JP2000265399A - 剥離紙用原紙 - Google Patents

剥離紙用原紙

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JP2000265399A
JP2000265399A JP11071757A JP7175799A JP2000265399A JP 2000265399 A JP2000265399 A JP 2000265399A JP 11071757 A JP11071757 A JP 11071757A JP 7175799 A JP7175799 A JP 7175799A JP 2000265399 A JP2000265399 A JP 2000265399A
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paper
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silicone
solvent
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JP11071757A
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English (en)
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Shuichi Kawasaki
秀一 川崎
Yoichi Yamazaki
洋一 山崎
Takashi Yamaguchi
崇 山口
Tomofumi Narishima
倫史 成島
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンラミネートを必要とせず、溶剤
系シリコーン、水系エマルジョンシリコーン及び無溶剤
系シリコーン等の剥離剤を直接塗工することによって、
優れた剥離性能を有する剥離紙とすることのできる、製
紙原料として再生可能な剥離紙用原紙を提供すること。 【解決手段】 木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少
なくとも片面に顔料塗工層を有する原紙。該顔料塗工層
のバインダーはトルエンに対するゲル含量が88重量%以
上100重量%未満の合成ラテックスであり、顔料と前記
バインダーの重量混合比は45/55以上70/30以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原紙上にポリエチレンを
ラミネートすることなく、溶剤系シリコーン、水系エマ
ルジョン系シリコーンまたは無溶剤系シリコーンを直接
塗工することが可能な剥離紙用原紙に関し、特に一般粘
着用、テープ用、キャスティング工程紙用、成形工程紙
用等の分野に有用であると共に、古紙として再生可能で
もある剥離紙用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、剥離紙は、トルエン等の有機溶剤
で希釈されたシリコーン樹脂等の剥離剤を、ポリエチレ
ンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙、クリア
コート紙等に塗工して製造されている。また、近年、環
境問題を背景に、剥離剤として、水系エマルジョン型の
ものや無溶剤系シリコーンに対する需要が高まってい
る。
【0003】剥離紙用原紙に対する要求特性としては、
シリコーン樹脂が非常に高価であることから、少量のシ
リコーン塗工液を均一に塗工し得ることが挙げらる。こ
の要求を満たすためには、シリコーン塗工液の原紙内部
への浸透を極力抑えることが重要であり、従ってポリエ
チレンラミネート紙を基材として用いることが有効な手
段であった。
【0004】しかしながら、ポリエチレンラミネート紙
は、紙表面に疎水性の強靱な連続皮膜が形成されている
ため、剥離紙としての使用が終了した後に古紙として回
収し、製紙原料として用いることは困難である。また、
ポリエチレンは表面エネルギーが小さいので、水系エマ
ルジョンシリコーンを塗工した場合にはじき現象が発生
し、均一な塗膜が得られないという欠点がある。これに
対して、グラシン紙、クレーコート紙等を基材として用
いた剥離紙の場合には、上記基材のバリア性がポリエチ
レンラミネート紙に比べて不足するので、充分な剥離性
能を得ることができないという欠点があった。
【0005】また、特公平1-35959号公報及び特開平4-2
3876号公報には、ポリエチレンをラミネートすることな
く直接シリコーン溶液を塗工することが可能な基材とし
て、無機顔料と有機バインダーを主成分とする塗料を塗
工したクレーコートタイプの基材が開示されている。こ
のような基材は、原紙表面の空隙を目止めする効果を有
するので無溶剤シリコーンを塗布する場合にはある程度
使用可能ではあるが、本発明が求めているような高度の
バリア性を得ることは到底出来ず、溶剤系シリコーンと
無溶剤系シリコーンの双方に使用するということは出来
ない。
【0006】特開平4-2900号公報、同4-327300号公報、
及び同10-1895号公報には、各々デンプン、ポリビニル
アルコール(PVA)、スチレン・ブタジエン共重合体
エマルジョン等の水系バインダーをクリアー塗工する方
法が開示されている。しかしながらこれらの方法では、
バリア性は十分となるものの紙基材の表層の空隙に沿っ
たクレーター状の凹部が生じ、該凹部に接着剤が食い込
むため剥離性能が低下する上、この凹部に剥離剤(シリ
コーン樹脂)が浸透するためコストアップの一因ともな
