JP2022095403A - 剥離紙原紙、剥離紙、及び粘着テープ、並びに剥離紙原紙の製造方法 - Google Patents

剥離紙原紙、剥離紙、及び粘着テープ、並びに剥離紙原紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙、剥離紙、及び粘着テープ、並びに剥離紙原紙の製造方法を提供する。【解決手段】紙基材11と、紙基材11の表面の少なくとも一部に積層され、(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布層12とを含む、剥離紙原紙10を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、剥離紙原紙、剥離紙、及び粘着テープ、並びに剥離紙原紙の製造方法に関する。
近年、紙基材の表面に剥離剤層を備える剥離紙において、剥離剤の紙基材への浸透を極力抑制し、その剥離性を高めるために、紙基材と剥離剤層の間に目止め層等を形成させることが行われている。目止め層は、剥離剤の塗工時に紙基材に侵入することを防ぎ、表面に剥離剤層を形成させる目的で設けられる。
このような剥離紙に関するものとして、例えば、特許文献1には、原紙に剥離剤層を設けてなる剥離紙において、原紙が加圧平滑化されてなる、JIS B 0601に規定される10点平均粗さの値が10μm以下のグラシン紙であり、かつ剥離剤層が無溶剤型剥離剤を塗工されてなる剥離紙が開示されている。
そして、特許文献2には、多段スーパーカレンダー装置に直結した塗工装置によって塗液を紙の表面に塗工する剥離紙用原紙の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、抄紙機の乾燥機中間部に設置されたサイズプレス、ゲートロールコーター及びバーコーターの中から選ばれた1種の塗工機により、アクリル酸エステル系樹脂を主成分とする塗液を原紙に塗布し、該原紙を圧縮処理して得たグラシン紙に、剥離剤を塗布するグラシン剥離紙の製造方法が開示されている。
特開平09-302599号公報 特開平05-279996号公報 特開平09-111699号公報
このような剥離紙は、その原紙のカレンダー加工性に優れているとともに、剥離紙の表面が高い平滑性を有することが求められる。しかし、例えば、特許文献1や特許文献3に開示されている剥離紙は、剥離紙の剥離剤層の平滑性が不十分である。このような平滑性が不十分な剥離紙を用いた粘着テープは、表面基材とともに粘着剤層を剥離紙から剥離した際に、粘着剤層等の表面に微細な凹凸が発生し、露出した粘着剤層の外観が損なわれてしまう。また、特許文献2に開示されている剥離紙用原紙も、原紙としてグラシン紙等を使用しているものの、剥離紙原紙のカレンダー加工性と、剥離紙とした際の表面の平滑性の両立が不十分であり、改良の余地がある。このように、従来の剥離紙では、剥離紙原紙のカレンダー加工性及び剥離紙とした際の表面の平滑性の両方を高いレベルで維持できないといった問題がある。このような問題は、特にグラシン紙を原紙として用いた場合に顕著であり、改良の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙、剥離紙、及び粘着テープ、並びに剥離紙原紙の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、紙基材と、紙基材の表面の少なくとも一部に積層され、(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布層とを含む剥離紙原紙とすることに知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)
紙基材と、前記紙基材の表面の少なくとも一部に積層され、(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布層と、を含む、剥離紙原紙である。
(2)
前記(B)成分が、オレフィン系樹脂である、(1)に記載の剥離紙原紙である。
(3)
前記(A)成分が、スチレン-オレフィン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、及びスチレン-メタクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つである、(1)又は(2)に記載の剥離紙原紙である。
(4)
前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分40質量部以上200質量部以下を含む、(1)~(3)のいずれかに記載の剥離紙原紙である。
(5)
(1)~(4)のいずれかに記載の剥離紙原紙と、前記剥離紙原紙の前記塗布層の表面の少なくとも一部に積層された剥離剤層と、を含む、剥離紙である。
(6)
前記剥離剤層の表面は、JIS P 8155に準拠した平滑度が1050秒以上である、(5)に記載の剥離紙である。
(7)
前記剥離剤層の表面は、JIS B 0601に準拠した算術平均粗さ(Ra)が0.80μm以下である、(5)又は(6)に記載の剥離紙である。
(8)
テープ基材と、前記テープ基材の表面の少なくとも一部に積層された粘着剤層と、前記粘着剤層の表面のうち、前記テープ基材と反対側の表面に積層された(5)~(7)のいずれかに記載の剥離紙と、を含む、粘着テープである。
(9)
紙基材の表面の少なくとも一部に、ラテックスである(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布液を塗布して、塗布層を形成する工程を含む、剥離紙原紙の製造方法である。
