JP2012136794A - 剥離紙用原紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、基紙と、この基紙の少なくとも片面に形成され、顔料及びバインダーを含む目止め塗工層とを有する剥離紙用原紙であって、上記顔料として、アスペクト比が5以上の平板顔料と、アスペクト比が5未満の非平板顔料とを含有することを特徴とする。上記顔料全体の体積平均粒子径が0.5μm以上5μm以下であるとよい。また、上記平板顔料の粒度分布において、粒径が0.5μm未満の粒子の含有量と、粒径が0.5μm以上の粒子の含有量との比が、質量基準で1:9以上4:6以下であるとよい。
【選択図】なし
Description
基紙と、
この基紙の少なくとも片面に形成され、顔料及びバインダーを含む目止め塗工層と
を有する剥離紙用原紙であって、
上記顔料として、アスペクト比が5以上の平板顔料と、アスペクト比が5未満の非平板顔料とを含有することを特徴とする。
上記基紙としては、機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば特に制限はなく、上質紙、中質紙や包装用途などで使用されている晒、又は未晒クラフト紙(酸性紙又は中性紙)や、純白ロール紙等が任意に使用できる。
上記顔料としては、アスペクト比が5以上の平板顔料と、アスペクト比が5未満の非平板顔料とを含有する。このため、当該剥離紙用原紙の目止め塗工層においては、平板顔料が表面を被覆するとともに、非平板顔料が表面に微細な凹凸形状を形成している。従って、当該剥離紙用原紙によれば、この平板顔料によって剥離剤の基紙内部への浸透が抑えられることで目止め性に優れる。また、当該剥離紙用原紙によれば、非平板顔料によって形成される微細な凹凸形状によって、インクの乾燥性及びセット性が向上することで印刷適性が高まり、さらに印刷時の滑りが抑制されることで搬送適性を高めることができる。
上記バインダーとしては、合成樹脂製のラテックス等、塗工紙における塗工層を形成する際に用いられる公知のものを用いることができる。
上記目止め塗工層は、末端に極性基を有する多分岐高分子、好ましくは末端に水酸基を有する多分岐ポリエステルアミドを含有することが好ましい。上記多分岐高分子は、塗工の際の顔料の分散性を高め、その結果、目止め塗工層において微細な顔料の基紙の背員環への充填性を高めることができる。具体的に説明すると、このような多分岐高分子を使用することで顔料及びラテックス等のバインダーの水酸基に作用し、凝集している超微粒子をミクロ分散させることで、基紙に塗布後不動化する前に基紙表面の毛細管を微粒子で充填し基材への浸透防止を行うことができ、塗料粘度の減粘作用と高保水性を同時に発揮しレベリング速度を速め、かつカレンダーを施さなくとも平坦な目止め塗工層を形成できる。このようにカレンダー処理されていない目止め塗工層は、高密度化されていないため、インクの乾燥性やセット性等が特に高く、より優れた印刷適性等を発揮することができる。顔料として、アスペクト比が5以上の平板顔料と、アスペクト比が5未満の非平板顔料とを含有することに加え、目止め塗工層に多分岐高分子を含有させることで、溶剤バリヤー性を持った目止め性とインキセット性とを同時に持った凹凸を形成し、高い目止め性能と優れたオフセット・凸版印刷時のインクの乾燥性、セット性などの印刷適性及び印刷時の搬送適性を両立させた剥離紙用原紙となる。
上記目止め塗工層表面の3次元表面粗さRaとしては、0.6μm〜6μmが好ましく、2μm〜5μmがさらに好ましい。3次元表面粗さRaを上記範囲とすることで、目止め性と印刷適性及び搬送適性とを好適に両立させることができる。3次元表面粗さRaが6μmを超えると、目止め性が低下するおそれがあり、0.6μm未満となると印刷適性や搬送適性が低下するおそれがある。
日機装社製のレーザー回折粒度分布測定装置〔マイクロトラック/型番:MT−3300〕により測定した。
電子顕微鏡で拡大観測し、任意に抽出した20個の粒子の平均値を算出した。
レーザー顕微鏡(カラーレーザー顕微鏡 高解像度タイプVK-9700型 キーエンス社製)を使用して3次元表面粗さ(Ra)を測定した。ここで、3次元表面粗さRaは、JIS−B0601にて定義される中心線平均粗さ(μm)である。この中心線平均粗さ(Ra)とは、触針式の粗さ測定器にて計測した基材の断面波形を粗さ曲線とし、この粗さ曲線をある一定範囲(1,491μm×1,119μm)で抜き取った部分において、この基準長さ方向で、かつ粗さ曲線で囲まれる面積を二等分するような平均線を、この断面波形の中心線とした場合に、この抜き取り部分における中心線と粗さ曲線f(x)に囲まれた面積の総和を、基準長さで除した数値をマイクロメートル(μm)表示した値である。
上述したS.H.O法によりトルエン9質量部と染料1質量部とを混ぜた有機溶剤試験液を1mLピペットで採取し、目止め塗工層上に25cm2以上になる塗布型(かた)を乗せて、試験液をまんべん無く塗布し、塗布後反対面より、ピンホールの個数を目視確認した。このピンホールの少なさが、目止め性の指標となる。
