JPH0931889A - 防湿紙及びその製造方法 - Google Patents

防湿紙及びその製造方法

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JPH0931889A
JPH0931889A JP19573595A JP19573595A JPH0931889A JP H0931889 A JPH0931889 A JP H0931889A JP 19573595 A JP19573595 A JP 19573595A JP 19573595 A JP19573595 A JP 19573595A JP H0931889 A JPH0931889 A JP H0931889A
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coating agent
proof
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JP19573595A
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Tadayoshi Kurebayashi
忠義 紅林
Hidenori Tanaka
秀紀 田中
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TOKAI PULP KK
Original Assignee
TOKAI PULP KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防湿性・耐熱性に優れ、医療品包装材料や食
品包装材として好適であると共に、古紙回収も可能な防
湿紙及びその製造方法を提供する。 【構成】 紙・板紙の表面に、下塗りとしてポリ塩化ビ
ニリデンを主体とするコート剤を塗布した後、上塗りと
してアクリル・スチレン系共重合物を主体とするコート
剤を塗布して、コート剤を2層コートして防湿紙を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高い防湿性の要求さ
れる分野や耐熱性が要求される加工分野に好適であり、
樹脂フィルムと紙との複合材料とは異なり、古紙パルプ
としての利用が可能で、資源保護および自然環境保護の
観点からも有用である防湿紙及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、高い防湿性が要求され
る医療品包装材料や食品包装材、農業用包装材およびス
トックフォーム用包装材向けの段ボール原紙としては、
樹脂フィルムと紙との複合材料が一般的に使用されてい
るが、この種の段ボール原紙にあっては、製造時の裁落
の処理問題や資源保護の観点から、古紙パルプとして利
用可能であることが要求される。
【0003】ところで、古紙パルプとして利用可能な医
療品包装材料や食品包装材、農業用包装材およびストッ
クフォーム用包装材向け段ボール原紙の性能としては、
例えば、透湿度100g/m2 /24時間以下の防湿性
能を有する防湿紙が要求されているが、従来の段ボール
等に使用される古紙パルプとして使用可能で、かつ、防
湿性能に優れた防湿紙としては、例えば、本出願人が先
に提案した防湿紙(特開平5−25796号)がある。
【0004】この先の出願(特開平5−25796号)
に係る防湿紙は、アクリル・スチレン系共重合物を主体
としたコート剤により表面処理が施されており、段ボー
ル製造工程の熱に十分耐えることのできる250℃の耐
熱性を有しているが、防湿性は、アクリル・スチレン系
共重合物を主体としたコート剤を、例えば、25g/m
2 以上を塗布した場合であっても、透湿度300g/m
2 /24時間程度であり、透湿度100g/m2 /24
時間以下を必要とする医療品包装材料や食品包装材、農
業用包装材およびストックフォーム用包装材向けの段ボ
ール原紙としては不向きである、という防湿性能面上の
問題を有していた。
【0005】一方、透湿度が100g/m2 /24時間
以下とすることができる防湿紙の製造方法としては、ポ
リ塩化ビニリデンを主体とするコート剤を2度塗りした
ものや、ワックスを含む合成樹脂を主体とするコート剤
を紙や板紙等の表面に塗布したものが公知である。
【0006】しかしながら、ポリ塩化ビニリデンを主体
とするコート剤を塗布したものの場合には、防湿性能に
関しては十分な機能を認めることはできるが、耐熱性能
が100℃程度と低く、コート面が約180℃の熱板に
