JP6656203B2 - 転写用紙 - Google Patents

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本発明は、繊維材料などの被印刷物へ図柄を形成する転写捺染法において、図柄を転写するために使用される転写用紙に関する。
繊維材料などの被印刷物に図柄を形成させる方法として、昇華型捺染インクを用いて転写用紙に図柄を印刷して転写紙を作製し、転写紙を被印刷物に密着させて、昇華型捺染インクを被印刷物に転写させる転写捺染法が公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
転写捺染法に用いる転写用紙は公知である。
例えば、水性インクの吸収性に優れて滲みなどのない鮮明な記録画像を得ることができ、昇華転写の際の転写対象物へのインク転写効率にも優れた昇華転写用シートとして、シート状基材と、前記シート状基材の片面又は両面に設けられるインク受理層とを包含し、インク受理層には顔料とバインダーとカチオン性樹脂とが含まれており、顔料としては沈降法シリカが使用され、かつ前記バインダーとしては、デンプン、デンプン誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールの何れか1種又はそれら2種以上の混合物が使用されることを特徴とする昇華転写用シートが公知である(例えば、特許文献3参照)。
また、優れたインク乾燥性と裏抜け防止性を有するとともに、転写による画像再現性や転写効率の点でも良好な特性を有する昇華捺染型転写紙として、基材上に昇華捺染インク受容層を有する昇華捺染型転写紙であって、前記昇華捺染インク受容層は、主成分として水溶性樹脂と微細粒子が分散されてなるとともに、ノニオン性界面活性剤が含有され、前記昇華捺染インク受容層表面が凹凸を形成してなることを特徴とする昇華捺染型転写紙が公知である(例えば、特許文献4参照)。
昇華型染料を含有するインクや昇華型捺染インクを用いて転写用紙に図柄を印刷して転写紙を作製する方法としては、特許文献3および特許文献4に記載されるように、インクジェット印刷方式がよく用いられる。
特開2015−168705号公報 特開2015−124324号公報 特開2010−158875号公報 特開2009−131958号公報
図柄が印刷される前の白紙である転写用紙と、転写用紙に図柄が印刷されて得られる転写紙との間では、相反する2つの特性を有する必要がある。すなわち、転写用紙では、昇華型捺染インクを上手く受容する能力を要求され、転写紙では、昇華型捺染インクを被印刷物に上手く転写する能力を要求される。
転写用紙は、被印刷物に形成された図柄の画質が劣化しないよう鮮鋭な画像を有する転写紙になるために昇華型捺染インクに対する受容性を向上する必要がある。さらに、転写用紙は、鮮鋭な画像を有する転写紙から、被印刷物に形成される図柄の画質を劣化させない必要がある。
一方、転写紙は、昇華型捺染インクに対する転写用紙の受容性が向上すると、被印刷物に図柄を形成する転写時において昇華型捺染インクの転写が不十分となる場合がある。その結果、被印刷物では発色性の低下が起こる。
また、転写は、転写紙と被印刷物とを密着させて行うために、転写紙が被印刷物に上手く密着できなければならない。上記の画像形成時における画質の劣化とは別に、転写紙と被印刷物との密着が上手く行かないために起こる画質の問題がある。転写紙と被印刷物とが上手く密着していない領域では画像のピンボケまたは歪み等が発生する。
被印刷物へ連続的に転写する場合は、ロール紙状の転写紙と被印刷物とを密着させて転写が行われる。特に、連続的に転写を進めるためには、転写紙が被印刷物に上手く密着することが、より重要になる。
特許文献3の昇華転写用シートや特許文献4の昇華捺染型転写紙の品質は必ずしも十分とはいえず、特に、密着性に関して向上が望まれる。
上記を鑑みて本発明の目的は、下記の項目を満足する転写用紙を提供することである。
(1)被印刷物において画像の劣化が抑制できること(耐画像劣化性)
(2)被印刷物において発色の低下が抑制できること(発色性)
(3)転写紙と被印刷物とが上手く密着すること(密着性)
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の目的は、以下により達成される。
[1]原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有し、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が顔料、バインダー、ポリアクリル酸塩およびアセチレングリコール誘導体を少なくとも含有する、昇華型捺染インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙。
[2]最外塗工層において、バインダー100質量部に対するポリアクリル酸塩の含有量が0.1質量部以上3.5質量部以下である前記[1]に記載の転写用紙。