本発明によれば、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙、剥離紙、及び粘着テープ、並びに剥離紙原紙の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る剥離紙原紙の断面模式図である。 図2は、本実施形態に係る剥離紙の断面模式図である。 図3は、本実施形態に係る粘着テープの断面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
そして、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
また、本明細書中、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリル及びアクリルを包含するものとする。例えば、(メタ)アクリルは、メタクリル、アクリル、又はその両方を意味するものである。「(メタ)アクリレート」等の他の類似用語についても同様である。
<剥離紙原紙>
図1は、本実施形態に係る剥離紙原紙の断面模式図である。
本実施形態に係る剥離紙原紙10は、紙基材11と、紙基材11の表面上に形成され、(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布層12とを含む。紙基材11の表面上に、特定の(A)成分と(B)成分を含む塗布層12を設けることによって、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙10とすることができる。
(紙基材)
紙基材11(原紙)は、特に限定はなく、例えば、グラシン紙、セミグラシン紙、上質紙、クラフト紙、クレーコート紙、中質紙、アルカリ性紙、塗工紙、板紙、白板紙、又は発塵の少ないいわゆる無塵紙等が挙げられる。これらの中でも、グラシン紙、セミグラシン紙が好ましく、グラシン紙がより好ましい。従来の剥離紙では、グラシン紙を原紙として用いた場合には、剥離紙原紙のカレンダー加工性と、剥離紙とした際の表面の平滑性の両立が不十分であるといった問題が顕著であるが、本実施形態によれば、グラシン紙等を紙基材11として用いた場合であっても、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙10とすることができる。
一般に、グラシン紙は、その製造過程において、パルプを叩解処理し、カレンダー加工を施すことによって、紙を構成する繊維を毛羽立たせ、繊維間の隙間を潰す(隙間を少なくする)。そのため、グラシン紙は、上質紙等の他の種類の紙に比べて高いバリア性や透明性等を得ることができる。このようなグラシン紙は、剥離剤(例えば、シリコーン系樹脂等のシリコーン系剥離剤等)が原紙に浸透することなく剥離紙原紙の表面に留まらせることが可能であるとして、剥離紙の原紙として使用されることが多い。しかし、発明者らが、鋭意研究した結果、グラシン紙は表面が毛羽立っているため、その表面に微細な凹凸が生じてしまい、平滑性が悪くなるといった問題が生じる。このような平滑性が悪いグラシン紙を剥離紙の原紙として用いると、剥離紙の表面にも微細な凹凸が生じてしまい、表面の平滑性が悪い剥離紙となってしまう。
しかし、本実施形態に係る剥離紙原紙10は、グラシン紙のような、叩解度が高く、表面の繊維が毛羽立っている原紙を用いた場合であっても、後述する塗布層12をその上に設けることによって、剥離紙の表面の粗さを抑え、その表面の平滑性の低下を防ぐことができる。その結果、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙10を実現できる。
加えて、本実施形態において、紙基材11としてグラシン紙を用いる場合、上述したように、表面が毛羽立っているため、バリア性を確保できる。そして、後述するように、塗布層12の表面上に剥離剤層21を形成させる際、これをしっかりと表面に乗せることができる。さらには、透明性も確保できるといった更なる利点を付与することもできる。
紙基材11は、塗布層12との接着性を高めるために、加熱処理やコロナ放電処理等の各種表面処理をあらかじめ施してもよい。このような表面処理の条件は、本実施形態の効果が得られる範囲であれば特に限定されず、適宜好適な条件を選択することができる。
紙基材11を構成するパルプとしては、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)等の木材パルプを使用できる。これらの中でも、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましい。
紙基材11のパルプの含有率は、特に限定されないが、60質量%以上100質量%以下であることが好ましい。この含有量の下限は、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。また、この含有量の上限は、98質量%以下であることがより好ましく、97質量%以下であることが更に好ましい。
紙基材11を構成するパルプとして、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)及び/又は広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を含有する場合、平滑性の観点から、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)/広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)の含有比(パルプN/L比、質量比)は、80/20~0/100(すなわち4以下)であることが好ましく、70/30~0/100(すなわち7/3以下)であることがより好ましく、50/50~0/100(すなわち1以下)であることが更に好ましい。
