JP2010222757A - 工程剥離紙 - Google Patents

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知之 岡田
Jun Sasaki
潤 佐々木
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Abstract

【課題】対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙とする。
【解決手段】紙基材の少なくとも一方の面に、顔料及びバインダーを含む塗工層と、この塗工層上に設けられた剥離剤層と、を有する工程剥離紙であって、前記顔料として、少なくとも平板顔料及び非晶質シリカが用いられ、前記剥離剤層の剥離強度が、1〜20gf/40mmとされている。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維プリプレグや合成皮革などの製造工程において使われる工程剥離紙に関するものである。
現在、工程剥離紙としては、主として紙基材にグラシン紙が使用されている。グラシン紙は、パルプ繊維に対し高い叩解処理を施して抄紙し、高圧下で平坦化処理を施して紙層を形成させて得られる紙である。既存の上質紙等と異なり、密度が1.0を上回る様な高い緊度を有するため、紙層表面が密になり、剥離を促すシリコーン層を目止め層を設けることなく薄い層で均一に設けられる特長を有し、現在プリプレグ工程紙の主流に使用されている。
しかしながら、グラシン紙を基材とした工程剥離紙は、原料パルプに対する高い叩解処理や高圧力による平坦化処理により、紙層内部に歪みを有するがゆえに、寸法安定性に欠け、特に温度変化による寸法変動が大きい問題を有する。また、高い緊度のため紙層中に空気等のガス成分が透過しにくく、工程紙で原料を挟み込み、熱をかけて乾燥させる際に気化された溶媒が紙層を通過できずにブリスターと呼ばれる工程紙の火ぶくれを生じやすい。更に、近年の再資源化の流れにおいて、難離解性のグラシン紙ではなく、再資源容易な環境に配慮された工程剥離紙が望まれ、炭素繊維プリプレグや合成皮革等の対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙の開発が望まれている。
そして、これらの問題を解決する工程剥離紙として、「JIS Z 0208に準拠して測定した透湿度が、200g/m2・24時間以下であることを特徴とするプリプレグ用工程紙」が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案は、吸湿した場合であってもプリプレグが浮いて剥がれるということの無い、寸法安定性に優れたプリプレグ用工程紙を、透湿度を、200g/m2・24時間以下に調整することで得られることを骨子とするものの、透湿度を低く設定すること、防湿層が、無機顔料、水分散系合成樹脂、及び熱硬化性樹脂を含む組成物を塗布、乾燥して形成されてなることが故に、プリプレグ用途における加熱加工時に、基材内の空気の逃げ場が無く、ブリスター(火ぶくれ)が発生する問題がある。
また、以上の問題を解決する工程剥離紙としては、「カナダ標準ろ水度が300ml〜500mlの木材パルプを用いてなる基紙に、ガラス転移温度が20℃〜100℃のアクリル系樹脂を含浸させてなる原紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料及びバインダーからなる目止め層を設けてなる加工用原紙であって、前記バインダーが、ゲル含量が80質量%以上であるラテックスであると共に、前記目止め層の顔料とラテックスの質量比が100/45〜100/15であることを特徴とする加工用原紙」が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この工程剥離紙は、ガラス転移温度が20℃以上100℃以下のアクリル系樹脂を含浸しており、基紙を無サイズ紙とすることで、基紙部分は再生紙の原料として利用可能であるものの、基紙を無サイズ紙とすることで温度変化に伴う寸法安定性が低く、アクリル系樹脂は疎水性の強い有機樹脂であり、通常の再生紙処理工程では再生化工程外に排出が困難であるため、再生化においては別処理やアクリル系樹脂含浸古紙の処理に応じた設備が必要に成る等、再生紙の原料として利用するには、設備改造や処理コストの上昇が問題となる。
