JP6213319B2 - 剥離紙用原紙および剥離紙 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真プリンターでの給紙性や排紙時の紙揃え性に優れる粘着シートに適した剥離紙用原紙および剥離紙に関するものである。
粘着シートは、表面基材と剥離紙との間に粘着剤層を形成したものであり、近年、情報化社会の進展に伴い、商業用、事務用、家庭用などの非常に広範囲に亘って、ラベル、ステッカー、シール、ワッペン、配送伝票等として使用されている。その表面基材としては、大部分は紙が使用されており、剥離紙としては、グラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、ポリエチレンラミネート紙等にシリコーン化合物やフッ素化合物の如き剥離剤を塗布したものが広く使用されている。剥離剤には、通常は、剥離性能や価格面、また、環境・安全面から無溶剤型のシリコーン樹脂が使用されている。粘着剤としては、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型等が使用されているが、中でもアクリル系エマルジョン型が、安全面、品質面から、通常多く使用されている。
こうした粘着シートは、カールが発生し易く、特に、電子写真式プリンターで印刷する場合、トナーの定着に用いられる熱ロールの影響で、印刷直後のカールが発生し易く、給紙不良や排紙時の紙揃え不良が発生するトラブルの要因となっている。
例えば、特許文献1では、表面基材、粘着剤、剥離剤、下塗り剤、剥離基体を積層してなる粘着シートであって、該表面基材、および/または剥離基体をマイクロ波方式による測定器で測定した透過マイクロ波強度の最大値と最小値の比が1.0〜1.3であり、かつ下塗り剤の主成分が分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種、およびこれと共重合可能な他のビニル系モノマーの少なくとも1種とを乳化共重合して得られるコポリマーと顔料からなる粘着シートが提案されているが、該粘着シートは印字加熱定着方式のノンインパクトプリンターでの用紙の斜傾や粘着剤のはみ出しに起因するプリンターでの通紙適性について考慮されているものの、プリンターでの小判カットされた粘着シートの給紙性や排紙時の紙揃え性について考慮されておらず、不十分なものであった。
特許文献2では、剥離基体、剥離剤、粘着剤、表面基材を順次積層してなる粘着シートにおいて、(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有単量体及び(b)ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上であるエチレン性不飽和結合含有単量体、ならびに(c)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(但し(b)及び(c)の単量体の少なくとも一方にアクリル酸エステル単量体を含む)を乳化共重合してなるアクリル酸エステル共重合体エマルジョンのガラス転移温度が0〜100℃であり、該共重合体エマルジョンを主成分とする処理液を、該表面基材の粘着剤を積層しない面に塗布または含浸し、且つ剥離基体の剥離剤を積層しない面に水溶性可塑剤を主成分とする処理液を塗布または含浸させてなる粘着シートが提案されているが、高速電子写真プリンターではカールの発生を抑制することが不十分であり、排紙時の紙揃え性に課題が残っていた。
特許文献3では、剥離基体に少なくとも剥離剤層、粘着剤層及び表面基材を積層してなる電子写真用粘着シートにおいて、該表面基材の表面にガラス転移温度が−10〜70℃の水分散性高分子を主成分として含有する処理液を塗布または含浸させてなり、且つ表面基材の表面のベック平滑度(JIS P 8119)が80秒/10cc以上である電子写真用粘着シートが提案されているが、高速電子写真プリンターではカールの発生を抑制することが不十分であり、排紙時の紙揃え性に課題が残っていた。
特開平7−102500号公報 特開平3−179071号公報 特開平2−245082号公報
上記のような問題点を解決し、カールの発生が抑制され、電子写真式プリンターでの給紙性や排紙時の紙揃え性が良好な粘着シートを構成することができる剥離紙用原紙および剥離紙が求められていた。
本発明は、係る状況に鑑みてなされたものであり、粘着シートを構成した場合に、カールの発生が抑制され、電子写真式プリンターでの給紙性や排紙時の紙揃え性が良好な粘着シート用の剥離紙用原紙および剥離紙を提供することを課題とする。
本発明者らは、粘着シートの電子写真式プリンターでの給紙性や排紙時の紙揃え性について鋭意検討した結果、粘着シートを構成する剥離紙用原紙の超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比および紙水分を所定の範囲内に制御することにより、カールが抑制され、電子写真式プリンターでの給紙性や排紙時の紙揃え性が良好な粘着シートが得られること、を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下のような構成を有している。
(1)表面基材、粘着剤、剥離剤、下塗り剤、剥離紙用原紙を積層して電子写真用粘着シートを構成し得る剥離紙用原紙であって、前記剥離紙用原紙の超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比が1.45〜1.70であり、かつ紙水分が4.5〜7.5質量%であることを特徴とする剥離紙用原紙。
(2)前記剥離紙用原紙の超音波伝播速度測定器により測定される紙の横目方向の弾性率が4.50GPa以下であることを特徴とする(1)に記載の剥離紙用原紙。
(3)前記剥離紙用原紙は、JIS P 8121によるカナダ標準ろ水度が100〜300ml、ルンケル比(パルプの壁膜厚さの2倍を内腔幅で除した値)が1.5〜3.5の広葉樹晒しクラフトパルプ繊維から構成されたものであり、サイズ剤を含有し、前記下塗り層は、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の剥離紙用原紙。
(4)前記剥離紙用原紙のJIS P 8122によるステキヒトサイズ度が、5〜20秒であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(5)JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度が、3,000〜500,000秒である前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(6)坪量が、40〜100g/mである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(7)前記下塗り層において、前記板状顔料100質量部に対して前記α−オレフィン変性ポリビニルアルコールを50〜300質量部含有する前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(8)前記α−オレフィン変性ポリビニルアルコールが、α−オレフィンを1〜20モル%含有し、重合度200〜8000であり、けん化度80〜100モル%である前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(9)前記α−オレフィンがエチレンである前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(10)前記板状顔料のアスペクト比が7以上である前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(11)前記サイズ剤の含有量が、前記剥離紙用原紙に対して0.3質量%以上である前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(12)前記サイズ剤が、ロジン系サイズ剤である前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
