JP2000248491A - 印刷用耐水紙 - Google Patents

印刷用耐水紙

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JP2000248491A
JP2000248491A JP11050381A JP5038199A JP2000248491A JP 2000248491 A JP2000248491 A JP 2000248491A JP 11050381 A JP11050381 A JP 11050381A JP 5038199 A JP5038199 A JP 5038199A JP 2000248491 A JP2000248491 A JP 2000248491A
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Nanae Okazaki
七重 岡崎
Kenichi Okaburo
兼一 岡風呂
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高度な耐水性を有し、耐ブロッキング性に優
れ、印刷適性、印刷加工適性を有するものであり、かつ
離解性のある印刷用耐水紙を提供する。 【解決手段】コア/シェル構造を有するアクリル系ポリ
マーエマルジョンを塗工してなる塗工層を有することを
特徴とする印刷用耐水紙。好ましくはコア/シェル構造
を有するアクリル系ポリマーエマルジョンが、コア部に
アクリル酸エステルモノマーを主成分とし、シェル部に
スチレンモノマーを含有するコポリマーであり、また、
0〜30℃のガラス転移点を有することを特徴とする。
さらに、好ましくは塗工層が、水との接触角として80
〜90°である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用耐水紙に関
するものであり、さらに詳しくは、高度な耐水性を有
し、耐ブロッキング性に優れ、印刷適性、印刷加工適性
を有するものであり、かつ離解性のある印刷用耐水紙に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙に高度な耐水性を付与するため
には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの耐水性、防
湿性の優れた熱可塑性樹脂を積層加工する、いわゆるラ
ミネート加工を行う方法が一般的であった。しかしなが
ら、環境保護の観点からリサイクル性の高い紙が要望さ
れているなか、ラミネート加工紙の離解性は極めて不良
であり、再生原料としての回収は困難である。また、こ
のような熱可塑性樹脂からなるラミネート層は、非吸収
性の材料のために印刷用インクの受理性が悪く、十分な
印刷適性を付与するためには、新たに印刷受理層を設け
るなどの工夫が必要である。
【0003】一方、ラミネート加工を行わずに耐水性を
付与する方法として、ワックスに合成高分子をブレンド
した塗工層を有する塗工紙(例えば、特公平3−580
00号公報においては、合成ゴム系ラテックスとワック
ス系エマルジョンから構成されている塗工層を積層した
シート状物が開示されている。)が数多く開示されてい
る。
【0004】このような塗工紙における、ワックス系エ
マルジョンをブレンドした塗工層は、耐水性や防湿性を
付与する効果が高いことは知られているが、塗工紙の離
解性は依然として不十分であり、使用済みの紙を再生原
料として利用することは困難である。さらに、ワックス
は塗工層表面にマイグレートし易く、塗工層表面の印刷
インクとの接着性が低下することから、高度な印刷適性
を必要とする用途には向かない。
【0005】これに対して、アクリル系エマルジョンを
塗工することにより耐水性を付与した易離解紙について
も開示されている。例えば、特開平5−25796号公
報では、ライナの表面にスチレン・アクリル共重合物を
主体とするコート材により、表面処理が施されてなる易
離解性・防湿・防水性紙が開示されている。同公報で
は、段ボールシートへの防湿・防水性の付与を目的とし
ていることから、防水性の程度は比較的低く、さらに印
刷適性については考慮されていない。
【0006】また、特開平9−111693号公報にお
いては、ガラス転移温度が10〜28℃のアクリル系樹
脂のエマルジョン塗工液を塗工し、加熱乾燥して得られ
るもので、耐ブロッキング性が良好で、再生可能な耐水
耐油紙が記載されている。この耐水耐油紙は、易離解性
であり、高度な耐水性を有するものの、バリア性を向上
し、高い耐水性を得るために、ガラス転移点は比較的低
いポリマーを使用している。従って、加湿下や高温、巻
き取り径の大きくなった場合のようなブロッキングの生
じやすい条件でこのようなポリマーを使用した場合、ブ
ロッキングを生じる可能性が高い。