るという欠点があった。
【0007】特開平6-264038号公報には、クレーコート
のバインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体とデ
ンプンを用いることにより、有機溶剤に対するバリア性
が得られることが開示されている。しかしながらこの場
合には、顔料とバインダーの比が100/10〜100/30と顔
料の割合が高いためバリア性が十分でない上、一般塗工
紙用のスチレンブタジエン共重合体を用いているため、
本発明が目的としている高度な耐溶剤性も得られないと
いう欠点があった。
【0008】また、特開平7-97797号公報には、クレー
コートのバインダーとしてアクリル系樹脂を用いること
によって、粘着紙に加工した際の粘着力の経時変化を低
減させた剥離紙を得ることのできることが開示されてい
る。しかしながら、アクリル樹脂は一般にポリエチレン
に比べて数倍コスト高であり、経済的に極めて不利であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、ポリエチ
レンラミネート紙並に溶剤系シリコーンに対する塗工適
性を有する上、古紙として再生することが可能な剥離紙
用原紙は未だ実用化されていない。また、水系エマルジ
ョン及び無溶剤系シリコーンに対して塗工適性を有する
と共に、溶剤系シリコーンに対する塗工適性をも有する
剥離紙用原紙も、未だ実用化されていない。
【0010】因みに、効果的に剥離性能を発現させるた
めには、剥離紙基材表面に均一なバリア層を形成するこ
とによりシリコーン樹脂塗工液の浸透を防ぐこと、即
ち、剥離紙基材表面の約1〜500μmの空隙を目留めして
平滑な表面を得ることにより、空隙への過剰なシリコー
ン液の塗布と接着剤の空隙への侵入による剥離力の低下
を抑えることが必要である。また、我が国において剥離
剤の主流である溶剤系シリコーンを直接塗工するには、
トルエン、ヘキサン等の溶剤に対する高度な耐性が必要
である。更に、使用後の剥離紙を製紙原料として再利用
するためには、一般的な再生紙の製造工程によって解繊
されなければならない。
【0011】本発明者らは、これらの課題を解決するた
めに鋭意検討した結果、木材系パルプ繊維を主体とする
基紙の表面に、基紙表面の繊維間の空隙を十分に目留め
することの出来る特定の合成ラテックスをバインダーと
して用いた顔料塗工層からなるバリア層を設けることに
より、古紙として再生可能な剥離紙用原紙を得ることが
できることを見いだし本発明を完成させた。
【0012】従って本発明の第一の目的は、ポリエチレ
ンラミネートを必要とせず、溶剤系シリコーン溶液、水
系エマルジョンシリコーン液または無溶剤系シリコーン
液などの剥離剤を直接塗工することによって、優れた剥
離性能を有する剥離紙とすることのできる、製紙原料と
して再生可能な剥離紙用原紙を提供することである。本
発明の第二の目的は、製紙原料として再生可能な剥離紙
を提供することにある。
【0013】本発明の上記の諸目的は、木材パルプ系繊
維を主体とする基紙の少なくとも片面に、トルエンに対
するゲル含量が88重量%以上100重量%未満の合成ラテ
ックスをバインダーとした顔料塗工層を有する剥離紙用
原紙であって、前記顔料とバインダーの重量配合比(顔
料/バインダー)が45/55以上70/30以下であることを
特徴とする剥離紙用原紙及びそれを用いた剥離紙によっ
て達成された。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用される木材パルプ系繊維を主体とす
る基紙は、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパル
プ、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラ
インドパルプ、サーモメカニカルパルプ、リファイナー
グラインドパルプ等の機械パルプ、及び、新聞、コート
紙、上質紙等から得られる再生パルプ等を適宜配合して
得ることが出来る。また、必要に応じてケナフ、麻、竹
等の非木材系のパルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維
等のセルロース繊維以外の繊維材料を配合することも可
能である。
【0015】上記基紙の抄紙に際しては、サイズ剤、紙
力増強剤、定着剤、歩留まり向上剤、染料等の内添薬
品、タルク、カオリン、二酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム等の内添填料を添加したり、抄紙
工程の途中で、デンプン、ポリビニルアルコール等の紙
力向上剤、表面サイズ剤、及び染料等を、サイズプレ
ス、ゲートロール等を用いて塗布する等、適宜表面処理
を行うことも可能である。
【0016】本発明において、顔料層とは合成ラテック
スと顔料によって構成される層であり、これを紙基材に
塗布することにより剥離紙用原紙が得られる。本発明に
使用される合成ラテックスは、スチレン・ブタジエン共
重合体を主剤としたものであることが好ましい。この合
成ラテックスは、スチレン単量体及びブタジエン単量体
を主原料として共重合されるが、アクリル酸、アクリル
酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ア
クリロニトリル等の単量体を原料として適宜加えること
も可能である。更に、本発明で使用される合成ラテック
スには、得られた共重合体をカルボキシル基で変性した
合成ラテックスも包含される。
【0017】本発明で使用する合成ラテックスは、トル
