JPH10226991A - 防湿紙 - Google Patents

防湿紙

Info

Publication number
JPH10226991A
JPH10226991A JP4703097A JP4703097A JPH10226991A JP H10226991 A JPH10226991 A JP H10226991A JP 4703097 A JP4703097 A JP 4703097A JP 4703097 A JP4703097 A JP 4703097A JP H10226991 A JPH10226991 A JP H10226991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
proof
paper
layer
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4703097A
Other languages
English (en)
Inventor
Takezo Zushi
武三 頭師
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP4703097A priority Critical patent/JPH10226991A/ja
Publication of JPH10226991A publication Critical patent/JPH10226991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた防湿性を持ちつつ、水離解性を有しリサ
イクルが可能であり、また、耐ブロッキング性に優れる
防湿紙を提供すること。 【解決手段】本発明の防湿紙は、基材層と、基材層上に
形成された防湿層とで構成されている。基材層は、水離
解性を有する紙材で構成されている。防湿層は、基材層
上に塗布法により形成され、防湿性と水離解性とを有す
るものである。防湿層の好ましい構成材料としては、主
ポリマーと、ワックスとを含むものが挙げられる。この
防湿層は、水酸化マグネシウムのような水酸化物よりな
る填料を含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿紙、特に包装
紙として用いられるのが好適な防湿紙に関する。
【0002】
【従来の技術】防湿紙としては、従来より、ターポリン
紙やワックス紙が知られているが、近年では、紙材に、
ポリエチレン、ポリプロポレン等の樹脂フィルムを積層
したいわゆるポリラミネート紙が使用されている。
【0003】ところで、近年、資源の有効活用や環境保
護等の観点から、紙材の再利用(リサイクル)が重要な
課題となっている。しかしながら、前述したポリラミネ
ート紙では、樹脂フィルムに水離解性がないため、再生
紙を製造してリサイクルすることが実質的に不可能であ
る。
【0004】さらに、このようなリサイクルができない
ため、焼却廃棄しなければならないが、焼却による煙の
発生や、樹脂フィルムを含むことにより焼却施設に対す
る負担が大きくなるという問題が生じている。
【0005】また、前記樹脂フィルムを用いず、紙材の
片面に、水離解性を有する防湿層を設けた防湿紙が提案
されている。しかしながら、この防湿紙では、防湿紙の
片側の面に防湿層が露出していることにより、次のよう
な種々の問題が生じる。
【0006】 防湿性、特に防湿紙を折りたたんだと
きの防湿性を確保するために、防湿層を構成する高分子
材料をある程度軟質にしなければならないが、そのため
に、製造時、保管時等に防湿紙を重ねて保持した際に、
軟質の防湿層によりブロッキングが生じる。
【0007】 製造後、防湿紙を巻取って保持したも
のを搬送する場合等に、防湿紙同士で滑りが生じ、全体
形状が崩れる等のトラブルが発生することがある。その
ため、紙材(基材)の裏面に滑り防止用のバックコート
層を設けなければならず、製造工程が複雑化する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リサ
イクルが可能であるとともに、優れた防湿性を持ちつ
つ、ブロッキングを防止することができる防湿紙を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0010】(1) 紙材よりなる基材層と、水離解性
を有する防湿層とを有してなる防湿紙であって、前記防
湿層は、少なくとも1種の水酸化物を主とする填料を含
有するものであることを特徴とする防湿紙。
【0011】(2) 紙材よりなる基材層と、水離解性
を有する防湿層とを有してなる防湿紙であって、前記防
湿層は、水酸化マグネシウムを含む水酸化物よりなる填
