JPH11290777A - 剥離紙用基材の製造方法 - Google Patents

剥離紙用基材の製造方法

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JPH11290777A
JPH11290777A JP9323998A JP9323998A JPH11290777A JP H11290777 A JPH11290777 A JP H11290777A JP 9323998 A JP9323998 A JP 9323998A JP 9323998 A JP9323998 A JP 9323998A JP H11290777 A JPH11290777 A JP H11290777A
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coating liquid
coating
polyvinyl alcohol
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JP9323998A
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Koji Hasegawa
浩治 長谷川
Sadahiro Shoji
貞宏 庄司
Mamoru Murata
守 村田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バリヤ性が高く、カール、ブロッキングの問題
がなく、古紙パルプとして再利用可能な剥離紙用基材を
得ること。 【解決手段】原紙の表面上にポリビニルアルコールを主
成分とする塗工液を塗布後、平滑化処理する剥離紙用基
材の製造方法において、ローシェア粘度100〜1000mPa・
s、ハイシェア粘度10〜50mPa・sの塗工液を、ゲートロー
ルコータ方式の塗工設備を用いて塗布することを特徴と
する剥離紙用基材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着ラベル、粘着
シール、粘着テープ等に使用する剥離紙用基材の製造方
法に関するものである。さらに詳しく述べるならば、本
発明は、特に原紙上にポリエチレンをラミネートする必
要なく、シリコーンなどの剥離剤を含む有機溶剤溶液、
または無溶剤型剥離剤を直接塗布することのできる剥離
紙用基材を効率よく安価に製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、剥離紙の基材、すなわちラベル、
シール上葉紙との剥離性、あるいは円筒状に巻かれたテ
ープの剥離性を良好にするため、剥離剤、または離型
剤、例えばシリコーン樹脂をトルエン等の有機溶剤に溶
解した溶液が塗布して形成される剥離紙の基材として
は、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコ
ート紙、およびスーパーカレンダ紙などが知られてい
る。
【0003】これらの基材の中で、木材パルプを主原料
とする上質紙、片艶紙およびクラフト紙等の表面に、上
記塗工液の浸透を極力抑制して剥離性を最大限に発揮さ
せる目的で、押出し加工方式により厚さ10〜25μm程度
のポリエチレンフィルム層を形成させたものが一般的に
用いられている。しかし、上記のポリエチレンをラミネ
ートする方法で製造された剥離紙用基材は、このポリエ
チレンが強固な連続皮膜を形成し、かつそれが水に不溶
のため、この基材を再度回収し、製紙工程で再生利用す
ることが難しく、これが今日産業廃棄物処理上の大きな
問題となっている。
【0004】また、極度に叩解されたパルプを原料とす
るグラシン紙等を原紙として用い、これにポリエチレン
をラミネートすることなく、直接剥離剤の有機溶剤溶液
を塗工する方法も用いられている。しかし、このような
原紙は、原料となるパルプを極度に叩解して用い、さら
にカレンダ処理等により繊維間結合を強固にしているた
め、再生利用の際、水中で容易に分散しないという欠点
を有している。さらに、たとえ機械力の強化および化学
的処理の導入等により水中で分散できたとしても、叩解
処理の強化により繊維が著しく損傷しているため、一般
の紙の原料として再利用することは困難である。
【0005】一方、特公平1-35959号、特開平4-23876
号、特開平6-264399号、特開平6-306798号、特開平7-97
797号、特開平7-122239号、特開平7-252799号、特開平8
