JPH10102017A - 粘着シートとその製造方法 - Google Patents

粘着シートとその製造方法

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JPH10102017A
JPH10102017A JP25914496A JP25914496A JPH10102017A JP H10102017 A JPH10102017 A JP H10102017A JP 25914496 A JP25914496 A JP 25914496A JP 25914496 A JP25914496 A JP 25914496A JP H10102017 A JPH10102017 A JP H10102017A
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Japan
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paper
pressure
sensitive adhesive
barrier layer
base paper
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JP25914496A
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English (en)
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Kazuya Kiyosaki
和也 清崎
Satoshi Kage
聰 鹿毛
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着紙及び剥離紙の基材に原紙を使用した粘
着シートとして、湿度変化及び加熱によるカールが少な
く、且つ剥離性に優れるものを提供する。 【解決手段】 原紙10の片面に粘着剤層11を設けて
なる粘着紙1と、原紙20の片面にバリヤ層22を介し
て剥離剤層21を設けてなる剥離紙2とが、粘着剤層1
1と剥離剤層21とを接して積層された粘着シートにお
いて、剥離紙1側の原紙20のJIS P8113に準
拠して測定される横目の引張り強さ(Y)と縦目の引張
り強さ(T)との比(Y/T)が0.6〜0.9であ
り、バリヤ層22が30〜70重量%のアクリル系樹脂
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着紙と剥離紙と
が接合した構造の粘着シート、特に粘着紙及び剥離紙の
基材に原紙を用いた粘着シートとその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、粘着シートは、図1に
示すように、基材(上紙)10の片面に粘着剤層11を
設けた粘着紙1と、基材20の片面に剥離剤層21を設
けた剥離紙2とが、前記粘着剤層11と剥離剤層21と
を接して積層された構造を有している。しかして、剥離
紙2側の基材20として非塗工の原紙を用いる場合は、
その製造において、予め原紙表面にバリヤ層22を設
け、このバリヤ層22を介して剥離剤層21を塗布形成
することにより、シリコーン樹脂等よりなる剥離剤が塗
工時に原紙に吸収されるのを防止し、もって少ない剥離
剤の塗工量で良好な剥離性(離型性)が得られるように
している。
【0003】ところで、粘着紙1及び剥離紙2の基材1
0,20共に原紙を使用した通常の粘着シートでは、粘
着紙1側と剥離紙2側との湿度及び温度変化による伸縮
率の違いから、特に高湿環境及び加熱に伴うカールが発
生すると共に、このカールの一部が永久変形として残る
ことによる紙癖を生じ、外観的に印象が悪い上、粘着シ
ート製品の箱詰めや包装等の取扱いに支障をきたした
り、印刷機や複写機によって紙面に画像を設ける際の機
械への通紙が困難になるといった問題があった。
【0004】このため、従来よりカール防止対策とし
て、上記基材10,20に特定種の紙を使用したり、両