さらに、以上の問題を解決する工程剥離紙としては、「基材の少なくとも片面に防浸層を設けた剥離用工程紙基材において、該防浸層が微細繊維を含有することを特徴とする剥離用工程紙基材」が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この工程剥離紙には、防浸層に微細繊維を含有して塗工し、基材の透気度を王研式で7000秒以上とすることを特徴としており、プリプレグ用途における加熱加工時に、基材内の空気の逃げ場が無く、ブリスターが発生する問題があるとともに、基材と寸法変化を伴う微細繊維からなる層により温度変化に伴う寸法安定性が低くなり、カールの問題が生じやすくなる。更に、この方法は特殊な設備が必要となり、一般的な設備での実現は不可能であり、生産性、コスト面で問題がある。
このほか、以上の問題を解決する工程剥離紙としては、「シート状支持体の少なくとも片面に下塗り層を介して剥離剤層を設けてなる剥離シートにおいて、下塗り層がソープフリータイプのアクリル樹脂エマルジョンと酸化澱粉から形成したものであることを特徴とする剥離シート」が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この工程剥離紙は、製造時にソープフリータイプのアクリル樹脂エマルジョンを使用することを骨子とし、更にメラミン・ホルムアルデヒド樹脂を含有することを特徴としており、再資源化が困難であるとともに、同薬品は熱安定性、高せん断条件化での安定性に欠ける問題を有しており、連続生産を考慮した場合に適していない。
いずれの先行技術においても問題があり、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙としては満足するものがなかった。
特開2005−220482号公報 特開2006−274483号公報 特開2008−088589号公報 特開昭60−0245683号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙を提供する事にある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
紙基材の少なくとも一方の面に、顔料及びバインダーを含む塗工層と、この塗工層上に設けられた剥離剤層と、を有する工程剥離紙であって、
前記顔料として、少なくとも平板顔料及び非晶質シリカが用いられ、
前記剥離剤層の剥離強度が、1〜20gf/40mmとされている、
ことを特徴とする工程剥離紙。
〔請求項2記載の発明〕
前記平板顔料として、走査型電子顕微鏡による平均粒子径が1〜20μmのエンジニアードカオリンが用いられ、
前記非晶質シリカとして、走査型電子顕微鏡による平均粒子径が2〜10μmで、吸油度が200〜400cc/100gの非晶質シリカが用いられ、
紙厚変動割合が、5〜20%となるように、平坦化処理されている、
請求項1記載の工程剥離紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記バインダーが合成樹脂ラテックスで、
この合成樹脂ラテックスとして、粒径10〜300nmの合成樹脂ラテックス「A」と、粒径100〜500nmの合成樹脂ラテックス「B」と、が用いられ、
前記合成樹脂ラテックス「A」:前記合成樹脂ラテックス「B」が、70:30〜30:70の質量割合とされている、
請求項1又は請求項2記載の工程剥離紙。
〔請求項4記載の発明〕
前記バインダーが合成樹脂ラテックスで、
この合成樹脂ラテックスとして、ガラス転移温度5〜30℃のラッテクスと、ガラス転移温度−30〜0℃のラッテクスと、が用いられている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の工程剥離紙。
〔請求項5記載の発明〕
前記塗工層が、多分岐高分子を主成分とする保水剤を、前記顔料100部に対して0〜0.5質量部含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の工程剥離紙。
本発明によると、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙となる。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
本形態の工程剥離紙は、紙基材の少なくとも一方の面に、顔料及びバインダーを含む塗工層と、この塗工層上に設けられた剥離剤層と、を有する。
〔紙基材〕
本形態の紙基材には、通常の原料パルプを使用することができ、例えば、未晒針葉樹パルプ(NUKP)、未晒広葉樹パルプ(LUKP)、晒針葉樹パルプ(NBKP)、晒広葉樹パルプ(LBKP)等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ等の中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