(13)前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙の下塗り層上に剥離剤層を設けた剥離紙。
本発明によると、粘着シートを構成した場合に、カールの発生が抑制され、電子写真式プリンターでの給紙性や排紙時の紙揃え性が良好な粘着シート用の剥離紙用原紙および剥離紙を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の剥離紙用原紙は、基紙と基紙の少なくとも一方の面に設けられた下塗り層とから構成されている。
(基紙)
本発明の剥離紙用原紙の基紙を抄造するのに使用するパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKPと略記する)を50質量%以上含有させたものが好ましく、針葉樹晒クラフトパルプ(以下NBKPと略記する)、古紙パルプを適宜混合して使用することが可能である。古紙パルプにはDIP、抄紙工程で発生する仕損品も含まれる。地合の均一性を考慮すると、LBKPの比率が70質量%以上であることがより好ましい。また、必要に応じて任意の合成繊維や非木材繊維などを配合することが可能である。
上記のパルプのJIS P 8121によるカナダ標準ろ水度(叩解度)を100〜300mlに調製することが好ましい。カナダ標準ろ水度(叩解度)を100〜300mlの範囲とすることによって、後記するサイズ剤の効果と相まって、均一な下塗り層を形成することが可能となる。また、適度の紙層間強度を有し、剥離紙用原紙に適度の透気性を付与することができる。カナダ標準ろ水度(叩解度)を100〜300mlに調製するために、パルプを叩解する方法については、公知の方法を使用することができる。
本発明において用いられるパルプのルンケル比(パルプの壁膜厚さの2倍を内腔幅で除した値)は1.5〜3.5であることが好ましい。ルンケル比が1.5より小さい繊維を用いると、繊維壁厚さが薄いため繊維内腔への下塗り層塗液の浸透が大きく、剥離力が重くなるおそれがある。また、剛直性に劣るため、剥離紙の寸法安定性が悪化する問題が生じる。逆に、ルンケル比が3.5を超えると熱を加えたときの収縮が大きく、電子写真式プリンターでの印刷直後のカールが大きくなり、排紙時の紙揃え性が悪化する問題が生じる。
剥離紙用原紙の基紙に内添することができる填料としては、例えば、二酸化チタン、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネーテッドカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料や、異なる無機顔料を担持させた複合顔料、尿素・ホルマリン樹脂粒子、微小中空粒子等の有機顔料等を例示することができる。古紙や損紙等に含まれる填料も再使用できる。剥離紙用原紙には、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、酸性pH領域における抄紙では、カオリンが特に好ましい。炭酸カルシウムは酸性下で溶解するため酸性抄造では好ましくない。剥離紙用原紙の層間強度は粘着シートの打ち抜き加工適性に大きく影響し、填料の配合量は0〜25質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%の範囲である。
(サイズ剤)
剥離紙用原紙の基紙には、サイズ剤を含有させることが好ましい。基紙はサイズ剤を含有させることによって、基紙に後記する下塗り層を塗布する際に、下塗り剤が内部に浸透し過ぎることなく、表面付近に均一な下塗り層を設けることが可能となる。サイズ剤は元々インクがにじむことを防止する目的で添加されるものであるが、本発明では上記のような新たな効果を有することを見出している。
サイズ剤の具体例としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系などが挙げられる。印刷適性を確保し、表面性を維持するためには、酸性pH領域での抄紙が好ましい。酸性pH領域で十分なサイズ性を付与するには、ロジン系サイズ剤が好ましい。
サイズ剤の含有量は、基紙に対して0.3質量%以上であることが好ましい。サイズ剤の含有量が0.3質量%未満であると、剥離紙用原紙のステキヒトサイズ度が低くなり、適度の透気度が得られないおそれがある。好ましいサイズ剤の含有量は0.4〜1.5質量%の範囲であり、より好ましいサイズ剤の含有量は0.5〜1.0質量%の範囲である。
剥離紙用原紙の基紙には、パルプ、填料、サイズ剤の他に、紙力増強剤、歩留り向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、湿潤紙力剤、染料・顔料等の抄紙用内添助剤を必要に応じて添加することができる。
紙力増強剤の具体例としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン澱粉、ポリアクリルアミドと澱粉とのグラフト共重合体、各種変性澱粉類、尿素樹脂、ポリアミド−ポリアミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。高い紙層間強度を達成するためには、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン澱粉、ポリアクリルアミドと澱粉とのグラフト共重合体から選択される少なくとも1種が好ましい。
歩留り向上剤の具体例としては、ポリアクリルアミド系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、ポリビニルアミン系化合物が挙げられる。填料を二酸化チタンとする場合には、全体の歩留りが低下し生産性が低下しやすいため、生産性を維持するために適宜適切な歩留り向上剤が選択される。
pH調整剤の具体例としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、硫酸、塩酸、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種の第1級、第2級、第3級アミン等のアルカリ性化合物等が挙げられる。汎用性と経済性から硫酸バンド、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
剥離紙の剥離剤層の厚みを均一にするためには、剥離紙用原紙の基紙の地合は良いことが望ましい。LBKPは、NBKPに比べ、繊維が比較的細くて短く、ピンホールが少なく、均一地合を形成し易い。ピンホールの少ない均一地合を形成するためには、LBKPの配合量は、全原料パルプの70質量%以上であることが好ましい。70質量%未満では、地合の均一性が不十分となり、ピンホールができ易くなり、剥離剤樹脂を塗布しても、ピンホールが残り、糊残りの原因となるおそれがある。また、地合が不均一であると、粘着シートを打抜き加工する際に、打抜き刃の刃当たりが均一にならず、ラベルがうまく切れずに身上がりを招く要因にもなる。
