JP7297418B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用塗工紙に関する。
一般に、インクジェット記録方式は、ノズル等からインクを吐出し、記録用紙上に付着させることにより、ドットを形成して記録を行うこととなっており、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、フルカラー化が容易であり、高速印字が可能であるなどの利点を有している。
従来からインクジェット記録用紙としては、基紙の表面に顔料を含有する塗工層を備える塗工紙が主流である。上記塗工層は、インクジェットの印字濃度を維持しつつ印字した際のにじみを無くすることを目的としてインクの乾燥性を向上するために、顔料として例えば、適度に吸油量の大きいシリカやカオリンを主成分とする塗工液が基紙の表面に塗工されることで形成されている。しかし、上記シリカやカオリンは高価であり、各種産業で利用されるフォーム用紙を用途とするインクジェット記録用紙においては製造コストの低減が求められている。
これに対して、比較的安価な炭酸カルシウムをベースとする塗工層を備えるインクジェット記録用紙の開発が進められているが、透明顔料であるシリカと比較して吸水性及び吸油性が劣り、白色顔料である炭酸カルシウムは、インクの乾燥速度が遅く、顔料内部にインクが浸透すると印字濃度が低下するおそれがある。
また、平均粒径が1μm未満及び2μm以上の異なる大きさの軽質炭酸カルシウムの凝集体を配合することで、印字濃度の改善とインクの吸収性を両立させる技術が提案されている。この従来技術では、平均粒径が1μm未満の軽質炭酸カルシウムの凝集体を配合することで印字濃度改善し、平均粒径が2μm以上の軽質炭酸カルシウムの凝集体を配合することで、インクの吸水性を増大し、インクの乾燥性向上を図っている。
特開2018-047653号公報
しかしながら、上記従来技術においては、平均粒径1μm未満の小径の凝集体が平均粒径2μm以上の大径の凝集体の間隙に充填されて物理的な細孔が潰れてしまうために、十分なインクの乾燥性が得られないおそれがある。さらに、上記小径の粒子が比表面積を増加させることで、バインダーの添加量を増加させる必要があり、その結果、インクの乾燥性が低下するおそれがある。このように、異なる大きさの軽質炭酸カルシウムの凝集体の配合比率により塗工紙の性能のバランスを取ることは困難である。
また、近年インクジェット印刷機の高速化が進んでおり、従来よりもインクジェット用紙に要求されるインクの乾燥性は、より厳しくなっている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、製造コストを軽減しつつ、印字濃度及びインクの乾燥性が良好な印刷用塗工紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面上に積層される顔料及びバインダーを主成分とする一又は複数の塗工層とを備え、上記塗工層の最外層が、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有する印刷用塗工紙である。ここで、主成分とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上の成分をいう。
当該印刷用塗工紙は、塗工層の最外層が、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である比較的安価な凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有する。現状のプリンターの印刷速度においては、塗工層にインク全量を吸収させることが困難であることから、極めて短時間でインクを乾燥させるためには、インクに塗工層を通過させて基紙にインク中の溶媒を吸収させる必要がある。当該印刷用塗工紙においては、塗工層の最外層が顔料として二次粒子の粒度分布が狭く平均粒子径が大きい炭酸カルシウムを含有するので、上記凝集体同士で物理的な空隙が形成され、インク中の水分が素早く塗工層表面から塗工層内部を経て基紙に到達する。さらに上記凝集体の形態は、一次粒子が立法体形状であることからインクを表面に留め易く、印字濃度を高く維持できる特性を備える。その結果、当該印刷用塗工紙は、インク中の水分を速やかに基紙に到達させるので、インクの乾燥性が向上する。また、当該印刷用塗工紙は、インクが凝集軽質炭酸カルシウムに過度に吸収されないので印字濃度を良好にできる。さらに、紡錘形や針状・柱状の一次粒子の凝集体と比較して、凝集軽質炭酸カルシウム表面の凹凸が少ないので、インクが凝集軽質炭酸カルシウム表面に留まり、良好な印字濃度が得られ易い。従って、当該印刷用塗工紙は、製造コストを軽減しつつ、印字濃度及びインクの乾燥性を良好にできる。
