JP4490518B2 - 剥離紙用原紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は剥離紙用原紙に関し、特に原紙上にポリエチレンをラミネートすることなく、溶剤系シリコーン、水系エマルジョンシリコーンまたは無溶剤系シリコーンを直接塗工することが可能な剥離紙用原紙に関する。本発明により得られた剥離紙用原紙は、一般粘着用、テープ用、キャスティング工程紙用、成形工程紙用等の分野に有用であり、古紙として再生可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来、剥離紙は、トルエン等の有機溶剤で希釈されたシリコーン樹脂等の剥離剤を、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙、クリアコート紙等に塗工して製造されている。また、近年、環境問題を背景に、剥離剤として、水系エマルジョン型のものや無溶剤系シリコーンに対する需要が高まっている。
【0003】
剥離紙用原紙に対する要求特性としては、シリコーン樹脂が非常に高価であることから、少量のシリコーン塗工液を均一に塗工し得ることが挙げらる。この要求を満たすためには、シリコーン塗工液の原紙内部への浸透を極力抑えることが重要であり、従ってポリエチレンラミネート紙を基材として用いることが有効な手段であった。
【0004】
しかしながら、ポリエチレンラミネート紙は、紙表面に疎水性の強靱な連続皮膜が形成されているため、剥離紙としての使用が終了した後に古紙として回収し、製紙原料として用いることは困難である。また、ポリエチレンは表面エネルギーが小さいので、水系エマルジョンシリコーンを塗工した場合にはじき現象が発生し、均一な塗膜が得られないという欠点がある。これに対して、グラシン紙、クレーコート紙等を基材として用いた剥離紙の場合には、上記基材のバリア性がポリエチレンラミネート紙に比べて不足するので、充分な剥離性能を得ることができないという欠点があった。
【0005】
また、特公平1-35959号公報及び特開平4-23876号公報には、ポリエチレンをラミネートすることなく直接シリコーン溶液を塗工することが可能な基材として、無機顔料と有機バインダーを主成分とする塗料を塗工したクレーコートタイプの基材が開示されている。このような基材は、原紙表面の空隙を目止めする効果を有するので無溶剤シリコーンを塗布する場合にはある程度使用可能ではあるが、本発明が求めているような高度のバリア性を得ることは到底出来ず、溶剤系シリコーンと無溶剤系シリコーンの双方に使用するということは出来ない。
【0006】
特開平4-2900号公報、同4-327300号公報、及び同10-1895号公報には、各々デンプン、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン等の水系バインダーをクリアー塗工する方法が開示されている。しかしながらこれらの方法では、バリア性は十分となるものの紙基材の表層の空隙に沿ったクレーター状の凹部が生じ、該凹部に接着剤が食い込むため剥離性能が低下する上、この凹部に剥離剤(シリコーン樹脂)が浸透するためコストアップの一因ともなるという欠点があった。
【0007】
特開平6-264038号公報には、クレーコートのバインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体とデンプンを用いることにより、有機溶剤に対するバリア性が得られることが開示されている。しかしながらこの場合には、顔料とバインダーの比が100/10〜100/30と顔料の割合が高いためバリア性が十分でない上、一般塗工紙用のスチレンブタジエン共重合体を用いているため、本発明が目的としている高度な耐溶剤性も得られないという欠点があった。
【0008】
また、特開平7-97797号公報には、クレーコートのバインダーとしてアクリル系樹脂を用いることによって、粘着紙に加工した際の粘着力の経時変化を低減させた剥離紙を得ることのできることが開示されている。しかしながら、アクリル樹脂は一般にポリエチレンに比べて数倍コスト高であり、経済的に極めて不利である。また、顔料はブロッキング対策として添加されており、顔料の形状を特定することにより剥離性能が向上する点については触れられていない。
【0009】
