JP2014198919A - 顔料塗工紙の製造方法 - Google Patents

顔料塗工紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014198919A
JP2014198919A JP2013074157A JP2013074157A JP2014198919A JP 2014198919 A JP2014198919 A JP 2014198919A JP 2013074157 A JP2013074157 A JP 2013074157A JP 2013074157 A JP2013074157 A JP 2013074157A JP 2014198919 A JP2014198919 A JP 2014198919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
pigment
weight
curtain
coating liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013074157A
Other languages
English (en)
Inventor
佐藤 謙志
Kenji Sato
謙志 佐藤
王隆 亀田
Kimitaka Kameda
王隆 亀田
健二 末益
Kenji Suemasu
健二 末益
一彦 石塚
Kazuhiko Ishizuka
一彦 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2013074157A priority Critical patent/JP2014198919A/ja
Publication of JP2014198919A publication Critical patent/JP2014198919A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、カーテン塗工によって印刷用の顔料塗工紙を製造する技術であって、塗工欠陥が少なく、各種印刷適性に優れた顔料塗工紙を製造する技術を提供することである。
【解決手段】本発明によって、カーテン塗工により印刷用塗工紙を製造する方法であって、真空脱泡機を用いてカーテン塗工に用いる顔料塗工液を脱泡し、顔料塗工液中のコロイダルエアー量を0.10%以下にすることを含む方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料塗工紙の製造方法に関し、特にカーテン塗工方式で塗工する顔料塗工紙の製造方法に関する。
一般に、印刷用顔料塗工シートの顔料塗工層の塗工方式としては、ブレード塗工方式、ロール転写方式、スプレー方式など各種方法が知られており、カーテン塗工方式もその一つである。一般にカーテン塗工は、塗工時に塗工液の掻き落としがない前計量式の塗工方式であるため、原紙に多少の凹凸が存在しても均一な塗工層を塗設することができ、白色ムラを生じにくいとされる。
しかしながら、カーテン塗工方式は、塗工液が原紙上に塗工された後に、塗工液が掻き落とされることがないため、塗工液中に泡が混入していた場合、泡を含む部分がクレーター状になりやすいという欠点があり、この泡の影響で、塗工シートに塗工欠陥ができやすい。
この問題に対して、特許文献1には、塗工液の比重が真比重の95%以上になるように真空脱泡処理する技術が開示されている。また、特許文献2には、塗工液の溶存酸素量を2.0mg/L以下にする技術が開示されている。
特開平05−92656号公報 特開2007−160641号公報
上記文献1・2に記載された技術は、いずれも感熱記録体やノーカーボン紙などの発色紙に関する技術であり、それをそのまま印刷用塗工シートに適用することは難しかった。なぜなら、感熱記録体やノーカーボン紙の発色層を形成させるために用いられる塗工液は、印刷用塗工紙の顔料塗工層を形成させるために用いられる塗工液とは、その組成が大幅に異なっており、発色紙に関する技術をそのまま顔料塗工紙に応用することが難しいためである。
このような状況に鑑み、本発明は、カーテン塗工によって印刷用の顔料塗工紙を製造する技術であって、塗工欠陥が少なく、各種印刷適性に優れた顔料塗工紙を製造する技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、顔料塗工液中のエアー量を適切な範囲とすることにより、塗工液中の泡による塗工欠陥が著しく抑制されることを見出し、本発明に至った。
これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様を包含する。
(1) カーテン塗工により印刷用塗工紙を製造する方法であって、真空脱泡機を用いてカーテン塗工に用いる顔料塗工液を脱泡し、顔料塗工液中のコロイダルエアー量を0.05%以下にすることを含む、上記方法。
(2) 前記印刷用塗工紙が塗工白板紙である、(1)に記載の方法。
(3) カーテン塗工液の固形分濃度が、40重量%〜75重量%である、(1)または(2)に記載の方法。
(4) カーテン塗工液の粘度が、100〜2000mPa・sである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 原紙の坪量が、100〜400g/mである、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記印刷用塗工紙における長径1.0mm以下の塗工欠陥が、1mあたり20個以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法
本発明によれば、カーテン塗工液中の泡を効果的に除去できるため塗工欠陥が少なく、各種印刷適性に優れた顔料塗工紙を製造することができる。
印刷用顔料塗工紙