【0007】このように、通常のアクリル系エマルジョ
ンを用いた場合、耐ブロッキング性を重視して、ガラス
転移点の高いエマルジョンを選択すると、十分な膜形成
が不可能となり、高度な耐水性を得ることができない。
反対に、耐水性を重視し、ガラス転移点の低いエマルジ
ョンを選択すると、膜自体が柔軟となり、膜同士あるい
は他媒体とのブロッキングが生じやすくなり、本発明の
目指す高度な耐水性と耐ブロッキング性のバランスを得
ることは困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決することを目的とするものであり、高度な耐水
性を有し、耐ブロッキング性に優れ、印刷適性、印刷加
工適性を有するものであり、かつ離解性のある印刷用耐
水紙を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、以下の発明によりこれらの問題
点を解決できることを見いだした。
【0010】即ち、本発明の印刷用耐水紙は、コア/シ
ェル構造を有するアクリル系ポリマーエマルジョンを塗
工してなる塗工層を有することを特徴とするものであ
る。
【0011】また、本発明において、コア/シェル構造
を有するアクリル系ポリマーエマルジョンは、コア部に
アクリル酸エステルモノマーを主成分とし、シェル部に
スチレンモノマーを含有するコポリマーであることが好
ましい。
【0012】また、本発明において、好ましくはコア/
シェル構造を有するアクリル系ポリマーエマルジョン
は、0〜30℃のガラス転移点を有することを特徴とす
る。
【0013】さらに、本発明の印刷用耐水紙における塗
工層は、該塗工層の水との接触角が80〜90°である
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の印刷用耐水紙につ
いて詳細に説明する。
【0015】本発明において、使用することのできるア
クリル系ポリマーエマルジョンは、防水性、耐ブロッキ
ング性の特徴を有するものである。具体的には、各種ア
クリル酸エステルと各種モノマーを共重合したアクリル
酸エステルコポリマーである。アクリル酸エステルコポ
リマーは各種モノマーとの組み合わせにより、被膜を硬
くも柔らかくも調整が可能である。しかしながら、均一
成分のアクリル系ポリマーエマルジョンを塗工した場
合、本発明が目指す、高度な耐水性と耐ブロッキング性
のバランスを得ることは困難であった。
【0016】一方、コア/シェル構造を有するアクリル
系ポリマーエマルジョンとは、エマルジョン粒子の中心
部分(コア部)と外殻部分(シェル部)が異なったポリ
マーで形成されたエマルジョンである。このようなエマ
ルジョンは、ある種のポリマーをシードとし、それとは
性質の異なるモノマーを添加して重合を行うシード乳化
重合法によって調整される。この種のエマルジョンは、
均一構造のエマルジョンでは得られない特性の付与が可
能である。
【0017】具体的には、コア部が軟質成分、シェル部
が硬質成分で形成されたコア/シェルエマルジョンは、
硬質成分のみからなるエマルジョン、軟質成分のみから
なるエマルジョン、あるいは同一成分比の共重合エマル
ジョンやブレンドポリマーと異なり、例えば、強靭性を
比較すれば、引っ張り強さが高く、かつ破断伸び率の大
きく、温度の影響を受けにくいという特徴を有するとい
った優れた特性を有することが可能である。
【0018】本発明者らが、鋭意検討した結果、このよ
うなコア/シェル構造を有する各種アクリル酸エステル
コポリマーからなるポリマーエマルジョンを基紙に塗工
することで、本発明の目的とする、高度な耐水性と耐ブ
ロッキング性のバランスを得ることが可能となった。
【0019】また、柔軟なコア成分が流動性を付与する
ため、膜形成が容易となり、高い耐水性が得られる。一
方、硬質成分が膜に均一に配置することによって、係る
膜がそれ自身あるいは他の媒体とブロッキングすること
を防止することが可能である。
【0020】このようなコア/シェル構造を有するアク
リル系ポリマーエマルジョンにおいて、硬質成分を成す
単量体としては、メタクリル酸メチル、スチレン、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、メタクリル酸、マレイン
酸、アクリル酸などが適当である。ガラス転移温度が比
較的低く軟質成分を成す単量体としては、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、エ
チレン、塩化ビニリデンなどが適当である。
【0021】本発明において、コア/シェル構造を有す
るアクリル系ポリマーエマルジョンは、コア部にアクリ
ル酸エステルモノマーを主成分とし、シェル部にスチレ
ンモノマーを含有することを特徴とするコポリマーを用
いることが好ましい。シェル部にスチレンモノマーを含