[3]前記ポリアクリル酸塩が、ポリアクリル酸アンモニウムである前記[1]または[2]に記載の転写用紙。
[4]ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定される前記ポリアクリル酸アンモニウムの重量平均分子量が5000以上30000以下である前記[3]に記載の転写用紙。
本発明により、耐画像劣化性を有し、発色性が良好であり、および密着性に優れる転写用紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、「転写用紙」とは、転写する図柄が印刷される前の白紙状態にある用紙をいう。「転写紙」とは、転写用紙に対して転写する図柄が印刷された状態にある用紙をいう。
転写用紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有する。塗工層が1層の場合において、該塗工層が最外塗工層に該当し、該最外塗工層が顔料、バインダー、ポリアクリル酸塩およびアセチレングリコール誘導体を少なくとも含有する。塗工層が2層以上の場合において、原紙を基準として最も外側に位置する最外塗工層が顔料、バインダー、ポリアクリル酸塩およびアセチレングリコール誘導体を少なくとも含有する。塗工層が2層以上の場合において、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、顔料およびバインダーを含有する塗工層または顔料を含有しない塗工層のいずれであってもよく、さらにポリアクリル酸塩もしくはアセチレングリコールの有無など、特に限定しない。
製造コストの点から、塗工層は1層が好ましい。また塗工層は、原紙の片面上または両面上に有してよい。転写用紙は、本発明に係る最外塗工層が原紙の片面上に有する場合、原紙の裏面に従来公知のバックコート層を有してよい。
塗工層の塗工量は特に限定されない。転写用紙の製造コストや被印刷物に対して密着させ易い点から、塗工量は、片面あたり乾燥固形分量で2g/m以上70g/m以下が好ましい。塗工量の上限は30g/m以下がより好ましく、20g/m以下がさらに好ましい。さらにまた、製造コスト削減および被印刷物と密着する際に塗工層が欠落することを抑制できる理由から、塗工量は、片面あたり2g/m以上12g/m以下が最も好ましい。塗工量は、片面あたり塗工層が複数存在する場合、それら合計の値である。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。さらに原紙には、抄造紙にカレンダー処理、澱粉やポリビニルアルコール等で表面サイズ処理、あるいは表面処理等を施した上質紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理や表面処理を施した後にカレンダー処理した上質紙が含まれる。
抄造は、紙料を酸性、中性またはアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を挙げることができる。
原紙の坪量は特に限定されない。被印刷物への転写に対する取扱易さの点から、原紙の坪量は10g/m以上100g/m以下が好ましく、30g/m以上90g/m以下がさらに好ましい。また、転写用紙の厚さは特に限定されない。被印刷物への転写に対する取扱易さの点から、転写用紙の厚さは0.01mm以上0.5mm以下が好ましく、0.05mm以上0.3mm以下がさらに好ましい。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などから選ばれる1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
転写用紙は、原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層を有する。塗工層は、原紙上に塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって原紙上に設けることができる。
原紙上に塗工層を設ける方法は特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて塗工および乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーター等を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
最外塗工層は、顔料、バインダー、ポリアクリル酸塩およびアセチレングリコール誘導体を少なくとも含有する。
最外塗工層中、顔料とバインダーとの含有質量比は、顔料:バインダー=20:80〜80:20が好ましい。また、顔料の比表面積が比較的大きい場合は、顔料:バインダー=20:80〜40:60が好ましく、顔料の比表面積が比較的小さい場合は、顔料:バインダー=50:50〜80:20が好ましい。ここで、BET比表面積で150m/g以下であると顔料の比表面積は比較的小さく、BET比表面積で150m/gを超えると顔料の比表面積は比較的大きい。
