JP2873778B2 - 剥離紙 - Google Patents

剥離紙

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JP2873778B2
JP2873778B2 JP6066674A JP6667494A JP2873778B2 JP 2873778 B2 JP2873778 B2 JP 2873778B2 JP 6066674 A JP6066674 A JP 6066674A JP 6667494 A JP6667494 A JP 6667494A JP 2873778 B2 JP2873778 B2 JP 2873778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁紙、シール、ステッ
カー等の粘着加工品において、粘着面に貼合わせて用い
られる剥離紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、シール、ステッカー、カル製品等
の需要の増加に伴い、これらの粘着加工品に貼合わせて
用いられる剥離紙の需要も高まり、その品質要求も厳し
くなってきている。
【0003】従来、この種の剥離紙としては、支持体と
なる紙、例えばグラシン紙の片面もしくは両面に剥離性
シリコーン樹脂等の剥離剤を塗布して剥離層を形成した
ものが一般的に使用されている。しかしながらこのよう
な構成よりなる剥離紙では、支持体である紙層中に剥離
剤が浸透してしまい、実用上必要とされるに十分な剥離
性を有する剥離層を形成するためには多量の剥離剤が必
要とされるという問題を有するものであった。また、紙
支持体の有する表面の凹凸の影響が剥離層表面にも現れ
て、粘着加工後に剥離紙を剥離除去すると粘着剤表面の
凹凸による泡や貼着ムラ等が発生して、貼着体や被貼着
体が透明の場合は外観上の問題を有するものであった。
更に、このようなグラシン紙等の紙を支持体とする剥離
紙では、周囲の環境の湿度変化に対して紙が吸脱湿し、
剥離紙にカールが発生し製造工程上の問題を引き起こし
たり、粘着加工品の品質低下を招いたりしていた。
【0004】一方、上記の如き問題を解決するために、
紙支持体の片面もしくは両面にポリエチレン等の樹脂を
ラミネートし、そのフィルム上に剥離剤を塗布した剥離
紙も使用されている。このような構成の剥離紙では、ポ
リエチレン層によって剥離剤の支持体への浸透が防止さ
れて少量の剥離剤で十分な剥離性を得ることができると
いう利点を有するが、均一な層厚が形成し難く厚さのバ
ラツキが大きい、という欠点を有し、厚さが均一で薄手
の低コストの剥離紙が得られないという問題を有するも
のである。
【0005】また、支持体上にポリエチレン等の樹脂を
ラミネートする代わりに、それらの樹脂をコーティング
することによってポリエチレンフィルムのラミネートと
同等な性能を持たせる提案もなされている。しかし、こ
れらの樹脂コーティング層を有する剥離紙でも前述の紙
ベース剥離紙と同様に、湿気の侵入を防止する特性がポ
リエチレンラミネート層に比べて劣るため、周囲の湿度
変化によってカールの発生が避けられないものであっ
た。
【0006】更に、近年は用途の多様化や差別化を図る
等の要望から、剥離紙の裏面に良好な印刷を施すための
印刷適性が要求されてきている。しかしながら、従来よ
り用いられているグラシン紙等の紙や、ポリエチレン等
の樹脂をラミネートした紙を支持体とした剥離紙は、こ
のような印刷に対する印刷適性、具体的には着肉性、イ
ンキ乾燥性、インキ接着性等の特性を満足することがで
きない。特に、近年は作業性において格段に優れる紫外
線硬化型インキを使用したUV印刷が適用される場合が
多い。しかし、紫外線硬化型インキの硬化皮膜は被印刷
体に対する接着性に問題があるため、ポリエチレンラミ
ネート紙のような場合、ポリエチレン面にあらかじめコ
ロナ放電処理等の易接着処理を施す必要があり、製造上
やコスト的に問題を有する。以上のような問題点を全て
解決した剥離紙は、未だ得られていない現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みなされたもので、剥離剤の塗布量が少量で均一に塗
