JPH09137399A - 剥離紙の製造方法 - Google Patents

剥離紙の製造方法

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JPH09137399A
JPH09137399A JP7289540A JP28954095A JPH09137399A JP H09137399 A JPH09137399 A JP H09137399A JP 7289540 A JP7289540 A JP 7289540A JP 28954095 A JP28954095 A JP 28954095A JP H09137399 A JPH09137399 A JP H09137399A
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polyvinyl alcohol
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JP7289540A
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English (en)
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Tomonari Deguchi
朋斉 出口
Kazuya Nishikawa
一哉 西川
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原紙上にポリエチレンをラミネートすることな
く、無溶剤型剥離剤を直接塗布することができ、さらに
古紙パルプとして再利用が可能な剥離紙の製造方法を提
供する。 【解決手段】木材パルプを主原料とする原紙上に、接着
剤を主成分とする塗被層を設け、該塗被層上に無溶剤型
剥離剤層を設ける剥離紙の製造方法において、該塗被層
が下記条件(a)〜(d)を全て満足することを特徴と
する剥離紙の製造方法である。 (a)塗被層が、接着剤として重合度1500以上のポ
リビニルアルコール系樹脂を主成分とすること。 (b)塗被層を、抄紙機内に設置されたバーコーターに
よって形成すること。 (c)塗被層の塗被量が乾燥重量で0.5〜5g/m2
であること。 (d)塗被層表面のJAPAN TAPPI紙パルプ試
験法No.5記載の王研式平滑度が500秒以上である
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着ラベル、粘着
シール、粘着テープ等に使用する剥離紙の製造方法に関
し、詳しくは無溶剤型の剥離剤を使用した剥離紙の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、特に原紙上
にポリエチレンをラミネートすることなく、無溶剤型剥
離剤を直接塗布することができ、さらに古紙パルプとし
て再利用が可能な剥離紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着ラベル、粘着シール、粘着テ
ープ等に使用される剥離紙の基材としては、ポリエチレ
ンラミネートタイプ、グラシン紙タイプ、クレーコート
タイプ等が知られている。
【0003】これらの基材の中で、木材パルプを主原料
とする上質紙、片艶紙及びクラフト紙等の表面にシリコ
ーン樹脂等の剥離剤溶液の浸透を極力抑制して剥離剤の
性能を最大限に発揮させる目的で、ポリエチレン樹脂フ
ィルム層を形成させたもの、所謂ポリエチレンラミネー
トタイプが一般的に用いられている。しかし、ポリエチ
レンラミネートタイプの基材は、このポリエチレン樹脂
が強固な連続皮膜を形成し、且つそれが水に対して不溶
であるため、この基材を再度回収し、製紙工程で再生利
用することが不可能であり、これが今日産業廃棄物処理
上の大きな問題となっている。
【0004】これに対し、極度に叩解されたパルプを原
料とするグラシン紙等を原料として用い、これに直接シ
リコーン樹脂等の剥離剤溶液を塗布する方法、所謂グラ
シン紙タイプが試みられている。しかし、このような原
紙は、原料のパルプを極度に叩解して用い、さらにカレ
ンダー処理等により繊維間結合を強固にしているため、