本発明の顔料塗工紙とは、原紙の片面または両面に1層以上の顔料塗工層が設けられた紙をいう。また、本発明において印刷用顔料塗工紙とは、オフセット印刷、グラビア印刷などの商業印刷が施される顔料塗工紙をいう。
本発明に係る顔料塗工紙は、紙中灰分が10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。灰分が10重量%より少ないと不透明度が十分に向上しないことがあるためである。また、本発明に係る顔料塗工紙は、好ましい態様において塗工白板紙である。
本発明の顔料塗工紙に用いる原紙(基材)としては、価格や入手が安易である事から、木材パルプを主成分とする紙を用いる事が好ましい。木材パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等)、古紙パルプ、脱墨パルプ等のパルプを単独または任意の割合で混合して使用することができる。
木材パルプを使用する場合は、古紙パルプが配合されている方がよい。古紙パルプとしては、脱墨してもしなくてもよく、脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプなどを使用することができる。
本発明の顔料塗工紙に用いる原紙は、単層であっても多層であってもよい。例えば、木材パルプを原料とした場合で、多層の場合、上記各種パルプを混合したものでも良いし、同一のパルプを用いたものでも良い。また、異なるパルプを1層以上重ねてもよい。本発明の好ましい態様においては、顔料塗工シートの支持体の原料として木材パルプを使用し、多層抄きとした原紙が好ましい。多層抄きでは、例えば、中層に白色度の低いパルプを用いて、表層、裏層にそれより白色度の高いパルプを用いることもできるし、すべての層のパルプを同じものとして複数層重ねることもできる。本発明によれば、最表層に中層や裏層に使用するのと同様の白色度の低いパルプを使用しても塗工欠陥の少ない顔料塗工シートを得ることができる。
また、本発明においては、支持体である原紙の平滑性が高い方がよい。原紙の坪量は、好ましくは100〜400g/m、より好ましくは150〜375g/m、200〜350g/mである。
カーテン塗工
本発明においては、カーテン塗工により原紙上に1層以上の顔料塗工層を設ける。カーテン塗工においては、1種類以上の塗工液からカーテン膜を形成させ、該カーテン膜に支持体を通して支持体上にカーテン塗工層を形成する。
本発明では、水と必要な成分とを混合して顔料を含む塗工液(顔料塗工液)を調製する。塗工液の調製においては、ミキサー等の通常の混合手段を用いてよい。各成分等について以下に説明する。
(1)塗工液の脱泡
本発明においては、カーテン塗工前に、塗工液を減圧下で脱泡する。脱泡は真空脱泡機を用いて行うが、真空脱泡機とは、液状の素材に混入した気体(泡)を減圧下で除去する装置のことをいう。気体を排除する精度によって原理は異なるが、本発明においては、真空脱泡機を用いて塗工液を脱泡する。特に真空下でいくつかの脱泡を連続して行う方法が好ましい。本発明においては、例えば、液中の気泡やガスを真空下で「膨張拡大→破泡」させて脱気脱泡する工程、回転する分散板上に供給された処理液は、遠心力で薄膜化され気泡が破泡する工程、分散板先端のスクリーンを通過する時に、処理液は細断され気泡が破壊する工程、スクリーンを通過した処理液は、ベッセル内壁に叩きつけられ、この時の衝撃で泡をつぶして脱気脱泡させる工程、ベッセル内壁を重力落下する時に、再薄膜化され更に脱気脱泡される工程などを組み合わせることができる。また、多重静止板を用いる衝突飛散方式によって脱泡することも好ましい。
カーテン塗工液中の脱泡の程度を表す指標として、塗工液中に含まれる微細な泡(コロイダルエアーともいう)の量を用いる。コロイダルエアーの量とは、塗工液中の空気(エアー)の含有量を示しており、値が小さいほど塗工液中の空気量が少なく、脱泡が進んでいる状態といえる。
コロイダルエアーの測定は、一定容積中に閉じこめられたサンプルを減圧し、サンプル中のエアーを膨張させ、その容積変化によりエアーを測定することによって行うことができる。ボイルの法則(P×V=一定)によれば、サンプルを入れた密閉容器の圧力を1/2まで減圧すると、エアーの容積は2倍となるはずである。そのため、サンプルの容積変化(%)をサンプル中のエアー量と評価することができる。
本発明において、塗工液中のコロイダルエアー量が0.10%以下となるように真空脱泡機を用いて脱泡する。さらに好ましくは、0.08%以下である。下限は、0%にできる限り近い方がよいが、0%にすることはかなり困難であるので、コロイダルエアーの量は、実質的には0.005%以上であってよい。
本発明において、脱泡時の温度は、常温より低い温度が好ましく、5〜20℃が好ましく、10〜20℃がより好ましく、15℃〜20℃程度がさらに好ましい。本発明において、脱泡する塗工液の濃度は、固形分濃度で、40重量%〜75重量%であることが好ましい。また、本発明において、脱泡する塗工液の粘度は、100〜2000mPa・sであることが好ましい。
カーテン塗工を行う塗工液は、塗工液から塗工カスを除去する目的で、スクリーンやフィルターなどに通しても良い。スクリーンとしては、例えば、塗工液を本体側面上部から受入れ、内部のローターでバスケットを通過させ、本体底部より引抜く方式のスクリーンであるインラインスクリーンなどが使用でき、フィルターとしては、各種のメッシュのフィルターが使用できる。フィルター時に超音波をかけても良い。
このようにして脱泡したカーテン塗工液を用いて支持体上にカーテン塗工することによって、塗工欠陥が少ない印刷用顔料塗工紙を製造することができる。カーテン塗工においては、塗工液中に残った微少な泡がカーテン膜と共に引き延ばされ、塗工層に小さい塗工されない部分が生じる。これを塗工欠陥という。本発明においては、真空脱泡機を用いてカーテン塗工液に含まれるコロイダルエアー量を0.10%以下とすることにより、微少な塗工欠陥を少なくさせることができる。