特開平9-21096号公報には、アスペクト比が5以上の平板顔料を用いることにより高度な水蒸気バリア性が得られることが開示されているが、この場合には平均粒径が5〜50μmという極めて大きな雲母またはタルクを用いているため、本発明が目的としている高度な平滑性は望めない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如く、ポリエチレンラミネート紙並に溶剤系シリコーンに対する塗工適性を有する上、古紙として再生することが可能な剥離紙用原紙は未だ実用化されていない。また、水系エマルジョン及び無溶剤系シリコーンに対して塗工適性を有すると共に、溶剤系シリコーンに対する塗工適性をも有する剥離紙用原紙も、未だ実用化されていない。
【0011】
因みに、効果的に剥離性能を発現させるためには、剥離紙基材表面に均一なバリア層を形成することによりシリコーン樹脂塗工液の浸透を防ぐこと、即ち、剥離紙基材表面の約1〜500μmの空隙を目留めして平滑な表面を得ることにより、空隙への過剰なシリコーン液の塗布と接着剤の空隙への侵入による剥離力の低下を抑えることが必要である。また、我が国において剥離剤の主流である溶剤系シリコーンを直接塗工するには、トルエン、ヘキサン等の溶剤に対する高度な耐性が必要である。更に、使用後の剥離紙を製紙原料として再利用するためには、一般的な再生紙の製造工程によって解繊されなければならない。
【0012】
本発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、木材系パルプ繊維を主体とする基紙の表面に、基紙表面の繊維間の空隙を十分に目留めすることの出来る特定の合成ラテックスをバインダーとして用いた顔料塗工層からなるバリア層を設けることにより、古紙として再生可能な剥離紙用原紙を得ることができることを見いだし本発明を完成させた。
【0013】
従って本発明の目的は、ポリエチレンラミネートを必要とせず、溶剤系シリコーン溶液、水系エマルジョンシリコーン液または無溶剤系シリコーン液などの剥離剤を直接塗工することによって、優れた剥離性能を有する剥離紙とすることのできる、製紙原料として再生可能な剥離紙用原紙を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は、基紙の少なくとも片面に、顔料塗工層を有し、該顔料塗工層表面に剥離剤を直接塗工してなる剥離紙を製造するための剥離紙用原紙において、該剥離紙用原紙が木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料と合成ラテックスからなる顔料塗工層を有すると供に、前記顔料成分が以下に示す全ての条件を満たすことを特徴とする剥離紙用原紙によって達成された。
1.体積平均粒子径が0.5μm以上5.0μm未満である。
2.粒径15μm以上の粒子の含有率が3.0重量%以下である。
3.アスペクト比が5.0以上の平板顔料である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で使用される木材パルプ系繊維を主体とする基紙は、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ、リファイナーグラインドパルプ等の機械パルプ、及び、新聞、コート紙、上質紙等から得られる再生パルプ等を適宜配合して得ることが出来る。また、必要に応じてケナフ、麻、竹等の非木材系のパルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等のセルロース繊維以外の繊維材料を配合することも可能である。
【0016】
上記基紙の抄紙に際しては、サイズ剤、紙力増強剤、定着剤、歩留まり向上剤、染料等の内添薬品、タルク、カオリン、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の内添填料を添加したり、抄紙工程の途中で、デンプン、ポリビニルアルコール等の紙力向上剤、表面サイズ剤、及び染料等を、サイズプレス、ゲートロール等を用いて塗布する等、適宜表面処理を行うことも可能である。
【0017】
本発明において、顔料塗工層とは、少なくとも合成ラテックスと顔料によって構成される層であり、これを紙基材に塗布することにより剥離紙用原紙が得られる。本発明に使用される合成ラテックスは、スチレン・ブタジエン共重合体を主剤としたものであることが好ましい。この合成ラテックスは、スチレン単量体及びブタジエン単量体を主原料として共重合されるが、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル等の単量体を原料として適宜加えることも可能である。更に、本発明で使用される合成ラテックスには、得られた共重合体をカルボキシル基で変性した合成ラテックスも包含される。