布されて優れた剥離性と良好な印刷適性とを有し、か
つ、環境の湿度変化に対してもカールの発生することの
ない優れた耐湿度特性を有する剥離紙を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙支持体の少
なくとも片面に、樹脂層、雲母含有層および剥離層を順
次積層した構成を有し、かつ、該紙支持体がステキヒト
サイズ度60秒以上、透気度50秒以上および湿潤引張
り強さ1.6kg/15mm以上の紙であることを特徴
とする剥離紙である。
【0009】本発明の剥離紙では、支持体として上記の
各特性を同時に満足する紙が使用される。これは、樹脂
層を均一に塗設し、良好な湿度バリヤー性を付与するた
めに必要な特性である。後述のように樹脂層を形成する
際、多くの場合エマルジョン系の樹脂が供給されるが、
上記の各特性を満足しない紙支持体では塗料の支持体へ
の浸み込みが大きく均一な樹脂層が形成できない。ま
た、本発明を構成する支持体は上記の如き特性を有する
ことから紙支持体自体が良好な耐湿度特性を有し、後述
の樹脂層によるカール発生防止効果を助長し、優れたカ
ール防止特性が得られる。更に、本発明は該支持体を使
用することにより印刷インキに対する良好な乾燥性およ
び接着性等が得られ、紙支持体の樹脂層が設けられてい
ない側の表面の良好な印刷適性を有するという効果を得
ることができる。
【0010】紙支持体のステキヒトサイズ度、透気度、
湿潤引張り強さをコントロールするには、抄紙時のパル
プの叩解度や、使用する湿潤紙力増強剤、サイズ剤の種
類および添加量を調整することによって行うことができ
る。すなわち、叩解度を上げることによって透気度、ス
テキヒトサイズ度を向上させることができる。また、湿
潤紙力増強剤の使用によって湿潤引張り強さおよび透気
度を、サイズ剤の使用によって湿潤引張り強さおよびス
テキヒトサイズ度を向上させることができる。本発明で
は、これらの点を適宜調整することによって前記の各特
性を満足するように製造された紙を支持体として用いる
ものである。
【0011】本発明で用いる紙支持体を製造する際に
は、パルプの叩解度としてはショッパー法で25°SR
以上、特に30°SR〜50°SRが好ましい。叩解度
を50°SRを越えて高くするとカールを生じやすくな
るおそれがある。上記の如き叩解度に調整されるパルプ
原料としては特に限定されるものではないが、天然セル
ロースパルプが好適に用いられ、中でもN材とL材が3
0:70〜0:100の割合で配合されたものが紙の強
度や叩解度の調整等の製造上の点から好ましい。
【0012】本発明で用いられる紙支持体の特性を前記
の如く調整するために使用されるサイズ剤としては、ロ
ジン、マレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジ
ン、石油樹脂変性ロジン、各種カチオン性ポリマー、ア
ルケニルコハク酸、アルキルケテンダイマー、アルケニ
ル無水コハク酸、スチレン系樹脂、ワックス、アルキド
系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン−アクリル系樹
脂、石油系樹脂、シリコーン化合物、ジイソブチレン−
無水マレイン酸共重合体等を例示することができる。ま
た、同様に湿潤紙力増強剤としては、ポリアミド樹脂、
アクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン
系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂等を例示することが
できる。これらの薬品以外にもクレイ、タルク、カオリ
ン、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チ
タン等の顔料類や、ポリビニルアルコール、デンプン等
の各種高分子化合物を内添サイズや表面サイズで使用す
ることも可能である。
【0013】本発明で用いられる紙支持体は、セルロー
スパルプ100重量部に対してサイズ剤が0.1〜1.
