JP3649967B2 - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用塗工紙およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いて製造される印刷用塗工紙であり、該塗工機におけるアプリケーションロール表面を覆うカバー材を特定化することで、優れた白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性などの塗工紙特性および印刷適性を有する印刷用塗工紙およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
枚葉および輪転式などの印刷機に使用する印刷用塗工紙は、優れた印刷品質を得るために塗工工程を経て製造される。近年、この塗工工程においては、製品のコストダウンおよびエネルギーの効率的な利用などのため、高速で安定した操業性が求められている。
【0003】
高速の塗工方式としては、一般に、ブレード方式が広く利用されてきたが、設置スペースがコンパクトで、抄紙機の抄造から連続しての塗工工程が容易に実現できるメタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いた塗工紙の製造および塗工原紙への下塗り塗工が注目されている。メタードフィルムトランスファー方式では、各種メタリング装置によりサイズ液や塗工液の均一な膜が、往来のサイズプレス方式におけるサイズプレスロールに当たるアプリケーションロールに供給されて、ロールニップ間において紙の片側または両側に転写される。メタードフィルムトランスファー方式は往来のサイズプレス方式と比べて、操業速度の上限、塗工可能な液の種類、濃度、液性の幅広さ、得られる塗工量の上限、そして出来上がった紙の品質において優れている。
【0004】
メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いた塗工においては、該塗工機におけるアプリケーションロールのニップ部における塗工液から、原紙への脱水現象により濃度が上昇した塗工液、いわゆる不動化層と、不動化層と任意の吸着力を示した不動化層近傍の非不動化層とが、該アプリケーションロールから離れ、塗工層として乾燥部へと移動する。この時、非不動化層の開裂挙動が主な原因となり、ミストと呼ばれる塗工液の飛散、剥離パターンおよびしわの発生などの塗工欠陥が生じる。また、アプリケーションロールのニップ部における急激な脱水現象は、塗工液中固形分の原紙への浸透を促進して、原紙の塗工層による被覆性、すなわちカバリング性を低下させることが問題となっている。また、塗工液がロッドメタリング方式などにより前計量されてからニップ部に到達するまでの間、そしてニップ部通過後から乾燥部までの間においては、塗工液のレベリング性などが印刷用塗工紙の平滑性に影響を及ぼす場合がある。
【0005】
よって、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いた塗工において、高品位な印刷用塗工紙を製造しようとする場合には、塗工液には、保水性、ハイシェアー粘度、ローシェアー粘度、固形分濃度、および不動化点といった種々の特性が複合的に要求され、また、装置の操業条件についても最適な条件が必要となる。
【0006】
メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いた印刷用塗工紙や下塗り原紙の製造方法については、種々の提案が成されている。例えば、ラテックスのゲル含有量、平均粒子径、および配合量については、特開平9−67796号、同9−170195号、同9−324395、同10−140499号、同10−251996号などの各公報、澱粉またはその誘導体の変性法やその程度、および配合量については、特開平9−170195号、同10−46496号、同10−259594号などの各公報、カオリンの平均粒子径および配合量については、特開平9−302596号公報、などに開示されている。
【0007】
しかし、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いたこれらの提案は、塗工液の機械的安定性を損なわない程度あるいは高速操業におけるミスト発生が顕著にならない程度に原材料の配合量や性状を定めて、品質を一定のレベルに保つ既知の手法に止まっている。メタードフィルムトランスファー方式による塗工機の特性を引き出し、本来の安定かつ効率的な操業をより高い次元で実現させ、さらに他の塗工方式にはない特徴を生かして高品位の印刷用塗工紙を製造する方法としては未だ不満足なものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機におけるアプリケーションロール表面を覆うカバー材の特性を最適化し、さらに製造された印刷用塗工紙の平滑性を最適化することにより、優れた白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性などの塗工紙特性、および優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙およびその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いて製造される印刷用塗工紙およびその製造方法において、アプリケーションロール表面を覆うカバー材の硬さ、あるいは該硬さおよび表面粗さを適切な範囲に規定することにより、優れた白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性などの塗工紙特性、および優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙が得られることを見出した。