紙基材11の厚みは、40μm以上300μm以下であることが好ましい。この厚みを40μm以上とすることにより、剥離紙20の製造時におけるしわの発生を抑制でき、ラベル製造時におけるラベル加工の抜き加工適性が向上させることができる。また、この厚みを300μm以下とすることにより、剛性が高くなりすぎることがなく、取り扱い性が低下しない。なお、この厚みは、JIS P 8118に準拠して測定することができる。
紙基材11の原紙の叩解度は、20°SR以上75°SR以下であることが好ましい。叩解度の下限は、25°SR以上であることがより好ましく、30°SR以上であることが更に好ましい。また、叩解度の上限は、70°SR以下であることがより好ましく、65°SR以下であることが更に好ましい。叩解度がこのような範囲である原紙を用いる場合、叩解処理によってフィルビル化が進んだ毛羽立った表面となる。よって、このような原紙を用いた従来の剥離紙では、平滑性が悪いといった問題が起きやすい。しかし、本実施形態によれば、このような叩解度の原紙であっても、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙10を実現できるため、好適である。このような叩解度を有する原紙としては、特に限定されないが、例えば、グラシン紙等が挙げられる。この叩解度は、JIS P 8121に準拠して、ショッパー・リグラー形叩解度試験機により測定することができる。
紙基材11の坪量は、35g/m以上120g/m以下であることが好ましい。この坪量の下限は、50g/m以上であることがより好ましく、55g/m以上であることが更に好ましく、60g/m以上であることがより更に好ましい。また、この坪量の上限は、100g/m以下であることがより好ましく、90g/m以下であることが更に好ましく、80g/m以下であることがより更に好ましい。この坪量をこのような範囲に制御することにより、抄造適性が一層向上する。
(塗布層)
塗布層12は、(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む。(A)成分と(B)成分とを含むことによって、カレンダー加工性と、剥離紙とした際の表面の平滑性とを従来では達成できなかった程度の高いレベルで両立させることができる剥離紙原紙10を実現できる。
(A)成分は、スチレン系樹脂である。(A)成分のスチレン系樹脂のモノマーとしては、スチレン単独でもよいし、その他のモノマーを含んでいてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2、2-ジメチル-1-ブテン、2-メチル-1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、3-メチル-1-ヘキセン、2、2-ジメチル-1-ペンテン、3、3-ジメチル-1-ペンテン、2、3-ジメチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、2、2、3-トリメチル-1-ブテン、1-オクテン、2、2、4-トリメチル-1-オクテン等のオレフィン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なお、スチレンの含有率は、モノマー総量の50モル%以上であることが好ましい。
(A)成分のスチレン系樹脂の具体例としては、スチレン樹脂、スチレン-オレフィン系樹脂(例えば、スチレン-ブタジエン系樹脂等)、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、スチレン-オレフィン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、及びスチレン-メタクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、スチレン-オレフィン系樹脂、又はスチレン-アクリル系樹脂であることがより好ましい。
(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、-30℃以上70℃以下であることが好ましい。このガラス転移温度(Tg)の下限は、-20℃以上であることがより好ましく、-10℃以上であることが更に好ましい。また、このガラス転移温度(Tg)の上限は、50℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度(Tg)の下限をこのような範囲に制御することで、カレンダーロールに張り付かずに加工できる。ガラス転移温度(Tg)の上限をこのような範囲に制御することで、カレンダー加工時に効果的に軟化させることができるとともに、剥離紙とした際の表面の平滑性を一層向上させることができる。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、特に断りがない限り、示差走査熱量測定(DSC)によって、10℃/分で40℃から230℃まで昇温させた後、降温させ、-80℃から230℃まで再度昇温させる測定条件で測定できる。
