JP2017196748A - 転写用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質の劣化の無いおよび発色性の低下の無い図柄を被印刷物に形成することが可能である転写用紙を提供することである。【解決手段】課題は、昇華型染料インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙であって、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に塗工層を1層以上有し、原紙を基準として最も外側に位置する最外塗工層が、沈降法シリカ、ポリビニルアルコール類、スチレン−ブタジエン共重合体、および脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を含有する転写用紙によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維材料などの被印刷物へ図柄を形成する転写捺染法において、図柄を転写するために使用される転写用紙に関する。
繊維材料などの被印刷物に図柄を形成させる方法として、昇華型染料インクを用いて転写用紙に図柄を印刷して転写紙を作製し、転写紙を被印刷物に密着させて、昇華型染料インクを被印刷物に転写させる転写捺染法が公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
転写捺染法に用いる転写用紙は公知である。
例えば、水性インクの吸収性に優れて滲みなどのない鮮明な記録画像を得ることができ、昇華転写の際の転写対象物へのインク転写効率にも優れた昇華転写用シートとして、シート状基材と、前記シート状基材の片面又は両面に設けられるインク受理層とを包含し、インク受理層には顔料とバインダーとカチオン性樹脂とが含まれ、前記バインダーとしては、デンプン、デンプン誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールの何れか1種又はそれら2種以上の混合物が使用されることを特徴とする昇華転写用シートが公知である(例えば、特許文献3参照)。
また、昇華型染料インクを用いたインクジェット印刷において優れたインク吸収・乾燥性を有しており作業性が良好であるとともに、転写紙表面での画像再現性、加熱転写時の耐熱性、転写後の被転写物表面での画像再現性や転写効率の点でも良好な特性を有する昇華型染料インクジェット捺染転写紙として、基材上に昇華型染料インク受容層を有し、前記昇華型染料インク受容層は、水溶性樹脂と微細粒子を含有し、前記微細粒子として、合成非晶質シリカを含有し、前記昇華型インクジェット捺染転写紙の昇華型染料インク受容層側における超音波透過強度の相対値における最小値のピークを、測定時間3秒以内に有する昇華型インクジェット捺染転写紙が公知である(例えば、特許文献4参照)。
昇華型染料インクを用いて転写用紙に図柄を印刷して転写紙を作製する方法としては、特許文献3および特許文献4に記載されるように、インクジェット印刷方式がよく用いられる。
特開2015−168705号公報 特開2015−124324号公報 特開2010−158875号公報 特開2010−058335号公報
図柄が印刷される前の白紙である転写用紙と、転写用紙に図柄が印刷されて得られる転写紙との間では、相反する2つの特性を有する必要がある。すなわち、転写用紙では、昇華型染料インクを上手く受容する能力を要求され、転写紙では、昇華型染料インクを被印刷物に上手く転写する能力を要求される。
最終的な被印刷物の画質が劣化しないように転写紙における画質が鮮鋭でなければならない。そのために、転写用紙は、印刷時において昇華型染料インクを滲み無く受容する必要がある。
一方、転写紙は、昇華型染料インクに対する受容性が向上すると、被印刷物に図柄を形成する転写時において昇華型染料インクの転写性が低下する場合がある。その結果、被印刷物では発色性の低下が起こる。
本発明の目的は、画質の劣化の無いおよび発色性の低下の無い図柄を被印刷物に形成することが可能である転写用紙を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、課題は、昇華型染料インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙であって、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に塗工層を1層以上とを有し、原紙を基準として最も外側に位置する最外塗工層が、沈降法シリカ、ポリビニルアルコール類、スチレン−ブタジエン共重合体、および脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を含有する転写用紙によって解決できる。
本発明により、画質の劣化の無いおよび発色性の低下の無い図柄を被印刷物に形成することが可能である転写用紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、「転写用紙」とは、転写する図柄が印刷される前の白紙状態にある用紙をいう。「転写紙」とは、転写用紙に対して転写する図柄が印刷された状態にある用紙をいう。