基材10,20に同種の紙を用いたり、両基材10,2
0の伸び又は縮み率が特定の関係を満たすように設定す
る等、様々な手段が提案されている。しかし、いずれも
実用面で充分に満足できるものとは言えず、粘着紙の剥
離操作性等の粘着シートとしての特性を損なうことなく
優れたカール防止効果を得る実用的手段の究明が強く望
まれている現状である。
【0005】すなわち、この種の粘着シートでは、粘着
紙1側の上紙は、例えばPPC用紙として一般的な静電
複写機に適用したり、インクジェット印刷や通常の印刷
を施したり、様々なラベル形態とする等、用途的に多岐
にわたり、これら用途に応じた適性を有する原紙を用い
る必要があるのに対し、剥離紙2は粘着紙1の粘着面を
保護するだけで最終的に廃棄するものであるから、その
基材20として上記用途の違いに関係なく共通の紙種を
使用できる。しかるに、前記従来のようなカール防止手
段は、両基材10,20の一方の性状(紙種)によって
他方の性状(紙種)が特定されるため、粘着紙1の用途
に著しい制約を受けると共に、本来は粘着紙1の各種用
途に共用できる剥離紙2側の基材20を用途に応じて異
なる紙種とする必要があり、これによって大幅なコスト
上昇を招くことになるから、現実的には到底採用できな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の状
況に鑑み、粘着紙及び剥離紙の基材に原紙を使用した粘
着シートに関し、該粘着シート本来の特性を損なうこと
なく環境変化に付随したカールの発生を効果的に抑制す
る手段を究明することを目的として鋭意検討を重ねた結
果、剥離紙側の原紙として横目と縦目の引張り強さの比
が特定関係にあるものを使用し、且つ剥離紙側の原紙と
剥離剤層との間に介在させるバリヤ層を特定組成に設定
した場合に、高湿環境や加熱に伴うカールが生じにくく
なる上、剥離剤の使用量を少なくしても粘着紙を軽く剥
離できる粘着シートが得られ、また特に製造に際して剥
離紙用原紙の透気度、更にはバリヤ層形成後の該原紙の
透気度を特定範囲に設定することにより、より高性能な
粘着シートが得られることを見出し、本発明をなすに至
った。
【0007】すなわち、本発明の請求項1に係る粘着シ
ートは、原紙の片面に粘着剤層を設けてなる粘着紙と、
原紙の片面にバリヤ層を介して剥離剤層を設けてなる剥
離紙とが、前記粘着剤層と剥離剤層とを接して積層され
てなる粘着シートにおいて、前記剥離紙側の原紙のJI
S P8113に準拠して測定される横目の引張り強さ
(Y)と縦目の引張り強さ(T)との比(Y/T)が
0.6〜0.9であり、且つ前記バリヤ層が30〜70
重量%のアクリル系樹脂を含有することを特徴とする構
成を採用したものである。
【0008】また請求項2の発明は、上記請求項1の粘
着シートにおけるバリヤ層が30〜50重量%のアクリ
ル系樹脂を含有してなる構成を採用したものである。
【0009】一方、本発明の請求項3に係る粘着シート
の製造方法は、剥離紙用原紙の片面に、バリヤ層と剥離
剤層と粘着剤層とを順次に塗布形成し、この粘着剤層上
に粘着紙用原紙を積層して粘着シートとする方法におい
て、前記の剥離紙用原紙として、JIS P8113に
準拠して測定される横目の引張り強さ(Y)と縦目の引
張り強さ(T)との比(Y/T)が0.6〜0.9で、
且つJIS P8117に準拠した透気度が15〜50
秒であるものを用いると共に、前記バリヤ層の形成に際
し、アクリル系樹脂が全固形分中の30〜70重量%を
占める水性塗料を使用し、且つ該バリヤ層形成後の紙の
JIS P8117に準拠した透気度が3,000秒以
上になるように設定することを特徴とするものである。
【0010】更に請求項4の発明は、上記請求項3の粘
着シートの製造方法において、バリヤ層形成後の紙のJ
IS P8117に準拠した透気度が5,000秒以上
になるように設定することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る粘着シートは、構造