-27442号、特開平8-120599号、特開平8-144198号、特許
2612528号、特開平9-158095号には、ポリエチレンをラ
ミネートすることなく、直接剥離剤溶液を塗工して得ら
れる剥離紙用基材として、原紙表面に無機顔料および有
機接着剤を主成分とする塗料を塗工して下塗り層を形成
したクレーコートタイプの剥離紙用基材が開示されてい
る。また、特開平9-158094号、特許2562766号には無機
顔料ではなく有機物の微粒子を含有する目止め層を形成
した剥離紙用基材が開示されている。このような基材に
おいては、原紙中の微少な空隙(以下ピンホールと記す)
を下塗り層が被覆し、これを目止めする効果が認められ
ている。しかし、下塗り層の顔料粒子相互の間には、さ
らに微細な連続孔が無数に形成されており、この微細な
連続孔をとおして剥離剤溶液が原紙中に浸透するという
問題がある。このため、ポリエチレンでラミネートする
方法に比べ、高価な剥離剤を多量に塗工する必要があ
る。
【0006】さらに特公平7-122237号、7-122239号には
顔料層の上にさらに樹脂層を形成し、顔料粒子間の微細
な連続孔をふさいでしまい、ポリエチレンラミネート紙
に匹敵するような優れた有機溶剤の浸透を遮断する性質
(以下、溶剤バリヤ性と記す)や平滑性を持つ剥離紙用基
材が開示されている。しかし、顔料層を形成した後に樹
脂層を形成するため、工程数が多くなり、コスト高とな
るという問題がある。
【0007】また、機械的に加圧して緻密化したスーパ
ーカレンダタイプの基材においても、なお微小な繊維間
空隙を完全に封鎖することはできず、ポリエチレンラミ
ネート紙に匹敵するような優れた有機溶剤の浸透を遮断
する性質(以下、溶剤バリヤ性と記す)を付与することは
到底できない。
【0008】特開平4-2900号、特開平7-229098号には、
澱粉を目止め剤として下塗りする方法が開示されている
が、この澱粉溶液自体がピンホール中に埋没してしまう
ので、完全にピンホールを目止めする役割を果たすこと
はできず、このため澱粉の下塗り層のみではポリエチレ
ンラミネート紙に匹敵するような優れた溶剤バリヤ性を
付与することは到底できない。
【0009】特開平6-305087号、特開平6-306797号、特
公平6-35720号には、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリエチレングリコール、スチレンブタジ
エン、スチレンアクリル、アクリル酸エステル、ポリス
チレンなどの水系樹脂を含有する塗工液を塗布してバリ
ヤ性を付与した剥離紙用基材が開示されている。しか
し、これらの目止め剤は澱粉やポリビニルアルコールと
いった水系樹脂と比べ高価であるため、ピンホールのな
い目止め層を形成できるほど多量に塗布した場合、コス
トアップとなる。
【0010】また、特開平5-279995号、特開平5-279996
号、特開平7-216327号、特開平8-284099号、特開平8-29
9895号、特開平9-137399号には、ポリビニルアルコール
を主成分とする塗工液を塗布した剥離用基材について開
示されている。これらのポリビニルアルコール系樹脂を
主成分とする塗工液は、サイズプレス、トランスファー
ロールコータ、バーコータ、ブレードコータ等の塗工機
を用いて塗工される。
【0011】サイズプレス方式の塗工機は、2本のロー
ルの間にためた塗工液の中に紙をくぐらせてロールニッ
プで絞るため塗工液の粘度は低くなければならず、ロー
ルのニップ圧力により塗工液は紙層内に浸透してしま
い、ポリエチレンラミネート紙に匹敵するような優れた
溶剤バリヤ性を付与することは到底できない。
【0012】トランスファーロールコータ方式の塗工機
としては、正転する複数のロールを使用してニップ圧を
加えながら塗料をロール間で転移し、アプリケータロー
ル面上に形成した塗工液膜をロールニップで基材に転写
するゲートロールコータや、2本ロールサイズプレスの
各ロールにブレードやロッドブレード、ハイドロバーコ
ータヘッドを装着したブレードメータリングサイズプレ
ス、ハイドロバーメータリングサイズプレス等が挙げら
れる。しかし、トランスファーロールコータでは、塗工
液が塗布された基材がロール間を通過する際、ニップ圧
により加圧浸透が生じてしまい、基材内部への浸透が過
大となる。このような塗工液の基材内部への浸透が過大
であると、原紙表面をポリビニルアルコール系樹脂の塗
工層が充分被覆することができず、さらに原紙中に散在
