JP4245556B2 - キャスト塗工紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に低塗工量にもかかわらず、白紙光沢度、印刷光沢度が高く、操業性にもすぐれたキャスト塗工紙及びその製造方法に関する。
パール顔料を含有する塗工液を紙に塗工したパール顔料塗工紙は、パール光沢感の独特の美しい意匠性を呈することから、本の表紙、見返し等の出版用、パンフレット、ポスター等の広告宣伝用、箱貼り、ラベル、包装、便箋等の文具等々に、幅広く使われている。
一般にパール顔料は、その粒子が層状構造をなし、その面に外から入光してきた光が当たると多重層反射され、真珠のような美しい輝きを発するものである。また、パール調塗工紙の視覚効果を更に高めるために、光沢や照りを付与する目的で、パール調の塗工紙、あるいはパール調インキで塗工紙に印刷を行った後、透明な樹脂を印刷等により塗工した、所謂ニス引き加工やプレスコート加工、あるいは表面にポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムを張り合わせたフィルムラミネート加工等の後加工を施すことが広く行われている。但し、後加工を施すことは、工程数を増やすこととなり、作業性の低下、製造コストの上昇を招くばかりでなく、古紙再生をも困難とするため、リサイクルの観点からも好ましくない。
上記のような問題点を解消するために、例えば、パール顔料塗工層の上にさらに水溶性高分子物質による透明な表面処理層を一層設けることにより、パール顔料塗工層内の接着剤を50〜120重量部とし、その結果、パール光沢感の減少を防ぎ、かつ表面強度が向上したパール顔料塗工紙が得られることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、高価なパール顔料塗工層の上にさらに表面処理層を設けることによって、工程数増、作業性の低下、製品歩留まりの低下による製造コストの上昇のみならず、表面が樹脂で覆われるため、インキセット性の悪化やブロッキングなど、品質的な劣化も発生させる問題があった。
また、硫酸バリウム及び/又は炭酸カルシウムを主体とする白色顔料、パール顔料及び接着剤を主成分とする塗工組成物を原紙に塗工し、次いでこの湿潤塗工層を加熱された鏡面を有するドラム表面に圧接し乾燥することにより製造することを特徴とするパール調装飾紙が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法で製造した塗工紙は、オフセット印刷を施した際の印刷光沢度が低く、意匠性を重視する観点から好ましくない。
ところで、従来のキャスト塗工紙は印刷適性に優れ、さらに鏡面光沢をもつので、この特徴を利用してキャスト塗工紙にパール光沢感を付加することが考えられる。従来のキャスト塗工紙の一般的な塗料組成は、顔料100重量部に対して接着剤が10−20重量部添加されたものである。顔料としては、カオリン、炭酸カルシウム等が使用され、接着剤としてはスチレン・ブタジエンラテックス、カゼイン等が使用されている。優れた印刷適性は、これらの配合による塗工層構造に由来し、鏡面光沢は乾燥時に圧着された鏡面ドラムの転写によるものと考えられる。そこで、従来のキャスト塗工紙の、塗料組成中の顔料の一部をパール顔料に置き換えることを検討したが、パール光沢感に優れたキャスト塗工紙を得ることはできなかった。
特公平1−47597号公報 実開昭63−11598号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、特に低塗工量にもかかわらずキャスト塗工紙特有の高白紙光沢ならびにパール光沢を有し、高い印刷光沢を発現し、意匠性に優れたキャスト塗工紙及びその製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、原紙の少なくとも一方の面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設け、湿潤状態にある該塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げるキャスト塗工紙において、該塗工層中に、体積基準で粒度分布の80%以上の粒径が5μm以上のパール顔料を含有し、かつ平均粒径300 nm未満のプラスチックピグメントを含有することを特徴とするキャスト塗工紙及びその製造方法である。
本発明により、パール調塗工後の再塗工、ニス引き、プレスコート、ラミネート加工等の後処理を行うことなく、特に低塗工量にもかかわらず、白紙光沢度、印刷光沢度が高く、また印刷光沢度が白紙光沢度よりも高く、インキセット性に優れ、並びにパール光沢を両立した極めて意匠性に優れ、操業性にもすぐれたパール調キャスト塗工紙を得ることができた。
本発明に使用できるパール顔料は、天然パールエッセンスや、雲母粉末、塩基性炭酸塩、酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化物で被覆した雲母粉末等がある。基材シートへの固着強度やインキ受理性、所望のパール光沢感を得るためには、酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化物で被覆した雲母粉末を使用することが好ましい。パール顔料の粒径としては、体積基準で粒度分布の80%以上の粒径が5μm以上、好ましくは5〜100μm、特に好ましくは5〜40μmが有効である。パール顔料の製造方法は特に限定されるものではなく、従来から既知の製造方法で得られたものが使用できる。パール顔料の使用割合は、光沢発現性及び操業性の点から、顔料100重量部当たり20重量部以上が好ましく、より好ましくは20〜60重量部であり、更に好ましくは30〜55重量部である。パール顔料が20重量部未満になるとパール光沢感が劣る傾向にある。