的には従来と同様であり、図1に示すように、非塗工の
原紙からなる基材(以下、単に原紙と言う)10の片面
に粘着剤層11を設けた粘着紙1と、同様原紙からなる
基材(以下、単に原紙と言う)20の片面にバリヤ層2
2を介して剥離剤層21を設けた剥離紙2とが、前記粘
着剤層11と剥離剤層21とを接して積層された構造を
有しているが、既述のように、剥離紙2側の原紙20の
JIS P8113に準拠して測定される横目の引張り
強さ(Y)と縦目の引張り強さ(T)との比(以下、Y
/T比と略称する)が0.6〜0.9であり、且つバリ
ヤ層22が30〜70重量%のアクリル系樹脂を含有し
ている。
【0012】この粘着シートでは、上記の特徴に基づ
き、高湿環境や加熱に伴うカールが発生しにくく、この
カールに起因した紙癖も生じにくいため、外観的に優れ
ると共に、粘着シート製品の箱詰めや包装等の取扱いに
支障をきたさず、印刷機や複写機によって紙面に画像を
設ける際の機械への通紙も円滑に行え、しかも剥離剤層
21の剥離剤量が少なくても粘着紙の使用に際して軽く
容易に剥離できる利点があり、もって該剥離剤量の低減
による材料コストの削減及び重量軽減を図り得る。な
お、剥離剤層21の剥離剤量を多くすれば、剥離性は向
上するが、剥離剤が一般に高価であるために粘着シート
の製造コストが高く付く上、環境面での問題もある。
【0013】しかるに、上記の剥離紙2側の原紙20の
Y/T比が0.6未満であると充分なカール抑制効果が
得られず、同比が0.9を越えると紙面地合が低下する
ことになる。なお、このY/T比は長網式抄紙機による
抄紙条件、例えば抄紙速度や抄紙網の揺動具合等の調整
によって所望値に設定可能であるが、同比が0.9を越
える原紙は長網式抄紙機による製造自体が現実的に困難
である。
【0014】一方、バリヤ層22は、既述のようにシリ
コーン樹脂等よりなる剥離剤が塗工時に原紙20に吸収
されるのを防止し、もってできるだけ少ない剥離剤によ
って良好な剥離性を発揮できるようにするものであり、
一般的に炭酸カルシウムやカオリン等の体質顔料と結合
剤とから構成されるが、本発明においては該結合剤とし
て30〜70重量%のアクリル系樹脂を含有することを
特徴としている。
【0015】すなわち、バリヤ層22における上記アク
リル系樹脂の含有量が30重量%未満であると、バリヤ
性が低下して剥離剤層21の塗布形成時に原紙20に剥
離剤が吸収される結果、剥離剤層21による離型性が低
下し、粘着紙1を使用する際の剥離が重くなる。また、
同含有量が70重量%を越えると、ブロッキングの発生
が懸念されると共に、材料コストも高く付く。なお、こ
のアクリル系樹脂の効果は上記含有量が50重量%で飽
和に達するため、該含有量はその効果と材料コストの面
より好ましくは30〜50重量%の範囲とするのがよ
い。
【0016】上記のアクリル系樹脂は、水性エマルジョ
ン形態として塗料化し得るものであれば特に制約はな
く、アクリル酸及びそのアルキルエステル、メタクリル
酸及びそのアルキルエステルの如き各種アクリル系モノ
マーの単独重合体、これらモノマーの共重合体、アクリ
ル系モノマーと他のビニル系モノマーとの共重合体等、
種々のものが包含される。なお、バリヤ層22用の樹脂
成分としてポリビニルアルコール、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性高分子も知られ
るが、これらの水溶性高分子を用いた場合は、アクリル
系樹脂を用いた場合に比較して加熱を受けた際のバリヤ
層22の可塑化に伴うカールを生じ易いため、特にトナ
ーの定着時に熱が加わるPPC用の粘着シートには不適
である。ただし、これら水溶性高分子や他の水不溶性高
分子は、少量であれば前記アクリル系樹脂と共にバリヤ
層22中に含有しても差支えない。
【0017】本発明の粘着シートを製造するには、剥離
紙用原紙20の片面に、バリヤ層22と剥離剤層21と
粘着剤層11とを順次に塗布形成し、この粘着剤層11
上に粘着紙用原紙10を積層することにより、図1に示