再生利用の際、水中で容易に分散しないという欠点を有
している。さらに、たとえ機械力の強化や化学的処理の
導入により水中で分散できたとしても、叩解処理の強化
により繊維が著しく損傷しているため、一般の紙の原料
として再利用することは困難である。
【0005】また、特公平1−35959号公報や特開
平4−23876号公報には、直接剥離剤溶液を塗布し
て得られる剥離紙のための基材として、原紙表面に無機
顔料及び有機接着剤を主成分とする塗料を塗被して下塗
り層を形成するクレーコートタイプの基材が開示されて
いる。このような基材においては、原紙中の微小な空隙
を下塗り層が被覆し、これを目止めする効果は認められ
ている。しかし、下塗り層の顔料相互の間には、さらに
微細な連続孔が無数に形成されており、この微細な連続
孔をとおして剥離剤溶液が原紙中に浸透するという問題
がある。このためポリエチレンラミネートタイプに比べ
高価な剥離剤を多量に塗布する必要がある。
【0006】一方、剥離剤としては、シリコーン樹脂、
フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等
があり、エマルジョンや溶剤型または無溶剤型として使
用されている。その大半はシリコーン樹脂が使用されて
いる。現状では、これら剥離剤を溶剤で希釈したもの、
いわゆる、溶剤型剥離剤を剥離紙用基材に塗布するのが
一般的である。その理由としては、剥離剤を塗布する
際、溶剤で希釈することにより流動性を適宜調節し、基
材表面に剥離剤皮膜の均一な層を形成させ、剥離剤の性
能を最大限に発揮させることが容易にできるという特徴
を利用するために使用されてきた。しかし、近年、安全
面や公害面に対する配慮が強く求められており、作業者
の健康保持の面からも剥離剤の無溶剤化が強く望まれて
いる。
【0007】ところで、実際に、溶剤型剥離剤を剥離紙
用基材に塗布する場合には、剥離剤が溶剤で希釈されて
いるので塗布する液量が多いが、一方、無溶剤型剥離剤
を剥離紙用基材に塗布する場合には、溶剤を全く使用し
ていないので塗布する液量は少ない。そのために無溶剤
型剥離剤を用いる場合には、溶剤型剥離剤に比べてより
薄い均一な剥離剤皮膜を剥離紙用基材上に形成させなけ
ればならず、剥離紙用基材として、例えば溶剤型剥離剤
では問題の生じなかった従来のクレーコート紙に塗布す
る際、剥離剤皮膜の均一な層を形成させるのが困難であ
った。このような状態ではクレーコート紙の表面上の剥
離剤層に凹凸や微小な空隙ができ、次に剥離剤層上に粘
着剤層を形成させる工程で粘着剤がその凹部や空隙に入
り込むため、次の工程で表面基材を貼り合わせて粘着シ
ートを形成した後、粘着剤層を伴った表面基材を剥がす
ときにかかる力(以下、剥離力と記す)が極度に重くな
り、表面基材が破れる等の障害を起こし作業性や品質面
において極めて重大な問題となる。
【0008】上記の理由から、安全面及び公害面で優れ
ている無溶剤型剥離剤の浸透を抑制し、基材表面に均一
な薄膜を形成できる剥離紙用基材の開発が強く望まれて
おり、さらに森林資源保護のために再生利用可能な剥離
紙が強く望まれているが、現状ではこれらの要件を充分
満たし得る剥離紙は提供されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、無溶剤
型剥離剤の浸透を抑制するために、ポリエチレンをラミ
ネートした従来の剥離紙用基材のポリエチレンの機能を
細部に亘り解析した結果、木材パルプを主原料として製
造され、孔径0.1〜1.0μmの微細な空隙を有し、
多孔性で吸水性に富む原紙に、(1)無溶剤型剥離剤の
浸透を抑制すること、(2)原紙中に散在する孔径1〜
200μmの空隙を目止めすること、を同時に達成する
ことができる塗被層を形成することがポリエチレンラミ
ネート紙に匹敵する性能を得る効果的な手段であるとの
見解に達した。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、この手段を
確立すべくさらに鋭意研究を重ねた結果、無溶剤型剥離
剤の浸透防止機能と、空隙の目止め機能とを同時に達成
しうる接着剤として、重合度1500以上のポリビニル
アルコール系樹脂を主成分として含有する塗被層を形成