本発明において、基紙の超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比は1.45〜1.70である必要がある。因みに、繊維配向比が1.70を超えると基紙を構成する繊維の向きが縦方向に配列する傾向が強くなり過ぎ、横方向の吸湿伸びが大きくなリ、カールが悪化し、給紙性が悪化する。逆に繊維配向比が1.45未満になると、熱を加えたときの収縮が大きく、電子写真式プリンターでの印刷直後のカールが大きくなり、排紙時の紙揃え性が悪化するおそれがある。より好ましい繊維配向比の範囲は1.50〜1.65であり、1.50〜1.60が特に好ましい。
ここで、基紙の繊維配向とはパルプ繊維が抄紙機のワイヤー上に流出され、脱水、紙層が形成される過程で流出(縦)方向に並ぶ傾向のことである。即ち、抄紙に際し紙料がワイヤー上に高速で流出、脱水されるため、縦方向(抄紙機上の原料の流れ方向)に配向する繊維が多くなり、縦方向の引張り強度や剛度等が横方向(幅方向)に比べ、かなり強く、あるいは高くなっている。おそらく、この様な基紙の縦横の差異(不均一性)が横方向の伸び率を大きくし、熱あるいは湿度による寸法安定性を悪くするものと考えられる。
一般に、紙等の繊維配向を測定する方法としては、例えば超音波法、熱膨張法、力学破断強度法、X線回折法、マイクロ波法、NMR法、偏光蛍光法、誘電測定法等が挙げられる。本発明では超音波法を採用し、例えば野村商事社製「SONICSHEET TESTER」を用いて縦方向の超音波伝播速度(Vmd)と横方向の超音波伝播速度(Vcd)を測定し、その比率(Vmd/Vcd)を繊維配向比として繊維配向のランダム性を評価する指標とした。この繊維配向比が1.0の場合、繊維が完全にランダム配向となるが、実際のマシン抄き紙の場合、いくらかの繊維配向を有しており、1.0以下にすることはできない。
他方、繊維配向比はマシンでの抄紙条件によって決定されるから、マシン上の操作を適正にする必要がある。考えられる手段としてはマシン速度、繊維サスペンジョンジェットの流入速度とワイヤー速度の比(J/W比)、ワイヤーシェーキ、ホーミングボードや堰板の配置、ダンディーロール等の適正化が挙げられる。さらに、抄紙機の運転では、一般的に後ろのパートの速度ほど速くなっており、リールに向けて紙を引っ張りながら紙を抄造している。この速度差を大きくすると、パルプ繊維を流れ方向に配向させることができる。好ましいリールの回転速度(Vr)とワイヤーの回転速度(Vw)の比Vr/Vwは1.010〜1.050程度である。これらの手段の1つまたは2つ以上を組合せることによって繊維配向比を1.45〜1.70となるように制御しつつ、紙の地合等、他の性質との調和を図る必要があることは言うまでもない。
本発明の剥離紙用原紙は、超音波伝播速度測定器(SST−210A、野村商事社製)を用いて測定、算出した紙の横目方向の弾性率が4.50GPa以下であることが好ましい。4.50GPaを超えると、電子写真式プリンターでのトナー定着のための熱による収縮が低下することにより、印刷直後のカールが大きくなり、排紙時の紙揃え性が悪化する場合がある。紙の横目方向の弾性率のより好ましい範囲は4.20GPa以下であり、4.0GPa以下が特に好ましい。
(下塗り層)
剥離紙用原紙の基紙に、剥離剤樹脂を前記基紙表面に均一に留まるようにコントロールするために、基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設ける。
本発明において、下塗り層は、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有している。
(α−オレフィン変性ポリビニルアルコール)
α−オレフィン変性ポリビニルアルコールの主鎖の構成成分としては、酢酸ビニルモノマーに代表されるビニルエステルを80モル%以上含むポリマーをけん化して得られるポリマーが好ましく用いられる。α−オレフィン変性ポリビニルアルコールは、造膜性が良好であるため、ピンホールが少ない膜となり、剥離紙用原紙の王研式透気度を高くすることが可能である。また、バリヤ性、透明性においても優れているため、好ましく使用される。
α−オレフィン変性ポリビニルアルコールを製造する際に、酢酸ビニル以外のビニルエステル、例えば、ギ酸ビニル、アクリル酸ビニル、酪酸ビニル、クロトン酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、オレイン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニルエステル類を酢酸ビニルの代わりに用いることはもちろん可能である。
本発明におけるα−オレフィン変性ポリビニルアルコールのけん化度は、得られる樹脂組成物の剥離剤樹脂の浸透性や糊残り性を改善する効果をより高度に発揮させるという点から、けん化前に存在していたエステル基に対するけん化されたエステル基のモル比で表して、けん化度80〜100%が好ましい。耐湿性の面から、けん化度90%以上がより好ましく、95%以上が最も好ましい。
ビニルエステル以外に、1〜20モル%の量で用いられるコモノマー成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンを挙げることができる。なかでも、特にエチレンは、得られる樹脂組成物の耐溶剤性、剥離剤樹脂浸透防止性等を改善し、優れた特性の樹脂組成物を与えることから特に好ましく用いられる。
本発明において、α−オレフィン、特にエチレンを共重合したエチレン変性ポリビニルアルコールはトルエン、メチルエチルケトン、ヘキサン等の各種溶剤に対して良好な耐溶剤性を示すことから好ましい。特にエチレンの共重合比率が1〜20モル%の範囲で共重合した変性ポリビニルアルコールは、耐溶剤性、打ち抜き加工適性等のバランスが優れており、好ましい。エチレンの共重合比率が1〜15モル%の範囲であると、剥離紙原紙の再離解性が著しく向上し、従来用いられているα−オレフィン変性以外の変性ポリビニルアルコール系樹脂に対して数倍程度の再離解性を示すことから、剥離紙として使用後に紙としてリサイクルする適性に優れている。特に、エチレンを1〜9モル%の範囲で共重合した変性ポリビニルアルコールを含有させた下塗り層を設けた剥離紙用原紙は、耐溶剤性、打ち抜き加工適性が最も優れ、最適である。α−オレフィンの共重合の手法は、コモノマーがポリビニルアルコールの主鎖中に共重合されていてもよいし、ポリビニルアルコールの主鎖にグラフト重合されていてもよい。
本発明におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの重合度は、耐溶剤性、打ち抜き加工適性の観点から200〜8000の範囲にあることが好ましい。重合度は、300〜2500の範囲にあることがより好ましく、400〜2000の範囲であることがさらに好ましく、500〜1800の範囲であることが最も好ましい。
(板状顔料)
