JP2003096697A - 防湿紙及びその製造方法 - Google Patents

防湿紙及びその製造方法

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JP2003096697A JP2001292932A JP2001292932A JP2003096697A JP 2003096697 A JP2003096697 A JP 2003096697A JP 2001292932 A JP2001292932 A JP 2001292932A JP 2001292932 A JP2001292932 A JP 2001292932A JP 2003096697 A JP2003096697 A JP 2003096697A
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Masami Harada
正美 原田
Hideaki Takada
英明 高田
Kentaro Nishio
健太郎 西尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピンホールや微細異物による塗工
不良部からの透湿度低下を防止し、しかも、耐熱性、滑
りの少ない防湿紙及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 下塗り層として、ポリビニルアル
コールを主体とする塗工剤を、紙・板紙表面に4〜25
g/m設け、上塗り層として、スチレン・ブタジエン
系共重合体を主体とする塗工剤を、前記下塗り層上に2
〜20g/m設けることにより、JIS Z 020
8による透湿度が200g/mであり、JIS P
8209による滑り角度が29度以上である防湿紙を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性の要求され
る加工分野、特に、防湿性や滑りの少ない紙の要求され
る製函分野に好適であり、樹脂フィルムやポリ塩化ビニ
ルと紙との複合材料とは異なり古紙パルプとしての再利
用が可能で、資源保護や自然環境保護に寄与可能な防湿
紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、防湿性が要求される医療品包装材
料や食品包装材、農産業用包装材向けの防湿紙として、
合成樹脂フィルムと紙との複合材料が一般的に使用され
ている。
【0003】この種の防湿紙は、合成樹脂フィルムと紙
との複合材料であるため再利用が困難であり、製造時の
裁落片や使用後の廃棄にあたっては、殆どの場合焼却処
分されている。
【0004】最近、環境保護、資源の再利用の観点か
ら、合成樹脂フィルムを使用せず、防湿性を発現するア
クリル・スチレン系共重合体を主体とする塗工剤を使用
した防湿紙の開発が進んでいる。
【0005】ところが、アクリル・スチレン系共重合体
を主体とした塗工剤を塗工した防湿紙は、透湿性を改善
された防湿紙を得られるものの、医療品包装材料や食品
包装材、農産業用包装材向けで必要とする、透湿度が1
50g/m/24時間以下とすることが困難である。
【0006】前記問題を解決するため透湿度が150g
/m/24時間以下を達成できる防湿剤の開発が進め
られ、ポリ塩化ビニリデンを主体とする塗工剤を二次加
工により2度塗りしたものや、ワックスを含む合成樹脂
を主体とする塗工剤を二次加工によって紙や板紙等の表
面に塗布したものが得られている。
【0007】しかしながら、ポリ塩化ビニリデンを主体
とする塗工剤を塗布した防湿紙の場合、防湿性に関して
は150g/m/24時間以下を達成する十分な機能
を得ることができるが、耐熱性能が100℃程度と低
く、コート面が約180℃の熱板に直接触れながら通過
する工程がある防湿紙を使用した段ボール製造には用い
ることができない。
【0008】また、耐熱性能が低いため、段ボール古紙
を再利用して紙・板紙を製造する再生紙工場では、この
ポリ塩化ビニリデンを主体とした防湿紙を混入再利用し
た場合、再生紙を180℃以上の温度で乾燥させる乾燥
行程で、ポリ塩化ビニリデン成分が溶出し、抄造品の強
度低下を来たしたり、表面性が粗悪になる等の諸問題が
生じるため、古紙パルプとして再利用ができない場合が
発生するという致命的な欠点を有している。
【0009】また、ワックスを含む合成樹脂を主体とす
る塗工剤を塗布した防湿紙にあっては、防湿性能は満足
できる性能を得られるが、耐熱性はポリ塩化ビニリデン
を主体とする塗工剤と同様であり、かつ、段ボールの製
函工程での糊の接着性が悪く、しかも非常に滑りやすい
ため段ボール用原紙として用いることができない、とい
う問題を有していた。
【0010】現在、防湿紙に関してはそのほとんどが二
次加工による付加価値を付与した製品に加工されてい
る。これにはいくつかの要因があり、そのひとつとして
塗工技術によるところが大きい。オンマシンで防湿剤の
塗工を行う場合、抄造している原紙の全巾へ一様に塗工
を行うことしかできない。これに比べ二次加工では印刷
版等での任意な塗工または印刷により自由なレイアウト
