JP2009185404A - 目止め塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料及び接着剤からなる目止め塗工層を紙基材上に設けながら、従来と同等以上の目止め性を有し、汎用性の高いオフセットやトッパン印刷方式での情報記録が可能な目止め塗工紙とする。
【解決手段】紙基材1の片面に、顔料及び接着剤からなる目止め塗工層2を有する目止め塗工紙について、顔料は平均アスペクト比8〜15の顔料を主原料とし、目止め塗工層2に多分岐高分子を含有させ、目止め塗工層2表面の3次元表面粗さRaを0.5〜3.5μmとし、SHO法による耐溶剤性値を25cm2当りピンホール15個以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙基材の表面に目止め塗工層が設けられた目止め塗工紙に関するものである。より詳しくは、目止め塗工層上に剥離剤層や粘着剤層が設けられて剥離紙やタック紙などとして用いられる目止め塗工紙に関するもので、特に、目止め塗工層上に見栄えの良い印刷を施すことも可能な、ビジュアル化に対応した目止め塗工紙に関するものである。
従来、剥離紙やタック紙においては、高価なシリコーン剤や粘着剤等の使用料削減を目的として、シリコーン剤や粘着剤等の紙基材への浸透を防止するため、耐溶剤性及び耐水性に優れたポリエチレンやポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの高分子化合物を、塗工、貼合、ラミネート等の手段により紙基材上に被膜形成せしめた基材を用いることが一般的に知られている。しかしながら、このように強固な耐溶剤性及び耐水性を有する被膜層を持つ剥離紙やタック紙は、離解性に劣り、古紙として回収しパルプの原料として使用すると、離解時に被膜層そのものが大きなシート状に残存したり、細片化した被膜層が抄紙工程に混入したりし、シリンダードライヤーなどに融着する等の様々な問題が発生する。そのため、このようなラミネート型の紙は古紙として利用できず、使用後は廃棄物として焼却処分等されているのが現状である。しかしながら、昨今のリサイクル化の推進や環境保護への取り組みといった社会的動向を背景に、古紙として回収し、容易に離解可能であり、パルプの原料として使用可能であることが、必要不可欠な条件となりつつある。
そこで、現在では、ラミネートに置き換わる方策として、顔料とアセチル化デンプンおよび/またはリン酸エステル化デンプンを用いた接着剤とからなる目止め塗工層を紙基材上に設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。もっとも、特許文献1は、粘着剤層に凹凸や空隙ができて剥離性が低下し、剥離紙としての機能を果たせなくなる恐れがあるため、従来公知の印刷用に供される塗工紙と比べ、カレンダーにて目止め層表面の高密度化、平滑度を高めるのが好ましいとしている。
このように、顔料と接着剤とからなる目止め塗工層を紙基材上に設ける方策は、カレンダーによる平坦化処理と顔料及び接着剤から成る所謂浸透防止層(目止め層)の効果により、耐溶剤性及び耐水性、高価なシリコーン剤や粘着剤等の使用量削減を図ることができる。
一方、昨今のビジュアル化は、従来剥離後廃棄されていた剥離紙や貼り付けにより記載情報が隠蔽されてしまう粘着紙などにおいても求められるようになり、シリコーンや粘着剤が塗布される目止め層への情報記録が試みられている。しかしながら、本来目止め塗工紙として供するために、顔料と接着剤とからなる目止め塗工層を紙基材上に設け、カレンダーにて塗工層表面の高平滑化が図られた目止め層への印刷は、特に目止め層が高密度化しているため、インクの乾燥性、セット性が極端に悪く、汎用性の高いオフセットやトッパン印刷方式での情報記録は、極めて困難な状況にある。
特開平8−120599号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、顔料及び接着剤からなる目止め塗工層を紙基材上に設けながら、従来と同等以上の目止め性を有し、汎用性の高いオフセットやトッパン印刷方式での情報記録が可能な目止め塗工紙を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