料を含有するものであることを特徴とする防湿紙。
【0012】(3) 前記水酸化物中の水酸化マグネシ
ウムの占める割合が40〜100wt%である上記(2)
に記載の防湿紙。
【0013】(4) 前記防湿層は、塗布法により形成
されるコート層である上記(1)ないし(3)のいずれ
かに記載の防湿紙。
【0014】(5) 前記防湿層は、主ポリマーと、ワ
ックスとを含むものである上記(4)に記載の防湿紙。
【0015】(6) 前記主ポリマーが合成ゴム系樹脂
である上記(5)に記載の防湿紙。
【0016】(7) 前記主ポリマーがアクリル系樹脂
である上記(5)に記載の防湿紙。
【0017】(8) 前記防湿層の目付量が4〜30g/
m2である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の防
湿紙。
【0018】(9) 前記填料は、平均粒径が0.1〜
30μm の粉末である上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載の防湿紙。
【0019】(10) 前記防湿層中の前記填料の含有量
が5〜40wt%である上記(1)ないし(9)のいずれ
かに記載の防湿紙。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の防湿紙を好適な実
施例に基づいて詳細に説明する。
【0021】本発明の防湿紙は、基材層と、該基材層に
接合された防湿層とで構成されている。
【0022】基材層の構成材料としては、機械的解離作
用によって水中で分散し易いものであれば特に限定され
ず、例えば、上質紙、中質紙、クラフト紙、片艶クラフ
ト紙、更クラフト紙等の種々の紙材が挙げられる。
【0023】基材層の米坪量は、特に限定されないが、
30〜300g/m2程度であるのが好ましく、35〜15
0g/m2程度であるのがより好ましい。
【0024】防湿層は、防湿性と水離解性とを有するも
のである。ここで、防湿性とは、大気中等に存在する水
蒸気の透過を阻止する機能を意味し、水離解性とは、防
湿層の構成成分が水に分散する度合いが高い特性を言
う。
【0025】このような防湿層は、製造の容易性等か
ら、塗布法により形成されるもの(コート層)であるの
が好ましい。以下、代表的に、コート層による防湿層に
ついて説明する。
【0026】防湿層の構成材料としては、防湿性と水離
解性とが特に高いという理由から、主ポリマーと、ワッ
クスとを含むものが好ましい。
【0027】主ポリマーとしては、例えば、スチレン−
ブタジエンゴム、メチルメタクリレート・ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等の各種合成ゴ
ム系樹脂や、アクリル系樹脂のような合成樹脂等が挙げ
られる。
【0028】ワックスとしては、例えば、パラフィン系
ワックス、ポリエチレン系ワックス等が挙げられ、特
に、防湿性、撥水性に優れるという理由から、パラフィ
ン系ワックスが好ましい。
【0029】このようなワックスの含有量は、特に限定
されないが、主ポリマーに対し2〜50wt%程度である
のが好ましく、2〜40wt%程度であるのがより好まし
い。このような量とすることにより、水離解性を確保し
つつ、優れた防湿性が得られる。
【0030】なお、防湿層を形成するための塗布液中に
は、前記主ポリマーおよび前記ワックスは、それぞれ、
エマルジョンとして存在するのが作業性からも好まし
い。
【0031】また、防湿層中には、例えば、デンプン
系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、(メタ)
アクリルアミド系、無水マレイン酸系、フタル酸系、
(メタ)アクリル酸系等の各種天然または合成の水溶性
高分子材料が含まれていてもよい。このような水溶性高
分子材料の添加は、水離解性の向上に寄与する。
【0032】また、防湿層中には、例えば、中和剤、pH
調整剤、定着剤、増粘剤、増強剤、消泡剤、保水剤、耐
水化剤、防カビ剤、顔料または染料等の各種添加剤が必
要に応じ添加されていてもよい。
【0033】本発明における防湿層としては上記に限定
されず、例えば、特開平8−13386号公報、特開昭
50−36711号公報、特開昭53−41511号公
報、特開昭56−148997号公報、特開昭61−4
7896号公報、特開平3−279492号公報に記載
されたものを用いることもできる。
【0034】このような防湿層中には、填料(充填材)
が含まれている。この填料としては、主として、例え
ば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、水酸化カルシウムのような各種水酸
