JPH0681297A - 紙用コーティング剤 - Google Patents

紙用コーティング剤

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JPH0681297A
JPH0681297A JP23584992A JP23584992A JPH0681297A JP H0681297 A JPH0681297 A JP H0681297A JP 23584992 A JP23584992 A JP 23584992A JP 23584992 A JP23584992 A JP 23584992A JP H0681297 A JPH0681297 A JP H0681297A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗工した紙の表面強度が大きく、バリヤー性
が高く、印刷適性が良好であるというポリビニルアルコ
ール(PVA)の特性は損なわず、従来のPVAよりも
高速塗工性に優れた紙の表面コーティング剤を提供する
こと。 【構成】 PVA系樹脂に対し、カルボキシメチル化で
んぷん,水溶性セルロース化合物あるいは海藻多糖類を
配合してなる紙用コーティング剤である。 【効果】 上記紙用コーティング剤は、塗工した紙に高
度の表面強度とバリヤー性を付与するとともに良好な印
刷適性を与え、しかも、高速塗工性に優れ、高速で塗工
しても塗工の際のロール上の液膜がスジ状になりそれが
そのまま紙上に転写されることによる塗布むらや、ロー
ルからの飛び散り等のトラブルが起きにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙用コーティング剤に関
し、詳しくは、紙の表面強度を向上させるうえで有用で
あり、また紙に空気,油,有機溶剤の吸収や透過性が小
さい性質、すなわちバリヤー性を高度なレベルで付与す
るうえで有用な紙用コーティング剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙の表面強度の向上や印刷性
の向上などの目的で紙の表面サイジングが行われてい
る。この際に用いられる表面サイジング剤としては、で
んぷん,ポリアクリルアミドあるいはポリビニルアルコ
ール(以下PVAと略記することがある。)などが用い
られている。PVAは他の重合体に比較して紙の表面サ
イジング剤として、表面強度の向上や印刷性の向上など
の点で優れているが、さらに塗工性の向上や紙の表面強
度の向上を図ろうとする場合には、従来のPVAからな
る表面サイジング剤では困難な点が多いのが現状であっ
た。近年、特に木材資源の不足から良質の針葉樹にかわ
って広葉樹の使用が増加しており、広葉樹に大量に含ま
れる導管細胞が印刷時に剥離して印刷画に白点を与える
導管むけが問題となってきている。この不都合な現象を
防止するために、紙の表面強度を向上させて表面サイジ
ングを強化しようとすると、多量の重合体を塗工する必
要があった。従来のPVAからなる表面サイジング剤で
は、塗工量を増やすために濃度を上げると、塗工性、特
に高速塗工性が悪化するという欠点があった。また、従
来よりPVAは、紙の平滑度,光沢あるいはバリヤー性
の向上等、表面特性を改善するためのクリヤーコーティ
ング剤として、更には、顔料コーティングにおけるバイ
ンダーとして広く使用されている。このようなPVA
は、造膜性および強度において他の糊剤の追随を許さぬ
優れた性質を有することが広く知られており、特に空
気,油あるいは有機溶剤の吸収や透過性が小さい性質、
すなわちバリヤー性を有する紙を生産する際には、PV
Aコーティング剤として広く使用されており、得られた
バリヤー紙は近年特に大きな発展を遂げている。大量生
産される紙は、生産性を上げるために表面コーティング
する場合、ゲートロールコーター(以下GRCと略記す
ることがある。)などの高速ロールコーターでオンマシ
ン塗工するケースが増えている。GRCにてオンマシン
塗工する場合、塗工速度は抄紙速度と同等の高速度が要
求されるが、従来のPVAからなるコーティング剤で
は、塗工速度を上げると濃度が低くても塗工性が悪く、
特にロール上の液膜がスジ状になり、それがそのまま紙
上に転写されることによる塗布むらや、ロールからの飛