すること、また、塗被層は抄紙機の乾燥工程の中段に設
置されたバーコーターにより形成され、空隙の目止め機
能及び塗料の価格等を考慮すると、該塗被層の絶乾燥重
量が0.5〜5g/m2 であること、さらに、剥離紙用
基材表面のJAPAN TAPPI紙パルプ試験法N
o.5記載の王研式平滑度が500秒以上であること
が、上記性能を同時に満たす卓越した効果を発揮する方
法であることを見出した。
【0011】本発明は、木材パルプを主原料とする原紙
上に、接着剤を主成分とする塗被層を設け、該塗被層上
に無溶剤型剥離剤層を設ける剥離紙の製造方法におい
て、該塗被層が下記条件(a)〜(d)を全て満足する
ことを特徴とする剥離紙の製造方法である。 (a)塗被層が、接着剤として重合度1500以上のポ
リビニルアルコール系樹脂を主成分とすること。 (b)塗被層を、抄紙機内に設置されたバーコーターに
よって形成すること。 (c)塗被層の塗被量が乾燥重量で0.5〜5g/m2
であること。 (d)塗被層表面のJAPAN TAPPI紙パルプ試
験法No.5記載の王研式平滑度が500秒以上である
こと。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、塗被層の主成分として
重合度が1500以上のポリビニルアルコール系樹脂を
使用するものである。ポリビニルアルコール系樹脂は、
卓越したピンホールの目止め効果を発揮する材料であ
り、任意のケン化度を有するポリビニルアルコールのほ
か、不飽和カルボン酸またはその部分または完全エステ
ルまたはアセト酢酸エステル化などの「後変性」ポリビ
ニルアルコールを用いることもできるが、これらの重合
度は1500以上であることが必要である。
【0013】もし、ポリビニルアルコール系樹脂の重合
度が1500に満たない場合、塗被層が十分成膜せず、
連続性に乏しい被膜となるため、無溶剤型剥離剤の浸透
を抑制することができず、さらに原紙中に散在する孔径
1〜200μmの空隙を目止めすることは到底できな
い。なお、重合度1500以上のポリビニルアルコール
系樹脂としては、例えば、クラレ社の「PVA117」
(重合度1700)、日本合成化学工業社の「GH2
0」(重合度1800)等が市販されている。
【0014】本発明は、このポリビニルアルコール系樹
脂を主成分とする塗被層を、抄紙機内部に設置されたバ
ーコーターで塗被することにより設けるものである。バ
ーコーターとは、その計量機構が円筒上の金属棒の周囲
にワーヤーを巻き、このワイヤーの太さにより、目的と
する塗被量を得るものであり、一般にロッドバー、メイ
ヤーバーおよびワイヤーバー等と呼称される塗工方式で
ある。塗被工程において、基材表面に塗被された塗被液
は、計量機構により基材の毛管をとおり、基材内部に浸
透する。
【0015】例えば、ブレードコーターにおいては、計
量機構であるブレードの先端圧力により加圧浸透がおこ
り、またロールコーターでは、塗被液が塗被された基材
がロール間を通過する際、ニップ圧により加圧浸透が生
じてしまい、いずれも基材内部への浸透が過大となる。
このような塗被液の基材内部への浸透が過大であると、
原紙表面をポリビニルアルコール系樹脂の塗被層が十分
被覆することが不可能であり、このため無溶剤型剥離剤
の浸透を抑制することができず、さらに原紙中に散在す
る孔径1〜200μmの空隙を目止めすることは到底で
きない。
【0016】これに対し、バーコーターは、ワイヤー間
の隙間の大きさにより塗被液の塗被量を管理するもので
あるため、上記の加圧浸透が極めて少なく、塗被液の基
材内部への浸透を抑制でき、原紙表面をポリビニルアル
コール系樹脂の塗被層が十分被覆することが可能で、こ
のため無溶剤型剥離剤の浸透を抑制することができ、さ
らに原紙中に散在する孔径1〜200μmの空隙を効果
的に目止めすることができる。
【0017】本発明のポリビニルアルコール系樹脂含有
の塗被層の絶乾燥重量が0.5〜5g/m2 であること
が必要である。塗被層の絶乾燥重量が0.5g/m2
満たない場合、原紙表面をポリビニルアルコール系樹脂
の塗被層が十分被覆することが不可能であり、このため
無溶剤型剥離剤の浸透を抑制することができず、さらに
