JPH08120599A - 剥離紙 - Google Patents

剥離紙

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JPH08120599A
JPH08120599A JP25701294A JP25701294A JPH08120599A JP H08120599 A JPH08120599 A JP H08120599A JP 25701294 A JP25701294 A JP 25701294A JP 25701294 A JP25701294 A JP 25701294A JP H08120599 A JPH08120599 A JP H08120599A
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JP
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JP25701294A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Tsukada
力 塚田
Tomonari Deguchi
朋斉 出口
Yukiko Suzuki
由紀子 鈴木
Kazuya Nishikawa
一哉 西川
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】商品や商品容器の表面に貼合される粘着ラベ
ル、粘着シールおよび包装容器の梱包に用いられる粘着
テープ等に使用する剥離紙であって、特に原紙上にポリ
エチレン等の樹脂をラミネートする必要がなく、直接無
溶剤型剥離剤を塗布することができ、さらに古紙パルプ
として再利用が可能な剥離紙を提供する。 【構成】原紙上に、接着剤を含有する塗被組成物を塗
被、乾燥して目止め層を設けて剥離紙用基材とし、さら
にその目止め層上に無溶剤型剥離剤層を積層してなる剥
離紙であって、該接着剤としてアセチル化デンプンおよ
び/またはリン酸エステル化デンプンを用いた剥離紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無溶剤型剥離剤を使用
した剥離紙に関するものであり、さらに詳しく述べるな
らば、主として商品や商品容器の表面に貼合される粘着
ラベル、粘着シールおよび包装容器の梱包に用いられる
粘着テープ等に使用する剥離紙に関するものであって、
特に原紙上にポリエチレン等の樹脂をラミネートする必
要がなく、直接無溶剤型剥離剤を塗布することができ、
さらに古紙パルプとして再利用が可能な剥離紙に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着ラベル、粘着シールおよび粘
着テープ等に使用される剥離紙の基材としては、ポリエ
チレンラミネート紙、グラシン紙およびクレーコート紙
等が知られている。これらの基材の中で、パルプ繊維
(木材パルプ)を主原料とする上質紙、片艶紙およびク
ラフト紙等の表面にシリコーン樹脂等の剥離剤溶液の浸
透を極力抑制して剥離剤の性能を最大限に発揮させる目
的で、ポリエチレン樹脂フィルム層を形成させたものが
一般に用いられている。しかし、上記のポリエチレンラ
ミネート紙は、ポリエチレン樹脂が強固な連続皮膜を形
成し、かつその被膜が水に不溶なためにこの基材を回収
し、製紙工程で再生利用することが不可能なことより、
今日、産業廃棄物処理面より大きな問題となっている。
【0003】一方、極度に叩解されたパルプを原料とす
るグラシン紙等を原料として用い、これに直接シリコー
ン樹脂等の剥離剤溶液を塗布する方法も試みられてい
る。しかし、このような原紙は、原料のパルプを極度に
叩解して仕上げられており、さらにキャレンダー処理等
により繊維間結合を強固にしているため、再生利用の際
に、水中で容易に分散、離解がされ難いという難点を有
している。さらに、たとえ機械力の強化および化学的処
理の導入により水中で分散できたとしても、叩解処理が
強化されていることより繊維が著しく損傷しているた
め、一般の紙の原料として再利用することは困難であ
る。
【0004】また、特公平1−35959号公報や特開
平4−23876号公報には、直接剥離剤溶液を塗布し
て得られる剥離紙のための基材として、原紙表面に無機
顔料および有機接着剤を主成分とする塗料を塗被して下
塗り層を形成するクレーコートタイプの基材が開示され
ている。このような基材においては、原紙中の微小な空
隙を下塗り層が被覆し、これを目止めする効果は認めら
れている。しかし、下塗り層の顔料相互の間には、さら
に微細な連続孔が無数に形成されており、この微細な連
続孔を通して剥離剤溶液が原紙中に浸透するという問題
がある。このためポリエチレンラミネート紙等の加工を