紙基材の少なくとも片面に、顔料及び接着剤からなる目止め塗工層を有する目止め塗工紙であって、
前記顔料は、平均アスペクト比8〜15の顔料を主原料として含有し、
前記目止め塗工層は、多分岐高分子を含有し、
前記目止め塗工層表面の3次元表面粗さRaが、0.6μm〜5.0μmで、
SHO法による耐溶剤性値が、25cm2当りピンホール15個以下である、
ことを特徴とする、目止め塗工紙。
〔請求項2記載の発明〕
前記接着剤が合成樹脂ラテックスで、この合成樹脂ラテックスが、粒径250〜500nmの合成樹脂ラテックス「A」と粒径80〜100nmの合成樹脂ラテックス「B」とを含み、前記合成樹脂ラテックス「A」:前記合成樹脂ラテックス「B」が70:30〜30:70の質量割合である、
請求項1記載の目止め塗工紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記目止め塗工層は、ロッドを装着したロッド型塗工装置を用いて設けられており、前記ロッドが、溝を有さないプレーンロッド、若しくは、溝の深さが25μm以下、前記溝のピッチ50μm以下、前記溝の山の長さが10μm以下とされている、
請求項1又は請求項2記載の目止め塗工紙。
本発明によると、顔料及び接着剤からなる目止め塗工層を紙基材上に設けながら、従来と同等以上の目止め性を有し、汎用性の高いオフセットやトッパン印刷方式での情報記録が可能な目止め塗工紙となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態の目止め塗工紙は、図1に示すように、紙基材1の少なくとも片面、図示例では両面に、顔料及び合成樹脂ラテックスからなる目止め塗工層2,2を有する。
本形態の紙基材1は、機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば特に制限はなく、一般的に包装用途などで使用されている晒、または未晒クラフト紙(酸性紙または中性紙)や、純白ロール紙、その他ダンボール用、建材用、白ボール用、チップボール用等に用いられる板紙等が任意に使用できる。ただし、好ましくはヤンキードライヤー等で緊張乾燥がなされた片ツヤクラフト紙、またはスーパーキャレンダーや熱勾配キャレンダーなどによるキャレンダー処理が施された晒/未晒クラフト紙等、表面が高平滑処理されたものである。このように高平滑な紙基材1を使用した場合、目止め塗工層2,2中の平板状顔料は、乱れることなく均一に、かつ塗工面に対して平行に配列しやすくなるため、目止め性能が格段に向上する。
本形態においては、目止め塗工層2,2表面の3次元表面粗さRaが、0.6μm〜5.0μm、好ましくは2.0μm〜4.0μmである。3次元表面粗さRaをコントロールすることで、オーバーコートするニス・シリコーン・PVA等の機能性樹脂皮膜3,3の皮膜精度を低塗布量で実施できると共に、オーバーコート前のオフセット・凸版印刷時のセット性を同時に満たすことができる。具体的には、3次元表面粗さRaが5.0μmを超えると、機能性樹脂皮膜3,3の皮膜精度が悪く、機能を発揮する皮膜が形成出来ない。他方、3次元表面粗さRaが0.6μmを下回ると、機能性樹脂皮膜3,3の皮膜精度が良過ぎることで、転写汚れを発生し使用できない。
本形態において、3次元表面粗さRaをコントロール(調節)する方法は、特に限定されず、例えば、近年盛んに採用されている弾性ロールを用いたソフトカレンダー等の密度を上げることなく表面を平坦化する平坦化処理手段にて塗工層表面を平坦化する方法、予め、澱粉やPVA、アクリル樹脂等のクリアーコート剤をアンダー塗工する方法、原紙の抄造段階における脱水後の工程において、予め原紙表裏面に平坦化処理(プレカレンダー処理)する方法等を例示することができる。
ここで、3次元表面粗さRaは、JIS B 0601にて定義される中心線平均粗さ(μm)である。当該中心線平均粗さ(Ra)とは、触針式の粗さ測定器にて計測した基材の断面波形を粗さ曲線とし、この粗さ曲線をある一定範囲で抜き取った部分(基準長さ)において、当該基準長さ方向で、かつ粗さ曲線で囲まれる面積を二等分するような平均線を、この断面波形の中心線とした場合に、この抜き取り部分における中心線と粗さ曲線f(x)に囲まれた面積の総和を、基準長さで除した数値をマイクロメートル(μm)表示した値を指す。