す積層構造とする。
【0018】このとき、剥離紙用原紙20としては、前
記Y/T比が0.6〜0.9であることを必要とする
が、これと共にJIS P8117に準拠した透気度
(ガーレ式透気度)が15〜50秒であるものを用いる
のがよい。この原紙の透気度は、パルプの叩解条件の調
整、キャレンダーの圧力、サイズプレス時のサイズ液の
調整等によって所望の値に設定できる。しかるに、上記
透気度が15秒未満の原紙では、紙層が粗いために緻密
なバリヤ層を形成できず、そのバリヤ性が不充分になる
結果、剥離剤層21の塗布形成時に原紙20に吸収され
る剥離剤が多くなり、もって粘着紙1の剥離性が悪化す
る。逆に該透気度が50秒を越えると、粘着シートのカ
ールが発生し易くなる。これは、透気度が50秒を越え
るような原紙を得るには、抄紙に当たってパルプの叩解
度合を著しく高めるか、キャレンダー等で紙層を強く圧
縮する必要があるが、これらの手段がいずれもカール防
止に対してマイナスに作用することによる。
【0019】バリヤ層22は、炭酸カルシウムやカオリ
ン等の体質顔料とエマルジョン形態のアクリル系樹脂を
主成分とする結合剤を含む水性塗料を、原紙20の表面
に乾燥重量で3〜30g/m2 程度となるように塗布、
乾燥することによって形成する。この水性塗料における
アクリル系樹脂の配合量は、バリヤ層22中の含有量を
既述の範囲に設定するために、全固形分中の30〜70
重量%を占める割合とすればよい。なお、上記の結合剤
としてアクリル系樹脂と共に副成分として他の樹脂成分
を併用しても差支えない。
【0020】しかして、本発明の粘着シートの製造方法
にあっては、バリヤ層22を形成する際に、前記水性塗
料における体質顔料と結合剤の各々の種類と配合量、両
者の配合比、塗布量等の調整によって、該バリヤ層22
形成後の原紙20のJISP8117に準拠した透気度
が3,000秒以上になるように設定することが推奨さ
れる。すなわち、このバリヤ層22形成後の紙の透気度
が3,000秒未満である場合、バリヤ層22はピンホ
ールが多くバリヤ性に劣るものとなっており、次の粘着
剤層21の塗布形成時に粘着剤が原紙20に吸収され易
くなるため、最終的に得られる粘着シートの剥離性が低
下する。また、この透気度は高い方がよいことから、よ
り好ましくは5,000秒以上になるように設定すべき
であり、上限は特にないが、実際上では10,000〜
20,000秒程度に設定される。
【0021】なお、上記透気度の秒数を高める手段とし
て、バリヤ層22の塗工量を非常に多くしたり、バリヤ
層22の形成後にキャレンダー加圧による平滑化処理を
施す方法もあるが、これらの手段では粘着シートの製造
コストが高く付くと共に、特に後者の平滑化処理は紙癖
に対してマイナスに作用するために好ましくない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例と対比
して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、特に断らない限り、以下に
おける部及び%はそれぞれ重量部、重量%を意味する。
【0023】実施例1 <剥離紙用原紙の製造>叩解機で処理した針葉樹パルプ
(csf:520ml)20部及び広葉樹パルプ(cs
f:480ml)80部からなるパルプスラリーに、紙
灰分が10%となるようにタルクを添加し、さらにパル
プに対し固形分比でサイズ剤(商品名:SPE/荒川化
学工業製)0.2%、硫酸バンド2.5%をそれぞれ添
加して紙料を調製したのち、長網式抄紙機を用い、抄紙
条件(ワイヤーのシェーキングの強弱調整、紙料のイン
レット吐出速度とワイヤー走行速度比等)を種々操作し
て米坪49g/m2 の剥離紙用原紙を得た。この原紙
は、JIS P8117に準拠して測定した透気度が2
0秒、Y/T比が0.72であった。
【0024】<剥離紙の作成>アクリル樹脂(商品名:
ET84/中央理化工業製)50%及びカオリン(商品
名:HTクレー/米国エンゲルハード製)50%を含む