する空隙を目止めすることは難しい。
【0013】ブレードコータ方式の塗工機では、ブレー
ドで塗工液を掻き落とすという構造上、原紙の微小な凹
凸により目止め層の厚みが不均一となり、ピンホールが
発生してまい、ポリエチレンラミネート紙に匹敵するよ
うな優れた溶剤バリヤ性を付与することは到底できな
い。
【0014】バーコータ方式の塗工機には、キスタッチ
方式のバーコータと、バッキングロールにロッドを押さ
えつけるロッドコータがある。キスタッチ方式バーコー
タは塗工液を過度の圧力をかけることなく塗工できるた
め、加圧による塗工液の基材内部への浸透を抑制するこ
とが可能だが、高速で基紙の全幅均一塗工が難しく、狭
幅・低速塗工となり、コスト高となる。ロッドコータは
バッキングロールにロッドを押し付けるため、キスタッ
チ方式より安定で均一な塗工をすることができるが、ニ
ップ圧による塗工液の加圧浸透が生じてしまい、基材内
部への塗工液の浸透が過大となってしまう。また、バー
コータ方式の塗工機は同時に一方の面しか塗工できな
い。片面のみの塗工ではカールが発生してしまい、シリ
コーン塗工時の生産性が悪くなり、コスト高になるとい
う問題がある。両面塗工する場合は2つの塗工機が必要
となり、設置スペースや設備費がかかるという問題があ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエチレ
ンラミネートを必要とせず、直接シリコーン塗工液を塗
工することができ、かつ優れた剥離性を有する剥離紙を
製造し得る剥離紙用基材を提供しようというものであ
る。また、本発明は、回収された剥離紙用基材を製紙工
程で再利用することができる剥離紙用基材を提供するも
のである。さらに本発明は、前記基材に溶剤型または無
溶剤型の剥離剤層を形成した剥離紙を提供することを目
的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
原紙の表面上にポリビニルアルコールを主成分とする塗
工液を塗布後、平滑化処理する剥離紙用基材の製造方法
において、ローシェア粘度100〜1000mPa・s、ハイシェア
粘度10〜50mPa・sの塗工液を、ゲートロールコータ方式
の塗工設備を用いて塗布することを特徴とする剥離紙用
基材の製造方法に関するものである。本発明の第2の発
明は、第1の発明において前記塗工液がカルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸ソーダ、変性グアーガム、ポ
リアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸ソーダの中から選
ばれる1種類以上の増粘剤を含有する剥離紙用基材の製
造方法に関するものである。本発明の第3の発明は、第
1又は第2の発明においてポリビニルアルコールの鹸化
度が90mol%以上である剥離紙用基材の製造方法に関す
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者等は、原紙上にポリエチ
レンのごときラミネートをすることなく、これに匹敵す
る優れたバリヤ性を有し、かつ水中で容易に離解でき再
利用が可能な剥離紙用基材を得るため、原紙上に形成す
るバリヤ層の材料および塗工方法を研究し、本発明を完
成するに至った。すなわち、ポリエチレンをラミネート
した基材において、このポリエチレンの機能を細部にわ
たり解析した結果、本発明者等は、木材パルプを主原料
として製造される多孔性で吸液性に富む原紙上に、 (1)シリコーン塗工液の浸透を全面的に抑制すること (2)原紙に散在する孔径1〜200μmのピンホールを目止
めすることを同時に達成することができるバリヤ層を形
成することが、フィルムラミネート紙に匹敵するバリヤ
性を有する基材を得る効果的な手段であるとの見解に達
した。
【0018】本発明者等はこの手段を確立すべくさらに
鋭意研究を重ねた結果、シリコーン塗工液浸透防止機能
と、ピンホール目止め機能を同時に達成し得る材料とし
て、造膜性に優れたポリビニルアルコール系樹脂を主成
分とする塗工液にローシェア粘度が高くハイシェア粘度
が低くなる特性を与え、またその材料の特性を生かす塗
工設備としてゲートロールコータを用いて塗工すること
で、優れたバリヤ性を得られることを見出して本発明を
完成したものである。
【0019】ここでいうローシェア粘度とは、Brookfie
ld粘度計を用いて測定される粘度であり、温度50℃、ス
