JP2891046B2 - 剥離紙用基材 - Google Patents

剥離紙用基材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剥離紙用基材に関する
ものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は主と
して商品や商品容器の表面に貼合される粘着ラベル、粘
着シールおよび包装容器の梱包等に用いられる粘着テー
プの剥離紙の基材に関するものであり、特に原紙上にポ
リエチレンをラミネートする必要がなく、直接シリコー
ンなどの剥離剤を含む有機溶剤溶液を塗工することので
きる剥離紙用基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、剥離紙の基材、即ちラベル、シー
ル上葉紙との剥離性、あるいは円筒状に巻かれたテープ
の剥離性を良好にするため、剥離剤または離型剤、例え
ばシリコーン樹脂をトルエン等の有機溶剤に溶解した溶
液が塗布して形成される剥離紙の基材としては、ポリエ
チレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙およ
びスーパーカレンダー紙などが知られている。
【0003】これらの基材の中で、木材パルプを主原料
とする上質紙、片艶紙およびクラフト紙等の表面に、上
記のシリコーン塗工液の浸透を極力抑制して剥離性を最
大限に発揮させる目的で、押出し加工方式により厚さ1
0〜25ミクロン程度のポリエチレンフィルム層を形成
させたものが一般的に用いられている。しかし、上記の
ポリエチレンをラミネートする方法で製造された剥離紙
用基材は、このポリエチレンが強固な連続皮膜を形成
し、かつそれが水に不溶のため、この基材を再度回収
し、製紙工程で再生利用することが不可能であり、これ
が今日産業廃棄物処理上の大きな問題となっている。
【0004】これに対し、極度に叩解されたパルプを原
料とするグラシン紙等を原紙として用い、これにポリエ
チレンをラミネートすることなく、直接シリコーン材料
の有機溶剤溶液を塗工する方法が試みられている。しか
し、このような原紙は、原料となるパルプを極度に叩解
して用い、さらにカレンダー処理等により繊維間結合を
強固にしているため、再生利用の際、水中で容易に分散
しないという欠点を有している。さらに、たとえ機械力
の強化および化学的処理の導入等により水中で分散でき
たとしても、叩解処理の強化により繊維が著しく損傷し
ているため、一般の紙の原料として再利用することは困
難である。
【0005】一方、特公平1−35959号や特開平4
−23876号には、ポリエチレンをラミネートするこ
となく、直接シリコーン溶液を塗工して得られる剥離紙
のための基材として、原紙表面に無機顔料および有機接
着剤を主成分とする塗料を塗工して下塗り層を形成した
クレーコートタイプ基材が開示されている。このような
基材においては、原紙中の微小な空隙(以下ピンホール
と記す)を下塗り層が被覆し、これを目止めする効果が
認められている。しかし下塗り層の顔料相互の間には、
さらに微細な連続孔が無数に形成されており、この微細
な連続孔をとおしてシリコーン材料の有機溶剤溶液が原
紙中に浸透するという問題がある。このためポリエチレ
ンでラミネートする方法に比べ高価なシリコーンを多量
に塗工する必要がある。
【0006】また、機械的に加圧して緻密化したスーパ
ーカレンダークラフトタイプの基材においても、なお微
小な繊維間空隙を完全に封鎖することはできず、さらに
シリコーンの有機溶剤溶液が接触すると同時に基材の膨
潤が生ずるため、ポリエチレンラミネート紙に匹敵する
ような優れた溶剤バリヤー性を付与することは到底でき
ない。
【0007】さらに、特開平4−2900号には、デン
プンを目止め剤として下塗りする方法が開示されている
が、このデンプン溶液自体がピンホール中に埋没してし
まうので、孔径1〜200ミクロン以上のピンホールを
目止めする役割を果たすことはできず、このためデンプ
ンの下塗り層のみでシリコーン有機溶剤溶液の浸透を遮
断(以下溶剤バリヤー性と記す)することは到底不可能
である。
【0008】上記の理由から、ポリエチレンラミネート
紙に匹敵するすぐれた溶剤バリヤー性を有し、シリコー
ン材料の有機溶剤溶液を直接塗工することができる剥離
紙用基材が強く求められているが、未だこれらの要件を
