JP3580963B2 - 化粧シート用原紙 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、グラビア印刷機によりベタ印刷と柄印刷を施し、合板、パーチクルボード、中質繊維板等の基材に貼着して化粧版となし、建材用あるいは家具用等の表面材に利用するための化粧シート用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、含浸紙タイプの化粧シートは、印刷後に含浸するアフター含浸方式と、含浸紙に印刷するプレ含浸方式の二つの方法が公知である。しかしながら、原紙の抄造と含浸は製紙業者が行うことが多く、流通の簡素化も図れることから、プレ含浸方式での生産が増加している。
かかるプレ含浸方式では、含浸紙の印刷適性が不十分となりやすいため、含浸後にスーパーキャレンダーあるいは熱キャレンダーにより平滑化処理が行われているが、更なる印刷適性の向上のため、塗工手段が検討されてきた。
【0003】
例えば、特公昭62−28238号公報には、含浸後に顔料コートしてスーパーキャレンダー処理する方法が提案されている。しかしながらこの方法では、塗工前の表面の凹凸を埋めるのに十分な量を塗工する必要があり、通常5g/m2 以上、好ましくは8g/m2 以上塗工しないと、スーパーキャレンダーによる平滑化効果が不十分となる。
また、特開昭63−190092号公報には、含浸後に樹脂液のみをクリアーコートした後に平滑化処理する方法が提案されている。しかしながらこの方法においても、塗工量は5g/m2 以上が好ましいことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、印刷適性を改善するためには、多量の塗工剤を塗工した後、スーパーキャレンダー等による平滑化処理が必要であった。そのため、塗工剤によるコストアップや乾燥水分量が多くなることによる乾燥設備費用も高価となるという欠点に加えて、キャレンダー処理によるキャレンダーロールの汚れ対策も必要となるという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決するため鋭意研究の結果、平滑度200秒以上の含浸紙に、ガラス転移温度(以下、Tgと略記する。)が−10℃以下のエマルジョン系樹脂を含有した塗工剤を塗工すると、塗工剤が少量でも印刷適性が良好であることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明は、樹脂を10重量%以上含浸した平滑度200秒以上の含浸紙に、Tgが−10℃以下のエマルジョン系樹脂と顔料との比率が100:0〜15:85からなる塗工剤を、塗工量1〜5g/m2、平滑度300秒以上となるように、ブレードコート法あるいはリバースグラビアコート法で塗工した化粧シート用原紙を提供するものである。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる含浸紙は、樹脂を10重量%以上含浸した、平滑度200秒以上のものである。
含浸紙は、パルプを主体として顔料及び湿潤紙力剤を内添して抄造した原紙にエマルジョン系樹脂を含浸することにより得られる。含浸方法は抄造乾燥後にインラインでサイズプレス等により含浸する方法、一旦抄造乾燥巻き取り後にオフラインでディップ含浸する方法のいずれでもよい。含浸剤としては、アクリル酸エステル系、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系、MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)系のエマルジョン樹脂が挙げられ、単独あるいは混合して用いることができる。中では、耐光性の点からアクリル酸エステル樹脂エマルジョンが好ましい。
樹脂含浸率は10重量%以上が必要である。10%以下であると、塗工樹脂が浸み込み易くなり、少量の塗工量では十分な平滑性が得られないのみならず、紙間強度が弱くなり化粧シートとしての品質が不十分となる。
また、塗工前の原紙の平滑性が低いと少量の塗工では塗工後の平面性が不十分となるため、平滑度を200秒以上にする必要がある。平滑化はキャレンダー等により実施される。
【0007】
本発明で用いられる塗工剤用のエマルジョン系樹脂は、Tgが−10℃以下であることが必要である。かかる樹脂として、アクリル酸エステル系、SBR系、MBR系のエマルジョン樹脂を挙げることができ、これらは単独あるいは混合して用いることができる。なお、耐光性の点からアクリル酸エステル系エマルジョンが好ましい。
エマルジョン系樹脂のTgが−10℃より高いと、印刷適性の改善効果が低下する。
【0008】
本発明で用いられる顔料としては、通常、顔料塗工に用いられる顔料が用いられ、例えばクレー、カオリン、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
また、着色が必要であれば、酸化鉄のような着色顔料あるいは有機顔料等を用いることもできる。
【0009】
本発明の塗工剤のエマルジョン系樹脂と顔料との比率は、100:0〜15:85である。顔料がこの比率より多くなると、化粧シート用原紙として表面強度が不十となり好ましくない。
【0010】
塗工剤の塗工量(乾燥米坪量)は1〜5g/m2 、好ましくは1〜3g/m2 である。
塗工量が1g/m2 未満では、塗工後の平面性が不十分となり印刷適性が充分に改善されないので好ましくない。また5g/m2 を越えると、印刷適性は充分なもののコスト及び設備費用の面で好ましくない。
【0011】
本発明において、塗工剤塗工法法は平面性を付与しやすい方法を用いことが好ましく、ブレードコート法、リバースグラビアコート法により、平滑度を300秒以上にすることができる。