固形分濃度45%のバリヤ層用水性塗料を調製し、この
塗料を上記の剥離紙用原紙の一方の面に、ロッドブレ−
ドコーティング方式によって乾燥後の塗布量が5g/m
2 となるように塗布、乾燥してバリヤ層を形成した。こ
のバリヤ層を形成した紙のJIS P8117に準拠し
て測定した透気度は12,000秒であった。次に、こ
のバリヤ層上にオフセットグラビアロールを用いて付加
反応型シリコーン(商品名:KS837/信越化学工業
製)を1g/m2 の割合で塗布して剥離剤層を形成する
ことにより、剥離紙を得た。
【0025】<粘着紙用原紙の製造>叩解機で処理した
針葉樹パルプ(csf:500ml)40部及び広葉樹
パルプ(csf:520ml)60部からなるパルプス
ラリーに、紙灰分が6%となるようにタルクを添加し、
さらにパルプに対し固形分比でサイズ剤(商品名:SP
E/荒川化学工業製)0.15%、硫酸バンド3.0%
をそれぞれ添加して紙料を調製したのち、長網式抄紙機
を用い、抄紙条件を種々操作して米坪52.3g/m2
の粘着紙用原紙を得た。この原紙は、JIS P811
7に準拠して測定した透気度が10秒、Y/T比が0.
65であった。
【0026】<粘着シートの作成>前記で得られた剥離
紙の剥離剤層上に、リバースコーターを用いてアクリル
系粘着剤(商品名:AQ432T/カネボウNSC製)
を乾燥後の塗布量が20g/m2 となるように塗布して
粘着剤層を形成し、更にこの粘着剤層上に前記の粘着紙
用原紙をラミネーターを介して接合し、粘着シートを得
た。
【0027】実施例2 剥離紙用原紙の製造において、針葉樹パルプの叩解度
(csf)を500ml、広葉樹パルプの叩解度を50
0mlにそれぞれ変更する共に、原紙の米坪を50g/
2 に変更した以外は、実施例1と同様にして剥離紙用
原紙を得た。この原紙は、前記透気度が20秒、Y/T
比が0.6であった。次いで、この原紙をスーパーキャ
レンダに通紙して加圧処理することにより、前記透気度
を40秒まで上げたのち、この原紙の一方の面に実施例
1と同様にしてバリヤ層及び剥離剤層を形成し、剥離紙
を得た。なお、この場合のバリヤ層形成後の紙の前記透
気度は30,000秒であった。次に、この剥離紙と、
実施例1と同様の粘着紙用原紙とを用い、実施例1と同
様にして粘着シートを作成した。
【0028】実施例3 叩解機で処理した広葉樹パルプ(csf:450ml)
100部からなるパルプスラリーに、実施例1と同様に
内添剤(タルク、サイズ剤、硫酸バンド)を添加した紙
料を調製し、実施例1と同様にして長網式抄紙機を用い
て米坪50g/m2 の剥離紙用原紙を得た。この原紙
は、前記透気度が25秒、Y/T比が0.85であっ
た。次いで、この原紙の一方の面に実施例1と同様にし
てバリヤ層及び剥離剤層を形成し、剥離紙を得た。な
お、この場合のバリヤ層形成後の紙の透気度は13,0
00秒であった。次に、この剥離紙と、実施例1と同様
の粘着紙用原紙とを用い、実施例1と同様にして粘着シ
ートを作成した。
【0029】実施例4 剥離紙用原紙として実施例1で得られた粘着紙用原紙
(透気度=10秒、Y/T比=0.65)を用い、この
原紙の一方の面に実施例1と同様にしてバリヤ層及び剥
離剤層を形成し、剥離紙を得た。なお、この場合のバリ
ヤ層形成後の紙の透気度は2,500秒であった。次
に、この剥離紙と、実施例1と同様の粘着紙用原紙とを
用い、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0030】比較例1 実施例1の剥離紙用原紙の製造において、パルプ配合、
叩解条件等は同一とし、抄紙条件のみを変更することに
より、米坪49g/m2 で透気度が25秒、Y/T比が
0.45の剥離紙用原紙を得た。次いで、この原紙の一
方の面に実施例1と同様にしてバリヤ層及び剥離剤層を
形成し、剥離紙を作成した。なお、この場合のバリヤ層
形成後の紙の透気度は15,000秒であった。次に、
この剥離紙と、実施例1と同様の粘着紙用原紙とを用