施したものと比べ高価な剥離剤を多量に塗布する必要が
ある。
【0005】なお、剥離剤としては、シリコーン樹脂、
フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等
があり、エマルジョンや溶剤型または無溶剤型として使
用されているが、大半はシリコーン樹脂である。現状で
は、これら剥離剤を溶剤で希釈したもの、所謂、溶剤型
剥離剤を剥離紙用基材に塗布するのが一般的である。そ
の理由としては、剥離剤を塗布する際、溶剤で希釈する
ことにより流動性を適宜調節し、基材表面に剥離剤皮膜
の均一な層を形成させ、剥離剤の性能を最大限に発揮さ
せることが容易にできるという特徴を利用するためであ
る。しかしながら、近年、作業上の安全性や公害面に対
する配慮が強く求められており、作業者の健康保持の面
からも剥離剤の無溶剤化が強く望まれている。
【0006】ところで、実際に、溶剤型剥離剤を剥離紙
用基材に塗布する場合には、剥離剤が溶剤で希釈されて
いるので塗布する液量が多く、一方、無溶剤型剥離剤を
基材に塗布する場合には、溶剤を全く使用していないの
で塗布する液量は少ない。そのために無溶剤型剥離剤を
用いる場合には、溶剤型剥離剤に比べてより薄い均一な
剥離剤皮膜を剥離紙用基材上に形成させなければなら
ず、剥離紙用基材として、例えば従来のクレーコート紙
を用いて、その上に均一な剥離剤皮膜層を形成させるこ
とが困難であった。
【0007】即ち、上記の如き状態でクレーコート紙の
表面上に剥離剤を塗布した場合、得られた剥離剤層に凹
凸や微小な空隙ができ、次に剥離剤層上に粘着剤層を形
成させる工程では粘着剤がその凹部や空隙に入り込むた
め、次の工程で表面基材を貼合わせて粘着シートを形成
した後、粘着剤層を伴った表面基材を剥がすときにかか
る力(以下、剥離力と称す)が極度に重くなり、表面基
材が破れる等の障害を起こし、作業性や品質面上の極め
て重大な問題となっている。
【0008】上記の如き実状より、安全面および公害面
で優れている無溶剤型剥離剤を利用するに際し、基材内
部への浸透を抑制し、かつ基材表面に均一な薄膜を形成
できる剥離紙用基材の開発が強く望まれている。また、
森林資源保護のために再生利用可能な剥離紙が強く望ま
れているが、現状ではいまだにこれらの要件を十分満た
し得る剥離紙は得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明者等は無溶剤型剥離剤の剥離紙用基材への浸透を抑
制し得る基材の研究のみならず、剥離紙用基材の紙質に
ついても幅広く研究した結果、原紙上に特定の接着剤を
含有する塗被組成物を設けることにより、無溶剤型剥離
剤の浸透が全面的に抑制され、かつ剥離剤による均一な
薄膜によって、基材が完全に被覆されることを見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は無溶剤型剥
離剤を使用した剥離紙であって、極めて優れた剥離性を
有し、かつ古紙や不良紙となった後に、再生パルプとし
て再利用できる剥離紙を提供するものである。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明は、原紙上に、接着
剤を含有する塗被組成物を塗被、乾燥して目止め層を設
けて剥離紙用基材とし、さらにその目止め層上に無溶剤
型剥離剤層を積層してなる剥離紙において、該接着剤と
してアセチル化デンプンおよび/またはリン酸エステル
化デンプンを用いたことを特徴とする剥離紙である。
【0011】
【作用】本発明者等は、無溶剤型剥離剤の基材への浸透
を極力抑制するために、ポリエチレンをラミネートした
従来の剥離紙用基材のポリエチレン機能を細部に亘り解
析した。その結果、原紙として、繊維パルプを主原料と
して製造され、孔径0.1〜1.0ミクロンの微細な空
隙を有し、多孔性で吸水性に富む原紙上に、以下の2つ
の条件、即ち、(1)無溶剤型剥離剤の浸透を抑制せし
め、かつ(2)原紙層に散在する孔径1〜200ミクロ
ンの空隙を目止めすること、を同時に達成できるような
塗被層を形成させることにより、従来のポリエチレンラ
ミネート紙に匹敵する性能と同様の効果が得られるとの
結論に至った。
【0012】本発明者等は、上記(1)および(2)の
手段を確立すべく、さらに鋭意研究を重ねた。その結
果、無溶剤型剥離剤の浸透防止機能と、原紙の有する空
隙の目止め機能とを同時に達成し得るものとして、塗被
層となる水性塗被液に使用する接着剤として、アセチル
化デンプンおよび/またはリン酸エステル化デンプンを
使用すると、極めて優れた剥離紙用基材となり得ること
を見出したのである。
【0013】次に、本発明の剥離紙を製造する上で、原