転写用紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に塗工層を1層以上とを有する。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。ここで、原紙の片面において塗工層が1層のみである場合、当該塗工層が最外塗工層になる。
製造コストの点から、塗工層は2層以下が好ましく、1層がより好ましい。また、塗工層は原紙の片面上または両面上に有してよい。製造コストの点から、塗工層は、原紙の片面上に有することが好ましい。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(Deinked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン性樹脂や多価陽イオン塩などのカチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理や表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
原紙の坪量は特に限定されない。被印刷物へ転写に対する取扱易さの点から、原紙の坪量は10g/m以上100g/m以下が好ましく、40g/m以上80g/m以下がさらに好ましい。また、転写用紙の厚さは特に限定されない。被印刷物へ転写に対する取扱易さの点から、転写用紙の厚さは0.01mm以上0.5mm以下が好ましく、0.05mm以上0.3mm以下がさらに好ましい。
塗工層は、原紙上に塗工層塗工液を塗工した後に乾燥することによって、原紙の少なくとも片面上に設けることができる。
塗工層の塗工量は特に限定されない。転写用紙の製造コストや被印刷物に対する密着性の点から、塗工量は、乾燥固形分量で5g/m以上70g/m以下が好ましく、15g/m以上30g/m以下がさらに好ましい。塗工層が複数の場合は、それら合計の塗工量である。
原紙上に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて塗工および乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
最外塗工層は、沈降法シリカ、ポリビニルアルコール類、スチレン−ブタジエン共重合体、および脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を含有する。
最外塗工層において、沈降法シリカ、ポリビニルアルコール類、スチレン−ブタジエン共重合体、および脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物の合計が最外塗工層の塗工量に占める割合は、最外塗工層の乾燥固形分に対して90質量%以上であることが好ましい。
最外塗工層において、沈降法シリカを含む顔料100質量部に対して、ポリビニルアルコール類は15質量部以上45質量部以下、スチレン−ブタジエン共重合体は25質量部以上55質量部以下、脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物は2質量部以上20質量部以下が好ましい。
また最外塗工層において、ポリビニルアルコール類とスチレン−ブタジエン共重合体との含有量の関係は、「ポリビニルアルコール類の含有量<スチレン−ブタジエン共重合体の含有量」が好ましい。
沈降法シリカは非晶質合成シリカの1種である。非晶質合成シリカは、製造法によって、湿式法シリカと気相法シリカとに大別することができる。湿式法シリカは、さらに製造方法によって、沈降法シリカ、ゲル法シリカおよびゾル法シリカに分類される。
沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸とをアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集および沈降し、その後、濾過・水洗・乾燥・粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカは、例えば、エボニックデグサ社からカープレックスとして、水澤化学工業社からミズカシルとして、東ソー・シリカ社からニップシールとして市販されている。
ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸とを酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、複数の一次粒子が結合して成長するために明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカは、例えば、東ソー・シリカ社からニップゲルとして、グレースジャパン社からサイリシアとして市販されている。
ゾル法シリカは、一般にコロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダを酸等による複分解やイオン交換樹脂を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。ゾル法シリカは、例えば、日産化学工業社からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。一般的には、四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法である。他に四塩化ケイ素の代わりまたは併用して、メチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類を用いる方法がある。気相法シリカは、例えば、日本アエロジル社からアエロジル、トクヤマ社からレオシールとして市販されている。