い、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
【0031】比較例2 バリヤ層形成用としてアクリル樹脂(商品名:ET84
/中央理化工業製)20%及びカオリン(商品名:HT
クレー/米国エンゲルハード製)80%を含む固形分濃
度45%の水性塗料を用いた以外は、実施例1と同様に
して剥離紙を作成した。この場合のバリヤ層形成後の紙
の前記透気度は1,000秒であった。次に、この剥離
紙と、実施例1と同様の粘着紙用原紙とを用い、実施例
1と同様にして粘着シートを作成した。
【0032】比較例3 叩解機で処理した広葉樹パルプ(csf:280ml)
30部及び広葉樹パルプ(csf:400ml)70部
からなるパルプスラリーに、実施例1と同様に内添剤
(タルク、サイズ剤、硫酸バンド)を添加した紙料を調
製し、実施例1と同様にして長網式抄紙機を用いて米坪
42g/m2 、透気度が80秒、Y/T比が0.55の
剥離紙用原紙を得た。次いで、この原紙の一方の面に、
ポリビニルアルコール(商品名:PVA117/クラレ
製)を固形分塗布量が2.5g/m 2 となるように塗布
してバリヤ層を形成し、このバリヤ層上に実施例1と同
様にして剥離剤層を形成し、剥離紙を得た。なお、この
場合のバリヤ層形成後の紙の透気度は50,000秒で
あった。次に、この剥離紙と、実施例1と同様の粘着紙
用原紙とを用い、実施例1と同様にして粘着シートを作
成した。
【0033】以上の実施例及び比較例で得られた各粘着
シートを、下記のカール及びバリア性の評価試験に供し
たところ、後記表1の結果が得られた。
【0034】〔カール評価試験〕粘着シートを温度20
℃の条件下に置き、湿度を各2時間ずつ40%RH、6
0%RH、80%RHと変化させ、カール挙動(調湿変
化)を観察する一方、粘着シートを静電複写機(商品
名:NP−6030/キャノン製)に粘着紙側の表面が
加熱ロールに接するように通紙し、通紙前後のカール挙
動(加熱カール)を観察し、次の4段階で評価した。 ◎・・・カール挙動が殆ど認められない。 ○・・・僅かなカール挙動が認められる。 △・・・カール挙動はあるが、実用上で問題ないレベル
である。 ×・・・カール挙動が大きく、実用上で支障がある。
【0035】〔バリヤ性評価試験〕剥離紙作成において
バリヤ層を形成した段階でサンプルを採取し、このサン
プルのバリヤ層表面に染料(商品名:Sudan 1V
/東京化成工業社製)0.5%を含むトルエン液を刷毛
で塗布し、5秒後にガーゼで拭き取り、サンプルの裏面
側を目視で観察して、着色したトルエン液が裏面に抜け
た状態からピンホールの程度を調べ、次の4段階で評価
した。 ◎・・・ピンホールが殆どなく、バリヤ性に優れる。 ○・・・ピンホールが少し認められるが、バリヤ性は良
好である。 △・・・ピンホールはやや多いが、実用上耐え得るバリ
ヤ性を示す。 ×・・・ピンホールが多く、バリヤ性に乏しく実用上問
題がある。
【0036】
【表1】
【0037】上表の結果から明らかなように、本発明の
粘着シートは、湿度変化及び加熱によるカールが共に少
なく、バリア層のバリア性がよいために剥離剤の使用量
を少なくしても良好な剥離性が得られ、高性能である。
これに対し、粘着紙用原紙のY/T比が低過ぎる粘着シ
ート(比較例1)では、カールを生じ易く、特に湿度変
化によるカールが著しいという難点がある。またバリヤ
層がポリビニルアルコールからなると共に粘着紙用原紙
の前記透気度が50秒を越える粘着シート(比較例3)
は、湿度変化及び加熱によるカールが共に著しいため、
実用性に乏しい。更に、バリヤ層のアクリル樹脂含有量
が少なくバリヤ層形成後の透気度が3,000秒を大き
く下回る粘着シート(比較例2)では、カールは生じに
くいが、バリア層のバリア性が悪いため、粘着紙の剥離
が重くなって使いにくいことが判る。なお、実施例4の
粘着シートは、バリヤ層形成後の透気度が3,000秒
を下回るため、バリヤ性にやや劣る。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、粘着紙及び剥