また、本発明に使用する粒径300 nm未満のプラスチックピグメントは、白紙光沢、印刷光沢等を向上させる。プラスチック本発明に使用するプラスチックピグメントは、高分子化合物からなる微粒子であって、ポリスチレン系プラスチックピグメント、スチレン−ブタジエン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント等が挙げられ、これらを単独または2種類以上混合して使用できる。これらは一般に市販品として入手できるものである。本発明で特定のプラスチックピグメントを使用することにより、塗工層表面のみならず、塗工層内のパール顔料のもつパール光沢感を隠蔽することなく、視覚的に引き立たせる効果が得られる。加えて、キャスト塗工に適当な濃度にて塗料流動性が得られる。また、特定のプラスチックピグメントは印刷インキとの親和性が高いため、オフセット印刷適性、特にインキ受理性、印刷光沢およびインキセット性の向上することができる。本発明においては、プラスチックピグメントを顔料100重量部当たり20重量部以上含有することが好ましい。
また、プラスチックピグメントは、球状(密実)、中空球状等のものが使用できるが、光の散乱の少ない球状(密実)のものが最も効果的にパール光沢感が発現できる。プラスチックピグメントの平均粒径は30 nm以上300nm未満のものが好ましい。また、プラスチックピグメントを使用することにより、湿潤時および乾燥後の塗工層密度を低下させる効果がある。良好な操業性と品質を確保するために低塗工量にて湿潤時および乾燥後の塗工層厚さをできるだけ厚くするため、使用するプラスチックピグメントの密度は、1.5 g/cm3未満が好ましく、1.1g/cm3未満がさらに好ましい。
また本発明において使用する顔料としては、上記特定した顔料以外の重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化チタン、シリカ等の無機顔料も併用することができる。
本発明の塗工層に使用する接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋白や合成蛋白、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロール、ヒドロキシセルロース、スチレン/ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン等の中から選択される、単独もしくは2種類以上の接着剤を使用することができる。接着剤の配合量としては、顔料100重量部に対して5〜60重量部が好ましく、より好ましくは10〜45重量部である。 上記顔料および接着剤を主成分とする顔料塗工層中には、必要に応じて分散剤、保水剤、架橋剤、消泡剤、増粘剤、耐水化剤、着色剤、離型剤、流動調整剤、防腐剤、印刷適性向上剤等の塗
工用助剤も添加することができる。
上記のパール顔料塗工層を設けるための塗工液を調製するに際しては、通常の水性コーティング法で使用されるミキサー等が使用できるが、攪拌を激しく行うとパール顔料である金属酸化物で被覆した雲母粉末等を破壊する恐れがあるため、ゆるやかに攪拌、混合することが好ましい。
本発明のキャスト塗工紙原紙としては、例えば、パルプ繊維を離解してスラリーとし、必要に応じて填料やサイズ剤、他の添加剤を添加し、抄紙機で抄造し乾燥するか、または抄造後、澱粉や高分子物質の水溶液などをサイズプレスし、乾燥してマシンカレンダーをかけて得ることができる。使用するパルプとしてはL(広葉樹)材およびN(針葉樹)材の化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプなど、通常の抄紙において使用されるパルプの中から適宜選択して使用することが出来、内添填料としては、例えばタルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ等、通常使用される填料の中から適宜選択して使用することができる。
本発明で使用するキャスト用原紙としては、一般の印刷用塗工紙やキャストコート紙に用いられる坪量50〜400 g/m2の原紙であり、目的により上質紙、中質紙、再生紙等を選択して使用する。また、本発明におけるキャスト塗工紙の原紙は、上記原紙に、通常の印刷塗工紙に用いられる顔料と接着剤を含有する塗工層を1層以上設けた下塗り塗工紙を使用しても良い。下塗りの際の塗工方法としては、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、スプレーコータ、キスコータ、スクイズコータ、カーテンコータ、バーコータ、グラビアコータ、コンマコータ等の公知の塗工機を用いた塗工方法の中から適宜選択して使用することができ、必要に応じてドライヤーなどの乾燥を行うことができる。
上記のように調製されたキャスト塗工液を原紙に塗工するための方法としては、上記のように調製された塗工液は、エアナイフコータ、ロールコータ、バーコータ、ロッドコータ、ブレードコータ等で原紙に塗工される。良好な塗工面を得るためには、ロールコータまたはエアーナイフコータを用いて塗工するのが好ましい。塗工量については特に限定されるものではないが、原紙の片面あたり1〜30g/m2が好ましい。また、本発明においては、パール顔料を含んでいるため、塗工量が1 g/m2以上10 g/m2未満の低塗工量においても、意匠性の高いパール光沢感を得ることができ、更に塗工時の乾燥負荷が軽減されるため、塗工速度をあげることができ、操業性にも優れる。より好ましくは塗工量が3 g/m2以上10 g/m2未満である。
