JP2019167663A - 工程剥離紙用原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程剥離紙用原紙が剥離層に対する接着性を有し、得られる工程剥離紙が柔軟性および繰り返し耐久性を有する工程剥離紙用原紙を提供することである。【解決手段】課題は、パルプを主成分として含有し、並びに填料および内添サイズ剤を含有し、並びに表面サイズ剤を含有し、前記填料が少なくとも炭酸カルシウムを含み、前記内添サイズ剤が少なくともアルキルケテンダイマーを含み、前記表面サイズ剤がポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースを少なくとも含み、表面サイズ剤としてポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースの合計付着量が片面あたり1g/m2以上3g/m2以下である工程剥離紙の基材になる工程剥離紙用原紙によって解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、合成皮革等の製造に使用する工程剥離紙に関連し、前記工程剥離紙の基材である工程剥離紙用原紙に関する。詳しくは、工程剥離紙原紙の表面に設ける剥離層と工程剥離紙原紙との接着性が良好であり、さらに工程剥離紙用原紙の表面に剥離層を設けた工程剥離紙として繰り返し使用が良好である工程剥離紙用原紙に関する。
ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等を主原料にした合成皮革の製造においては、工程剥離紙上に前記樹脂から成る塗工液を塗工および乾燥し、該樹脂が固化した後に工程剥離紙から剥離する方法がある。
繰り返し使用が可能であると共に、シリコーン樹脂等の剥離剤が浸み込むことを抑えた工程剥離紙用原紙として、基紙の少なくとも一方の面に、顔料成分及び接着剤成分を主成分とする目止め層を設けてなる工程剥離紙用原紙であって、前記顔料成分の散乱式粒度分布測定器を用いたレーザー回折によるメジアン径(D50)が2.0μm以上7.0μm以下であり、前記接着剤成分が少なくとも合成樹脂ラテックスを含有すると共に、該合成樹脂ラテックスの配合量が、前記顔料成分100質量部に対して、8質量部以上20質量部以下である工程剥離紙用原紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
工程剥離紙に用いた場合に加熱による強度低下が少なく、繰り返し使用が可能な工程剥離紙用原紙として、パルプを主成分とし、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーまたはアルケニル無水コハク酸を含有し、パルプ100重量部に対し、澱粉を0.3重量部乃至0.8重量部、ポリアクリルアミド樹脂を0.05重量部乃至0.5重量部、熱硬化性樹脂を0.2重量部乃至0.6重量部含有し、且つJIS P−8133による冷水抽出pH値が7.0以上であることを特徴とする工程剥離紙用原紙が公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2016−223036号公報 特開2008−291408号公報
特許文献1に記載された如くの工程剥離紙用原紙は目止め層を有する。しかしながら、目止め層の存在によって、工程剥離紙用原紙の表面に設けた剥離層と工程剥離紙用原紙との接着力が低下することがある。その結果、工程剥離紙上で固化した合成皮革と工程剥離紙とを剥離する際に剥離層と工程剥離紙用原紙との接面で剥離して、合成皮革に剥離層が付着するという不具合が生じる。
一方、特許文献2に記載された如くの工程剥離紙用原紙は、乾燥紙力増強剤および熱硬化性樹脂を含有し、紙の物理的な強度を高めて工程剥離紙の繰り返し使用を可能にする。しかしながら、紙の剛度が増すと紙の柔軟さが低下することがある。その結果、工程剥離紙上で固化した合成皮革と工程剥離紙とを剥離する際に工程剥離紙が破損するという不具合または工程剥離紙をロール状にする際の取り扱いに不具合を生じる。合成皮革を工業的に製造する場合、一般的に、ロール状の工程剥離紙を使用する場合が多い。工程剥離紙は、剥離時の破損またはロール状にする際にシワ入りや波打ちを防止するために適度な柔軟さが必要である。
また一般に、顔料を含有する塗工層を有する工程剥離紙用原紙は、剥離層を設ける際の目止めに有効であるものの、工程剥離紙用原紙の表面に設けた剥離層と工程剥離紙用原紙との接着に劣る。さらに顔料を含有する塗工層を有する工程剥離紙用原紙は、得られる工程剥離紙の柔軟さに劣る。
上記を鑑みて本発明の目的は、下記の品質を有する工程剥離紙用原紙を提供することである。
(1)工程剥離紙用原紙の表面に設けた剥離層と工程剥離紙用原紙との接着が良好である
こと(接着性)。
(2)工程剥離紙用原紙から得られる工程剥離紙が柔軟さを有すること(柔軟性)。
(3)工程剥離紙用原紙から得られる工程剥離紙が繰り返し使用が可能であること
(繰り返し耐久性)。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の目的は、以下によって達成される。
