JP2020015990A - 剥離紙用原紙および剥離紙 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本実施形態の剥離紙用原紙を構成する各要素について説明する。
本発明の剥離紙用原紙の基紙を抄造するのに使用するパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKPと略記する)、針葉樹晒クラフトパルプ(以下NBKPと略記する)、古紙パルプやその他のパルプ原料を適宜混合して使用することが可能である。
本実施形態において使用される古紙パルプには脱墨古紙パルプ(DIP)や、抄紙工程で発生する仕損品も含まれる。また、本実施形態において使用されるその他のパルプ原料としては木材パルプに限定されず、麻やケナフなどの非木材パルプや、合成パルプを配合しても良い。
LBKPは、NBKPに比べ、繊維が比較的細くて短く、ピンホールの少ない均一地合を形成し易い。ピンホールの少ない均一地合を形成するためには、LBKPの配合量は、全原料パルプの70質量%以上であることが好ましい。70質量%未満では、地合の均一性が不十分となり、ピンホールができ易くなり、剥離剤樹脂を塗布してもピンホールが残り、糊残りの原因となるおそれがある。また、地合が不均一であると、粘着シートを打抜き加工する際に、打抜き刃の刃当たりが均一にならず、ラベルがうまく切れない。これにより、本来剥離紙上に残すべきラベルも一緒に除去されるトラブル(以降、身上がりとも称する)が発生する。
カナディアン・スタンダード・フリーネスを100〜300mlに調製するために、パルプを叩解する方法については、公知の方法を使用することができる。
剥離紙用原紙の基紙に内添することができる填料としては、例えば、二酸化チタン、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネーテッドカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料や、尿素・ホルマリン樹脂粒子、微小中空粒子等の有機顔料等を例示することができる。古紙や損紙等に含まれる填料も再使用できる。剥離紙用原紙の光透過性のためには、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、酸性pH領域における抄紙で高い光透過性を達成するためには、カオリンが特に好ましい。炭酸カルシウムは酸性下で溶解するため酸性抄造では好ましくない。
剥離紙用原紙の光透過性は粘着シートの光電管適性に大きく影響し、剥離紙用原紙の色相や坪量により光透過性が異なる。また、填料の配合量が増えると基紙の強度が低下するため、填料の配合量は0〜25質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%の範囲である。
剥離紙用原紙の基紙には、サイズ剤を含有させることが好ましい。基紙はサイズ剤を含有することによって、基紙に後記する下塗り層を塗布する際に、下塗り剤が内部に浸透し過ぎることなく、表面付近に均一な下塗り層を設けることが可能となる。サイズ剤は元々インクがにじむことを防止する目的で添加されるものであるが、本実施形態では上記のような新たな効果を有することを見出している。
サイズ剤の含有量は、基紙に対して0.3質量%以上であることが好ましい。サイズ剤の含有量が0.3質量%未満であると、剥離紙用原紙のステキヒトサイズ度が低くなり、適度の王研式透気度が得られないおそれがある。好ましいサイズ剤の含有量は0.4〜1.5質量%の範囲であり、より好ましいサイズ剤の含有量は0.5〜1.0質量%の範囲である。
紙力増強剤の具体例としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン澱粉、ポリアクリルアミドと澱粉とのグラフト共重合体、各種変性澱粉類、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。高い紙層間強度を達成するためには、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン澱粉、ポリアクリルアミドと澱粉とのグラフト共重合体から選択される少なくとも1種が好ましい。
歩留り向上剤の具体例としては、ポリアクリルアミド系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、ポリビニルアミン系化合物が挙げられる。填料を二酸化チタンとする場合には、全体の歩留りが低下し生産性が低下しやすいため、生産性を維持するために適宜適切な歩留り向上剤が選択される。
pH調整剤の具体例としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、硫酸、塩酸、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種の第1級、第2級、第3級アミン等のアルカリ性化合物等が挙げられる。汎用性と経済性から硫酸バンド、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
剥離紙用原紙の坪量は、30〜150g/m2であることが好ましく、30〜120g/m2であることがより好ましく、30〜100g/m2であることがさらに好ましい。坪量が150g/m2以下であると、紙が重くなり過ぎて剥離紙製造時の作業性を低下させるおそれがない。一方、坪量が30g/m2以上であると、剥離紙としての強度を向上させることができる。