0重量部、湿潤紙力増強剤が0.1〜1.0重量部添加
されていることが特に好ましい。ここで、サイズ剤が
0.1重量部未満では目的とするステキヒトサイズ度や
湿潤引張り強さが得られにくく、逆に1.0重量部を越
えると抄紙時に泡を発生し紙の均一性(地合)を悪くす
るおそれがある。また、湿潤紙力増強剤が0.1重量部
未満では十分な湿潤引張り強さや透気度が得られにく
く、逆に1.0重量部を越えても添加量に見合う効果が
得られにくい。なお、紙の表面強度向上のためにでんぷ
んを0.1〜0.6重量部用いることが好ましい。
【0014】また、紙支持体の製造方法は特に限定され
ることなく一般の抄紙方法が適宜適用される。そして、
紙支持体の坪量は用途に応じて適宜決定されるもので、
通常80〜140g/m2 程度である。更に、カレンダ
ー処理や後処理としてスーパーカレンダー掛け等によっ
て透気度をより向上させることも効果的である。特に高
度の平滑性が要求されるような用途の剥離紙において
は、透気度の向上と共に優れた平滑性が得られるスーパ
ーカレンダー等による後処理を施すことが効果的であ
る。
【0015】本発明における紙支持体は、上記のように
して得られるものでステキヒトサイズ度が60秒以上で
あることが必要であり、特に80〜120秒であること
が好適である。また、透気度が50秒以上であることが
必要であり、好ましくは70〜110秒である。更に、
湿潤引張り強さが1.6kg/15mm以上であること
が必要であり、好ましくは1.7〜2.5kg/15m
mである。これら3特性をすべて満足することが、本発
明の目的を達成する上で必要であり、いずれかの特性が
上記より劣っていると樹脂層を形成する際に塗料の浸透
が大きく、樹脂層による優れた湿度バリヤー性が得られ
なくなってしまう。また、上記各特性の好ましい範囲を
越えて大きくしても、それ以上の作用効果が得られない
ばかりか、製造条件が難しくなり、生産能率の低下やコ
ストアップ等の問題を生じるおそれがある。なお、本発
明でいうステキヒトサイズ度はJIS P−8122、
透気度はJIS P−8117、湿潤引張り強さはJI
S P−8135にそれぞれ規定されている方法による
ものである。
【0016】本発明の樹脂層は、本発明の剥離紙に高い
湿度バリヤー性を付与する目的で設けられるもので、こ
れにより剥離紙のカールの発生を防止するものである。
樹脂としては、例えばアクリル系、メタクリル系、スチ
レン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン
系、ポリエステル系、ポリウレタン系、オレフィン系、
エポキシ系、シリコーン系等の各種樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂等を単独もしくは2種以
上組み合わせて適宜使用することができる。
【0017】本発明の樹脂層においては、上記の各種樹
脂の中でも塩化ビニリデン系樹脂が特に優れた湿度バリ
ヤー性が得られることから好ましい。この場合、塩化ビ
ニリデン系樹脂は主成分として樹脂層に70重量%以上
含有することが好適である。本発明の樹脂層に用いられ
る塩化ビニリデン系樹脂とは、塩化ビニリデンの単独重
合体、共重合可能な例えば(メタ)アクリル酸エステ
ル、酢酸ビニル等の他のビニル重合性モノマーとの共重
合体、およびこれらを変性したもの等、従来一般に用い
られているエマルジョンタイプや溶液タイプ等、公知の
形態の材料の使用が可能である。本発明では特にエマル
ジョンの形態を有するものが好適に使用される。
【0018】なお、樹脂層は顔料や充填剤を使用しない
で、樹脂単独で形成されることが好ましく、仮にブロッ
キング防止等の理由で顔料が用いられるとしても、上記
の如き湿度バリヤー性の機能を損なうことのないように
極少量の使用に留めることが必要である。また、樹脂層
は前記支持体の少なくとも片面に形成されるものである
が、より優れた耐カール性が要求される場合には、紙支
持体の両面に形成されることが好適である。
【0019】本発明における雲母含有層は、剥離紙にさ
らに良好な湿度バリヤー性および溶剤バリヤー性を得る
ために設けられるものである。雲母含有層は、顔料とし
ての雲母と結着剤としての樹脂を主成分とするものであ
る。良好な湿度バリヤー性と溶剤バリヤー性を得るため
に、雲母含有層中における雲母の配合割合としては固形
分の重量比で30〜80重量%が好ましく、さらに好ま
しくは50〜70重量%である。雲母含有量が30重量
%以下では良好な湿度および溶剤バリヤー性が得られ
ず、また80重量%を越えると雲母含有量が多くなっ
て、かえって湿度バリヤー性および溶剤バリヤー性が低
下するおそれがある。
