JP6649702B2 - 剥離紙用原紙及び剥離紙 - Google Patents
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Description
従来の剥離紙は、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙、クリアコート紙等の原紙の表面に、剥離剤を塗工して製造するが、これらの剥離剤は、トルエン等の有機溶剤で希釈して使用するため、環境破壊を引き起こすという問題があった。
そこで、近年においては、水系エマルジョン型のシリコーン樹脂や、無溶剤系シリコーン樹脂に対する需要が高くなっている。
従って本発明の第一の目的は、再生使用が可能であると共に、剥離剤が目止め層に浸み込むことを抑えることのできる剥離紙用原紙を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、該剥離紙用原紙にシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布してなる、光沢性、密着性及び剥離性に優れた剥離紙を提供することにある。
但し、本発明において「絶乾」とは105℃で1〜2時間乾燥することをいい、以下、本発明で使用する顔料及び合成樹脂ラテックスの質量部は「絶乾後の質量部」とする。
また、JIS P 8111:1998の環境下で、JIS P 8124:2011に基づいて測定した、基紙と剥離紙用原紙との坪量差から求める目止め層の塗工量は、8〜20g/m2であることが好ましい。
また、前記剥離層はシリコーン層であることが好ましい。
該目止め層に含有する顔料の散乱式粒度分布測定器を用いたレーザー回折によるメジアン径(D50)は、2.0〜7.0μmであることが必要であり、3.0〜5.0μmであることが好ましい。
また、合成樹脂ラテックスの使用量が20質量部を超えると、剥離紙用原紙の水離解性が悪化するために、再生紙としての利用が難しくなる。
(Tg)=Tg1×α1+Tg2×α2+・・・+Tgn×αn
Tg1、Tg2・・・Tgn:実測した各組成単体のガラス転移温度(K)
α1、α2・・・αn:全樹脂質量に対する各組成単体の質量分率(%)
本発明に使用される合成樹脂ラテックスとしては、スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体などの各種共重合体のラテックスが挙げられるが、本発明においては、カオリンとの相溶性がよい、スチレン・ブダジエン系共重合体ラテックスを使用することが好ましい。
また、必要に応じてケナフ、麻、竹等の非木材系のパルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等のセルロース繊維以外の繊維材料を配合してもよい。
目止め層の塗工量が8g/m2未満であると、均一な目止め層が得られない。また、目止め層の塗工量が20g/m2を超えても、塗工量の増加に伴う品質の向上は期待できないため、不経済である。
また、必要に応じて、目止め層の塗工液中に分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、染料等を適宜添加してもよい。
表面粗さが0.5μm未満であると、目止め層と剥離剤層との密着性が低下する。また、表面粗さが1.0μmを超えると、剥離剤層の均一性が低下する。
本発明においては、シリコーン樹脂を使用することが特に好ましい。剥離剤として使用するシリコーン樹脂としては、無溶剤系シリコーン樹脂、溶剤系シリコーン樹脂、水系エマルジョン系シリコーン樹脂及び無溶剤UV硬化型シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、剥離剤の剥離用原紙への塗布方法としては、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロッドブレードコータ、バーブレードコータ、グラビアコータ、等の各種塗工装置を適宜選択して使用することもできる。
75°光沢度が70%未満であると、均一な剥離剤の塗工面が得られない。また、75°光沢度が90%を超えると、剥離剤層が過剰に厚くなり、剥離紙用原紙と剥離剤層との密着が不十分となる。
尚、実施例における部及び%は、特に記載がない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
<顔料の体積分布平均粒子径>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて顔料粒子の体積粒度分布を測定し、メジアン径(D50)を求めた。
(1)透気抵抗度
JIS P 8117:2009に基づいて測定した。
(2)平滑度
JIS P 8155:2010に基づいて目止め層の塗工面を測定した。
(3)表面粗さ
小型表面粗さ形状測定機(SURFCOM 130A)を使用して、JIS B 0601:1994に基づいて、目止め層塗工面の中心線平均粗さ(μm)を測定した。
(4)塗工適性
塗工速度500m/分で、10,000mのブレード塗工を行った時の、目止め層塗工面のストリーク、スクラッチ及び塗布ムラの発生度合いを評価した。
[評価基準]
○:発生しない
△:若干発生する
×:多く発生する
(5)均一性
染色液として、10%のオイルブルーのトルエン溶液を調製した。この染色液を目止め層の塗工面に均一に塗布し、5秒後にガーゼで拭き取った後、目止め層の欠陥(ピンホール等の抜け)を目視によって観察して評価した。
[評価基準]
○:欠陥がほとんどなく目止めが均一
△:欠陥が若干あり
×:欠陥が多い
(6)離解性
剥離紙用原紙の濃度が2.0%となるように水に浸漬させ、Tappi標準離解機で60分間離解したときの、水中への離解の程度を評価した。