による塗工が可能である。
【0011】また、従来の防湿剤を便宜上3つに大別す
ると上記ワックスを含む合成樹脂を主体とする塗工剤
(ワックスタイプ)・上記スチレン系共重合体を主体と
する塗工剤(ノンワックスタイプ)・上記樹脂フィルム
・ポリ塩化ビニリデンに代表されるビニル系を主体とす
る塗工剤(ビニル系)が知られている。
【0012】一般的なライナー抄紙機で使用可能な防湿
剤は、原料の再利用・リサイクル性を考えるとワックス
タイプもしくはノンワックスタイプのいずれかが選択さ
れる。
【0013】しかし、ワックスタイプもしくはノンワッ
クスタイプにはそれぞれ次の欠点があり、それが現在ま
でオンマシンで防湿剤を塗工できなかった理由である。
【0014】ワックスタイプは、剥離性が良好でオンマ
シンでの操業に影響を与えることなく抄造が可能であ
る。しかし、その剥離性のため糊の接着性が悪く、滑り
やすい問題が生じる。ちなみに、二次加工で防湿剤を塗
工する場合では、糊の接着部、原紙底部には防湿剤を塗
工しないよう構成で製造できるため、ワックスタイプの
使用が可能になる。
【0015】また、ノンワックスタイプの場合、糊の接
着性、滑りやすさにおいては問題が生じないが、防湿効
果が低くなるため、透湿度150g/m/24時間を
得られない。なお、防湿剤をオンマシンにてロッドコー
ター・サイズプレス等の塗工機用い2重塗工以上の多重
塗工ほどこし、防湿剤の表面塗工量を30g/m以上
とすることで、透湿度150g/m/24時間を得る
ことはできるが、紙面の塗工皮膜が厚くなり、段ボール
ケース加工等の際、紙の折り曲げ等により、防湿皮膜が
割れ、この部分から湿気が透ため、透湿度は、著しく低
下するだけでなく、製造工程での操業に著しい支障を来
たすと共に、これに掛かる付帯設備、維持費等のコスト
面でデメリットが生ずる。
【0016】二次加工で防湿剤を塗工することにより防
湿紙を製造する方法は、任意な部分に塗工剤を塗工また
は印刷可能であるが、製造品種毎に塗工または印刷部位
を設定する必要があり製造性が悪く作業が煩雑であるこ
と、製造コストも高く、また二次加工という仲介業者を
通すことによりメーカー納品の早期対応が難しいのが現
状である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、ピンホールや微細異物による塗工不良部からの透湿
度低下を防止し、しかも、耐熱性、滑りの少ない防湿紙
及びその製造方法を提供することにある。また、抄紙機
の塗工設備にて抄造するオンマシンでの防湿紙製造によ
るものであり、予め抄造された紙・板紙に防湿剤を塗工
した二次加工による方法よりも安価に製造可能とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、係る現状
を鑑み鋭意検討した結果、下塗り層として、ポリビニル
アルコールを主体とする塗工剤を、紙・板紙表面に0.
1〜1g/m設け、上塗り層として、スチレン・ブタ
ジエン系共重合体を主体とする塗工剤を、前記下塗り層
上に6〜20g/m設け、紙・板紙の表面に2層の少
量の塗工層を形成し、JIS Z 0208による透湿
度が150g/mであり、JIS P8209による
滑り角度が29度以上であることで課題を解決できるこ
とを見出した。
【0019】更に好適には、前記、下塗り層に使用する
ポリビニルアルコールが、変性ポリビニルアルコールを
主体とすることで、本発明の目的を達成できる。
【0020】また、本発明は、紙・板紙の表面に、下塗
り層としてポリビニルアルコールを主体とする塗工剤を
塗布し、更に前記ポリビニルアルコールが未乾燥の状態
で、上塗り層として、スチレン・ブタジエン系共重合体
を主体とする塗工剤を、下塗り層の表面に塗布し乾燥さ
せて、2層の塗工層を形成することで製造できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明において、下塗り層塗工剤
を紙・板紙表面に塗工するが、上塗り層塗工剤の吸液性
を上げるため上塗り層塗工剤を塗工するまでの間、乾燥
設備による原紙乾燥を行っていない。これは塗工剤等塗
工液を原紙に塗工する際、塗工を行う原紙表面の水分値
が高い方が吸液性が良いためである。
【0022】また、上塗り層塗工剤よりも下塗り層塗工
剤の方が塗工剤濃度を低く設定することが好ましい。こ
れは下塗り層塗工剤の原紙吸液性の向上と原紙表面の水
分値を上げ、上塗り層塗工剤の吸液性向上を図る役割を
行っている。
【0023】上記下塗り層塗工剤としてのポリビニルア
ルコールを主体とする塗工剤は、濃度1〜10%、塗工
後における固形分が0.1〜1g/mとなるように塗
工されるのが望ましい。固形分0.1g/m未満では
紙表面の凹凸の影響を受け十分な皮膜が形成されずピン
ホールが多量に発生すると共に、目標とする透湿度15
0g/m/24時間以下を達成することができない。
また、濃度が1%未満もしくは固形分1g/mを超え
る塗工量では原紙の水分率が高くなりすぎ、次に塗工す
る上塗り層と合わせると乾燥時のエネルギー損失や品質
の不安定化を招き、大幅なコストアップに繋がる。そし