また、紙基材には、古紙からなる古紙パルプを使用することもでき、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等の中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
本形態においては、以上の原料パルプを混合して抄紙原料(紙料スラリー)を調製するが、当該原料パルプには、例えば、内添サイズ剤、紙力増強剤、紙厚向上剤、歩留向上剤等の通常の製紙工程で配合される種々の添加剤を、その種類及び配合量を適宜調整して内添することができる。
また、紙基材を抄造する抄紙機も特に限定されず、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式を適宜用いることができる。
さらに、塗工液の塗工による塗工層の形成を行う前に、紙基材を平坦化する目的で、一般の工程剥離紙用途設備を用いて水溶性高分子の塗工や、弾性ロールと金属ロールとの組み合わせによる平坦化処理などを行うことができる。
〔塗工層〕
(顔料)
本形態の工程剥離紙は、以上の紙基材の一方又は両方の表面に、顔料及びバインダーを含む塗工層を有する。そして、特に顔料としては、少なくとも平板顔料及び非晶質シリカを組み合わせて用いるのが好ましい。
平板顔料は、平均アスペクト比5〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは20の顔料を主原料(50質量%以上)とする。平均アスペクト比が5未満の顔料は、塗工面に対して平行に配向できないため、目止め性能が劣る。また、アスペクト比は、その値が大きいほどより平板性が高く、塗工層中における層数が多くなるため、高い目止め性能を発揮する。
ここで、アスペクト比とは、顔料の体積平均粒子径を、その厚さで除した値である。当該顔料の厚さは、電子顕微鏡による直接観察によって求める方法、Maxwellの曲路効果(J.Macromol.Sci.(Chem),Al(5),929(1967))によって求める方法などがある。後者の方法は、顔料を含んだ塗工層のガス透過係数が顔料のアスペクト比と体積分率より求められることから、顔料とバインダーとの配合比率を変えた塗工層において、ガス透過係数を求めることによってアスペクト比が得られ、このアスペクト比と体積平均粒子径とにより、顔料の厚さを求めることができる。ただし、測定の簡便性や正確性の点から、顔料の厚さは、電子顕微鏡による直接観察によって求める方が好ましく、本形態のアスペクト比は、電子顕微鏡による直接観察によって求めた値を用いる。
平板原料は、アスペクト比が5〜30であり、かつ塗工後もその平板性を保持するものであれば特に限定されるものではないが、この条件を満たす平板顔料の中でも、特にフィロケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)であることが好ましい。フィロケイ酸塩化合物に属するものは、板状又は薄片状であって明瞭な劈開を有し、カオリン(クレー鉱物)、雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトなどがある。これらの中でも特に、雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
また、当該平板顔料として、体積平均粒子径が1.0〜20μm、好ましくは2.0〜15μm、より好ましくは3.0のエンジニアードカオリンを、全顔料に対して、通常70質量%以上、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは83〜97質量%、特に好ましくは90質量%使用し、かつ非晶質シリカと組み合わせて使用することにより、顔料の配向性、積層による多層化が図られ、剥離剤を塗工層の表面に留まらせることができ好ましい。
本発明において用いる走査型電子顕微鏡による平均粒子径は、得られた工程剥離紙の塗工層を、両刃のカミソリで削ぎ落とし、JIS P 8251に準拠して燃焼処理して得た灰を、JIS P 8220に準拠して離解し、離解スラリーを得た後、下記手段で平均粒子径を実測し得た値である。
(1)離解パルプを440メッシュの標準ふるいにてろ過する。
(2)得られた濾液を標準濾紙にてろ過し、ろ過残渣を得る。
(3)ろ過残渣を、メタノール500mlにて洗浄する。
(4)メタノール洗浄残渣を、真空乾燥機にて24時間乾燥する。
(5)走査型電子顕微鏡用の直径10mmの試料ホルダに真空乾燥を行った残渣を両面 テープを用いて固定する。
(6)走査型電子顕微鏡に付属するX線マイクロアナライザーにて、シリカとアルミニウムが重なって検出される無機物をクレーとし、シリカのみが検出される無機物を非晶質シリカとして、5000倍で画像解析写真を撮像する。