【0020】本発明に使用される雲母としては、例え
ば、絹雲母、白雲母、紅雲母、ソーダ雲母、セリサイ
ト、バナジン雲母、黒雲母、金雲母、リチア雲母、チン
ワルド雲母、合成雲母(例えば、コープケミカル社のM
Kシリーズ、MEシリーズ)等の雲母類が挙げられ、こ
れらを単独あるいは適宜組み合わせて使用することがで
きる。これら雲母類は一般に鱗片状の結晶形態を有して
おり、結着用樹脂とともに層状にすると鱗片状結晶が部
分的に重なる形態となり、良好な湿度バリヤー性および
溶剤バリヤー性を発揮することができ、剥離層用塗料を
塗布したときの紙支持体への塗料の浸透を抑えることが
できる。このように雲母含有層を設置することによっ
て、均一な剥離剤の薄膜が得られるので、より少量の剥
離剤で良好な剥離特性を持たせることが可能となる。本
発明においては、これらの中でも色彩が自然であり、コ
ストが安価である等の理由で白雲母、リチア雲母、絹雲
母が好適である。
【0021】本発明の雲母含有層には雲母の他にも、一
般に使用される各種の顔料を併用することが可能であ
る。これらの各種顔料の具体例としては、例えば、シリ
カ、クレイ、マイカ、タルク、カオリン、ケイソウ土、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ
酸アルミニウム、合成ゼオライト、アルミナ、酸化亜
鉛、リトポン、サチンホワイト等、従来使用されている
充填材料の他に有機もしくは無機の着色顔料が挙げられ
るが特にこれらに限定されるものではない。
【0022】また、本発明の雲母含有層を形成する際に
結着剤として使用される樹脂には、一般にコーティング
に使用される各種の樹脂の使用が可能である。これらの
樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合系樹脂、ポリビニルアルコール、その他のビニル系
樹脂、アミド系樹脂、酸化でんぷん、カゼイン、ポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、シリコーン
系樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、ロジン変性フェ
ノール樹脂、アルキド樹脂、クマロン−インデン樹脂、
ブチラール系樹脂等を単独あるいはこれらを2種以上組
み合わせて用いることができる。これらの中でも雲母の
分散性や製造上の取り扱いやすさ等から水溶性または水
性エマルジョンが好ましい。
【0023】本発明においては上記の如き組成を有する
雲母含有層は、前記樹脂層上に設けるものであるが、樹
脂層が紙支持体の両面に形成されている場合は、雲母含
有層も両面に設けられることが望ましい。それにより、
剥離層が片面にしか形成されない場合に、良好な印刷適
性と優れたバリヤー性を得ることができる。
【0024】剥離層は、従来公知の剥離性を有する材
料、すなわち剥離剤よりなるものである。剥離剤の具体
例を挙げると、付加型、縮合型等の各種シリコーン化合
物やシリコーンゴム、反応性シリコーンオイルと官能基
含有樹脂、必要に応じてこれらと架橋剤の組み合わせ、
ふっ素系重合体、非シリコーン系剥離剤(例えば一方社
油脂工業社製のピーロイルシリーズ)等の使用が可能で
あるが、これらに限定されることなく各種の剥離剤を使
用して剥離層を形成することができる。
【0025】本発明の剥離紙において、紙支持体上に前
記の樹脂層および雲母含有層および剥離層を設けるにあ
たっては、各層を形成するための材料を均一に混合分散
して調製した塗料をロールコーティング法、ブレードコ
ーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコ
ーティング法、ロッドバーコーティング法等のコーティ
ング方法によって、本発明の積層順序に従って紙支持体
上に塗布・乾燥して設ければ良い。樹脂層の塗布量は2
〜10g/m2 、好ましくは3〜5g/m2 、雲母含有
層の塗布量は5〜15g/m2 、好ましくは8〜10g
/m2 、剥離層の塗布量は0.1〜2g/m2 、好まし
くは0.5〜1g/m2 である。また、雲母含有層を設
けた後にキャレンダー処理を施して表面平滑性を高める
と、より均一な剥離層を形成することができる。
【0026】
【実施例】次に、実施例によって本発明の詳細な説明を
行う。なお、配合を表わす部数は全て重量部を表わす。 実施例1 N材:L材比率が重量比20:80のパルプ混合比で、
叩解度45°SRに叩解したパルプスラリーに、パルプ
に対して固形分で0.3重量%の硫酸バンド、0.5重
量%の石油樹脂系サイズ剤(近代化学工業社製、NS5
00、固形分濃度40%)、および0.5重量%の湿潤
紙力増強剤(住友化学工業社製、スミレーズレジン65