エンに対するゲル含量が88重量%以上100重量%未満で
あることが必要である。このようにすることにより、剥
離紙を塗布する際におけるシリコーン塗工液中のトルエ
ンやヘキサン等に対する原紙の耐溶剤性が向上する。合
成ラテックス中のゲル含量が88重量%未満である場合に
は、シリコーン塗工液中の有機溶剤がバリアー層を侵
し、これを溶解したり軟化させる等の障害を引き起こす
のでバリアー性能が不十分となる。
【0018】バリアー層の耐溶剤性は、合成ラテックス
を製造する際に、スチレン及びブタジエンに加えてアク
リル系単量体を0.5重量%以上5重量%未満添加して共重
合させることにより効果的に向上する。アクリル系単量
体の種類は特に制限されることはないが、アクリロニト
リル、アクリル酸エステル等が特に好ましい。
【0019】本発明で使用する顔料は特に制限されるも
のではないが、カオリン、タルク、マイカ、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機顔
料、尿素樹脂等の有機合成顔料を適宜配合することが可
能である。顔料とバインダーの配合比(顔料/バインダ
ー)は45/55以上70/30以下の範囲が最適である。
【0020】配合比が45/55未満の場合には、造膜性の
良い合成ラテックスの比率が高すぎるので、剥離紙とし
て使用した後パルパーによって離解させようとしても、
離解性が劣るため製紙原料として再利用することが出来
ない。また、剥離紙原紙表面がベタ付くため、巻き取っ
たり平判で保管する際にブロッキングが発生し易い。一
方、配合比が70/30を越えるような顔料比率の高い配合
の場合には、顔料と顔料の空隙に樹脂を充分に充填する
ことができず微細な空隙が多数発生するので、シリコー
ン樹脂溶液が顔料塗工層及び基材内部に浸透することを
抑えることが出来ない。
【0021】顔料塗工層の塗工量は5g/m以上20g
/m以下の範囲が最適である。5g/m2未満であると
基材表面のパルプ繊維間の空隙を完全に目留めすること
が出来ないため、シリコーン液の基材内部への浸透を抑
えることが出来ない。また、塗工量が20g/m2を越え
ても塗工量の増加に伴う品質の向上が期待できず、不経
済である。
【0022】顔料塗工層には、必要に応じてデンプン、
ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等のバインダー
を、バインダー総量の20重量%程度となるまで配合する
ことも可能である。また、必要に応じて、顔料塗工液中
に分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、染料等
を適宜添加することも可能である。
【0023】顔料塗工液の基材への塗布方法としては、
ブレードコータを使用する方法が生産性が高くて好まし
いが、エアナイフコータ、ロッドブレードコータ、バー
ブレードコータ、グラビアコータ等の各種塗工装置を適
宜選択して使用することもできる。本発明の剥離紙用原
紙に剥離剤を塗布するに際しては、溶剤系シリコーン、
水系エマルジョン及び無溶剤系シリコーン樹脂の何れの
剥離剤を用いることもでき、これらは、原紙の顔料塗工
層表面に直接塗工することが出来る。
【0024】
【発明の効果】本発明の剥離紙用原紙は、耐溶剤性が極
めて優れた合成ラテックスをバインダーとする顔料塗工
液を紙基材に塗布・乾燥したものであるので、紙基材表
面の空隙が効果的に目止めされており、塗工液中の液成
分が紙基材内部に浸透するということがない。また、顔
料塗工液中の顔料とバインダーの配合比率を特定するこ
とにより、顔料塗工層における微細な空隙を目止めしな
がら、使用済原紙をパルパーによって離解再生させるこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定され
るものではない。なお、例中の「%」は全て「重量%」
を、「部」は全て「重量部」を表す。またここでいうゲ
ル含量、溶剤バリア性、剥離性(有機溶剤系シリコー
ン、水系エマルジョンシリコーン、無溶剤系シリコ
ーン)、離解性は下記の方法により評価した。
【0026】<ゲル含量>合成ラテックスをガラス板上
に塗布した後、105℃で恒量になるまで乾燥し、塗膜を
作製した。この塗膜をソックスレー式抽出器に供して、
トルエン可溶成分と不溶成分に分離し、トルエン不溶成
分を秤量した。{(トルエン不溶成分の重量)/(塗膜の
重量)}×100を、トルエンに対するゲル含量とした。
【0027】<溶剤バリア性>染色液として0.1%のオ
イルレッドトルエン溶液を作製した。この染色液を試料
の顔料塗工面に綿球等で均一に塗布し、2秒後にガーゼ
で拭き取り、塗工層及び紙基材への染色液の浸透状態を
観察した。
【0028】<剥離性> 加熱付加重合型シリコーン(信越化学工業(株)製:KS
-837)100部に対して触媒(信越化学工業(株)製:CAT-PL
-50T)を1部添加したシリコーン樹脂の5%トルエン溶液
を作製し、塗工量が1.0g/m2となるようにマイヤーバ
ーを用いて剥離紙用原紙試料に塗工して剥離紙を作製し
た。別に、坪量が80g/m2の上質紙に、厚さが125μm
となるように粘着剤(東洋インキ(株)製:BPS-5127)を
塗工して表面基材を作製した。両者を貼合し、引き剥が
し角度を180゜、剥離速度を1.0m/分として剥離力を測
定した。
【0029】加熱付加重合型シリコーン(信越化学工
業(株)製:KM-763)100部に対して触媒(信越化学工業
(株)製:PM-3)2部を添加した15%のシリコーン樹脂エマ
ルジョン水溶液を作製し、塗工量が1.0g/m2となるよ
うにマイヤーバーを用いて剥離紙原紙試料に塗工し、剥