ここで、立方体形状とは、六つの平面のいずれもが略同寸法の略正方形をしており、隣り合う平面とのなす角度が概ね90度になっている立体形状である。また、本願発明における立方体形状とは、実質的に立方体形状を有するものも含むものとする。例えば、一辺の長さが実質的に等しい正六面体や、該正六面体における頂点の角や、稜線の角がとれた立方体、角や稜線が面取りされた立方体も含むものとする。本発明における立方体形状は、1次粒子を電子顕微鏡で50,000倍に拡大観察し粒子を100個ランダムに抽出し、長い辺を短い辺の2辺の長さを測定した場合の短辺に対する長辺の比としては、1.00以上1.10以下が好ましい。
上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径としては、0.05μm超0.15μm未満であり、かつ上記凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径としては、1.0μm以上であることが好ましい。上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径が0.05μm超0.15μm未満であることで、上記軽質炭酸カルシウムが有する表面の凹凸により、平均粒子径が0.1μm周辺であるインク顔料に対するアンカー効果が向上する。そのため、当該印刷用塗工紙に対するインク顔料定着性、印字濃度を向上できる。また、細かな上記1次粒子の隙間にインク中の水分が浸透し易く、インクの乾燥性に優れる。加えて、上記凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が1.0μm以上であることで、上記凝集体同士で形成された空隙に他の凝集体が充填されて空隙が塞がってしまうことが生じにくく、一定量の空隙が確保される。そのため、インク中の水分がより速やかに基紙に到達できるので、インクの乾燥性が阻害されにくい。また、塗工層中の顔料の比表面積が過度に大きくならないため、バインダー成分が上記凝集軽質炭酸カルシウムの表面に吸着しすぎることがないので、十分な接着強度が確保でき、塗工層の表面強度をより高めることができて作業性や加工適性に優れる。
ここで、1次粒子平均粒子径は、走査型電子顕微鏡観察法により計測された1次粒子の粒子径の平均値である。また、凝集体平均粒子径は、レーザー回析散乱法により測定された粒度分布曲線の50%体積%粒子径であるメジアン径(D50)である。
上記塗工層における上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率としては、固形分換算で45質量%以上90質量%以下であることが好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率が上記範囲であることで、製造コストを軽減しつつ、印字濃度及びインクの乾燥性をより向上できる。
上記凝集軽質炭酸カルシウムの上記粒度分布曲線の90体積%粒子径の上記粒度分布曲線の10体積%粒子径に対する割合(D90/D10)が5以下であることが好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムのD90/D10が5以下であることで、凝集体の平均粒子径のばらつきが少ないため、細密充填することなく、適度に分散するので、必要なバインダーの量が少なくて済む。従って、バインダーが上記凝集体同士で形成される空隙を塞ぐことが少なくなるので、インク中の水分を凝集体同士の物理的空隙に取り込み易くなる結果、インクの吸水性が向上する。
当該印刷用塗工紙は、インクジェット印刷に用いられることが好ましい。当該印刷用塗工紙は、印字濃度及びインクの乾燥性に優れるので、インクジェット印刷に好適に用いることができる。
本発明によれば、製造コストを軽減しつつ、印字濃度及びインクの乾燥性が良好な印刷用塗工紙を提供できる。
以下、本発明の一実施形態に係る印刷用塗工紙について詳説する。
<印刷用塗工紙>
当該印刷用塗工紙は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面上に積層される顔料及びバインダーを主成分とする一又は複数の塗工層とを備える。上記塗工層の最外層は、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有する。当該印刷用塗工紙においては、塗工層の最外層が、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である比較的安価な凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有する。