0、固形分濃度30%)を添加し、これを長網式抄紙機
で抄造して坪量110g/m2 の紙支持体を作製した。
この紙支持体の透気度は60秒、ステキヒトサイズ度は
80秒、湿潤引張り強さは2.1kg/15mmであっ
た。
【0027】上記で得られた紙支持体の両面に、樹脂層
用塗料として塩化ビニリデン樹脂エマルジョン(サラン
ラテックスL−530、旭化成工業社製、固形分49
%)を用いて、塗布・乾燥して樹脂層(乾燥塗布量5g
/m2 )を設けた。
【0028】次に、上記で設けた樹脂層の両面の面上
に、下記組成よりなる雲母含有層用塗料を塗布・乾燥し
て雲母含有層(乾燥塗布量10g/m2 )を設けた。 ・絹雲母(ミクロクリーン、同和工業社製) 10部 ・スチレン−ブタジエンラテックス 22部 (ラックスター6071A、大日本インキ化学工業社製、固形分45%) ・水 30部
【0029】次に、この樹脂層および雲母含有層が設置
された支持体にキャレンダー処理を施して両面の平滑性
を高めた後で、下記組成よりなる剥離層用塗料を片面に
のみ塗布・乾燥して塗布量0.5g/m2 の剥離層を設
けて本発明の剥離紙を作製した。 ・剥離シリコーン 10部 (SD7226、トーレ・ダウコーニングシリコーン社製、固形分30%) ・白金系硬化触媒 0.03部 (SRX212、トーレ・ダウコーニングシリコーン社製) ・トルエン 20部 ・酢酸エチル 10部
【0030】実施例2 雲母含有層用塗料として下記組成のものを使用した以外
は、実施例1と全く同様にして本発明の剥離紙を作製し
た。 ・白雲母(A−11、山口雲母工業社製) 10部 ・スチレン−ブタジエンラテックス 15部 (ラックスター6071A、大日本インキ化学工業社製、固形分45%) ・水 30部
【0031】実施例3 樹脂層用塗料として塩化ビニリデン樹脂エマルジョン
(クレハロンラテックスLA412、呉羽化学工業社
製、固形分46%)を使用し、また雲母含有層用塗料と
して下記組成のものを使用した以外は、実施例1と全く
同様にして本発明の剥離紙を作製した。 ・絹雲母(ミクロクリーン、同和工業社製) 10部 ・アクリルエマルジョン 10部 (モビニール767、ヘキスト合成社製、固形分45%) ・水 30部
【0032】実施例4 樹脂層用塗料として下記組成のものを使用した以外は、
実施例3と全く同様にして本発明の剥離紙を作製した。 ・塩化ビニリデン樹脂 10部 (サランレジンF216、旭化成工業社製) ・テトラヒドラフラン 10部
【0033】実施例5 N材:L材比率が重量比10:90のパルプ混合比で、
叩解度45°SRに叩解したパルプスラリーに、パルプ
に対して固形分で0.4重量%の硫酸バンド、0.6重
量%の石油樹脂系サイズ剤(近代化学工業社製、NS5
00、固形分濃度40%)、および0.3重量%の湿潤
紙力増強剤(住友化学工業社製、スミレーズレジン65
0、固形分濃度30%)を添加し、これを長網式抄紙機
で抄造して坪量110g/m2 の紙支持体を作製した。
この紙支持体の透気度は80秒、ステキヒトサイズ度は
90秒、湿潤引張り強さは1.7kg/15mmであっ
た。紙支持体として上記で得られた紙を用いた以外は、
実施例1と全く同様にして本発明の剥離紙を作製した。
【0034】実施例6 樹脂層用塗料としてスチレン−ブタジエン共重合体樹脂
(住友ダウ社製、ノガタックSN307、固形分48
%)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして本発明
の剥離紙を作製した。
【0035】比較例1 支持体として市販の上質紙(坪量110g/m2 、透気
度54秒、ステキヒトサイズ度70秒、湿潤引張り強さ
0.8kg/15mm)を使用した以外は、実施例1と
全く同様にして比較用の剥離紙を作製した。 比較例2 実施例1において、樹脂層を設けない以外は、実施例1
と全く同様にして比較用の剥離紙を作製した。
【0036】比較例3 実施例1において、雲母含有層を設けない以外は、実施
例1と全く同様にして比較用の剥離紙を作製した。 比較例4 支持体として坪量110g/m2 のグラシン紙(透気度
10万秒、ステキヒトサイズ度0秒、湿潤引張り強さ
0.7kg/15mm)を使用し、樹脂層および雲母含
有層を設けることなく直接剥離層を設けた以外は、実施
例1と全く同様にして比較用の剥離紙を作製した。
【0037】比較例5 雲母含有層用塗料に代えて、下記組成よりなる塗料を用
いて顔料含有層を設けた以外は、実施例1と全く同様に
して比較用の剥離紙を作製した。 ・クレー(ASP−200、林化成社製) 10部 ・スチレン−ブタジエンラテックス 10部 (ラックスター6071A、大日本インキ化学工業社製、固形分45%) ・水 30部