ピンドル速度60rpm.で測定された値である。ローシェア
粘度が100mPa・s未満では基材への塗工液の浸透が多くな
り、ピンホールを目止めすることができなくなる。また
ローシェア粘度が1000mPa・sを超えると、塗工液の流動
性が著しく悪くなり、均一塗工できなくなり、ピンホー
ルを目止めすることができなくなる。また、ハイシェア
粘度とは、Hercules Viscometerを用いて測定される粘
度であり、ロータ速度8800rpm.、Fボブで測定された値
である。ハイシェア粘度が10mPa・s未満では、ゲートロ
ールコータのアウタロールとインナロールのシェアによ
り塗工液粘度が低下してアプリケータロールへの塗工液
の転移量が少なくなり、アプリケータロール上に均一な
塗工液膜を形成することができない。また、ハイシェア
粘度が50mPa・sを超えると、ゲートロールのアウタロー
ルとインナロールのシェアで塗工液を均一にレベリング
させることが困難となり、アプリケータロール上に均一
な塗工液膜を形成することができず、塗工むらを発生さ
せる。
【0020】塗工液の塗布量としては、少なすぎては原
紙のピンホールを目止めできず、多すぎてはコスト高と
なるため、乾燥重量で0.3〜5g/m2となるように塗布す
ることで安価で優れたバリヤ性を得ることが可能とな
る。
【0021】また、ポリビニルアルコール系樹脂を主成
分とする塗工液にローシェア粘度100〜1000mPa・sかつハ
イシェア粘度10〜50mPa・sという特徴を付与する方法と
しては増粘剤を含有させることがあげられる。増粘剤と
してはカルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソー
ダ、変性グアーガム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカル
ボン酸ソーダなどが好ましく、これらの中から適宜1種
類以上をえらんで用いることができる。増粘剤の配合率
は、ポリビニルアルコール系樹脂の造膜性を損なわず、
所定の粘度特性を付与できる対ポリビニルアルコール系
樹脂1〜20重量%配合が適切である。
【0022】また、主成分として使用するポリビニルア
ルコール系樹脂は、通常重合度200〜2500の範囲のもの
が使用され、その強固な結合力により卓越した造膜性を
発現する結果、微細な空隙を有する原紙へのシリコーン
塗工液の浸透を抑制する作用効果を発揮する。ポリビニ
ルアルコール系樹脂の鹸化度は90mol%以上であること
が望ましい。鹸化度が90mol%未満であると、塗工後に
乾燥設備でシリンダドライヤやペーパーロールに接触乾
燥させるときに、著しいドライヤ汚れを起こす。また、
耐水性も低くなるため、加湿により溶出、ブロッキング
を起こす。ポリビニルアルコール系樹脂としては、無変
性のものの他、カルボン酸変性、アミド変性、エチレン
変性等、各種変性したものを用いることもできる。
【0023】本発明に用いられる原紙は、広葉樹クラフ
トパルプ、針葉樹クラフトパルプ等の化学パルプ、GP、
RGP、TMP等の機械パルプを原料として用い、長網抄紙
機、長網ヤンキー型抄紙機、あるいは丸網抄紙機等で抄
紙される上質紙、中質紙、アルカリ性紙を包含するもの
である。原紙中には、有機および無機の顔料、並びに紙
力増強剤、サイズ剤、歩留まり向上剤等の抄紙補助薬品
が含まれても良い。なお該原紙は、JIS P8122に規定さ
れるステキヒトサイズ度が5秒以上であることが好まし
い。
【0024】原紙にバリヤ層を形成した後、スーパーカ
レンダ等の仕上げ設備で平滑化処理を施すことはバリヤ
層の面質が良好となり、バリヤ性向上に有効であり、こ
れによりシリコーン剥離剤塗工層を均一に形成すること
が可能となる。この場合、目的に応じて平滑度を50〜50
00秒(JAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.5に規定される王
研式平滑度)の範囲にコントロールするのが好適であ
る。
【0025】本発明においては、塗工液にポリビニルア
ルコール系樹脂以外の顔料、接着剤等を混合して用いる
ことができる。顔料としては例えば、カオリン、クレ
ー、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、重質炭酸カル
シウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、プラスチックピ
