JP4049387B1 - 壁紙裏打ち紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヤンキー紙の特徴である寸法安定性・グラビヤ印刷適性を維持しつつ、塩ビ・オレフィン樹脂等の塗工時の堰もれを改善する優れた表面性を持つ壁紙裏打ち紙を提供すること。
【解決手段】本願発明の壁紙裏打ち紙は、樹脂被覆層を有する壁紙に使用する壁紙裏打ち紙であり、ドライヤー接着剤が含有され、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造される。この壁紙裏打ち紙はJIS B 0601に規定した表面粗さにおいて、艶面の平均粗さ(Ra)が1.5〜3.0μm、かつJIS P 8119に規定した平滑度において、艶面の平滑度が30〜60秒の範囲であることが推奨される。また、前記ドライヤー接着剤は、リン酸を含有するポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であることが、または、PH5以上の範囲のポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本願発明は、ビニル壁紙、オレフィン壁紙、紙壁紙等の基紙(裏打ち紙)に関するものであり、詳しくはヤンキー式抄紙機で製造され、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂等の合成樹脂との密着性に優れる壁紙裏打ち紙に関する。
ビニル壁紙、オレフィン壁紙、紙壁紙等の一般壁紙は、意匠性を持たせる上層部と、該上層部を支え、施工性を付与する裏打ち紙の2層構造より成っている。
これらの壁紙は、澱粉や酢酸ビニル等の水系の糊によって壁に貼合される。この糊付け工程で、糊に含まれる水分が裏打ち紙に吸収され、水分によって裏打ち紙が柔らかくなる、伸びる等の挙動を示す。紙が伸びることは、カールの発生につながり、そのため壁面への壁紙の貼付作業が困難となり、貼付後のめくれが起き易い等の不具合につながっていた。更に、壁に貼付し糊が完全乾燥した後、裏打ち紙が収縮し隣接壁紙同士の繋目部分に隙間が生じる目開きという現象が発生し、意匠性を損なう等の不具合があった。
これら従来の壁紙裏打ち紙は、長網多筒式抄紙機で製造されており(両更紙)、乾燥工程において多筒式のドライヤーを用いるため、ドライヤー間を通過するときに横方向に紙が収縮し、乾燥すると収縮が進んだ状態となっており、この状態のまま成紙される。従って、このような裏打ち紙を使用した壁紙は、糊付けにより水分を吸収して顕著に伸び、カールが発生し易くなると考えられる。
また、紙の表裏とも表面性が悪いため、塩ビ・オレフィン等の樹脂塗工後の表面にも細かな凹凸が残り、後工程でのグラビヤ印刷適性が良好とは言えなかった。
そこで、糊付けしてもカールし難く、寸法安定性を改善した壁紙として、ポリアルキレングリコールを塗布する方法(特許文献1)、高収率パルプを使用する方法(特許文献2)、スルファミン酸グアニジン誘導体、表面サイズ剤、及びバインダーから成る配合液を塗布する方法(特許文献3)などが開示されているが、これらの方法によってもカールや目開きの発生や、後工程のグラビヤ印刷適性を十分に改善することはできなかった。
さらに、これら多筒式ドライヤーで得た両更タイプの裏打ち紙に、カレンダー処理を実施して平滑性を上げグラビヤ印刷適性を得る方法はあるが、カレンダー処理をすることで、紙の密度・透気度が上がるため、塩ビ・オレフィン樹脂塗工後の乾燥工程で、樹脂に含まれる溶剤成分が揮発しにくくなり、発泡不良につながった。したがって、この方法で生産しても壁紙裏打ち紙としての性能を満足する品質が得られなかった。
近年、これらの問題に対して、ヤンキードライヤーを用いて製造され、ステキヒトサイズ度が10秒以上の片艶紙を裏打ち紙として用いることにより、カールや目開きの改善を図った壁紙を製造する方法(特許文献4)などが開示されている。
ヤンキー式ドライヤーでは、紙シートが伸びた状態のまま光沢の有るヤンキードライヤー面を写し取るように乾燥されるので、片面が高い光沢・平滑を有する。この片艶紙を裏打ち紙に用いて壁紙を作製すると、施工時の糊付け工程において壁紙のカールがほとんど発生しない。これは片艶紙が伸びた状態のまま乾燥されるため、水系の糊を塗っても伸びがほとんど生じないためと考えられる。