び散りが著しくなる欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗工
した紙の表面強度が大きく、またバリヤー性が高く、し
かも印刷適性が良好であるというPVAからなるコーテ
ィング剤の特性を損なうことなく、同時に高速塗工性に
優れた紙の表面コーティング剤を提供することにある。
【0004】本発明者らは、高速塗工性に優れた紙のコ
ーティング剤について鋭意検討した結果、ポリビニルア
ルコール系樹脂に、カルボキシメチル化でんぷん,水溶
性セルロース化合物あるいは海藻多糖類を配合してなる
コーティング剤を用いると、上記目的を達成できること
を見出した。本発明はかかる知見に基いて完成したもの
である。すなわち、本発明はポリビニルアルコール系樹
脂に、カルボキシメチル化でんぷん,水溶性セルロース
化合物および海藻多糖類の少なくとも1種を配合してな
る紙用コーティング剤を提供するものである。本発明の
表面サイジング剤が塗工性に優れている理由は充分解明
されていないが、ポリビニルアルコール(PVA)系樹
脂に、カルボキシメチル化でんぷん,水溶性セルロース
化合物あるいは海藻多糖類を配合してなる配合物の水溶
液が、せん断力のかかっていない状態では安定な状況を
保っているが、高速塗工時などの水溶液に高いせん断力
や伸長挙動がかかった場合には、水溶液の凝集力が低下
して速やかに液膜が分割され、ロールからの飛び散りが
起こりにくくなるものと推察される。
【0005】本発明に使用するPVA系樹脂は、酢酸ビ
ニルを塊状,溶液,懸濁あるいは乳化重合などの公知の
重合方法によって重合または共重合して得られるポリ酢
酸ビニルを、公知の方法によりけん化することにより製
造することができる。なお、この酢酸ビニルの代わり
に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バレリン酸ビニ
ル,カプリン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ステアリン
酸ビニル,安息香酸ビニル,ピバリン酸ビニルおよびバ
ーサティック酸ビニル等のビニルエステルを用いること
もできる。該PVA系樹脂のけん化度としては、60〜
100モル%、好ましくは70〜99.9モル%、さらに
好ましくは80〜99.5モル%である。けん化度が60
モル%より低い場合にはPVA系樹脂の水溶性が低下す
る傾向がある。また本発明で使用するPVA系樹脂の重
合度は200〜5000のものが好ましく、重合度30
0〜3000のものがより好ましく、重合度700〜2
000のものがさらにより好ましい。本発明で使用する
PVA系樹脂の重合度が200未満の場合には、紙のバ
リヤー性向上の度合いが小さくなる。逆に重合度が50
00を超える場合には、塗工性が充分でなく、ロール上
のすじやロールからの飛び散りが発生しやすい。さらに
本発明で使用するPVA系樹脂は、異なる2種類以上の
PVA系樹脂をブレンドして使用してもよいが、ブレン
ドする樹脂相互の重合度が接近している方がロール上の
すじやロールからの飛び散りが発生しにくく好ましい。
なお、ここでPVA系樹脂の重合度は、該PVA系樹脂
の完全けん化物の水溶液の粘度から通常の方法で求めら
れた粘度平均重合度である。本発明で使用するPVA系
樹脂は、前述したように酢酸ビニルをはじめとするビニ
ルエステルの重合体のけん化物であるが、さらに、他の
モノマーと共重合したものでもよく、また、連鎖移動剤
を使用してポリマー末端を修飾したものも使用できる。
この他のモノマーとしては、酢酸ビニルをはじめとする
ビニルエステルと共重合可能なものであれば特に制限は
なく、例えば、エチレン,プロピレン,n−ブテン,イ
ソブテン,1−ヘキサデセン等のα−オレフィン類、
(メタ)アクリル酸,フマル酸,イタコン酸,クロトン
酸,マレイン酸,無水マレイン酸等のカルボン酸含有単
量体及びその塩、(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)
アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸n−ブチル,
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル,(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ドデ