塗工後は湿潤状態のままで鏡面仕上げ(キャストドラム加工)する直接法、湿潤状態の塗工層を凝固して鏡面仕上げする凝固法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥して、再湿潤液で塗工層を再湿潤して鏡面仕上げするリウェット法が用いられるが、強い鏡面光沢と及び操業面で凝固法が優れている。本発明においては、加熱された鏡面ドラム(キャストドラム)に圧接して高光沢を得るキャスト仕上げにおいては、特に鏡面ドラムの温度が90℃以上である様なキャスト法に於いて、その作用効果が顕著に現れる。本発明における凝固液として、高い光沢度を付与すると共に表面の空隙量を所定の範囲に調整する観点から、凝固液に用いる凝固剤としては、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等とカリウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム等の各種金属との塩、即ち、硫酸カリウム、クエン酸カリウム、ホウ砂、ホウ酸等が使用されるが、本発明にお
いては蟻酸塩を使用することが特に好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論、これらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ、重量部、重量%を示す。なお、得られたキャスト塗工紙について、以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
<評価方法>
(1)粒度分布および平均粒径の測定:合成パール顔料についてはレーザー回折/散乱法
(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて、粒子の体積粒度分布を測定し、粒径が5μm以上の粒度分布の割合を測定した。また、300nm以下のプラスチックピグメントについては、動的光散乱法(大塚電子製、機器名:DL−700)を用いて数平均での値をを平均粒径とした。
(2)白紙光沢度:23℃、相対湿度50%の雰囲気で24時間放置して、JIS P 8142およびJIS Z 8741に基づいて75°、60°、および20°光沢度を測定した。
(3)印刷光沢度:RI印刷機を用いて、TKハイユニティMZ、紅(東洋インキ製造製)を0.3 mlロールに展開して印刷し、23℃、相対湿度50%の雰囲気で24時間放置してインキを乾燥させ、印刷物の表面をJIS P 8142およびJIS Z 8741に基づいて75°、60°、および20°光沢度を測定した。印刷光沢度から白紙光沢度を引いた値を△GLとした。
(4)平滑度:JAPAN TAPPI No.5「空気マイクロメーター型試験機による紙および板紙の平滑度・透気度試験方法」に基づいて測定した。
(5)パール光沢感評価:目視による官能評価により行った。
5:強いパール光沢感がある。
4:パール光沢感がある。
3:ややパール光沢感がある。
2:僅かにパール光沢感がある。
1:パール光沢感はない。
(6)インキセット性:RI印刷試験機を用いて、印刷インキ(枚葉プロセスインキ TK ハイユニティ 紅 MZ、東洋インキ製造製)を0.3 mlロールに展開して印刷し、10秒後に白紙と印刷面を重ねて、再度RI印刷試験機にてニップし、白紙に転写したインキの濃度を目視評価し、速度を判定した。なお、評価は以下の通りであり、評価1および2は、実用上注意を要する。
5:非常に速い。
4:速い。
3:中程度である。
2:遅い。
1:非常に遅い。
(7)印刷表面強度:RI印刷試験機を用いて、印刷インキ(特殊インキ SMX タッ クグレード墨 18XF、東洋インキ製造製)を0.6 mlロールに展開して印刷 し、印刷面のピッキングの程度を目視評価し、判定した。なお、評価は以下の通りで あり、評価1および2は、実用上問題がある。
5:非常に強い。
4:強い。
3:中程度である。
2:弱い。
1:非常に弱い。
[実施例1]
坪量245.3 g/m2 のコート紙に、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)34部、ミルクカゼイン5.5部、離型剤3.6部の塗工液を作製し、メイヤーバーを用いて塗工した直後、蟻酸カルシウムを含む凝固液に浸漬し、表面温度95 ℃の鏡面ドラムにニップ圧 40 kg/cmにて圧着・乾燥してキャスト塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部の代わりに、合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)40部、プラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)60部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部の代わりに、酸化チタンの被覆率が29%で、粒度分布の80%が10〜60μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン100」、メルク・ジャパン(株)製)50部を用いた以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)34部の代わりに、合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)40部、プラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)20部、平均粒径150nmの軽質炭酸カルシウム(「Brillant 