【0018】
バリアー層の耐溶剤性は、合成ラテックスを製造する際に、スチレン及びブタジエンに加えてアクリル系単量体を0.5重量%以上5重量%未満添加して共重合させることにより効果的に向上する。アクリル系単量体の種類は特に制限されることはないが、アクリロニトリル、アクリル酸エステル等が特に好ましい。
【0019】
顔料塗工層には、必要に応じてデンプン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等のバインダーを、バインダー総量の20重量%程度となるまで配合することも可能である。また、必要に応じて、顔料塗工液中に分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、染料等を適宜添加することも可能である。
【0020】
本発明で使用する顔料は、体積平均粒子径を0.5μm以上5.0μm未満で、15μm以上の顔料の含有率が3%以下であると共にアスペクト比が5.0以上の平板顔料である。このような顔料を用いることにより本発明の剥離紙用原紙のバリアー性を顕著に高めることが可能となる。顔料の体積平均粒子径が0.5μm以下であると原紙表面の繊維間の空隙を埋める効果は得られるものの顔料間の接着に必要なバインダが不足するため、微細な空隙が多くなりシリコーン塗工液の浸透を防ぐことができない。
【0021】
体積平均粒子径が5.0μm以上であるか、あるいは体積平均粒子径が15μm以上の顔料の含有率が3%重量を超える場合には、シリコーン塗工液に対するバリア性は得られるものの、顔料の粒子径が顔料塗工層の厚さより大きくなるため、剥離紙用原紙表面の凹凸が大きくなり、シリコーンを均一に塗工することができなくなる。また、アスペクト比が5以上の平板顔料は、塗工の際に平面方向に配向するためバリア性及び平滑性に優れた表面が容易に得られる。本発明で用いられる顔料としては、カオリン、イライト、マイカ、タルク、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0022】
顔料と合成ラテックスの配合比は55/45以上75/25以下の範囲が好ましい。特に配合比が55/45未満であると、粘着性の合成ラテックスの比率が高すぎるために、使用後の剥離紙を古紙として再生する際のパルパーでの離解性が劣り、製紙原料として再利用することが出来ない。また、剥離紙用原紙表面がベタ付くため、巻き取ったり平判で保管する際にブロッキングを発生し易くなる。更に、配合比が75/25を超過した顔料比率の高い場合には、顔料と顔料の空隙に樹脂を充分に充填できないので微細な空隙が多数発生し、シリコーン塗工液の塗工層及び基材への浸透を抑えることが出来ない。
【0023】
顔料塗工層の塗工量は5g/m以上20g/m以下の範囲が最適である。5g/m2未満であると基材表面のパルプ繊維間の空隙を完全に目留めすることが出来ないため、シリコーン液の基材内部への浸透を抑えることが出来ない。また、塗工量が20g/m2を越えても塗工量の増加に伴う品質の向上が期待できず、不経済である。
【0024】
顔料塗工液の基材への塗布方法としては、ブレードコータを使用する方法が生産性が高くて好ましいが、エアナイフコータ、ロッドブレードコータ、バーブレードコータ、グラビアコータ等の各種塗工装置を適宜選択して使用することもできる。本発明の剥離紙用原紙に剥離剤を塗布するに際しては、溶剤系シリコーン、水系エマルジョン及び無溶剤系シリコーン樹脂の何れの剥離剤を用いることもでき、これらは、原紙の顔料塗工層表面に直接塗工することが出来る。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、例中の「%」は全て「重量%」を、「部」は全て「重量部」を示す。また、ここでいう顔料の粒子径、アスペクト比、溶剤バリア性、剥離性(▲1▼溶剤系シリコーン、▲2▼水系エマルジョンシリコーン、▲3▼無溶剤系シリコーン)、離解性は下記の方法により評価した。
【0026】
<顔料の粒子径>
顔料の粒子径はマイクロトラックレーザー回折法により、マスターサイザーS(マルバーンインスツルメンツ製)を用いて測定した。また、体積平均粒子径はASTMの標準法に従って演算した。