[1]パルプを主成分として含有し、並びに填料および内添サイズ剤を含有し、並びに表面サイズ剤を含有し、前記填料が少なくとも炭酸カルシウムを含み、前記内添サイズ剤が少なくともアルキルケテンダイマーを含み、前記表面サイズ剤がポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースを少なくとも含み、表面サイズ剤としてポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースの合計付着量が片面あたり1g/m以上3g/m以下である工程剥離紙の基材になる工程剥離紙用原紙。
[2]前記ポリビニルアルコールが、JIS K6726:1994に準じて求められるケン化度95モル%以上且つ平均重合度500以上2000以下である前記[1]に記載の工程剥離紙用原紙。
本発明により、接着性、柔軟性および繰り返し耐久性を有する工程剥離紙用原紙を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
工程剥離紙用原紙は、その表面に剥離性を発現する樹脂を塗工および乾燥して剥離層を設ける前のものを指す。工程剥離紙は、工程剥離紙用原紙の表面に剥離性を発現する樹脂を塗工および乾燥して剥離層を設けたものを指す。
工程剥離紙は、合成皮革または炭素強化繊維複合材料等の製造に用いるものである。合成皮革の製造においては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂またはポリアミド樹脂等の樹脂から成る塗工液を工程剥離紙上に塗工および乾燥し、該樹脂が固化した後に工程剥離紙から剥離する方法がある。剥離された工程剥離紙は、回収され、再び合成皮革の製造に使用される。
工程剥離紙用原紙は、パルプを主成分として含有し、並びに填料および内添サイズ剤を含有し、並びに表面サイズ剤を含有する。
工程剥離紙用原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、炭酸カルシウム、タルク、クレーおよびカオリン等の従来公知の填料から選ばれる少なくとも一種、並びに中性ロジン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸および無水ステアリン酸等の従来公知の内添サイズ剤から選ばれる少なくとも一種、並びに必要に応じて定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤および紙力剤等の各種添加剤を配合した紙料を抄造して得られる抄造紙に、スチレン−アクリル酸系共重合体、澱粉、セルロースおよびポリビニルアルコール等の従来公知の表面サイズ剤から選ばれる少なくとも一種で表面サイズ処理を施した上質紙である。
工程剥離紙用原紙は、抄造紙にカレンダー処理および/または上質紙にカレンダー処理を施してよい。
抄造は、紙料を酸性、中性またはアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を挙げることができる。
表面サイズ処理は、表面サイズ剤を含有する表面サイズ液をサイズプレスを用いて抄造紙に付与し、表面サイズ剤を抄造紙に付着させることである。工程剥離紙用原紙は、表面サイズ処理によって表面サイズ剤を含有する。
サイズプレスは、従来公知の方式である。サイズプレスの例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレスおよびブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスではシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザーおよびフィルムプレスを、ロールメタリングサイズプレスではゲートロールコーターを挙げることができる。その他に、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレスおよびカレンダーサイズプレス等を挙げることができる。
本発明の効果が得られる範囲において、表面サイズ剤を工程剥離紙用原紙に含有させる方法は、従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いて表面サイズ剤を含む表面サイズ液を工程剥離紙用原紙に塗工および乾燥する方法を除外しない。従来公知の塗工装置の例としては、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーター等を挙げることができる。従来公知の乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
工程剥離紙用原紙の坪量は特に限定されない。取り扱いの容易さから、坪量は、80g/m以上180g/m以下が好ましく、100g/m以上150g/m以下がさらに好ましい。また、JIS P8118:2014に準じて求められる工程剥離紙用原紙の密度は、0.8g/cm以上1.4g/cm以下が好ましく、0.9g/cm以上1.2g/cm以下がより好ましい。
紙料中には、その他の添加剤としてバインダー、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などから選ばれる1種または2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