また、ドライヤー表面の艶が転写することで、裏打ち紙表面の平滑性が高く、樹脂塗工後の表面性が改善され、グラビヤ印刷適性が改善された。
しかし、グラビヤ印刷適性は改善されたものの、表面平滑性が高すぎることで、塩ビ・オレフィン等の樹脂塗工時、裏打ち紙と樹脂の密着性・食い付きが悪くなり、当該樹脂を塗工する際に、樹脂を貯めるポンドの堰板の隙間から裏打ち紙の表面を伝って樹脂が流れ出してしまう(堰もれ・液ダレという現象)という不具合が新たに発生していた。
そこで、堰もれの改善について鋭意検討した結果、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造し、ドライヤー接着剤を含有させて、ドライヤーからの紙の剥離性を悪化させつつヤンキードライヤーから紙をはがすことで、グラビヤ印刷適性に必要な艶面の平滑性を維持しつつ、表面粗さを粗くすることができ、堰もれの改善につながることを見い出し、本願発明に到達した。
特開2001−81700号公報 特開平11−36197号公報 特開平10−273896号公報 特開2004−292990号公報
本願発明は、前記背景技術に鑑みてなされたものであり、ヤンキー紙の特徴である寸法安定性・グラビヤ印刷適性を維持しつつ、塩ビ・オレフィン樹脂等の塗工時の堰もれを改善する優れた表面性を持つ壁紙裏打ち紙を提供することを目的とする。
すなわち、本願発明の壁紙裏打ち紙は、樹脂被覆層を有する壁紙に使用する壁紙裏打ち紙であって、前記壁紙裏打ち紙は、ドライヤー接着剤が含有され、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造されたものであることを基本的特徴とする。その場合において、後述する理由により、前記裏打ち紙はJIS B 0601に規定した表面粗さにおいて、艶面の平均粗さ(Ra)が1.5〜3.0μm、かつJIS P 8119に規定した平滑度において、艶面の平滑度が30〜60秒の範囲であることが推奨される。また、前記ドライヤー接着剤は、後述する理由により、リン酸を含有するポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であること、または、後述する理由によりPH5以上の範囲のポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であることが必要である。なお、本願発明の壁紙裏打ち紙は、上記のドライヤー接着剤を含有し、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造される。
本願発明の壁紙裏打ち紙は、ヤンキー紙の特徴である寸法安定性・グラビヤ印刷適性を維持しつつ、表面平滑性が高いことによる塩ビ・オレフィン樹脂等の塗工時の堰もれを改善することができる。
本願発明の壁紙裏打ち紙は、上述のとおり、ヤンキードライヤーで乾燥することにより製造される。該裏打ち紙に使用される原料パルプには特に限定はなく、公知のNBKP、LBKP、機械パルプ等の木材パルプを主体とし、必要に応じて合成繊維、無機繊維、合成パルプ等を適宜配合できる。
さらに、填料、紙力剤、湿潤紙力剤、着色剤、定着剤、サイズ剤等公知の内添薬品を添加し抄造することで得られる。
填料は、隠蔽性、均一な層間剥離性(層間強度)を得るために使用し、クレー、焼成クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の無機粒子が配合できる。特にクレー、焼成クレー、また古紙脱墨処理工程で排出される脱墨フロスを主原料として、脱水及び乾燥させ、焼成し、粉砕して得られた再生粒子凝集体は、150〜250℃の範囲における比熱容量が低く、壁紙裏打ち紙の熱伝導率を0.2〜0.5W/(m・K)にコントロールし易く好ましい。なお、壁紙は安価な塩ビ樹脂系の壁紙が、市場の約90%を占めていることから、本願発明における壁紙裏打ち紙としては、経済性の点から、高価な焼成クレーよりも安価なクレー、または比熱容量が低く、かつ環境保護、省資源の点でも優れる再生粒子凝集体を使用することがより好ましい。
