JP2008088565A - 離型紙用原紙およびそれを用いた工程紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 工程紙の基材として使用されるマットコート紙に好適な、低白紙光沢度で、剥離剤の目止め性及び耐溶剤性に優れた離型紙用原紙、特に合成皮革製造用として好適な工程紙を提供する。
【解決手段】 原紙の少なくとも一方の面に、顔料成分及び接着剤成分を主成分とする目止め層を設けてなる離型紙用原紙。前記顔料成分が、少なくとも体積分布平均粒子径が3〜20μmである板状形状の顔料を50重量%以上含有し、前記接着剤成分として少なくとも、ゲル含量85%以上の合成樹脂ラテックスが前記顔料成分100重量部に対して固形分で20〜40重量部配合されていることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】 原紙の少なくとも一方の面に、顔料成分及び接着剤成分を主成分とする目止め層を設けてなる離型紙用原紙。前記顔料成分が、少なくとも体積分布平均粒子径が3〜20μmである板状形状の顔料を50重量%以上含有し、前記接着剤成分として少なくとも、ゲル含量85%以上の合成樹脂ラテックスが前記顔料成分100重量部に対して固形分で20〜40重量部配合されていることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、合成皮革やセラミックグリーンシートなどの製造工程中にキャリアーとして使われる工程紙に用いられる工程紙用原紙や、粘着ラベル、粘着シートなどに使用する剥離紙に用いられる剥離紙原紙等の離型紙用原紙に関し、特に、低白紙光沢度であって、剥離剤の目止め性及び耐溶剤性に優れた、マット調の離型紙用原紙に関する。
ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙、プラスチックフィルムなどの基材に、シリコーン系樹脂やアルキッド系樹脂などの剥離層を設けた離型紙は、塩化ビニルレザーやポリウレタンレザーなどの合成皮革、セラミックシートおよび炭素繊維プリプレグなどの製造工程に使用される工程紙や、粘着ラベル、粘着シート、および粘着テープ等の剥離紙、食品分野ではベーキングペーパーやベーキングトレーなど、様々な用途に使用されている。このような離型紙の原紙に求められる品質としては、シリコーン系樹脂などの剥離剤の目止め性以外にも、耐溶剤性、耐熱性および寸法安定性などが求められる。
工程紙は、塩化ビニルレザーやウレタンレザー等の合成皮革やセラミックシート、シリコンゴム、およびマーキングフィルム等の製造工程において、ウレタンペーストや塩化ビニルペーストなどをキャスティングする際に使用する剥離用シートとして用いられる。従ってこのような工程紙は、クラフト紙、上質紙、コート紙、またはプラスチックフィルム等の基材表面に、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂等の剥離層を有している。
工程紙の用途の一つとして、合成皮革用の工程紙が挙げられる。合成皮革は、工程紙上にウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、またはポリアミド樹脂などの合成樹脂を塗工し乾燥・固化させた後に、必要に応じて接着剤を介して前記固化させた合成樹脂層と基布とを貼合し、最終的に合成皮革を工程紙から剥がすことによって造られる。
工程紙の基材としては、上質紙、コート紙、およびキャストコート紙の他に、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルム、合成紙、あるいは金属箔なども使用されるが、リサイクル性に優れる点や、合成皮革の加工適性として重要である耐熱性に優れる点から、天然パルプを使用した紙基材を使用することが好まれている。この場合、合成皮革の面状は工程紙の面状を転写することによって得られるため、高級感のあるエナメル調の合成皮革を製造する際には、高い白紙光沢度と鏡面を有するキャスト塗工紙が基材として使用されている(特許文献1〜3)。しかしながら、近年市場ではマット(艶消し)タイプの合成皮革が、エナメル調と対比されるものとして需要が増してきている。
特開2002−47476号公報
特開2001−98495号公報
特開2005−97781号公報
艶消しタイプの合成皮革は、剥離層に電子線や紫外線などの放射線硬化型の剥離剤を使用し、あるいは更にマット化剤を配合した工程紙を使用したり(特許文献4、5)、ポリプロピレン(PP)系離型シートを用いPP樹脂を該離型シート上に溶融押し出し塗工する際、マット調のクーリングロールに接触させることによって製造されてきた。しかしながら、日本では熱硬化性の剥離剤を使用することが主流であるため、既存の塗工設備では製造できず、放射線照射設備を新たに導入しなければならないという欠点があり、PP系離型シートを使用する場合には、前記したように、紙基材と比較して耐熱性およびリサイクル性に劣るという欠点があった。
特開2003−182006号公報
特開2000−328464号公報
