JP5638824B2 - 離型紙用原紙およびそれを用いた離型紙 - Google Patents
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また、塩化ビニルレザーやウレタンレザー等の合成皮革やセラミックシートの製造工程においては、ウレタンペーストや塩化ビニルペーストなどをキャスティングする際に工程紙を使用する。
日本では、これらシリコーン樹脂を溶剤で希釈した溶剤型シリコーンを剥離紙用基材に塗布するのが一般的である。その理由は、ユーザーの様々な剥離性能の要求に対応するため、剥離剤を塗布する際、溶剤で希釈することにより流動性を適宜調節し、基材表面に剥離剤被膜の均一な層を形成させ、剥離剤の性能を最大限に発揮させることが容易にできるという点にある。しかしながら、近年、PRTRやISO14001との関連もあり、安全面や公害面に対して配慮しなければならないだけでなく、作業者の健康保持の面からも剥離剤の無溶剤化が強く望まれていた。
さらに、10g/m2程度の塗工量で基紙表面の被覆性は充分であるものの、特に塗工層中の顔料の含有率が90質量%を超えるものは、形成された塗工層に微小な空隙が形成され、剥離剤やそれを希釈する溶剤が塗工層、更には紙層に進入するので、使用する剥離剤量が増加し、コストアップの原因となる。
上記の理由から、安全面及び公害面で優れている無溶剤型剥離剤の浸透を少ないバインダー量で抑制し、基材表面に均一な薄膜を形成することのできる剥離紙用基材の開発が強く望まれている。さらに、森林資源保護の観点から再生利用可能な剥離紙が強く望まれているが、現状ではこれらの要件を充分満たし得る剥離紙は提供されていない。
また、本発明は上述した離型紙用原紙の塗工層の上に、剥離剤からなる剥離層を直接設けてなる離型紙である。
板状形状以外の顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ホワイトカーボン、サチンホワイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏、水酸化アルミニウム(球状等)、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、亜硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機顔料やプラスチックピグメントなどの有機顔料等を1種以上使用される。
各種ラテックスのトルエンに対するゲル含量は80%以上であることが好ましい。ゲル含量が80%未満では、剥離剤中のトルエンやヘキサン等に対する原紙の耐溶剤性が不足するため、溶剤シリコーンなど溶剤系の剥離剤を塗布する際に、溶剤により塗工層が劣化し、剥離剤の目止め性が低下して剥離剤が基紙に浸透して剥離性が低下する。また、炭素繊維プリプレグや合成皮革の工程紙として使用した場合、炭素繊維プリプレグに含浸する樹脂および合成皮革に用いる合成樹脂はトルエンやジメチルホルムアルデヒドなどの溶剤で希釈してあるため、溶剤による塗工層の劣化により塗工層が剥離しやすくなり、繰り返し使用回数が減少し、塗工層の転移による炭素繊維プリプレグや合成皮革の外観不良となる。
同様の目的で、各種ラテックスを製造する際に、スチレン及びブタジエンに加えてアクリル系単量体を0.5質量部以上5質量部未満添加して共重合させることが好ましい。アクリル系単量体の種類は特に限定されることはないが、アクリロニトリル、アクリル酸エステル等が特に好ましい。
原紙に塗工液を塗工する方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択することができる。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて粒子の体積粒度分布を測定し50%の粒径を平均粒子径とした。
油性マジックインキにより離型紙用原紙の塗工層を設けた面に印字し、非印字面へのマジックインキの裏抜けの程度を目視観察した。
評価基準
○:裏抜け無し、△:一部裏抜け、×:全面に裏抜け
ブレード塗工時のストリークやスクラッチの発生度合いを評価した。
○:発生しない、△:若干発生する、×:多く発生する
カチオン重合紫外線硬化型シリコーン(UV9300、モメンティブジャパン製)100部と、光カチオン触媒(UV9380C、モメンティブジャパン製)3部とを混合したシリコーン樹脂液を、離型紙用原紙上にマルチロールコーターにて絶乾重量で1.0g/m2となるように塗工し、面感を目視評価した。
評価基準
○:塗布ムラ無く良好、△:若干ムラが有るが問題無く良好、×:塗布ムラ有り不良
カオリンA(アストラプラス、平均粒子径:0.7μm、2μm以下の含有率3.0%、イメリス社製)82部、炭酸カルシウムA(カービタル90、平均粒子径:0.7μm、2μm以下の含有率10.0%、イメリス社製)18部に対し、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(JSR0693、JSR社製)を20部、酸化澱粉を4部配合し、固形分60%の塗工液を調製した。この塗工液を用い、坪量85g/m2の上質紙の片面に乾燥塗工量が10g/m2になるように塗工液をブレードコーターで塗工して離型紙用原紙を製造した。この離型紙原紙について、剥離剤の目止め性、塗工適性、剥離剤塗工後の面感評価を行った。
カオリンAをカオリンB(ハイドラプリント、平均粒子径:2.8μm、2μm以下の含有率13.0%、日成共益社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
炭酸カルシウムAを炭酸カルシウムB(ソフトン2600、平均粒子径:1.3μm、2μm以下の含有率14.0%、備北粉化工業社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAと炭酸カルシウムAの配合比率を53/47としたこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAと炭酸カルシウムAの配合比率を95/5としたこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAと炭酸カルシウムAの配合比率を47/53としたこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAをカオリンC(アストラプレート、平均粒子径:3.6μm、2μm以下の含有率16.0%、イメリス社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAをカオリンD(カピムNP、平均粒子径:2.7μm、2μm以下の含有率20.0%、イメリス社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAをカオリンE(アストラシーン、平均粒子径:0.4μm、2μm以下の含有率1.0%、イメリス社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
炭酸カルシウムAを炭酸カルシウムC(カービタル97、平均粒子径:0.4μm、2μm以下の含有率3.0%、イメリス社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
炭酸カルシウムAを炭酸カルシウムD(ソフトン2200、平均粒子径:1.5μm、2μm以下の含有率24.0%、備北粉化工業社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
炭酸カルシウムAを炭酸カルシウムE(ソフトン1800、平均粒子径:2.3μm、2μm以下の含有率40.0%、備北粉化工業社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAを100部、炭酸カルシウムAを0部に変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
カオリンAを0部、炭酸カルシウムAを100部にに変更したこと以外は実施例1と同様にして離型紙用原紙を得た。
Claims (2)
- 基紙の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含有する塗工層を設けてなる離型紙用原紙であって、前記顔料が、少なくとも体積分布平均粒子径が0.5〜3.0μmでありかつ粒径2μm以上の粒子の含有率が15%以下である板状形状の顔料と、体積分布平均粒子径が0.5〜1.5μmでありかつ粒径2μm以上の粒子の含有率が15%以下である板状形状以外の顔料であり、前記板状形状の顔料と板状形状以外の顔料の質量比が50/50〜85/15であることを特徴とする離型紙用原紙。
- 請求項1に記載された離型紙用原紙の塗工層の上に、剥離剤からなる剥離層を直接設けてなる離型紙。
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