原紙中に散在する孔径1〜200μmの空隙を目止めす
ることは到底できない。また、ポリビニルアルコール系
樹脂の塗被層の絶乾燥重量が5g/m2 を超えると、高
価なポリビニルアルコール系樹脂の量が多くなり、原価
面で不利となるのみでなく、過剰のポリビニルアルコー
ル系樹脂が、抄紙機の乾燥機のドライヤー表面や、表面
を平滑にするためのスーパーカレンダーのロール表面に
付着し、工程汚れの原因となる、更には塗被層の一部が
脱離するため、所望の目止め効果を得ることはできな
い。
【0018】さらに、本発明において、平滑度は旭精工
社製王研式平滑度試験器で測定した値が500秒以上を
有することが必要である。この値が500秒未満の場合
には、無溶剤型剥離剤を塗布する際、均一な薄膜ができ
ず、剥離剤層に凹凸や空隙ができて剥離性が著しく低下
し、剥離紙として実用的に不可能となる。従って、スー
パーキャレンダー等のキャレンダー処理を行い、平滑度
を500秒以上に調節することにより、剥離剤の均一な
薄膜を形成して剥離紙用基材を完全に被覆し、剥離性を
最大限に発揮することができるのである。
【0019】本発明に係る剥離紙用基材に用いられる原
紙については特に制約はなく、広葉樹晒クラフトパル
プ、針葉樹晒クラフトパルプ、または他の化学パルプや
機械パルプを主原料として用い、長網多筒型抄紙機、長
網ヤンキー型抄紙機、あるいは丸網抄紙機で抄紙された
上質紙、中質紙、片艶紙及び、クラフト紙等を包含する
ものである。また原紙中に有機及び無機の顔料、並びに
化学薬品が含まれていてもよい。
【0020】本発明において、剥離紙用基材の塗被層に
は、顔料や他の接着剤を混合して用いることができる。
例えば、顔料としては特に制約はなく、適宜選択して使
用されるものである。例えば、カオリン、クレー、水酸
化アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、チサンホワイト、タルク、プラス
チックピグメント、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム等の無機顔料及び有機顔料を挙げることができ
る。もちろん二種類以上の顔料を併用することもでき
る。
【0021】また、接着剤としては、デンプン変性物、
ポリアクリルアミド系樹脂、スチレンブタジエン共重合
体ラテックスエマルジョンス、スチレンアクリル共重合
体ラテックスエマルジョンおよびアクリル酸エステル樹
脂系等が挙げることができる。しかし、本発明のポリビ
ニルアルコール系樹脂による十分な目止め効果を発揮さ
せるためには、これらの配合率は塗被液の全固形分中1
0重量%以下にとどめるのが好ましい。さらに、必要に
応じて分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤、防
腐剤等の少量添加剤を配合することは何等問題とならな
い。
【0022】本発明で使用する無溶剤型剥離剤として
は、熱硬化型、紫外線硬化型、及び電子線硬化型等の剥
離剤が挙げられる。剥離剤層を形成する塗布装置として
は、例えばロールコーター、グラビアコーター等の剥離
剤塗布用の各種コーター或いは印刷機等が適宜使用され
る。また、剥離剤の塗布量は古紙再生パルプとして再利
用することを考慮すると、乾燥重量で片面当たり0.2
〜2.0g/m2 程度の範囲となるように調節するのが
望ましい。
【0023】本発明により得られた剥離紙は、パルプ繊
維の離解性に優れ、且つポリエチレンラミネートする工
程が省略できるため製造原価が極めて安価であり、さら
にトルエン等の溶剤を全く使用しない無溶剤型剥離剤を
用いるため安全面や公害面において優れているという利
点を有する。また、本発明の剥離紙は剥離剤が原紙内部
に浸透していないため、回収後容易に再生工程に提供す
ることができる。この再生工程において水中に投入され
たとき、剥離紙の基材の塗被層は剥離剤とともに原紙か
ら脱離するため、容易にパルプのみを回収し、再利用す
ることができる。また、この再生パルプは溌水性を有す
る剥離剤を含まないため、印刷用紙などの抄紙工程に混
入し、ハジキなどの障害の原因となることはない。
【0024】なお、粘着シートを構成する表面基材とし