本発明に使用される下塗り層には、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールに板状顔料を配合することが必要である。板状顔料の種類については特に制約はなく、カオリン、タルク、イライト、マイカ、人工雲母、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ等の無機顔料を適宜選定して使用することができる。顔料を最密充填する場合、球形顔料と比べて、板状顔料を用いると一般に空隙率は減少し、ち密な塗工層を形成できるため、品質上好ましい。
板状顔料としては、アスペクト比が7以上であるものが好ましい。アスペクト比が7以上の板状顔料は、塗工の際に平面方向に配向するため、バリア性及び平滑性に優れた塗工層を容易に得ることができる。ここで、アスペクト比は、平板状顔料の厚さを電子顕微鏡観察により測定し、平板状顔料の体積平均粒子径をその厚さで除することによって求めることができる。このとき、体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(日機装社製、「マイクロトラックMT−3000」)を用いて求めることができる。
板状顔料の平均粒子径は、バリア性および平滑性が優れる理由から、0.2〜10μmのものが好ましい。また板状顔料の厚みは、前項で示した通りアスペクト比が7以上となるものが好ましい。また、板状顔料は光透過性に優れたものが好ましい。
本発明で好ましく用いられる、アスペクト比が7以上の板状顔料としては、カオリン、タルク、イライト、マイカ、人工雲母、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
板状顔料とα−オレフィン変性ポリビニルアルコールの配合量は、板状顔料100質量部に対してα−オレフィン変性ポリビニルアルコールを50〜300質量部の範囲で含有することが好ましい。α−オレフィン変性ポリビニルアルコールの配合量が300質量部を超えると、塗工直後のシリンダードライヤーの汚れが顕著となり、また板状顔料によるピンホールの被覆が不足し、糊残り改善の効果が発現されない。一方、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールの配合量が50質量部未満であると、顔料と顔料の空隙にα−オレフィン変性ポリビニルアルコールを充分に充填できないので微細な空隙が多数発生し、シリコーン塗工液の塗工層及び基材への浸透を抑えることができないおそれがある。
下塗り層の付着量は、乾燥後において剥離紙用原紙に対して0.5〜4.0g/mであることが好ましい。0.5g/m未満であると剥離剤樹脂の浸透防止効果が不充分となり、剥離力が増大してしまう。下塗り層の付着量が4.0g/mより多いと剥離力が小さくなり過ぎて身上がりが発生しやすい。
(剥離紙用原紙)
上記のようにして、剥離紙用原紙の基紙の少なくとも一方の面に下塗り層を設けることによって、剥離紙用原紙を得ることができる。
剥離紙用原紙のステキヒトサイズ度(JIS P 8122:2004に準じて測定)は、3〜20秒であることが必要である。7〜15秒程度であることが好ましい。ステキヒトサイズ度が5〜20秒であると、剥離剤や粘着剤の浸透を適度に抑制することができる。剥離紙用原紙のステキヒトサイズ度は、サイズ剤の種類や含有量、下塗り層の構成、後記する平滑化処理等によって制御することができる。
剥離紙用原紙の坪量は、調湿後で、30〜100g/mであることが好ましい。30g/m未満であると紙力が弱く加工適性に劣り、100g/mより高いとトナーの定着性を付与することが難しくなる。
剥離紙用原紙の表面をシリコーン樹脂等の剥離剤で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した剥離紙用原紙の王研式透気度を使用することができる。すなわち、剥離紙用原紙の王研式透気度が3,000秒未満では、剥離剤樹脂が浸み込み過ぎて、剥離性能が発現し難くなる。また、500,000秒を超えて高くなると、剥離剤樹脂の浸み込みがなくなり、剥離力が軽くなり過ぎ、身上がりが発生し易くなってしまう。剥離紙用原紙の王研式透気度が6,000〜300,000秒であることが好ましく、より好ましくは10,000〜250,000秒、特に好ましくは15,000〜150,000秒である。
また、剥離紙用原紙の表面をシリコーン樹脂等の剥離剤で均一に被覆するようにコントロールする手法として、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した剥離紙用原紙の王研式平滑度を使用することができる。すなわち、王研式平滑度が10秒未満では、剥離剤樹脂で基紙の表面を均一に被覆することが難く、王研式平滑度が500秒を超えて高くなると、剥離力が軽くなり過ぎ、身上がりが発生し易くなってしまう。剥離紙用原紙の王研式平滑度が30〜300秒であることが好ましく、より好ましくは50〜250秒、特に好ましくは70〜200秒である。
(剥離紙用原紙の製造方法)
本発明の剥離紙用原紙の製造方法について説明する。
本発明では、JIS P 8121によるカナダ標準ろ水度が100〜300ml、ルンケル比(パルプの壁膜厚さの2倍を内腔幅で除した値)1.5〜3.5の広葉樹晒しクラフトパルプ繊維から構成され、サイズ剤を含有する基紙に対して、少なくとも一方の面に、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有する下塗り層を塗布する。そうすることで、JIS P8122によるステキヒトサイズ度が3〜20秒である剥離紙用原紙を製造する。
ここで、上記抄紙原料を用いて行う抄紙は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機等により、酸性あるいは中性条件で抄紙される。
本発明の下塗り層は、トランスファーロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター、スロットダイコーター、カーテンコーター等の各種塗工装置を使用して、オンマシン方式またはオフマシン方式で基紙の少なくとも片面に、単層もしくは多層で塗工される。
操業効率上の理由から、オンマシンでのロッドメタリングサイズプレスコーターを用いることが好ましい。
さらに、本発明では、基紙に下塗り層を塗布した後に、乾燥し、その効果を損なわない限りにおいて、平滑化処理を行うことができる。平滑化処理は通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、マルチニップカレンダー、ソフトキャレンダー、ベルトニップキャレンダー等の平滑化処理装置を用いて、オンマシンまたはオフマシンで行われる。
平滑化処理することにより、剥離剤の転写率が向上し、剥離性が良好となる。

平滑化処理後の剥離紙用原紙の水分は、4.5〜7.5質量%とする必要がある。ちなみに、剥離紙用原紙の水分が4.5質量%未満であると、熱を加えたときの伸縮が小さくなるため、電子写真式プリンターでの印刷直後のカールが大きくなり、排紙時の紙揃え性が悪化する。逆に、水分が7.5質量%を超えると剥離剤の硬化が阻害され、剥離性が悪化する。
剥離紙用原紙の水分のより好ましい範囲としては5.0〜7.0質量%であり、5.5〜6.5質量%が特に好ましい。