紙に塗被層を設けた後の剥離紙用基材のより好ましい要
件となり得る透気度および平滑度について述べる。先
ず、透気度であるが、本発明において、透気度は旭精工
社製王研式透気度試験器(JAPAN TAPPI紙パ
ルプ試験法No.5に準拠した方法)で測定した値であ
り、この値が3000秒未満の場合には無溶剤型剥離剤
が塗被層の中に浸透して剥離性が低下し、剥離紙として
の機能が果たせなくなる恐れがある。したがって、本発
明では、塗被層面の透気度として3000秒以上、好ま
しくは5000秒以上とすることで無溶剤型剥離剤の塗
被層への浸透を完全に抑制できることを見出した。因み
に、透気度を3000秒以上とするには、塗被層の塗被
量を多くすることで対応できるが、前記したアセチル化
デンプンおよび/またはリン酸エステル化デンプンを使
用することによって、少ない塗被量で十分な透気度が得
られ、かつ塗被量が少ない程再離解が容易なために再生
化がその分簡単に行われるので、経済的でもある。
【0014】また、平滑度は旭精工社製王研式平滑度試
験器(前述)で測定した値であり、この値が500秒未
満の場合には、無溶剤型剥離剤を塗布する際に均一な薄
膜ができ難く、剥離剤層に凹凸や空隙ができて剥離性が
低下し、剥離紙としての機能を果たせなくなる恐れがあ
る。したがって、本発明では、剥離紙用基体の塗被層面
の平滑度が500秒以上、好ましくは1000秒以上に
調節することにより、剥離剤の均一な薄膜が形成され、
剥離紙用基材の原紙を完全に被覆し、剥離性が最大限に
発揮されることを見出した。なお、所望の平滑度を得る
には、通常のスーパーキャレンダー等の加圧装置で適宜
処理することにより、所望の効果を得ることができる。
また、特に上記の透気度や平滑度の上限を設けるもので
はないが、いたずらに高めることは、紙ぐせ不良やハン
ドリング上でのトラブルの原因となる恐れもあるので、
適当に調節すべきである。
【0015】本発明に係る剥離紙用基材の原紙について
は、特に制約はなく、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹
晒クラフトパルプ、または他の化学パルプや機械パルプ
を主原料として用い、長網多筒型抄紙機、長網ヤンキー
型抄紙機、あるいは丸網抄紙機で抄紙された上質紙、中
質紙、片艶紙およびクラフト紙等を包含するものであ
る。また原紙中に有機および無機の顔料、ならびに化学
薬品(助剤)等が適宜含まれていてもよい。
【0016】本発明において、剥離紙用基材の塗被層用
塗被液に使用する接着剤としては、アセチル化デンプン
および/またはリン酸エステル化デンプンを必須要件と
するものであるが、勿論、他の接着剤との併用も可能で
ある。そして、アセチル化デンプンとしては、例えばナ
ショナルスターチ・アンド・ケミカル社から市販されて
いる「ナショナル78−0338」、またリン酸エステ
ル化デンプンとしては、例えば松谷化学社から市販され
ている「ニールガムA−85」等を挙げることができ
る。それ以外の接着剤としては、例えばポリビニルアル
コール、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、カル
ボキシメチルセルロースあるいはカゼイン等の水溶性高
分子化合物や、スチレン・ブタジエン共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸
エステルの共重合体のエマルジョン、ポリアクリルアミ
ド共重合体等の水不溶性高分子化合物を適宜併用でき
る。
【0017】また、剥離紙用基材の塗被層に使用する顔
料は特に制約はなく、一般に塗被紙製造分野で使用され
る顔料が適宜使用される。具体的には、例えばカオリ
ン、クレー、水酸化アルミニウム、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、チサンホワイ
ト、タルク、プラスチックピグメント、酸化亜鉛、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム等の無機顔料および有機顔料
を挙げることができる。勿論、それらの二種類以上の顔
料を併用することもできる。さらに、分散剤、耐水化
剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤、防腐剤等の補助薬品を任
意に配合することもできる。
【0018】なお、顔料と上記特定のデンプンとの配合
率には格段の制限はないが、1987年のTappi Journal の
「Layer struckure in model coating」と題するAnna M
aijaLeskine-ne 氏の論文に記されるとおり、球形の顔
料が細密充填した場合の空隙率は約26%であり、この