(7)(6)の撮像操作を、場所が重ならないように20回実施する。
(8)得られた撮像写真20枚を、画像解析装置(ルーゼックス、(株)ニレコ製)にて画像解析を行い、シリカとアルミニウムが重なって検出される無機物、シリカのみが検出される無機物の個数と総面積を測定し、1個当りの平均粒子径を算出する。
より詳細には、エンジニアードカオリンが99質量%を超えると、塗工層の目止め性能が低下し、剥離剤が浸透しやすくなる。他方、エンジニアードカオリンが80質量%を下回ると、塗工層の目止め性は良いものの、塗工層自体のベタツキが生じ、剥離剤によりゲル化し、粘着性を示してしまうおそれがある。
以上のエンジニアードカオリンとしては、アスペクト比8〜15の微粒カオリンが好ましい。エンジニアードカオリンが、微粒で、かつアクセプト比15以下であると、後述する合成樹脂ラテックス及び多分岐高分子(保水剤)の効果と相まって、紙基材に塗工後の塗料が不動化するまでに、顔料がフローティングと均一な配向性を示し、剥離剤バリヤー性(目止め性)とインキセット性とを有する塗工層が形成される。また、アスペクト比が8未満になると、カオリンが微粒であることと相まって、剥離剤の目止め性が弱く塗工量が増える結果になる。他方、アスペクト比が15を超えると、顔料粒子が配向をとり難く、立体障害を起こし、剥離剤の目止め性が低下する。好適には、アスペクト比9〜12である。
本形態において、顔料の体積平均粒子径(μm)は、効率良く目止め性能を得るためには、1.0μm〜20μm、好ましくは2μm〜15μmである。体積平均粒子径が1μm未満であると、塗工層中での顔料の配向が紙基材に対して平行になりにくく、他方、20μmを超えると、顔料の一部が塗工層から突き出る可能性が高くなるばかりでなく、配向した顔料の塗工層中における層数が少なくなってしまうため、目止め性能向上効果が減殺されてしまうおそれがある。
ここで、当該顔料の体積平均粒子径は、光散乱理論を応用したレーザー回折による粒度分布測定装置において測定した値である。このような測定装置としては、コールター社製レーザー回折・光散乱粒度測定装置LS230,LS200,LS100、また島津製作所製レーザー回折式粒度分布装置SALD2000,SALD3000、堀場製作所製レーザー回折・散乱式粒度分布装置LA910,LA700,LA600などが存在する。
以上の工程剥離紙においては、剥離剤の塗工層への浸み込み(選択吸収)が防止される。また、以上のような塗工層を設けることによって、紙基材の表面がより高平滑される。
本形態においては、特にシリコーンの被覆性にすぐれた性状を醸し出すために、アスペクト比が5〜30からなる特有のカオリンを用いることと、従来、吸油性が高く、塗工層(目止め層)には用いられなかった非晶質シリカを組み合わせて用いる特有の構成を有する。特に前記アスペクト比が5〜30からなる特有のカオリンと組み合わせて用いる非晶質シリカとして、吸油度が200〜400からなる非晶質シリカを用いることで、従来見出せなかった特有の目止め性と適度な吸油性を併せ持つことにより、剥離剤を塗工層中に留めることが可能となり、剥離剤のピンホールの発生を抑制することで、本発明の課題である、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙を得ることができる。
カオリンは板状の顔料であり、塗工層表面で均一な方向に配向しやすく、塗工層表面の平滑性を向上することができ好ましいが、シリコーン等の剥離剤による被膜形成においては依然不十分である。そこで、上述したとおり、非晶質シリカを組み合わせて含有させることで、塗工層表面に極めて均一な被覆性の高いシリコーン層等の剥離剤層を形成することができる。
塗工層表面の平坦化に寄与する平板顔料と下記に記載する、緻密な剥離剤層を形成するための非晶質シリカを組み合わせることで、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙を得ることができる。
ここで、当該非晶質シリカとしては、体積平均粒子径が1〜10μm、好ましくは2〜8μmで、吸油度が200〜400cc/100g、好ましくは250〜350cc/100gのものを用いると好適である。非晶質シリカの体積平均粒子径が1μmを下回ると、塗料の安定性が損なわれ、連続生産に不向きであり、他方、非晶質シリカの体積平均粒子径が10μmを上回ると、剥離剤塗工時のピンホールの発生の要因となる。また、当該非晶質シリカの吸油度が200cc/100gを下回ると、適度な吸油性が得られないため、均一な剥離層が得られなくなり他方、吸油度が400cc/100gを上回ると、剥離剤の浸透が発生し、均一な剥離性能が得られない問題がある。