【0012】
以下実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
実施例1
着色顔料、湿潤紙力剤を内添した坪量50g/m2 の原紙にアクリル酸エステル系樹脂エマルジョン(日本ゼオン製、ニポールLX814)を20重量%含浸後、スーパーキャレンダーにて平滑化処理して平滑度200秒の含浸紙を得た。この含浸紙に、Tgが−16℃のアクリル酸エステル系樹脂エマルジョン液(日本合成ゴム製、AE831)を塗工量1g/m2 になるようにブレードコートして、平滑度300秒の化粧シート用原紙を得た。
これにグラビア印刷機によりベタ印刷(大日精化製、THB41黄/TH04白=5/1)及び階調印刷(大日精化製、THB13赤)を施し、ハイライト部のミスドットの個数を数えたところ23個/cm2 であり、グラビア印刷での印刷適性は良好であった。
【0013】
比較例1
実施例1において、塗工樹脂としてTgが−16℃のエマルジョンにかえてTgが21℃のアクリル酸エステル樹脂エマルジョン(日本ゼオン製、ニポールLX842)を使用した以外は実施例1と同様に処理することにより平滑度300秒の化粧シート用原紙を得た。
これを、実施例1と同様にしてグラビア印刷したところ、ミスドットは44個/cm2 であり、印刷適性は不十分であった。
【0014】
実施例2
二酸化チタン、湿潤紙力剤を内添した坪量60g/m2 の原紙にアクリル酸エステル樹脂エマルジョンを15重量%含浸後、スーパーキャレンダーにて平滑化処理して平滑度500秒の含浸紙を得た。この含浸紙に、Tgが−27℃のアクリル酸エステル樹脂エマルジョン液/カオリン=1:1の塗工液をリバースグラビアコーターにより塗工量4g/m2 になるように塗工して、平滑度600秒の化粧シート用原紙を得た。
これを、実施例1と同様にしてグラビア印刷したところ、ミスドットは12個/cm2 であり、印刷適性は著しく良好であった。
【0015】
比較例2
実施例2において、塗工液を塗工することなくグラビア印刷を行ったところ、ミスドットは58個/cm2 であり、印刷適性は不十分であった。
【0016】
比較例3
実施例2において、スーパーキャレンダーによる平滑化処理での平滑度を150秒とした以外は実施例2と同様に処理し、平滑度200秒の化粧シート用原紙を得た。
これに実施例1と同様にグラビア印刷を行ったところ、ミスドットは47個/cm2 であり、印刷適性は不十分であった。
【0017】
実施例3
着色顔料、二酸化チタン及び湿潤紙力剤を内添した坪量70g/m2 の原紙にアクリル酸エステル樹脂エマルジョンを30重量%含浸後、スーパーキャレンダーにて平滑化処理して平滑度800秒の含浸紙を得た。この含浸紙に、リバースグラビアコーターによりアクリル酸エステル樹脂エマルジョン液(Tg:−27℃)/MBR(Tg:−25℃)=6/4の塗工液を塗工量2g/m2 になるように塗工して、平滑度1200秒の化粧シート用原紙を得た。
これを、実施例1と同様にしてグラビア印刷したところ、ミスドットは9個/cm2 であり、印刷適性は著しく良好であった。
【0018】
実施例4
着色顔料、クレー及び湿潤紙力剤を内添した坪量50g/m2 の原紙にアクリル酸エステル樹脂エマルジョン/尿素樹脂=9/1の含浸剤を25重量%含浸後、熱キャレンダーにて平滑化処理して平滑度400秒の含浸紙を得た。この含浸紙に、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン液(Tg:−12℃)/炭酸カルシウム=8/2の塗工液をリバースグラビアコーターにより塗工量2g/m2 になるように塗工して、平滑度500秒の化粧シート用原紙を得た。
これを、実施例1と同様にしてグラビア印刷したところ、ミスドットは15個/cm2 であり、印刷適性は著しく良好であった。
【0019】
比較例4
実施例4において、含浸率を8重量%とした以外は実施例4と同様に処理し、平滑度250秒の化粧シート用原紙を得た。
これに実施例1と同様にグラビア印刷を行ったところ、ミスドットは40個/cm2 であり、印刷適性は不十分であった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、塗工量が少量であるにもかかわらず印刷適性、特にミスドットの少ない化粧シート用原紙が提供される。
Claims (2)
- 樹脂を10重量%以上含浸した平滑度200秒以上の含浸紙に、ガラス転移温度が−10℃以下のエマルジョン系樹脂と顔料との比率が100:0〜15:85からなる塗工剤を、塗工量1〜5g/m2、平滑度300秒以上となるように、ブレードコート法あるいはリバースグラビアコート法で塗工した化粧シート用原紙。
- 塗工量が1〜3g/m2である請求項1記載の化粧シート用原紙。
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JP27399096A JP3580963B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 化粧シート用原紙 |
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JPH10102396A JPH10102396A (ja) | 1998-04-21 |
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- 1996-09-26 JP JP27399096A patent/JP3580963B2/ja not_active Expired - Fee Related
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