シル,(メタ)アクリル酸オクタデシル,(メタ)アク
リル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル類、
フマル酸ジメチル,イタコン酸ジメチル,マレイン酸ジ
メチル,マレイン酸モノメチル,クロトン酸メチル等の
エステル類、メチルビニルエーテル,エチルビニルエー
テル,ブチルビニルエーテル,ラウリルビニルエーテ
ル,ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
ビニルスルホン酸,アリルスルホン酸,メタアリルスル
ホン酸,2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸等のスルホン酸基含有の単量体及びその塩、(メ
タ)アクリルアミド,N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド,N−メチロール(メタ)アクリルアミド,N
−t−ブトキシ(メタ)アクリルアミド,N−t−オク
チル(メタ)アクリルアミド,N−ビニルピロリドン等
のアミド基含有の単量体、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド等のアミノ基含有の単量体、(メ
タ)アクリルアミド−プロピル−トリメチルアンモニウ
ムクロリドの4級アンモニウム塩含有の単量体、ビニル
ヒドロキシシラン,(メタ)アクリル酸−3−トリメト
キシシリルプロピル等のシリル基含有の単量体、アリル
アルコール,ジメチルアルコール,イソプロピルアルコ
ール等の水酸基含有の単量体、アリルアセテート,ジメ
チルアリルアセテート,イソプロペニルアセテート等の
アセチル基含有の単量体等があげられる。
【0006】本発明では、上記PVA系樹脂に、カルボ
キシメチル化でんぷん,水溶性セルロース化合物および
海藻多糖類のいずれか1種あるいは2種以上が配合され
たものが紙用コーティング剤として使用される。本発明
で使用するカルボキシメチル化でんぷんとしては、従来
公知のものを充当すればよいが、水酸基部分を置換して
得られたカルボキシメチル基部分(CM)をカルボキシ
メチル化される前のでんぷんが有している水酸基(O
H)で割った値CM/OH(モル比)、いわゆる置換度
が0.05以上であるものが好ましく、0.15以上である
ものがより好ましく、0.3以上であるものがさらにより
好ましい。置換度が0.05未満であっても、塗工液をロ
ールからの飛び散り難くする効果は若干発現されるが、
置換度0.05以上のものと比べると不充分である。カル
ボキシメチル化される前の生でんぷん、あるいは酸化で
んぷんを用いた場合には、ロールからの飛び散り難くす
る効果は発現しない。本発明で用いるカルボキシメチル
化でんぷんの製造方法としては、各種の方法があるが、
たとえば(株)学会出版センター発行の澱粉・関連糖質
実験法p297に示された方法等がある。上述した置換
度は、同じく(株)学会出版センター発行の澱粉・関連
糖質実験法p297に示された方法等で容易に測定する
ことができる。本発明で使用するカルボキシメチル化で
んぷんを合成する元でんぷんとしては、生でんぷん,酸
化でんぷん等の他に、カルボキシメチル化以外の例えば
エーテル化,エステル化,カチオン化等の加工でんぷん
のいずれをも充当できる。本発明で使用するカルボキシ
メチル化でんぷんの水溶液の粘度は、特に限定されるも
のではないが、120℃,10分の糊化条件で溶解した
10重量%の水溶液を、90℃,BL型粘度計にて60
rpmにて測定した粘度が1〜1000センチポイズ
(cP)であるものが好ましく、1〜500cPである
ものがより好ましく、2〜300cPであるのがさらに
より好ましい。
【0007】本発明の紙用コーティング剤において、P
VA系樹脂に対してカルボキシメチル化でんぷんのみを
配合する際の配合比率は、各種の状況により適宜選定す
ればよいが、一般にはPVA系樹脂100重量部に対
し、カルボキシメチル化でんぷん1〜500重量部が好
ましく、2〜300重量部がより好ましく、5〜200
重量部がさらにより好ましい。PVA系樹脂100重量
部に対し、カルボキシメチル化でんぷんを500重量部
より多く配合すると、塗工した紙の表面強度が低下した