ては、例えばフィルム類(セロハン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル等)、紙類(上質紙、アート紙、コー
ト紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレ
ンラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、低サイズ紙、水溶紙
等)、金属フォイル類、合成紙類、不織布類等の支持体
や、更にこれらに感熱記録層、熱転写記録用受像層、イ
ンクジェット記録用インク受容層、各種印刷層、着色
層、隠蔽層等の層を設けたものなどが適宜使用できる。
【0025】粘着シートの形成方法は、通常、剥離シー
トの剥離剤表面上に公知の粘着剤を塗被、乾燥して粘着
剤層を設け、次いで表面基材とを貼り合わせて仕上げら
れるが、直接表面基材に粘着剤を塗被して粘着剤層を設
けても構わない。
【0026】粘着剤を塗被する塗被装置としては、例え
ばロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダ
イコーター、コンマコーター、リップコーター、グラビ
アコーター等が適宜使用される。粘着剤の塗被量は、乾
燥重量で5〜50g/m2 程度の範囲で調節される。因
みに、5g/m2 未満では、得られる粘着シートの接着
性能が不十分となり、50g/m2 を越えると粘着シー
トの貼り合わせの際に粘着剤がはみ出したり、剥離の際
に凝集破壊の原因となる恐れがある。
【0027】
【実施例】本発明を下記実施例によってさらに具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲はこれらによって限定さ
れるものではない。各実施例中「部」及び「%」は特に
断らない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示
すものである。
【0028】実施例1 〔剥離紙用基材の製造〕先ず下記組成の紙料を調製し
た。 成 分 重 量 針葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:200ml) 20部 広葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:200ml) 80部 50%タルク分散液 10部 30%強化ロジンサイズ剤(商標:SPE,荒川化学工業社製)0.3部 30%硫酸アルミニウム 2部
【0029】次に、この紙料を長網多筒型抄紙機によ
り、米坪量80g/m2 の原紙を抄造した。なお、上記
の長網多筒型抄紙機の乾燥機中間部に設置されたバーコ
ーターで、ポリビニルアルコール系樹脂(商標:GH2
0,日本合成化学工業社製,重合度1800)の6%塗
被液を、上記原紙のワイヤー面上に乾燥重量が0.6g
/m2 になるように塗被し、乾燥した。さらにスーパー
カレンダーで処理し、王研式平滑度520秒の剥離紙用
基材を作製した。
【0030】〔剥離紙の製造〕下記組成の無溶剤型剥離
剤液を調製した。 成 分 重 量 付加反応型無溶剤シリコーン(商標:KNS−320,信越化学工業社製) 100部 白金触媒(商標:PL−56,信越化学工業社製) 2部 この剥離剤液を前記の剥離紙用基材の塗被層上に塗布量
が1.0g/m2 となるようにグラビアコーターで塗布
し、熱風で硬化して剥離紙を得た。
【0031】実施例2 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液の塗被
量を4.5g/m2 とした以外は実施例1と同様にして
剥離紙を得た。
【0032】実施例3 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を6%
ポリビニルアルコール系樹脂(商標:GH20,重合度
1800)に代えて、6%ポリビニルアルコール系樹脂
(商標:PVA117,クラレ社製,重合度1700)
を用いた以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
【0033】実施例4 〔剥離紙の製造〕下記組成の無溶剤型剥離剤液を調製し