前記再生粒子凝集体としては、粒子構成成分がカルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含有し、かつ、前記再生粒子凝集体の粒子構成成分の内、前記カルシウム、前記ケイ素及び前記アルミニウムの合計含有割合が再生粒子凝集体構成成分中の90質量%以上である再生粒子凝集体を使用することができる。
壁紙の製造工程について、塩ビ・オレフィン樹脂の塗工時の乾燥、樹脂発泡工程では温度150〜250℃の範囲で加工されるため、壁紙裏打ち紙に使用できる填料としては、それ自体の比熱容量が温度150〜250℃の範囲で1.2J/g/deg以下であることが好ましく、さらには1.1J/g/deg以下であることが最も好ましい。上記製法による裏打ち紙について、パルプ配合率と填料の含有率を一定範囲とすることで、本願発明の裏打ち紙の熱伝導率を0.2〜0.5W/(m・K)に調整することができ、裏打ち紙の熱伝導性を一定範囲に高めることで樹脂の発泡性が良好となる。壁紙表面材となる、特に汎用性の高い塩ビ樹脂、オレフィン樹脂等の樹脂の発泡工程において、使用する填料の150〜250℃の温度範囲における比熱容量が1.2J/g/degより高いと、壁紙裏打ち紙の熱伝導率が0.2W/(m・K)未満となり、樹脂を発泡乾燥させるための熱が裏打ち紙により阻害され、樹脂に伝わり難く樹脂の温度上昇が阻害されるため、塩ビ・オレフィン樹脂等の良好な発泡性を得ることができなくなる。
また、本願発明で好適に使用できるクレー、再生粒子凝集体は、隠蔽性の点からコールターカウンター法による平均粒子径が8μm以下のものが好ましい。平均粒子径8μm以上であれば、不透明性が下がり、所望の隠蔽性を得ることが困難になる。
当該填料の添加量は、裏打ち紙の灰分が全原料中で2〜15質量%となるよう調整する。
灰分が2質量%未満であると所望の隠蔽性・層間剥離性が得られず好ましくない。また、灰分が15質量%を超えると隠蔽性・層間剥離性は良好となるが、紙の密度が高くなり、艶面において微細な空隙が埋まることとなり、塩ビ・オレフィン樹脂との密着性・食いつきが悪化するため、好ましくない。
壁紙裏打ち紙の層間強度は、10〜40N/mの範囲に調整する。一般的な印刷用紙や板紙等の用紙においては、層間強度の高いことが要求されるが、本願発明における壁紙裏打ち紙においては、層間強度が高いと、壁に貼合後、リフォーム時の剥離作業効率が低下してしまう。すなわち、本願発明品の用途においては、リフォーム時に壁紙を剥がす際には裏打ち紙の層間で容易に剥れるように層間強度を一定範囲に調整する必要がある。裏打ち紙の層間強度が40N/mを超えると、リフォーム時に壁紙を剥がす際に強い力を要するばかりでなく、剥がした際に裏打ち紙の一部は壁紙側に、一部は壁側に残り、壁面に凹凸が生じるため、次に貼合する壁紙を綺麗に貼ることができなくなるといった不具合等が発生し好ましくない。また、層間強度が10N/m未満であると、壁に貼合後、裏打ち紙の紙層からめくれが生じやすくなるため、好ましくない。
本願発明の壁紙裏打ち紙の製造に使用する抄紙機は、ツインワイヤー・ヤンキー式抄紙機がより好ましい。両面脱水することで脱水面に填料の分布を少なくし、紙層の中間層に填料の分布を多くすることで、繊維間結合を阻害して、壁紙裏打ち紙とした際により均一な層間剥離性を付与することができる。
ヤンキー式抄紙機で製造された壁紙裏打ち紙では、表面平滑性が高すぎることで、塩ビ・オレフィン等の樹脂塗工時、裏打ち紙と樹脂の密着性・食い付きが悪くなり、当該樹脂を塗工する際に、樹脂を貯めるポンドの堰板の隙間から裏打ち紙の表面を伝って樹脂が流れ出してしまう(堰もれ・液ダレという現象)という不具合が発生する。したがって本願発明では、公知の薬品の他、ドライヤー接着剤を併用する。
ヤンキー式抄紙機でドライヤー接着剤を使用することで、壁紙裏打ち紙の艶面の表面平均粗さ、および平滑度を調整する。
堰もれのない良好な樹脂の塗工性とグラビヤ印刷適性をあわせ持つようにするためには、JIS B 0601に規定した表面平均粗さが1.5〜3.0μm、JIS P 8119に規定した平滑度が30〜60秒の範囲が良い。好ましくは表面平均粗さが1.6〜2.7μm、平滑度が30〜50秒の範囲が良く、より好ましくは表面平均粗さが1.7〜2.0μm、平滑度が35〜45秒の範囲が良い。表面平均粗さが1.5μm未満であると、樹脂との密着が悪く堰もれが発生するため好ましくなく、3.0μmを超えるとグラビヤ印刷適性が悪く好ましくない。また、平滑度が30秒未満であるとグラビヤ印刷適性が悪く好ましくなく、60秒を超えると樹脂との密着が悪く堰もれをが発生するため好ましくない。