本形態の目止め塗工紙は、SHO法による耐溶剤性値が、25cm2当りピンホール15個以下、好ましくは0個〜10個以下である。SHO法でピンホールの個数を25cm2中に15個以下にすることで、オーバーコートする機能性樹脂皮膜3,3形成時の染み込みによる皮膜精度の低下を抑え、低塗工量で安定した皮膜を形成できる。
本形態において、ピンホールの個数をコントロール(調節)する方法は、先の平坦化処理にも起因するものの、例えば、本発明に基づく塗工層塗料処方を用いながら、塗工量を増やす方法、ソフトカレンダー等の密度を上げることなく表面を平坦化する平坦化処理手段にて塗工層表面を平坦化する方法、予め、澱粉やPVA、アクリル樹脂等のクリアーコート剤をアンダー塗工することで、塗工層の含浸を制御する方法等を例示することができる。
本形態の顔料は、平均アスペクト比8〜15、好ましくは9〜12の平板性の顔料を主原料(50質量%以上)として含有する。平均アスペクト比が8未満のものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため目止め性能が劣る。ここで、本発明でいうアスペクト比は、顔料の平均粒子径を、その厚さで除した値であり、この時の顔料の厚さは、電子顕微鏡による直接観察によって求める方法、及びMaxwellの曲路効果(J.Macromol.Sci.(Chem),Al(5),929(1967))によって求める方法などがある。特に後者の場合は、顔料を含んだ目止め層2,2のガス透過係数が顔料のアスペクト比と体積分率より求められることから、顔料と接着剤との配合比率を変えた目止め層において、このガス透過係数を求めることによってアスペクト比が得られ、このアスペクト比と平均粒子径より、顔料の厚さが決まる。このアスペクト比は、その値が大きいほどより平板性が高く、目止め層中における層数が多くなるために高い目止め性能を発揮するといえる。本形態においては、測定の簡便性や正確性の点から、顔料の厚さには電子顕微鏡による直接観察より得られた値を用いている。
当該主原料は、アスペクト比が8〜15であり、かつ塗工後もその平板性を保持するものであれば特に限定されるものではないが、この条件を満たす顔料の中でも、特にフィロケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)であることが好ましい。フィロケイ酸塩化合物に属するものは板状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、クレー(クレー鉱物)、雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトなどがある。これらの中でも特に雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
また、当該主原料(顔料)としては、クレーを、好ましくは50〜75質量%使用しても、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化チタン、水酸化アルミニウムより、顔料の配向性、積層による多層化を図り、浸透性の良い溶剤系の機能性樹脂を表面に残すことができ好ましい。クレーが75%を超えると溶剤系オーバーコートが浸透しやすくなり、目止め精度が低下する場合が生じる。他方、クレーが50%を下回ると目止め性は良いものの、目止め層自身にベタツキが生じ、溶剤によりゲル化し、粘着性を示してしまう。最適には60〜70%である。
クレーとしては、特にアスペクト比8〜15の微粒クレーが好ましい。使用するクレーが微粒でかつアクセプト比を15以下にすることで、後述するラテックス・多分岐高分子の効果と相まって、紙基材1に塗布後塗料が不動化するまでに顔料がフローティングと均一な配向性を発揮し、顔料及び機能性樹脂皮膜3,3間に溶剤バリヤー性を持った目止め性とインキセット性とを同時に持った凹凸を形成する。アスペクト比が8未満になるとクレーが微粒過ぎることで溶剤の目止め性が弱く塗布量が増える結果になる。他方、アスペクト比が15を超えると顔料粒子の配向のとり難くい立体障害を起こし、溶剤の目止め性が低下する。好適には、アスペクト比9〜12である。