た。 成 分 重 量 紫外線硬化型無溶剤シリコーン(商標:BY24−551A,東レ・ダウ・ コーニング・シリコーン社製) 100部 白金触媒(商標:BY24−551B,東レ・ダウ・コーニング・シリコー ン社製) 30部 この剥離剤液を実施例1で得られた剥離紙用基材の塗被
層上に塗布量が0.9g/m2 となるように多段式ロー
ルコーターで塗布し、紫外線で硬化して剥離紙を得た。
【0034】実施例5 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を6%
ポリビニルアルコール系樹脂(商標:GH20,重合度
1800)に代えて、6%ポリビニルアルコール系樹脂
(商標:PVA117,クラレ社製、重合度1700)
100部と50%カオリン(商標:HTクレー,エンゲ
ルハード社製)8部の混合物を用いた以外は実施例1と
同様にして剥離紙を得た。
【0035】実施例6 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を6%
ポリビニルアルコール系樹脂(商標:GH20,重合度
1800)に代えて、6%ポリビニルアルコール系樹脂
(商標:PVA117,クラレ社製,重合度1700)
100部と20%酸化変性デンプン(商標:王子エース
A,王子コーンスターチ社製)8部の混合物を用いた以
外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
【0036】比較例1 実施例1と同一の原紙上に、溶融した低密度ポリエチレ
ン(住友化学工業社製)を、実験用溶融押出機によりラ
ミネートし剥離紙用基材を作製した。このラミネート紙
の断面を走査電子顕微鏡で観察したところ、ポリエチレ
ンフィルム層の厚さは約18μmであった。この剥離紙
用基材の王研式平滑度は1300秒、王研式透気度は6
000秒であった。次いで実施例1の剥離紙の製造と同
様にして剥離紙を製造した。
【0037】比較例2 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を6%
ポリビニルアルコール系樹脂(商標:GH20,重合度
1800)に代えて、6%ポリビニルアルコール系樹脂
(商標:GM14,日本合成化学工業社製,重合度14
00)を用いた以外は実施例1と同様にして剥離紙を得
た。
【0038】比較例3 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を6%
ポリビニルアルコール系樹脂(商標:GH20,重合度
1800)に代えて、6%ポリビニルアルコール系樹脂
(商標:KH11,日本合成化学工業社製,重合度11
00)を用いた以外は実施例1と同様にして剥離紙を得
た。
【0039】比較例4 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液の塗被
量を0.4g/m2 とした以外は実施例1と同様にして
剥離紙を得た。
【0040】比較例5 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液の塗被
量を5.5g/m2 とした以外は実施例1と同様にして
剥離紙を得た。
【0041】比較例6 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を抄紙
機内部のブレードコーターで塗被した以外は実施例1と
同様にして剥離紙を得た。
【0042】比較例7 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を抄紙
機内部のサイズプレスでワイヤー面に片面当たり0.6
g/m2 となるように両面に塗被した以外は実施例1と
同様にして剥離紙を得た。
【0043】比較例8 実施例1の剥離紙用基材の製造において、塗被液を抄紙
機内部のゲートロールコーター塗被した以外は実施例1
と同様にして剥離紙を得た。
【0044】比較例9 実施例4と同様にして剥離紙を作製した。但し、実施例
4の剥離紙用基材の製造において塗被層を形成後、スー
パーカレンダーで王研式平滑度は400秒となるように
処理した。
【0045】上記剥離紙から所定の共紙片を作製し、剥