十分満たし得る基材は提供されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエチレ
ンラミネートを必要とせず、シリコーン材料の有機溶剤
溶液を直接塗工することができ、かつ優れた剥離性を有
する剥離紙を製造し得る剥離紙用基材を提供しようとす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る剥離紙用基
材は、木材パルプを主原料とする原紙からなる基体と、
この基体の1面上に形成され、かつ顔料およびバインダ
ー樹脂を主成分として含むバリヤー層とを有し、前記バ
リヤー層中のバインダー樹脂が、アセチル化されたモチ
種のコーンスターチを含むことを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】本発明者らは、原紙上にポリエチレンをラミネ
ートすることなくこれに匹敵する優れた溶剤バリヤー性
を有し、かつ水中で容易に離解して再利用が可能な剥離
紙用基材を得るため、原紙基体上に形成するバリヤー層
の材料および塗工法を鋭意研究した結果、遂にこれらの
用件を満たし得る剥離紙基材を得るに至った。
【0012】即ち、ポリエチレンをラミネートした従来
の基材において、このポリエチレンの機能を細部に亘り
解析した結果、本発明者らは、木材パルプを主原料とし
て製造され、孔径0.1〜1.0ミクロンの微細な空隙
を有し、多孔性で吸液性に富む原紙に、(1)シリコー
ンの有機溶剤溶液の浸透を全面的に抑制すること、およ
び(2)原紙中に散在する孔径1〜200ミクロンのピ
ンホールを目止めすること、を同時に達成することがで
きるバリヤー層を形成することが、ポリエチレンラミネ
ート基材に匹敵する溶剤バリヤー性を有する基材を得る
効果的な手段であるとの見解に達した。
【0013】本発明者らは上記手段を確立すべくさらに
鋭意研究を重ねた結果、シリコーン有機溶剤溶液浸透防
止機能と、ピンホール目止め機能を同時に達成し得る材
料として、顔料とバインダー樹脂とを主成分として含
み、かつバインダー樹脂としてアセチル化されたモチ種
のコーンスターチを含むことが、上記要件を満たすため
に卓越した効果を発揮することを見い出し、本発明を完
成させた。
【0014】本発明者らは、前記のアセチル化されたモ
チ種のコーンスターチの有する強固な結合力により、顔
料粒子が相互に接着されて著しい造膜性を発現し、この
皮膜が、卓越した溶剤バリヤー性を発揮することを見い
出した。ここで相互に結着して皮膜を形成した顔料は原
紙中に散在する孔径1〜200ミクロンのピンホールを
目止めするのにきわめて有効であり、孔径0.1〜1.
0ミクロンの微細な空隙を有し、多孔性で吸液性に富む
原紙に対し、アセチル化されたモチ種のコーンスターチ
は、シリコーンの有機溶剤溶液の浸透を全面的に抑制す
る作用をする。
【0015】本発明に用いられる原紙とは、広葉樹晒ク
ラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、または他の化
学パルプや機械パルプを主原料として用い、長網多筒型
抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機、あるいは丸網抄紙機で
抄紙された上質紙、中質紙、片艶紙およびクラフト紙等
を包含するものである。原紙中に有機および無機の顔
料、並びに化学薬品が含まれていてもよい。
【0016】本発明のアセチル化されたモチ種のコーン
スターチとは、モチ種のとうもろこしから得られるコー
ンスターチに、アセチル基を導入した変性デンプンであ
り、例えば、王子ナショナル社より市販されている「N
ational78−0338」(商標)等がこれに相
当する。
【0017】一般に広く水溶性バインダー樹脂として用
いられるウルチ種のとうもろこしから得たデンプン、お
よびその変性物は、顔料を含有する塗料に配合した場
合、濃度の上昇とともに塗料の粘度が急激に高くなり、
例えば、塗料中の固形分濃度が20%以上になると、し
ばしば凝集したりままこ状になり、原紙への塗工が困難
となる。また、上記ウルチ種のデンプンおよびその変性
物を配合した塗料は、仮に凝集したりままこ状にならな
い場合でも、一般に塗工時に物理的剪断力を受けると粘
度を上昇する現象、いわゆるダイラタント流動を示すた
め、得られる塗被層が不均一となり、その溶剤バリヤー
性を局部的に著しく劣化させる結果となる。