15」、白石工業(株)製)40部に、またスチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)29部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部の代わりに、合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径150nmの軽質炭酸カルシウム(「Brilliant 15」、白石工業(株)製)50部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部の代わりに、プラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部、平均粒径150nmの軽質炭酸カルシウム(「Brilliant 15」、白石工業(株)製)50部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)34部の代わりに、合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)15部、微粒硫酸バリウム(BF20−P、堺化学(株)製)85部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN−335R、日本エイアンドエル(株)製)20部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)34部、ミルクカゼイン5.5部、離型剤3.6部の代わりに、合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)60部、平均粒径500nm、顔料密度0.5 g/cm3のプラスチックピグメント(MH5055、日本ゼオン(株)製)40部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)50部、ミルクカゼイン8.2部、離型剤5.3部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布の80%が5〜25 μmの範囲である合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)50部、平均粒径200nm、顔料密度1.0 g/cm3のプラスチックピグメント(L8999、旭化成ケミカルズ(株)製)50部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)34部の代わりに、合成パール顔料(「イリオジン120」、メルク・ジャパン(株)製)20部、平均粒径150nmの軽質炭酸カルシウム(「Brillant 15」、白石工業(株)製)80部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(SN-335R、日本エイアンドエル(株)製)20部に置き換えた以外は実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
表1に結果を示した。
Figure 0004245556

Claims (5)

  1. 原紙の少なくとも一方の面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設け、湿潤状態にある該塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げるキャスト塗工紙において、該塗工層は、体積基準で粒度分布の80%以上が5μm以上のパール顔料を含有し、かつ平均粒径300 nm未満のプラスチックピグメントを含有することを特徴とするキャスト塗工紙。
  2. 前記プラスチックピグメントを顔料100重量部当たり20重量部以上含有することを特徴とする請求項1に記載のキャスト塗工紙。
  3. 前記パール顔料が顔料100重量部当たり20重量部以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載のキャスト塗工紙。
  4. 前記塗工層中の平均粒径300 nm未満のプラスチックピグメントの密度が1.5 g/cm3未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャスト塗工紙。
  5. 原紙の少なくとも一方の面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設けてなるキャスト塗工紙の製造方法において、湿潤状態にある該塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げることからなり、ここで、該塗工層は、体積基準で粒度分布の80%以上が5μm以上のパール顔料を含有し、かつ平均粒径300 nm未満のプラスチックピグメントを含有することを特徴とするキャスト塗工紙の製造方法。
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