また、工程紙はシリコーンなどの剥離剤を基材に塗工することによって得られるが、剥離剤が基材表面に残ることによって剥離効果が発揮されるため、剥離剤が基材内部へ浸み込まないようにするための目止め性が重要である。ちなみに、艶消し工程紙の場合には、剥離剤としてアルキッド系樹脂などより、光沢感が少ないシリコーン系樹脂が主として使用される。
更に、基材には、ポリウレタンや塩化ビニルペースト中に含まれるジメチルホルムアルデヒド(DMF)やメチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどの溶剤に対する耐溶剤性が求められる。近年、合成皮革の厚物化に伴い、塗工紙を基材として使用した際に、塗工層が剥離することによる工程紙の繰り返し使用回数の減少や、剥離された塗工層の転移による合成皮革の外観不良が問題となっている。この原因は、合成樹脂ペースト中に含まれる溶剤が合成皮革側から抜け難くなり、工程紙側の塗工層が劣化するために、塗工層側が剥離するためと考えられている。そこで、工程紙の耐溶剤性の向上が大きな課題となってきた。
従って本発明の第1の目的は、工程紙の基材として使用されるマットコート紙に好適な、低白紙光沢度で、剥離剤の目止め性及び耐溶剤性に優れた離型紙用原紙を提供することにある。
本発明の第2の目的は、特に合成皮革製造用として好適な工程紙を提供することにある。
本発明の第2の目的は、特に合成皮革製造用として好適な工程紙を提供することにある。
本発明の上記の諸目的は、原紙の少なくとも一方の面に、顔料成分及び接着剤成分を主成分とする目止め層を設けてなる離型紙用原紙であって、前記顔料成分が、少なくとも体積分布平均粒子径が3〜20μmである板状形状の顔料を50重量%以上含有し、前記接着剤成分として少なくとも、ゲル含量85%以上の合成樹脂ラテックスが前記顔料成分100重量部に対して固形分で20〜40重量部配合されていることを特徴とする離型紙用原紙によって達成された。
本発明の離型紙用原紙は、低白紙光沢度で、剥離剤の目止め性及び耐溶剤性に優れるので、剥離剤を経済的に塗布することができる。また、本発明の離型紙用原紙を用いて得た工程紙は耐溶剤性に優れるので、塗工層の転移による合成皮革の外観不良の発生を抑制することができる上、再生可能であるという利点を有する。
本発明の離型紙用原紙の目止め層で使用される顔料としては、体積分布平均粒子径が3〜20μmの板状形状の顔料を配合することが必須である。また、その配合量は、全顔料分に対して50重量%以上であることが必須であり、70重量%以上であることが好ましい。体積分布平均粒子径が3μm未満では白紙光沢度が高くなり過ぎ、20μmを超えると塗料の粘度が上昇するため塗工適性が悪化する。例えば、ブレード塗工の際にはストリークスクラッチが発生し易くなり、フィルムトランスファー塗工の際にはボイリングやミストが発生し易くなる。また、体積分布平均粒子径が3〜20μmの板状形状の顔料を配合した場合であっても、その配合量が全顔料分に対して50重量%未満の場合には、剥離剤の目止め性が悪化する。
板状形状の顔料は、塗工の際に平面方向に配向するため、剥離剤の浸透を防ぐ効果が高い。従って本発明においては、そのアスペクト比(顔料の配向面の長径/厚さ)が10以上の板状形状の顔料を用いることが好ましい。アスペクト比が10未満である場合には、顔料粒子間に微細な隙間が多くなり、そこから剥離剤が浸透し易くなるため剥離剤の目止め性が悪化する。板状形状の顔料としては、カオリン、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
本発明の離型紙用原紙の目止め層には、接着剤としてゲル含量85%以上の合成樹脂ラテックスを、顔料100重量部に対して固形分で20〜40重量部配合することが必須である。ゲル含量が85%より低い場合は、合成皮革の製造において、溶剤の浸透による目止め層の劣化が速く、目止め層の剥離が起こる頻度が高くなるため、工程紙の使用可能な回数が低下する。
また、本発明において合成樹脂ラテックスは、顔料100重量部に対して固形分で25〜35重量部配合することがより好ましい。配合量が20重量部未満の場合には、剥離剤の目止め性が悪化する。これに対し40重量部を超えると造膜性の良い合成ラテックスの比率が高過ぎるため、剥離紙として使用した後の再利用の際に、パルパーによる離解性が劣るため製紙原料として再利用することが困難になる。
本発明に使用される合成樹脂ラテックスは、スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体などの各種共重合体のラテックスを用いることが可能である。
また接着剤として、上記の特定の範囲のゲル含量を有する合成樹脂ラテックスに加えて、カゼイン、大豆蛋白や合成蛋白、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、尿素系樹脂、アルキド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレン等の中から適宜選択して使用することができる。例えば、これらの接着剤の1種または2種以上を選択し、上記の合成樹脂ラテックスと併用することができる。