【0010】
即ち、本発明は、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用い、少なくとも原紙の片面に1層以上の塗工層を設ける印刷用塗工紙の製造方法において、該塗工機におけるアプリケーションロールの表面を覆うカバー材の硬さが、JIS K 6301に規定されるJISスプリング式硬さHs75以下であり、かつ該カバー材の表面粗さが、JIS B0610に規定される算術平均粗さ(Ra)1.2μm以下であることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷用塗工紙製造方法について、詳細に説明する。本発明は、少なくとも原紙の片面に1層以上の塗工層をメタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いて塗工する印刷用塗工紙の製造方法であり、該塗工機におけるアプリケーションロールに起因する要件を特定化することを特徴とするものである。
【0015】
メタードフィルムトランスファー方式による塗工機は、トップおよびボトムの2つのアプリケーションロールで構成され、該ロール間に原紙を通過させて塗工液を該原紙に塗工するものであり、一定の塗工量を設けるために各アプリケーションロールの外側には、金属ロール、ゴム被覆ロール、ワイヤー巻付けロール、平滑なロッド、溝付きのロッド、ワイヤー巻き付けロッド、ブレードなどの中の一つまたは複数の組み合わせによるメタリング装置が取り付けられており、所定量の塗工液をアプリケーションロールに供給できるようになっている。
【0016】
メタードフィルムトランスファー方式として、そのメタリング装置の種類に応じて、ロッドメタードフィルムプレス方式、ゲートロールメタードフィルムプレス方式、ブレードメタードフィルムプレス方式などが挙げられる。
【0017】
塗工機におけるアプリケーションロールは、耐摩耗性や操業性などの観点からその表面にはロールカバーが取り付けられているが、ロールカバーの材質として、例えば、ポリウレタン、合成ゴム、セラミックなどが挙げられる。
【0018】
本発明においては、上記アプリケーションロールのロール表面を覆うカバー材の硬さを規定することで、目的とする塗工紙特性および印刷適性に優れた印刷用塗工紙が得られる。
【0019】
発明の第1の構成要素は、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機のアプリケーションロール表面を覆うカバー材の硬さが、JIS K 6301に規定されるJISスプリング式硬さとしてHs75以下のものを使用することを特徴とする。
【0020】
JISスプリング式硬さ試験はスプリング式の硬さ試験機を用いてゴム等の硬さを測定する試験である。この試験機は試験片表面に加圧面を接触させたとき、加圧面の中心の穴からバネ圧力によりつきでている押針がゴム面によって押しもどされる距離を硬さとして目盛りに示すようになっている。試験片は、原則として厚さ12mm以上のものを用いる。ただし、12mm未満のものは積み重ねてなるべく12mm以上とする。また、試験片の測定面は、平滑でない場合は、平滑になるように研磨する。
【0021】
メタードフィルムトランスファー方式の塗工では、アプリケーションロール間のニップ部における塗工液から原紙への脱水現象により、濃度が上昇した塗工液、いわゆる”不動化層”と、不動化層と任意の吸着力を示した不動化層近傍の”非不動化層”が、アプリケーションロールから離れ、塗工層として乾燥部へと移動する。
【0022】
この際、印刷用塗工紙の品質を下げる要因としては、塗工液、特に顔料などを主体とした固形分の原紙への浸透が挙げられる。この固形分の浸透が顕著になると、同じ塗工量でも原紙の塗工層による被覆性、いわゆるカバリング性が低下して印刷用塗工紙の平滑性を低下させ、ひいては白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性などの低下を引き起こすことになる。
【0023】
このような塗工液固形分の原紙への浸透を促進する要因としては、原紙の低サイズ性および低密度、アプリケーションロール間の高いニップ圧、そして塗工液の低保水性および低粘性などが挙げられる。
【0024】
これら要因を打ち消す手法として、アプリケーションロール表面を覆うカバー材の硬さを規定することは極めて有効である。適度に軟らかな硬さであるアプリケーションロールは、不適切に硬いロールに比べてより広いニップ巾を有し、その結果、同じ塗工量を得る場合でもより穏やかな線圧での操業が可能となる。
【0025】
これにより、ニップ間での脱水現象は穏やかとなり、塗工液中の固形分の原紙への浸透は緩和され、その結果、製造された印刷用塗工紙は非常に優れたカバリング性を有して、白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性などの優れた塗工紙特性および印刷適性を有する印刷用塗工紙を発現することが可能となる。
【0026】
アプリケーションロール表面を覆うカバー材の硬さが、上記規定の範囲を逸脱した場合、塗工層のカバリング性の低下により、印刷用塗工紙の品質を著しく損なう虞がある。
【0027】
例えば、アプリケーションロール表面の硬さが、Hs85を超えて大きい場合は、同じ塗工量を得ようとした時のニップ圧が増加することとなり、ニップ下での塗工液から原紙への過度の脱水および塗工層浸透が生じ、その結果として、印刷用塗工紙の平滑性の低下、白紙光沢の低下、印刷光沢の低下、印刷光沢むら、およびインキ着肉むらを招くこととなる。このような傾向は、硬さがHs95以上ではさらに顕著な傾向となる。
【0028】