従来の長網多筒式で製造された両更紙ベースの壁紙裏打ち紙では、上記表面平均粗さが3.0μmを超え粗く、また上記平滑度が5〜25秒と低い。そのため、堰もれは発生しないものの、樹脂塗工後の表面性が悪くグラビヤ印刷適性が満足するものではなかった。ドライヤー接着剤を使用しないヤンキー紙ベースの壁紙裏打ち紙では、艶面の上記表面平均粗さが1.5μm未満、上記平滑度が60秒を超え、グラビヤ印刷適性は満足できるものの、堰もれが発生していた。艶面の平滑度を下げる方法として、繊維の叩解度を調整する、パルプの配合率を変える等があるが、艶面の表面平均粗さを所望のレベルまで下げることはできない。
ドライヤー接着剤を使用したヤンキー紙ベースの裏打ち紙では、表面平均粗さが1.5〜3.0μm、平滑度が30〜60秒で、グラビヤ印刷適性を維持しつつ、堰もれを改善できる優れた表面性が得ることができた。
本願発明のドライヤー接着剤とは、ヤンキードライヤーと湿紙との接着性を向上させる薬品を示し、一部クレープ剤等の名称でも販売されている。
ドライヤー接着剤を使用し、ヤンキードライヤーからの紙の剥離性を悪化させつつ剥がす。すなわち、湿紙のドライヤー表面への接着性を強くした後に剥がすことで、艶面に存在している絡みの少ない微細繊維を、選択的に引き剥がし、平滑度を下げ過ぎることなく表面の粗さを粗くすることができる。したがって、グラビヤ印刷適性に必要な艶面の平滑性を維持しつつ、堰もれを改善することができる。
ドライヤー接着剤の添加量は、全原料中0.03〜0.6質量%が良く、より好ましくは同じく0.15〜0.5質量%が良い。0.03%未満であるとドライヤーへの接着効果がなく、0.6%を超えると、ドライヤーへの接着効果が強過ぎ操業性が悪化し、さらにヤンキー紙の特徴であるグラビヤ印刷適性に影響を与える。
湿潤紙力剤として使用されているポリアミドエピクロルヒドリン樹脂と、本願発明でドライヤー接着剤として使用するポリアミドエピクロルヒドリン樹脂とは異なるものである。湿潤紙力剤としての当該樹脂は、リン酸を含まないため、粘性が低く接着力が低い。またPHが3〜5未満の範囲となるまで、熱硬化性の官能基を付加しており、その結果、熱で硬化する官能基の数が多くなる。ドライヤーで熱せられた際に硬化が進み易く同時に樹脂の粘性がなくなり、ドライヤーへの接着効果が低くなる。
それに対し、本願発明においてドライヤー接着剤として使用する当該樹脂は、リン酸を含有する樹脂、またはPHが5以上の樹脂を使用する。リン酸を含有する樹脂の場合、リン酸の高い酸化性によって付与した樹脂自体の粘性が上がり、その結果ドライヤー接着効果が高くなる。また、PHが5以上の樹脂の場合、熱によって硬化する官能基の数が少ないため、ドライヤーで熱せられた際に硬化が進みにくく、ドライヤーへの接着効果が高くなると考えられる。
前記のとおり、ドライヤー接着剤として使用する該樹脂は、リン酸を含むことが好ましい。または該樹脂のPHが5以上であることが好ましく、PHが5〜7の範囲がより好ましい。リン酸を含まない場合、樹脂の粘性が低くドライヤー接着効果が低いため、目標とする表面粗さが得られない。同様にPHが5未満の場合は、ドライヤー接着効果が低いため、目標とする表面粗さが得られない。PHが7を超えると、操業性が悪化し、さらにヤンキー紙の特徴であるグラビヤ印刷適性に影響を与える。
なお、ドライヤー接着剤を外添塗布する場合には、ドライヤーシリンダーにスプレー塗布することが好ましいが、湿紙にスプレー塗布すること、場合によってはサイズプレスで塗布することも可能である。
かくして得られる壁紙裏打ち紙の坪量は特に限定がなく、通常の壁紙裏打ち紙と同様に、例えば50〜150g/m2程度であれば良い。
ドライヤー接着剤が含有され、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造することで、JIS B 0601に規定した表面粗さにおいて、艶面の平均粗さが1.5〜3.0μm、かつJIS P 8119に規定した平滑度において、艶面の平滑度が30〜60秒の範囲にある壁紙裏打ち紙を得ることができた。