現状のプリンターの印刷速度においては、塗工層にインク全量を吸収させることが困難であることから、極めて短時間でインクを乾燥させるためには、インクに塗工層を通過させて基紙にインク中の溶媒を吸収させる必要がある。当該印刷用塗工紙は、塗工層の最外層が含有する凝集軽質炭酸カルシウムの二次粒子の粒度分布が狭く平均粒子径が大きいので、上記凝集体同士で物理的な空隙が形成される。その結果、当該印刷用塗工紙は、塗工層の表面からインクを速やかに基紙に到達させるので、インクの乾燥性が向上する。また、当該印刷用塗工紙は、インクが凝集軽質炭酸カルシウムに過度に吸収されないので印字濃度を良好にできる。従って、当該印刷用塗工紙は、製造コストを軽減しつつ、印字濃度及びインクの乾燥性を良好にできる。
[基紙]
基紙は、原料パルプを主成分とし、填料を含有(内添)することが好ましい。基紙は、単層であっても、複数層であってもよい。
(基紙の坪量)
坪量は、JIS-P8124(2011)に準拠して測定される。当該印刷用塗工紙の基紙の坪量は、特に限定されるものではないが、坪量の下限としては、35g/mが好ましく、45g/mがより好ましい。坪量の上限としては、130g/mが好ましく、120g/mがより好ましい。坪量が上記範囲であることで、印刷用塗工紙の加工適性を向上できる。
(原料パルプ)
原料パルプとしては、公知のものを用いることができ、バージンパルプ、古紙パルプ又はこれらの組み合わせたものを適宜用いることができる。
バージンパルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプを使用することができる。
古紙パルプとしては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)又は離解・脱墨・漂白古紙パルプ等が挙げられる。
(填料)
基紙には填料を含有させることができる。填料としては従来一般に製紙用途で使用されているものを用いることができる。填料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、非晶質シリカ、水和ケイ素、再生粒子、シリカ複合再生粒子等の無機填料や、尿素-ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料等を使用することができる。これらの填料は、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(その他の添加剤)
上記基紙の成分としては、上記パルプ及び填料の他に、例えば、必要により、その他の添加剤を使用することができる。その他の添加剤としては、例えば、紙力増強剤、凝結剤、凝集剤、サイズ剤、消泡剤、蛍光増白剤、硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、湿潤紙力増強剤、着色染料、染料定着剤、着色顔料、耐水化剤等を使用することができる。これらの添加剤は、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(紙力増強剤)
紙力増強剤としては、例えば澱粉類、ポリアクリルアミド、エピクロルヒドリン等が挙げられる。紙力増強剤は、内添してもよく、外添してもよい。
(凝結剤及び凝集剤)
ポリアクリルアミドやその共重合体等の凝集剤などを併用することができる。また、凝結剤としては、例えば硫酸バンド、ポリエチレンイミン等が挙げられる。これらの凝結剤及び凝集剤は、併用して用いることができる。
(サイズ剤)
サイズ剤としては、例えばスチレン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジンサイズ剤、ロジンサイズ剤等が挙げられる。上述したように、極めて短時間でインクを乾燥させるためには、インクに塗工層を通過させて基紙にインク中の溶媒を吸収させる必要があることから、基紙はインク吸収性を阻害しない程度に内添又は外添サイズ剤を添加しても良いが、サイズ剤を添加しないことがより好ましい。
[塗工層]
当該印刷用塗工紙は、上記基紙の少なくとも一方の面上に顔料及びバインダーを主成分と一又は複数の塗工層が積層される。当該印刷用塗工紙は、インクの吸収性を阻害しない範囲で複数層設けても良く、インクをより速やかに基紙に到達させる観点から、単層の塗工層がより好ましい。また、インクをより速やかに基紙に到達させる観点から、基紙は未塗工又はクリア塗工がされていることが好ましいが、塗工層の最外層が均一に被覆できるのであればアンダー塗工層を備えてもよい。
(顔料)
当該印刷用塗工紙は、塗工層の最外層が、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である比較的安価な凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有する。