離紙の基材に原紙を使用した粘着シートとして、高湿環
境や加熱に付随したカールを生じにくく、このカールに
起因した紙癖も生じにくいため、外観的に優れると共
に、粘着シート製品の箱詰めや包装等の取扱いに支障を
きたさず、印刷機や複写機によって紙面に画像を設ける
際の機械への通紙も円滑に行え、しかも剥離剤層の剥離
剤量が少なくても粘着紙の使用に際してその剥離を軽く
容易に行え、もって該剥離剤量の低減による材料コスト
の削減及び重量軽減を図り得るものが提供される。
【0039】請求項2の発明によれば、上記の粘着シー
トとして、特に材料コストを低減し得るものが提供され
る。
【0040】請求項3の発明によれば、上記の粘着シー
トの製造方法において、よりカールを生じにくく剥離性
のよい粘着シートを確実に安価に製造できるという利点
がある。
【0041】請求項4の発明によれば、上記の粘着シー
トの製造方法において、特に剥離性に優れる粘着シート
を安価に安価に製造できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粘着シートの断面図である。
【符号の説明】
1 粘着紙 10 基材(粘着紙用原紙) 11 粘着剤層 2 剥離紙 20 基材(剥離紙用原紙) 21 剥離剤層 22 バリヤ層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の片面に粘着剤層を設けてなる粘着
    紙と、原紙の片面にバリヤ層を介して剥離剤層を設けて
    なる剥離紙とが、前記粘着剤層と剥離剤層とを接して積
    層されてなる粘着シートにおいて、 前記剥離紙側の原紙のJIS P8113に準拠して測
    定される横目の引張り強さ(Y)と縦目の引張り強さ
    (T)との比(Y/T)が0.6〜0.9であり、且つ
    前記バリヤ層が30〜70重量%のアクリル系樹脂を含
    有することを特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】 前記バリヤ層が30〜50重量%のアク
    リル系樹脂を含有してなる請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】 剥離紙用原紙の片面に、バリヤ層と剥離
    剤層と粘着剤層とを順次に塗布形成し、この粘着剤層上
    に粘着紙用原紙を積層して粘着シートとする方法におい
    て、 前記の剥離紙用原紙として、JIS P8113に準拠
    して測定される横目の引張り強さ(Y)と縦目の引張り
    強さ(T)との比(Y/T)が0.6〜0.9で、且つ
    JIS P8117に準拠した透気度が15〜50秒で
    あるものを用いると共に、 前記バリヤ層の形成に際し、アクリル系樹脂が全固形分
    中の30〜70重量%を占める水性塗料を使用し、且つ
    該バリヤ層形成後の紙のJIS P8117に準拠した
    透気度が3,000秒以上になるように設定することを
    特徴とする粘着シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 バリヤ層形成後の紙のJIS P811
    7に準拠した透気度が5,000秒以上になるように設
    定する請求項3記載の粘着シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001040301A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Nitto Denko Corp 接着シート類
JP2015175072A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 王子ホールディングス株式会社 剥離紙用原紙および剥離紙

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