直接触れながら通過する工程がある段ボール製造には適
用することができない、という致命的な欠点を有してい
た。
【0007】また、上記従来のワックスを含む合成樹脂
を主体とするコート剤を塗布した防湿紙にあっては、防
湿性能は満足できる性能を得られるが、耐熱性はポリ塩
化ビニリデンを主体とするコート剤と同様であり、か
つ、段ボールの製函工程での糊の接着性が悪く、しか
も、非常に滑りやすいため、段ボール用原紙として用い
ることができない、という問題点を有していた。
【0008】この発明は、かかる現状を鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、高度な防湿性
が必要とされる医療品包装材料や食品包装材、農業用包
装材およびストックフォーム用包装材向けの包装資源と
して特に有用であり、しかも、耐熱性に優れ、古紙パル
プとしての利用が可能な防湿紙およびその製造方法を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る防湿紙にあっては、アンダーコート
剤としてポリ塩化ビニリデンを主体とするコート剤を紙
・板紙表面に塗布し、トップコート剤としてアクリル・
スチレン系共重合物を主体とするコート剤を上記アンダ
ーコート剤の表面に塗布して、紙・板紙表面に2層のコ
ート層が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】この発明において、上記アンダーコート剤
としてのポリ塩化ビニリデンを主体とするコート剤は、
乾燥後における固形分が3g/m2 以上となるように紙
・板紙表面に塗布されるのが望ましい。固形分3g/m
2 未満では、紙表面の凹凸の影響を受け十分な皮膜が形
成されずピンホールが多量に発生すると共に、目的とす
る透湿度100g/m2 /24時間以下を達成すること
ができない。また、固形分20g/m2 を超える塗布量
では、乾燥時のエネルギー損失や塗工速度の低下など操
業性を原因とした品質の不安定化を招き、大幅なコスト
アップに繋がる。従って、実用上、固形分3〜20g/
2 の範囲で塗布することが望ましい。
【0011】ポリ塩化ビニリデン樹脂は、透明で全く吸
水性がなく、難燃性であると共に、耐薬品性が非常に強
く、結晶性に優れるという特性を有する。尚、本発明に
おいては、このポリ塩化ビニリデン樹脂をエマルジョン
化したコート剤として使用した。
【0012】ポリ塩化ビニリデン樹脂は、塩化ビニリデ
ン単量体を主体として多種のビニル化合物(塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリス酸エステ
ル、アリルエステル、不飽和エーテル或はスチレン等)
の1種または2種以上との共重合物である。
【0013】また、上記トップコート剤としてのアクリ
ル・スチレン系共重合物を主体とするコート剤は、乾燥
後の固形分が2g/m2 以上となるように塗布されるの
が望ましい。本発明において、このトップコート剤は、
コート層の耐熱性向上を目的としても用いられる。従っ
て、塗布量が固形分2g/m2 未満では、塗工面の凹凸
の影響を受けて形成された皮膜に厚薄が生じ、十分な耐
熱性能が発揮されない。また、ポリ塩化ビニリデンを主
体とするコート剤と2層になることで向上する防湿効果
も、2g/m2 未満では性能向上に寄与する為の皮膜形
成が不十分であるため、100g/m2 /24時間以下
の透湿度を得ることができなくなる。
【0014】この発明において、アクリル・スチレン系
共重合物を主体とするコート剤を塗布したコート面は、
防湿性・防水性・撥水性・防滑性・耐熱性・耐湿ブロッ
キング性(40℃、90%RH)・塗布面の印刷性(水
性フレキソ印刷)・酢酸ビニルエマルジョン系接着剤で
の接着可能性・易離解性等の特性を有する。
【0015】アクリル・スチレン系共重合物は、各種の
アクリル系単量体及び種々のスチレン系単量体から選択
された1種または2種以上による共重合体である。アク
リル系は、特に皮膜に強靭性と造膜性を付与し、また、
スチレン系は、耐熱性を付与する。アクリル系単量体と
しては、アクリル酸の他、アクリル酸γ−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリルなどが用
いられ、また、スチレン系単量体としては、スチレンの
他にα又はβメチルスチレンやα又はβエチルスチレン
などが用いられる。
【0016】このように、アンダーコート剤としてポリ