化物のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
【0035】このような填料を添加することにより、防
湿層の水離解性が向上し、防湿層とのブロッキングを防
止または抑制することができ、しかも、防湿層の表面の
摩擦係数が高くなるので、防湿紙同士や防湿紙と他の紙
材とを重ねた際の滑りが防止され、運搬等の際のトラブ
ル発生が防止できる。
【0036】また、一般に、防湿層に填料を添加する
と、防湿性が低下する傾向を示すので、防湿層の厚さを
より厚くして防湿性を確保しなければならないが、この
ような水酸化物による填料は、他のものに比べ、防湿層
の防湿性の低下が少ないので、防湿層の厚さ(目付量)
を増大することなく、優れた防湿性を確保することがで
きる。そして、防湿層の厚さの増大がないことから、防
湿層の形成が容易であり、そのコストも安価であるとと
もに、防湿紙全体の水離解性も良好となる。
【0037】なお、耐ブロッキング性(ブロッキング防
止効果)が特に優れ、防湿性の低下がより少ないという
理由から、填料としては、前記水酸化物のうちでも、水
酸化マグネシウムを含むものが好ましい。この場合、水
酸化物中の水酸化マグネシウムの占める割合が40〜1
00wt%であるのが好ましく、50〜100wt%である
のがより好ましい。
【0038】また、このような填料は、好ましくは粉末
状であり、その平均粒径は、0.1〜30μm 程度であ
るのが好ましく、0.3〜25μm 程度であるのがより
好ましい。この粒径が小さ過ぎると、製造時の作業性が
低下し、粒径が大き過ぎると、防湿層の均質性が損なわ
れ易くなる。
【0039】また、このような填料の防湿層中の含有量
は、5〜40wt%程度であるのが好ましく、8〜35wt
%程度であるのがより好ましい。填料の含有量が5%未
満であると、填料の組成や平均粒径等の条件によって
は、ブロッキング防止効果が不十分となり、また、40
wt%を超えると、防湿層の防湿効果が低下する。
【0040】なお、本発明では、防湿層中に、水酸化物
による填料の他に、例えば、酸化物(例:シリカ、アル
ミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム)、炭酸塩(例:
炭酸カルシウム)、(亜)硫酸塩(例:(亜)硫酸カル
シウム、硫酸バリウム)、ケイ酸塩(例:タルク、クレ
ー、マイカ)等の各種填料が1種以上含まれていてもよ
い。
【0041】また、防湿層中における填料は、均一に分
散されているのが好ましいが、層の厚さ方向に偏在して
いてもよく、例えば、その表面付近に填料が密に分布し
ているものでもよい。
【0042】本発明では、前述した填料の添加により、
防湿層に耐ブロッキング性が得られ、水離解性が向上す
るので、本来、ブロッキングし易かった組成のものや、
水離解性が劣るものをも防湿層の構成材料として用いる
ことができ、よって防湿紙の用途や性能等の範囲が広く
なるという利点がある。
【0043】このような防湿層の目付量(乾燥膜厚)
は、特に限定されないが、4〜30g/m2程度であるのが
好ましく、6〜20g/m2程度であるのがより好ましい。
この目付量が少な過ぎると、防湿層の組成等の他の条件
によっては、防湿性が不十分となることがあり、また、
目付量が多過ぎると、防湿層の形成(塗布、乾燥)の際
の作業性が低下し、また、製造コストの上昇を招くおそ
れがある。
【0044】また、防湿層の形成による防湿性の程度
は、特に限定されないが、防湿紙を折りたたんでいない
状態で、JIS Z 0208に規定する透湿度試験の値が、80
g/m2・24hr 以下であるのが好ましく、70g/m2・24hr 以
下であるのがより好ましい。そして、本発明の防湿紙
は、それを折りたたんだ状態(折り目を付けた状態)で
も、優れた防湿性を発揮する。
【0045】なお、このような防湿層は、2層以上形成
されていてもよい。この場合、各防湿層は、それぞれ、
その組成、厚さ、防湿性、水離解性等の諸条件が、同一
のものでも、異なるものでもよい。
【0046】また、基材層上に防湿層が2層以上積層さ
れている場合、最も表層にある防湿層が、前述したよう
な填料を含むものであればよい。
【0047】このような防湿紙の製造は、例えば、防湿
層を形成するための所望に調製された塗布液を基材層の
一方の面上に塗布して防湿層(湿潤状態)を形成し、次
いで、これらをドライヤで乾燥することにより製造され
る。
【0048】また、基材層の他方の面は、所望の印刷を
施すために、印刷適性を有する面であるのが好ましい。
【0049】このように、防湿紙の片面が印刷に適する
ことは、防湿紙の有用性が高まり(利用分野が広が