【0027】
<アスペクト比>
顔料の平面方向及び断面方向をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、粒径と厚さを測定して、式[アスペクト比=粒径/厚さ]により算出した。
【0028】
<溶剤バリアー性>
染色液として、0.1%のオイルレッドトルエン溶液を作製した。この染色液を試料の顔料塗工面に綿球等で均一に塗布し、2秒後にガーゼで拭き取った後、塗工層及び紙基材への染色液の浸透状態を観察した。
【0029】
<剥離性>
▲1▼加熱付加重合型シリコーン(信越化学工業(株)製:KS-837)100部に対して、触媒(信越化学工業(株)製:CAT-PL-50T)を1部添加した5%シリコーン樹脂トルエン溶液を作製し、剥離紙用原紙試料表面に、塗工量が1.0g/m2となるようにマイヤーバーにより塗工して剥離紙を作製した。別に、坪量が80g/m2の上質紙に粘着剤(東洋インキ(株)製:BPS-5127)を、厚さが125μmとなるように塗工して表面基材を作製した。両者を貼合した後、引き剥がし角度180゜、剥離速度1.0m/分で剥離力を測定した。
【0030】
▲2▼加熱付加重合型シリコーン(信越化学工業(株)製:KM-763)100部に対して触媒(信越化学工業(株)製:PM-3)2部を添加した15%シリコーン樹脂エマルジョン水溶液を作製し、剥離紙用原紙試料表面に塗工量が1.0g/m2となるようにマイヤーバーにより塗工して剥離紙を作製した。
この剥離紙と▲1▼で記述した表面基材を貼合して、▲1▼と同様の剥離力の測定を行った。
【0031】
▲3▼加熱付加反応型無溶剤シリコーン(信越化学工業(株)製:KNS-320)100部に対して触媒(信越化学工業(株)製:PL-56)2部を添加したシリコーン樹脂を作製し、剥離紙用原紙試料表面に塗工量が1.0g/m2となるようにグラビア印刷機で塗工して剥離紙を作製した。
この剥離紙と▲1▼で記述した表面基材を貼合して、▲1▼と同様の剥離力の測定を行った。
【0032】
<離解性>
剥離紙試料をTappi標準離解機を用いて、試料濃度1.5%、容量2.0l、時間10分間の条件で離解したときの程度を比較した。
次に実施例1〜2、比較例1〜3を用いて説明する。各剥離紙用原紙の構成及び品質評価結果は表1及び2にまとめて示した。
【0033】
実施例1.
体積平均粒径が1.25μm、粒径が15μm以上の粒子の含有率が0.5%でアスペクト比が20のカオリン65部に対し、合成ラテックス(スチレン・ブタジエンラテックス)35部、及び、分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して、固形分が60%の顔料塗工液を調製した。次に、この塗工液を、坪量が75g/m2で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製した。
この剥離紙原紙を前述の方法で評価した結果、後記する比較例1のポリエチレンラミネート紙並の溶剤バリア性が得られた。また、溶剤系、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーン何れの剥離剤を塗工した場合でも、良好な剥離適性を有する剥離紙が得られた。また、離解性も良好で製紙用原料として再生が可能であった。
【0034】
実施例2.
体積平均粒径が0.75μm、粒径が15μm以上の粒子の含有率が1.0%でアスペクト比が15のタルク65部に対して、合成ラテックス(スチレン・ブタジエンラテックス)35部、及び、分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して、固形分が60%の顔料塗工液を調製した。この塗工液を坪量が75g/m2、厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製した。
この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、比較例1のポリエチレンラミネート紙並の溶剤バリア性が得られた。溶剤系、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーン何れの剥離剤を塗工した場合でも良好な剥離適性を有する剥離紙が得られた。また、離解性も良好で製紙用原料として再生が可能であった。
【0035】
比較例1.