好ましい態様において本発明の顔料塗工紙は、長径が0.1mm以上1.0mm以下の塗工抜け部分(塗工欠陥)が1mあたり20個以下である。
(2)カーテン塗工液
本発明においてカーテン塗工液は、少なくとも顔料と接着剤を含む。
[顔料]
本発明に用いる塗工液は白色顔料を含む。顔料の種類は制限されず、塗工紙用に従来から用いられている顔料を使用できる。例えば、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料、有機・無機複合顔料等を使用することができる。中でも重質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウムが好ましい。これらの顔料は単独で使用できるが、必要に応じて二種以上を混合して使用してもよい。
本発明においては、塗工紙品質や塗工液の脱泡性の点から、板状の形状を有する顔料よりも球状の形状に近い顔料を塗工液に配合することが好ましい。具体的には、以下に定義される扁平率が2.0以下の顔料を使用することが好ましく、1.5以下の顔料を使用することがより好ましい。
扁平率は、BET法で求めた顔料の比表面積を、レーザー回析式で測定した粒度分布から顔料粒子が完全球体であると仮定して算出して求めた比表面積で除した値で定義され、以下の式で表される。
扁平率=BET法で求めた比表面積/レーザー回析式粒度分布から顔料粒子が完全球体であると仮定して算出した比表面積
扁平率の数値が高いほど顔料の扁平度が高く、扁平率の数値が1に近いほど顔料が完全球体に近いことを意味する。扁平率が2.0以下の顔料を用いると塗工紙品質が良好になる理由の詳細は明らかでないが、以下のように推察される。非接触式の塗工方式であるカーテン塗工は、接触式の塗工方式と比較して、扁平な顔料を使用した場合に顔料が原紙の進行方向へ配向しづらい傾向がある。そのため、扁平な顔料を多く使用すると顔料が規則的に配向できず、塗工紙表面の平滑性が低下し、また、塗工層の空隙が多くなり、印刷時におけるインキの浸透が激しくなり、印刷光沢度が低下すると考えられる。ただし、本発明はこの考察に拘束されない。
扁平率が2.0以下の顔料を使用すると、塗工液の脱泡性が向上し、クレーターの発生も抑制される。すなわち、扁平率が2.0を超える扁平な顔料を使用すると、脱泡する際に扁平な顔料によって泡の移動が妨げられるため脱泡性が低下しやすいが、扁平率が2.0以下の球状に近い顔料を使用すると泡の移動が阻害されにくく、脱泡性が低下しにくい。
また、本発明においては、顔料として、紡錘状カルサイト結晶の軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕することにより得られる炭酸カルシウムであって、X線透過式粒度分布測定器で測定される平均粒子径(d50:積算50重量%の粒子径)が0.1〜0.5μmであり、BET比表面積が10〜30m/gであり、X線透過式粒度分布測定器で以下のように測定される粒度分布のシャープ度が50以上である炭酸カルシウムを使用することが好ましい。このような炭酸カルシウムを顔料として用いると、裏抜けに優れた印刷用塗工紙が得られる。
シャープ度=(d30/d70)×100
[式中、d30は積算30重量%の粒子径、d70は積算70重量%の粒子径]
前記の粉砕前の軽質炭酸カルシウムとしては、紡錘状の一次粒子が凝集してロゼッタ形状の二次粒子を形成したカルサイト結晶を用いることが好ましい。また、粉砕前の軽質炭酸カルシウムのX線透過式粒度分布測定器で測定される平均粒子径(d50)は1.4〜3.0μmであり、BET比表面積は4〜12m/gであることがより好ましい。さらに、湿式粉砕にはマルチパス型粉砕機を使用することが好ましい。このように粉砕して得られる炭酸カルシウムの添加量は、顔料100重量部当たり40〜100重量部が好ましく、60〜90重量部がより好ましい。
[接着剤]
本発明においては、カーテン塗工液に接着剤(バインダー)を配合する。接着剤は特に制限されず、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用できる。接着剤の例には、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤が含まれる。接着剤は、1種類以上を適宜選択して使用できる。好ましい態様において、これらの接着剤は顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部程度の範囲で使用される。中でも、低重合度(重合度500程度)ポリビニルアルコールは、粘度を大幅に上昇させることなく接着効果も高めることができるので好ましい。
(3)カーテン塗工により多層塗工する場合の塗工液
カーテン塗工によって2層以上の塗工層を設ける場合は、顔料塗工シートの白色度を高くし、白色ムラを抑制するという点から、各層を以下の組成にすることが好ましい。
(3−1)下塗り塗工層の光散乱性
下塗り塗工層は、原紙をより効果的に隠蔽するために、光散乱性が高いことが好ましい。塗工層の光散乱性は、単位塗工量あたりの散乱性、すなわち比散乱係数を指標とすることができる。比散乱係数が高いほど、塗工層の隠蔽性が高い。
塗工層の比散乱係数は以下のように測定できる。
i)透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm、不透明度5%以下)上に、塗工液をメイヤーバーにより乾燥後の塗工層の重量が20g/m前後になるように塗布し、塗工層の重量W[g/m]を天秤により正確に測定する
ii)次に、この塗工したフィルムに黒色板を裏あてし、反射率計を用いて塗工層の反射率を測定し、反射率R0を得る。