本形態において、顔料の平均粒子径(μm)は、効率良く目止め性能を得るためには、0.6μm〜25μm、好ましくは2μm〜5.0μmである。平均粒子径が0.6μm未満であると、目止め層2,2中での顔料の配向が紙基材1に対して平行になりにくく、他方、25μmを超えて大きくなると顔料の一部が目止め層2,2から突き出る可能性が高くなるばかりでなく、配向した顔料の目止め層中における層数が少なくなってしまうために目止め性能向上効果が減少してしまう恐れがある。
ここで、当該顔料の平均粒子径は、光散乱理論を応用したレーザー回折による粒度分布測定装置において測定した値である。このような測定装置としては、コールター社製レーザー回折・光散乱粒度測定装置LS230,LS200,LS100、また島津製作所製レーザー回折式粒度分布装置SALD2000,SALD3000、堀場製作所製レーザー回折・散乱式粒度分布装置LA910,LA700,LA600などが挙げられる。
主原料以外の顔料としては、炭酸カルシウム、クレー、無定形シリカ、水酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化チタンなど、通常、紙の塗工に用いられるものが任意に使用できる。また、これら主原料以外の顔料と合成樹脂ラテックスとの好ましい配合(重量)比率(固形比)は、50:75〜50:25である。このような紙基材1は、目止め剤の紙基材1への浸み込み(選択吸収)を防止できる。また、このような目止め塗工層2,2を設けることによって、紙基材1の表面をより高平滑することができる。
本形態において、目止め塗工層2,2は、多分岐高分子、好ましくは多分岐ポリエステルアミドを含有する。
本形態で使用する多分岐高分子は、骨格にエステル基および少なくとも1つのアミド基を含有し、少なくとも800g/molの数平均モル質量を有する直鎖または分枝鎖の縮合重合体である。好ましくは、多分枝ポリエステルアミドで、800〜16,000g/molのモル質量を有する。
好ましい多分岐ポリエステルアミドは、「化1」で示される。
Figure 2009185404
ここでYは、
Figure 2009185404
(C1−C20)(シクロ)アルキル、又は(C6−C10)アリール、H、A−OR7
Figure 2009185404
であり、Dは、置換または非置換の、(C2−C24)アリールまたは(シクロ)アルキル脂肪族ビラジカルであり、
1は、
Figure 2009185404
式中、X2は、X1が少なくとも1回繰り返して存在し、
Figure 2009185404
で終了するものであり、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、H、(C6−C10)アリール又は(C1−C8)(シクロ)アルキルラジカルから選択され、nは1〜4であり、OR7は、ヒドロキシ官能モノマー、オリゴマー又はポリマー由来であり、ここに、R7は、H、アリール、アルキル、シクロアルキル又はポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン又はナイロンオリゴマーのラジカルであってもよく、R8およびR9は、互いに独立して、ヘテロ原子により置換されていても、置換されていなくてもよい(C6−C10)アリール基又はヘテロ原子により置換されていても、置換されていなくてもよい(C1−C28)アルキル基の群から選択され、C(O)R10は、モノマー、オリゴマー又はポリマー単官能カルボン酸由来である。nが1である場合、エステル化が最も速くなるので、好ましくは、nは1である。
