JP2008297653A - 剥離紙、紙粘着テープ及び剥離紙の製造方法 - Google Patents

剥離紙、紙粘着テープ及び剥離紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離性が良好で、かつ水で離解可能な、環境性に優れた剥離紙を提供し、また、その剥離紙の効率的な製造方法を提供し、さらにその剥離紙を使用して得られる、剥離力の安定性に優れ、かつ水で離解可能な、環境性に優れた紙粘着テープを提供する。
【解決手段】 原紙1、目止め層2、中間層3、剥離層4の順に積層してなる剥離紙において、中間層3の塗布量が固形分質量%で目止め層の塗布量の20〜100質量%であり、剥離紙が水で離解可能であり、かつ剥離紙の透気度が5000秒以上であることを特徴とする剥離紙。
【選択図】図1

Description

本発明は、剥離紙、紙粘着テープ及び剥離紙の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、主として包装容器の梱包に用いられる紙粘着テープ等に使用することができる剥離紙及びその製造方法、並びにその剥離紙を用いた紙粘着テープに関するものである。
従来、包装容器の梱包には、クラフト粘着テープなどの紙粘着テープが用いられている。これらの紙粘着テープは、円筒状に巻かれた状態で市販され、必要な長さを引き出して包装容器の梱包に用いられている。
円筒状に巻かれた紙粘着テープから紙粘着テープを引き出す際には、円筒状巻きの紙粘着テープの粘着剤層が密着している紙基材の表面から容易に剥離することが求められており、そのため、円筒状巻きの紙粘着テープの粘着剤層が密着している紙基材の表面には、剥離性を持たせることが行われている。
紙粘着テープの紙基材表面に剥離性を持たせるために、紙基材の表面に、剥離剤を有機溶剤に溶解した溶液や無溶剤型剥離剤を塗布して剥離層を形成することが行われている。そして、この紙粘着テープに用いられる紙基材としては、クラフト伸張紙の表面に、塗工液の浸透を極力抑制し、剥離性を最大限に発揮させる目的で、押出し加工方式により厚さ10〜25μm程度のポリエチレンフィルム層を形成させた剥離紙用原紙が一般的である。
しかし、上記のポリエチレンフィルムをラミネートする方法で製造された剥離紙用原紙は、ポリエチレンが強固な連続皮膜を形成し、かつそれが水に不溶であるため、剥離紙用原紙を回収し、製紙工程で再利用することが不可能であり、環境保護の観点からは好ましくない。
また、他の剥離紙用原紙としては、クラフト伸張紙の表面に、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)溶液、デンプン溶液等を目止め剤として塗布し、目止め層を形成し、その表面に剥離剤を塗布した剥離紙用原紙が使用されている(特許文献1参照)。
しかし、この剥離紙用原紙では、目止め層塗布時に発生するピンホールや紙への過度の染み込み部分から剥離剤のシリコーンが染み込むことがあり、粘着剤層形成後に、剥離紙用原紙の剥離層形成面から粘着剤層を剥離する際に剥離不良を引き起こすことがある。
特開2000−170097号公報
本発明は、剥離性が良好で、かつ水で離解可能な、環境性に優れた剥離紙を提供し、また、その剥離紙の効率的な製造方法を提供し、さらにその剥離紙を使用して得られる、剥離力の安定性に優れ、かつ水で離解可能な、環境性に優れた紙粘着テープを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、原紙の片面に、目止め層、中間層を順次形成する際に、中間層の塗布量を固形分質量%で目止め層の塗布量の20〜100質量%にし、さらに形成した中間層の表面に、剥離層を積層し、剥離紙の透気度を5000秒以上にすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、原紙、目止め層、中間層、剥離層の順に積層してなる剥離紙において、中間層の塗布量が固形分質量%で目止め層の塗布量の20〜100質量%であり、剥離紙が水で離解可能であり、かつ剥離紙の透気度が5000秒以上であることを特徴とする剥離紙を提供するものである。
また、本発明は、上記剥離紙において、目止め層の塗布量が固形分質量で1〜5g/cmである剥離紙を提供するものである。
また、本発明は、上記剥離紙において、中間層の塗布量が固形分質量で0.5〜3g/cmである剥離紙を提供するものである。