(B)成分は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂である。(A)成分と(B)成分を併用することにより、紙基材11に塗布できる塗布量(ウェット、ドライ)を高めることができ、その結果、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙10を得ることができる。
(B)成分のガラス転移温度(Tg)は、100℃以上であればよいが、その上限は、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、160℃以下であることが更に好ましい。ガラス転移温度(Tg)をこのような範囲に制御することで、塗布層12の造膜性が向上し、表面が摩擦されても膜が崩れない塗布層12とすることができる。
(B)成分の樹脂の種類は、特に限定されないが、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ナイロン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、オレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2、2-ジメチル-1-ブテン、2-メチル-1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、3-メチル-1-ヘキセン、2、2-ジメチル-1-ペンテン、3、3-ジメチル-1-ペンテン、2、3-ジメチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、2、2、3-トリメチル-1-ブテン、1-オクテン、2、2、4-トリメチル-1-オクテン等のα-オレフィンが挙げられる。これらの中でも、エチレン、プロピレン等が好ましい。これらのモノマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。(B)成分の具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等であることがより好ましい。
塗布層12における(A)成分及び(B)成分の割合は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が40質量部以上200質量部以下であることが好ましい。(A)成分100質量部に対する(B)成分の下限は、50質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上であることが更に好ましい。また、(A)成分100質量部に対する(B)成分の上限は、150質量部以下であることがより好ましく、130質量部以下であることが更に好ましい。(B)成分の下限をこのような範囲に制御することにより、タックを低減できるため、カレンダー加工時に張り付くことなく加工でき、カレンダー加工性が一層向上する。また、(B)成分の上限をこのような範囲に制御することにより、高い造膜性が得られるため、紙基材11の表面に塗布層12を形成しやすくなり、剥離紙とした際の表面の平滑性が一層向上する。
塗布層12の厚みは、0.5μm以上50μm以下であることが好ましい。この厚みの下限は、1μm以上であることがより好ましい。また、この厚みの上限は、10μm以下であることがより好ましい。この厚みの下限をこのような範囲に制御することによって、後述する剥離剤の紙基材11への浸透を効果的に抑制することができる。また、この厚みの上限をこのような範囲に制御することによって、不必要に厚くなることを防ぐ、実用的な厚さに留めることができる。
塗布層12には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、所望により、各種添加剤や、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等のフィラー、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤等の各種助剤を添加してもよい。
<剥離紙原紙の製造方法>
本実施形態に係る剥離紙原紙10の好適な製造方法としては、紙基材11の表面の少なくとも一部に、ラテックスである(A)スチレン系樹脂(スチレン系ラテックス樹脂)と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布液を塗布して、塗布層12を形成する工程を含む、剥離紙原紙10の製造方法が挙げられる。
(A)成分と(B)成分を含む塗布液は、紙基材11の片面又は両面に塗布し、片面又は両面に塗布層12を形成させることができる。塗布の方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法、例えば、紙基材11上に樹脂成分を含む塗液を塗布し、乾燥させて、塗布層12を形成する方法等を採用することができる。例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーブレードコーター、グラビアコーター、バーコーター、多段ロールコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ゲートロールコーター、サイズプレスコーター、シムサイザー等の各種塗工装置を適宜選択して塗布する方法を採用することができる。