工程剥離紙用原紙は、填料として少なくとも炭酸カルシウムを含む。工程剥離紙用原紙が填料として炭酸カルシウムを含むことで、工程剥離紙用原紙は、接着性をおよび繰り返し耐久性を有することができる。この理由は不明であるが、カルシウムはパルプおよび樹脂に対する結合性に優れるために原紙の強度が増すと、および後記の表面サイズ剤との相乗効果によって剥離層に対する錨効果を増すと、考えられる。
工程剥離紙用原紙中の炭酸カルシウムの含有量は、工程剥離紙用原紙中のパルプ100質量部に対して0.35質量部以上3.5質量部以下が好ましい。
炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウムが好ましい。この理由は不明であるが、軽質炭酸カルシウムは、形状が比較的均一であるために剥離層に対する錨効果に対して有利であると考えられる。また軽質炭酸カルシウムは、体積基準で求められる粒度分布曲線において2μm以下の累積頻度が、70体積%以上が好ましい。軽質炭酸カルシウムとは化学的に合成された炭酸カルシウムを指す。
工程剥離紙用原紙は、炭酸カルシウム以外に従来公知の填料を含むことができる。従来公知の填料は、例えば、カオリン、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカおよびアルミナ等の無機顔料、並びにプラスチックピグメント等の有機顔料等である。
工程剥離紙用原紙中の炭酸カルシウムは、工程剥離紙用原紙中の填料に対して80質量%以上を占めることが好ましい。
工程剥離紙用原紙は、内添サイズ剤として少なくともアルキルケテンダイマーを含む。工程剥離紙用原紙が内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを含むことで、工程剥離紙用原紙は、主に柔軟性および繰り返し耐久性を有することができる。この理由は不明であるが、アルキルケテンダイマーはセルロースと反応する反応性サイズ剤であるためにアルキルケテンダイマーとセルロースのグルコース環の水酸基とが反応してエステル結合を形成することから原紙の強度が増すと、およびアルキルケテンダイマー中の炭化水素基の存在によって柔軟さが得られると、考えられる。
工程剥離紙用原紙中のアルキルケテンダイマーの含有量は、工程剥離紙用原紙中のパルプ100質量部に対して0.1質量部以上0.4質量部以下が好ましい。0.4質量部超では柔軟性または繰り返し耐久性に関する効果が飽和するために、不要の薬品コストがかかる。
アルキルケテンダイマーは、一般に、脂肪酸を出発原料とし、脂肪酸クロライドを経てアミンにより脱塩酸反応にて合成される。
アルキルケテンダイマーは下記式、
R1−CH=C−O
| |
R2−HC−C=0
で表される。ここで、R1およびR2は、それぞれ同一または異なる炭素数8〜30の炭化水素基を表す。炭化水素基の例としては、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、トリアコチル等のアルキル基;エイコシル等のアルケニル基;オクチルフェニル、ノニルフェニル等のアルキル置換フェニル基;ノニルシクロヘキシル基等を挙げることができる。
工程剥離紙用原紙は、アルキルケテンダイマー以外に従来公知の内添サイズ剤を含むことができる。従来公知の内添サイズ剤は、例えば、中性ロジン、アルケニル無水コハク酸および無水ステアリン酸等を挙げることができる。
工程剥離紙用原紙中のアルキルケテンダイマーは、工程剥離紙用原紙中の内添サイズ剤に対して80質量%以上を占めることが好ましい。
工程剥離紙用原紙は、表面サイズ剤として少なくともポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースを含む。工程剥離紙用原紙が表面サイズ剤としてポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースを後記の適度な付着量で含むことで、工程剥離紙用原紙は、工程剥離紙用原紙上に剥離層を設ける際の目止め効果を得ながら、接着性および繰り返し耐久性を有することができる。この理由は不明であるが、以下であると考えられる。ポリビニルアルコールは結晶性が高い被膜を形成して目止め効果および膜強度に優れるものの、剥離層に対する接着性に劣る。カルボキシメチルセルロースを含むことにより、ポリビニルアルコールの被膜を部分的に開放して前記炭酸カルシウムとの相乗効果によって、剥離層に対する錨効果を発現する。
工程剥離紙原紙において、表面サイズ剤としてポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースの合計の付着量は、片面あたり乾燥固形分換算で1g/m以上3g/m以下である。1g/m未満では目止め効果が得られない。その結果、剥離層の剥離効果が不十分となって繰り返し耐久性を得ることができない。また、工程剥離紙の面質が低下して接着性にも悪影響する。3g/m超では接着性が劣化する。その結果、剥離層と工程剥離紙用原紙との間で剥離して工程剥離紙として使用できない。また、繰り返しの使用にも悪影響する。
ポリビニルアルコールとカルボキシメチルセルロースとの付着量の質量比率は、片面あたり、ポリビニルアルコール:カルボキシメチルセルロース=5.5:4.5〜8.5:1.5が好ましい。この理由は、この付着量の質量比率であると、接着性が良化するからである。
ポリビニルアルコールは、本明細書においてポリビニルアルコールの総称を指す。