また、本発明は、上記剥離紙において、剥離層の塗布量が固形分質量で0.1〜3g/cmである剥離紙を提供するものである。
また、本発明は、上記剥離紙における原紙の剥離層未形成面に水又はアルカリ水溶液によって離解可能な粘着剤層が積層されていることを特徴とする紙粘着テープを提供するものである。
また、本発明は、上記剥離紙を製造するにあたり、目止め層、中間層、剥離層の順にインラインにより、これらの層を形成することを特徴とする剥離紙の製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、上記剥離紙の製造方法において、目止め層及び中間層の形成をフレキソ印刷を用いて行い、かつ剥離層の形成をバーコーターを用いて行う剥離紙の製造方法を提供するものである。
本発明の剥離紙は、剥離性が良好で、かつ水で離解可能であり、環境性に優れている。また、本発明の剥離紙の製造方法は、剥離紙を効率的に製造できる。さらに、本発明の剥離紙を使用して得られる、本発明の紙粘着テープは、水又はアルカリ水溶液で離解可能であり、環境性に優れている。
原紙としては、水離解性原紙が挙げられ、具体例としては、未晒クラフト紙、晒クラフト紙、上質紙、グラシン紙、カルボキシメチルセルロース等を主成分とする水離解性紙などが挙げられる。原紙は、水離解性であるので、剥離紙用原紙を回収し、製紙工程で再利用することができる。
原紙の厚みは、特に制限ないが、通常坪量が10〜300g/mであればよく、好ましくは20〜200g/mである。
目止め層に用いられる目止め剤は、水離解性目止め剤であり、種々の水離解性目止め剤が使用できるが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール、デンプン、及びこれらの混合物などが好ましく挙げられる。
ポリビニルアルコールとしては、ケン化度が95mol%の完全ケン化ポリビニルアルコールや、70〜90mol%の部分ケン化ポリビニルアルコールの何れをも使用することができる。また、ポリビニルアルコールを変性した化合物、例えばアセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールと多価カルボン酸とのエステル化物、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコールなども使用することができる。
デンプンとしては、トウモロコシデンプン、ポテトデンプン、タピオカデンプンなどの他、それらの変性デンプン、例えば、酸化デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド化デンプン、エステル化デンプンなどが使用できる。
目止め層を形成する目止め剤は、水溶液又は水分散液にして塗布することが好ましい。この場合、目止め層の乾燥工程において蒸発するのは水蒸気であり、有機溶剤の排出がなく、環境性に優れている。
目止め層を原紙の一方の表面に形成するには、目止め剤を、水で希釈して得られる目止め層形成用液状組成物を、原紙の一方の表面に塗布することにより、行うことができる。
目止め層形成用液状組成物の粘度は、300〜1000mPa・Sが好ましい。このようにすることにより、原紙への目止め効果を持たせると共に、高速塗工性を良好に保つことができる。
目止め層の塗布量は、固形分質量で1〜5g/cmが好ましく、2〜4g/cmがより好ましい。目止め層の表面に中間層形成剤を塗布する前には、目止め層を乾燥することが好ましい。このようにすることにより、剥離紙の透気度を大きくすることができる。
中間層に用いられる中間層形成剤は、水離解性中間層形成剤であり、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール、デンプン、及びこれらの混合物などが好ましく挙げられる。
中間層を形成する中間層形成剤は、水溶液又は水分散液にして塗布することが好ましい。この場合、中間層の乾燥工程において蒸発するのは水蒸気であり、有機溶剤の排出がなく、環境性に優れている。
中間層を目止め層の表面に形成するには、中間剤を、水で希釈して得られる中間層形成用液状組成物を、目止め層の表面に塗布することにより、行うことができる。
中間層形成用液状組成物の粘度は、300〜1000mPa・Sが好ましい。このようにすることにより、目止め層に生じることがある過度の染み込みやピンホールを十分にカバーして透気度を高めると共に、高速塗工性を良好に保つことができる。