り、バリヤー性が低下したりすることがある。逆にカル
ボキシメチル化でんぷんの配合量が1重量部未満では、
塗工液の高速塗工時の流動性、特に飛び散り性が悪化し
(つまり、ロールからの飛び散りが多くなる)、従来の
PVA単独水溶液からなるコーティング剤とほとんど変
わらなくなる。
【0008】本発明で使用する水溶性セルロース化合物
としては、カルボキシメチルセルロース,メチルセルロ
ース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースなどがあげられるが、これらに限定
されるものではない。これらの中で水溶液の流動性を改
善する添加効果やコスト等から考えて、特にカルボキシ
メチル化セルロースが好ましい。このカルボキシメチル
化セルロースとしては、原料セルロースの水酸基を置換
して得られたカルボキシメチル基部分(CM)をカルボ
キシメチル化される前の原料セルロースが有している水
酸基(OH)で割った値CM/OH(モル比)、いわゆ
る置換度が0.2以上であるものが好ましく、0.4以上で
あるものがより好ましく、0.6以上であるものがさらに
より好ましい。本発明で使用する水溶性セルロース化合
物の水溶液の粘度は、特に限定はないが、1重量%の水
溶液を25℃,BL型粘度計にて60rpmにて測定し
た粘度が5〜10000cPであるものが好ましく、1
0〜4000cPであるものがより好ましく、20〜2
000cPであるものがさらにより好ましい。
【0009】本発明の紙用コーティング剤において、P
VA系樹脂に対して水溶性セルロース化合物のみを配合
する際の配合比率は、各種の状況により適宜選定すれば
よいが、一般にはPVA系樹脂100重量部に対し、水
溶性セルロース化合物0.1〜100重量部が好ましく、
0.5〜50重量部がより好ましく、1〜30重量部がさ
らにより好ましい。PVA系樹脂100重量部に対し、
水溶性セルロース化合物を100重量部より多く配合す
ると、塗工した紙の表面強度が低下したりバリヤー性が
低下したりすることがある。逆に水溶性セルロース化合
物の配合量を0.1重量部未満とすると、塗工液の高速塗
工時の流動性、特に飛び散り性が悪化し、PVA単独水
溶液からなるコーティング剤とほとんど変わらなくな
る。
【0010】本発明で使用する海藻多糖類としては、ア
ルギン酸ソーダ,カラゲーナン,寒天(アガロース,ア
ガロペクチン),ファーセルランなどがあげられるが、
これらに限定されるものではない、これらの中で水溶液
流動性を改善する添加効果やコスト等を考慮すると、特
にアルギン酸ソーダが好ましい。本発明で使用する海藻
多糖類の水溶液の粘度は、特に限定はないが、1重量%
の水溶液を25℃,BL型粘度計にて60rpmにて測
定した粘度が5〜10000cPであるものが好まし
く、10〜4000cPであるものがより好ましく、2
0〜2000cPであるものがさらにより好ましい。
【0011】本発明の紙用コーティング剤において、P
VA系樹脂に対して海藻多糖類のみを配合する際の配合
比率は、各種の状況により適宜選定すればよいが、一般
にはPVA系樹脂100重量部に対し、海藻多糖類0.1
〜100重量部が好ましく、0.5〜50重量部がより好
ましく、1〜30重量部がさらにより好ましい。PVA
系樹脂100重量部に対し、海藻多糖類を100重量部
より多く配合すると、塗工した紙の表面強度が低下した
りバリヤー性が低下したりすることがある。また、海藻
多糖類の配合量が0.1重量部未満では、塗工液の高速塗
工時の流動性、特に飛び散り性が悪化し、PVA単独水
溶液からなるコーティング剤とほとんど変わらなくな
る。本発明の紙用コーティング剤において、PVA系樹
脂に対してカルボキシメチル化でんぷん,水溶性セルロ
ース化合物および海藻多糖類のうちの2種類以上を配合
する際の配合比率は、特に制限はないが、通常はPVA
系樹脂100重量部に対し、カルボキシメチル化でんぷ
ん,水溶性セルロース化合物および海藻多糖類のうちの
2種類以上を合計1〜500重量部の範囲で定めるのが
好ましく、2〜300重量部がより好ましく、5〜20
0重量部がさらにより好ましい。
【0012】本発明の紙用コーティング剤の塗工の際の
液濃度は、様々な状況により異なり一義的に定めること
はできないが、通常は0.1〜30重量%、好ましくは0.