この点、(A)成分は、例えば、塗布工程の際に、紙基材11の表面上への塗布量(g/m)を高くすることができるため、塗布に好適である。なお、ここでいうラテックスとは、溶媒中に樹脂の粒子が安定に分散したものをいう。そのような観点から、溶媒としては、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール等)が好ましく、水がより好ましい。溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合でも、水系溶媒であることが好ましい。また、(A)スチレン系樹脂がラテックスである場合には、ラテックスの分野で通常配合される、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、架橋剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を配合してもよい。
そして、(B)成分については、溶媒中に溶解又は分散させた溶液で用いてもよいが、(B)成分を構成するモノマーを乳化重合等によって得られたエマルションであることが好ましい。(B)成分がエマルションであることにより、溶剤タイプのものに比べ、紙基材11への浸透力を抑えることができるため、内部に浸透することなく、紙基材11の表面に塗布層12を形成し易い。また、塗布層12の耐水性が向上するため、後述するように、塗布層12の表面に剥離剤層21を設けた場合、シリコーンの硬化性が損なわれず、剥離紙20として好適に使用することができる。
上述した(B)成分と同様の観点から、(A)成分についてもエマルションであることが好ましい。すなわち、塗布液に含有される(A)成分及び(B)成分ともにエマルションであることにより、上述した効果が一層向上する。
さらに、塗布液には、上述した塗布層12に配合することができる成分を用いることができる。例えば、(A)成分及び(B)成分の他に、本実施形態の効果を損なわない範囲で、所望により、各種添加剤や、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等のフィラー、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤等の各種助剤を添加してもよい。
また、塗布層12となる塗布液の塗布量(ドライ)は、特に限定されないが、1g/m以上10g/m以下であることが好ましい。この塗布量の下限は、2g/m以上であることがより好ましく、3g/m以上であることが更に好ましい。また、この塗布量の上限は、8g/m以下であることがより好ましく、7g/m以下であることが更に好ましい。この塗布量の下限をこのような範囲に制御することによって、平滑性が一層高くなる。また、この塗布量の上限をこのような範囲に制御することによって、タックを効果的に抑制できるためカレンダー加工性が一層向上する。
塗布した後、必要に応じて、調湿や裁断等の工程を行ってもよい。
<剥離紙>
図2は、本実施形態に係る剥離紙の断面模式図である。
本実施形態に係る剥離紙20は、上述した剥離紙原紙10と、剥離紙原紙10の塗布層12の表面の少なくとも一部に積層された剥離剤層21とを含む。塗布層12の表面に剥離剤層21を設けることで、剥離紙20として好適に使用できる。
なお、図示はしないが、剥離紙20は、塗布層12及び剥離剤層21を紙基材11の両面に設けて、両面剥離紙としてもよい。さらに、剥離紙20は、紙基材11における、塗布層12及び剥離剤層21が設けられた面とは反対側の面に、カール抑制層等を設けてもよい。カール抑制層としては、特に限定されず、公知のものを採用することができる。
(剥離剤層)
剥離剤層21に含まれる剥離剤としては、特に限定されず、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アルキッド樹脂、長鎖アルキル系樹脂、各種ワックス類等の剥離剤等が挙げられる。これらの中でも、剥離性に優れる観点から、剥離剤はシリコーン系樹脂であることが好ましい。
シリコーン系樹脂としては、例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、シリコーン系樹脂は、溶剤型、無溶剤型、エマルション型のいずれの形態でも用いることができるが、エマルション型、無溶剤型が好ましい。
剥離剤層21の厚みは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。この厚みの下限は、0.1μm以上であることがより好ましい。また、この厚みの上限は、5μm以下であることがより好ましい。
剥離剤層21は、剥離紙原紙10の塗布層12の表面の一部に、上述した剥離剤を含む塗布液を塗布・加熱することによって硬化させて形成することができる。塗布方法は、特に限定されず、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーブレードコーター、グラビアコーター、バーコーター、多段ロールコーター等の各種塗工装置を適宜選択して塗布する方法を採用することができる。
そして、剥離剤を含む塗布液の塗布量(ドライ)は、0.4g/m以上3.0g/m以下であることが好ましい。この塗布量の下限は、0.6g/m以上であることがより好ましく、0.8g/m以上であることが更に好ましい。また、この塗布量の上限は、2.0g/m以下であることがより好ましく、1.5g/m以下であることが更に好ましい。塗布量をこのような範囲に制御することによって、剥離紙により適した剥離力とすることができる。
