗工液を配送するのに適切となるよう、100〜2000mPa・sの範囲であることが好ましい。前記粘度が100mPa・s以下であると、塗料中の水分が原紙に過剰に染みこみ原紙が膨潤するため塗工後の表面平滑性が低下することがあり、さらには乾燥に必要なエネルギーも増加しがちである。また、前記粘度が2000mPa・sより大きいと、塗料の流動性が劣り、安定なカーテン膜を形成しにくくなる。
また、下塗り塗工液の塗工液の表面張力は、少ない流量においても均一で安定したカーテン膜を作成するために、40mN/m以下が好ましく、35mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下であることがさらに好ましい。鏡面張力は、後述するとおり界面活性剤を添加することで調整できる。
(2)上塗り塗工液
1)上塗り塗工層の白色度
本発明の上塗り塗工層の白色度は85%以上であり、90%以上であることが好ましい。下塗り層によって隠蔽され白色度が向上した表面の上に、当該上塗り層を設けることで、塗工白板紙の白色度をより一層高めることができる。上塗り塗工層の白色度は、後述する方法で求められる。
上塗り塗工層の隠蔽性は、本発明の白板紙の品質には影響しないため、下塗り塗工層ほど高い必要はなく特に限定されないが、通常の範囲において、70m/kg以上であることが好ましい。
2)上塗り塗工液の成分
上塗り塗工液は顔料と接着剤を含んでなる。顔料としては白色度の高いものが好ましく、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、高白色カオリン、二酸化チタン、プラスチックピグメント等が挙げられる。これらの顔料は単独で使用できるが、必要に応じて二種以上を混合して使用してもよい。中でも、比較的安価である重質炭酸カルシウムあるいは軽質炭酸カルシウムを主成分とすることが好ましい。重質炭酸カルシウムの平均粒径(D50)は0.3〜2.0μmが好ましく、0.5〜1.0μmがさらに好ましい。重質炭酸カルシウムを用いた場合、比散乱係数は高くないが白色度が高くなる。さらに重質炭酸カルシウムは安価であるため、上塗り層に使用する顔料として好適である。軽質炭酸カルシウムについては既に述べたとおりである。
また、二酸化チタンは通常塗工液に用いられる顔料の中では最も高い白色度を有するので一定量含有させることが好ましい。二酸化チタンの含有量は、顔料100重量部中、5〜20重量部が好ましい。当該量が5重量部より少ないと塗工層の白色度の向上効果が十分でなく、20重量部より多いと接着剤の必要量が多くなるために、表面強度が低下することがある。
接着剤は特に制限されず、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用できる。接着剤の例には、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤が含まれる。接着剤は、1種類以上を適宜選択して使用できる。好ましい態様において、これらの接着剤は顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部程度の範囲で使用される。塗料の粘度を大幅に上昇させることがないことから、合成系接着剤が好ましい。
本発明の上塗りおよび下塗り塗工液は界面活性剤を用いて、塗工液の動的表面張力を調整できる。界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が存在するが、本発明においてはアニオン性界面活性剤が好ましい。カチオン性界面活性剤は塗工液中の顔料を凝集させやすくなる。また、ノニオン性界面活性剤は塗工液に十分な濡れ性を与えにくい。アニオン性界面活性剤の例には、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤が含まれる。これらの中でも、塗工液の濡れ性をより良好とできるため、スルホン酸系界面活性剤が好ましく、特にアルキルスルホコハク酸が好ましい。好ましい態様において、これらの界面活性剤は顔料100重量部当たり0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部程度の範囲で使用される。
本発明の上塗り、下塗り塗工液には、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を適宜使用できる。
3)上塗り塗工液の特性
上塗り塗工液の固形分濃度は、好ましくは40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。上塗り塗工液の固形分濃度が、40重量%未満であると、塗工乾燥時における塗工層の体積変化が大きくなり、結果として塗工後の表面平滑性が劣ることがある。また前記濃度が75重量%より多いと、塗工液の流動性が悪化し、均一なカーテン膜を形成することが難しくなることがある。
上塗り塗工液のB型粘度は、均一で安定したカーテン膜を形成するために、また塗工液を配送するのに適切となるよう、30℃において、100〜2000mPa・sの範囲であることが好ましい。100mPa・s以下であると、塗料中の水分が原紙に過剰に染みこみ、原紙が膨潤するため、塗工後の表面平滑性が低下することがある。また乾燥に必要なエネルギーも上昇する。また、2000mPa・sより大きいと、塗料の流動性が劣り、安定なカーテン膜を形成できないことがある。
塗工液の表面張力は、少ない流量においても均一で安定したカーテン膜を作成するために、40mN/m以下が好ましく、35mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下であることがさらに好ましい。
(3)カーテン塗工
カーテン塗工とは、塗工液をカーテン状に流下させて膜を形成し、その膜に原紙を通すことにより原紙上に塗工層を設ける塗工方式である。カーテン塗工は、原紙に沿って塗工層が形成される輪郭塗工であり、また、いわゆる前計量方式であるため塗工量の制御が容易であるという特徴を有する。
本発明では、複数の塗工液から、複数の層を含む1のカーテン塗工膜を形成し、当該カーテン膜に原紙またはプレ塗工された原紙を通してカーテン塗工層を形成する。複数の塗工液から複数のカーテン膜を形成してカーテン塗工すると、走行する紙にカーテン膜が接触する際にカーテン膜にある程度の乱れが生じることが不可避であるが、複数の塗工液から1つのカーテン膜を形成させて複数の塗工層を同時にカーテン塗工すると、塗工層間の層構造を維持することができる。