り)、特に、包装紙として使用するのに有利である。被
包装物の内容等の被包装物に関する情報や、その他の情
報を印刷により表示することができるからである。
【0050】なお、本発明の防湿紙の層構成は、前述し
たものに限定されないことは言うまでもなく、例えば、
基材層と防湿層との間に水離解性を有するバリヤ層や、
基材層上等に印刷層、印刷保護層または光沢層等が形成
されていてもよい。
【0051】また、本発明の防湿紙の用途は、特に限定
されないが、前述したように、防湿性が高く、耐ブロッ
キング性に優れ、また、印刷適性に優れることから、包
装紙として用いられるのが好ましく、特に、例えば、コ
ピー用紙(PPC用紙)、コート紙、キャストコート
紙、その他一般用紙、新聞紙等の各種紙材を包装する包
装紙として用いるのに適している。
【0052】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例に基づいてさら
に詳細に説明する。
【0053】(実施例1〜6)基材層として、上質紙
(米坪量64g/m2、日本製紙(株)製、Y−5Kシー
ル)を用意するとともに、下記3種の塗布液に2種の填
料を組み合わせた合計6種の防湿層形成用の塗布液を調
製し、該塗布液を前記上質紙の片面に塗布した後、12
0℃、30秒間乾燥して防湿層を形成し、下記表1に示
す本発明の実施例1〜6の防湿紙を得た。
【0054】なお、得られた各防湿紙において、防湿層
の目付量(乾燥時)は、約8g/m2であった。
【0055】 [塗布液の組成] No. ・サカタインクス(株)製、ブライトーン FC-102 (アクリル系ポリマー+パラフィン系ワックス) :250重量部(固形分100重量部) ・填料 : 20重量部(防湿層中の填料含有量16 .7wt%) ・水(分散媒) : 80重量部 塗布液の粘度=20cps
【0056】 No. ・ガンツ化学(株)製、ウルトラゾール BXC-116 (スチレン−ブタジエンゴム+パラフィン系ワックス) :220重量部(固形分100重量部) ・填料 : 20重量部(防湿層中の填料含有量16 .7wt%) ・水(分散媒) :110重量部 塗布液の粘度=27cps
【0057】 No. ・住友化学工業(株)製、スミカフレックス S-3735 (アクリル系ポリマー+パラフィン系ワックス) :230重量部(固形分101重量部) ・填料 : 20重量部(防湿層中の填料含有量16 .5wt%) ・水(分散媒) :100重量部 塗布液の粘度=23cps
【0058】(比較例1〜6)填料の種類を変えたまた
は填料を無添加とした以外は前記実施例1〜6と同様に
して合計6種の防湿層形成用の塗布液を調製し、該塗布
液を実施例1〜6と同様の上質紙の片面に塗布した後、
120℃、30秒間乾燥して防湿層を形成し、下記表2
に示す比較例1〜6の防湿紙を得た。
【0059】なお、得られた各防湿紙において、防湿層
の目付量(乾燥時)は、約8g/m2であった。
【0060】[防湿性試験]実施例1〜6、比較例1〜
6の各防湿紙(合計12種)について、以下の方法によ
り防湿性を調べた。
【0061】各防湿紙を2つ折りにし、10kgのゴムロ
ーラで折り目を付け、これと直交する方向に再度同様の
方法で折り目を付け、このサンプルについて、JIS Z 02
08に規定する透湿度試験を行い、透湿度(防湿性)[単
位:g/m2・24hr ]を調べた。その結果を、下記表1およ
び表2に示す。
【0062】なお、表1、表2中の透湿度の括弧内の数
字は、折り目を付けないで測定した値である。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】[耐ブロッキング性試験]実施例1〜6、
比較例1〜6の各防湿紙(合計12種)について、以下
の方法により耐ブロッキング性を調べた。
【0066】各防湿紙の防湿層に、被包装物を想定した
3種の紙材A、B、Cをそれぞれ重ね、プレス圧力5kg
/cm2、プレス温度40℃、プレス時間15時間の条件で
プレスし、防湿紙と紙材との剥離強度を測定し、耐ブロ
ッキング性を評価した。その結果を、下記表3、4に示
す。
【0067】なお、防湿紙と紙材との剥離強度は、防湿
紙を剥離角度180°、速度0.3m/min で剥離して測
定した値[単位:g/25mm]である。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】[水離解性試験]実施例1〜6の各防湿紙
について、以下の方法により水離解性を調べた。
【0071】家庭用小型ミキサー(容量:1200ml、
回転数:11000rpm )を用いて、常温の水道水に各
防湿紙をパルプ濃度が1wt%となる量加えて2分間撹拌
し、浮遊物(未離解物)の有無を調べた。