(凝集軽質炭酸カルシウム)
凝集軽質炭酸カルシウムは、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である。現状のプリンターの印刷速度においては、塗工層にインク全量を吸収させることが困難であることから、極めて短時間でインクを乾燥させるためには、インクに塗工層を通過させて基紙にインク中の溶媒を吸収させる必要がある。当該印刷用塗工紙は、上記塗工層の最外層が含有する凝集軽質炭酸カルシウムの二次粒子の粒度分布が狭く平均粒子径が大きいので、上記凝集体同士で物理的な空隙が形成される。上記凝集体の形態は、インクを表面に留め易く、インク中の水分を凝集体内及び凝集体同士の物理的空隙に取り込み易い特性を備える。その結果、当該印刷用塗工紙は、インクを速やかに基紙に到達させるので、インクの乾燥性が向上する。また、当該印刷用塗工紙は、インクが凝集軽質炭酸カルシウムに過度に吸収されないので印字濃度を良好にできる。さらに、紡錘形や針状・柱状の一次粒子の凝集体と比較して、凝集軽質炭酸カルシウム表面の凹凸が少ないので、インクが凝集軽質炭酸カルシウム表面に留まり、良好な印字濃度が得られ易い。
上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径の下限としては、0.05μm超が好ましく、0.06μmがより好ましく、0.07μmがさらに好ましい。一般にインク顔料の平均粒子径が0.1μm周辺であることから、上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径の下限が0.05μm超であることで、上記軽質炭酸カルシウムが有する表面の凹凸により、平均粒子径が0.1μm周辺であるインク顔料に対するアンカー効果が向上する。そのため、当該印刷用塗工紙に対するインク顔料定着性を向上できる。また、細かな上記1次粒子の隙間にインク中の水分が浸透し易く、インクの乾燥性に優れる。一方、上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径の下限が0.05μm以下の場合、上記インク中の水分が浸透して乾燥性を向上させる効果を得ることが困難になるおそれがある。一方、上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径の上限としては、0.15μm未満が好ましく、0.13μmがより好ましく、0.11μmがさらに好ましい。上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径が上記上限を超えると、インクが凝集軽質炭酸カルシウムに過度に吸収されやすくなり、印字濃度が低下するおそれがある。
さらに、上記凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径の下限としては、1.0μmが好ましく、2.0μmがより好ましく、3.0μmがさらに好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が上記範囲であることで、上記凝集体同士で形成された空隙に他の凝集体が充填されて空隙が塞がってしまうことが生じにくく、一定量の空隙が確保される。そのため、インクがより速やかに基紙に到達できるので、インクの乾燥性が阻害されにくい。また、塗工層中の顔料の比表面積が過度に大きくならないため、バインダー成分が上記凝集軽質炭酸カルシウムの表面に吸着しすぎることがないので、十分な接着強度が確保でき、塗工層の表面強度をより高めることができて作業性や加工適性に優れる。また、上記凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径の上限としては、特に限定されないが、塗工紙の光沢及び平滑性の観点から、例えば6.0μmとすることができる。
上記凝集軽質炭酸カルシウムのBET比表面積の下限としては、13m/gが好ましく、14m/gがより好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムのBET比表面積の下限が14m/g未満の場合、インク中の水分が浸透して乾燥性が向上する効果を阻害するおそれがある。一方、上記凝集軽質炭酸カルシウムのBET比表面積の上限としては、18m/gが好ましく、17μmがより好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムのBET比表面積が上記上限を超えると、インク粒子が過度に凝集体内部に浸透して印字濃度が低下するおそれがある。なお、本明細書において、凝集軽質炭酸カルシウムのBET比表面積は、比表面積測定装置(型番:Belsorp-miniII、マイクロトラック・ベル社製)にて測定した値をいう。