上記接着剤の配合量は、一概には言えないが、顔料100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。1重量部未満では接着効果が不十分となる場合があり、10重量部以上では塗料濃度が低下して乾燥負荷が大きくなり、また生産性も悪化する。
更に、本発明における目止め層に、分散剤、離型剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、防腐剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を含有させても良い。
更に、本発明における目止め層に、分散剤、離型剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、防腐剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を含有させても良い。
本発明で使用される原紙としては、木材パルプを主体とするものが用いられる。木材パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、リファイナーグラインドパルプ等の機械パルプ、及び、新聞用紙、コート紙、上質紙等から得られる再生パルプなどを、適宜配合して得ることができる。
また、必要に応じてケナフ、麻、竹等の非木材系のパルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等の合成樹脂繊維など、セルロース繊維以外の繊維材料を配合することも可能である。
また、必要に応じてケナフ、麻、竹等の非木材系のパルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等の合成樹脂繊維など、セルロース繊維以外の繊維材料を配合することも可能である。
上記原紙の抄造に関しては、必要に応じてサイズ剤、紙力増強剤、定着剤、歩留り向上剤、染料などの内添薬品、及び、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、ホワイトカーボンなどの内添填料を添加したり、抄紙工程中で澱粉、ポリビニルアルコールなどの紙力向上剤、表面サイズ剤、及び染料等をサイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて塗布することにより、適宜表面処理を行うことも可能である。
本発明で使用する原紙の坪量は50〜200g/m2が好ましい。坪量が50g/m2未満では、紙腰、強度が低下するため、使用時に断紙やシワが発生し易くなる。一方、200g/m2を超えると、抄紙時の乾燥負荷が増加することにより生産性が低下するので好ましくない。
目止め層の塗工量は、原紙の片面当たり固形分で5〜15g/m2の範囲であるのが好ましい。塗工量が5g/m2未満の場合は、原紙表面のパルプ繊維間の空隙を完全に目止めすることができないため、剥離剤の浸透を抑えることができない。一方、塗工量が15g/m2を超えても塗工量の増加に伴う品質の向上が期待できず、不経済である。
原紙に目止め層を塗工する方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択することができる。
本発明の離型紙原紙の白紙光沢度は10%未満であることが好ましい。10%未満であれば、合成皮革用工程紙として用いた場合でも、転写された合成皮革の面状に艶消し感が保たれ、着色してある合成皮革が白っぽくなることがない。
本発明の離型紙用原紙を工程紙の基材として使用する場合、目止め層上に剥離剤を塗被して剥離層を設ける。剥離剤としては、光沢度の低いシリコーン系樹脂が好ましい。その塗工量は特に限定されるものではないが、0.1〜2.0g/m2であることが好ましい。0.1g/m2より少ないと剥離性が不足し、合成皮革から工程紙を剥がす時、紙むけや紙破れが起こる。一方2.0g/m2より多い場合には、剥離性が過剰になり、工程中にレザー塗膜の浮きや剥がれが発生する。
本発明の離型紙用原紙は、工程紙用の基材として適しているが、一般印刷用途、袋用途、粘着ラベル用途等、その他の用途にも利用することができる。工程紙の中でも特に合成皮革製造用の工程紙の基材に好適に用いられるが、セラミックグリーンシート、炭素繊維プリプレグなどの工程紙の基材にも利用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本発明はこれらによって何等制約を受けるものではない。
なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部および重量%を示す。また、実施例において、顔料の体積分布平均粒子径、顔料のアスペクト比、合成樹脂ラテックスのゲル含量、白紙光沢度、剥離剤目止め性、耐溶剤性、離解性、塗工適性については、下記の方法により評価した。
なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部および重量%を示す。また、実施例において、顔料の体積分布平均粒子径、顔料のアスペクト比、合成樹脂ラテックスのゲル含量、白紙光沢度、剥離剤目止め性、耐溶剤性、離解性、塗工適性については、下記の方法により評価した。