【0018】本発明のモチ種のとうもろこしから得たデ
ンプンおよびその変性物は、上記のウルチ種のとうもろ
こしから得たデンプンおよびその変性物を配合した場合
のような、粘度の不安定化現象がなく、20%以上の高
濃度塗料を安定な状態で塗工することができる。また、
アセチル基を導入したモチ種コーンスターチは、塗工後
の乾燥工程で強固な結合力により卓越した造膜性を発揮
して顔料粒子を結着皮膜化し、他のデンプン、カゼイ
ン、カルボキシメチルセルロース等の天然高分子化合物
やスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル
酸エステルおよび/またはメタアクリル酸エステルの共
重合体のエマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド共重合体等の合成樹脂バインダーでは得る
ことのできない優れた溶剤バリヤー性を発現する。
【0019】本発明において、アセチル化されたモチ種
のコーンスターチに対し、上記特性を損わない範囲内
で、他の水溶性高分子物質または疎水性高分子物質の水
性エマルジョンやラテックス、例えば他のデンプン、カ
ゼイン、カルボキシメチルセルロース等の天然高分子化
合物やスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アク
リル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸エステル
の共重合体のエマルジョン、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド共重合体等の合成樹脂バインダーを任
意に選定し併用することができる。
【0020】なお、顔料とアセチル化されたモチ種のコ
ーンスターチとの配合率に厳格な制限はない。しかし1
987年のTappi Journalの「Layer stru
cture in model coating」と題するAnna Maija Leskine
ne氏の論文に記されるとおり、球形の顔料が最密充填し
た場合の空隙率は約26%であるから、この理論から考
えて、アセチル化したモチ種のコーンスターチを単独で
配合する場合には球状顔料100重量部に対して25重
量部以上使用することが好ましい。一方、板状の顔料を
用いる場合には、一般に空隙は減少するのでこれより低
い配合率でよい。アセチル化されたモチ種のコーンスタ
ーチの配合率が極度に高い場合には、顔料による原紙の
ピンホール防止効果が低下するため、その配合率は、顔
料100重量部に対して70重量部以下の範囲内にある
ことが好適である。
【0021】また、アセチル化されたモチ種のコーンス
ターチと上記の天然高分子化合物や合成樹脂バインダー
とを併用する場合、これらの全量が、顔料100重量部
に対して25重量部以上含まれればよいが、本発明の目
的を達成するための十分な効果を得るには、アセチル化
されたモチ種のコーンスターチが、顔料100重量部に
対して5重量部以上含まれることが好ましい。
【0022】本発明に用いられる顔料としては、特に制
約はなく、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化
チタン、水酸化アルミニウム等の無機顔料から適宜選定
して使用できる。さらに、分散剤、耐水化剤、潤滑剤、
消泡剤、着色剤および防腐剤等を任意に配合することが
できる。
【0023】原紙基体に対するバリヤー層塗工設備とし
ては、サイズプレス、ゲートロールコーター、バーコー
ター、ロールコーター、エアナイフコーターおよびブレ
ードコーター等から任意に選定することができる。ま
た、目止め効果および塗料の価格を考慮すると、原紙上
に形成されるバリヤー層の塗布量は、絶乾重量で0.5
〜15g/m2 であることが好ましい。
【0024】なお、本発明において、バリヤー層形成の
ために、顔料とアセチル化されたモチ種のコーンスター
チとを含む水性塗料を、原紙基体表面上に2回以上の塗
工操作を施してもよい。また、上記水性塗料を塗工した
のち必要に応じてスーパーカレンダーなどの仕上げ設備
でこれに平滑化処理を施してもよく、このようにすると
得られるバリヤー層の面質が良好となり、シリコーン塗
工層を均一に形成することが容易になる。この場合、目
的に応じて平滑度を20〜5000秒(JAPAN T
APPI紙パルプ試験法No.5に記載される(ベック