理論から顔料100重量部に対し、樹脂を単独で配合す
る場合には10重量部以上含めばよいことになるが、実
際には25重量部以上含むのが好ましい。一方、板状の
顔料を用いる場合には、一般に空隙は減少するのでこれ
より低い配合率でよい。したがって、カオリン等の板状
の顔料を多く配合して使用すると緻密な顔料塗被層が形
成されるので品質上好ましい。樹脂の配合率が著しく高
い場合には、顔料による原紙への剥離剤の浸透防止効果
が低下するため、顔料100重量部に対して70重量部
以下の範囲で配合するのが好適である。また、上記特定
のデンプンと水溶性高分子化合物や水不溶性高分子化合
物(接着剤)とを併用する場合、これらの全量が、顔料
100重量部に対して25重量部以上含まれればよい
が、十分な効果を得るには、少なくとも、上記特定のデ
ンプンが顔料100重量部に対して5重量部以上含まれ
ることが重要である。因みに、5重量部未満では本発明
の初期の作用効果が得られない恐れがある。
【0019】上記の如き構成からなる塗被液(目止め
層)を、剥離紙用基材の原紙上に塗被するための塗被設
備としては、特に限定されないが、例えばサイズプレ
ス、ゲートロールコーター、バーコーター、ロールコー
ター、エアナイフコーター、およびブレードコーター等
を例示できる。塗被方法としては、原紙上に一層あるい
は二層に分けて片面または両面に塗被できる。
【0020】また、目止め層の塗被量としては、特に限
定されるものではないが、本願発明が所望とする作用効
果をより効果的に得ようとすると、一般に乾燥重量で片
面当たり3〜20g/m2 、より好ましくは5〜15g
/m2 の範囲で調節することが望ましい。因みに、3g
/m2 未満の場合には、剥離剤の浸透抑制効果や原紙層
の空隙の目止め効果が得られ難く、他方20g/m2
超えると、効果が飽和し、経済的でない、さらには古紙
(パルプ)の再離解性に時間がかかり過ぎる等の難点の
発生する恐れがある。
【0021】さらに、より好ましい態様となるように、
塗被層表面の仕上げ処理が必要に応じて施される。その
場合の仕上げ方法としては、例えばスーパーキャレンダ
ー、グロスキャレンダー、ソフトコンパクトキャレンダ
ー等の各種キャレンダーがオンマシンやオフマシンの仕
様で適宜選択して用いられる。
【0022】本発明に係る無溶剤型剥離剤としては、熱
硬化型、紫外線硬化型、および電子線硬化型等の剥離剤
が挙げられる。剥離剤層を設けるための塗被装置として
は、例えばロールコーター、グラビアコーター等の剥離
剤塗被用の各種コーター、あるいは印刷機等が適宜使用
される。また、剥離剤の塗被量は、古紙再生パルプとし
て再利用することを考慮すると、乾燥重量で片面当たり
0.2〜3.0g/m 2 程度の範囲で調節するのが望ま
しい。
【0023】本発明により得られた剥離紙は、パルプ繊
維の離解性に優れ、かつ原紙にポリエチレン等の樹脂ラ
ミネートする工程が省略できるため製造原価が極めて安
価であり、さらにトルエン等の溶剤を全く使用しない無
溶剤型剥離剤を塗布するものであり安全面や公害面での
懸念がなく、数々の優れた利点を有するものである。ま
た、本発明の剥離紙は剥離剤が原紙内部にまで浸透して
いないため、回収後の再生工程での分離が極めて容易で
ある。
【0024】即ち、使用済、または不良の剥離紙が再生
工程において、水中に投入されたとき、剥離紙の原紙上
に設けられた塗被層は原紙から容易に離脱するために繊
維パルプのみを回収、再利用することが容易である。ま
た、この再生パルプは撥水性を有する剥離剤を含まない
ため、印刷用紙などの抄紙工程に混入して使用しても、
ハジキなどの障害の原因となることもない。
【0025】
【実施例】実施例を挙げて本発明をより具体的に説明す
るが、勿論、本発明はそれらの実施例に限定されるもの
ではない。各実施例中に記載された部および%は、特に
断らない限り、それぞれ「固形分重量部」および「固形
分重量%」で示した。
【0026】実施例1 (原紙の抄造)針葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:47
0ml)=20部、広葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:4
70ml)=80部、50%タルク分散液=10部、30
%強化ロジンサイズ剤(商品名:SPE/荒川化学工業
製)=0.3部、および30%硫酸アルミニウム液=2
部からなるパルプ紙料を調製した。次いで、この紙料を
用いて長網多筒型抄紙機により、米坪80g/m2 の原
紙を抄造した。
【0027】(剥離紙用基材の製造)カオリン(商品
名:HTクレー/エンゲルハード製)=100部、40
%アクリル分散液(商品名:ポイズ520/花王製)=