多分岐高分子の調製は、WO−A−99/16810、WO−A−00/58388及びWO−A−00/56804に記載されているような公知の方法で行うことができる。これらの公報は、多分岐高分子を、環状無水物又はジカルボン酸とアルカノールアミン、好ましくは、ジ(アルカノールアミン)とを反応させることにより調製することを記載している。多分岐高分子の調製に関する他の方法は、a)ヒドロキシ又はアミン官能モノマー、オリゴマー又はポリマーと、第1のモル過剰の環状カルボン酸無水物とを接触させ、酸官能エステル、それぞれ、酸官能アミド及び環状カルボン酸無水物の混合物を形成する方法、b)混合物と、第1のモル過剰に対して第2のモル過剰のアルカノールアミンとを接触させる方法などがある。
多分岐高分子の調製に適当なジカルボン酸は、C2−C24(シクロ)アルキル、アリールまたは(シクロ)アルキル−アリールラジカル由来のジカルボン酸である。ジカルボン酸は、飽和であっても、または不飽和であってもよい。ジカルボン酸の例としては、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸またはグルタル酸が挙げられる。
好ましい環状無水物は、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水(メチル)コハク酸および無水グルタル酸である。
好ましいアルカノールアミンは、ジ(アルカノール)アミン、より好ましくは、ジ−β−アルカノールアミンである。例としては、ジイソブタノールアミンおよびジイソプロパノールアミンが挙げられる。
特に、骨格にコハク酸、末端基に水酸基、脂肪酸エステル、アセテート安息香酸塩、カルボキシル基、ターシャリーアミン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドを含む2,5−フランジオン、1,1−イビノビス[2−プロパノール]、1,3−イソベゾンフランジオン、ジヒドロ2,5−フランジオン多分基高分子を使用することで顔料及びラテックスの水酸基に作用し、凝集している超微粒子をミクロ分散させることで、紙基材1に塗布後不動化する前に紙基材1の表面の毛細管を微粒子で充填し、紙基材1への浸透防止効果が得られ、顔料とラテックス間に入り電気的に安定した状態で存在することができ、塗料粘度の減粘作用と高保水性とを同時に発揮し、レベリング速度を速め、カレンダーを必要としない(したがって、高密度化されない)平坦な目止め塗工層2,2を形成できる。
目止め塗工層2,2中の多分岐高分子の配合質量割合は、0.2〜10%、好ましくは1.0〜5.0%である。0.2%未満になると多分岐高分子の特徴であるミクロ分散・減粘作用・高保水性を得られない。他方、10%を超えると効果が頭打ちになりコスト競争力を悪化させる。
本形態においては、接着剤が合成樹脂ラテックスで、この合成樹脂ラテックスが、ゲル含有量が70%以上、好ましくは80%〜90%で、粒径250nm〜300nm、好ましくは290nm〜300nmの合成樹脂ラテックス「A」と粒径80nm〜100nm、好ましくは85nm〜95nmの合成樹脂ラテックス「B」とを含み、合成樹脂ラテックス「A」:合成樹脂ラテックス「B」が70:30〜30:70、好ましくは60:40〜40:60の質量割合であると、好適である。ゲル含有量が70%以上の粒子径の異なる大粒径の合成樹脂ラテックス「A」及び小粒径の合成樹脂ラテックス「B」を含むと、目止め塗工層2,2が乾燥後に顔料を接着するラテックス成分の密度(最密充填)の嵩上げによる緻密な層になり、オーバーコートする溶剤系のニス・シリコーンの皮膜形成が最適であった。
より詳細には、小粒径の合成樹脂ラテックス「B」が粒径80nm未満、大粒径の合成樹脂ラテックス「A」が粒子250nm未満又は300nm超になると細密充填のバランスが崩れ平坦性が得られない。好適には大粒径の合成樹脂ラテックス「A」が粒子300nm、小粒径の合成樹脂ラテックス「B」が粒径90nmのものを、合成樹脂ラテックス「A」:合成樹脂ラテックス「B」が70:30〜30:70の配合質量割合となるように含むと、最適である。
ゲル含有量が70%未満になると、溶剤に対する耐溶剤性が低く目止め性が低下する。他方、ゲル含有量が90%を超えると効果が頭打ちでコスト競争力が無くなる。ゲル含有量が80%で粒子径の異なる2種類のラテックスを組み合わせると、最適である。