以上説明してきたように、本発明の剥離紙用原紙は、基紙の超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比、紙水分を所定の範囲にし、サイズ剤を含有させ、下塗り層として、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールと板状顔料とからなるものを使用することで、基紙の表面付近に剥離剤の内部への浸透を抑制する下塗り層が形成され、原紙としてのステキヒトサイズ度を所定の範囲に調整することによって、剥離剤層を剥離紙用原紙の表面付近に均一に形成させることを可能にするものである。また、剥離剤層の形成に用いるシリコーン樹脂等の剥離剤の使用量について剥離効果を低下させずに少なくすることを可能とするものである。
(剥離紙)
本発明では、上記のような紙質範囲にある剥離紙用原紙に、剥離剤樹脂を塗布し、乾燥させて、剥離剤層を形成させて、剥離紙を形成する。本発明での剥離剤樹脂としては、一般的にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できるが、通常は剥離品質、価格面から水性エマルション型、溶剤型または無溶剤型のシリコーン樹脂が使用される。特に、環境配慮面、作業者の安全面から水性エマルション型や無溶剤型への切替えが進んでおり、本発明では、無溶剤型シリコーン樹脂を使用することがより好ましい。中でも25℃における粘度が50〜1,000mPa・sである無溶剤型シリコーン樹脂がさらに好ましい。剥離剤樹脂を塗布する方法としては、バーコーター、エアナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、多段ロールコーター等が挙げられる。
剥離剤樹脂の塗布量は、0.3〜1.5g/m程度が好ましい。塗布量が0.3g/m未満では、剥離剤量が少なく剥離性能が不十分となり、ラベル加工時に粕切れが頻発するおそれがある。また、1.5g/mを超えて多くなると、剥離力が軽くなり過ぎ、身上がりが頻発するおそれがある。また、前述したように剥離紙とした後の地合の均一性を透過光により地合ムラとして数値化した場合、その規格化標準偏差は0.4以下が好ましい。0.4を超えて大きくなると、地合ムラが徐々に大きくなり、打ち抜き加工時の刃当たりの不均一化を招き、ラベル加工適性が悪化する。また、剥離紙の厚み方向での圧縮弾性率も高くした方が、打ち抜き適性には良好な傾向もあり、その意味からも剥離紙の密度は高くした方が好ましい。
(粘着シート)
粘着シートを製造する際には、剥離紙の剥離剤層の表面に、粘着剤を塗布し、乾燥した後、表面基材と貼り合せることによって形成する。粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピレンブロック共重合体、再生ゴム、合成ゴム等のゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が適宜使用される。これら粘着剤は、溶剤型、水性エマルション型、ホットメルト型、液状硬化型等の形態をしている。粘着剤の塗布量としては、乾燥質量で10〜40g/mの範囲で適宜調整される。粘着剤の塗布量が、10g/m未満では粘着力が低くなり過ぎ、ラベルを各種被着体に貼付した際にラベル浮きが発生するおそれがある。粘着剤の塗布量が40g/mを超えるとラベルの打ち抜き加工時に粘着剤が粘着シート断面からはみ出し、その粘着剤が堆積してラベルの印刷面を汚したり、破損するおそれがある。なお、粘着剤を塗布する方法としては、リバースロールコーター、リバースグラビアコーター、バリオグラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
表面基材としては、例えば、上質紙、キャストコート紙、アート紙、コート紙、感熱紙、インクジェット用紙、合成紙、蒸着紙、各種高分子フィルム等があり、電子写真用途においては、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等、目的に応じ適宜選択して使用することができる。
本発明を下記の実施例によって、さらに具体的に説明する。実施例、比較例中の部、%は、特に断らない限り、それぞれ質量部、質量%を示し、塗布量、部数、混合割合等はすべて固形分で示した。また、弾性率は、特に断らない限り、紙の横目方向の弾性率を示した。
実施例3及び7は参考例である。

<エチレン変性ポリビニルアルコール1>
撹拌機、温度計、エチレン導入管、窒素導入管、及び冷却機を備えた耐圧反応容器に、酢酸ビニル100部とメタノール30部を仕込み、次いで、窒素置換した後、圧力3.0kg/cm2になるようにエチレンを注入した。重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルをメタノールに溶解した溶液を調整し、窒素ガスによるバブリングによって窒素置換した。上記単量体を仕込んだ反応容器を昇温し、内温が60℃に達したとき開始剤溶液を注入し、重合を開始した。3時間後に冷却した。脱エチレンし、次いで、減圧下に未反応酢酸ビニル単量体を除去し、エチレン変性されたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。これにNaOHのメタノール溶液(NaOHの含有量10質量%)を添加してけん化反応を開始した。アルカリ溶液を添加して1分経過後、生成したゲル化物を粉砕機で粉砕し、さらに1時間放置してけん化反応を進行させた後、反応系内に酢酸メチルを加えて、残存するアルカリを部分的に中和した。白色固体の変性ポリビニルアルコールを濾別し、これにメタノールを加えて室温で3時間放置し、洗浄し、遠心分離法により脱液した。洗浄後の変性ポリビニルアルコールを遠心脱液し、次いで内温が90℃に保たれた乾燥機を用いて、窒素気流下(酸素濃度8%)に1日間乾燥処理を行い、チップ状の変性ポリビニルアルコールを得た。これを変性ポリビニルアルコール1とする。
該変性ポリビニルアルコール1は、重合度1200、けん化度98.2モル%、エチレン変性度2.0モル%であった。
なお、本発明において重合度およびけん化度は、JIS K 6726−1994「ポリビニルアルコール試験方法」の「3.7平均重合度」および「3.5 けん化度」に従って求めた。また、エチレン変性度については、H−NMRおよび13C−NMRによって解析して求めた。なお、エチレン変性度については市販のエチレン変性ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名「エバールL101」など)を標準物質とした。
<エチレン変性ポリビニルアルコール2>
圧力を4.0kg/cmになるようにエチレンを注入したこと以外は、変性ポリビニルアルコール1と同様にして変性ポリビニルアルコールを製造した。これを変性ポリビニルアルコール2とする。
該変性ポリビニルアルコール2は、重合度1200、けん化度97.0モル%、エチレン変性度5.2モル%であった。
<エチレン変性ポリビニルアルコール3>
圧力を7.0kg/cmになるようにエチレンを注入したこと以外は、変性ポリビニルアルコール1と同様にして変性ポリビニルアルコールを製造した。これを変性ポリビニルアルコール3とする。
該変性ポリビニルアルコール3は、重合度1200、けん化度97.4モル%、エチレン変性度16.4モル%であった。
<エチレン変性ポリビニルアルコール4>
圧力を1.5kg/cmになるようにエチレンを注入したこと以外は、変性ポリビニルアルコール1と同様にして変性ポリビニルアルコールを製造した。これを変性ポリビニルアルコール4とする。
該変性ポリビニルアルコール4は、重合度1200、けん化度97.5モル%、エチレン変性度0.5モル%であった。