<顔料の体積分布平均粒子径>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて顔料粒子の体積粒度分布を測定し、50%の粒径を体積分布平均粒子径とした。
<顔料のアスペクト比>
顔料の平面方向および断面方向をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の長径と厚さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の長径/厚さ]により算出した。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて顔料粒子の体積粒度分布を測定し、50%の粒径を体積分布平均粒子径とした。
<顔料のアスペクト比>
顔料の平面方向および断面方向をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の長径と厚さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の長径/厚さ]により算出した。
<合成樹脂ラテックスのゲル含量>
50℃のホットプレート上に剥離紙を置き、合成樹脂ラテックスを薄く伸ばしてシート状にした(約0.2g)後、シート状にしたラテックスフィルムを、送風乾燥機を用いて105℃で2時間乾燥した。作製したラテックスフィルムを予め乾燥し、重量を測定してあるポリエチレン製の茶袋に入れた後全重量を測定した。一定量のトルエンにラテックスフィルムを入れた茶袋を浸漬し、16時間密閉して放置した。次に、茶袋を取り出しトルエンで軽く洗浄したのち、防爆性乾燥機にて120℃で乾燥し、重量を測定した。上記の如く、ラテックスフィルムを入れた茶袋をトルエン中に浸漬すると、溶解分が茶袋から溶出し、未溶解分が茶袋中に残存する。未溶解分の乾燥重量について、トルエン浸漬前のフィルム重量に対する%で記す。
50℃のホットプレート上に剥離紙を置き、合成樹脂ラテックスを薄く伸ばしてシート状にした(約0.2g)後、シート状にしたラテックスフィルムを、送風乾燥機を用いて105℃で2時間乾燥した。作製したラテックスフィルムを予め乾燥し、重量を測定してあるポリエチレン製の茶袋に入れた後全重量を測定した。一定量のトルエンにラテックスフィルムを入れた茶袋を浸漬し、16時間密閉して放置した。次に、茶袋を取り出しトルエンで軽く洗浄したのち、防爆性乾燥機にて120℃で乾燥し、重量を測定した。上記の如く、ラテックスフィルムを入れた茶袋をトルエン中に浸漬すると、溶解分が茶袋から溶出し、未溶解分が茶袋中に残存する。未溶解分の乾燥重量について、トルエン浸漬前のフィルム重量に対する%で記す。
<白紙光沢度>
JIS P 8142:1998に従った。
評価基準
○:白紙光沢度が10未満
×:白紙光沢度が10以上
<剥離剤目止め性>
染色液として0.1%のオイルレッドのトルエン溶液を作成した。この染色液を試料(離型紙用原紙)の目止め層面に綿球等で均一に塗布し、5秒後にガーゼで拭き取った後、班点状のピンホールを観察して評価した。
評価基準
○:ピンホールがほとんどなし
△:ピンホールがやや多い
×:ピンホールが非常に多い
JIS P 8142:1998に従った。
評価基準
○:白紙光沢度が10未満
×:白紙光沢度が10以上
<剥離剤目止め性>
染色液として0.1%のオイルレッドのトルエン溶液を作成した。この染色液を試料(離型紙用原紙)の目止め層面に綿球等で均一に塗布し、5秒後にガーゼで拭き取った後、班点状のピンホールを観察して評価した。
評価基準
○:ピンホールがほとんどなし
△:ピンホールがやや多い
×:ピンホールが非常に多い
<耐溶剤性>
試料(離型紙用原紙)をジメチルホルムアミド(DMF)に所定時間浸漬後、熱風乾燥した。得られた試料の目止め層面に、幅18mmのセロハンテープを貼り、ゴムロールで20回強く擦った後、180度の方向に剥がし、目止め層の白点取られ(セロハンテープの粘着面に塗工層が取られる現象)を目視で評価した。
なお、目止め層の白点取られが生じない最長の溶剤浸漬時間が長いほど耐溶剤性に優れる。
評価基準
◎:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が120分以上
○:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が60分以上120分未満
△:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が30分以上60分未満
×:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が30分未満
試料(離型紙用原紙)をジメチルホルムアミド(DMF)に所定時間浸漬後、熱風乾燥した。得られた試料の目止め層面に、幅18mmのセロハンテープを貼り、ゴムロールで20回強く擦った後、180度の方向に剥がし、目止め層の白点取られ(セロハンテープの粘着面に塗工層が取られる現象)を目視で評価した。