剥離剤層21の表面の平滑度は、その好適な態様として、JIS P 8155に準拠した平滑度で好ましくは1050秒以上、より好ましくは1500秒以上、更に好ましくは2000秒以上とすることができる。また、剥離剤層21の表面の粗さは、その好適な態様として、JIS B 0601に準拠した算術平均粗さ(Ra)で好ましくは0.80μm以下、より好ましくは0.70μm以下とすることができる。剥離剤層21の算術平均粗さ(Ra)の下限は、特に限定されないが、0.10μm以上であることが好ましい。算術平均粗さ(Ra)は、例えば、接触式表面粗さ計によって測定できる。ここでいう「表面」とは、剥離紙20の剥離剤層21の表面をいう。そして、剥離紙20は、平滑度及び接触式表面粗さ計で測定したRaを併せ持つことが好ましい。本実施形態では、紙基材11に(A)成分及び(B)成分を含む塗布層12を設けた剥離紙原紙10を用いることで、このように高い平滑性を剥離紙20に付与することができる。
上述した利点を有することから、剥離紙20の使用における好適例としては、例えば、粘着テープ、ラベル等の粘着剤層の保護(粘着製品の粘着面の保護)が挙げられるが、後述する粘着テープの使用に特に好適である。
<粘着テープ>
図3は、本実施形態に係る粘着テープの断面模式図である。
本実施形態に係る粘着テープ30は、テープ基材31と、テープ基材31の表面上に積層された粘着剤層32と、粘着剤層32の表面のうち、テープ基材31と反対側の表面に積層された上述の剥離紙20とを含む。なお、粘着剤層32は、テープ基材31の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。上述した剥離紙20の剥離剤層21の表面に、剥離剤層21の表面に粘着剤層32を介してテープ基材31を貼合することによって、粘着テープ30として好適に使用することができる。すなわち、粘着テープ30は、紙基材11、塗布層12、剥離剤層21、粘着剤層32、及びテープ基材31をこの順に積層されたものである。
(テープ基材)
テープ基材31としては、紙系、樹脂系等の原料から構成されている基材を使用できる。紙系基材としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙等の塗工紙、ホイル紙、カラー・ファンシー紙、含浸紙、セロハン、無塵紙等が挙げられる。樹脂系基材としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリウレタンウレア、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ABS、ポリエステル等の樹脂系フィルムが挙げられる。テープ基材31の材料は、粘着テープ30として使用する用途や環境により、適宜選択することができる。
(粘着剤層)
粘着剤層32に含まれる粘着剤としては、特に限定はなく、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、透明性に優れ、耐久性が良好であるので、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が好ましく、アクリル系粘着剤がより好ましい。
アクリル系粘着剤としては、例えば、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等を主成分とし、これに凝集力を与える成分として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を使用することができる。また、架橋点となる官能性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド誘導体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を共重合して得られるポリマーに、適当な架橋剤を配合した接着剤を使用することができる。
また、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤等の無溶剤型粘着剤、エネルギー線の照射により硬化して再剥離性となるエネルギー線硬化型粘着剤であってもよい。さらに、粘着剤には、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、填料、染料又は顔料等の着色剤等を配合することができる。
粘着剤層32の厚みは、5μm以上200μm以下であることが好ましい。この厚みの下限は、10μm以上であることがより好ましい。また、この厚みの上限は、100μm以下であることがより好ましい。この厚みの下限をこのような範囲に制御することによって、十分な粘着力を確保でき、粘着剤層32の厚みを均一にすることができる。また、この厚みの上限をこのような範囲に制御することによって、粘着剤塗布後の乾燥を短時間に完了させることができ、粘着剤が粘着テープ30からはみ出すこともなく、歩留まりが良く、生産効率が向上する。
さらに、本実施形態に係る粘着テープ30は、平滑性の高い剥離紙20を使用しているため、テープ基材31とともに粘着剤層32を剥離紙20から剥離した際に、粘着剤層32の表面に微細な凹凸が発生せず、粘着剤層32の表面等の美観が損なわれない。このような観点から、本実施形態に係る粘着テープの好適な態様として、粘着剤層32のヘイズ値は、15%以下であることがより好ましい。粘着剤層32のヘイズ値をこのような範囲にできることで、消費者の目に直接触れるPOP用ラベル等の販売促進用や広告宣伝用のテープの材料等として好適である。
粘着テープ30は、シート状やテープ状やラベル状等の適宜な形態に成形して被着体の接着等の従来の粘着テープに準じた各種の用途に用いることができる。
なお、図示はしないが、粘着テープ30の表面には、粘着テープ30の保護や退色防止のために、従来公知のラミネートフィルムを更に設けてもよい。