塩化ビニリデンを主体とするコート剤を用い、トップコ
ート剤としてアクリル・スチレン系共重合物を主体とす
るコート剤を用いてコート層を2層とすることで、透湿
度が100g/m2 /24時間という高度な防湿性能を
得ることができる。この高い防湿性能は、医療品包装材
料や食品包装材、農業包装材、ストックフォーム包装材
等に要求される防湿性能を十分クリアするものである。
さらに、段ボール製造での約180℃の熱板を通過する
加工工程でも、コート面の融着が生じない250℃の耐
熱性が得られるので操業トラブルが起こらない。さら
に、本発明に係る防湿紙は、強靭な皮膜ではあるが古紙
としての離解工程等におけるストレス等により容易に離
解するという大きな特徴を有する。
【0017】尚、この発明において、アンダーコート剤
やトップコート剤を塗布する各手段は、公知の各種塗工
手段を適用することができるが、例えば、エアナイフや
ロッドコータ等の一般的な公知の塗工手段を用いれば十
分であり、特殊な塗工技術を必要としないので、低コス
トで製造することができる。
【0018】しかし、この発明において重要なことは、
アンダーコート剤を塗布した後、トップコート剤を塗布
する前にアンダーコート層を完全に乾燥させることが必
要である。乾燥が不十分であると、ポリ塩化ビニリデン
を主体とするコート層の皮膜が十分に形成されず、透湿
度100g/m2 /24時間以下の防湿性能が得られな
い。また、乾燥温度の条件は、コート剤の最低成膜温度
以上であれば特に制限はない。
【0019】従って、この発明に係る防湿紙を得るため
には、紙・板紙の表面に、アンダーコート剤としてポリ
塩化ビニリデンを主体とするコート剤を塗布し、最低成
膜温度以上で完全に乾燥させた後、トップコート剤とし
てアクリル・スチレン系共重合物を主体とするコート剤
を上記アンダーコート剤の表面に塗布し乾燥させて、2
層のコート層を形成することで、防湿性能及び耐熱性に
優れた防湿紙を得ることができる。
【0020】具体的には、紙・板紙の表面に、アンダー
コート剤としてポリ塩化ビニリデンを主体とするコート
剤を乾燥後の固形分が3.0g/m2 となるように塗布
し、これを最低成膜温度以上で強制的に乾燥させた後、
トップコート剤としてアクリル・スチレン系共重合物を
主体としたコート剤を、上記乾燥が終了したアンダーコ
ート層の上に乾燥後の固形分で2.0g/m2 となるよ
うに塗布し、これを強制的に乾燥させることで得ること
ができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る防
湿紙は、紙・板紙の表面にアンダーコート剤としてポリ
塩化ビニリデンを主体とするコート剤を下塗りし、トッ
プコート剤としてアクリル・スチレン系共重合物を主体
とするコート剤を上塗りしてなる2層コート構造である
ため、非常に優れた防湿性能を持つ。また、トップコー
ト剤としてアクリル・スチレン系共重合物を主体とする
耐熱性に優れたコート剤を用いたので、例えば、この発
明に係る防湿紙を段ボールに成形加工する工程において
コート面に直接触れる約180℃の熱板を通過しても、
該トップコート塗工膜が熱板に融着することがないの
で、工程トラブルを起こさない。
【0022】特に、高度な防湿性が要求され、従来の樹
脂フィルムと紙との複合材料を使用していた医療品包装
材料や食品包装材、農業包装材、ストックフォーム包装
材向けの段ボール原紙との代替として好適である。
【0023】しかも、本発明の防湿紙を使用して作製し
た段ボール箱は、古紙パルプとして再利用することが可
能であるため、資源保護・自然環境保護に優れた効果が
期待できる。
【0024】以下、この発明の実施例を説明する。尚、
以下の各実施例における各性能評価は、次の試験方法に
より求めた。 防湿性:JIS Z 0208 防湿包装材料試験方法(カップ法)に準拠し 透湿度として評価。 吸水度:JIS P 8140 紙及び板紙の吸水度試験方法(コップ法)に 準拠(接触時間20分)。 耐熱性:段ボール加工を想定してアルミ箔と塗工面との融着温度を測定した。 融着温度は、アルミ箔に紙面が融着し、剥す時に紙面の破壊が起こっ た時点の温度とした。テスター産業社製ヒートシールテスターを使用 し、ゲージ圧1.5kg/m2 で熱プレスを5分間行って求めた。 撥水度:JIS P 8137 紙及び板紙の撥水度試験方法に準拠。 耐油度:TAPPI RC 338 撥油性の試験方法(キット法)に準拠。 キット試薬を16級まで拡張した方法を使用。 滑り角度:JIS P 8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法(傾斜法) に準拠。 古紙回収性:JIS P 8209 パルプ試験用手抄き紙調整方法に示され (離解性) ている標準離解機(TAPPI標準離解機を使用:3000rp m)を用い、常温の水道水に約2cm角の古紙をパルプ濃度3% となる量を加えて、20分間離解を行った後、手抄きシートを作 製して、目視で離解状態を観察して判断した。