最外塗工層中のポリアクリル酸塩の含有量は、顔料およびバインダーの合計100質量部に対して、0.1質量部以上1質量部以下が好ましい。また最外塗工層において、バインダー100質量部に対するポリアクリル酸塩の含有量は0.1質量部以上3.5質量部以下が好ましい。
最外塗工層中のアセチレングリコール誘導体の含有量は、顔料およびバインダーの合計100質量部に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下が好ましい。
なお本発明において、本発明に係るポリアクリル酸塩の含有量は、バインダーの含有量に含めない。
最外塗工層の顔料は、塗工紙分野で従来公知の顔料であって特に限定されない。顔料は白色顔料が好ましく、白色顔料の例としては、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、活性白土、珪藻土などの無機顔料、およびプラスチック顔料などの有機顔料を挙げることができる。最外塗工層は、これら顔料から選ばれる1種または2種以上を含有する。
比表面積が比較的小さい顔料では、カオリンや軽質炭酸カルシウムが好ましい。比表面積が比較的大きい顔料では、シリカが好ましい。
最外塗工層のバインダーは、従来公知のバインダーであって特に限定されない。但し、本発明においてポリアクリル酸塩は従来公知のバインダーから除く。従来公知のバインダーの例としては、澱粉および各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよび各種変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性共重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等のバインダー、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等を挙げることができる。最外塗工層は、これらバインダーから選ばれる1種または2種以上を含有する。
最外塗工層のポリアクリル酸塩は、下記一般式で表されるアクリル酸塩に由来する構造単位の1種または2種以上を含み、単独重合体もしくは共重合体、または必要に応じて他の構造単位を含む共重合体である。本発明のポリアクリル酸塩は、下記一般式で表されるアクリル酸塩に由来する構造単位が全体の50mol%以上を占める重合体が好ましい。
Figure 0006656203
上記一般式中、Mは、Na、KまたはNHである。
ポリアクリル酸塩は、ポリアクリル酸アンモニウムが好ましい。この理由は、特に耐画像劣化性がより良好になるからである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定されるポリアクリル酸アンモニウムの重量平均分子量は、1500以上50000以下が好ましく、5000以上30000以下の範囲がより好ましい。この理由は、密着性が良化するからである。重量平均分子量が1500以上50000以下であるポリアクリル酸アンモニウムは、顔料に対する保護コロイドとして優れるために最外塗工層の柔軟性が増す。その結果、密着性が良化すると考えられる。重量平均分子量が1500未満では保護コロイドとして不十分になると、また50000を超えると柔軟性が得られ難いと、考えられる。
本発明の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法のポリエチレングリコール換算値である。
最外塗工層のアセチレングリコール誘導体は、下記一般式(1)または(2)で示される化合物である。
Figure 0006656203
上記一般式(1)中のR、R、RおよびRは、それぞれ炭素数1以上5以下のアルキル基を示す。R、R、RおよびRは、アセチレン基を中心に左右対称構造であることが好ましい。
Figure 0006656203
上記一般式(2)中のR、R、RおよびRは、それぞれ炭素数1以上5以下のアルキル基を示す。mおよびnは、それぞれ1以上25以下の整数であり、m+nは2以上40以下である。OEはオキシエチレン鎖(−O−CH−CH−)、OPはオキシプロピレン鎖(−O−CH−CH[CH]−)である。OEおよびOPはそれぞれ単独鎖であっても混合鎖であってもよい。R、R、RおよびRは、アセチレン基を中心に左右対称構造であることが好ましい。
アセチレングリコール誘導体は、日信化学工業社から「Surfynol(登録商標)」または「Olfine(登録商標)」の名称で、川研ファインケミカル社から「Acetylenol(登録商標)」の名称で市販されている。