【0072】実施例1〜6の各防湿紙は、いずれも浮遊
物がなく、優れた水離解性を有することが確認された。
【0073】[防湿層の滑り性試験]実施例1〜6につ
いて、以下の方法により防湿層の滑り性を調べた。
【0074】同一の2枚の防湿紙の防湿層同士を重ねた
場合(防湿層/防湿層)、同一の2枚の防湿紙の防湿層
と基材層とを重ねた場合(防湿層/基材層)のそれぞれ
について、摩擦抵抗の大きさを調べた。
【0075】実施例1〜6の各防湿紙は、摩擦抵抗が大
きく、滑りを抑制できることが確認された。
【0076】次に、前記実施例3、6の防湿紙、および
これらの防湿層中の填料の添加量のみを種々変更した実
施例7〜10の防湿紙の各々について、前記と同様の方
法により防湿性(透湿度)および耐ブロッキング性(剥
離強度)を調べた。これらの結果を、下記表5に示す。
【0077】なお、表5中の透湿度の括弧内の数字は、
折り目を付けないで測定した値である。
【0078】
【表5】
【0079】さらに、前記実施例3の防湿紙、およびそ
の防湿層の目付量のみを種々変更した実施例11〜13
の防湿紙の各々について、前記と同様の方法により防湿
性(透湿度)および耐ブロッキング性(剥離強度)を調
べた。その結果を、下記表6に示す。
【0080】なお、表6中の透湿度の括弧内の数字は、
折り目を付けないで測定した値である。
【0081】
【表6】
【0082】<結果の考察>表1〜表6からわかるよう
に、実施例1〜13の防湿紙は、いずれも、防湿性が高
く、特に、折り目等を付けた場合でも、防湿性の低下が
少なく、しかも、紙材の種類にかかわらず、優れた耐ブ
ロッキング性を有している。そして、水離解性に優れて
いることから、リサイクルが可能であり、また、滑りを
防止または抑制することができる。
【0083】これに対し、比較例1〜6の防湿紙は、防
湿性または耐ブロッキング性が劣り、特に、比較例3の
防湿紙は、防湿性および耐ブロッキング性が極端に低下
している。
【0084】また、表5、表6からわかるように、本発
明の防湿紙では、防湿層中の填料の添加量や防湿層の目
付量が変動しても、優れた防湿性および耐ブロッキング
性が得られている。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の防湿紙によ
れば、折りたたんでいない状態はもちろんのこと、折り
たたんだ状態でも優れた防湿性を確保し、しかも、水離
解性を得ることができ、よって、リサイクルが可能とな
る。
【0086】特に、防湿層中に所定の填料を含有するこ
とにより、防湿紙同士または防湿紙と他の紙材等とのブ
ロッキングが防止または抑制されるとともに、水離解性
が優れ、また、防湿紙を巻取ったり重ねたりして保持し
た場合に、防湿紙同士の滑りによるトラブル発生が防止
される。
【0087】このようなことから、防湿層のポリマー組
成、特性等の選択の幅が広く、広域な用途、設計が可能
となる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙材よりなる基材層と、水離解性を有す
    る防湿層とを有してなる防湿紙であって、 前記防湿層は、少なくとも1種の水酸化物を主とする填
    料を含有するものであることを特徴とする防湿紙。
  2. 【請求項2】 紙材よりなる基材層と、水離解性を有す
    る防湿層とを有してなる防湿紙であって、 前記防湿層は、水酸化マグネシウムを含む水酸化物より
    なる填料を含有するものであることを特徴とする防湿
    紙。
  3. 【請求項3】 前記水酸化物中の水酸化マグネシウムの
    占める割合が40〜100wt%である請求項2に記載の
    防湿紙。
  4. 【請求項4】 前記防湿層は、塗布法により形成される
    コート層である請求項1ないし3のいずれかに記載の防
    湿紙。
  5. 【請求項5】 前記防湿層は、主ポリマーと、ワックス
    とを含むものである請求項4に記載の防湿紙。
  6. 【請求項6】 前記主ポリマーが合成ゴム系樹脂である
    請求項5に記載の防湿紙。
  7. 【請求項7】 前記主ポリマーがアクリル系樹脂である
    請求項5に記載の防湿紙。
  8. 【請求項8】 前記防湿層の目付量が4〜30g/m2であ
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の防湿紙。
  9. 【請求項9】 前記填料は、平均粒径が0.1〜30μ
    m の粉末である請求項1ないし8のいずれかに記載の防
    湿紙。
  10. 【請求項10】 前記防湿層中の前記填料の含有量が5
    〜40wt%である請求項1ないし9のいずれかに記載の