一方、カオリンの配合量は、顔料100質量部に対して、80〜99質量部が好ましく、83〜97質量部がより好ましい。配合量が80質量部未満では、塗工液の流動性が悪化して塗工時のプロファイルが悪化し、塗工ムラに起因する耐剥離剤性の低下が発生しやすくなるため好ましくない。他方、99質量部を超過すると、適度な吸油性が得られないため、均一な剥離層が得られなくなるため好ましくない
他に組み合わせ得る顔料としては、特に限定されないが、例えば、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等の中から、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
(バインダー)
本発明者らは、対象物の剥がれムラの原因について鋭意研究を重ねた結果、剥離剤層の塗工層に対する被覆性評価において、シリコーン等の剥離剤の被覆が不十分であることが剥がれムラの主たる原因であり、過度の剥離剤被覆を行うと、火ぶくれの問題が生じるため、塗工層の構成を所定の範囲に調整することで、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙を得ることに好ましい結果となることを知見した。
本形態の塗工層においては、バインダーが合成樹脂ラテックスで、この合成樹脂ラテックスが、粒径10nm〜300nm、好ましくは50nm〜200nmの合成樹脂ラテックス「A」と、粒径100nm〜500nm、好ましくは150nm〜300nmの合成樹脂ラテックス「B」とを含み、合成樹脂ラテックス「A」:合成樹脂ラテックス「B」が70:30〜30:70、好ましくは60:40〜40:60の質量割合であると、好適である。
より詳細には、小粒径の合成樹脂ラテックス「A」が粒径10nm未満、大粒径の合成樹脂ラテックス「B」が粒子100nm未満又は500nm超になると、細密充填のバランスが崩れ平坦性が得られない。好適には大粒径の合成樹脂ラテックス「B」が粒径200nm、小粒径の合成樹脂ラテックス「A」が粒径120nmのものを、合成樹脂ラテックス「A」:合成樹脂ラテックス「B」が60:40〜40:60の配合質量割合となるように含むとよい。
以上の合成樹脂ラテックスとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐水性が良好で、伸びが良く折割れによる塗工層の亀裂が生じにくいスチレン−ブタジエン系共重合体が好適である。また、スチレン−ブタジエン系共重合体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリルグリシジルエーテルなどで変性されたスチレン−ブタジエンラテックス(変性SBR)を使用することもできる。
合成樹脂ラテックスの好適な構成においては、ガラス転移温度5〜30℃の合成樹脂ラッテクス、及び、ガラス転移温度−30〜0℃の2種類の合成樹脂ラッテクスの2種類を用いることが、平坦な皮膜形成という理由から、対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙を得ることができるため好ましい。
また、合成樹脂ラテックスの粒径が10〜300μm、及び、100〜500μmという異なる粒径のラテックスと、を組み合わせて用いると、目止め塗料の塗工時に塗工膜中で顔料および合成樹脂ラテックスが密充填構造をとりやすく、皮膜形成後の目止め性が向上されるという理由から好ましい。
本形態においては、以上のバインダー以外にも、耐剥離剤性を阻害しない範囲で、塗工紙製造で一般的に用いられるバインダーを併用することができる。具体的には、例えば、大豆蛋白等の蛋白質類;メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス若しくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス;エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス;これらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系バインダー;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
更には、SBRに加え、ポリアクリル酸樹脂成分及びポリビニルアルコール樹脂成分を含有するバインダーとカゼインを併用する場合において、顔料としてカオリンを用いると写像性及び耐溶剤性の双方を向上できるため、更に対象物の剥がれムラがなく、温度変化に伴う寸法安定性に優れ、高温工程に晒されても火ぶくれを生じ難く、再資源をも考慮した工程剥離紙を得ることができるため好ましい。