【0025】
【実施例1】原紙にはKライナー(坪量220g/m
2 )を使用した。アンダーコート剤はポリ塩化ビニリデ
ンを主体としたコート剤を使用し、メイヤーバーを用い
た手塗りにより乾燥後の固形分が7.0g/m2 となる
ように塗布し、手早く熱風循環型乾燥機に投入して13
0℃,30秒の条件で乾燥させた。
【0026】次に、トップコート剤としてアクリル・ス
チレン系共重合物を主体としたコート剤を使用した。メ
イヤーバーを用いた手塗りにより、アンダーコート層の
上に乾燥後の固形分で7.0g/m2 となるように塗布
した。
【0027】トップコート剤を塗布後、手早く熱風循環
型乾燥機に投入して130℃,30秒の条件で乾燥させ
て防湿紙Aを得た。
【0028】さらに、上記防湿紙Aと同じ原紙であるK
ライナー(坪量220g/m2 )を使用し、コート剤の
構成を変えた防湿紙B乃至Eを作製した。
【0029】先ず、防湿紙Bは、アンダーコート剤とし
てポリ塩化ビニリデンを主体としたコート剤を使用し、
メイヤーバーを用いた手塗りにより乾燥後の固形分が
7.0g/m2 となるように塗布し、手早く熱風循環型
乾燥機に投入して130℃,30秒の条件で乾燥させ、
また、トップコート剤として、アンダーコート剤と同じ
コート剤を使用し、メイヤーバーを用いた手塗りにより
乾燥後の固形分が7.0g/m2 となるようにアンダー
コート層の上に塗布し、手早く熱風循環型乾燥機に投入
して130℃,30秒の条件で乾燥させて作製した。
【0030】次に、防湿紙Cは、アンダーコート剤とし
てアクリル・スチレン系共重合物を主体としたコート剤
を使用し、メイヤーバーを用いた手塗りにより乾燥後の
固形分が7.0g/m2 となるように塗布し、手早く熱
風循環型乾燥機に投入して130℃,30秒の条件で乾
燥させ、また、トップコート剤として、アンダーコート
剤と同じコート剤であるアクリル・スチレン系共重合物
を主体としたコート剤を使用し、メイヤーバーを用いた
手塗りにより乾燥後の固形分が7.0g/m2となるよ
うにアンダーコート層の上に塗布し、手早く熱風循環型
乾燥機に投入して130℃,30秒の条件で乾燥させて
作製した。
【0031】また、防湿紙Dは、コート剤としてポリ塩
化ビニリデンを主体としたコート剤を使用し、メイヤー
バーを用いた手塗りにより乾燥後の固形分が14.0g
/m2 となるように塗布し、手早く熱風循環型乾燥機に
投入して130℃,30秒の条件で乾燥させて作製し
た。
【0032】さらに、防湿紙Eは、コート剤としてアク
リル・スチレン系共重合物を主体としたコート剤を使用
し、メイヤーバーを用いた手塗りにより乾燥後の固形分
が14.0g/m2 となるように塗布し、手早く熱風循
環型乾燥機に投入して130℃,30秒の条件で乾燥さ
せて作製した。
【0033】上記実施例1は、コート剤の塗布総量を1
4.0g/m2 に固定して、塗布量当たりの性能を比較
したものである。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1からも明らかなように、本実施例に係
る防湿紙Aは、透湿度が30g/m2 /24時間と防湿
性に優れ、かつ、耐熱性も250℃と非常に優秀な性能
を有していることが解る。
【0036】これに対して、防湿紙Bは耐熱性が100
℃で防湿紙Aよりも劣っており、また、防湿紙Cは透湿
度が350g/m2 /24時間で防湿紙Aよりも低い。
さらに、防湿紙Dは、透湿度が200g/m2 /24時
間で、かつ、耐熱性が100℃と防湿紙Aの透湿度及び
耐熱性と比較してともに劣っており、防湿紙Eは、透湿
度が400g/m2 /24時間と防湿紙Aと比較して非
常に劣っていた。
【0037】
【実施例2】次に、アンダーコート層の塗布量の違いに
よる防湿性能の比較を行った。
【0038】原紙にはKライナー(坪量220g/m
2 )を使用した。アンダーコート剤はポリ塩化ビニリデ
ンを主体としたコート剤を使用し、メイヤーバーを用い
た手塗りにより乾燥後の固形分が5.0g/m2 ,3.