(実施例1)
(1)表面基材
表面基材として、坪量52.3g/mの上質紙(商品名:「GFHW52.3」、王子エフテックス社製)を用いた。
(2)剥離紙用原紙
LBKP(ルンケル比1.94)70部とNBKP(ルンケル比3.15)30部とからなる、カナダ標準ろ水度(カナディアン・スタンダード・フリーネス)200mlのパルプスラリー中に、絶乾パルプに対して紙力剤としてカチオン化澱粉(商品名:「ピラースターチP−3T」、ピラースターチ社製)0.3%、サイズ剤としてロジンサイズ剤(商品名:「サイズパインN−776」、荒川化学工業社製)0.5%、硫酸バンド1.0%を添加し定着させた後、長網抄紙機で抄紙濃度0.3%で抄紙し、オンマシンロッドメタリングサイズプレスコータにて、α−オレフィン変性ポリビニルアルコール(エチレン変性ポリビニルアルコール1)100質量部とカオリン(商品名:「HT」、アスペクト比7、エンゲルハード社製)100質量部の12%混合液を片面に塗工し、塗工量が乾燥質量で2.0g/mとなる下塗り層を設けた剥離紙用原紙を得た。
次いで、この原紙をマルチニップカレンダー処理し、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式平滑度による下塗り表面の平滑度が90秒となる本発明の剥離紙用原紙を作成した。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は55g/m、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比は1.55、弾性率は3.6GPa、紙水分6.0%、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(3)粘着シート
上記剥離紙用原紙に3本オフセットグラビアコーターで、無溶剤型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーング・シリコーン社製「LTC−1056L」)(25℃における粘度:250mPa・s)を架橋反応に必要な触媒と混合した後、1g/m塗布・硬化し、剥離紙を得た。
次いで、この剥離紙のシリコーン塗布面に粘着剤(トーヨーケム社製「オリバインBPW6111」)を固形分として20g/mとなるように塗布乾燥した後、カール矯正のため粘着剤塗布の反対面にグラビアロールで水付け処理を行い、上記表面基材と貼り合せ、粘着シートを得た。
(実施例2)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.50とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は8秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は90,000秒であった。
(実施例3)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.41とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は6秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は110,000秒であった。
(実施例4)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.63とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は6秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は80,000秒であった。
(実施例5)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.69とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は90,000秒であった。
(実施例6)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、紙水分を5.2%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は8秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(実施例7)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、紙水分を4.6%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は8秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は120,000秒であった。
(実施例8)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、紙水分を6.8%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は6秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は130,000秒であった。
(実施例9)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、紙水分を7.3%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は110,000秒であった。
(実施例10)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される弾性率を4.40とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(実施例11)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、LBKP(ルンケル比1.29)とNBKP(ルンケル比1.41)とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は11秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は90,000秒であった。
(実施例12)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、LBKP(ルンケル比3.64)とNBKP(ルンケル比3.72)とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は5秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(実施例13)
剥離紙用原紙の作製において、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールをエチレン変性ポリビニルアルコール2とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は9秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は160,000秒であった。
(実施例14)