離紙を作製した。この剥離紙とで記述した表面基材を
貼合し、の場合と同様にして剥離力の測定を行った。
【0030】加熱付加反応型無溶剤シリコーン(信越
化学工業(株)製:KNS-320)100部に対して触媒(信越化学
工業(株)製:PL-56)2部を添加してシリコーン樹脂を作製
し、剥離紙原紙試料に、塗工量が1.0g/m2となるよう
にグラビア印刷機で塗工し、剥離紙を作製した。この剥
離紙とで記述した表面基材を貼合し、の場合と同様
にして剥離力の測定を行った。
【0031】<離解性>Tappi標準の離解機を用い、試
料濃度1.5%、容量2.0l、時間10分間における剥離紙試
料の離解の程度を比較した。次に実施例1〜3、比較例
1〜4を用いて説明する。各剥離紙用原紙の構成及び品
質評価結果は表1及び2にまとめて示す。
【0032】実施例1.ゲル含量が99%の合成ラテック
ス(スチレン/ブタジエン=55/45)35部に対してカオ
リン(CADAM社製:アマゾン88)65部を配合し、更に、
分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して、固形分が60%
の顔料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/
2で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを
用いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作
製した。
【0033】この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した
結果、後記する比較例1のポリエチレンラミネート紙並
の溶剤バリア性を有することが確認された。また、溶剤
系、エマルジョン系及び無溶剤系の何れのシリコーン剥
離剤を塗工した場合でも良好な剥離適性が得られた。更
に、離解性も良好であり、製紙原料として再生が可能で
あった。
【0034】実施例2.ゲル含量が95%の合成ラテック
ス(スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル=55/42/
3)35部に対してカオリン(CADAM社製:アマゾン88)65
部を配合し、更に分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合し
て、固形分が60%の顔料塗工液を調製した。上記の塗工
液を、坪量が75g/m2で厚さが100μmの上質紙にテス
トブレードコータを用いて塗工し、塗工量15g/m2
剥離紙用原紙を作製した。
【0035】この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した
結果、後記する比較例1のポリエチレンラミネート紙並
の溶剤バリア性が得られた。溶剤系シリコーン、エマル
ジョン系及び無溶剤系の何れのシリコーン剥離剤を塗工
した場合でも良好な剥離適性が得られた。また、離解性
も良好であり、製紙原料として再生が可能であった。
【0036】実施例3.ゲル含量が91%の合成ラテック
ス(スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル=62/36
/2)35部に対してカオリン(CADAM社製:アマゾン88)
65部を配合し、更に分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合
して、固形分が60%の顔料塗工液を調製した。この塗工
液を、坪量が75g/m2で厚さが100μmの上質紙にテス
トブレードコータを用いて塗工し、塗工量が15g/m2
の剥離紙用原紙を作製した。
【0037】この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した
結果、下記比較例1のポリエチレンラミネート紙並の溶
剤バリア性が得られた。溶剤系シリコーン、エマルジョ
ン系及び無溶剤系の何れのシリコーン剥離剤を塗工した
場合でも良好な剥離適性が得られた。また、離解性も良
好であり、製紙原料として再生が可能であった。
【0038】比較例1.実施例で用いた上質紙に、厚さ
20μmの低密度ポリエチレンをラミネートし、得られた
ポリエチレンラミネート紙を剥離紙用原紙とした。この
剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、非常に良好
な溶剤バリア性が得られ、溶剤系シリコーンの剥離剤を
塗工した場合には良好な剥離適性が得られた。しかしな
がら、エマルジョン系シリコーンを塗工した際には、剥
離剤のはじきが発生したために充分な剥離性能が得られ
なかった。また、離解性については、ポリエチレンラミ
ネート層がフィルム状に残るため製紙原料としての再生
は不可能であった。
【0039】比較例2.ゲル含量が80%の合成ラテック
ス(スチレン/ブタジエン=55/45)35部に対してカオ
リン(CADAM社製:アマゾン88)65部を配合し、更に分
散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して固形分が60%の顔
料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/m2
で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用
いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製