上記凝集軽質炭酸カルシウムの上記粒度分布曲線の90体積%粒子径の上記粒度分布曲線の10体積%粒子径に対する割合(D90/D10)の上限としては、5が好ましく、4がより好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムのD90/D10が5以下であることで、凝集体の平均粒子径のばらつきが少ないため、細密充填することなく、適度に分散するので、必要なバインダーの量が少なくて済む。従って、バインダーが上記凝集体同士で形成される空隙を塞ぐことが少なくなるので、インク中の水分を凝集体同士の物理的空隙に取り込み易くなる結果、インクの吸水性が向上する。
(その他の顔料)
当該印刷用塗工紙は、顔料として凝集軽質炭酸カルシウム以外のその他の顔料を用いることができる。上記その他の顔料としては、例えば重質炭酸カルシウム、焼成クレー等が挙げられる。顔料として凝集軽質炭酸カルシウム以外のその他の顔料を用いる場合、凝集軽質炭酸カルシウム及びその他の顔料の合計含有量に対するその他の顔料の含有割合の上限としては、40質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。上記その他の顔料の含有割合が40%を超えると、印字濃度又はインクの乾燥性が低下するおそれがある。
上記塗工層における上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率の下限としては、45質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率の下限が45%未満の場合、印字濃度又はインクの乾燥性が低下するおそれがある。一方、上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率の上限としては、90質量%が好ましく、87質量%がより好ましい。上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率が上記上限を超えると、バインダーが不足して十分な強度の塗工層が得られないおそれがある。
(バインダー)
上記バインダーとしては、従来一般に塗工用途で使用される高分子を用いることができる。上記バインダーとしては、1種又は2種以上を適宜選択して併用することができる。
上記バインダーとしては、例えば
ポリビニルアルコール及びその変性物、
スチレンブタジエンラテックス、スチレン-メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、エチレン-酢酸ビニル重合体ラテックス等のラテックス類、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などが挙げられる。上記バインダーとしては、インクの乾燥性、塗工層の強度、コストのバランスの観点から、これらの中でもポリビニルアルコール及びその変性物やスチレンブタジエンラテックスが好ましい。また、ポリビニルアルコール及びスチレンブタジエンラテックスの双方を用いる場合、スチレンブタジエンラテックス含有量がポリビニルアルコールの含有量よりも多く配合する方が、当該印刷用塗工紙の印字濃度及びインクの乾燥性が向上するので好ましい。
上記塗工層中の顔料100質量部に対するバインダーの含有量の下限としては、12質量部が好ましく、14質量部がより好ましい。上記バインダーの含有量が上記下限未満の場合、表面強度が低くなり過ぎるおそれがある。一方、上記塗工層中の顔料100質量部に対するバインダーの含有量の上限としては、24質量部が好ましく、22質量部がより好ましい。上記バインダーの含有量が上記上限を超える場合、乾燥性が劣るおそれがある。上記バインダーの含有量が上記範囲であることで、インクの乾燥性及び塗工層の表面強度をより向上できる。
塗工層は、前記顔料及びバインダーの他にも、必要に応じて、例えばインク定着剤、顔料分散剤、表面サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、流動性改良剤、染料、耐水化剤、保水剤等、製紙用途で一般に用いられる各種助剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で加えることができる。
[印刷用塗工紙の物性]
(坪量)
当該印刷用塗工紙全体の坪量の下限としては、40g/mが好ましく、50g/mがより好ましい。当該印刷用塗工紙全体の坪量の上限としては、145g/mが好ましく、135g/mがより好ましい。印刷用塗工紙全体の坪量が上記範囲であることで、インクジェットプリンター内での搬送性、加工適性を良好に保つことができる。