て濃度が55%を超えると塗工剤粘度が高くなり、板紙
原紙に十分浸透せず、また上塗り層の吸液性の低下に繋
がる。従って、下塗り層塗工は事実上、濃度1〜10
%、固形分0.1〜1g/mの範囲で塗工することが
望ましい。
【0024】更に好ましくは、下塗り塗工層に使用され
るポリビニルアルコールは、変性ポリビニルアルコール
が好ましい。変性ポリビニルアルコールとしては、カル
ボキシ基変性ポリビニルアルコール、スルホン基変性ポ
リビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニル
アルコール、スルホン基変性ポリビニルアルコール、ア
セトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カチオン基
(第4級アンモニウム塩)変性ポリビニルアルコール、
珪素基(珪素含有)変性ポリビニルアルコールが好適で
ある。
【0025】特に、けん化度が92から97の部分けん
化変性ポリビニルアルコールは、完全けん化ポリビニル
アルコールの特徴である耐水性の高い皮膜と部分けん化
ポバールの特徴である水溶液の低温時の粘度安定性が良
いという両者の特徴を兼ね備えた特徴を有し、好適に利
用できる。
【0026】また、上記上塗り層塗工剤としてのスチレ
ン・ブタジエン系共重合体を主体とする塗工剤は濃度が
50〜60%、塗工後における固形分が6〜20g/m
以上となるように塗工されるのが望ましい。濃度が5
0%以下、もしくは固形分5g/m未満では紙表面に
十分な皮膜が形成されずピンホールが多量に発生すると
共に、下塗り層と2層になることで向上する防湿効果
も、皮膜形成が不充分となるため、150g/m/2
4時間以下の透湿度を得ることができなくなる。また、
塗工剤濃度60%以上の場合、塗工剤粘度が高くなるこ
とで塗工が難しくなり、固形分が20g/m以上の場
合では乾燥時のエネルギー損失や品質の不安定化を招
き、大幅なコストアップに繋がる。従って、上塗り層塗
工は事実上、濃度50〜60%、固形分6〜20g/m
の範囲で塗工することが望ましい。
【0027】上塗り層塗工剤を塗工することによって下
塗り層のピンホール・微細異物による塗工不良部からの
透湿度低下を防止し、2層塗工を行うことによって目詰
を行い、透湿度の向上を図る。また、上塗り層塗工剤は
下塗り層塗工剤よりも塗工剤濃度を高くしている。これ
は透湿度の向上は基より、防湿紙の防滑性・耐熱性等の
特性を上げるためである。
【0028】本発明において、スチレン・ブタジエン系
共重合体を主体とする塗工剤を塗工した上塗り層は、透
湿性・防湿性・撥水性・防滑性・耐水性・耐熱性・耐ブ
ロッキング性・酢酸ビニルエマルジョン系接着剤での接
着可能性・易離解性等の特性を有する。前記易離解性の
特性によってライナー抄紙機でのオンマシン塗工が可能
になった。前記、スチレン・ブタジエン系共重合体は、
エマルジョン化することで、より好適に使用できる。
【0029】下塗り層、上塗り層は、それぞれの特性に
合わせた濃度で2層塗工を行うことにより、透湿度が1
50g/m/24時間以下という高度な防湿性能を得
ることができる。この高い防湿性は医療品包装材料や食
品包装材、農業用包装材等に要求される防湿性能をクリ
アするものである。
【0030】更に段ボール製函工程での段ボール箱の滑
りやすさの問題も解決しており、原紙が滑ることによる
荷崩れ、段ボール箱を移動するときの作業性を改善して
いる。
【0031】更に本発明の防湿紙は強靭な皮膜ではある
が、古紙として離解する際容易に離解し、また、その後
の乾燥工程においても熱による溶出がなく、古紙パルプ
として使用先を問わず利用が可能であるという大きな特
徴を有する。
【0032】なお、本発明において、下塗り層塗工剤や
上塗り層塗工剤を塗工する各手段は、ライナー抄紙機の
公知の各種塗工手段を適用することができるが、例え
ば、カレンダーやロッドコーター等の一般的な公知の塗
工手段を用いれば十分であり、特殊な塗工技術を必要と
しないので低コストで製造することができる。
【0033】しかし、本発明において重要なことは、下
塗り層としてポリビニルアルコールを主体とする濃度が
低い塗工剤を塗工し、これを乾燥させずにスチレン・ブ
タジエン系共重合体を主体とする上塗り層塗工剤を塗工
することである。
【0034】このことにより上塗り層塗工剤の塗工量を
上げることができる。このとき下塗り層塗工剤の濃度を
上塗り層塗工剤と同等、もしくは高く設定すると下塗り
層塗工剤が十分に原紙に浸透せず、また上塗り層塗工剤
も原紙表面の水分値が低いため塗工量が低くなり、十分
な防湿効果が得られない場合がある。
【0035】更に防湿効果を得るためには、必要以上に
塗工剤を塗工する必要があり、能率・コスト面で考えて
も下塗り層の濃度を必要以上に上げることのメリットは
ない。
【0036】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、塗工量は固形分重量とする。
【0037】[実施例1]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤に珪素含有PVAを0.1g/m、上塗り層塗工