剥離紙用原紙の基紙の紙厚は25〜250μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましい。紙厚が250μm以下であると、嵩が高すぎることによって剥離紙製造時の作業性を低下させるおそれがない。一方、紙厚が25μm以上であると、剥離紙としての強度を向上させることができる。
剥離紙用原紙の密度は、0.6〜1.2g/cm3であることが好ましく、0.8〜1.0g/cm3であることがより好ましい。密度が1.2g/cm3以下であると、紙厚を極端に薄くする必要がなく、生産性が向上する。一方、密度が0.6g/cm3以上であると、剥離紙としての強度を向上させることができる。
ここで、例えば粘着シートにバーコード等を印字するときは、光電管によって、粘着ラベルと剥離紙の光透過性の差から表面基材の位置を検出する。そのため、剥離紙用原紙においては光透過性に優れていることが好ましい。
光透過性を向上するためには、パルプを高叩解する、または、LBKPを主体としたパルプを抄紙し、カレンダー処理等で基紙を高密度化する等の方法がある。LBKPの中でも、特にヘミセルロースを多く含有する方が光透過性は発現し易い傾向にある。
上記のように基紙を構成するパルプ中のLBKPの含有量、基紙のカナディアン・スタンダード・フリーネス、基紙の密度を調整することで、十分な光透過性を備えた剥離紙用原紙を製造できる。
また、剥離紙用原紙の基紙表面を下塗り層で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した基紙の王研式平滑度を使用することができる。すなわち、王研式平滑度が20秒未満では、下塗り層で基紙の表面を均一に被覆することが難しい。基紙の王研式平滑度が30秒以上であることが好ましく、より好ましくは80秒以上である。
また、剥離紙用原紙の基紙表面を下塗り層で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した基紙の王研式透気度を使用することができる。すなわち、王研式透気度が20秒未満では、下塗り層で基紙の表面を均一に被覆することが難しい。基紙の王研式透気度は50秒以上であることが好ましく、より好ましくは80秒以上である。
剥離紙用原紙の基紙表面を下塗り層で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JIS P 8122:2004に規定されるステキヒト法で測定した基紙のステキヒトサイズ度を使用することができる。すなわち、基紙のステキヒトサイズ度が3〜50秒であることが好ましく、より好ましくは5〜40秒である。
剥離紙用原紙の基紙に、剥離剤樹脂を前記基紙表面に均一に留まるようにコントロールするために、基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設ける。
本実施形態において、下塗り層は、無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有している。
本実施形態の剥離紙用原紙に用いられるポリビニルアルコールには、後述するように、糊残り抑制効果向上の観点から、純度、けん化度が高く、OH基を多く含有することが要求される。よって、本実施形態では、OH基が置換されない無変性ポリビニルアルコールを使用する。ポリビニルアルコールの純度とけん化度の詳細については後述する。
無変性ポリビニルアルコールの主鎖の構成成分としては、酢酸ビニルモノマーに代表されるビニルエステルを含むポリマーをけん化して得られるポリマーが好ましく用いられる。
無変性ポリビニルアルコールの純度が高まれば、OH基を有さないコモノマーが減少するため、無変性ポリビニルアルコール中のOH基が増加する。そうすると、無変性ポリビニルアルコール中のOH基と、板状顔料との間の相互作用が促進され、両者の結びつきが強化されることとなり、下塗り層のバリア性向上に寄与するものと推測される。
無変性ポリビニルアルコールのけん化が進むほど、無変性ポリビニルアルコール中のエステル基が加水分解され、OH基が増加する。そうすると、無変性ポリビニルアルコール中のOH基と板状顔料との間の相互作用が促進され、両者の結びつきが強化されることとなり、下塗り層のバリア性向上に寄与するものと推測される。
本実施形態に使用される下塗り層には、無変性ポリビニルアルコールに板状顔料を配合することが必要である。顔料を最密充填する場合、球形顔料と比べて、板状顔料を用いると一般に空隙率が減少し、ち密な塗工層を形成できるため、品質上好ましい。
ここで、アスペクト比は、平板状顔料の厚さを電子顕微鏡観察により測定し、平板状顔料の体積平均粒子径をその厚さで除することによって求めることができる。
本実施形態で好ましく用いられる、アスペクト比が7以上の板状顔料としては、カオリン、タルク、イライト、マイカ、人工雲母、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
このような範囲の塗工量は、実際の剥離紙の製造工程において多用されるオンマシン・コーティングでも実現容易な塗工量である。本実施形態の剥離紙用原紙は、オンマシン・コーティングでも実現容易な塗工量の下塗り層でもって、剥離力を得ることができる。
本実施形態の剥離紙用原紙の基紙の製造方法について説明する。