iii)塗工液をオーブンにより乾燥し、十分な厚み(1mm以上)を有するペレットを得て、その反射率R∞を前述のとおり測定する。
iv)これらの値を用いて、TAPPI T425(ISO 9426)に規定される次式により、比散乱係数sを算出する。
下塗り塗工層の比散乱係数は、80m/kg以上が好ましく、90m/kg以上がより好ましく、120m/kg以上がさらに好ましい。比散乱係数が80m/kgより低いと十分な隠蔽性を得られない。また、通常の白板紙の塗工層に用いられる成分を含有している場合、比散乱係数の上限は250m/kg程度であると考えられる。
下塗り塗工層の白色度は、白色度の低い原紙を隠蔽し塗工後の白色度を高くするために、塗工する面の原紙の白色度よりも高いことが好ましい。下塗り塗工層の白色度の好ましい範囲は75〜95%であり、より好ましくは80〜95%である。
下塗り塗工層を原紙上に塗工した後に、塗工層側から測定した白色度は、上塗り塗工層の白色度よりも低い方が好ましい。具体的には、当該白色度は85%未満であることが好ましい。
(3−2)下塗り塗工液の各成分
上記の性質を有する下塗り塗工層を得るために、下塗り塗工液は、特定の顔料と接着剤(バインダー)を含むことが好ましい。顔料としては、隠蔽性の高い顔料が好ましい。下塗り塗工液を上記の比散乱係数の範囲とするためには、粒子径の分布が狭く光散乱性の高い軽質炭酸カルシウムを主として用いることが好ましい。含有率は特に制限されないが、顔料100重量部中、軽質炭酸カルシウムの含有量が50重量部以上、好ましくは70重量部以上であると隠蔽効果が顕著となる。軽質炭酸カルシウムの形状としては、立方体状、紡錘状、針状などがあり、いずれを使用してもよいが、紡錘状あるいは針状のものを使用した場合に特に隠蔽効果が高くなる。軽質炭酸カルシウムの粒子径としては、平均粒子径(D50)で0.2〜0.8μmが好ましく、0.2〜0.5μmがさらに好ましい。軽質炭酸カルシウムの代わりとして、粒度分布が狭くなるように制御したエンジニアード重質炭酸カルシウムやエンジニアードカオリンを含有させてもよいが、隠蔽性は軽質炭酸カルシウムよりも劣る。
また、顔料として粒子内に空隙を含むことにより高い光散乱性を有する焼成カオリンを一定量用いることが好ましい。焼成カオリンの粒子径としては、平均粒子径(D50)で1.0〜3.0μmが好ましく、1.5〜2.5μmがさらに好ましい。焼成カオリンの含有率は、顔料100重量部中、5〜20重量部が好ましい。当該量が5重量部より少ないと隠蔽効果が不十分となることがある。また、当該量が20重量部よりも多い場合は次の理由から、塗工液の固形分濃度を低下させる傾向にある。焼成カオリンは、他のカオリンと同様、塗工液に含有させる前に水中に分散させスラリーとする必要があるが、焼成カオリンの場合は粒子内に空隙を含む特徴のために、スラリーの固形分濃度を高くすることができない。したがって、そのようなスラリーを塗工液中に多く含有させると、塗工液の固形分濃度が低下する。焼成カオリンの代わりとして、屈折率が高いことにより高い光散乱性を有する二酸化チタンを使用してもよいが焼成カオリンに比べ接着剤の量を多く必要とするために表面強度が劣りやすい。また、二酸化チタンよりも、焼成カオリンの方が塗工白板紙の平滑性が向上するという利点もある。
また、上記の顔料に加えて、平均アスペクト比が30〜60の顔料、例えばデラミネーテッドカオリンを下塗り塗工層に併用することもできる。平均アスペクト比が30〜60の顔料は、白色ムラ、保水性をさらに向上させる。これは、顔料の隙間を扁平な顔料が埋めることにより脱水が抑制され保水性が良好になることによると推測される。平均アスペクト比が30〜60の顔料の量は特に制限されないが、全顔料中40重量%以下とすることが好ましい。
接着剤は特に制限されないが、例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。本発明においては、塗料の増粘が低い、合成系接着剤が好適である。また、低重合度(重合度500程度)ポリビニルアルコールは粘度を大幅に上昇させることなく接着効果も高めることができるので併用することが好ましい。
(3−3)下塗り塗工液の特性
下塗り塗工液の固形分濃度は、好ましくは40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。下塗り塗工液の固形分濃度が40重量%未満であると、塗工乾燥時における塗工層の体積変化が大きくなり、結果として塗工後の表面平滑性が低下することがある。また前記濃度が75重量%より多いと、塗工液の流動性が悪化し、均一なカーテン膜を形成することが難しくなることがある。
下塗り塗工液のB型粘度は、均一で安定したカーテン膜を形成するために、また塗工液を配送するのに適切となるよう、100〜2000mPa・sの範囲であることが好ましい。前記粘度が100mPa・s以下であると、塗料中の水分が原紙に過剰に染みこみ原紙が膨潤するため塗工後の表面平滑性が低下することがあり、さらには乾燥に必要なエネルギーも増加しがちである。また、前記粘度が2000mPa・sより大きいと、塗料の流動性が劣り、安定なカーテン膜を形成しにくくなる。
また、下塗り塗工液の塗工液の表面張力は、少ない流量においても均一で安定したカーテン膜を作成するために、40mN/m以下が好ましく、35mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下であることがさらに好ましい。鏡面張力は、後述するとおり界面活性剤を添加することで調整できる。
(3−4)上塗り塗工層の白色度
本発明の上塗り塗工層の白色度は85%以上が好ましく、90%以上であることがより好ましい。下塗り層によって隠蔽され白色度が向上した表面の上に、当該上塗り層を設けることで、塗工白板紙の白色度をより一層高めることができる。