(紙厚)
紙厚は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該印刷用塗工紙の紙厚の下限としては40μmが好ましく、50μmがより好ましい。当該印刷用塗工紙の上限としては、145μmが好ましく、135μmがより好ましい。当該印刷用塗工紙の紙厚が上記範囲であることで、インクの乾燥性、加工後の製品の適度な平滑度及び紙腰を維持できる。
当該印刷用塗工紙は、インクジェット印刷に用いられることが好ましい。当該印刷用塗工紙は、印字濃度及びインクの乾燥性に優れるので、インクジェット印刷に好適に用いることができる。
[印刷用塗工紙の製造方法]
当該印刷用塗工紙は、一般に製紙に用いられるシステムで製造することができる。当該印刷用塗工紙の製造方法は、例えば抄紙工程と、塗工層形成工程と、乾燥工程と、巻取工程とを備える。
(抄紙工程)
抄紙工程では、上述の原料パルプのスラリーを用いて抄紙する。抄紙方法は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機を用いて抄造することができる。抄紙機としては、例えば長網、円網、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機が挙げられる。
(塗工層形成工程)
塗工層形成工程では、例えば、カーテンコータ、エアナイフコータ、イズプレスコータ、ゲートロールコータ、ロッドメタリングコータ、ビルブードコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、コンマコータ等の公知のコータを使用して塗工層を形成することができる。コータとしては、印字品質が優れる観点から、これらの中でもカーテンコータ又はエアナイフコータが好ましい。
上記塗工膜の塗工量(g/m)(固形分換算)の下限としては、6g/mが好ましい。上記塗工量が上記下限を満たさないと、塗膜形成が困難であり、良好な印字濃度及びインクの乾燥性が得られないおそれがある。一方、この塗工量の上限としては、15g/mが好ましい。上記塗工量が上記上限を超えると、塗工膜を設ける事による効果が頭打ちになるため、コスト的に不利となるおそれがある。また、当該印刷用塗工紙の重量が増加するほか、基紙の坪量が低下することにより紙コシが低下する、塗工面が荒れて当該印刷用塗工紙の見栄えが低下しやすいため好ましくない。
[乾燥工程]
乾燥工程では、例えば抄紙機の乾燥装置、コータの乾燥装置等を用いて乾燥する。上記コータの乾燥装置としては、例えば赤外乾燥装置、熱風乾燥装置等が挙げられる。乾燥後には、ニップカレンダー、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平滑化処理を行なってもよい。
[巻取工程]
最後にリールに巻き取り、印刷用塗工紙を得る。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1及び比較例1~比較例7]
基紙として、坪量113g/mの上質紙を用いた。基紙に、エアナイフコータで塗工液を塗工量10g/mとなるように片面を塗工した。そして、アフタードライヤーパートで乾燥し、単層の印刷用塗工紙を製造した。
上記塗工層形成工程における塗工液の組成は以下の通りである。
(1)顔料
凝集軽質炭酸カルシウム:100質量部
(2)バインダー
スチレンブタジエンラテックス:8質量部
ポリビニルアルコール:PVA-210(部分鹸化PVA、鹸化度87~89%)8質量部
(3)耐水化剤
水溶性ポリカチオン化合物:ジェットフィックスN700(カチオン価度3.5meq/L、里田化工社製)8質量部
また、塗工液に用いた軽質炭酸カルシウムの品名は以下のとおりである。
白艶華PZ(凝集体、白石カルシウム社製)
Brilliant-15(一次粒子、白石カルシウム社製)
ツネックスE(凝集体、白石カルシウム社製)
カルライトSA(凝集体、白石カルシウム社製)
カルライトKT(凝集体、白石カルシウム社製)
TP-123(一次粒子、奥多摩工業社製)
TP-121(一次粒子、奥多摩工業社製)
TP-NPF(凝集体、奥多摩工業社製)
立方体形状である上記白艶華PZの1次粒子を電子顕微鏡で50,000倍に拡大観察し粒子を100個ランダムに抽出し、長い辺を短い辺の2辺の長さを測定した場合の短辺に対する長辺の比は1.05であった。
実施例1及び比較例1~比較例7の顔料の構成を下記表1に示す。なお、下記表中、「-」は該当する成分を用いていないことを示す。
[軽質炭酸カルシウムの物性]
(1)一次粒子の平均粒子径
走査型電子顕微鏡観察法により計測した。
(2)凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径