次に、本願発明の壁紙裏打ち紙を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本願発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
NBKP(ろ水度600ml)が30%、LBKP(ろ水度500ml)が40%、機械パルプ30%からなるパルプを用い、内添用填料として、クレーを得られる壁紙裏打ち紙の灰分が10質量%になるように添加し、硫酸バンドを2.5質量%、サイズ剤を固形分換算で1.0質量%、乾燥紙力増強剤を固形分換算で0.5質量%、湿潤紙力増強剤(WS4024、星光PMC株式会社製 ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂PH4)を固形分換算で0.5質量%、ドライヤー接着剤(T−CA101、星光PMC株式会社製 リン酸入りポリアミドエピクロルヒドリン樹脂PH4)を0.3質量%添加して原料スラリーを調整した。
この原料スラリーを、ヤンキードライヤーを備える長網ツインワイヤー抄紙機で抄紙し、坪量65g/m2、上記平滑度が40秒の壁紙用裏打ち紙を得た。
[実施例2]
ドライヤー接着剤を、リン酸を含有しないPH6の樹脂(CA6012、星光PMC株式会社製 ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂PH6)に変更した以外は、実施例1と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[実施例3]
抄紙機を長網ヤンキー抄紙機とした以外は、実施例2と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[実施例4〜7]
リン酸含有のドライヤー接着剤の添加量を表1に示したとおりにした以外は、実施例1と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[実施例8〜11]
リン酸を含有しないPH6のドライヤー接着剤の添加量を表1に示したとおりにした以外は、実施例2と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[実施例12〜14]
リン酸を含有しないドライヤー接着剤のPHを表1に示したとおり調整した以外は、実施例2と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[実施例15]
ドライヤー接着剤の添加をスプレーにて外添とした以外は、実施例1と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[比較例1]
長網式で、ドライヤー接着剤を使用せず多筒式ドライヤーを備えた抄紙機を使用したこと以外は、実施例1と同様にして坪量65g/m2の壁紙裏打ち紙を抄造した。得られた裏打ち紙の平滑度は20秒だった。
[比較例2]
ドライヤー接着剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[比較例3]
PHが低い(PH4)ドライヤー接着剤を使用した以外は、実施例1と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[比較例4]
ドライヤー接着剤の代わりに湿潤紙力剤を外添塗布した以外は、実施例1と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[比較例5]
NBKPのフリーネスを650mlに、LBKPのフリーネスを580mlにした以外は、比較例2と同様にして抄造を実施し、壁紙裏打ち紙を作製した。
[比較例6]
製袋包装用に使用する市販の晒片艶クラフト紙を壁紙裏打ち紙として使用した。
[壁紙の作製]
以上のようにして得られた壁紙裏打ち紙に、塩ビ樹脂を200g/m2塗工し、加熱ゲル化させた後、さらにグラビヤ印刷を施してエンボス加工を行い、ビニル壁紙を作製した。
この際、塩ビ樹脂の堰もれ、グラビヤ印刷適性を評価した。
さらに得られたビニル壁紙に、塗布量が200g/m2となるように酢ビ・澱粉糊の水溶液を塗布し、隣接する壁紙同士の絵柄が合うように重ねて石膏ボードに貼合し、重なる部分を壁紙同士に隙間がないようカッターで切断して自然乾燥した。