有することを特徴とするコポリマーを用いることで、巻
きとりのブロッキングを効果的に抑制することが可能で
ある。
【0022】また、本発明において、コア/シェル構造
を有するアクリル系ポリマーエマルジョンのガラス転移
点は0〜30℃の範囲であることが好ましい。ここで、
ガラス転移点が0℃以下の場合、耐水性は十分である
が、ブロッキングが発生し易くなる。また、ガラス転移
点が30℃以上の場合、皮膜が硬くなり易く、ブロッキ
ングは発生し難いが、耐水性が不十分となる可能性があ
る。尚、本発明における、コア/シェル構造のエマルジ
ョンのガラス転移点(Tg)とは、コア部とシェル部の
平均Tgとする。
【0023】続いて、本発明に用いられる紙基材として
は、特に限定されるものではないが、セルロースパルプ
を原料として、公知の湿式抄紙機において抄紙されて得
られる紙シートであり、広葉樹、針葉樹などの晒クラフ
トパルプ、GP、RGP、TMPなどの機械パルプ、バ
ガス、ケナフなどの非木材パルプを原料として用い、公
知の長網多筒型抄紙機、オントップワイヤー型抄紙機、
ハイブリッド型抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機、丸網抄
紙機などで抄紙される、上質紙、中質紙、クラフト紙な
どの、酸性紙、中性紙、アルカリ性紙を含むものであ
る。原紙中には、用途にあわせ紙力増強剤、サイズ剤、
填料、歩留まり向上剤などの抄紙補助薬品が含まれる。
また、A1、A2、A3などの顔料を塗工したコート紙
を原紙として使用してもよい。
【0024】塗工層を塗工するための塗工装置として
は、特に限定されるものではないが、エアナイフコータ
ー、バーコーター、ロールコーター、ブレードコータ
ー、フィルムトランスファー型コーター、ゲートロール
コーターなどから任意に選択することができる。
【0025】また、本発明において、コア/シェル構造
を有するアクリル系ポリマーエマルジョンを塗工してな
る塗工層を有する印刷用耐水紙において、塗工層の水と
の接触角は80〜90°であることが好ましい。ここ
で、接触角が80°以下の場合、高度な耐水性が得られ
ず、また、90°以上の場合、印刷インクとの馴染みが
不良となり良好な印刷物を得ることが困難となる。
【0026】
【実施例】以下に本発明に係る、印刷用耐水紙を実施例
を以て、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施
例により限定されるものではない。尚、実施例において
用いた評価方法について以下に記載する。
【0027】<耐水性>印刷用耐水紙試験片に純水5c
cを滴下し、24時間放置後、試験片の状態を以下の基
準により判定した。△以上であることが実用上望まし
い。 ◎ 水の浸透が無く、耐水紙の形態も全く変化していな
い。 ○ 水の浸透が若干あるが、耐水紙の形態は変化しな
い。 × 水が浸透し、耐水紙は変形する。
【0028】<耐ブロッキング性>5cm四方に断裁し
た印刷用耐水紙を、2枚で塗工面同士を重ね合わせて接
触させる、あるいは印刷用耐水紙とA3コート紙を重ね
合わせて接触させ、各々400kg/cm2で30分間荷重
をかけた後の紙の接着状態を以下の基準により判定し
た。実用上、△以上であることが実用上望ましい。 ◎ 圧着面は容易にはがれる。 ○ 圧着面がはがれるとき、耐水紙あるいはA3コート
紙の表面が荒れる。 × 圧着面がはがれず、耐水紙あるいはA3コート紙が
破壊する。
【0029】<離解性>1cm四方に切った耐水紙を水
に2%となる量を加えて、JIS P 8209(19
76)パルプ試験用手抄き紙調製方法に示されている標
準離解機(Tappi標準離解機)を用いて15分間撹
拌後、内容物を取り出し、このスラリーを用いて手抄き
紙を作成し、得られたシートを105℃のシリンダード
ライヤーにて乾燥後、目視で乾燥シート中の未離解物の
有無を調べて、以下の基準で離解性の評価を行った。 ○ シート中に未離解物が含まれない。 × シート中に未離解物が含まれている。
【0030】実施例1 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、ガラス転移点(Tg)が
15℃であり、コアシェル構造を有し、シェル部にスチ
レンモノマーを含むアクリル系ポリマーエマルジョン
(平成テクノ(株)製:HT−218)をエアーナイフ
コーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾燥
後、カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0031】実施例2 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが0℃であり、コア
シェル構造を有し、シェル部にスチレンモノマーを含む