レーザー回折粒度分布測定装置(型番:LA-950、HORIBA社製)により粒度分布曲線の50%体積%粒子径であるメジアン径(D50)を測定した。
(3)凝集軽質炭酸カルシウムのBET比表面積
BET比表面積は、比表面積測定装置(型番:Belsorp-miniII、マイクロトラック・ベル社により測定した。
(4)凝集軽質炭酸カルシウムのD90/D10
上述のレーザー回析散乱法により測定された凝集軽質炭酸カルシウムの粒度分布曲線から求めた。
上記物性の測定から、実施例1の顔料として用いた1次粒子が立方体形状の凝集軽質炭酸カルシウムである白艶華PZの物性値は以下の通りである。
1次粒子平均粒子径:0.08μm
凝集体平均粒子径:4.0μm
凝集体BET比表面積:15(m/g)
凝集体D90/D10:4.5
[実施例2~実施例5及び比較例8~比較例9]
顔料として、凝集軽質炭酸カルシウム及びその他の顔料を表2に示すとおりに添加した点以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2~実施例5及び比較例8~比較例9の印刷用塗工紙を得た。なお、表2における凝集軽質炭酸カルシウム及びその他の顔料の配合量は、顔料全体に対する含有率(質量%)を意味する。
[実施例6~実施例9及び比較例10~比較例13]
バインダーの種類及び配合量を表3に示すとおりに変えた点以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例6~実施例9及び比較例10~比較例13の印刷用塗工紙を得た。なお、表3におけるバインダーの配合量は、顔料100質量部に対する配合量(質量部)を意味する。
[評価]
得られた各印刷用塗工紙について、下記方法にて顔料インクの印刷適性及び染料インクの印刷適性について評価した。評価結果について、表1~表3に示す。
(顔料インクの印刷適性)
(1)印字濃度
各印刷用塗工紙について、プリンター(PX-405A セイコーエプソン(株)製)を使用して顔料インクで印刷した。印刷モードは、「普通紙モード、速度優先1」とした。上記印刷によって得られた印刷物について、1色(ブラック)の印字濃度を測定した。印字濃度の測定は、測色計(FD-7(コニカミノルタ(株)製)を用いて、塗りつぶし部分を測定した。測定条件は、MO(A光源)、濃度ステータスEとした。印字濃度はインクジェット輪転機での印字サンプルの官能評価、印字濃度測定結果と上記プリンターでの印字濃度測定結果の相関を求め、1.5以上を十分な印字濃度が得られているラインとした。
(2)インクの乾燥性
プリンター(PX-405A セイコーエプソン(株)製)を使用して顔料インクで罫線を印刷した。印刷モードは、「普通紙モード、速度優先1」とした。印刷直後にティシューペーパーで擦り、擦れ汚れの大きさを目視にて判定した。擦れ汚れの大きさは、以下の四段階の評価基準で評価した。
◎:印刷部分に擦れ汚れが殆どなく、インクの乾燥性が優れる
〇:印刷部分に擦れ汚れが認められるが、ほとんど目立たずインクの乾燥性が良好である△:印刷部分に汚れがあるが、実用に供することができる
×:印刷部分の汚れが酷く、インクの乾燥性が劣る
(染料インクの印刷適性)
(1)印字濃度
各印刷用塗工紙について、プリンター(EP-803A セイコーエプソン(株)製)を使用して染料インクで印刷した。印刷モードは、「普通紙モード、標準」とした。上記印刷によって得られた印刷物について、1色(ブラック)の印字濃度を測定した。印字濃度の測定は、測色計(FD-7(コニカミノルタ(株)製)を用いて、塗りつぶし部分を測定した。測定条件は、MO(A光源)、濃度ステータスEとした。印字濃度はインクジェット輪転機での印字サンプルの官能評価、印字濃度測定結果と上記プリンターでの印字濃度測定結果の相関を求め、1.1以上を十分な印字濃度が得られているラインとした。
(2)インクの乾燥性
プリンター(EP-803A セイコーエプソン(株)製)を使用して染料インクで罫線を印刷した。印刷モードは、「普通紙モード、標準」とした。印刷直後にティシューペーパーで擦り、擦れ汚れの大きさを目視にて判定した。擦れ汚れの大きさは、以下の四段階の評価基準で評価した。
◎:印刷部分に擦れ汚れが殆どなく、インクの乾燥性が優れる
〇:印刷部分に擦れ汚れが認められるが、ほとんど目立たずインクの乾燥性が良好である△:印刷部分に汚れがあるが、実用に供することができる
×:印刷部分の汚れが酷く、インクの乾燥性が劣る
(3)インクの耐水性
プリンター(EP-803A セイコーエプソン(株)製)を使用して染料インクで印刷した。印刷モードは、「普通紙モード、標準」とした。印刷直後に用紙全体を水道水に浸し、すぐに引き上げて机上で1時間放置した後、目視にて判定した。耐水性は、以下の四段階の評価基準で評価した。