また、トナーやインク等の定着を良好とする観点から、粘着テープ30の粘着剤層32とは反対側の表面(最表層の表面)上に、さらに、印刷受容層を設けてもよい。印刷受容層としては、例えば、種々の印字用コーティング剤を塗布することにより設けることができる。印字用コーティング剤としては、好ましくはアクリル系樹脂若しくはポリエステル系樹脂、又はそれらを併用した印字用コーティング剤等が挙げられる。
さらに、粘着テープ30は、トナーやインク等を保護するために、粘着テープ30又は印刷受容層の表面(最表層の表面)の上に、コーティング剤を塗布して、コーティング層を設けてもよい。そして、必要に応じて粘着テープ30に対する印刷や、粘着テープ30のハーフカット、裁断等の加工を行って、ラベル等を得ることもできる。
粘着テープ30は、上述した剥離紙20の剥離剤層21の表面に、公知の方法によって粘着剤を含む塗布液を塗布し、乾燥して粘着剤層32を形成した後、粘着剤層32の上にテープ基材31を貼合することによって製造することができる。さらに、必要に応じて、粘着テープ30を巻き取る巻き取り工程等を行ってもよい。
以上説明してきたように、本実施形態に係る剥離紙原紙10は、カレンダー加工性に優れるだけでなく、剥離紙20とした際の表面の平滑性が高いといった利点を発揮できる。そのため、剥離紙原紙10は剥離紙20として好適に使用可能であり、剥離紙20を使用した粘着テープ30は、例えば、各種オーバーラミネート用ラベル、さらには、管理用途(例えば、物品管理用ラベル、工程管理用ラベル、物流管理用ラベル等)、文具事務用品(目隠しラベル、ファンシーラベル等)、販売促進用及び広告宣伝用(例えば、POP用ラベル)、その他各種遊具用途等の各種ラベル等として好適に使用できる。
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
本実施例における処理及び測定について、その条件について特に断りがない限り、23℃、相対湿度50%の環境下において行ったものである。
<実施例1>
まず、紙基材11として、グラシン紙(叩解度:42°SR、パルプN/L比(質量比):30/70、坪量:64g/m)を準備し、その表面に、ハンドコートを用いて、スチレンブタジエン1(スチレン-ブタジエン系ラテックス樹脂、日本エイアンドエル社製、「スマーテックスSN-309R」)100質量部と、オレフィン系エマルション1(ポリオレフィン系エマルション、ユニチカ社製、「アローベースDC-1010」)124質量部とを表1に示す固形分(質量%)となるように混合して塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバー10番を用いて、表1及び表2に示す塗工条件となるように、紙基材11の表面に塗布した。そして、120℃で120秒乾燥させ、紙基材11の表面上に塗布層12を形成させた。そして、これを、60℃、10MPaの条件で2回ロールに通過させてカレンダー加工を施して、図1に示す構造を有する剥離紙原紙10を得た。
最後に、剥離紙原紙10の塗布層12の表面に、無溶剤シリコーンをドライ塗布量が1.0g/mになるように塗布し、その後、150℃で30秒間加熱して剥離剤層21を形成させて、図2に示す構造を有する剥離紙20を得た。
<実施例2~7、比較例1~8>
表1に示す配合及び表2に示す塗工量に変更した点以外は、実施例1と同様にして、剥離紙原紙及び剥離紙を作製した。なお、比較例4は、塗布層12の形成に用いる塗布液の粘度が高すぎたため、塗布液を塗布できず、剥離紙原紙を作製できなかった。
なお、表1中の成分は、以下のとおりである。
(A)成分
・「スチレンブタジエン1」(スチレン-ブタジエン系ラテックス樹脂、日本エイアンドエル社製、「スマーテックスSN-309R」、Tg=-3℃)
・「スチレンブタジエン2」(スチレン-ブタジエン系ラテックス樹脂、日本エイアンドエル社製、「スマーテックスSR-102」、Tg=21℃)
・「スチレンアクリル1」(スチレン-アクリル系ラテックス樹脂、ヘンケルジャパン社製、「アクエンスBC900F」、Tg=-7.8℃)
・「PVA」(ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール社製、「Jポバール AM-20」、Tg=76℃)
(B)成分
・「オレフィンエマルション1」(ポリオレフィン系エマルション、ユニチカ社製、「アローベースDC-1010」、Tg=125℃)
・「オレフィンエマルション2」(ポリエチレン系エマルション、東邦化学工業社製、「ハイテックE-6700」、Tg=130℃)
・「オレフィンエマルション3」(ポリエチレン系エマルション、東邦化学工業社製、「ハイテックE-6314」、Tg=126℃)
・「オレフィンエマルション4」(ポリエチレン系エマルション、東邦化学工業社製、「ハイテックE-8237」、Tg=60℃)
<評価方法>
(カレンダー加工性)
剥離紙原紙10のカレンダー加工性の試験は以下の要領で行った。まず、21cm×29.7cmのサンプル(剥離紙原紙10)を、その長手方向に沿って、カレンダーの1対の金属ロールの間に送り込み、60℃、10MPa、5m/分の条件で、この金属ロールの間に2回通過させた(カレンダー加工)。通過後の状態を目視によって観察し、塗布層12がカレンダーの金属ロールに張り付いて剥がれなかった場合は「×」と評価した。塗布層12がカレンダーの金属ロールにやや貼りついたが容易に剥がれた場合、又は張り付かなかった場合は「○」と評価した。
(シリコーン塗布適性)