本形態の工程剥離紙は、Tappi T536cm−02に基づいて測定した透気度が1000〜30000秒、好ましくは立方状又は柱状の軽質炭酸カルシウムを使用することで1000〜20000秒、より好ましくは1000〜10000秒となるため、ピット欠陥が発生しにくく写像性に優れ、極性溶剤接触後の写像性の低下が少ない、耐溶剤性に優れた工程剥離紙、特には合成皮革工程紙となる。更にこの工程剥離紙に平坦化処理を施すことで、更に写像性に優れた工程紙となる。これらの平坦化は、一般に製紙用途で使用できる平坦化設備で行なえば足り、例えばスーパーカレンダーやソフトカレンダー等を用い、線圧や速度等により調整することができる。
透気度が30000秒を超過すると、これ以上の平坦化を行っても耐剥離剤性が頭打ちになるだけで、経済的に好ましくない。スーパーカレンダーで平滑性を調整する場合においても、線圧が過大となるため剛性が破壊される可能性がある。透気度が1000秒未満では、目止め性が低下し、剥離剤塗工時に剥離剤が浸透してしまい、均一な剥離性が得られなくなる。
また、本形態において、塗工層は、多分岐高分子を主成分とする保水剤、特に多分岐ポリエステルアミドを含有すると、理由は定かではないが、目止め層形成時の塗料安定性が向上し、目止め層の形成がより平坦化され、剥離層形成がより均一化することにより、剥離性が向上するため好適である。本形態で使用する多分岐高分子は、骨格にエステル基および少なくとも1つのアミド基を含有し、少なくとも800g/molの数平均モル質量を有する直鎖または分枝鎖の縮合重合体である。好ましくは、多分枝ポリエステルアミドで、800〜16000g/molのモル質量を有する。
好ましい多分岐ポリエステルアミドは、「化1」で示される。
Figure 2010222757
ここでYは、
Figure 2010222757
(C1−C20)(シクロ)アルキル、又は(C6−C10)アリール、H、A−OR7
Figure 2010222757
であり、Dは、置換または非置換の、(C2−C24)アリールまたは(シクロ)アルキル脂肪族ビラジカルであり、
1は、
Figure 2010222757
式中、X2は、X1が少なくとも1回繰り返して存在し、
Figure 2010222757
で終了する。ものであり、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、H、(C6−C10)アリール又は(C1−C8)(シクロ)アルキルラジカルから選択され、nは1〜4であり、OR7は、ヒドロキシ官能モノマー、オリゴマー又はポリマー由来であり、ここに、R7は、H、アリール、アルキル、シクロアルキル又はポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン又はナイロンオリゴマーのラジカルであってもよく、R8およびR9は、互いに独立して、ヘテロ原子により置換されていても、置換されていなくてもよい(C6−C10)アリール基又はヘテロ原子により置換されていても、置換されていなくてもよい(C1−C28)アルキル基の群から選択され、C(O)R10は、モノマー、オリゴマー又はポリマー単官能カルボン酸由来である。nが1である場合、エステル化が最も速くなるので、好ましくは、nは1である。
多分岐高分子の調製は、WO−A−99/16810、WO−A−00/58388及びWO−A−00/56804に記載されているような公知の方法で行うことができる。これらの公報は、多分岐高分子を、環状無水物又はジカルボン酸とアルカノールアミン、好ましくは、ジ(アルカノールアミン)とを反応させることにより調製することを記載している。多分岐高分子の調製に関する他の方法は、a)ヒドロキシ又はアミン官能モノマー、オリゴマー又はポリマーと、第1のモル過剰の環状カルボン酸無水物とを接触させ、酸官能エステル、それぞれ、酸官能アミド及び環状カルボン酸無水物の混合物を形成する方法、b)混合物と、第1のモル過剰に対して第2のモル過剰のアルカノールアミンとを接触させる方法などがある。
多分岐高分子の調製に適当なジカルボン酸は、C2−C24(シクロ)アルキル、アリールまたは(シクロ)アルキル−アリールラジカル由来のジカルボン酸である。ジカルボン酸は、飽和であっても、または不飽和であってもよい。ジカルボン酸の例としては、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸またはグルタル酸が挙げられる。
好ましい環状無水物は、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水(メチル)コハク酸および無水グルタル酸である。