上塗り塗工層の隠蔽性は、本発明の白板紙の品質には影響しないため、下塗り塗工層ほど高い必要はなく特に限定されないが、通常の範囲において、70m/kg以上であることが好ましい。
(3−5)上塗り塗工液の成分
上塗り塗工液は顔料と接着剤を含んでなる。顔料としては白色度の高いものが好ましく、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、高白色カオリン、二酸化チタン、プラスチックピグメント等が挙げられる。これらの顔料は単独で使用できるが、必要に応じて二種以上を混合して使用してもよい。中でも、比較的安価である重質炭酸カルシウムあるいは軽質炭酸カルシウムを主成分とすることが好ましい。重質炭酸カルシウムの平均粒径(D50)は0.3〜2.0μmが好ましく、0.5〜1.0μmがさらに好ましい。重質炭酸カルシウムを用いた場合、比散乱係数は高くないが白色度が高くなる。さらに重質炭酸カルシウムは安価であるため、上塗り層に使用する顔料として好適である。軽質炭酸カルシウムについては既に述べたとおりである。
また、二酸化チタンは通常塗工液に用いられる顔料の中では最も高い白色度を有するので一定量含有させることが好ましい。二酸化チタンの含有量は、顔料100重量部中、5〜20重量部が好ましい。当該量が5重量部より少ないと塗工層の白色度の向上効果が十分でなく、20重量部より多いと接着剤の必要量が多くなるために、表面強度が低下することがある。
接着剤は特に制限されず、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用できる。接着剤の例には、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤が含まれる。接着剤は、1種類以上を適宜選択して使用できる。好ましい態様において、これらの接着剤は顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部程度の範囲で使用される。塗料の粘度を大幅に上昇させることがないことから、合成系接着剤が好ましい。
本発明の上塗りおよび下塗り塗工液は界面活性剤を用いて、塗工液の動的表面張力を調整できる。界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が存在するが、本発明においてはアニオン性界面活性剤が好ましい。カチオン性界面活性剤は塗工液中の顔料を凝集させやすくなる。また、ノニオン性界面活性剤は塗工液に十分な濡れ性を与えにくい。アニオン性界面活性剤の例には、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤が含まれる。これらの中でも、塗工液の濡れ性をより良好とできるため、スルホン酸系界面活性剤が好ましく、特にアルキルスルホコハク酸が好ましい。好ましい態様において、これらの界面活性剤は顔料100重量部当たり0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部程度の範囲で使用される。
本発明の上塗り、下塗り塗工液には、必要に応じて、粘性改良剤、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を適宜使用できる。
(3−6)上塗り塗工液の特性
上塗り塗工液の固形分濃度は、好ましくは40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。上塗り塗工液の固形分濃度が、40重量%未満であると、塗工乾燥時における塗工層の体積変化が大きくなり、結果として塗工後の表面平滑性が劣ることがある。また前記濃度が75重量%より多いと、塗工液の流動性が悪化し、均一なカーテン膜を形成することが難しくなることがある。
上塗り塗工液のB型粘度は、均一で安定したカーテン膜を形成するために、また塗工液を配送するのに適切となるよう、100〜2000mPa・sの範囲であることが好ましい。100mPa・s以下であると、塗料中の水分が原紙に過剰に染みこみ、原紙が膨潤するため、塗工後の表面平滑性が低下することがある。また乾燥に必要なエネルギーも上昇する。また、2000mPa・sより大きいと、塗料の流動性が劣り、安定なカーテン膜を形成できないことがある。
塗工液の表面張力は、少ない流量においても均一で安定したカーテン膜を作成するために、40mN/m以下が好ましく、35mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下であることがさらに好ましい。
(4)カーテン塗工
カーテン塗工とは、塗工液をカーテン状に流下させて膜を形成し、その膜に原紙を通すことにより原紙上に塗工層を設ける塗工方式である。カーテン塗工は、原紙に沿って塗工層が形成される輪郭塗工であり、また、いわゆる前計量方式であるため塗工量の制御が容易であるという特徴を有する。
本発明では、塗工液からカーテン塗工膜を形成し、当該カーテン膜に原紙またはプレ塗工された原紙を通してカーテン塗工層を形成する。複数の塗工液から複数のカーテン膜を形成してカーテン塗工すると、走行する紙にカーテン膜が接触する際にカーテン膜にある程度の乱れが生じることが不可避であるが、複数の塗工液から1つのカーテン膜を形成させて複数の塗工層を同時にカーテン塗工すると、塗工層間の層構造を維持することができる。
本発明においては、上記したようにカーテン塗工により設けた塗工層に加えて、カーテン塗工装置以外の塗工装置を使用して追加の塗工層を設けることも可能である。例えば、ブレード塗工を行なった後にカーテン塗工を行ってもよい。ただし、本発明のカーテン塗工によって形成された上塗り塗工層が最外塗工層となるようにする必要がある。また、下層塗工部を乾燥せずに上層塗工を行なうウェットオンウェット塗工を行なってもよい。