以上の合成樹脂ラテックスとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐水性が良好で、伸びが良く折割れによる目止め塗工層2,2の亀裂が生じにくいスチレン−ブタジエン系共重合体が好適である。また、スチレン−ブタジエン系共重合体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリルグリシジルエーテルなどで変性されたスチレン−ブタジエンラテックス(変性SBR)を使用することもできる。
また、本形態に使用する平板状顔料と合成樹脂ラテックスとの配合(質量)比率(固形比)は、好ましくは30:70〜70:30である。
以上の目止め塗工層2,2の形成装置は特に限定されず、例えば、ブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エアーナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等の公知の装置を使用して紙基材1に塗工して形成することができる。ただし、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。より好ましくは、ロッド型塗工装置で、ロッド型塗工装置を使用することで塗工量調整を紙基材1とロッド間の隙間で行うことができ、低シェア条件で平面塗工ができ、同じ平面塗工を行うブレードコーターより低シェア条件で塗工できシェア圧が加わることでの水分・ラテックス成分の含浸による不動化・レベリング不良を防止できる。
ロッド型塗工装置を用いる場合、より好ましくは、ロッドが溝を有さないプレーンロッドを用いて塗工紙することが好ましい。塗工量の調整やクレーの含有率が高い場合に生じやすい塗工ムラの是正においては、好ましくはロッドの溝深さが25μm以下、当該溝のピッチが50μm以下、当該溝の山の長さが10μm以下とされているのが好ましい。プレーンロッドを用いることにより、平板性の顔料を主成分で用いながら、顔料の突出を抑え顔料の平坦化を促進し、塗工層表面の粗さを抑えることが出来ると共に、平板顔料の平坦な緻密な表面構成を確保でき、ピンホールの改善や印刷適性を向上させることができる。また、塗料粘度の上昇や流動性が劣るクレー等を過分に用いても、ロッドの溝深さが25μm以下、当該溝のピッチが50μm以下、当該溝の山の長さが10μm以下の範囲内であれば、ストリークやスティッキング等の操業時の問題を間然することができる。
目止め塗工層2,2の塗工量は、好ましくは3g/m2〜10g/m2、より好ましくは4g/m2〜8g/m2である。塗工量が3g/m2未満であると、基材表面の被覆性に劣り、基材表面の表面性の影響を受けやすく、表面平坦性や印刷適性低下やピンホール発生問題が生じ、S.H.O法による耐溶剤性値25cm2当りピンホール15個以下を満たすことが出来ない。他方、塗工量が10g/m2を超えると、塗工層の割れや目止め塗工紙に硬さが生じ作業性が低下すると共に、コストアップになり、塗工層のベタツキや古紙原料としてリサイクルする際の水離解性に悪影響を与える。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
まず、上質紙(大王製紙株式会社製、坪量64g/m2)からなる紙基材の両面に表1に示すように各種条件を変化させた目止め塗工層を設け、得られた目止め塗工紙について、乾燥性及びセット性(印刷適正)を評価した。また、得られた目止め塗工紙の両面に溶剤系シリコーンを塗工して剥離紙とし、この剥離紙表面のべたつき感を評価した。なお、各種条件及び評価方法の詳細は、次のとおりである。
Figure 2009185404
〔クレー(顔料)〕
製品名:カオグロス、製造元:THIELE社を原料に、湿式粉砕機にて平均粒径、アスペクト比を適宜調整して使用した。
〔その他の顔料〕
表中、カルシウムとあるのは軽質炭酸カルシウムであり、アルミニウムとあるのは水酸化アルミニウムである。また、径とあるのは平均粒子径である。
〔接着剤〕
〔A〕:粒径:300nm 製品名:A5840、製造元:旭化成(株)
250nm 製品名:2507H、製造元:日本ゼオン(株)
290nm 製品名:NDS5001、製造元:日本ゼオン(株)