アクリル系ポリマーエマルジョン(ジョンソンポリマー
(株)製:ジョンクリル−711)をエアーナイフコー
ターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾燥後、
カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0032】実施例3 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが−10℃であり、
コアシェル構造を有し、シェル部にスチレンモノマーを
含むアクリル系ポリマーエマルジョン(ジョンソンポリ
マー(株)製:ジョンクリル−7100)をエアーナイ
フコーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾
燥後、カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0033】実施例4 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが56℃であり、コ
アシェル構造を有し、シェル部にスチレンモノマーを含
むアクリル系ポリマーエマルジョン(ジョンソンポリマ
ー(株)製:ジョンクリル−352)をエアーナイフコ
ーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾燥
後、カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0034】実施例5 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが15℃であり、コ
アシェル構造を有し、シェル部にスチレンモノマーを含
まないアクリル系ポリマーエマルジョン(ジョンソンポ
リマー(株)製:ジョンクリル−741)をエアーナイ
フコーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾
燥後、カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0035】比較例1 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが15℃であり、ワ
ックスを添加したアクリル系エマルジョンをエアーナイ
フコーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾
燥後、カレンダーを通し印刷用耐水紙を得た。
【0036】比較例2 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが15℃であり、ア
ニオン性界面活性剤乳化重合アクリル系エマルジョン
(平成テクノ(株)製:HT−102)をエアーナイフ
コーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾燥
後、カレンダーを通し印刷用耐水紙を得た。
【0037】比較例3 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、Tgが15℃であり、保
護コロイドを使用したアクリル系エマルジョン(平成テ
クノ(株)製:HT−141)をエアーナイフコーター
にて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾燥後、カレ
ンダーを通し印刷用耐水紙を得た。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1〜5と比較例1の結果より明らか
なように、ワックスを含まないアクリル系エマルジョン
を塗工して得られた印刷用耐水紙は、ワックス含有アク
リル系エマルジョンを塗工して得られた印刷用耐水紙よ
り離解性が良好であり、使用後も古紙として再生使用が
可能である。
【0040】実施例1と比較例2、3の結果より、コア
/シェル構造を有するアクリル系ポリマーエマルジョン
を用いることで、高い耐水性と耐ブロッキング性、およ
び印刷適性を有することが明らかである。比較例2、3
のように、均一構造のエマルジョンを塗工して得られた
印刷用耐水紙は、皮膜が柔らかく耐ブロッキング性が不
良となる、あるいは、皮膜が硬く耐水性が不良となり、
耐ブロッキング性と耐水性のバランスを取ることが困難
である。
【0041】実施例1〜5の結果より、コア/シェル構
造のアクリル系ポリマーエマルジョンを使用した場合、
耐水性と耐ブロッキング性のバランスはとり易いもの
の、高度な耐ブロッキング性が求められる場合、シェル
部のポリマーを構成するモノマーとして、スチレンを用
いることが好ましい。また、高度な耐水性と印刷適性が
求められる場合、コア/シェル構造のアクリル系ポリマ