式)王研式平滑度)の範囲にコントロールすることが好
ましい。
【0025】なお、シリコーン材料は上述のとおり通常
トルエンやヘキサン等の有機溶剤に溶解され、この溶液
が塗工される。しかしこの塗工液として、シリコーン材
料とモノマーとを混合し、紫外線や電子線で硬化させる
無溶剤方式のものを用いても、本発明のバリヤー層は、
シリコーン材料−モノマー混合物に対して優れたバリヤ
ー性を発揮することができる。
【0026】本発明により製造された剥離紙用基材は、
ポリエチレンラミネート紙からなる基材に匹敵する溶剤
バリヤー性を有し、その再生利用の際にはパルプ繊維の
離解性に優れ、かつポリエチレンをラミネートする工程
が不要となるため製造原価が極めて安価であるという利
点を有する。また、本発明の基材を用いた剥離紙は、ポ
リエチレンのラミネート層がなく、かつシリコーン剥離
剤が内部に浸透していないため、回収後容易に再生工程
に供することができる。この再生工程において水中に投
入されたとき、バリヤー層は原紙から容易に脱離するた
め、容易にパルプのみを回収し再利用することができ
る。また、この再生パルプは撥水性を有するシリコーン
材料を含まないため、シリコーン材料が印刷用紙などの
抄紙工程に混入してハジキなどの障害の原因となること
はない。
【0027】
【実施例】本発明を下記実施例によって更に具体的に説
明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定さ
れるものではない。各実施例中、「部」は特に断らない
限り「重量部」を示すものである。
【0028】実施例1 下記工程により剥離紙用基材を製造した。 (1)原紙の抄造 先ず下記組成の紙料を調製した。 成 分 重 量 針葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:470ml) 20部 広葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:470ml) 80部 50%タルク分散液 10部 30%強化ロジンサイズ剤 (商標:SPE、荒川化学工業(株)製) 0.3部 30%硫酸アルミニウム 2部 次にこの紙料から、長網多筒型抄紙機により、米坪量6
5g/m2 の原紙を抄造した。このようにして得た原紙
の密度は0.85g/cm3 であり、その王研式平滑度は
45秒であった。
【0029】(2)バリヤー層の形成 下記組成のバリヤー層用塗工液を調製した。 成 分 重 量 50%カオリン(商標:HTクレー、エンゲルハード製) 100部 40%アクリル系分散液(商標:ポイズ520、花王製) 2.5部 20%アセチル化モチ種コーンスターチ (商標:National78−0338、 王子ナショナル製) 50部 この25%塗工液を、上記原紙の1面上に乾燥重量が1
0.0g/m2 になるように塗工し、乾燥した。さらに
スーパーカレンダーにより(ベック式)王研式平滑度8
00秒に仕上げて剥離紙用基材を作製した。
【0030】上記剥離紙基材から所定の供紙片を作製
し、そのトルエン浸透防止効果、ピンホール防止効果、
シリコーン浸透防止効果およびシリコーン塗工後の離解
性を下記方法により測定評価した。
【0031】(1)トルエン防止効果およびピンホール
防止効果:供紙片上に油溶染料「Oleosol Re
d B」(商標、住友化学工業製)で着色したトルエン
を塗布し、2秒後ガーゼで拭き取りその面のトルエンの
浸透状態および斑点状に認められるピンホールを観察し
てその目止め効果を判定した。
【0032】(2)シリコーン浸透防止効果 下記組成を有するシリコーン溶液を調製した。 成 分 重 量 付加反応型シリコーン(商標:SD7220、東レ製) 4.5部 白金触媒(商標:SRX212、東レ製) 0.5部 トルエン 95部 上記溶液を供紙片上にメイヤーバーにより、絶乾塗布量
が3.0g/m2 となるように塗工し、得られた表面を
観察してシリコーン材料に対する浸透防止効果を評価し
た。
【0033】(3)シリコーン塗工後の離解性 前記(2)に記載のシリコーン溶液を塗工して得られた
剥離紙用基材を、JISP8209に規定される標準離
解機による離解処理に供し、試料成分の分散状態を観察
してその離解性を評価した。各テスト結果を表1に示
す。
【0034】実施例2 実施例1と同様にして剥離紙用基材を作製し、その評価
テストを行った。但し、実施例1の原紙の代わりに下記