本発明においてカーテン塗工層の塗工量は、各層の合計で、片面あたり乾燥重量で15〜30g/mが好ましく、20〜25g/mがより好ましい。塗工量が15g/m未満では、塗工層が薄くなり、白板紙の白色度、白色ムラを十分に改善しにくい。一方、一つの層の塗工量が30g/mを越えると、塗工時の乾燥性が悪くなるなど操業性が低下したり、バインダーマイグレーションによる印刷ムラの原因になったりするので好ましくない。片面あたり20〜25g/m以下の塗工量とすることが好適である。
本発明においては、下塗り塗工層の塗工量と上塗り塗工層の塗工量は、特に制限されないが、隠蔽性と白色度を両立させるということから、下塗塗工層が10〜30g/m、上塗り塗工層が1〜5g/mの範囲であることが好ましい。
本発明においては、カーテン塗工に用いられる公知の装置を使用することができる。カーテン塗工装置の形状として公知であるものは、ダイから塗工液を下向きに吐出することにより直接カーテン膜を形成するスロット型カーテン塗工装置と、ダイから塗工液を上向きに吐出し、ダイ上の斜面で塗工液の膜を形成しつつ流動していき、その後ダイを離れて自由落下することによりカーテン膜を形成するスライド型カーテン塗工装置がある。本発明においてはいずれの装置を使用してもよい。
本発明の塗工速度は、特に制限されないが、一般的には100〜800m/分程度である。塗工速度が過度に高速になると、クレーターが生じる傾向にある。
表面平滑化処理
本発明の印刷用塗工紙は、カーテン塗工によって原紙上に塗工層を設けた後、通常の乾燥工程を経て製造されるが、必要に応じて表面処理工程等で平滑化処理してもよい。好ましい態様において、製造後の塗工白板紙の水分が3〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調整して仕上げられる。平滑化処理には、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置を用いることができる。
平滑化処理装置は、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も適宜調整される。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されない。特に断らない限り、本明細書において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示し、数値範囲はその端点を含む。
<塗工紙の製造>
以下の通り、カーテン塗工の下塗り塗工液と上塗り塗工液を調製し、原紙上にカーテン塗工して塗工紙を製造した。塗工液のそれぞれについて、真空脱泡装置を用いて、脱泡を行った。
下塗り塗工液の調製
紡錘状軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP−221−70GS、D50=0.5μm、D75/D25=2.5)75重量部、デラミネーテッドカオリン(Imerys社製、Contour 1500、平均アスペクト比50)15重量部、焼成カオリン(Imerys社製、Alphatex)10重量部からなる顔料に水を添加してスラリーを調製した後、顔料100部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成ケミカル社製、ALB1735)14重量部、PVA(クラレ社製ポリビニルアルコール、ポバール105)0.5重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol291−PG)0.5重量部を添加した。この混合物にさらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度63%、静的表面張力30mN/mの下塗り塗工液を得た。下塗り塗工液のB型粘度は、30℃、60rpmにおいて1000mPa・sだった。
上塗り塗工液の調製
重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT97、D50=0.7μm、D75/D25=3.8)95重量部、二酸化チタン(Dupont社製、RPS−V)5重量部からなる顔料スラリーを調整した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(旭化成社ケミカル製、ALB1443)14重量部、界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol291−PG)0.5重量部を添加し、さらに水を添加して60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度66%、静的表面張力30mN/mの上塗り塗工液を得た。上塗り塗工液のB型粘度は、30℃、60rpmにおいて1000mPa・sだった。
塗工液の脱泡
調製した塗工液について、連続真空脱泡機を用いて表1の条件で脱泡処理をした。真空脱泡機は、太平洋機工製のUCD8M−CMを使用し、真空圧20torr、回転数2900rpm(分散板周速:φ0.3m×3.14×2900rpm=45.5m/sec)、分散板穴径φ1mmの運転条件で脱泡処理を行った。この脱泡機では、多重静止板を用いて泡を散乱飛散させて脱泡する。
このようにして脱泡した塗工液について、(1)コロイダルエアーの量、(2)減圧下での発泡状態を、以下のようにして測定した。
(1)コロイダルエアーの量:
特定量の塗工液を樹脂性容器に入れ、常圧(1気圧)で密封する。常温にて圧力を0.5気圧に減圧し、塗工液の容積を測定する。ボイルの法則(圧力×容積=一定)によれば圧力が1/2になればエアー容積は2倍となるので、サンプルである塗工液の容積変化(%)をサンプル中のエアー量と評価した。
(2)減圧下での発泡状態:塗工液をデシケーター内に入れた後、−99kPaまで減圧し、減圧状態における発泡状態を以下の基準により目視評価した。