剥離紙用原紙の作製において、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールをエチレン変性ポリビニルアルコール3とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は12秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は250,000秒であった。
(実施例15)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、サイズ剤をアルケニル無水コハク酸(ASA)(商品名:「ファイブランF81K」、ナショナルスターチ社製)を0.07%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は5秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(実施例16)
剥離紙用原紙の作製において、α−オレフィン変性ポリビニルアルコール(エチレン変性ポリビニルアルコール1)を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は4秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は11,000秒であった。
(実施例17)
剥離紙用原紙の作製において、α−オレフィン変性ポリビニルアルコール(エチレン変性ポリビニルアルコール1)を300質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は10秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は360,000秒であった。
(実施例18)
剥離紙用原紙の作製において、下塗り層の塗工量が乾燥質量で0.5g/mとした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は6秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は10,000秒であった。
(実施例19)
剥離紙用原紙の作製において、下塗り層の塗工量が乾燥質量で4.5g/mとした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は9秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は600,000秒であった。
(実施例20)
剥離紙用原紙の作製において、サイズ剤を0.2%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は3秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(実施例21)
剥離紙用原紙の作製において、下塗り層の顔料を高アスペクト比のカオリン(商品名:「バリサーフHX」、アスペクト比100、イメリスミネラルズ・ジャパン社製)とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は8秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は130,000秒であった。
(実施例22)
剥離紙用原紙の作製において、下塗り層の顔料をナトリウム四珪素雲母(人造雲母)(商品名:「NTO−5」、アスペクト比1000、トピー工業社製)とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は10秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は400,000秒であった。
(実施例23)
剥離紙用原紙の作製において、下塗り層の顔料をタルク(商品名:「シュウエン」、アスペクト比約7、中央カオリン社製)とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は80,000秒であった。
(実施例24)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、LBKP(ルンケル比1.29)とNBKP(ルンケル比1.41)、サイズ剤を0.2%、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールをエチレン変性ポリビニルアルコール4、下塗り層の顔料を重質炭酸カルシウム(商品名:「FMT−90」、不定形、ファイマテック社製)、下塗り層の塗工量を0.3g/m2とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は6秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は3,200秒であった。
(実施例25)
剥離紙用原紙の作製において、下塗り層の顔料を重質炭酸カルシウム(商品名:「FMT−90」、不定形、ファイマテック社製)とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は3秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は6,000秒であった。
(実施例26)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される弾性率を4.47とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(比較例1)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.42とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は90,000秒であった。
(比較例2)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.25とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は90,000秒であった。
(比較例3)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比を1.73とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
(比較例4)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、紙水分を7.7%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は110,000秒であった。
(比較例5)
剥離紙用原紙の基紙の作製において、紙水分を4.2%とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた剥離紙用原紙の調湿坪量は、55g/m、JIS P8122によるステキヒトサイズ度は7秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度は100,000秒であった。
<繊維配向比と弾性率>