した。この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、
溶剤系シリコーンを塗工した場合にはバリア層が軟化し
たため、充分な溶剤バリア性を得られなかった。エマル
ジョン系及び無溶剤系シリコーンについては良好な剥離
適性を有する剥離紙が得られた。
【0040】比較例3.ゲル含量が99%の合成ラテック
ス(スチレン/ブタジエン=55/45)25部に対してカオ
リン(CADAM社製:アマゾン88)75部を配合し、更に分
散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して、固形分が60%の
顔料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/m
2で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用
いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製
した。この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、
実施例並の溶剤バリア性は得られなかった。また、溶剤
系シリコーン、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーン
何れの剥離剤を塗工した場合にも、良好な剥離適性を得
られなかった。
【0041】比較例4.ゲル含量が99%の合成ラテックス
(スチレン/ブタジエン=55/45)35部に対してカオリ
ン(CADAM社製:アマゾン88)65部を配合し、更に分散
剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して、固形分が60%の顔
料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/m2
で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用
いて塗工し、塗工量が4.0g/m2の剥離紙用原紙を作製
した。この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、
実施例並の溶剤バリア性を得られなかった。また、溶剤
系シリコーン、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーン
何れの剥離剤を塗工した場合にも良好な剥離適性が得ら
れなかった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】 表2から明らかなように、本発明に係る各実施例の剥離
紙用原紙は、それぞれ満足すべき性能を有した。これに
対し、各比較例の剥離紙用原紙は何らかの性質において
不満足な結果であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の剥離紙用原紙は、ポリエチレン
ラミネート紙並の溶剤バリア性を有すると共に、溶剤系
シリコーン樹脂を塗工した場合に良好な剥離性能が得ら
れる。また、ポリエチレンに比べて水系エマルジョンシ
リコーン液との親和性が良好なため、この剥離剤を塗工
した際にも良好な剥離性が得られた。更に、極めて平滑
な表面が得られるため、無溶剤系シリコーンを塗工した
場合にも良好な剥離性能が得られる。また、ポリエチレ
ンラミネート紙では得られない離解性を有し、製紙原料
として再利用可能である。従って、本発明の工業的意義
は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 崇 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 成島 倫史 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4J038 CA041 CA071 CC041 CC051 CG161 DA142 HA216 HA286 HA526 HA536 KA08 MA10 NA10 NA27 PB02 PC10 4L055 AG27 AG63 AG71 AG74 AG76 AG89 AG97 AH02 AH37 AJ04 BE08 EA32 EA33 FA30 GA43

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少
    なくとも片面に、トルエンに対するゲル含量が88重量%
    以上100重量%未満の合成ラテックスをバインダーとし
    た顔料塗工層を有する剥離紙用原紙であって、前記顔料
    とバインダーの重量配合比(顔料/バインダー)が45/
    55以上70/30以下であることを特徴とする剥離紙用原
    紙。
  2. 【請求項2】 顔料塗工層のバインダーが、アクリル系
    単量体の配合率が0.5重量%以上5重量%未満のスチレン
    ・ブタジエン・アクリル共重合体を用いてなることを特
    徴とする、請求項1に記載された剥離紙用原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005097781A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Nippon Paper Industries Co Ltd キャスト塗被紙及びそれを使用した合成皮革製造用の工程紙

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