2.5部、および15%アセチル化デンプン液(商品
名:ナショナル78−0338/ナショナルスターチ・
アンド・ケミカル製)=50部からなる35%塗被液
(目止め層用)を調製した。次いで、この塗被液を上記
原紙の片面に、乾燥重量が6.0g/m2 になるように
ブレードコーターを用いて塗被、乾燥した。得られた乾
燥塗被紙をスーパーキャレンダーに通紙して平滑化処理
を行い、王研式平滑度が330秒、および王研式透気度
が2600秒の剥離紙用基材を得た。
【0028】(剥離紙の製造)付加反応型無溶剤シリコ
ーン(商品名:KNS−320/信越化学工業製)=1
00部、および白金触媒(商品名:PL−56/信越化
学工業製)=2部からなる剥離剤を調製した。次いで、
この剥離剤を前記の剥離紙用基材の目止め層(塗被層)
上に乾燥重量が1.0g/m2 となるように、グラビア
コーターで塗布し、熱風で硬化して剥離紙を得た。
【0029】上記剥離紙から所定の共紙片を作製し、剥
離剤層の被覆性、離解性、剥離力を下記方法により測
定、評価テストを行った。
【0030】〔剥離剤層の被覆性〕市販の油性ペンを用
いて、10cm2 の剥離紙の剥離剤層上に均一に塗り、
反対面に認められる班点状のピンホールを観察して、そ
の被覆効果を判定した。 ◎ : 極めて良好 ○ : 良好 △ : 不良 × : 極めて不良
【0031】〔離解性〕上記共紙片を、JIS P82
09に準拠した標準離解機による離解処理に共し、試料
成分の分散状態を観察してその離解性を評価した。 ◎ : 極めて良好 ○ : 良好 △ : 不良 × : 極めて不良
【0032】〔剥離力〕上記剥離紙上にアクリルエマル
ジョン粘着剤(商品名:ニカゾールL−145/日本カ
ーバイト製)を乾燥重量が25g/m2 となるようにリ
バースロールコーターで塗布し、130℃の熱風乾燥機
で乾燥し、米坪64g/m2 の上質紙を貼合わせて粘着
紙を得た。
【0033】この粘着紙を抄紙機の流れ方向を長辺とす
る10cm×5cmのサンプルを作製し、INTESC
O Model 2001で剥離速度0.3m/分の試
験条件で、流れ方向に180度の引張り角度で剥離させ
たときの剥離力(g)を測定した。得られたテスト結果
を表1に示した。なお、剥離力は小さい程良い。
【0034】〔総合評価〕上記の各評価試験結果を総合
的に判断して、評価した。 ◎ : 極めて良好 ○ : 良好 △ : 不良 × : 極めて不良
【0035】実施例2 実施例1において、剥離紙用基材にスーパーキャレンダ
ー処理を行う時の加圧条件を変えて、処理後の基材の王
研式平滑度が750秒、および王研式透気度が3100
秒とした以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。
次いで、実施例1と同様の評価テストを行った。
【0036】実施例3 実施例1において、下記の如き方法により原紙を抄造
し、目止め層を設けて剥離紙用基材を作成した以外は、
実施例1と同様にして剥離紙を作成し、実施例1と同様
の評価テストを行った。得られた結果を表1に示した。
【0037】(原紙の抄造)針葉樹晒クラフトパルプ
(叩解度:470ml)=50部、広葉樹晒クラフトパル
プ(叩解度:470ml)=50部、50%タルク分散液
=10部、30%強化ロジンサイズ剤(商品名:SPE
/荒川化学工業製)=0.3部、および30%硫酸アル
ミニウム液=2部、からなるパルプ紙料を調製した。次
いで、この紙料を用いて長網ヤンキー型抄紙機により、
米坪85g/m2 の片艶紙を抄造した。
【0038】(剥離紙用基材の製造)上記の片艶紙の艶
面上に実施例1と同様にして目止め層(塗被層)を形成
した後、スーパーキャレンダー処理を行い、剥離紙用基
材を得た。このときの基材の王研式平滑度は1100
秒、および王研式透気度は4800秒であった。
【0039】実施例4 実施例2において、実施例2で使用した剥離紙用基材
(目止め層)の上に下記に示す剥離剤をその塗布量が
0.9g/m2 となるように多段式ロールコーターを用
い、紫外線で硬化して塗布した以外は、実施例2と同様
にして剥離紙を得た。次いで、実施例1と同じ評価テス
トを行い、得られた結果を表1に示した。
【0040】(剥離剤)紫外線硬化型無溶剤シリコーン
(商品名:BY24−551A/東レ・ダウ・コーニン
グ・シリコーン社製)=100部、および触媒(商品
名:BY24−551B/東レ・ダウ・コーニング・シ
リコーン社製)=30部からなる剥離剤。
【0041】実施例5 実施例1において、実施例1と同様の原紙を使用し、下
記の方法により剥離紙用基材を作成した以外は、実施例
1と同様にして剥離紙を得た。次いで、実施例1と同じ
評価テストを行い、得られた結果を表1に示した。