剤にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体とした塗工
剤を20g/m塗工した。
【0038】[実施例2]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤にカルボキシ基変性PVAを0.3g/m、上塗
り層塗工剤にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体と
した塗工剤を16g/m塗工した。
【0039】[実施例3]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤にスルホン基変性PVAを0.5g/m、上塗り
層塗工剤にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体とし
た塗工剤を13g/m塗工した。
【0040】[実施例4]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤に珪素含有PVAを0.7g/m、上塗り層塗工
剤にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体とした塗工
剤を13g/m塗工した。
【0041】[実施例5]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤にアセトアセチル基変性PVAを0.9g/m
上塗り層塗工剤にスチレン・ブタジエン系共重合体を主
体とした塗工剤を9g/m塗工した。
【0042】[実施例6]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤にPVAを1g/m、上塗り層塗工剤にスチレン
・ブタジエン系共重合体を主体とした塗工剤を6g/m
塗工した。
【0043】[比較例1]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤にコーンスターチを3g/m、上塗り層塗工剤に
ポリ塩化ビニリデン樹脂を主体とした塗工剤を25g/
塗工した。
【0044】[比較例2]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤に酢酸ビニルを30g/m、上塗り層塗工剤にア
クリル・スチレン樹脂を主体とした塗工剤を25g/m
塗工した。
【0045】[比較例3]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤に馬鈴薯デンプンを35g/m、上塗り層塗工剤
にワックスを主体とした塗工剤を30g/m塗工し
た。
【0046】[比較例4]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤に変性ポリアミンを3g/m、上塗り層塗工剤に
スチレン・ブタジエン系共重合体を主体とした塗工剤を
23g/m塗工した。
【0047】[比較例5]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にて下塗り層塗
工剤にポリ塩化ビニリデンを32g/m、上塗り層塗
工剤にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体とした塗
工剤を1g/m塗工した。
【0048】[比較例6]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、板紙抄紙機にてスチレン・
ブタジエン系共重合体を主体とした塗工剤を25g/m
塗工した。
【0049】[比較例7]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、塗工剤にスチレン・ブタジ
エン系共重合体を主体とした塗工剤を20g/m塗工
した。
【0050】[比較例8]Bベースライナー(坪量22
0g/m)を原紙として、塗工剤にスチレン・ブタジ
エン系共重合体を主体とした塗工剤を30g/m塗工
した。
【0051】実施例・比較例の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】<評価方法> [防湿性]JIS Z 0208に規定する透湿度が2
00g/m/24時間以下を○、200g/m2/2
4時間を超える場合を×とした。 [耐熱性]180℃の乾燥機に30秒間入れ、塗工層表
面を観察した。塗工層表面に変化が見られない場合を
○、塗工層表面に熱による凹凸あるいは荒れが見られる
場合を×とした。 [防滑性]JIS P 8147に規定する滑り角度が
29度以上を○、29度未満を×とした。
【0054】以上の実施例からもわかるように、本発明
に係る防湿紙は防湿性・耐熱性・防滑性が良好であり、
下塗り層塗工剤ではポリビニルアルコールを主体とする
塗工剤を、濃度1〜10%、塗工後における固形分が
0.1〜1g/m、上塗り層塗工剤ではスチレン・ブ
タジエン系共重合体を主体とする塗工剤を、濃度50〜