2〜20重量%、さらにより好ましくは0.5〜15重量
%である。液濃度が0.1重量%未満では、紙の表面強度
はあまり向上しない。液濃度が30%より高くなると塗
工性が悪く、特にロールからの飛び散りが著しくなる。
また、液濃度が30重量%より高い場合は、通常の塗工
の際、紙に対するコーティング剤の付着量が多くなりす
ぎて経済的でない。
【0013】本発明の紙用コーティング剤は、上述した
ように、PVA系樹脂に対してカルボキシメチル化でん
ぷん,水溶性セルロース化合物および海藻多糖類のうち
の1種類あるいは2種類以上を配合することが必須であ
るが、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに他ので
んぷん,無機顔料,有機顔料及び他の助剤(消泡剤,帯
電防止剤,防カビ剤等)を加えても差し支えない。本発
明の紙用コーティング剤を塗布する紙としては、特に制
限はないが、例えば新聞紙,一般上質紙,中質紙,グラ
ビア紙等の印刷用紙、コーティング用原紙、マニラボー
ル,白ボール,ライナー等の板紙および剥離紙用原紙や
情報処理用紙等を好適なものとしてあげることができ
る。本発明のコーティング剤の塗工量は、目的に応じて
広範囲の中から選定すればよく、特に制限はないが、通
常0.01〜30g/m2 、好ましくは0.03〜20g/
2 、さらに好ましくは0.05〜10g/m2 程度が実
用的である。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、以下で「部」および「%」
は、特に断わらないかぎり、それぞれ「重量部」および
「重量%」を意味する。なお、以下の実施例でただ単に
ポリビニルアルコール(PVA)の重合度とあるのは、
本文中に示したように該ポリビニルアルコールの水溶液
の粘度から通常の方法で求められた粘度平均重合度であ
る。コーティング剤水溶液の粘度測定は東京計器製のB
型粘度計を用いて25℃,回転数60rpmで測定し
た。実施例で使用したゲートロールコーターはアウター
ロールとして200mm直径のゴムロール、インナーロ
ールとして200mm直径の金属ロール、アプリケータ
ーロールとして360mm直径のゴムロール、バックア
ップロールとして349mm直径のゴムロールを用いた
テスト機であり、各ロールの周速は300m/minに
統一した。ゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛
び散りは、インナーロールとアプリケーターロール間か
ら発生するミストを目視観察することにより評価した。
【0015】実施例1 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと置換度0.4のカルボキシメチル化でんぷん
(10%水溶液の90℃粘度=280cP)を重量比で
100:20の割合で配合したものの水溶液を作成し、
この水溶液を秤量43g/m2 の新聞紙原紙にゲートロ
ールコーター試験機を用いて塗工し、直ちにロータリー
ドライヤーを用いて100℃,1分間乾燥したものを、
20℃,65%RHの恒温恒湿室内にて1週間調湿した
後、20℃,65%RHの恒温恒湿室内にてIGT印刷
適性試験機によりピッキングオイルM,印圧35kg/
cm,スプリングドライブMによりIGTピックを測定
したところ、良好な表面強度であることが確認された。
また、得られた水溶液の粘度を25℃で50cPとし
た。この水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶
液の飛び散りを、各ロールの周速を300m/minと
して評価したところ、飛び散りは認められなかった。
上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強度を
表1に示す。なお、表1におけるIGTピックは数値の
大きいほど表面強度が高いことを示す。このテストに用
いた新聞紙原紙は何も塗布しない状態でIGTピック強
度は70cm/secであった。
【0016】実施例2 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと実施例1で使用したカルボキシメチル化でん
ぷんを重量比で100:10の割合で配合したものの水
溶液を作成し、実施例1と同様の方法で塗工紙の表面強
度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の
飛び散りを評価したところ、良好な表面強度であり、ゲ
ートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認め
られないことが確認された。上記水溶液の塗工性および
得られた塗工紙の表面強度を表1に示す。
【0017】比較例1 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールのみの水溶液を作成し、実施例1に準じて塗工
紙の表面強度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際
の水溶液の飛び散りを評価したところ、ゲートロールコ
ーター塗工の際、著しい水溶液の飛び散りが認められ
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強
度を表3に示す。