本実施形態では、上記のような基紙に対して、少なくとも一方の面に、無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有する下塗り層を塗布する。
上記のバリア性をコントロールする手法として、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した剥離紙用原紙の王研式透気度を使用することができる。剥離紙用原紙の王研式透気度が10,000秒未満では、剥離剤樹脂が浸み込み過ぎて、剥離性能が発現し難くなる。剥離紙用原紙の王研式透気度が50,000秒以上であることが好ましく、より好ましくは80,000秒以上であり、特に好ましくは1,100,000秒以上である。
本実施形態では、上記のような紙質範囲にある剥離紙用原紙に、剥離剤樹脂を塗布し、乾燥させて、剥離剤層を形成させて、剥離紙を形成する。本実施形態での剥離剤樹脂としては、一般的にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できるが、通常は剥離品質、価格面から水性エマルション型、溶剤型または無溶剤型のシリコーン樹脂が使用される。特に、環境配慮面、作業者の安全面から水性エマルション型や無溶剤型への切替えが進んでおり、本実施形態では、無溶剤型シリコーン樹脂を使用することがより好ましい。中でも25℃における粘度が50〜1,000mPa・sである無溶剤型シリコーン樹脂がさらに好ましい。剥離剤樹脂を塗布する方法としては、バーコーター、エアナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、多段ロールコーター等が挙げられる。
粘着シートを製造する際には、剥離紙の剥離剤層の表面に、粘着剤を塗布し、乾燥した後、表面基材と貼り合せることによって形成する。粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピレンブロック共重合体、再生ゴム、合成ゴム等のゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が適宜使用される。これら粘着剤は、溶剤型、水性エマルション型、ホットメルト型、液状硬化型等の形態をしている。粘着剤の塗布量としては、乾燥質量で10〜40g/m2の範囲で適宜調整される。粘着剤の塗布量が、10g/m2未満では粘着力が低くなり過ぎ、ラベルを各種被着体に貼付した際にラベル浮きが発生するおそれがある。粘着剤の塗布量が40g/m2を超えるとラベルの打ち抜き加工時に粘着剤が粘着シート断面からはみ出し、その粘着剤が堆積してラベルの印刷面を汚したり、破損するおそれがある。なお、粘着剤を塗布する方法としては、リバースロールコーター、リバースグラビアコーター、バリオグラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
また、本実施形態の剥離紙用原紙およびこれを用いた剥離紙は、加工性に優れるだけでなく、酸味臭の抑制という効果も備える。よって、本実施形態は、無臭であることが望ましい製品、例えば食品容器等に使用するラベル等への適性に優れている。
日本酢ビ・ポバール社製、けん化度99.4%以上、純度96.0%以上、重合度1700、商品名「VI」の無変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、ほぼ完全にけん化されたポリビニルアルコールである。
クラレ社製、けん化度98.0〜99.0%、純度94.0%以上、重合度1700、商品名「117BU」の無変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、ほぼ完全にけん化されたポリビニルアルコールである。
クラレ社製、けん化度87.0〜89.0%、純度94.0%以上、重合度1700、商品名「217」の無変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、部分的にけん化されたポリビニルアルコールである。
クラレ社製、けん化度95.5〜97.5%、純度94.0%以上、重合度1700、商品名「RS2817」のエチレン変性ポリビニルアルコールを使用した。
クラレ社製、けん化度99.0〜99.6%、純度94.0%以下、重合度1000、商品名「HR3010」のエチレン変性ポリビニルアルコールを使用した。これは、ほぼ完全にけん化されたポリビニルアルコールであるが、純度と重合度は実施例および比較例の中で最低である。
LBKP100部とからなる、カナディアン・スタンダード・フリーネス250mlのパルプスラリー中に、絶乾パルプに対して紙力剤としてカチオン化澱粉(商品名:「ピラースターチP−3T」、ピラースターチ社製)0.5%、サイズ剤としてロジンサイズ剤(商品名:「サイズパインN−776」、荒川化学工業社製)0.5%、硫酸バンド1.0%を添加し定着させた後、長網抄紙機で抄紙濃度0.3%で抄紙し、剥離紙用原紙の基紙を得た。
得られた剥離紙用原紙の基紙の調湿坪量は43.8g/m2、JIS P 8118による紙厚は52.7μm、JIS P 8118による密度は0.83g/cm3、JIS P 8155による王研式平滑度は70/49秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は22秒、JIS P 8122によるステキヒトサイズ度は7秒であった。