60%、固形分6〜20g/mの範囲で塗工すること
が望ましい。
【0055】
【発明の効果】従って、本発明に係る防湿紙を得るため
には、オンマシンで板紙原紙の表面にポリビニルアルコ
ールを主体とする塗工剤の濃度を下げた下塗り層塗工剤
を塗工し、これを乾燥させずにスチレン・ブタジエン系
共重合体を主体とする塗工剤を塗工し乾燥させて2層の
コート層を形成することで、防湿性能及び耐熱性・防滑
性に優れた防湿紙を得ることができる。
【0056】本発明に係る防湿剤はオンマシンで紙・板
紙表面にポリビニルアルコールを主体とする塗工剤の濃
度を変更した下塗り用塗工剤を塗工し、その下塗り層の
上にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体とする塗工
剤の濃度を変更した上塗り層塗工剤を塗工してなる2層
コート構造であるため、非常に優れた防湿性能を持つ。
また、スチレン・ブタジエン系共重合体を主体とする塗
工剤を上塗り層に用いたことにより、オンマシンでの抄
造が可能となった。それに加え耐熱性・防滑性に優れて
いるため、例えば、本発明に係る防湿紙を段ボールに形
成加工する工程において、コート表面に直接触れる約1
80℃の熱板を通過しても塗工膜が熱板に融着すること
がなく、工程トラブルを起こさない。また、製函後の荷
積み・荷降しの際に原紙が滑ることがなく、作業効率の
安定化が図れる。
【0057】特に、高度な防湿性が要求され、従来の樹
脂フィルムと紙との複合材を使用していた医療品包装材
料や食品包装材、農業用包装材等の段ボール原紙との代
替として好適である。また、二次加工を行った防湿紙よ
りも安価にでき、納期も仲介業者を通さず、直接配送が
行えることで納期の短縮に繋がる。
【0058】しかも本発明の防湿紙を使用して作成した
原紙・裁落片・段ボール箱は、古紙パルプとして再利用
することが可能であるため、資源保護・自然環境保護に
優れた効果が期待できる。また、段ボールの使用状況、
劣化状況などから古紙として利用できず、やむを得ず焼
却処分を行う際にも樹脂フィルム・ポリ塩化ビニルなど
のビニル系防湿剤を使用していないのでダイオキシンの
発生等の問題もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AG63 AG64 AG76 AG89 AG97 AH50 AJ02 AJ10 BE08 EA12 EA14 FA14 FA30 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下塗り層として、ポリビニルアルコールを
    主体とする塗工剤を、紙・板紙表面に0.1〜1g/m
    設け、上塗り層として、スチレン・ブタジエン系共重
    合体を主体とする塗工剤を、前記下塗り層上に2〜20
    g/m設け、紙・板紙の表面に2層の塗工層を形成
    し、JIS Z 0208による透湿度が200g/m
    以下であり、JIS P 8147による滑り角度が
    29度以上であることを特徴とする防湿紙。
  2. 【請求項2】前記、下塗り層に使用するポリビニルアル
    コールが、変性ポリビニルアルコールを主体とすること
    を特徴とする防湿紙。
  3. 【請求項3】紙・板紙の表面に、下塗り層としてポリビ
    ニルアルコールを主体とする塗工剤を塗布し、更に前記
    ポリビニルアルコールが未乾燥の状態で、上塗り層とし
    て、スチレン・ブタジエン系共重合体を主体とする塗工
    剤を、下塗り層の表面に塗布し乾燥させて、2層の塗工
    層を形成することを特徴とする防湿紙の製造方法。
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JP (1) JP2003096697A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL422825A1 (pl) * 2017-09-13 2019-03-25 Techpak Group Spółka Z Ograniczoną Odpowiedzialnością Sposób wytwarzania opakowań tekturowych z wewnętrzną warstwą barierową przeciw wilgoci i warstwą antypoślizgową

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PL422825A1 (pl) * 2017-09-13 2019-03-25 Techpak Group Spółka Z Ograniczoną Odpowiedzialnością Sposób wytwarzania opakowań tekturowych z wewnętrzną warstwą barierową przeciw wilgoci i warstwą antypoślizgową

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