・○:発泡なし
・×:発泡多数
以下の表に結果を示す。脱泡前後の上塗り塗工液をそれぞれ比較例1、実施例1、脱泡前後の下塗り塗工液をそれぞれ比較例2、実施例2とする。
カーテン塗工
脱墨古紙100%からなるパルプを使用して白色度70%、米坪40g/mの表層、脱墨しない雑誌古紙100%で配合したパルプを使用して白色度55%、米坪220g/mの中層、中層と同様のパルプを使用して白色度45%、米坪40g/mの裏層をそれぞれ抄造し、各層を抄き合わせ、プレス、乾燥処理を行い、米坪300g/mの原紙を得た。原紙の白色度は65%であった。抄紙速度は300m/分であった。
スライド型カーテン塗工装置を用いて、上記2つの塗工液から一つのカーテン膜を形成し、当該カーテン膜に原紙を通して、原紙上に下塗り塗工液と上塗り塗工液の同時2層塗工を行い、乾燥した。塗工量は、乾燥後の重量で下塗り塗工液が18g/m、上塗り塗工液が4g/mであった。得られた塗工白板紙の坪量は322g/mであった。塗工速度は、オンマシンにより抄紙と一貫して行ったため、抄紙速度と同じく300m/分であった。下塗り塗工層の比散乱係数は、125m/kgであり、上塗り塗工層の白色度は91%であった。
得られた塗工白板紙をカレンダー処理して表面を平滑化した。処理速度は、オンマシンにより抄紙、塗工と一貫して行ったため、抄紙速度および塗工速度と同じく300m/分であった。
<塗工白板紙の評価>
このようにして得られた塗工白板紙について、塗工欠陥の数、白色度、塗工層の比散乱係数を以下のようにして測定した。
・塗工欠陥の数(個数/m):サンプル表面にブラックライトを照射し、長径が0.1mm以上1.0mm以下の塗工欠陥の個数を目視で数えた。
・白色度:JIS P8148「紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した。塗工層の白色度については、塗工液をオーブンにより105℃で30分以上、水分減少量の変動がなくなるまで乾燥し、透けない程度の十分な厚み(1mm以上)を持ったペレット状にして測定した。
・塗工層の比散乱係数:TAPPI T425(ISO 9426)に規定される式に基づいて算出した。

Claims (6)

  1. カーテン塗工により印刷用塗工紙を製造する方法であって、
    真空脱泡機を用いてカーテン塗工に用いる顔料塗工液を脱泡し、顔料塗工液中のエアー量を0.10%以下にすることを含む、上記方法。
  2. 前記印刷用塗工紙が塗工白板紙である、請求項1に記載の方法。
  3. カーテン塗工液の固形分濃度が、40重量%〜75重量%である、請求項1または2に記載の方法。
  4. カーテン塗工液の粘度が、100〜2000mPa・sである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 原紙の坪量が、100〜400g/mである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記印刷用塗工紙における長径が0.1mm以上1.0mm以下の塗工欠陥が、1mあたり20個以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
JP2013074157A 2013-03-29 2013-03-29 顔料塗工紙の製造方法 Pending JP2014198919A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013074157A JP2014198919A (ja) 2013-03-29 2013-03-29 顔料塗工紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013074157A JP2014198919A (ja) 2013-03-29 2013-03-29 顔料塗工紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014198919A true JP2014198919A (ja) 2014-10-23

Family

ID=52355992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013074157A Pending JP2014198919A (ja) 2013-03-29 2013-03-29 顔料塗工紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014198919A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014223592A (ja) * 2013-05-17 2014-12-04 住友ベークライト株式会社 樹脂付きフィルムの製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04361696A (ja) * 1991-06-07 1992-12-15 Jujo Paper Co Ltd 印刷用塗工紙の製造方法
JP2009041131A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Oji Paper Co Ltd 塗工白板紙の製造方法および塗工白板紙
JP2010504851A (ja) * 2006-09-29 2010-02-18 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド カーテンコータで繊維ウェブにコーティングする方法
WO2011105552A1 (ja) * 2010-02-25 2011-09-01 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙およびその製造方法
WO2011115167A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP2012016704A (ja) * 2011-09-16 2012-01-26 Dow Global Technologies Llc コーテッド紙または板紙を製造する方法
JP2012197545A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用塗工紙およびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04361696A (ja) * 1991-06-07 1992-12-15 Jujo Paper Co Ltd 印刷用塗工紙の製造方法
JP2010504851A (ja) * 2006-09-29 2010-02-18 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド カーテンコータで繊維ウェブにコーティングする方法
JP2009041131A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Oji Paper Co Ltd 塗工白板紙の製造方法および塗工白板紙
WO2011105552A1 (ja) * 2010-02-25 2011-09-01 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙およびその製造方法
WO2011115167A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP2012197545A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP2012016704A (ja) * 2011-09-16 2012-01-26 Dow Global Technologies Llc コーテッド紙または板紙を製造する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014223592A (ja) * 2013-05-17 2014-12-04 住友ベークライト株式会社 樹脂付きフィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6034032B2 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP2018145543A (ja) 塗工白板紙の製造方法
JP5977548B2 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP4413979B1 (ja) 昇華型インクジェット捺染転写紙
JP5694287B2 (ja) 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP6003793B2 (ja) 耐油紙及び耐油紙の製造方法
JP6389372B2 (ja) 塗工白板紙
JP2006249607A (ja) 印刷用艶消し塗被紙
JP3941483B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4840002B2 (ja) 印刷用塗被紙およびその製造方法
US9034435B2 (en) Coated printing papers and processes for preparing them
JP2008075200A (ja) 印刷用塗工紙およびその製造方法
WO2013146869A1 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP2014198919A (ja) 顔料塗工紙の製造方法
JP5400978B2 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP4433917B2 (ja) 嵩高塗工紙
JP2013204157A (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP2005089868A (ja) オフセット印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙
JPH07166492A (ja) 塗工印刷用紙
JP6116811B2 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP7297418B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP2017057528A (ja) 印刷用塗工紙
JP2008023947A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP6301172B2 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JP6736247B2 (ja) 塗工白板紙およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170808

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180412

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180420

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181214