【0042】(剥離紙用基材の製造)カオリン(商品
名:HTクレー/エンゲルハード社製)=100部、4
0%アクリル分散液(商品名:ポイズ520/花王社
製)=2.5部、10%ポリビニルアルコール液(商品
名:PVA103/クラレ社製)=50部、および15
%アセチル化デンプン液(商品名:ナショナル78−0
338/ナショナルスターチ・アンド・ケミカル社製)
=15部からなる30%塗被液を調製した。
【0043】この塗被液を実施例1と同様の原紙の片面
に乾燥後の塗被量が6.0g/m2となるようにゲート
ロールコーターで塗被、乾燥した。次いで、スーパーキ
ャレンダーで処理し、王研式平滑度が640秒、および
王研式透気度が5800秒の剥離紙用基材を得た。
【0044】実施例6 実施例1において、剥離紙用基材を下記の方法により作
成した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。次
いで、実施例1と同じ評価テストを行い、得られた結果
を表1に示した。
【0045】(剥離紙用基材の製造)実施例1と同様の
原紙の片面に、15%リン酸エステル化デンプン液(商
品名:ニールガムA−85/松谷化学社製)を目止め層
用塗被液として、乾燥重量が2.5g/m2 となるよう
にブレードコーターで塗被、乾燥した後、スーパーキャ
レンダーで処理し、王研式平滑度が470秒、および王
研式透気度が3700秒の剥離紙用基材を得た。
【0046】実施例7 実施例1において、剥離紙用基材を下記の方法により作
成した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。次
いで、実施例1と同じ評価テストを行い、得られた結果
を表1に示した。
【0047】(剥離紙用基材の製造)先ず、目止め層用
塗被液として、カオリン(商品名:HTクレー/エンゲ
ルハード社製)=100部、40%アクリル分散液(商
品名:ポイズ520/花王社製)=2.5部、50%S
BRラテックス(商品名:JSR0610/日本合成ゴ
ム工業社製)=10部、および15%リン酸エステル化
デンプン(商品名:ニールガムA−85/松谷化学社
製)=40部からなる30%塗被液を調製した。
【0048】次いで、この塗被液を実施例1と同様の原
紙の片面に乾燥重量が4.5g/m 2 となるようにブレ
ードコーターで塗被、乾燥した。さらにスーパーキャレ
ンダーで処理して、王研式平滑度が820秒、および王
研式透気度が5200秒の剥離紙用基材を得た。
【0049】比較例1 実施例1と同じ原紙上に、溶融した低密度ポリエチレン
(住友化学工業社製)を、実験用溶融押出機によりラミ
ネートして剥離紙用基材を作製した。このラミネート紙
の断面を走査電子顕微鏡で観察したところ、ポリエチレ
ンフィルム層の厚さは約18ミクロンであった。この剥
離紙用基材の王研式平滑度は420秒、王研式透気度は
6000秒であった。次いで、この剥離紙用基材を用い
た以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。そして、
この剥離紙を用いて、実施例1と同様にして評価テスト
を行い、得られた結果を表1に示した。
【0050】比較例2 実施例1において、剥離紙用基材を下記のようにして作
成した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。次
いで、実施例1と同じ評価テストを行い、得られた結果
を表1に示した。
【0051】(剥離紙用基材の製造)10%ポリビニル
アルコール液(商品名:PVA117/クラレ社製)を
目止め層用液として、実施例1と同様の原紙の片面に乾
燥重量が4.0g/m2 となるように塗被、乾燥した
後、スーパーキャレンダーで処理して、王研式平滑度が
300秒、および王研式透気度が2900秒の剥離紙用
基材を得た。
【0052】比較例3 実施例1において、剥離紙用基材を下記のようにして作
成した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。次
いで、実施例1と同じ評価テストを行い、得られた結果
を表1に示した。
【0053】(剥離紙用基材の製造)目止め層用塗被液
として、カオリン(商品名:HTクレー/エンゲルハー
ド社製)=100部、40%アクリル分散液(商品名:
ポイズ520/花王社製)=2.5部、50%SBRラ
テックス(商品名:JSR0610/日本合成ゴム工業
社製)=10部、および20%酸化変性デンプン(商品
名:王子エースA/王子コーンスターチ社製)=40部
からなる30%塗被液を調製した。次いで、この塗被液
を実施例1と同様の原紙の片面に乾燥重量が6.0g/
2 となるようにブレードコーターで塗被、乾燥した。