中間層の塗布量は、固形分質量で0.5〜3g/cmが好ましく、1〜2g/cmがより好ましい。
本発明において、中間層を形成することにより、剥離剤の染み込みを防ぎ、粘着剤層形成後に、剥離紙用原紙の粘着剤層形成面から粘着剤層が剥離を引き起こすことを防ぐことができる。
本発明においては、中間層の塗布量は、固形分質量%で目止め層の塗布量の20〜100質量%であり、25〜80質量%が好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。このようにすることにより、剥離紙の透気度を大きくすることができる。中間層形成時点での透気度は、5000秒以上であることが好ましい。このようにすることにより、剥離層形成時の剥離剤の染み込みを抑えることができる。
剥離層に用いられる剥離剤は、水離解性剥離剤であり、例えば、付加反応型シリコーンが硬化性に優れているので好ましい。付加反応型シリコーンは、エマルションとして用いてもよいし、溶剤に溶解または分散させた溶液で用いてもよいが、水系のエマルションとして用いた方が、乾燥工程において有機溶剤の排出がなく、環境性に優れているので、好ましい。付加反応型シリコーンには、硬化触媒として公知の白金触媒を配合することができる。
剥離層を中間層の表面に形成するには、剥離剤を、水で希釈して得られる剥離層形成用液状組成物を、原紙の一方の表面に塗布することにより、行うことができる。
剥離層の塗布量は、固形分質量で0.1〜3g/cmが好ましく、0.3〜2g/cmがより好ましい。0.1g/cm未満であると、剥離性に劣ることがあり、3g/cmより多いとシリコーンの粘着剤層面への移行量が増加し、紙粘着テープの粘着力又はタックの低下を引き起こす恐れがある。
また、剥離層形成後の透気度は、5000秒以上であり、このようにすることにより、ピンホールが少なく、粘着剤層を形成した場合でも、粘着剤の落ち込みが無く、剥離力を安定に保つことができる。
上記目止め層及び中間層には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、増粘剤を適宜含有させることができる。増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースなどの水系高分子化合物などが挙げられる。また、剥離剤がエマルションシリコーンの場合、濡れ性向上剤を適宜含有させることができる。濡れ性向上剤としては、ポリエーテルシリコーンなどの公知の濡れ性向上剤を用いることもできる。
目止め層、中間層、剥離層の順にインラインにより、これらの層を形成する場合のインラインとは、原紙を連続的に繰出し、目止め層を形成するための目止め剤の塗布する工程、その目止め層の表面に中間層を形成するための中間層形成剤を塗布し、乾燥する工程、さらに、その中間層の表面に剥離層を形成するための剥離剤を塗布し、乾燥する工程を連続的に行うことをいう。
この連続工程において、目止め剤を塗布して目止め層を形成した後、目止め層の表面に中間層形成剤を塗布する前には、目止め層を乾燥することが好ましい。
この連続工程を図1に基づいて説明する。
原紙の繰出しロール1から原紙が連続的に送出され、目止め層形成工程2で目止め層形成用液状組成物を原紙の一方の表面に連続して塗布し、目止め層を形成する。目止め層形成工程2での塗布方法は種々の塗布方法が用いられるが、特にフレキソ印刷による塗布方法が好ましい。
目止め層を形成された原紙は、目止め層の乾燥機5に連続して送り込まれ、乾燥することが好ましい。目止め層の乾燥において、乾燥温度は100〜220℃にすることが好ましく、130〜200℃がより好ましく、150〜180℃が特に好ましい。目止め層の乾燥において、乾燥時間は、5秒〜2分間が好ましく、10〜60秒間がより好ましく、15〜30秒間が特に好ましい。
目止め層の乾燥において、空気を送り込むことが好ましく、空気の送り込み速度(風速)は、0.2m/sec〜10m/secが好ましく、2m/sec〜5m/secが特に好ましい。
次に、目止め層が形成された原紙は、中間層形成工程3に連続して送り込まれ、中間層形成用液状組成物を目止め層の表面に連続して塗布し、中間層を形成する。中間層形成工程3での塗布方法は種々の塗布方法が用いられるが、特にフレキソ印刷による塗布方法が好ましい。