ポリビニルアルコールには、完全若しくは部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性、シラノール変性等の変性ポリビニルアルコール等の公知のものを用いることができる。ポリビニルアルコールは、ケン化度80モル%以上が好ましく、ケン化度95モル%以上がより好ましい。また、ポリビニルアルコールは、平均重合度200以上2500以下が好ましく、平均重合度500以上2000以下がより好ましい。ポリビニルアルコールは、ケン化度95モル%以上且つ平均重合度500以上2000以下が最も好ましい。ここで、ポリビニルアルコールのケン化度および平均重合度は、JIS K6726:1994に準拠して求められる値である。
カルボキシメチルセルロースは、そのセルロースグリコール酸およびナトリウム塩等のセルロースグリコール酸塩の総称である。カルボキシメチルセルロースは、例えば、セルロースを水酸化ナトリウム水溶液に浸してアルカリセルロースとし、アルカリセルロースにクロル酢酸ナトリウムを作用させて、メチルアルコールで沈殿させて、得ることができる。
工程剥離紙用原紙は、ポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロース以外に従来公知の表面サイズ剤を含むことができる。従来公知の表面サイズ剤は、例えば、アクリルアミド系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ビニルホルマール−アクリル酸エステル系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、オレフィン−マレイン酸系共重合体、澱粉およびカルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。澱粉には、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉およびそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉など各種変性澱粉が含まれる。
工程剥離紙用原紙へ表面サイズ剤の付着量中のポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースの合計は、工程剥離紙用原紙へ表面サイズ剤の付着量に対して80質量%以上を占めることが好ましい。
工程剥離紙は、工程剥離紙用原紙の表面に剥離性を発現する樹脂を塗工および乾燥して剥離層を設けたものである。剥離性を発現する樹脂は従来公知のものである。剥離性を発現する樹脂の例としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂およびアミノアルキド樹脂等を挙げることができる。剥離性を発現する樹脂は、シリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂としては、無溶剤系シリコーン樹脂、溶剤系シリコーン樹脂、水系エマルション型シリコーン樹脂、電子線硬化型シリコーン樹脂および無溶剤系UV硬化型シリコーン樹脂等を挙げることができる。
工程剥離紙は、工程剥離紙用原紙の表面に、剥離性を発現する樹脂を含有する塗工液を塗工および乾燥することによって得ることができる。塗工および乾燥は、従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いることができる。従来公知の塗工装置の例としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーター等を挙げることができる。従来公知の乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
剥離性を発現する樹脂の塗工量は、剥離性を有する樹脂の乾燥固形分量で、0.2g/m以上2g/m以下が好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限られるものではない。なお、質量部および質量%は乾燥固形分量あるいは実質成分量を示す。また、表面サイズ剤の付着量および塗工量は乾燥固形分量を示す。
(紙料)
紙料として、以下の配合とした。
ろ水度450mlCSFのNBKP 30質量部
ろ水度450mlCSFのLBKP 70質量部
軽質炭酸カルシウム(填料) 質量部は表1に記載
重質炭酸カルシウム(填料) 質量部は表1に記載
タルク(填料) 質量部は表1に記載
アルキルケテンダイマー(内添サイズ剤) 質量部は表1に記載
アルケニル無水コハク酸(内添サイズ剤) 質量部は表1に記載
カチオン化澱粉(バインダー) 1質量部
ここで、軽質炭酸カルシウムには奥多摩工業社製TP−121を、重質炭酸カルシウムに備北粉化工業社製ハイドロカーブ90を、用いた。アルキルケテンダイマーには星光PMC社製SS362を用いた。アルケニル無水コハク酸には星光PMC社製コロパールZ100を用いた。
(抄造)
上記の紙料を調成後、長網抄紙機を用いて、坪量が150g/mになるように抄造して、抄造紙を得た。
(表面サイズ液)
表面サイズ液として、以下の配合とした。
ポリビニルアルコール 質量部は表1に記載
カルボキシメチルセルロース 質量部は表1に記載
スチレン−アクリル酸系共重合体 質量部は表1に記載
表1には、用いたポリビニルアルコールのJIS K6726:1994に準拠して求められるケン化度および平均重合度を記載した。
(表面サイズ処理)