本発明において、上記印刷用塗工紙の製造方法により製造された印刷用塗工紙の平滑度は、仕上げ工程としてのカレンダー処理の有無に関係なく、スムースター平滑度70.0kPa以下が好ましい。得られた印刷用塗工紙は、白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性といった塗工紙適性に優れ、その平滑性に大きく寄与するものである。
【0029】
塗工紙のカバリング性と平滑性が相俟って、白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性といった塗工紙適性は更に向上することができる。たとえ塗工紙の平滑性が優れていても、原紙の塗工層による被覆、すなわちカバリング性が充分でなければ、白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性は低下する。
【0030】
また、アプリケーションロールのカバー材質硬さをHS85以下として製造した優れたカバリング性を有する塗工紙であっても、塗工紙のスムースター平滑度が70.0kPaを超えると、白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性は低下して印刷用塗工紙としての美観的機能を損なう虞がある。
【0031】
すなわち、アプリケーションロールのカバー材硬さをHS85以下として優れたカバリング性を持たせた塗工紙は、スムースター平滑度70.0kPa以下とすることで初めて印刷用塗工紙として満足しうる品質を得ることとなる。
【0032】
本発明の第2の構成要素は、メタードフィルムトランスファー方式による塗工機におけるアプリケーションロールの表面を覆うカバー材の表面粗さが、JIS B 0610に規定される算術平均粗さ1.2μmRa以下であるものを使用することを特徴とする。
【0033】
算術平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の式によって求められる値をマイクロメートルで(μm)で表したものをいう。
【0034】
【数1】
Figure 0003649967
【0035】
算術平均粗さはデジタル形表面粗さ測定器で出力される値であり、利得が50%の波長で定義したカットオフ値を用いた位相補償形のデジタル形低域フィルタによって、ろ波うねり曲線を求め、このうねり曲線を平均線とする。
【0036】
フィルムトランスファー方式の塗工において、固形分濃度が50重量%を超えるような塗工液を用いる場合には、アプリケーションロールのカバー材の粗さが、形成される塗工層の平滑性に大きく寄与することになる。
【0037】
フィルムトランスファー方式の塗工機により製造される印刷用塗工紙は、ブレード方式の塗工機に比べるとその平滑性において一般的に劣る。より高品位な印刷用塗工紙はブレード方式の塗工機によるものが主流であり、これに匹敵する品質をフィルムトランスファー方式の塗工機を用いて得るためには、アプリケーションロールのカバー材の硬さと表面粗さの両方を最適にすることが不可欠である。
【0038】
Raが1.2μmよりも大きい場合には、目標とする印刷用塗工紙の平滑性が十分で無くなる可能性があり、その結果、高品位な印刷用塗工紙として満足しうる白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性といった塗工紙特性および印刷特性を実現できない場合がある。
【0039】
本発明において、アプリケーションロールのカバー材の硬さがJISスプリング式硬さHs75以下、該カバー材の表面粗さが算術平均粗さ1.2μm以下であるメタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用いて製造した印刷用塗工紙の平滑度は、仕上げ工程として行うカレンダー処理の有無に関わらず、スムースター平滑度5.0kPa以下であることが好ましい。白紙光沢、印刷光沢およびインキ着肉性といった印刷用塗工紙の特性は、その平滑性が大きく寄与している。適切な硬さにより良好なカバリング性を有し、かつ平滑なロールの効果によって良好な面質を得た塗工紙を上記規定の範囲になるように平滑度を調整することで、ブレード方式に匹敵する高品位な印刷用塗工紙を得ることが可能となる。
【0040】
本発明において、塗工液に用いられる顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、各種カオリン、タルク、粉砕炭酸カルシウムなどの精製した天然鉱物顔料、サチンホワイト、リトホンなどの複合合成顔料、酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム、水酸化アルミナなどの半合成顔料、プラスチック顔料などの合成顔料が挙げられる。
【0041】
塗工液に用いられる澱粉としては、通常の澱紛、酸化澱紛、エーテル化澱紛、エステル化澱紛、酵素変性澱紛やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉が挙げられる。
【0042】
また、塗工液に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
【0043】
塗工液に用いられる澱粉以外のバインダーとしては、スチレン−ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物、ワックス、カゼイン、大豆蛋白などの天然物およびこれらをカチオン化したものなどが挙げられる。
【0044】
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
【0045】