好ましいアルカノールアミンは、ジ(アルカノール)アミン、より好ましくは、ジ−β−アルカノールアミンである。例としては、ジイソブタノールアミンおよびジイソプロパノールアミンが挙げられる。
特に、骨格にコハク酸、末端基に水酸基、脂肪酸エステル、アセテート安息香酸塩、カルボキシル基、ターシャリーアミン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドを含む2,5−フランジオン、1,1−イビノビス[2−プロパノール]、1,3−イソベゾンフランジオン、ジヒドロ2,5−フランジオン多分基高分子を使用することで顔料及びラテックスの水酸基に作用し、凝集している超微粒子をミクロ分散させることで、紙基材に塗布後不動化する前に紙基材の表面の毛細管を微粒子で充填し、紙基材への浸透防止効果が得られ、顔料とラテックス間に入り電気的に安定した状態で存在することができ、塗料粘度の減粘作用と高保水性とを同時に発揮し、レベリング速度を速め、カレンダーを必要としない(したがって、高密度化されない)平坦な塗工層を形成できる。
塗工層中の多分岐高分子の配合質量割合は、0.2〜10%、好ましくは1.0〜5.0%である。0.2%未満になると多分岐高分子の特徴であるミクロ分散・減粘作用・高保水性を得られない。他方、10%を超えると効果が頭打ちになりコスト競争力を悪化させる。
本形態の塗工剤には、顔料、バインダーの他にも、例えば、蛍光増白剤、蛍光増白剤の被染着物質、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等の通常使用される各種助剤を適宜配合することもできる。
基紙の表面への塗工剤の塗工は、一般の工程剥離紙用途設備で行えば足り、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、カーテンコーター等の塗工装置を設けたオンマシンコーター又はオフマシンコーターによって、紙基材上に一層又は多層に分けて塗工剤を塗工できる。中でも高濃度塗料を均一に塗工でき、塗工層表面の高い平坦性が確保されるという点から、ブレードコーターを用いることが好ましい。
また、ドライヤーパートでの乾燥方法としては、例えば、熱風加熱、ガスヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱等の各種加熱乾燥方式を適宜採用することができる。
塗工後の表面仕上げは、弾性ロールと金属ロールの組合せからなるソフトカレンダー(熱ロールカレンダ)を好適に用いることができる。また、平坦化処理する場合は、紙厚変動割合が、5〜20%、好ましくは7〜15%となるようにすると好適である。紙厚変動割合が5%を下回ることは、紙の構造上技術的に実現が困難であり、他方、紙厚変動割合が20%を上回ると紙の機密性が無くなり、目止め性の低下、相まって剥離性が低下する。
本形態の工程剥離紙は、次記処理を行ったときのJIS Z0237に基づいて測定した剥離強度が1〜20gf/40mmであるのが好ましく、1〜12gf/40mmであるのが特に好ましい。
〔剥離剤層〕
本形態の剥離剤層は、塗工層上に剥離剤を、例えば、塗工層と同様の方法によって塗工形成したものであり、当該剥離剤としては、従来公知の剥離剤を使用することができる。具体的には、例えば、付加型、縮合型等の各種シリコーン化合物やシリコーンゴム、反応性シリコーンオイルと官能基含有樹脂、必要に応じてこれらと架橋剤の組み合わせ、フッ素系重合体、非シリコーン系剥離剤等の使用が可能であるが、これらに限定されることなく各種の剥離剤を使用して剥離層を形成することができる。剥離層の塗工量は、特に限定されるものではないが、0.8〜1.2g/m2であると好適である。
次に、実施例を挙げて本発明による作用効果を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔紙基材〕
原料として広葉樹晒クラフトパルプ100%のパルプを使用し、フリーネスを370mlとした。絶乾パルプ1tに対して、カチオン化澱粉を5kg、サイズ剤0.2kgをそれぞれ有効成分基準で内添し、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分10%となるよう内添した。
〔塗工層〕
まず、表1及び表2に示す種類及び割合で、顔料、バインダー(接着剤)及び保水剤を常温にて混合撹拌して塗工液を得た。この塗工液を、前述した紙基材に、ブレードコーターで片面あたり乾燥質量12g/m2となるよう塗工し、毎分60mの速度でソフトカレンダーにて平坦化処理を行った。なお、用いた顔料、バインダー及び保水剤は以下のとおりである。また、バインダー及び保水剤の配合量は、顔料100質量部に対する値である。