なお、目止め層の白点取られが生じない最長の溶剤浸漬時間が長いほど耐溶剤性に優れる。
評価基準
◎:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が120分以上
○:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が60分以上120分未満
△:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が30分以上60分未満
×:目止め層の白点取られが生じない、最長の溶剤浸漬時間が30分未満
<離解性>
Tappi標準の離解機を用い、試料(離型紙用原紙)濃度1.5%、容量2.0リットル、時間10分間とした場合における、試料(離型紙用原紙)の離解の程度を評価した。
評価基準
○:離解性良好
△:一部未離解物が残る
×:離解不能
<塗工適性>
ブレード塗工時のストリークやスクラッチの発生度合いを評価した。
評価基準
○:発生しない
△:若干発生する
×:多く発生する
Tappi標準の離解機を用い、試料(離型紙用原紙)濃度1.5%、容量2.0リットル、時間10分間とした場合における、試料(離型紙用原紙)の離解の程度を評価した。
評価基準
○:離解性良好
△:一部未離解物が残る
×:離解不能
<塗工適性>
ブレード塗工時のストリークやスクラッチの発生度合いを評価した。
評価基準
○:発生しない
△:若干発生する
×:多く発生する
カオリンA(体積分布平均粒子径:4.89μm,アスペクト比:26)100部に対し、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスA(ゲル含量97%)を25部、酸化澱粉を4部及び分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合し、固形分60%の目止め層用塗工液を調製した。この塗工液を用い、坪量65g/m2の上質紙の片面に塗工量が10g/m2になるように塗工液をブレードコーターで塗工して目止め層を設け、離型紙用原紙を製造した。この離型紙用原紙について白紙光沢度、剥離剤目止め性、耐溶剤性、離解性の評価を行った。
カオリンAを75部、カオリンB(体積分布平均粒子径:1.58μm,アスペクト比:16)を25部使用した以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスB(ゲル含量87%)を35部配合した以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例1]
カオリンBを使用した以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例2]
カオリンC(体積分布平均粒子径:0.38μm,アスペクト比:12)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例3]
マイカ(体積分布平均粒子径:25.6μm,アスペクト比:30)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例4]
塊状のホワイトカーボン(体積分布平均粒子径:4.2μm,アスペクト比:2.1)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例5]
カオリンAを25部、カオリンBを75部使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
カオリンBを使用した以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例2]
カオリンC(体積分布平均粒子径:0.38μm,アスペクト比:12)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例3]
マイカ(体積分布平均粒子径:25.6μm,アスペクト比:30)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例4]
塊状のホワイトカーボン(体積分布平均粒子径:4.2μm,アスペクト比:2.1)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例5]
カオリンAを25部、カオリンBを75部使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例6]
ラテックスC(ゲル含量82%)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例7]
ラテックスD(ゲル含量67%)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例8]
ラテックスAを15部配合したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例9]