上記基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール1を使用し、オンマシンゲートロールコーターにて、ポリビニルアルコール100質量部とカオリン(商品名:「HTクレー」、アスペクト比7、粒子径3.1μm、エンゲルハード社製)100質量部の11%混合液を塗工し、塗工量が乾燥質量で1.5g/m2となる下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール2を使用し、塗工量を乾燥質量で1.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール3を使用し、塗工量を乾燥質量で1.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール1を使用した以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール2を使用し、塗工量を乾燥質量で1.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、カオリンとしてアスペクト比7、粒子径0.3μm、シール社製の商品名「カオファイン」を使用し、ポリビニルアルコール100質量部とカオリン100質量部の12%混合液を塗工し、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール1を使用し、カオリンとして前記「カオファイン」を使用し、ポリビニルアルコール100質量部とカオリン100質量部の12%混合液を塗工し、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール1を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール2を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記無変性ポリビニルアルコール3を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール1を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.5g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
実施例1の基紙に、ポリビニルアルコールとして前記エチレン変性ポリビニルアルコール2を使用して、ポリビニルアルコールの5%混合液を塗工し、塗工量を乾燥質量で0.4g/m2とし、これら以外は実施例1と同様にして下塗り層を設けて剥離紙用原紙を得た。
剥離紙用原紙の王研式透気度、すなわち下塗り層のバリア性を評価した。
無変性ポリビニルアルコールを使用した実施例1と比較例1および2の比較を行う。比較例1と2の相違は無変性ポリビニルアルコールのけん化度のみであり、けん化度の高い比較例1がけん化度の低い比較例2の15倍以上の王研式透気度を発現している。
このことから、高けん化度の無変性ポリビニルアルコールが下塗り層のバリア性向上に有効であることが分かる。
実施例1は比較例1に対して、無変性ポリビニルアルコールのけん化度と純度が共に高く、実施例1は比較例1の2倍以上の王研式透気度を発現している。なお、実施例1の王研式透気度200万秒は、測定機器の限界値であり、実際の王研式透気度はもっと高いものと考えられる。ここから、ポリビニルアルコールのけん化度だけでなく純度も、バリア性向上に寄与していることが分かる。
比較例5,7の相違は顔料の有無のみである。顔料を50質量%含有した比較例5は、顔料を含有しない比較例7と比較して、130倍以上の王研式透気度を発現する。
このことから、ポリビニルアルコールと顔料との結びつきが下塗り層のバリア性向上に有効であることが分かる。
実施例1と比較例5の相違は顔料の粒子径のみであり、粒子径の大きなHTクレーを使用した実施例1は、粒子径の小さなカオファインを使用した比較例5の2倍以上の王研式透気度を発現している。なお、実施例1の王研式透気度200万秒は、測定機器の限界値であり、実際の王研式透気度はもっと高いものと考えられる。このことから、粒子径の大きな顔料が下塗り層のバリア性向上効果が高いことが分かる。
Claims (5)
- 基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設けてなる剥離紙用原紙であって、
前記下塗り層は、けん化度99.0%以上、純度95%以上の無変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有し、
前記板状顔料は、粒子径3.0μm以上であること
を特徴とする剥離紙用原紙。 - 前記基紙は、離解フリーネスが100〜300mlのパルプ繊維から構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の剥離紙用原紙。
- 王研式透気度が110万秒以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の剥離紙用原紙。
- 前記下塗り層の付着量が0.5〜4.0g/m2である請求項1〜3のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙の前記下塗り層の上に剥離剤層を設けた剥離紙。
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