(顔料)
・クレー(品番:HYDRASPERSE90、HUBER社製)
・炭酸カルシウム(品番:TP−123−CS、奥多摩工業社製)
・非晶質シリカ(品番:Sipernat500LS、エボニック社製)
(バインダー)
・合成樹脂ラテックス「A」及び「B」(スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(品番:PA8234、日本A&L社製、単一型)を、表に記載のとおりのガラス転移温度及び粒子径に変更して用いた)
(その他)
・保水剤(多分岐高分子、品番:トップブレーンS−1、DSM社製)
〔剥離剤層〕
剥離剤としては、ポリプロピレン系、アミノアルキド系、シリコーン系の樹脂組成物が代表的なものとして知られているが、本実施例及び比較例においてはシリコーン(信越化学工業社製)を使用し、ゲートロールコーターを用いて、塗工量1.0g/m2で塗工した。
以上のようにして製造した各種工程剥離紙について、以下のとおり評価を行った。各種条件及び結果を、表1及び表2に示した。
(剥離強度)
工程剥離紙を50mm×150mmの試験片として切り取り、これの剥離層に40mm×150mmの粘着テープ(品番:31B、日東電工社製)を貼付し、2kgローラーを一往復させて貼合した。試験片を7日間放置後、粘着テープの、試験片に貼合していない面を、両面テープでSUS鋼板に固定し、試験片を粘着テープに対し、180°の方向に100mm/分の速度で剥がした際の応力を、万能引張試験機(STPOGRAPH V1−C、東洋精機製)で測定した。応力の極大部を高い順に10点、極小部を小さい順に10点取り、合計20点の平均値を剥離強度とした。
(紙厚変動割合)
剥離層形成後の当該剥離工程紙の紙厚を「α」とし、剥離層形成後の当該剥離工程紙を由利ロール社製ソフトカレンダーH3CMを使用し、線圧100kg/cm、1NIPにてカレンダー処理をした際の紙厚を「β」とし、(α―β)/α×100の式から導かれた数値を紙厚変動割合とした。
(ブリスター発生有無)
剥離層形成後の当該剥離工程紙に任意の粘着剤を塗工後、200℃、1分条件化で熱処理した際の、表面状態を目視にて確認し、ブリスター(火ぶくれ)の有無を判断した。
(ピンホール欠陥)
ピット欠陥の発生状況を、次の基準で目視評価した。
◎:ピット欠陥の発生がなく、面感に優れ、実使用可能である。
○:ピット欠陥が僅かに発生したが、面感が良好であり、実使用可能である。
△:ピット欠陥が多少発生したが、実使用に耐え得る程度の面感を有している。
×:ピット欠陥が発生し、実使用に耐えない。
Figure 2010222757
Figure 2010222757

Claims (5)

  1. 紙基材の少なくとも一方の面に、顔料及びバインダーを含む塗工層と、この塗工層上に設けられた剥離剤層と、を有する工程剥離紙であって、
    前記顔料として、少なくとも平板顔料及び非晶質シリカが用いられ、
    前記剥離剤層の剥離強度が、1〜20gf/40mmとされている、
    ことを特徴とする工程剥離紙。
  2. 前記平板顔料として、走査型電子顕微鏡による平均粒子径が1〜20μmのエンジニアードカオリンが用いられ、
    前記非晶質シリカとして、走査型電子顕微鏡による平均粒子径が2〜10μmで、吸油度が200〜400cc/100gの非晶質シリカが用いられ、
    紙厚変動割合が、5〜20%となるように、平坦化処理されている、
    請求項1記載の工程剥離紙。
  3. 前記バインダーが合成樹脂ラテックスで、
    この合成樹脂ラテックスとして、粒径10〜300nmの合成樹脂ラテックス「A」と、粒径100〜500nmの合成樹脂ラテックス「B」と、が用いられ、
    前記合成樹脂ラテックス「A」:前記合成樹脂ラテックス「B」が、70:30〜30:70の質量割合とされている、
    請求項1又は請求項2記載の工程剥離紙。
  4. 前記バインダーが合成樹脂ラテックスで、
    この合成樹脂ラテックスとして、ガラス転移温度5〜30℃のラッテクスと、ガラス転移温度−30〜0℃のラッテクスと、が用いられている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の工程剥離紙。
  5. 前記塗工層が、多分岐高分子を主成分とする保水剤を、前記顔料100部に対して0〜0.5質量部含む、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の工程剥離紙。
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