さらにスーパーキャレンダーで処理して、王研式平滑度
が670秒、および王研式透気度が1900秒の剥離紙
用基材を得た。
【0054】比較例4 実施例1において、剥離紙用基材を下記のようにして作
成した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。次
いで、実施例1と同じ評価テストを行い、得られた結果
を表1に示した。
【0055】(剥離紙用基材の製造)カオリン(商品
名:HTクレー/エンゲルハード社製)=100部、4
0%アクリル分散液(商品名:ポイズ520/花王社
製)=2.5部、10%ポリビニルアルコール液(商品
名:PVA103/クラレ社製)=50部、および20
%酸化変性デンプン(商品名:王子エースA/王子コー
ンスターチ社製)=40部からなる30%塗被液を調製
した。次いで、この塗被液を実施例1と同様の原紙の片
面に乾燥後の塗被量が6.0g/m2 となるようにブレ
ードコーターで塗被、乾燥した。次いで、スーパーキャ
レンダーで処理し、王研式平滑度が520秒、および王
研式透気度が2200秒の剥離紙用基材を得た。
【0056】以上、実施例1〜7、および比較例1〜4
の合計11種類の剥離紙について、評価テストを行い、
得られた結果を表1にまとめて示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】表1より明らかなように、本発明の実施
例で得られた剥離紙は、剥離紙用基材が既存の抄紙機お
よび塗工機により容易に製造でき、かつ無溶剤型剥離剤
を直接塗布することが可能であり、さらに古紙再生パル
プとして十分に再利用できる、極めて実用性に富んだ剥
離紙であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/30 19/10 D21H 1/34 B (72)発明者 西川 一哉 東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王子 製紙株式会社東京商品研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、接着剤を含有する塗被組成物を
    塗被、乾燥して目止め層を設けて剥離紙用基材とし、さ
    らにその目止め層上に無溶剤型剥離剤層を積層してなる
    剥離紙において、該接着剤としてアセチル化デンプンお
    よび/またはリン酸エステル化デンプンを用いたことを
    特徴とする剥離紙。
  2. 【請求項2】剥離紙用基材の目止め層を設けた表面の透
    気度がJAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.5
    に準拠した王研式透気度で3000秒以上である請求項
    1記載の剥離紙。
  3. 【請求項3】剥離紙用基材の目止め層を設けた表面の平
    滑度がJAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.5
    に準拠した王研式平滑度で500秒以上である請求項1
    記載の剥離紙。
  4. 【請求項4】目止め層の乾燥重量が3〜20g/m2
    ある請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかに
    記載の剥離紙。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003508271A (ja) * 1999-09-07 2003-03-04 テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム 積層包装材料の製造方法及びその包装材料から製造された包装容器
JP2006274483A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 加工用原紙
JP2008297653A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Lintec Corp 剥離紙、紙粘着テープ及び剥離紙の製造方法
JP2009185404A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Daio Paper Corp 目止め塗工紙
JP2009203561A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Oji Paper Co Ltd 光電管適性を有する剥離紙用原紙および剥離紙

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