ーエマルジョンのガラス転移点は、好ましくは0〜30
℃の範囲である。
【0042】次に接触角の測定方法について、以下に記
載する。
【0043】接触角は、自動接触角計CA−Z(協和界
面化学株式会社製)を用いて、水滴を印刷用耐水紙に落
下させた直後の接触角の測定を行った。
【0044】印刷試験評価は、RI−I型印刷試験機
(株式会社明製作所製)を用い、GEOS−G(大日本
インキ化学工業株式会社製)を0.3cc使用し、回転数3
0rpmにて印刷を行った後、印刷面をMacbeth
反射濃度計(RD918)にて印刷濃度の測定を行っ
た。
【0045】実施例6 坪量64g/m2の上質紙(三菱製紙(株)製:金菱)を
原紙として、Tgが16℃であり、コアシェル構造を有
し、シェル部にスチレンモノマーを含むアクリル系ポリ
マーエマルジョン(ジョンソンポリマー(株)製:ジョ
ンクリル−840)を固形分として60部、これに、T
gが6℃であり、コアシェル構造を有し、シェル部にス
チレンモノマーを含むアクリル系ポリマーエマルジョン
(ジョンソンポリマー(株)製:SCX−2660)を
固形分として40部加えてなる塗工液を、エアーナイフ
コーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾燥
後、カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0046】実施例7 坪量64g/m2の塗工紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、アクリル系ポリマーエマ
ルジョン(ジョンソンポリマー(株)製:ジョンクリル
−840)40部、(ジョンソンポリマー(株)製:S
CX−2660)を固形分として60部加えてなる塗工
液を、エアーナイフコーターにて片面約5g/m2を両面
に塗工し、熱風乾燥後、カレンダー処理を行い印刷用耐
水紙を得た。
【0047】比較例4 坪量64g/m2の上質紙(三菱製紙(株)製:金菱)を
原紙として、アクリル系エマルジョン(ジョンソンポリ
マー(株)製:ジョンクリル−840)を、エアーナイ
フコーターにて片面約5g/m2を両面に塗工し、熱風乾
燥後、カレンダー処理を行い印刷用耐水紙を得た。
【0048】比較例5 坪量64g/m2の上質紙(三菱製紙(株)製:ニューパ
ールコートL)を原紙として、アクリル系エマルジョン
(ジョンソンポリマー(株)製:SCX−2660)
を、エアーナイフコーターにて片面約7g/m2を両面に
塗工し、熱風乾燥後、カレンダー処理を行い印刷用耐水
紙を得た。
【0049】
【表2】
【0050】実施例6、7と比較例4、5の結果より、
高度な印刷適性を有する印刷用耐水紙は、塗工層の水と
の接触角が80〜90°であることが好適であることが
明らかである。
【0051】
【発明の効果】本発明の印刷用耐水紙は、高い耐水性と
耐ブロッキング性を同時に備えた印刷用耐水紙であり、
印刷適性を有し、離解性もあることから、環境負荷軽減
資材として、包装紙、伝票、屋外用ポスターなどに利用
可能な極めて有益なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア/シェル構造を有するアクリル系ポ
    リマーエマルジョンを塗工してなる塗工層を有すること
    を特徴とする印刷用耐水紙。
  2. 【請求項2】 コア/シェル構造を有するアクリル系ポ
    リマーエマルジョンが、コア部にアクリル酸エステルモ
    ノマーを主成分とし、シェル部にスチレンモノマーを含
    有するコポリマーであることを特徴とする請求項1記載
    の印刷用耐水紙。
  3. 【請求項3】 コア/シェル構造を有するアクリル系ポ
    リマーエマルジョンが、0〜30℃のガラス転移点を有
    することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用
    耐水紙。
  4. 【請求項4】 塗工層が、水との接触角として80〜9
    0°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項記載の印刷用耐水紙。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012067402A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Oji Paper Co Ltd 耐油紙および耐油紙の製造方法
CN112406173A (zh) * 2020-11-02 2021-02-26 安徽省万美纸塑有限公司 一种一次性纸杯的制备工艺

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