沈降法シリカの平均粒子径は、10nm以上500nm以下が好ましい。この範囲であると、一層、画質の劣化の無い図柄を被印刷物に形成することができる。
ここで、平均粒子径は、単粒子で存在する場合は単粒子の平均粒子径であり、凝集粒子で存在する場合は凝集粒子の平均粒子径である。
平均粒子径は、エネルギー分散形X線分光器などの元素分析機能付走査型電子顕微鏡を用いて転写用紙の最外塗工層表面の電子顕微鏡写真を撮影し、撮影された粒子を撮影画像の面積が近似する円と見なして粒子径を計算し、撮影画像内に存在する100個の粒子を測定することによって算出する。
最外塗工層は、沈降法シリカ以外に従来公知の顔料を含有することができる。従来公知の顔料は、例えば、ゲル法シリカ、ゾル法シリカ、アルミナゾル、アルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、クレー、タルク、酸化チタン、カオリン、焼成カオリン、酸化亜鉛、活性白土、珪藻土、レーキ、プラスチックピグメントなどを挙げることができる。
最外塗工層中の顔料に占める沈降法シリカの割合は、70質量%以上が好ましい。
ポリビニルアルコール類は、従来公知のポリビニルアルコールおよびその変性誘導体であって、例えば、完全または部分ケン化のポリビニルアルコール、カチオン変性やシラノール変性等の変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。ケン化度は80モル%以上が好ましい。
スチレン−ブタジエン共重合体は、スチレン系モノマー化合物とブタジエンとの共重合体からなる樹脂である。スチレン系モノマー化合物は、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル基に置換基を有するスチレン誘導体、およびビニルトルエン、p−クロルスチレンなどのベンゼン環に置換基を有する誘導体を挙げることができる。
最外塗工層は、ポリビニルアルコール類およびスチレン−ブタジエン共重合体以外に従来公知のバインダーを含有することができる。従来公知のバインダーは、例えば、澱粉およびその変性誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性共重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等のバインダー、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等を挙げることができる。
最外塗工層中のバインダーに占めるポリビニルアルコール類およびスチレン−ブタジエン共重合体の合計の割合は、80質量%以上が好ましい。
脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物は、カチオン性樹脂の一種であって、脂肪族モノアミンおよび脂肪族ポリアミンから選ばれる1種以上と、エピハロヒドリン化合物から選ばれる1種以上との重縮合物である。脂肪族モノアミンは、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノ、ジあるいはトリエタノールアミンなどである。脂肪族ポリアミンは、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、メタキシレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、1,3−ジアミノブタンなどである。エピハロヒドリン化合物は、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロルヒドリン、メチルエピブロモヒドリンなどである。脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物は、商業的入手容易性の点から、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物が好ましい。
最外塗工層は、転写捺染法で従来公知の各種助剤を含有することができる。助剤は、最外塗工層塗工液の各種物性を最適化する、あるいは転写される昇華型染料インクの染着性を向上させるため等に加えられるものである。助剤は、例えば、各種界面活性剤、増粘剤、保湿剤、湿潤剤、pH調整剤、アルカリ剤、濃染化剤、防腐剤、防バイ剤、脱気剤、消泡剤および還元防止剤等を挙げることができる。
塗工層が2層以上の場合、最外塗工層と原紙との間にある塗工層は、顔料とバインダーとを有する塗工層または顔料を含有せず樹脂からなる塗工層など特に限定されない。
転写紙は、昇華型染料インクを備える従来公知の各種印刷方法を用いて、転写用紙の最外塗工層を有する面側に図柄を印刷することによって得ることができる。
転写用紙に図柄を印刷する各種印刷方法は、従来公知の印刷方法であって、特に限定されない。印刷方法は、例えば、グラビア印刷方式、インクジェット印刷方式、電子写真印刷方式およびスクリーン印刷方式などを挙げることができる。中でも、画質の高精細化および装置の小型化の点でインクジェット印刷方式が好ましい。