【0038】比較例6 N材:L材比率が重量比20:80のパルプ混合比で、
叩解度30°SRに叩解したパルプスラリーに、パルプ
に対して固形分で0.3重量%の硫酸バンド、0.4重
量%の石油樹脂系サイズ剤(近代化学工業社製、NS5
00、固形分濃度40%)、および0.7重量%の湿潤
紙力増強剤(住友化学工業社製、スミレーズレジン65
0、固形分濃度30%)を添加し、これを長網式抄紙機
で抄造して坪量110g/m2 の紙支持体を作製した。
この紙支持体の透気度は30秒、ステキヒトサイズ度は
60秒、湿潤引張り強さは1.8kg/15mmであっ
た。紙支持体として上記で得られた紙を用いた以外は、
実施例1と全く同様にして比較用の剥離紙を作製した。
【0039】以上の実施例1−6、および比較例1−6
で得られた剥離紙について、カールの湿度依存性の試験
を行った。試験方法については以下の通りである。 <カール試験方法>各サンプルを20℃・65%RHの
環境下に24時間放置した後に、アクリル系粘着剤を用
いて粘着加工した厚さ25μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを同じ環境下で貼り合わせてカール測定
用のサンプルを作製した。この測定用のサンプルをさら
に20℃・65%RHの環境に24時間放置した後、A
4サイズに断裁し、高湿度(30℃・80%RH)およ
び低湿度(30℃・20%RH)の各環境に4時間放置
した後のカールを測定した。カールが大きく発生し工程
上や品質上の問題となるものを×、カールが小さく実用
上問題のないもの(25mm以下)を○とした。
【0040】試験結果は表1に示した通りである。なお
表1における( )内の数字は、サンプルのカール量を
表わすもので単位はmmである。カール量は、サンプル
が上側に湾曲するように置いて(高湿時は剥離層側が床
面、低湿時は剥離層側が上面)、四隅と床面との距離
(高さ)を測定し、その中の最大値を示したものであ
る。表1の結果から明らかなように、本発明の剥離紙は
湿度変化に対して大きなカールを発生しない特性を有す
ることが確認された。なお、比較例4のサンプルは高湿
度下では完全に筒状に丸まってしまいカールを測定でき
なかった。
【0041】
【表1】
【0042】一方、剥離紙の剥離層が設けられていない
側の面の印刷適性についてオフセット印刷機(リョービ
2800、リョービ社製)を用いて評価したところ、実
施例の剥離紙は良好な印刷適性を有していたのに対し、
比較例3および4の剥離紙はインクの着肉性、乾燥性に
劣るものであって十分な印刷適性は認められなかった。
なお、比較例3,4,5の剥離紙においては雲母含有層
が設けられていないために剥離層の表面に凹凸を生じて
しまっていた。
【0043】
【発明の効果】本発明の剥離紙は、紙支持体上に樹脂
層、雲母含有層および剥離層を順次積層した構成を有
し、かつ、紙支持体として特定の物性を有する紙が使用
されていることにより、優れたバリヤー性が得られて剥
離剤の浸透を抑えて少量の剥離剤で良好な表面性(凹凸
が少ない)と剥離性が達成されると共に、湿度変化にも
カールを生じないという効果を有するものである。ま
た、上記の構成により印刷適性も良好なことから、多様
な用途に適用することが可能である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−258280(JP,A) 特開 平3−82898(JP,A) 特開 平6−184997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 27/00,19/38,19/82

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙支持体の少なくとも片面に、樹脂層、
    雲母含有層および剥離層を順次積層した構成を有し、か
    つ、該紙支持体がステキヒトサイズ度60秒以上、透気
    度50秒以上および湿潤引張り強さ1.6kg/15m
    m以上の紙であることを特徴とする剥離紙。
  2. 【請求項2】 前記雲母含有層における雲母の配合量
    が、固形分の重量比で30〜80重量%であることを特
    徴とする請求項1記載の剥離紙。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層の樹脂が塩化ビニリデン系樹
    脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    剥離紙。
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