グメント、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等
の無機顔料、有機顔料などを挙げることができる。もち
ろん2種類以上の顔料を併用することもできる。
【0026】また、接着剤としては、澱粉変生物、ポリ
アクリルアミド系樹脂、スチレンブタジエン共重合体ラ
テックスエマルジョン、スチレンアクリル共重合体ラテ
ックスエマルジョン、およびアクリル酸エステル系樹脂
等が挙げられる。接着剤の配合率は本発明のポリビニル
アルコール系樹脂による充分な目止め効果を発揮させる
ために、塗工液の全固形分中10重量%以下にとどめるの
が好ましい。さらに必要に応じて分散剤、耐水化剤、潤
滑剤、消泡剤、着色剤、防腐剤等の少量添加剤を配合す
ることは何ら問題とならない。
【0027】ゲートロールコータ方式の塗工設備として
は、片側3本、表裏両面で6本の正転するロールからな
り、それぞれのロールは、紙と直接接し塗工液を塗布す
るアプリケータロール、片側3本のロールの真ん中にあ
るインナーゲートロール、紙から最も遠い端にあるアウ
ターゲートロールからなる。塗工液はインナーゲートロ
ールとアウターゲートロールのロール間に供給される。
そして塗工液は、インナーロールからアプリケータロー
ルに転写され、最終的にはアプリケータロールから紙に
転写される。この塗工設備でローシェア粘度100〜1000m
Pa・s、ハイシェア粘度が10〜50mPa・sの塗工液を使用す
ると、塗工液が各ロール間を通過するときはロールの速
度差により塗工液がハイシェア状態となり塗工液を均一
に膜化することができる。また、アプリケータロールか
ら紙に転写するときは紙とロールは同速度のためローシ
ェア状態となり、塗工液の紙への浸透が抑えられ、原紙
中に散在する孔径1〜200μmの空隙を効率よく目止めす
ることができる。
【0028】
【実施例】本発明を実施例および比較例により更に詳細
に説明するが、本発明の内容は実施例に限られるもので
はない。なお、例中の「部」とはすべて「重量部」を、
「%」とはすべて「重量%」を示す。
【0029】実施例1 まず下記組成の紙料を調整した。 成分重量 針葉樹晒クラフトパルプ70部 広葉樹晒クラフトパルプ30部 ロジンサイズ剤0.3部 硫酸アルミニウム2部 ここで用いたパルプはそれぞれカナディアンスタンダー
ドフリーネス200mlに叩解したものを使用した。次にこ
の紙料から、長網多筒型抄紙機により坪量64g/m2の原
料を抄造した。なお、その際、抄紙機の乾燥機の中間部
に設置されたゲートロールコータ装置により、完全鹸化
ポリビニルアルコール(商標:PVA117、鹸化度99mol
%、重合度1700、(株)クラレ製)中にカルボキシメチ
ルセルロース(商標:セロゲンPR、第一工業製薬製)を
ポリビニルアルコールの絶乾重量に対して13%配合した
塗工液(バリヤ剤塗料)を、濃度6%で、絶乾重量1g/m
2ずつ両面に塗付した。抄紙後、スーパーカレンダによ
り仕上げ処理を行い、剥離紙用基材を得た。
【0030】実施例2 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール中にカルボキ
シメチルセルロースに代えてアルギン酸ソーダ(商標:
ケルギンHV、三晶製)をポリビニルアルコールの絶乾重
量に対して3%配合して塗工液とした以外は、実施例1と
同様にして剥離紙用基材を得た。
【0031】実施例3 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール中にカルボキ
シメチルセルロースに代えて変性グアーガム(商標:メ
イプロフィルムPA-193、三晶製)をポリビニルアルコー
ルの絶乾重量に対して13%配合して塗工液とした以外
は、実施例1と同様にして剥離紙用基材を得た。
【0032】実施例4 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール中にカルボキ
シメチルセルロースに代えてポリアクリル酸ソーダ(商
標:アロンA-20L、東亜合成製)をポリビニルアルコー
ルの絶乾重量に対して13%配合して塗工液とした以外
は、実施例1と同様にして剥離紙用基材を得た。
【0033】実施例5 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール中にカルボキ
シメチルセルロースに代えてポリカルボン酸ソーダ(商
標:モディコールVD、サンノプコ製)をポリビニルアル