ANSI/ASTM F89−68「Standard test Method for MODULUS OF FLEXIBLE BARRIER MATERIAL BY SONIC METHOD」に準拠し、超音波伝播速度測定計(SST−210A、野村商事社製)を用いて、繊維配向比と紙の横目方向の動的弾性率を測定し、算出した。
<粘着シートの評価>
・カール評価
得られた粘着シートからA4サイズのサンプルを作成し23℃/80%RHの雰囲気下に4時間調湿し、平らなサンプル台の上にカールした側を上に置き、サンプルの4隅がサンプル台からどれだけ浮いたかを測定してその平均値を求めて、下記の基準で評価した。
◎:0〜0.8cm未満
○:0.8〜1.5cm未満
△:1.5cm以上〜3.0cm未満
×:3.0cm以上
・給紙性評価
得られた粘着シートからA4サイズのサンプルを作成し、23℃80%RHの雰囲気下で、電子写真式プリンター「複合機ApeosPort−IV3370」(富士ゼロックス社製)印刷し、給紙性を評価した。
○:給紙できなかった粘着シートが、100枚中5枚以内で、問題ないレベル。
△:給紙できなかった粘着シートが、100枚中6〜20枚で、問題になる可能性があるレベル。
×:給紙できなかった粘着シートが、100枚中21以上で、問題になるレベル。
・紙揃え性評価
得られた粘着シートからA4サイズのサンプルを作成し、電子写真式プリンター「複合機ApeosPort−IV3370」(富士ゼロックス社製)で印刷(用紙種類:原紙2(170−256g/m))し、排紙時のカールと紙揃え性を評価した。
◎:印刷直後、カールが殆ど発生せず、排紙時の紙揃え性が良好。
○:印刷直後、カールが若干発生するが、排紙時の紙揃え性は問題ないレベル。
△:印刷直後、カールがやや大きく、排紙時の紙揃え性が安定せず、問題となるレベル。
×:印刷直後、カールが大きく、排紙時の紙揃え性は大変不良。
・身上がり適性
粘着シート220mm巾のロールを凸版輪転印刷機SKP−250A(三起社製)にて、速度20m/minで粕取りし、身上がりの有無を評価した。
○…身上がり発生せず
△…わずかに身上がり発生
×…身上がり発生
・糊残り評価
上記身上がり適性評価工程で、ロールに付着した糊量によって評価した。
○:糊残りがほとんど発生しない
△:糊残りが多少ある
×:糊残りがかなり目立つ
・剥離評価
粘着ラベルを、引っ張り試験機を用いて180°の角度で剥離するのに要する力(g/50mm)を測定した。なお、引っ張りの速度は10m/分とした。200g/50mm以上は剥離性に劣ると判定した。
実施例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
Figure 0006213319
表1から明らかなように、剥離紙用原紙の超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比と紙水分を特定の範囲内にコントロールした実施例1〜26は、23℃/80%RH環境下でのカールおよび電子写真式プリンターでの拝紙時の紙揃え性に優れるものであった。また、パルプのカナダ標準ろ水度、ルンケル比、下塗り層の種類(樹脂種類、顔料種類)と塗工量、ステキヒトサイズ度を特定の範囲内にコントロールした場合、糊残り、身上がり、剥離力、光電管適性(不透明度)ともに問題がなかった。また透気度も好ましい範囲の数値を有するものであった
一方、請求項1に規定した範囲から外れる比較例1〜5は、23℃/80%RH環境下でのカール、あるいは電子写真式プリンターでの拝紙時の紙揃え性において、劣るものであった。
超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比と紙水分を特定の範囲内にコントロールした剥離紙用原紙を用いて粘着シートを構成することにより、カールや電子写真式プリンターでの排紙時の紙揃え性が良好な製品を得ることができる。

Claims (13)

  1. 表面基材、粘着剤、剥離剤、下塗り剤、剥離紙用原紙を積層して電子写真用粘着シートを構成し得る剥離紙用原紙であって、前記剥離紙用原紙の超音波伝播速度測定器により測定される繊維配向比が1.50〜1.70であり、かつ紙水分が5.0〜7.5質量%であることを特徴とする剥離紙用原紙。
  2. 前記剥離紙用原紙の超音波伝播速度測定器により測定される紙の横目方向の弾性率が4.50GPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の剥離紙用原紙。
  3. 前記剥離紙用原紙は、JIS P 8121によるカナダ標準ろ水度が100〜300ml、ルンケル比(パルプの壁膜厚さの2倍を内腔幅で除した値)が1.5〜3.5の広葉樹晒しクラフトパルプ繊維から構成されたものであり、サイズ剤を含有し、前記下塗り層は、α−オレフィン変性ポリビニルアルコールと板状顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の剥離紙用原紙。
  4. 前記剥離紙用原紙のJIS P 8122によるステキヒトサイズ度が、5〜20秒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  5. JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000による王研式透気度が、3,000〜500,000秒である請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  6. 坪量が、40〜100g/mである請求項1〜5のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  7. 前記下塗り層において、前記板状顔料100質量部に対して前記α−オレフィン変性ポリビニルアルコールを50〜300質量部含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  8. 前記下塗り層がα−オレフィン変性ポリビニルアルコールを含有し、前記α−オレフィン変性ポリビニルアルコールが、α−オレフィンを1〜20モル%含有し、重合度200〜8000であり、けん化度80〜100モル%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  9. 前記下塗り層がα−オレフィン変性ポリビニルアルコールを含有し、前記α−オレフィンがエチレンである請求項1〜8のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  10. 前記下塗り層が板状顔料を含有し、前記板状顔料のアスペクト比が7以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  11. 前記剥離紙用原紙がサイズ剤を含有し、前記サイズ剤の含有量が、前記剥離紙用原紙に対して0.3質量%以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  12. 前記剥離紙用原紙がサイズ剤を含有し、前記サイズ剤が、ロジン系サイズ剤である請求項1〜11のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の剥離紙用原紙の下塗り層上に剥離剤層を設けた剥離紙。
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