なお、本発明の剥離紙の製造方法として、目止め層、中間層をフレキソ印刷を用いて形成することにより、比較的粘度が高い(例えば、300〜1000mPa・s)目止め層形成用液状組成物、中間層形成用液状組成物を薄膜塗布することが可能であり、均一な塗布面を形成することができる。粘度が低すぎると、原紙への染み込みが多く、目止め機能、また、中間層としての機能を発揮することができないことがある。一方、粘度が高すぎると、目止め層形成用液状組成物、中間層形成用液状組成物が塗布した際にレベリングしにくく、塗布面の状態が悪化しやすい。
中間層を形成された原紙は、中間層の乾燥機6に連続して送り込まれ、乾燥する。中間層の乾燥は、目止め層の乾燥条件と同様な条件が好ましい。
次に、中間層が形成された原紙は、剥離層形成工程4に連続して送り込まれ、剥離層形成用液状組成物を中間層の表面に連続して塗布し、剥離層を形成する。剥離層形成工程4での塗布方法は種々の塗布方法が用いられるが、特にバーコーターによる塗布方法が好ましい。剥離層をバーコーターを用いて形成することにより、比較的粘度が低い(例えば、300mPa・s以下)剥離層形成用液状組成物を塗布することが可能であり、均一な膜厚の剥離層を形成することができる。剥離層の表面の面状態は、剥離性に大きく寄与しており、良好な面状態を得るためには、低粘度の剥離層形成用液状組成物を塗布し、レベリングさせる必要がある。
剥離層を形成された原紙は、剥離層の乾燥機7に連続して送り込まれ、乾燥する。剥離層の乾燥は、目止め層の乾燥条件の範囲から適宜設定するのが好ましい。
上記方法により目止め層、中間層、剥離層が順次形成されて剥離紙が製造され、製造された剥離紙は、剥離紙の巻取りロール8により巻き取られる。
また、本発明の紙粘着テープは、上記剥離紙における原紙の剥離層未形成面に水又はアルカリ水溶液によって離解可能な粘着剤層が積層されている。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。水又はアルカリ水溶液によって離解可能なアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルイタコン酸、モノアルキルフマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーや、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの炭素数4〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーなどのモノマーの単独、又は前記モノマーの2種以上の共重合体を主成分とする粘着剤が挙げられる。
粘着剤層の厚さは、用途に応じて適宜選定すればよいが、通常1〜100μmが好ましく、5〜50μmが特に好ましい。
剥離紙における原紙の剥離層未形成面に水又はアルカリ水溶液によって離解可能な粘着剤層を設ける方法としては、例えば、粘着剤を原紙の剥離層形成面の表面に塗工し、加熱処理した後、円筒形状の金属、紙、プラスチック等からなるコア材に巻き取る方法が挙げられる。このような方法により巻き取られた巻回体において、原紙の剥離層上に設けられた粘着剤層は、原紙の剥離層未形成面へ接着される。
塗工方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
加熱処理温度は、要望される硬度を得るために適宜選定すればよいが、通常50〜150℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
本発明の実施例又は比較例で得られた剥離紙の性能評価は、次の方法により行った。
剥離力の測定
作製した剥離紙の剥離層の表面にアクリルエマルション粘着剤(サイデン化学(株)製、商品名「AT−22C」)を乾燥後の塗布量が40g/mになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。粘着剤層の表面に表面基材として上質紙(坪量64g/m)を貼付し粘着紙を作成した。23℃の環境下で1週間、および60℃、95%RHの環境下(促進後剥離力)で1週間放置した後、表面基材と剥離層の剥離力をJIS−Z0237に準拠して、23℃、50%RHの雰囲気下で、引張試験機を用いて180度方向に300mm/分の速度で表面基材を剥離させることにより、剥離力を測定した。
剥離紙の離解試験