【0018】実施例3 重合度1490,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと実施例1で使用したカルボキシメチル化でん
ぷんを重量比で100:5の割合で配合したものの水溶
液を作成し、実施例1と同様の方法で塗工紙の表面強度
と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛
び散りを評価したところ、良好な表面強度であり、ゲー
トロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認めら
れないことが確認された。上記水溶液の塗工性および得
られた塗工紙の表面強度を表1に示す。
【0019】実施例4 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例1で使用したカルボキシメチル化で
んぷんに代えて置換度0.15のカルボキシメチル化でん
ぷん(10%水溶液の90℃粘度=40cP)とを、重
量比で100:20の割合で配合したものの水溶液を作
成し、実施例1と同様の方法で塗工紙の表面強度と水溶
液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散り
を評価したところ、良好な表面強度であり、ゲートロー
ルコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認められない
ことが確認された。上記水溶液の塗工性および得られた
塗工紙の表面強度を表1に示す。
【0020】実施例5 重合度1720,けん化度88.2モル%のポリビニルア
ルコールと実施例1で使用したカルボキシメチル化でん
ぷんを重量比で100:20の割合で配合したものの水
溶液を作成し、実施例1と同様の方法で塗工紙の表面強
度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の
飛び散りを評価したところ、良好な表面強度であり、ゲ
ートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認め
られないことが確認された。上記水溶液の塗工性および
得られた塗工紙の表面強度を表1に示す。
【0021】実施例6 重合度580,けん化度88.1モル%のポリビニルアル
コールと実施例1で使用したカルボキシメチル化でんぷ
んを重量比で100:5の割合で配合したものの水溶液
を作成し、実施例1と同様の方法で塗工紙の表面強度と
水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び
散りを評価したところ、良好な表面強度であり、ゲート
ロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認められ
ないことが確認された。上記水溶液の塗工性および得ら
れた塗工紙の表面強度を表1に示す。
【0022】実施例7 イタコン酸を1モル%共重合した重合度1700,けん
化度97モル%のポリビニルアルコールと実施例1で使
用したカルボキシメチル化でんぷんを重量比で100:
20の割合で配合したものの水溶液を作成し、実施例1
と同様の方法で塗工紙の表面強度と水溶液のゲートロー
ルコーター塗工の際の水溶液の飛び散りを評価したとこ
ろ、良好な表面強度であり、ゲートロールコーター塗工
の際の水溶液の飛び散りは認められないことが確認され
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強
度を表1に示す。
【0023】比較例2 重合度1830,けん化度99.4モル%のポリビニルア
ルコールのみの水溶液を作成し、実施例1に準じて塗工
紙の表面強度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際
の水溶液の飛び散りを評価したところ、ゲートロールコ
ーター塗工の際、著しい水溶液の飛び散りが認められ
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強
度を表3に示す。
【0024】比較例3 重合度580,けん化度88.1モル%のポリビニルアル
コールのみの水溶液を作成し、実施例1に準じて塗工紙
の表面強度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の
水溶液の飛び散りを評価したところ、ゲートロールコー
ター塗工の際、比較例1よりは少ないものの、著しい水
溶液の飛び散りが認められた。上記水溶液の塗工性およ
び得られた塗工紙の表面強度を表3に示す。
【0025】比較例4 イタコン酸を1モル%共重合した重合度1700,けん
化度97モル%のポリビニルアルコールのみの水溶液を
作成し、実施例1に準じて塗工紙の表面強度と水溶液の
ゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りを評
価したところ、ゲートロールコーター塗工の際、著しい
水溶液の飛び散りが認められた。上記水溶液の塗工性お
よび得られた塗工紙の表面強度を表3に示す。
【0026】比較例5 実施例1で使用したカルボキシメチル化でんぷんのみの
水溶液を作成し、実施例1に準じて塗工紙の表面強度と
水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び