離剤層の被覆性、離解性、剥離力を下記方法により測定
評価し、その結果を表1に示す。
【0046】(1)剥離剤層の被覆性 市販の油性ペンを用い10cm2 の剥離紙の剥離剤層上に
均一に塗り、反対面に認められる班点状のピンホールを
観察して、その被覆効果を判定した。 ○:0〜5個 △:6〜10個 ×:11個以上
【0047】(2)離解性 上記共紙片を、JIS P 8209に規定される標準
離解機による離解処理に共し、試料成分の分散状態を観
察してその離解性を評価した。 ○:離解可能 ×:離解不可
【0048】(3)剥離力 上記剥離紙上にアクリルエマルジョン粘着剤(商標:ニ
カゾールL−144,日本カーバイト社製)を乾燥重量
が25g/m2 になるようにリバースロールコーターで
塗布し、130℃の熱風乾燥機で乾燥し、坪量64g/
2 の上質紙を貼り合わせて粘着紙を得た。
【0049】この粘着紙を抄紙機の流れ方向を長辺とす
る10cm×5cmのサンプルを作製し、INTESC
O Model 2001で剥離速度0.3m/min
の試験条件で、流れ方向に180度の引張り角度で剥離
させたときの剥離力を測定した。
【0050】〔評価基準〕 ○:極めて良好 △:やや不良 ×:極めて不良
【0051】
【表1】
【0052】各実施例と比較例1を比較すると、本発明
で得られた剥離紙は、何れもポリエチレンをラミネート
した基材を用いた場合(比較例1)と同等の剥離力を有
し、且つ離解性にも優れた剥離紙が得られることがわか
る。重合度が1500以上のポリビニルアルコールを用
いた各実施例と、比較例2(重合度1400)、比較例
3(重合度1100)を比べると、比較例は被覆性が劣
り、剥離力が低下することがわかる。使用する接着剤
は、重合度が1500以上のポリビニルアルコールであ
る必要がある(a)。
【0053】実施例1、実施例2と比較例4、比較例6
を比較すると、塗被量が0.5g/m2 に満たない(比
較例4)と、十分な皮膜が得られず、剥離が重たくな
る。一方、塗被量が5g/m2 を越えると、コスト的に
メリットが得られず、5.5g/m2 という過剰に塗被
した比較例5は、乾燥工程のドライヤーに塗液が付着し
てしまい、被覆性が逆に劣る結果となる。ポリビニルア
ルコールの塗被量は0.5〜5g/m2 である必要があ
る(c)。塗被装置については、同じ塗液を使い、装置
を変更したものを比較する、即ちバーコーター(実施例
1)と、ブレードコーター(比較例6),サイズプレス
(比較例7),ゲートロールコーター(比較例8)を比
較すると、バーコーターである必要がある(b)。実施
例4と比較例9を比較すると、王研式平滑度が500秒
以上ある必要があることがわかる(d)。このように、
各条件を満足するようにして製造した剥離紙は、剥離紙
の機能を損なうことなく、離解性に優れた剥離紙であ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明の剥離紙の製造方法は、剥離紙用
基材が既存の抄紙機及び塗工機により容易に製造できる
ものであり、かつ安全面、公害面で優れている無溶剤型
剥離剤を直接塗布することが可能であり、さらに古紙再
生パルプとして充分再利用できる実用性に極めて優れた
剥離紙を提供できるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木材パルプを主原料とする原紙上に、接着
    剤を主成分とする塗被層を設け、該塗被層上に無溶剤型
    剥離剤層を設ける剥離紙の製造方法において、該塗被層
    が下記条件(a)〜(d)を全て満足することを特徴と
    する剥離紙の製造方法。 (a)塗被層が、接着剤として重合度1500以上のポ
    リビニルアルコール系樹脂を主成分とすること。 (b)塗被層を、抄紙機内に設置されたバーコーターに
    よって形成すること。 (c)塗被層の塗被量が乾燥重量で0.5〜5g/m2
    であること。 (d)塗被層表面のJAPAN TAPPI紙パルプ試
    験法No.5記載の王研式平滑度が500秒以上である
    こと。
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