作製した剥離紙50gを5cm×5cm角に切断し、水(20℃)1200mLに加え、JIS P8209の標準離解機によって5分間撹拌した。次に、離解後のスラリー(固形分6.25g)を用い、角形手漉きシートマシンによって手漉きシート(25cm×25cm)を作製し、脱水濾紙に挟んで20kgのプレスロールで2往復させ、プレス機により3.5kg/cmの圧力でプレスした。次に、濾紙に挟まれた状態のまま送風乾燥機で、2時間乾燥した後、濾紙から手漉きシートを剥した。剥した手漉きシートに含まれる未離解物を観察し、剥離紙の離解性を以下の3段階で評価した。なお、未解離物とは剥離紙の一部が離解されず、小さく残存している状態で、散乱板(例えば、発光体を内側に有するすりガラス)に手漉きシートを載せると黒い斑点として観察することができる。
○:未解離物が観察されていない。
△:未解離物が少し観察された。
×:未解離物が多く観察された。
紙粘着テープの離解試験
作製した紙粘着テープを、上記(2)の剥離剤の離解試験と同様な方法で行い、同様な基準で評価した。
透気度
作製した剥離紙の透気度を王研式透気度平滑度試験機(旭精工(株)製)を用いて測定した。
(実施例1)
目止め層形成用液状組成物の調製
平均重合度3000のポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名「クラレポバールPVA203」)とエステル化デンプン(敷島スターチ(株)製、商品名「MC−3000」)との混合物(固形分質量比(ポリビニルアルコール:エステル化デンプン)=70:30)を、水で煮沸溶解して固形分濃度20質量%、粘度500mPa・s(23℃)の目止め層形成用液状組成物を調製した。
中間層形成用液状組成物の調製
スチレン−ブタジエン共重合体エマルション(JSR(株)製、商品名「JSR0614」、固形分濃度48質量%)100質量部、アクリル系増粘剤(東亜合成(株)製、商品名「A−7185」)1.6質量部を撹拌混合して固形分濃度47.5質量%、粘度830mPa・s(23℃)の中間層形成用液状組成物を調製した。
剥離層形成用液状組成物の調製
付加反応型エマルションシリコーン(荒川化学工業(株)製、商品名「シリコリース902」、固形分濃度40質量%)100質量部、エマルションシリコーン硬化用白金触媒(荒川化学工業(株)製、商品名「シリコリース903CA」、固形分濃度40質量%)15質量部を均一に撹拌混合した後、ポリエーテルシリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「FZ−77」)0.5質量部、純水650質量部を添加し、混合して固形分濃度6質量%のエマルションシリコーン剥離層形成用液状組成物を調製した。
剥離紙の作製
図1に示される剥離紙の連続製造機を用いて、剥離紙を作製した。まず、原紙の繰出しロール1からクラフト紙(王子製紙(株)製、商品名「オージ RCシンチョウシ73g」の原紙が連続的に送出され、目止め層形成工程2で目止め層形成用液状組成物を固形分質量で3g/mとなるように原紙の一方の表面にフレキソ印刷により連続して塗布し、目止め層を形成した。
目止め層を形成された原紙は、インラインにて目止め層の乾燥機5に連続して送り込まれ、風速3m/sec、乾燥温度160℃、乾燥時間15秒間で、目止め層の乾燥を連続して行った。
次に、目止め層が形成された原紙は、インラインにて中間層形成工程3に連続して送り込まれ、中間層形成用液状組成物を固形分質量で1g/mとなるように目止め層の表面にフレキソ印刷により連続して塗布し、中間層を形成した。
中間層を形成された原紙は、中間層の乾燥機6に連続して送り込まれ、風速3m/sec、乾燥温度160℃、乾燥時間15秒間で、中間層の乾燥を連続して行った。
次に、中間層が形成された原紙は、インラインにて剥離層形成工程4に連続して送り込まれ、剥離層形成用液状組成物を固形分質量で1g/mとなるように中間層の表面にバーコーターを用いて連続して塗布し、剥離層を形成した。
剥離層を形成された原紙は、剥離層の乾燥機7に連続して送り込まれ、風速3m/sec、乾燥温度160℃、乾燥時間30秒間で、乾燥し、剥離紙が作製され、作製された剥離紙は、連続して剥離紙の巻取りロール8により巻き取られた。
紙粘着テープの作製
上記の作製された剥離紙における原紙の剥離層形成面に、アクリルエマルション粘着剤(サイデン化学(株)製、商品名「AT−22C」)を乾燥後の塗布量が40g/mになるように塗布し、100℃で2分間乾燥させた後、紙製コア材にロール状に巻き取ることで紙粘着テープを作製した。