本発明に用いられる原紙としては、LBKP,NBKPなどの化学パルプ、GP、PGWRMP、TMP、CTMP、CGPなどの機械パルプ、および故紙パルプなどの各種パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などの各種配合剤を好適に配合し、酸性、中性、アルカリ性のいずれかでも抄造できる。本発明の原紙においては、ノーサイズプレス原紙、澱紛、ポリビニルアルコールなどでサイズプレスされた原紙などを用いることができる。また、必要とする原紙の密度、平滑度を得るために各種カレンダー処理を施す場合も有る。
【0046】
一連の操業で、塗工、乾燥された塗工紙は、必要に応じて各種カレンダー処理が施される。
【0047】
メタードフィルムトランスファー方式の塗工機を用いた片面の塗工量は、乾燥後の重量として、通常1〜30g/m2、好ましくは2〜20g/m2である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例中の部および%は、特に指定のない限り、すべて重量部および重量%を示す。
【0049】
<原紙配合>
LBKP(濾水度440mlcsf) 70部
NBKP(濾水度490mlcsf) 30部
【0050】
<内添薬品>
軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示) *8部
市販カチオン化澱粉 1.0部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、坪量70g/m2の原紙を抄造した。
【0051】
<塗工液配合>
市販一級カオリンクレー 50部
市販重質炭酸カルシウム 50部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
ラテックスバインダー 12部
市販燐酸エステル澱粉 3部
市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部
水酸化ナトリウム pH9.6に調製
【0052】
アプリケーションロール表面を覆うカバー材が表中の実施例1〜4、および比較例1〜2に示す特性であるロッドメタードフィルムプレス方式塗工機を用いて塗工液を片面14g/m2塗工し、乾燥して塗工紙を得た。
【0055】
実施例1〜4および比較例1〜2においては、選られた塗工紙に対し、オフラインでスーパーカレンダー仕上げ装置(段数:10段、剛性ロール:外径400mmのチルドロール、弾性ロール:外径400mmのコットンロール、線圧:220kg/cm)を用いてカレンダリング処理を施し、印刷用塗工紙を製造した。
【0056】
実施例および比較例1〜の印刷用塗工紙について、下記の評価方法により評価し、その結果を表に示した。
【0057】
<印刷用塗工紙の評価方法>
(1)カバリング性
塗工紙を水:エチルアルコール:塩化アンモニウム=50:50:5(重量比)の水溶液に1時間浸した後、オーブンで150℃で3時間加熱した。褐色に焼けた原紙上の顔料の分布状態を観察し、塗工層のカバリング性を、◎(原紙が均一に非常に良く被履されている)、○(原紙が均一に良く被履されている)、△(原紙が良く被履されていない部分がある)、×(原紙が被履されていない部分が広く見られる)の4段階で評価した。ただし、本発明においては、◎以上を発明の対象とした
【0058】
(2)白紙光沢
スーパーカレンダー処理後の印刷用塗工紙を、グロスメーターにて、光沢を75°−75°反射率で評価した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、◎以上を発明の対象とした
◎(非常に良好):白紙光沢が50%以上
○(良好) :白紙光沢が30%以上で50%未満
△(普通) :白紙光沢が10%以上で30%未満
×(不良) :白紙光沢が10%未満
【0059】
(3)印刷光沢
RI印刷適性試験機を用い、藍色、紅色、黄色(インキ量各0.2cc)の重色ベタ印刷を施した後、グロスメーターにて、光沢を60°−60°反射率で評価した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、◎以上を発明の対象とした
◎(非常に良好):印刷光沢が60%以上
○(良好) :印刷光沢が40%以上で60%未満
△(普通) :印刷光沢が20%以上で40%未満
×(不良) :印刷光沢が20%未満
【0060】
(4)インキ着肉均一性
RI印刷適性試験機を用い、亜麻仁油を転写し、藍色ベタ印刷を施した後、印刷濃度、および印刷むらを目視にて判定して、◎(非常に良好)、○(良好)、△(普通)、×(不良)の4段階で評価した。ただし、本発明においては、◎以上を発明の対象とした
【0061】
【表1】
Figure 0003649967
【0062】
実施例1〜4では、アプリケーションロールのカバー材の硬さと粗さを本発明の範囲ととすることで、ブレード塗工した高品位印刷用紙に匹敵する非常に優れた塗工紙特性および印刷特性を実現している。
【0064】
【発明の効果】
メタードフィルムプレス方式塗工機において、アプリケションロール表面を覆うカバー材の硬さおよびRaを本発明で示した特定の範囲に規定することで、白紙光沢、印刷光沢、およびインキ着肉性などの優れた塗工紙特性および印刷適性を有する印刷用塗工紙を製造することができる。

Claims (1)

  1. メタードフィルムトランスファー方式による塗工機を用い、少なくとも原紙の片面に1層以上の塗工層を設ける印刷用塗工紙の製造方法において、該塗工機におけるアプリケーションロールの表面を覆うカバー材の硬さが、JIS K 6301に規定されるJISスプリング式硬さHs75以下であり、かつ該カバー材の表面粗さが、JIS B 0610に規定される算術平均粗さ(Ra)1.2μm以下であることを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
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