0g/m2 ,2.0g/m2 となるように塗布して3種
類のサンプルを作製した。
【0039】このように作製した3種類のサンプルは、
アンダーコート剤を塗布した後、手早く熱風循環型乾燥
機に投入して130℃,30秒の条件で乾燥させた。
【0040】次に、トップコート剤としてアクリル・ス
チレン系共重合物を主体としたコート剤を使用し、メイ
ヤーバーを用いた手塗りによりアンダーコート層の上に
乾燥後の固形分で7.0g/m2 となるように塗布した
後、手早く熱風循環型乾燥機に投入して130℃,30
秒の条件で乾燥させて防湿紙F,G,Hを得て、アンダ
ーコート層の塗布量の違いによる透湿度の比較を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2からも明らかなように、アンダーコー
ト層が3.0g/m2 に達していない防湿紙Hは、透湿
度が200g/m2 /24時間で十分な防湿性能が得ら
れていないことが解る。
【0043】これに対して、アンダーコート層が3.0
g/m2 以上である防湿紙FおよびGは、透湿度が10
0g/m2 /24時間以下の防湿性能を持つことから、
本発明では、アンダーコート層は3.0g/m2 以上に
設定する必要がある。
【0044】
【実施例3】次に、トップコート層の塗布量の違いによ
る防湿性能および耐熱性能の比較を行った。
【0045】原紙にはKライナー(坪量220g/m
2 )を使用した。アンダーコート剤はポリ塩化ビニリデ
ンを主体としたコート剤を使用し、メイヤーバーを用い
た手塗りにより乾燥後の固形分が7.0g/m2 となる
ように塗布し、手早く熱風循環型乾燥機に投入して13
0℃,30秒の条件で乾燥させ、また、トップコート剤
として、アクリル・スチレン系共重合物を主体としたコ
ート剤を使用し、メイヤーバーを用いた手塗りにより、
アンダーコート層の上に乾燥後の固形分で3.0g/m
2 ,2.0g/m2 ,1.5g/m2 となるように塗布
し、手早く熱風循環型乾燥機に投入して130℃,30
秒の条件で乾燥させて3種類のサンプル防湿紙I,J,
Kを作製して防湿性能および耐熱性能の比較を行った。
その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3からも明らかなように、トップコート
層が2.0g/m2 に達していない防湿紙Kの透湿度は
150g/m2 /24時間で、かつ、耐熱性が150℃
と十分な防湿性能と耐熱性能が得られなかった。
【0048】これに対して、トップコート層が2.0g
/m2 以上である防湿紙I,Jは、透湿度は100g/
2 /24時間以下の防湿性能が得られ、かつ、耐熱性
が250℃と十分な耐熱性能が得られた。このことか
ら、この発明では、トップコート層は2.0g/m2
上とする必要がある。
【0049】
【実施例4】次に、アンダーコート層の乾燥条件の違い
による防湿性能の比較を行った。
【0050】原紙にはKライナー(坪量220g/m
2 )を使用した。アンダーコート剤はポリ塩化ビニリデ
ンを主体としたコート剤を使用し、メイヤーバーを用い
た手塗りにより乾燥後の固形分が7.0g/m2 となる
ように塗布し、次の3条件で乾燥させ、また、トップコ
ート剤として、アクリル・スチレン系共重合物を主体と
したコート剤を使用し、メイヤーバーを用いた手塗りに
より、アンダーコート層の上に乾燥後の固形分で7.0
g/m2 となるように塗布し、手早く熱風循環型乾燥機
に投入して130℃,30秒の条件で乾燥させて次の3
種類のサンプル防湿紙L,M,Nを得た。
【0051】この3種類のサンプル防湿紙L,M,Nの
アンダーコート層の乾燥条件は、以下の通りである。 防湿紙L:アンダーコート剤を塗布後、手早く熱風循環
型の乾燥機に投入し130℃,30秒の乾燥を行った
後、トップコート剤を塗布した。 防湿紙M:アンダーコート剤を塗布し、最低成膜温度以
下)にて1分間自然乾燥した後、トップコート剤を塗布
した。 防湿紙N:アンダーコート剤を塗布し乾燥を全く行わ
ず、間を置かずにトップコート剤を塗布した。
【0052】このような乾燥条件で得られた防湿紙L,
M,Nの防湿性能を比較した。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4からも明らかなように、最低成膜温度
以上で乾燥を行いアンダーコート層の皮膜が完全に形成
された後でトップコート剤を塗布した防湿紙Lは、防湿
紙M及びNよりも良好な防湿性能を示した。このことか
ら、本発明では、アンダーコート剤の塗布条件として、
最低成膜温度以上で乾燥を行った後、トップコート剤を