〔B〕:粒径: 90nm 製品名:S2A 、製造元:日本ゼオン(株)
80nm 製品名:LX110、製造元:日本ゼオン(株)
100nm 製品名:2570X5、製造元:日本ゼオン(株)
50nm 製品名:1561、製造元:日本ゼオン(株)
110nm 製品名:LX410、製造元:日本ゼオン(株)
比率は〔A〕:〔B〕である。
〔多分岐高分子〕
製品名:トップブラン S−1、製造元:日本DMS
〔ロッド仕様〕
実施例3は、深さ20μm、ピッチ20μm、山の長さ10μmのワイヤー付きロッドを使用した。実施例10は、深さ25μm、ピッチ50μm、山の長さ20μmのワイヤー付きロッドを使用した。実施例13は、深さ20μm、ピッチ40μm、山の長さ10μmのワイヤー付きロッドを使用した。比較例1は、深さ30μm、ピッチ60μm、山の長さ30μmのワイヤー付きロッドを使用した。
〔表面粗さ〕
レーザー顕微鏡:カラーレーザー顕微鏡 高解像度タイプVK-9700型 キーエンス社製を使用して測定した。
〔ピンホール〕
S.H.O法:トルエン9と染料1で混ぜた有機溶剤試験液を1mlピペット採取。目止め面上に25cm2以上になる塗布型(かた)を乗せて、試験液をまんべん無く塗布する。塗布後反対面より、ピンホールの個数を目視確認し評価する。
〔印刷適性〕
RI印刷試験器(石川島播磨重工業社製 RI−II型)を使用し、TV(タック)−16のインキを試験片にベタ印刷を実施した。
(1)乾燥性:印刷後1分・3分・5分・10分後に上質紙(白紙)を印刷面に接触させ、インキの転写状況より乾燥性を比較した。
◎:印刷後1分・3分・5分・10分後いずれも転写なし。
○:印刷後1分では僅かに転写が見られるが、使用に差し支えなし。
×:10分後においても転写する。
(2)セット性:印刷後3日間静置後の印刷上がりを目視評価した。
◎:インキの着肉ムラ、光沢ムラとも無い。
○:若干、着肉ムラ、光沢ムラが見られるが、使用に差し支えなし。
×:着肉ムラ、光沢ムラが見られる。
〔目止め塗工層のベタツキ〕
塗布面を触診する官能試験を実施した。
◎:全くベタツキがない。
○:若干のベタツキであり、使用に支障なし。
×:ベタつく。
〔市販品A及び市販品B〕
印刷用として市販されている一般の塗工紙を入手し、目止め塗工紙として使用できるか否か確認した。しかしながら、目止め性が殆ど無く、目止め塗工紙としては使用できい品質であった。
本発明は、紙基材の表面に目止め塗工層が設けられた目止め塗工紙として、より詳しくは、目止め塗工層上に剥離剤層や粘着剤層が設けられて剥離紙やタック紙などとして用いられる目止め塗工紙として、適用可能である。特に、目止め塗工層上に見栄えの良い印刷を施すことも可能な、ビジュアル化に対応した目止め塗工紙として適用可能である。
本実施の形態の目止め塗工紙の断面図である。
符号の説明
1…紙基材、2…目止め塗工層、3…機能性樹脂皮膜。

Claims (3)

  1. 紙基材の少なくとも片面に、顔料及び接着剤からなる目止め塗工層を有する目止め塗工紙であって、
    前記顔料は、平均アスペクト比8〜15の顔料を主原料として含有し、
    前記目止め塗工層は、多分岐高分子を含有し、
    前記目止め塗工層表面の3次元表面粗さRaが、0.6μm〜5.0μmで、
    SHO法による耐溶剤性値が、25cm2当りピンホール15個以下である、
    ことを特徴とする、目止め塗工紙。
  2. 前記接着剤が合成樹脂ラテックスで、この合成樹脂ラテックスが、粒径250〜500nmの合成樹脂ラテックス「A」と粒径80〜100nmの合成樹脂ラテックス「B」とを含み、前記合成樹脂ラテックス「A」:前記合成樹脂ラテックス「B」が70:30〜30:70の質量割合である、
    請求項1記載の目止め塗工紙。
  3. 前記目止め塗工層は、ロッドを装着したロッド型塗工装置を用いて設けられており、前記ロッドが、溝を有さないプレーンロッド、若しくは、溝の深さが25μm以下、前記溝のピッチ50μm以下、前記溝の山の長さが10μm以下とされている、
    請求項1又は請求項2記載の目止め塗工紙。
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