得られた抄造紙に対して両面にサイズプレスによって表面サイズ液を付与した。サイズプレスにはゲートロールコーターを用いた。片面あたりの付着量は表1に記載した。
Figure 2019167663
(工程剥離紙用原紙)
抄造紙に表面サイズ処理を施した後、弾性ロールと金属ロールとから構成される装置を用いてカレンダー処理を施して、工程剥離紙用原紙を得た。
(工程剥離紙)
工程剥離紙用原紙の片方の表面に、バーコーターおよび熱風乾燥機を用いて水系エマルション型シリコーンの水系塗工液をシリコーン樹脂の乾燥固形分量で0.5g/mとなるように塗工および乾燥し、工程剥離紙を得た。
<接着性の評価>
工程剥離紙上に塩化ビニルペーストを塗工および200℃で2分の加熱乾燥して固化した。塗工量は25g/mとした。得られた塩化ビニルシートをテンシロン剥離試験機で剥離(300mm/分)し、工程剥離紙と塩化ビニルとの各々剥離面の状態を各々観察して下記の基準で評価した。本発明において、工程剥離紙の剥離面が4または5の評価であり且つ塩化ビニルシートの剥離面が2〜4の評価であれば、工程剥離紙用原紙は接着性を有するものとする。
(A:工程剥離紙の剥離面)
5:工程剥離紙剥離面は、良好である。
4:工程剥離紙の剥離面は毛羽立ちが僅かに認められる。
3:工程剥離紙の剥離面は、毛羽立ちが認められる。
2:工程剥離紙の剥離面は、剥離層の部分的剥離が僅かに認められる。
1:工程剥離紙用原紙から剥離層の剥離が認められる。
(B:塩化ビニルシートの剥離面)
4:塩化ビニルシートの剥離面は、良好である。
3:塩化ビニルシートの剥離面は、概ね良好である。
2:塩化ビニルシートの剥離面は若干ムラを有するものの実用上に問題ない。
1:塩化ビニルシートの剥離面に剥離層の付着が認められる。
<柔軟性の評価>
ロール状の500mの工程剥離紙を使用し、工程剥離紙を搬送しながら工程剥離紙上に塩化ビニルペーストを塗工および乾燥した。塗工量は25g/mとした。乾燥は、温度210℃に設定された乾燥機中を2分間通過させて実施した。続いて、工程剥離紙の表面に塩化ビニルシートが形成された状態で得られた積層体を、工程剥離紙と塩化ビニルシートとを剥離しながら工程剥離紙を巻き取った。巻き取られた工程剥離紙を観察して下記の基準で評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、工程剥離紙用原紙は柔軟性を有するものとする。
5:破損、シワ入りまたは波打ちが認められず、良好である。
4:破損、シワ入りまたは波打ちがほぼ認められず、概ね良好である。
3:破損、シワ入りまたは波打ちが僅かに認められるが、実用上に問題ない。
2:破損、シワ入りまたは波打ちが若干認められ、実用上に問題ある。
1:破損、シワ入りまたは波打ちが認められる。実用上に問題ある。
<繰り返し耐久性の評価>
一回以上使用した工程剥離紙を用いて、塩化ビニルペーストを塗工および200℃で2分の加熱乾燥して固化した。塗工量は25g/mとした。塩化ビニルシートをテンシロン剥離試験機で剥離し、繰り返し耐久性を使用回数最大5回までで確認した。本発明において、工程剥離紙として4回以上使用できた場合、工程剥離紙用原紙から得られた工程剥離紙は繰り返し耐久性を有するものとする。ここで「使用できた」とは、工程剥離紙が破れず、さらに工程剥離紙を繰り返し使用して得られた塩化ビニルシートが、上記の接着性評価(B:塩化ビニルシートの剥離面)における2〜4の評価に該当する剥離面の場合である。
評価結果を表2に記載した。
Figure 2019167663
表2から、本発明に該当する実施例1〜実施例24は、工程剥離紙用原紙が剥離層に対する接着性を有し、得られる工程剥離紙が柔軟性および繰り返し耐久性を有することが分かる。本発明の構成を満足しない比較例1〜比較例7は、本発明に係る効果を少なくとも1つを満足することができないと分かる。
また主に、実施例2、18、21、22、23と実施例19、20および24との対比から、JIS K6726:1994に準じて求められるポリビニルアルコールのケン化度が95モル%以上且つ平均重合度500以上2000以下が好ましいことが分かる。

Claims (2)

  1. パルプを主成分として含有し、並びに填料および内添サイズ剤を含有し、並びに表面サイズ剤を含有し、前記填料が少なくとも炭酸カルシウムを含み、前記内添サイズ剤が少なくともアルキルケテンダイマーを含み、前記表面サイズ剤がポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースを少なくとも含み、表面サイズ剤としてポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースの合計付着量が片面あたり1g/m以上3g/m以下である工程剥離紙の基材になる工程剥離紙用原紙。
  2. 前記ポリビニルアルコールが、JIS K6726:1994に準じて求められるケン化度95モル%以上且つ平均重合度500以上2000以下である請求項1に記載の工程剥離紙用原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020147873A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 三菱製紙株式会社 工程剥離紙用原紙

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