本発明においては、上記したようにカーテン塗工により設けた塗工層に加えて、カーテン塗工装置以外の塗工装置を使用して追加の塗工層を設けることも可能である。例えば、ブレード塗工を行なった後にカーテン塗工を行ってもよい。ただし、本発明のカーテン塗工によって形成された上塗り塗工層が最外塗工層となるようにする必要がある。また、下層塗工部を乾燥せずに上層塗工を行なうウェットオンウェット塗工を行なってもよい。
本発明においてカーテン塗工層の塗工量は、各層の合計で、片面あたり乾燥重量で11〜35g/mが好ましく、15〜30g/mがより好ましく、20〜25g/mがさらに好ましい。塗工量が15g/m未満では、塗工層が薄くなり、白板紙の白色度、白色ムラを十分に改善しない場合がある。一方、一つの層の塗工量が30g/mを越えると、塗工時の乾燥性が悪くなるなど操業性が低下したり、バインダーマイグレーションによる印刷ムラの原因になったりすることがある。片面あたり20〜25g/m以下の塗工量とすることが最も好適である。
本発明においては、下塗り塗工層の塗工量と上塗り塗工層の塗工量は、特に制限されないが、隠蔽性と白色度を両立させるということから、乾燥重量で片面あたり、下塗塗工層が10〜30g/m、上塗り塗工層が1〜5g/mの範囲であることが好ましい。
カーテン塗工層が、下塗り塗工層および上塗り塗工層以外の層を含む場合、当該層の塗工量は、適宜調整してよい。また、当該層を形成する塗工液も限定されないが、下塗り塗工液と近い特性を有すると、本発明の効果がより顕著となるので好ましい。
またカーテン塗工層を3層以上とする場合、上塗り塗工層と下塗り塗工層以外の層(便宜上「他塗工層」という)は、白色度、比散乱係数とも、上塗り塗工層および下塗り塗工層の中間とすることができる。例えば、他塗工層の白色度を、原紙の白色度より高くかつ上塗り塗工層の白色度より低くできる。また、他塗工層の比散乱係数は、下塗り塗工層の比散乱係数と同等以上とすることができる。
本発明においては、カーテン塗工に用いられる公知の装置を使用することができる。カーテン塗工装置の形状として公知であるものは、ダイから塗工液を下向きに吐出することにより直接カーテン膜を形成するスロット型カーテン塗工装置と、ダイから塗工液を上向きに吐出し、ダイ上の斜面で塗工液の膜を形成しつつ流動していき、その後ダイを離れて自由落下することによりカーテン膜を形成するスライド型カーテン塗工装置がある。本発明においてはいずれの装置を使用してもよい。
本発明の塗工速度は、特に制限されないが、一般的には100〜800m/分程度である。塗工速度が過度に高速になると、クレーターが生じる傾向にある。
(4)表面平滑化処理
本発明の塗工白板紙は、原紙上に塗工層を設けた後、通常の乾燥工程を経て製造されるが、必要に応じて表面処理工程等で平滑化処理してもよい。好ましい態様において、製造後の塗工白板紙の水分が3〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調整して仕上げられる。平滑化処理には、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置を用いることができる。
平滑化処理装置は、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も適宜調整される。
(5)塗工白板紙
本発明で製造される塗工白板紙の紙中灰分は、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。灰分が10重量%より少ないと不透明度が十分に向上しないことがあるためである。本発明で製造される塗工白板紙の白色度は、75%以上が好ましく、77.5%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されない。特に断らない限り、本明細書において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示し、数値範囲はその端点を含む。
<評価方法>
(1)白色度:JIS P8148「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した。塗工層の白色度については、塗工液をオーブンにより105℃で30分以上、水分減少量の変動がなくなるまで乾燥し、透けない程度の十分な厚み(1mm以上)を持ったペレット状にして測定した。
(2)白色ムラ:以下の基準:
◎:ムラが全く目立たない
○:軽度のムラが認められる
△:ムラが認められ、実用上問題となる可能性がある
×:顕著なムラが認められ、実用に適さない
を用いて、目視により評価した。
(3)塗工層の比散乱係数:前述したとおり、TAPPI T425(ISO 9426)に規定される式に基づいて算出した。
[実施例1]
<原紙>
脱墨古紙100%の割合で配合したパルプを使用して白色度70%、米坪40g/mの表層、脱墨しない雑誌古紙100%で配合したパルプを使用して白色度55%、米坪220g/mの中層、中層と同様のパルプを使用して白色度45%、米坪40g/mの裏層をそれぞれ抄造し抄き合わせ、プレス、乾燥処理を行い、米坪300g/mの塗工白板紙原紙を得た。原紙の白色度は65%であった。抄紙速度は300m/分であった。
<下塗り塗工液>
紡錘状軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP−221−70GS、D50=0.5μm、D75/D25=2.5)75重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部、焼成カオリン(Imerys社製、Alphatex)10重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成ケミカル社製、ALB1735)14重量部、PVA(クラレ社製ポリビニルアルコール、ポバール105)0.5重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol291−PG)0.5重量部を添加した。この混合物にさらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度63%、静的表面張力30mN/mの下塗り塗工液を得た。
<上塗り塗工液>