本発明において、アセチレングリコール誘導体は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールまたは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレートが好ましい。この理由は、商業的に入手し易いためである。
最外塗工層は、ポリアクリル酸塩およびアセチレングリコール誘導体以外に、必要に応じて塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、分散剤、定着剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を挙げることができる。
また、最外塗工層は、転写捺染法で従来公知の各種助剤を含有することができる。助剤は、最外塗工層塗工液の各種物性を最適化する、あるいは転写される昇華型捺染インクの染着性を向上させるため等に加えられるものである。助剤は、例えば、各種界面活性剤、保湿剤、湿潤剤、pH調整剤、アルカリ剤、濃染化剤、脱気剤および還元防止剤等を挙げることができる。
転写紙は、昇華型捺染インクを備える従来公知の各種印刷方法を用いて、転写用紙の最外塗工層を有する面側に図柄を印刷することによって得ることができる。
転写用紙に図柄を印刷する各種印刷方法は、従来公知の印刷方法であって、特に限定されない。印刷方法は、例えば、グラビア印刷方式、インクジェット印刷方式、電子写真印刷方式およびスクリーン印刷方式などを挙げることができる。中でも、画質の高精細化および装置の小型化の点でインクジェット印刷方式が好ましい。
昇華型捺染インクを用いた転写捺染法は、転写用紙に図柄を印刷して転写紙を得る工程と、転写紙を被印刷物に密着させる工程とを有する方法である。密着させる工程には、必要に応じて、加熱および加圧が含まれる。密着させる工程における加熱および加圧の条件は、転写捺染法で従来公知の条件である。密着させる工程は、例えば、プレス機や加熱ドラムなどにより転写紙を被印刷物に密着させ加熱および加圧する方法を挙げることができる。
被印刷物は、繊維材料であって、特に限定されない。繊維材料は、天然繊維材料および合成繊維材料のいずれでも構わない。天然繊維材料は、例えば、綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料等を挙げることができる。合成繊維材料は、例えば、ポリアミド繊維(ナイロン)、ビニロン、ポリエスエル、ポリアクリル等を挙げることができる。繊維材料の構成としては、織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊または交織などを挙げることができる。さらに、これらの構成が複合化してもよい。また、必要に応じて、染着促進に効果のある薬剤などで被印刷物を前処理してもよい。
昇華型捺染インクを用いる転写捺染法において、被印刷物は、合成繊維材料が好ましい。天然繊維材料では前処理が必要な場合が多い。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<原紙>
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム10質量部、両性澱粉1.2質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、酸化澱粉を片面あたり1.5g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量62g/mの原紙を作製した。
<最外塗工層塗工液>
最外塗工層塗工液は、表1に記載の材料を用いて水に混合および分散して調製した。
最外塗工層塗工液中の各材料の配合量も表1に記載した。
表1において、シリカAは、東ソー・シリカ社製NIPGEL(登録商標) AY−200である。シリカBは、水澤化学工業社製MIZUKASIL(登録商標) P−527である。軽質炭酸カルシウムは、奥多摩工業社製のタマパール(登録商標) TP221Fである。アセチレングリコール誘導体Aは、日信化学工業社製Surfynol 104E(一般式(1)の構造)である。アセチレングリコール誘導体Bは、日信化学工業社製Olfine E1010(一般式(2)の構造)である。アセチレンアルコールは、日信化学工業社製Olfine Bである。ポリアクリル酸アンモニウムは、実施例24および25を除き、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定される重量平均分子量が約22000のものを用いた。実施例24および25のポリアクリル酸アンモニウムは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定される重量平均分子量が約6000のものを用いた。
<転写用紙>