バリア性の評価も兼ねて、剥離紙原紙10についてシリコーン塗布適性の試験を行った。まず、サンプル(剥離紙原紙10)の塗布層12の表面に、無溶剤シリコーンを1.0g/mの塗布量となるように塗布した後、150℃、30秒の条件で熱硬化処理を行い、剥離剤層21を形成させた。そして、印刷適性試験機(RIテスター、IHI機械システム社製、「RI-2」)を用いて、その表面に油性マジックで筆記をして、目視によってインクのハジキが認められた場合を「○」と評価した。インクのハジキが認められなかった場合を「×」と評価した。なお、表中、比較例1については、カレンダー加工が「×」であり、シリコーン塗布適性の試験を行うことができなかった(表2の「-」参照)。
(平滑度)
剥離紙20の表面の平滑度試験では、JIS P 8155に準拠した試験により、その平滑度(秒)を求めた。具体的には、旭精工社製のデジタル型王研式透気度平滑度試験機を用いて、シリコーン塗布によって形成された、剥離紙20の剥離剤層21の表面の平滑度(秒)を測定した。なお、表中、比較例1、5~7については、シリコーン塗布適性試験においてシリコーン塗布(剥離剤層21の形成)ができなかったため、平滑度試験を行うための十分な濡れが得られず、この試験を行うことができなかった(表2の「-」参照)。
(平滑性、Ra)
剥離紙20の表面の平滑性試験では、接触式表面粗さ計を用いて、2回のカレンダー加工を施した後の剥離剤層21の表面の算術平均粗さ(Ra)を測定し、表面の平滑性を評価した。具体的には、JIS B 0601に準拠して、接触式表面粗さ測定器(ミツトヨ社製、「SV-3000」、測定距離10mm)を用いて、測定対象である表面の算術平均粗さ(Ra)を求めた。なお、表中、比較例1、5~7については、シリコーン塗布適性試験においてシリコーン塗布(剥離剤層21の形成)ができなかったため、この試験を行うことができなかった(表2の「-」参照)。
(粘着テープの製造)
さらに、実施例1~7及び比較例2、3、8について粘着テープ30を作製した。まず、得られた剥離紙20の表面上に、アクリル系粘着剤を塗布し、得られた塗膜を乾燥して粘着剤層32(厚さ20μm)を形成した。次いで、テープ基材31として、一方の面にポリエステル系易接着層(厚さ1μm)が形成されたPETフィルムを準備し、テープ基材31のポリエステル系易接着層と粘着剤層32を貼合することで、図3に示す構造を有する粘着テープ30を得た。
(ヘイズ(Haze)値)
実施例1~7及び比較例2、3、8について、得られた粘着テープ30から剥離紙20を剥がし、露出した粘着剤層32について、JIS K 7136:2000に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業社製、「NDH-5000」)を用いて、粘着剤層32のヘイズ値(%)を測定した。
各実施例及び各比較例の配合、塗工量、及び評価結果等を、表1及び表2に示す。なお、表中の単位は、特に断りがない限り、質量基準である。
Figure 2022095403000002
Figure 2022095403000003
以上より、本実施例によれば、カレンダー加工性に優れるだけでなく、平滑性が高い剥離紙とすることができる剥離紙原紙が得られることが少なくとも確認された。
10:剥離紙原紙、
11:紙基材、
12:塗布層、
20:剥離紙、
21:剥離剤層、
30:粘着テープ、
31:テープ基材、
32:粘着剤層

Claims (9)

  1. 紙基材と、
    前記紙基材の表面の少なくとも一部に積層され、(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布層と、
    を含む、剥離紙原紙。
  2. 前記(B)成分が、オレフィン系樹脂である、
    請求項1に記載の剥離紙原紙。
  3. 前記(A)成分が、スチレン-オレフィン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、及びスチレン-メタクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つである、
    請求項1又は2に記載の剥離紙原紙。
  4. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分40質量部以上200質量部以下を含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の剥離紙原紙。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の剥離紙原紙と、
    前記剥離紙原紙の前記塗布層の表面の少なくとも一部に積層された剥離剤層と、
    を含む、剥離紙。
  6. 前記剥離剤層の表面は、JIS P 8155に準拠した平滑度が1050秒以上である、
    請求項5に記載の剥離紙。
  7. 前記剥離剤層の表面は、JIS B 0601に準拠した算術平均粗さ(Ra)が0.80μm以下である、
    請求項5又は6に記載の剥離紙。
  8. テープ基材と、
    前記テープ基材の表面の少なくとも一部に積層された粘着剤層と、
    前記粘着剤層の表面のうち、前記テープ基材と反対側の表面に積層された請求項5~7のいずれか一項に記載の剥離紙と、
    を含む、粘着テープ。
  9. 紙基材の表面の少なくとも一部に、ラテックスである(A)スチレン系樹脂と、(B)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上である樹脂とを含む塗布液を塗布して、塗布層を形成する工程を含む、
    剥離紙原紙の製造方法。
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