転写捺染法は、転写用紙に図柄を印刷して転写紙を得る工程と、転写紙を被印刷物に密着させる工程と、転写紙を被印刷物から剥離して被印刷物に転写した染料を固着処理する工程とを有する方法である。密着させる工程には、必要に応じて、加熱および加圧が含まれる。密着させる工程における加熱および加圧の条件は、転写捺染法で従来公知の条件である。密着させる工程は、例えば、プレス機や加熱ドラムなどにより転写紙を被印刷物に密着させ加熱および加圧する方法を挙げることができる。
被印刷物に転写した染料を固着処理する条件は、転写捺染法で従来公知のスチーミング等の固着条件である。例えば、100〜220℃の蒸気によって5〜30分間スチーミングするという条件を適用することができる。
固着処理後の被印刷物は、水洗またはソーピングなど転写捺染法で従来公知の洗浄処理を施すことができる。
被印刷物は、繊維材料であって、特に限定されない。繊維材料は、天然繊維材料および合成繊維材料のいずれでも構わない。天然繊維材料は、例えば、綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料等を挙げることができる。合成繊維材料は、例えば、ポリアミド繊維(ナイロン)、ビニロン、ポリエスエル、ポリアクリル等を挙げることができる。繊維材料の構成としては、織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊または交織などを挙げることができる。さらに、これらの構成が複合化してもよい。また、必要に応じて、染着促進に効果のある薬剤などで被印刷物を前処理してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<最外塗工層塗工液の調製>
水を媒体として、下記の材料を表1に記載の配合で最外塗工層塗工液を調製した。最終的に、最外塗工層塗工液の濃度は40質量%とした。
Figure 2017196748
沈降法シリカ:ミズカシルP−510、平均粒子径10μm、水澤化学工業社製。
ゾル法シリカ:スノーテックスOL、平均粒子径40〜50nm、日産化学工業社製。
アルミナゾル:AS−520、平均粒子径15〜30nm、日産化学工業社製。
スチレン−ブタジエン共重合体:E1585、旭化成ケミカルズ社製。
ポリビニルアルコール:PVA617、クラレ社製。
澱粉:Cato3210、日本エヌエスシー社製。
カチオン性樹脂A:ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物、ジェットフィックス5052、里田化工社製。
カチオン性樹脂B:カチオン性アクリルアミド系樹脂、SR1001、住友化学社製。
<転写用紙の調製>
坪量77g/mの上質紙の表面へ、最外塗工層塗工液を、エアーナイフコーターを用いて片面に塗工および乾燥した。このとき、最外塗工層の塗工量は15g/mとした。
<転写紙の調製>
以上により得られた各転写用紙に、昇華型染料インクを使用したインクジェットプリンター(JV2−130II、ミマキエンジニアリング社製)を用いて、昇華型染料インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)による評価用図柄を印刷し、転写紙を得た。
<捺染>
被印刷物として綿布を用いた。得られた転写紙と綿布とを密着させ、熱転写用プレス機(手動ワイドスインガーModel221、INSTA社製)を用いて140℃、10分間加熱し、染料を綿布へ転写した。転写紙を綿布から剥離した後に、100℃で15分間スチーミングによる固着処理を行い、次に常法により水洗、ソーピング、水洗および乾燥を行い、図柄が形成された綿布を得た。
<画質の評価>
図柄が形成された綿布に対して、図柄の鮮鋭性の点から、下記の基準により画質を官能評価した。本発明において、評価がAまたはBであれば画質の劣化が無いものとした。
A:良好なレベル。
B:画質の劣化が殆ど認められず、概ね良好なレベル。
C:画質の劣化が認められるが、実用上問題の無いレベル。
D:使用不可のレベル。
<発色性の評価>
被印刷物において、昇華型染料インク3色(シアン、マゼンタ、イエロー)のベタ画像部を光学濃度計(X−rite530、サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて色濃度を測定し、3色の色濃度値を合計した。下記の基準により判断した。本発明において、評価がAであれば発色性の低下が無いものとした。
A:合計の値が4.4以上
B:合計の値が4.4未満
Figure 2017196748
表2の評価結果から、本発明に該当する実施例1〜5は、画質の劣化および発色性の低下が無いことが分かる。本発明の構成を満足しない比較例1〜5は、画質の劣化および発色性の低下の両方が無いという本発明の効果を得ることができないと分かる。

Claims (1)

  1. 昇華型染料インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙であって、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に塗工層を1層以上とを有し、原紙を基準として最も外側に位置する最外塗工層が、沈降法シリカ、ポリビニルアルコール類、スチレン−ブタジエン共重合体、および脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を含有する転写用紙。
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