コールの絶乾重量に対して13%配合して塗工液とした以
外は、実施例1と同様にして剥離紙用基材を得た。
【0034】比較例1 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール単独の塗工液
とした以外は、実施例1と同様にして剥離紙用基材を得
た。
【0035】比較例2 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール単独の塗工液
を、濃度13%で、絶乾重量1g/m2ずつ両面に塗付した以
外は、実施例1と同様にして剥離紙用基材を得た。
【0036】比較例3 実施例1の完全鹸化ポリビニルアルコール中にカルボキ
シメチルセルロース(商標:セロゲンPR、第一工業製薬
製)をポリビニルアルコールの絶乾重量に対して50%配
合した塗工液を、濃度4%で、絶乾重量1g/m2ずつ両面
に塗付した以外は、実施例1と同様にして剥離紙用基材
を得た。
【0037】比較例4 実施例1において、抄紙機の乾燥機の中間部に設置され
たブレードコータ装置を用い、絶乾重量1g/m2片面に塗
付した以外は、実施例1と同様にして、剥離紙用基紙を
得た。
【0038】比較例5 実施例1において、抄紙機の乾燥機の中間部に設置され
たバーコータ装置を用い、絶乾重量1g/m2片面に塗付し
た以外は、実施例1と同様にして、剥離紙用基材を得
た。
【0039】比較例6 実施例1において、さらに低密度ポリエチレン(日本ポ
リオレフィン製)を溶融押出機により、厚さ18μmのラ
ミネートを施した以外は、実施例1と同様の剥離紙用基
材を得た。
【0040】実施例および比較例で得られた剥離紙用基
材について、次に説明する各種評価試験を行った。 (1)バリヤ性 剥離紙用基材上の塗工液塗工面に市販の油性マジックイ
ンキを塗り、裏面10cm2内に現れるピンホールの数によ
って評価した。 (評価基準) ○…0〜5個、△…6〜10個、×…11個以上 (2)カール 剥離紙用基材をA4の大きさに断裁して、そのカールの度
合いを目視判定した。 (評価基準) ○:実用上問題なし、△:実用上やや問題あり、×:実
用上問題あり (3)離解性 古紙再生パルプ化における離解性について、得られた剥
離紙用基材を、JIS P8209に規定される標準離解機によ
る離解処理をし、カウント数5000でのパルプ分散状態を
観察してその離解性を評価した。 (評価基準) ○:完全に離解できる、△:部分的に離解できていな
い、×:まったく離解できていない (4)ブロッキング性 試験片の目止め剤塗工面に水を垂らし、その上に未塗工
原紙を重ね、ハンドローラで圧着し風乾後、15mm幅に断
裁し、剥離抵抗を見る。 (評価基準) ○:ブロッキングなし、△:一部ブロッキングあり、
×:ブロッキングしている
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】表1の結果からも明らかなように、本発
明によればバリヤ性が高く、カール、ブロッキングの問
題がなく、古紙パルプとして再利用可能な剥離紙用基材
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B05D 7/00 B05D 7/00 F D21H 19/20 D21H 27/00 27/00 1/34 F 5/00 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙の表面上にポリビニルアルコールを主
    成分とする塗工液を塗布後、平滑化処理する剥離紙用基
    材の製造方法において、ローシェア粘度100〜1000mPa・
    s、ハイシェア粘度10〜50mPa・sの塗工液を、ゲートロー
    ルコータ方式の塗工設備を用いて塗布することを特徴と
    する剥離紙用基材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記塗工液がカルボキシメチルセルロー
    ス、アルギン酸ソーダ、変性グアーガム、ポリアクリル
    酸ソーダ、ポリカルボン酸ソーダの中から選ばれる1種
    類以上の増粘剤を含有する請求項1記載の剥離紙用基材
    の製造方法。
  3. 【請求項3】ポリビニルアルコールの鹸化度が90mol%以
    上である請求項1又は2に記載の剥離紙用基材の製造方
    法。
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