◎:印刷部分にインクの流れやにじみが殆どなく、耐水性が優れる
〇:印刷部分にインクの流れやにじみが認められるが、ほとんど目立たず耐水性が良好である
△:印刷部分にインクの流れやにじみが認められるが、実用に供することができる
×:印刷部分のインクの流れやにじみが酷く、実用に問題がある
(塗工層の表面強度)
メンディングテープを塗工層の表面に貼り付けて剥がし黒い紙に貼り付けて、塗工層の表面から脱落した紙粉の量を目視にて基準サンプルと比較し判定した。脱落した紙粉の量は、以下の四段階の評価基準で評価した。
◎:紙粉の脱落が全く見られず、表面強度が優れる
○:紙粉の脱落がほとんど見られず、表面強度が良好である
△:若干紙粉の脱落が見られるが、表面強度が許容範囲である
×:紙粉の脱落が顕著に見られ、表面強度が劣る
Figure 0007297418000001
表1に示すように、塗工層の最外層が、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有する実施例1は、印字濃度、インクの乾燥性、インクの耐水性及び塗工層の表面強度の全てにおいて良好であった。一方、軽質炭酸カルシウムの一次粒子の形状が立方体形状であっても凝集体でない軽質炭酸カルシウムを顔料として用いた比較例1は、顔料インクの乾燥性、染料インクの乾燥性及び耐水性が劣っていた。また、一次粒子の形状が立方体形状でない軽質炭酸カルシウムを顔料として用いた比較例2~比較例7は、凝集体であるか否かに係わらず、インクの乾燥性、インクの耐水性及び塗工層の表面強度のうちのいずれかが劣っていた。
Figure 0007297418000002
表2に示すように、顔料として凝集軽質炭酸カルシウムと、凝集軽質炭酸カルシウム以外のその他の顔料を用いる場合、凝集軽質炭酸カルシウム及びその他の顔料の合計含有量に対するその他の顔料の含有割合が40質量%以下の実施例1~実施例5は、印字濃度、インクの乾燥性、インクの耐水性及び塗工層の表面強度の全てにおいて良好であった。一方、重質炭酸カルシウムの含有割合が40質量%を超える比較例8は、印字濃度、インクの乾燥性及びインクの耐水性が劣っていた。また、焼成クレーの含有割合が40質量%を超える比較例9は、顔料インク、染料インクの印字濃度、及び塗工層の表面強度が劣っていた。
Figure 0007297418000003
表3に示すように、顔料として凝集軽質炭酸カルシウムを用いる場合、バインダーについては、ラテックスとPVAの比率、合計の質量部等、ある程度変動しても、印字濃度、インクの乾燥性、インクの耐水性及び塗工層の表面強度は実用可能な範囲に収まるため、用途に応じて適宜変更することができる。
以上の結果から、当該印刷用塗工紙は、凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として用いることで製造コストを軽減しつつ、印字濃度及びインクの乾燥性に優れることが示された。
本発明の印刷用塗工紙は、優れた印刷適性を有し、インクジェット印刷用途等に好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 基紙と、
    この基紙の少なくとも一方の面上に積層される顔料及びバインダーを主成分とする一又は複数の塗工層と
    を備え、
    上記塗工層の最外層が、一次粒子の形状が立方体形状である軽質炭酸カルシウムの凝集体である凝集軽質炭酸カルシウムを顔料として含有し、
    上記軽質炭酸カルシウムの1次粒子の平均粒子径が0.05μm超0.15μm未満であり、かつ上記凝集軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が1.0μm以上であり、
    上記塗工層における上記凝集軽質炭酸カルシウムの含有率が固形分換算で45質量%以上90質量%以下であり、
    上記凝集軽質炭酸カルシウムのレーザー回析散乱法により測定された粒度分布曲線の90体積%粒子径の上記粒度分布曲線の10体積%粒子径に対する割合(D90/D10)が5以下であり、
    上記塗工層中の上記顔料100質量部に対する上記バインダーの含有量が12質量部以上22質量部以下であり、
    上記バインダーがポリビニルアルコール又はその変性物とスチレンブタジエンラテックスとを含み、
    上記スチレンブタジエンラテックス含有量が上記ポリビニルアルコールの含有量と同じ又は上記ポリビニルアルコールの含有量よりも多く、
    紙厚が40μm以上145μm以下、坪量が40g/m 以上145g/m 以下、上記塗工膜の塗工量が6g/m 以上15g/m 以下であるインクジェット印刷に用いられる印刷用塗工紙。
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