この施工・乾燥後の目開きの状況を観察して評価を行った。また、自然乾燥1週間後、貼合した壁紙を剥がし、層間剥離性について状況を観察し評価を行った。
実施例・比較例、および評価結果を表1に示す。
(評価基準)
(1)表面平均粗さ(Ra)
JIS B 0601に準じて測定
(2)平滑度
JIS P 8819に準じて測定
(3)水中伸度
J・TAPPI―No27−28A法に準じて紙の横方向(抄紙機幅方向)の寸法変化を測定
(4)層間強度
紙の両面にクラフトテープ(積水化学工業社製)をしっかり貼り付け、長さ250mm、巾15mmに裁断する。
JIS P 8113(紙及び板紙の引張り強さ試験方法)に規定した試験機を用い、JIS P 8139(板紙のすき合わせ層の剥離強さ試験方法)に準じて測定
(5)堰もれ
◎:堰もれなし
○:樹脂塗工時、わずかな堰もれがあるが問題ないレベル
△:樹脂塗工時、堰もれはあるがエッジは安定しており問題ないレベル
×:樹脂塗工時、連続的に堰もれしエッジ部分が乱れ、使用できないレベル
(6)グラビヤ印刷適性
◎:網点飛びがほとんどなく、柄が再現されている
○:網点飛びがわずかにあるが、問題ないレベル
△:網点飛びが発生しているが、柄の見栄えは遜色ないレベル
×:網点飛びが連続的に発生しており、柄の見栄えが悪い
(7)目開き
◎:目開きが0〜0.05mm未満
○:目開きが0.05mm以上0.10mm未満
△:目開きが0.10mm以上0.3mm未満
×:目開きが0.3mm以上
(8)層間剥離性
◎:壁紙が剥離途中で破れることなく、均一に紙の層間で剥離する
○:剥離時、やや抵抗感があるものの、壁紙が剥離途中で破れることなく、均一に紙の層間で剥離する
△:壁紙が剥離途中で破れることはないものの、剥離性にばらつきがある
×:壁紙が剥離途中で頻繁に破れる
Figure 0004049387
表1に示された結果から、本願発明のドライヤー接着剤が含有され、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造することで、JIS B 0601に規定した表面粗さにおいて、艶面の平均粗さが1.5〜3.0μm、かつJIS P 8119に規定した平滑度において、艶面の平滑度が30〜60秒の範囲にある壁紙裏打ち紙(実施例1〜15)では、樹脂塗工時の堰もれ、グラビヤ印刷適性に問題がなく、目開き・層間剥離性といった施工評価にも問題がなかった。
これに対して比較例1に示した壁紙裏打ち紙は、平滑度が低くグラビヤ印刷適性が悪い、寸法安定性が悪く目開きが発生するといった問題があった。比較例2は表面平均粗さが細かく平滑性が高いため、堰もれが発生し、比較例3、比較例4、比較例5は、表面平均粗さが粗くなりきらないため、堰もれが発生した。比較例6は、表面平均粗さが細かく平滑性が高いため、堰もれが発生し、目開き、層間剥離性とも問題があった。

Claims (3)

  1. 樹脂被覆層を有する壁紙に使用する壁紙裏打ち紙であって、前記壁紙裏打ち紙は、リン酸を含有するポリアミドエピクロルヒドリン樹脂又はPH5以上の範囲のポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であるドライヤー接着剤が含有され、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造されたことを特徴とする壁紙裏打ち紙。
  2. 前記裏打ち紙のJIS B 0601に規定した表面粗さにおいて、艶面の平均粗さ(Ra)が1.5〜3.0μm、かつJIS P 8119に規定した平滑度において、艶面の平滑度が30〜60秒の範囲である請求項1に記載の壁紙裏打ち紙。
  3. 樹脂被覆層を有する壁紙に使用する壁紙裏打ち紙であって、前記壁紙裏打ち紙には、リン酸を含有するポリアミドエピクロルヒドリン樹脂又はPH5以上の範囲のポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であるドライヤー接着剤を含有し、ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で製造することを特徴とする壁紙裏打ち紙の製造方法。
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