転写用紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に、最外塗工層塗工液をエアナイフコーターにて片面に塗工し、熱風乾燥機で乾燥させた後、カレンダー処理をして転写用紙を得た。塗工量は、表1に記載した。
Figure 0006656203
表1中の「ポリアクリル酸塩含有質量比率」は、最外塗工層におけるバインダー100質量部に対するポリアクリル酸塩の含有量である。
<転写紙の調製>
得られた転写用紙に、昇華型捺染インクを使用したインクジェットプリンター(JV2−130II、ミマキエンジニアリング社製)を用いて、昇華型捺染インク(シアン、マゼンタ、イエロー)による評価用図柄を印刷し、転写紙を得た。
<捺染(カット紙)>
被印刷物としてポリエステル布を用いた。得られた転写紙とポリエステル布とを密着させ、熱転写用プレス機(手動ワイドスインガーModel221、INSTA社製)を用いて200℃、1分間加熱し、染料をポリエステル布へ転写した。その後転写紙をポリエステル布から剥離して、図柄が形成されたポリエステル布を得た。
<耐画像劣化性の評価>
図柄が形成されたポリエステル布に対して、図柄の鮮鋭性の点から、耐画像劣化性を下記の基準により画質を官能評価した。本発明において、転写用紙は、評価がA、BまたはCであれば耐画像劣化性を有するものとする。
A:良好なレベル。
B:画質の劣化が殆ど認められず、概ね良好なレベル。
C:画質の劣化が認められるが、実用上問題の無いレベル。
D:実用上不可になる画像の劣化が認められるレベル。
<発色性の評価>
被印刷物において、昇華型捺染インク3色(シアン、マゼンタ、イエロー)のベタ画像部を光学濃度計(X−rite530、サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて色濃度を測定し、3色の色濃度値を合計した。発色性を下記の基準により判断した。本発明において、転写用紙は、評価がAまたはBであれば発色性が良好であるものとする。
A:合計の値が4.7以上
B:合計の値が4.4以上4.7未満
C:合計の値が4.4未満
<捺染(ロール紙)>
被印刷物として巻き物のポリエステル布を用いた。得られたロール紙状の転写紙とポリエステル布とを密着させ、加熱および加圧機(200℃、0.5MPa、2.5m/min、ローラー型、ローラーとの接触時間30秒)を用いて、染料をポリエステル布へ転写した。その後転写紙をポリエステル布から剥離して、図柄が形成されたポリエステル布を得た。
<密着性の評価>
図柄が形成されたポリエステル布に対して、図柄のピンボケや歪みの発生度合いの点から、密着性を下記の基準により官能評価した。本発明において、転写用紙は、評価AまたはBであれば密着性に優れるものとする。
A:ピンボケや歪みが認められず、良好なレベル。
B:ピンボケや歪みが殆ど認められず、概ね良好なレベル。
C:ピンボケや歪みが認められるが、実用上問題の無いレベル。
D:ピンボケや歪みが認められ、実用上問題となるレベル。
評価結果は、前記表1に合わせて記載した。
表1の評価結果から、本発明に該当する実施例1〜21は、耐画像劣化性を有し、発色性が良好であり、および密着性に優れることが分かる。しかしながら、本発明の構成を満足しない比較例1〜10は、本発明の効果を得ることができないと分かる。
最外塗工層において、バインダー100質量部に対するポリアクリル酸塩の含有量は、主に、実施例4〜6と実施例11との対比並びに実施例14〜16と実施例23との対比から0.1質量部以上3.5質量部以下の範囲が好ましいと分かる。
主に、実施例4と実施例7との対比および実施例14と実施例17との対比から、ポリアクリル酸塩が、ポリアクリル酸アンモニウムであることが好ましいと分かる。

Claims (2)

  1. 原紙と、前記原紙の少なくとも片面上に1層以上の塗工層とを有し、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が顔料、バインダー(但し、バインダーからポリアクリル酸塩を除く)、ポリアクリル酸塩およびアセチレングリコール誘導体を少なくとも含有し、前記バインダーがカルボキシメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースと燐酸エステル化澱粉との組み合わせであり、前記バインダー(但し、バインダーからポリアクリル酸塩を除く)100質量部に対するポリアクリル酸塩の含有量が0.1質量部以上3.5質量部以下であり、前記ポリアクリル酸塩がポリアクリル酸アンモニウムである、昇華型捺染インクを用いる転写捺染法に使用される転写用紙。
  2. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定される前記ポリアクリル酸アンモニウムの重量平均分子量が5000以上30000以下である請求項1に記載の転写用紙。
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