    防湿紙。
JP4703097A 1997-02-14 1997-02-14 防湿紙 Pending JPH10226991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4703097A JPH10226991A (ja) 1997-02-14 1997-02-14 防湿紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4703097A JPH10226991A (ja) 1997-02-14 1997-02-14 防湿紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226991A true JPH10226991A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12763796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4703097A Pending JPH10226991A (ja) 1997-02-14 1997-02-14 防湿紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226991A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001254296A (ja) * 2000-03-10 2001-09-21 Dainippon Ink & Chem Inc 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP2003049397A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Kishu Paper Co Ltd 防湿シート
WO2024004665A1 (ja) * 2022-06-27 2024-01-04 Dicグラフィックス株式会社 防湿紙及び包装体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001254296A (ja) * 2000-03-10 2001-09-21 Dainippon Ink & Chem Inc 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP2003049397A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Kishu Paper Co Ltd 防湿シート
WO2024004665A1 (ja) * 2022-06-27 2024-01-04 Dicグラフィックス株式会社 防湿紙及び包装体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0718437B1 (en) Use of a recyclable and repulpable coated paper or paper board as a ream wrap
JP5357577B2 (ja) 加工紙
JP3344613B2 (ja) 粘着シート
JP3488675B2 (ja) 製袋等に使用できる耐水耐油紙
EP1371778A1 (en) Coated paper sheet
JP3442523B2 (ja) 耐ブロッキング性及び防滑性に優れた防湿紙
JPH10226991A (ja) 防湿紙
JP3412658B2 (ja) 剥離紙用基材及び剥離紙
JPH10183498A (ja) 防湿紙
JP2006118108A (ja) 防湿紙
JPH11286898A (ja) 再生可能な防湿紙
JPH1112989A (ja) 電子写真用紙包装用防湿紙及びその製造方法
JP3557950B2 (ja) 防湿積層体
JPH0770982A (ja) 再離解が容易な防湿、防水紙
JPH1121796A (ja) 剥離紙
JP3376545B2 (ja) 防湿用コーティング剤組成物及び防湿性紙
US20030232180A1 (en) Support for image recording material
JP2000255626A (ja) 包装用紙
JP4172377B2 (ja) 電子写真用転写用紙
JP4258891B2 (ja) 防湿紙
JP3966879B2 (ja) リサイクル可能な防湿包装紙
JP2003119697A (ja) 防湿紙
JP2000080593A (ja) 水離解性防湿紙
JPH10102017A (ja) 粘着シートとその製造方法
JP2022122007A (ja) 包装用紙