実施例1で用いた上質紙に、厚さ20μmの低密度ポリエチレンをラミネートし、ポリエチレンラミネート紙を作製して剥離紙用原紙とした。
この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、非常に良好な溶剤バリア性が得られ、溶剤系シリコーンの剥離剤を塗工した場合には良好な剥離適性が得られた。しかしながら、エマルジョン系シリコーンを塗工した場合には、剥離剤のはじき現象が発生して充分な剥離性能を有する剥離紙を得ることができなかった。また、離解性については、ポリエチレンラミネート層がフィルム状に残り、製紙用原料としての再生は困難であった。
【0036】
比較例2.
体積平均粒径が0.40μm、粒径が15μm以上の粒子の含有率が1.0%でアスペクト比が12のカオリン65部に対して、合成ラテックス(スチレン・ブタジエンラテックス)35部、及び、分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して固形分60%の顔料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/m2で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製した。
この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、実施例の場合に比べてシリコーン塗工液の浸透が多く、ポリエチレンラミネート紙並の溶剤バリア性は得られなかった。溶剤系、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーンの何れの剥離剤を塗工した場合にも、良好な剥離適性を有する剥離紙は得られなかった。
【0037】
比較例3.
体積平均粒径が33μm、粒径が15μm以上の粒子の含有率が80%でアスペクト比が30のマイカ(山口雲母工業(株)製:A31)65部に対して、合成ラテックス(スチレン・ブタジエンラテックス)35部、及び、分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して固形分が6%の顔料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/m2で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製した。
この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、実施例に比べてシリコーン塗工液の浸透が多く、ポリエチレンラミネート紙並の溶剤バリア性は得られなかった。また、溶剤系、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーンの何れの剥離剤を塗工した場合にも、良好な剥離適性を有する剥離紙は得られなかった。
【0038】
比較例4.
体積平均粒径が2.5μm、粒径が15μm以上の粒子の含有率が1.0%でアスペクト比1.2の軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製:タマパールTP121)65部に対して、合成ラテックス(スチレンブタジエンラテックス)35部、及び、分散剤、消泡剤、潤滑剤を適宜配合して固形分60%の顔料塗工液を調製した。この塗工液を、坪量が75g/m2で厚さが100μmの上質紙にテストブレードコータを用いて塗工し、塗工量が15g/m2の剥離紙用原紙を作製した。
この剥離紙用原紙を前述の方法で評価した結果、実施例に比べてシリコーン塗工液の浸透が多く、ポリエチレンラミネート紙並の溶剤バリア性は得られなかった。溶剤系、エマルジョン系及び無溶剤系シリコーン何れの剥離剤を塗工した場合にも、良好な剥離適性を有する剥離紙は得られなかった。
【0039】
【表1】
Figure 0004490518
【0040】
【表2】
Figure 0004490518
表1及び2から明らかなように、本発明に係る各実施例の剥離紙用原紙は、それぞれ満足すべき性能を有していたのに対し、各比較例の剥離紙用原紙は何らかの性質において不満足な結果であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の剥離紙用原紙は、ポリエチレンラミネート紙並の溶剤バリア性を有し、溶剤系シリコーンを塗工した場合でも良好な剥離性能が得られる上、ポリエチレンラミネート紙に比べて水系エマルジョンシリコーンとの親和性が良好なため、この剥離剤を塗工した際にも良好な剥離性が得られる。また、アスペクト比の高い顔料を用いたので高い平滑性が得られ、無溶剤系シリコーンを塗工した際にも良好な剥離性が得られた。また、ポリエチレンラミネート紙では得られない離解性を有し、製紙用原料として再利用可能である。従って、本発明の工業的意義は大きい。

Claims (1)

  1. 基紙の少なくとも片面に、顔料塗工層を有し、該顔料塗工層表面に剥離剤を直接塗工してなる剥離紙を製造するための剥離紙用原紙において、該剥離紙用原紙が木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料と合成ラテックスからなる顔料塗工層を有すると供に、前記顔料成分が以下に示す全ての条件を満たすことを特徴とする剥離紙用原紙。
    1.体積平均粒子径が0.5μm以上5.0μm未満である。
    2.粒径15μm以上の粒子の含有率が3.0重量%以下である。
    3.アスペクト比が5.0以上の平板顔料である。
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