ラテックスBを45部配合したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
ラテックスC(ゲル含量82%)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例7]
ラテックスD(ゲル含量67%)を使用したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例8]
ラテックスAを15部配合したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
[比較例9]
ラテックスBを45部配合したこと以外は実施例1と同様に離型紙用原紙を得た。
実施例1〜3、比較例1〜9で製造した離型紙用原紙の品質評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、各比較例の離型紙用原紙は、白色光沢度、剥離剤目止め性、耐溶剤性、塗工適性の何れかが劣るものしか得られないのに対し、本発明に係る各実施例の離型紙用原紙は、それぞれ満足すべき性能を有するものが得られる。
Claims (5)
- 原紙の少なくとも一方の面に、顔料成分及び接着剤成分を主成分とする目止め層を設けてなる離型紙用原紙であって、前記顔料成分が、少なくとも体積分布平均粒子径が3〜20μmである板状形状の顔料を50重量%以上含有し、前記接着剤成分として少なくとも、ゲル含量85%以上の合成樹脂ラテックスが前記顔料成分100重量部に対して固形分で20〜40重量部配合されていることを特徴とする離型紙用原紙。
- 前記目止め層が設けられた表面の白紙光沢度が10%未満である、請求項1に記載された離型紙用原紙。
- 前記板状形状の顔料が、アスペクト比(顔料の配向面の長径/厚さ)が10以上の顔料である、請求項1または2に記載された離型紙用原紙。
- 前記目止め層が設けられる前の原紙の坪量が50〜200g/m2である、請求項1〜3の何れかに記載された離型紙用原紙。
- 請求項1〜4の何れかに記載された離型紙用原紙の目止め層上にシリコーン系樹脂からなる剥離層を設けてなる工程紙。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006266967A JP2008088565A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 離型紙用原紙およびそれを用いた工程紙 |
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---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006266967A Withdrawn JP2008088565A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 離型紙用原紙およびそれを用いた工程紙 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008088565A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010180502A (ja) * | 2009-02-05 | 2010-08-19 | Daio Paper Corp | 工程剥離紙 |
JP2012092470A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd | プリプレグ用の工程剥離紙原紙 |
JP2012172279A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Dainippon Printing Co Ltd | 合成皮革製造用離型紙 |
JP2013135774A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
JP2014163007A (ja) * | 2013-02-23 | 2014-09-08 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 工程紙基材用キャスト塗被紙 |
JP2014194088A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Lintec Corp | 工程紙 |
JP2015132031A (ja) * | 2014-01-15 | 2015-07-23 | 日本製紙株式会社 | 低光沢離型紙用基材 |
JP2016223036A (ja) * | 2015-06-02 | 2016-12-28 | 日本製紙株式会社 | 剥離紙用原紙及び剥離紙 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006266967A patent/JP2008088565A/ja not_active Withdrawn
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