定速引張試験機、水平板及びおもりからなる摩擦係数試験装置(TR-2型)を使用した。巾9cm、長さ16cmの試験片をスレッド、テーブルそれぞれに貼り付け、テーブル速度10mm/分、摩擦距離50mmの条件で摩擦試験を実施し、その際の引張試験機での荷重を測定する。測定の組合せは、紙の表と裏とで実施した。
RI印刷試験器(石川島播磨重工業社製 RI−II型)を使用し、TV(タック)−16のインキを試験片にベタ印刷を実施した。
(1)乾燥性:印刷後1分・3分・5分・10分後に上質紙(白紙)を印刷面に接触させ、インキの転写状況より乾燥性を以下の基準にて比較した。
◎:印刷後1分・3分・5分・10分後いずれも転写なし。
○:印刷後1分では僅かに転写が見られるが、使用に差し支えなし。
×:10分後においても転写する。
(2)セット性:印刷後3日間静置後の印刷上がりを以下の基準にて目視評価した。
◎:インキの着肉ムラ、光沢ムラとも無い。
○:若干、着肉ムラ、光沢ムラが見られるが、使用に差し支えなし。
×:着肉ムラ、光沢ムラが見られ、使用に差し支え有り。
A4サイズのカット紙をオフセット印刷機に1,000枚連続通し、紙詰まり、重送及び見当ズレの状態を以下の基準にて確認した。
◎:紙詰まり、重送、見当ズレとも無い。
○:紙詰まり、重送、見当ズレが10枚未満発生するが、使用に差し支えなし。
×:紙詰まり、重送、見当ズレが10枚以上ある。
溶剤系シリコーンを塗工し、その後乾燥して得られた剥離紙表面を触診する官能試験を以下の基準にて実施した。
◎:全くベタツキがない。
○:若干のベタツキであり、使用に支障なし。
×:ベタつき、使用に支障有り。
上質紙(大王製紙株式会社製、坪量64g/m2)からなる基紙の両面に表1に示すように各種条件を変化させた目止め塗工層を設け、各剥離紙用原紙を得た。また、得られた剥離紙用原紙の両面に溶剤系シリコーンを塗工し、その後乾燥して剥離紙を得た。なお、表1中の小粒子と大粒子との質量比とは、粒度分布において粒径が0.5μm未満の粒子と、粒径が0.5μm以上の粒子との質量比をいう。
実施例1〜7、11、14、16〜18、比較例1、3では下記aとbの粒子を適宜混合して用い、実施例8ではbとf、実施例9では、bとe、実施例10ではa、実施例12、13ではbとd、実施例15ではbとcの粒子を適宜混合して用いた。
a.カオグロス90(Tiele社製)
体積平均粒子径2.25μm、アスペクト比10
b.カオファイン90(Tiele社製)
体積平均粒子径0.36、アスペクト比10
c.Nuclay(エンゲルハード社製)
体積平均粒子径1.4、アスペクト比14
d.Nusurf(エンゲルハード社製)
体積平均粒子径6.3、アスペクト比16
e.カピムNP(イメリスミネラルズ・ジャパン社製)
体積平均粒子径2.0、アスペクト比20
f.カオグロス(Tiele社製)上記a.を湿式粉砕機で調整した。
体積平均粒子径1.2、アスペクト比5
実施例1〜14、実施例16〜18、比較例1では下記gを用い、実施例15、比較例2では下記hを用い、比較例3では下記iを用いた。
g.タマパールTP121M7(奥多摩工業社製)
紡錘形状、体積平均粒子径1.62μm、アスペクト比3
h.タマパールTP1217C(奥多摩工業社製)
紡錘形状、体積平均粒子径0.80μm、アスペクト比3
i.タマパールTP123(奥多摩工業社製)
柱状形状、体積平均粒子径1.6μm、アスペクト比10
PPT7561(日本ゼオン社製)
ポリビニルアルコールを付加重合させた重合接着剤(全顔料100質量部に対し、30質量部配合した。)
トップブレイン S−1(日本DMS社製)
末端に水酸基を有する多分岐ポリエステルアミド(無水コハク酸とジイソプロパノールアミンとの共重合体)
(目止め塗工層中に表1に示す量(質量%)を含有させた。)
溶剤型 KS−3561(信越化学工業社製)
各剥離紙用原紙について、表面粗さ、摩擦係数、ピンホール数、印刷適性及び搬送適性について上記方法にて評価した。また、各剥離紙について、目止め層のベタツキを評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (4)
- 基紙と、
この基紙の少なくとも片面に形成され、顔料及びバインダーを含む目止め塗工層と
を有する剥離紙用原紙であって、
上記顔料として、アスペクト比が5以上の平板顔料と、アスペクト比が5未満の非平板顔料とを含有することを特徴とする剥離紙用原紙。 - 上記顔料全体の体積平均粒子径が0.5μm以上5μm以下である請求項1に記載の剥離紙用原紙。
- 上記平板顔料の粒度分布において、粒径が0.5μm未満の粒子の含有量と、粒径が0.5μm以上の粒子の含有量との比が、質量基準で1:9以上4:6以下である請求項1又は請求項2に記載の剥離紙用原紙。
- 上記平板顔料と非平板顔料との含有比が質量基準で70:30以上98:2以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
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