重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)95重量部、二酸化チタン(Dupont社製、RPS−V)5重量部からなる顔料スラリーを調整した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成社ケミカル製、ALB1443)14重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol291−PG)0.5重量部を添加し、さらに水を添加して60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度66%、静的表面張力30mN/mの上塗り塗工液を得た。
<カーテン塗工>
スライド型カーテン塗工装置を用いて、上記2つの塗工液から複数の層を有する1のカーテン膜を形成し、当該カーテン膜に原紙を通して同時2層塗工を行い、乾燥した。塗工量は、乾燥後の重量で下塗り塗工液が18g/m、上塗り塗工液が4g/mであった。得られた塗工白板紙の坪量は322g/mであった。塗工速度は、オンマシンにより抄紙と一貫して行ったため、抄紙速度と同じく300m/分であった。
<仕上げ処理>
得られた塗工白板紙をカレンダー処理することにより、塗工白板紙を得た。処理速度は、オンマシンにより抄紙、塗工と一貫して行ったため、抄紙速度および塗工速度と同じく300m/分であった。
[実施例2]
下塗り塗工液の顔料を紡錘状軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP−221−70GS、D50=0.5μm、D75/D25=2.5)50重量部、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)35部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[実施例3]
下塗り塗工液の顔料を紡錘状軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP−221−70GS、D50=0.5μm、D75/D25=2.5)85重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[実施例4]
下塗り塗工液の顔料を紡錘状軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP−221−70GS、D50=0.5μm、D75/D25=2.5)75重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部、二酸化チタン(Dupont社製、RPS−V)10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[実施例5]
上塗り塗工液の顔料を重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)75重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)25重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[実施例6]
上塗り塗工液の顔料を重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)90重量部、二酸化チタン(Dupont社製、RPS−V)10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[比較例1]
下塗り塗工液中の顔料を重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)85重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[比較例2]
上塗り塗工液中の顔料を重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)50重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)50重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
[比較例3]
下塗り塗工液中の顔料を重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)85部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部に変更し、上塗り塗工液中の顔料を重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)50重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)50重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005400978
実施例と比較例の対比から、本発明では、表層に脱墨パルプを含む白色度の低い原紙を用いても、白色度が高く白色ムラが少ない塗工白板紙が得られることが明らかである。実施例1〜4から、下塗り塗工層の比散乱係数を高めると塗工白板紙の白色度をより向上し、白色ムラをより低減できることが明らかである。実施例5および6から、上塗り塗工層の白色度を高めると、塗工白板紙の白色度をより向上できることが明らかである。

Claims (6)

  1. 複数の層を有するカーテン膜に原紙を通して、最外塗工層である上塗り層を含む複数の層からなるカーテン塗工層を、原紙上に形成する工程を含む塗工白板紙の製造方法であって、
    前記上塗り層の白色度が85%以上であり、かつ当該上塗り層に隣接する下塗り層の比散乱係数が80m/kg以上である、前記方法。
  2. 前記比散乱係数が120m/kg以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記下塗り層が、顔料として焼成カオリンを含有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記上塗り層が、顔料として重質炭酸カルシウムを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造された塗工白板紙。
  6. 原紙の白色度が45〜72%であり、塗工白板紙の白色度が75%以上である、請求項5に記載の塗工白板紙。
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