塗布する必要がある。
【0055】
【実施例5】次に、塗工機としてロッドコータを用い、
塗工速度50m/分で塗工を行い、アーチドライヤーで
乾燥して防湿紙Pを得て、透湿度・吸水度・耐熱性・撥
水度・耐油度・滑り角度・離解性の7性能評価を行っ
た。
【0056】尚、この防湿紙Pは、アンダーコート剤と
してポリ塩化ビニリデンを主体としたコート剤を固形分
7.0g/m2 となるように塗布し、120℃のアーチ
ドライヤーを経て乾燥後、同様の塗工速度でロッドコー
タによりアクリル・スチレン系共重合物を主体とするコ
ート剤を固形分で5.5g/m2 となるように塗布して
得た。
【0057】このようにして得た防湿紙Pの7性能評価
を表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】表5からも明らかなように、この実機で作
製された防湿紙Pは、前記実施例1で作製された防湿紙
Aとほぼ同様な性能が得られた。
【0060】また、この実施例5で作製された防湿紙P
で段ボールシートの実機作製を行ったところ、コート層
の溶着等の段ボール製造工程におけるトラブルは起こら
なかった。
【0061】さらに、上記段ボールシートを箱にする製
函テストも実機で行ったところ、該製函工程におけるト
ラブルも起こらず、また、製函時の糊の接着性の問題も
生じなかった。製函後の防湿紙Pの性能を表5に示す。
【0062】以上の各実施例からも解るように、本発明
に係る防湿紙は、防湿性も耐熱性も共に良好であり、ア
ンダーコート剤としてのポリ塩化ビニリデンを主体とす
るコート剤は3g/m2 以上、望ましくは3〜20g/
2 の範囲内で塗工するのが最適である。また、良好な
耐熱性を得るためには、トップコート剤としてアクリル
・スチレン系共重合物を主体とするコート剤を、2g/
2 以上塗布するのが望ましい。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンダーコート剤としてポリ塩化ビニリ
    デンを主体とするコート剤を紙・板紙表面に塗布し、ト
    ップコート剤としてアクリル・スチレン系共重合物を主
    体とするコート剤を上記アンダーコート剤の表面に塗布
    して、紙・板紙表面に2層のコート層を形成したことを
    特徴とする防湿紙。
  2. 【請求項2】 前記ポリ塩化ビニリデンを主体とするコ
    ート剤は、固形分3g/m2 以上が紙・板紙表面に塗布
    されていることを特徴とする請求項1に記載の防湿紙。
  3. 【請求項3】 前記アクリル・スチレン系共重合物を主
    体とするコート剤は、2g/m2 以上が紙・板紙表面に
    塗布されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2のいずれかに記載の防湿紙。
  4. 【請求項4】 前記紙・板紙は、段ボール原紙であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の防湿紙。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    された防湿紙の防湿性能は、透湿度が100g/m2
    24時間以下であり、かつ、耐熱性が段ボール加工可能
    な性能を有して構成されてなる防湿紙。
  6. 【請求項6】 紙・板紙の表面に、アンダーコート剤と
    してポリ塩化ビニリデンを主体とするコート剤を塗布し
    最低成膜温度以上で乾燥させた後、トップコート剤とし
    てアクリル・スチレン系共重合物を主体とするコート剤
    を上記アンダーコート剤の表面に塗布し乾燥させて、2
    層のコート層を形成することを特徴とする防湿紙の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 紙・板紙の表面に、アンダーコート剤と
    してポリ塩化ビニリデンを主体とするコート剤を乾燥後
    の固形分が3.0g/m2 となるように塗布し、これを
    最低成膜温度以上で強制的に乾燥させた後、トップコー
    ト剤としてアクリル・スチレン系共重合物を主体とした
    コート剤を、上記乾燥が終了したアンダーコート層の上
    に乾燥後の固形分で2.0g/m2 となるように塗布
    し、これを強制的に乾燥させて2層のコート層を形成す
    ることを特徴とする請求項6に記載の防湿紙の製造方
    法。
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