[評価基準]
○:パルプ繊維が分散しており、離解性が良好
×:パルプ繊維の塊やパルプ繊維の結束が残っており、離解不能
JIS P 8142:2005に基づいて75°光沢度を測定した。
[評価基準]
○:70%以上
×:70%未満
(2)シリコーン樹脂の密着性
指でシリコーン樹脂層の表面を擦り(3kg荷重)、表面状態を評価した。
[評価基準]
○:擦った跡無し
△:擦った跡あり
×:擦った箇所にシリコーン樹脂の剥がれが発生
(3)シリコーン樹脂の被覆性
表面をマジックインキで書いて、インキのハジキ状態を評価した。
[評価基準]
○:ムラ無くはじいている
×:はじいていない部分あり
LBKPが100質量%の原料パルプを用い、紙力剤としてカチオン化澱粉を原料パルプ100質量部に対して0.3質量部添加した。次いで、硫酸バンドを1.5質量部添加した後、長網多筒式の抄紙機を用いて抄紙を行い、坪量120g/m2の原紙を製造した。
顔料のカオリンとして、アストラグレース(イメリス社製、D50:0.7μm)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
顔料として市販の重質炭酸カルシウムTP−SO−10(奥多摩工業社製、D50:8.0μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様に剥離紙用原紙を得た。
顔料として、カオリンKCS(D50:4.6μm)を50質量部、及び、アストラグレース(D50:0.7μm)を50質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
ラテックスの配合量を7質量部としたこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
ラテックスの配合量を23質量部としたこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
接着剤として酸化澱粉(MS#3800、日本食品化工製)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
接着剤として、PVA(PVA117、クラレ製)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
接着剤として、エチレン酢酸ビニル(ポリゾールAM−3150、昭和電工製)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により剥離紙用原紙を得た。
無溶剤型シリコーン樹脂(LTC-1053L:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に必要な量の触媒を添加し、剥離剤用塗工液とした。次に、RI印刷機を用いて、実施例1の剥離紙用原紙の目止め層の上に、剥離剤用塗工液を、無溶剤型シリコーン樹脂の塗工量が1.0g/m2となるように塗工した後、乾燥機(130℃、10sec)で硬化処理を行い、剥離紙を得た。
また、実施例7の結果から、本発明の剥離紙は、光沢性、密着性及び剥離性が良好であることが確認された。
Claims (10)
- 基紙の少なくとも一方の面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する目止め層を設けてなる剥離紙用原紙であって、前記顔料成分の散乱式粒度分布測定器を用いたレーザー回折によるメジアン径(D50)が2.0〜7.0μmであり、前記接着剤成分が少なくとも合成樹脂ラテックスを含有し、前記顔料成分の絶乾100質量部に対する該合成樹脂ラテックスの配合量が、絶乾で8〜20質量部であると共に、前記剥離紙用原紙のJIS P 8117:2009に基づいて測定した透気抵抗度が100,000秒以上であり、前記合成樹脂ラテックスのガラス転移温度が、-20〜30℃であることを特徴とする剥離紙用原紙。
- 前記顔料が、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、マイカからなる群の中から選択された少なくとも1種の顔料である、請求項1に記載された剥離紙用原紙。
- 前記顔料がカオリンである、請求項1又は2に記載された剥離紙用原紙。
- 前記合成樹脂ラテックスがスチレン・ブダジエン系共重合体ラテックスである、請求項1〜3の何れかに記載された剥離紙用原紙。
- JIS P 8111:1998の環境下でJIS P 8124:2011に基づいて測定した、基紙と剥離紙用原紙との坪量差より求める前記目止め層の塗工量が、8〜20g/m2である、請求項1〜4の何れかに記載された剥離紙用原紙。
- 前記目止め層表面の、JIS B 0601:1994に基づいて測定した表面粗さが0.5〜1.0μmである、請求項1〜5の何れかに記載された剥離紙用原紙。
- 前記目止め層表面の、JIS P 8155:2010に基づいて測定した平滑度が500〜2,000秒である、請求項1〜6の何れかに記載された剥離紙用原紙。
- 請求項1〜7の何れかに記載された剥離紙用原紙の目止め層上に剥離剤を塗布してなる剥離剤層を有する剥離紙であって、JIS P 8111:1998の環境下で、JIS P 8124:2011に基づいて測定した、前記剥離紙用原紙と前記剥離紙の坪量差より求める前記剥離剤層の塗工量が、0.5〜2.0g/m 2 であることを特徴とする剥離紙。
- 前記剥離剤層がシリコーン樹脂層である請求項8に記載された剥離紙。
- 前記剥離剤層表面の、JIS P 8142:2005に基づいて測定した75°光沢度が70〜90%である、請求項8又は9に記載された剥離紙。
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