の方法で抄造した原紙を使用した。先ず下記組成の紙料
を調製した。 成 分 重 量 針葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:470ml) 50部 広葉樹晒クラフトパルプ(叩解度:470ml) 50部 50%タルク分散液 10部 30%強化ロジンサイズ剤 (商標:SPE、荒川化学工業(株)製) 0.3部 30%硫酸アルミニウム 2部 次にこの紙料から、長網ヤンキー型抄紙機により、米坪
量80g/m2 の片艶紙を抄造した。このようにして得
た片艶紙の艶面上に実施例1と同様に方法でバリヤー層
を形成した。テスト結果を表1に示す。
【0035】実施例3 実施例1と同様にして剥離紙用基材を作製し、その評価
テストを行った。但し実施例1のバリヤー層用塗工液と
して下記の組成の塗料を用いた。テスト結果を表1に示
す。 成 分 重 量 50%カオリン(商標:HTクレー、エンゲルハード製) 100部 40%アクリル系分散液(商標:ポイズ520、花王製) 2.5部 20%アセチル化モチ種コーンスターチ (商標:National78−0338、 王子ナショナル製) 15部 10%ポリビニルアルコール (商標:PVA203、クラレ製) 50部
【0036】比較例1 実施例1と同一の原紙上に、溶融した低密度ポリエチレ
ン(住友化学工業製)を、実験用溶融押出機によりラミ
ネートし剥離紙用基材を作製した。このラミネート紙の
断面を走査電子顕微鏡で観察したところ、ポリエチレン
フィルム層の厚さは約18ミクロンであった。テスト結
果を表1に示す。
【0037】比較例2 実施例1と同一の原紙をそのまゝ剥離紙用基材として使
用した。テスト結果を表1に示す。
【0038】比較例3 実施例1と同一の原紙上に、バリヤー剤として5%ポリ
ビニルアルコール(商標:PVA105、クラレ製)を
メイヤーバーにより、乾燥塗布量が10g/m 2 になる
ように手塗り塗工し、これにスーパーカレンダーにより
王研式平滑度が220秒になるように仕上げて、剥離紙
用基材を作製した。テスト結果を表1に示す。
【0039】比較例4 実施例1と同様にして剥離紙用基材を作製し、その評価
テストを行った。但し、実施例1のバリヤー層用塗工液
の代わりに、下記組成の塗料を使用した。 成 分 重 量 50%カオリン(商標:HTクレー、エンゲルハード製) 100部 40%アクリル系分散液(商標:ポイズ520、花王製) 2.5部 50%SBRラテックス(商標:JSR0610、 日本合成ゴム工業製) 10部 20%酸化変性デンプン (商標:王子エースA、王子コーンスターチ製) 10部 テスト結果を表1に示す。
【0040】比較例5 実施例1と同様にして剥離紙用基材を作製し、その評価
テストを行った。但し、実施例1のバリヤー層用塗工液
の代わりに、下記組成の塗料を使用した。 成 分 重 量 50%炭酸カルシウム (商標:ソフトン2200、白石カルシウム製) 100部 40%アクリル系分散液(商標:ポイズ520、花王製) 2.5部 50%SBRラテックス(商標:JSR0610、 日本合成ゴム工業製) 10部 20%酸化変性デンプン (商標:王子エースA、王子コーンスターチ製) 10部 テスト結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明かなように、本発明に係る各実
施例1〜3の剥離紙用基材は、それぞれその特性評価テ
ストにおいて満足すべき結果を得たが、各比較例1〜5
の剥離紙用基材は、何らかの性質において不満足なもの
であった。
【0043】
【発明の効果】本発明の剥離紙用基材は、ポリエチレン
を貼合した剥離紙用基材に匹敵する、優れた溶剤バリヤ
ー性を有するものであり、かつ既存の抄紙機および塗工
機により容易に製造できるものであって、しかも再生使
用が可能であり、実用性において極めて優れたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプを主原料とする原紙からなる
    基体と、この基体の1面上に形成され、かつ顔料および
    バインダー樹脂を主成分として含むバリヤー層とを有
    し、前記バリヤー層中のバインダー樹脂が、アセチル化
    されたモチ種のコーンスターチを含むことを特徴とする
    剥離紙用基材。
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