(実施例2)
下記の目止め層形成用液状組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、剥離紙を作製し、さらに、紙粘着テープを作製した。
目止め層形成用液状組成物の調製
スチレン−ブタジエン共重合体エマルション(JSR(株)製、商品名「JSR0614」、固形分濃度48質量%)100質量部、アクリル系増粘剤(東亜合成(株)製、商品名「A−7185」)1.6質量部を撹拌混合して固形分濃度47.5質量%、粘度830mPa・s(23℃)の目止め層形成用液状組成物を調製した。
(比較例1)
原紙としてポリエチレンをラミネートしたクラフト紙(坪量80g/m)の表面に、目止め層及び中間層を形成しないで、下記の剥離層形成用液状組成物を使用して剥離層を形成した以外は、実施例1と同様にして、剥離紙を作製し、さらに、紙粘着テープを作製した。
剥離層形成用液状組成物の調製
付加反応型エマルションシリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SRX−211」)100質量部に、白金触媒((東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SRX−212」)0.6質量部を添加し、トルエンにて溶解して固形分濃度6質量%の剥離層形成用液状組成物を調製した。
(比較例2)
下記の目止め層形成用液状組成物を使用して固形分質量で4g/mとなるように原紙の一方の表面にフレキソ印刷により連続して塗布し、目止め層を形成し、中間層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、剥離紙を作製し、さらに、紙粘着テープを作製した。
目止め層形成用液状組成物の調製
スチレン−ブタジエン共重合体エマルション(JSR(株)製、商品名「JSR0614」、固形分濃度48質量%)100質量部、アクリル系増粘剤(東亜合成(株)製、商品名「A−7185」)1.6質量部を撹拌混合して固形分濃度47.5質量%、粘度830mPa・s(23℃)の目止め層形成用液状組成物を調製した。
(比較例3)
目止め層、中間層を形成せず、原紙の一方の表面に、実施例1で使用した剥離層形成用液状組成物を塗布して剥離層を形成した以外は、実施例1と同様にして、剥離紙を作製し、さらに、紙粘着テープを作製した。
上記実施例、比較例で作製した剥離紙、紙粘着テープを上記試験により評価した。その評価結果を表1に示した。
Figure 2008297653
インラインにより、目止め層、中間層、剥離層の順にこれらの層を形成している本発明の剥離紙の製造方法の一例の概略図である。
符号の説明
1 :原紙の繰出しロール
2 :目止め層形成工程
3 :中間層形成工程
4 :剥離層形成工程
5 :目止め層の乾燥機
6 :中間層の乾燥機
7 :剥離層の乾燥機
8 :剥離紙の巻取りロール

Claims (7)

  1. 原紙、目止め層、中間層、剥離層の順に積層してなる剥離紙において、中間層の塗布量が固形分質量%で目止め層の塗布量の20〜100質量%であり、剥離紙が水で離解可能であり、かつ剥離紙の透気度が5000秒以上であることを特徴とする剥離紙。
  2. 目止め層の塗布量が固形分質量で1〜5g/cmである請求項1に記載の剥離紙。
  3. 中間層の塗布量が固形分質量で0.5〜3g/cmである請求項1に記載の剥離紙。
  4. 剥離層の塗布量が固形分質量で0.1〜3g/cmである請求項1に記載の剥離紙。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の剥離紙における原紙の剥離層未形成面に水又はアルカリ水溶液によって離解可能な粘着剤層が積層されていることを特徴とする紙粘着テープ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の剥離紙を製造するにあたり、目止め層、中間層、剥離層の順にインラインにより、これらの層を形成することを特徴とする剥離紙の製造方法。
  7. 目止め層及び中間層の形成をフレキソ印刷を用いて行い、かつ剥離層の形成をバーコーターを用いて行う請求項6に記載の剥離紙の製造方法。
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