散りを評価したところ、この水溶液のゲートロールコー
ター塗工の際の水溶液の飛び散りは認められなかった
が、塗工紙の表面強度は大きく低下した。上記水溶液の
塗工性および得られた塗工紙の表面強度を表3に示す。
【0027】比較例6 実施例1で使用したカルボキシメチル化でんぷんを市販
の酸化でんぷん(日本食品加工(株)製,MS−380
0)に代えた以外は、実施例1と同様に塗工紙の表面強
度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の
飛び散りを評価したところ、ゲートロールコーター塗工
の際、著しい水溶液の飛び散りが認められた。上記水溶
液の塗工性および得られた塗工紙の表面強度を表3に示
す。
【0028】実施例8 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例1で使用したカルボキシメチル化で
んぷんに代えて市販のカルボキシメチル化セルロース
(CMC)(ダイセル(株)製,ダイセルCMC210
0)とを、重量比で100:10の割合で配合したもの
の水溶液を作成し、実施例1と同様の方法で塗工紙の表
面強度と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶
液の飛び散りを評価したところ、良好な表面強度であ
り、ゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散り
は認められないことが確認された。上記水溶液の塗工性
および得られた塗工紙の表面強度を表2に示す。
【0029】実施例9 実施例8で使用したポリビニルアルコールとCMCの重
量比を100:3とした以外は、実施例8と同様の操作
および評価を行ったところ、この水溶液のゲートロール
コーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認められなかっ
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強
度を表2に示す。
【0030】実施例10 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例8で使用したカルボキシメチル化で
んぷんに代えて粘度のやや低いCMC(ダイセル(株)
製,ダイセルCMC1120)とを、重量比で100:
10の割合で配合したものの水溶液を作成し、実施例8
と同様の方法で塗工紙の表面強度と水溶液のゲートロー
ルコーター塗工の際の水溶液の飛び散りを評価したとこ
ろ、良好な表面強度であり、ゲートロールコーター塗工
の際の水溶液の飛び散りは認められないことが確認され
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強
度を表2に示す。
【0031】実施例11 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例8で使用したCMCに代えて市販の
メチルセルロース(MC)(信越化学(株)製,メトロ
ーズSM−1500)とを、重量比で100:20の割
合で配合したものの水溶液を作成し、実施例8と同様の
方法で塗工紙の表面強度と水溶液のゲートロールコータ
ー塗工の際の水溶液の飛び散りを評価したところ、良好
な表面強度であり、ゲートロールコーター塗工の際の水
溶液の飛び散りは認められないことが確認された。上記
水溶液の塗工性および得られた塗工紙の表面強度を表2
に示す。
【0032】実施例12 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例8で使用したCMCに代えて市販の
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(ダイセル
(株)製,ユニセルQP−4400H)とを、重量比で
100:20の割合で配合したものの水溶液を作成し、
実施例8と同様の方法で塗工紙の表面強度と水溶液のゲ
ートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りを評価
したところ、良好な表面強度であり、ゲートロールコー
ター塗工の際の水溶液の飛び散りは認められないことが
確認された。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙
の表面強度を表2に示す。
【0033】実施例13 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例8で使用したCMCに代えて市販の
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(信
越化学(株)製,メトローズSH−1500)とを、重
量比で100:20の割合で配合したものの水溶液を作
成し、実施例8と同様の方法で塗工紙の表面強度と水溶
液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散り
を評価したところ、良好な表面強度であり、ゲートロー
ルコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認められない
ことが確認された。上記水溶液の塗工性および得られた
塗工紙の表面強度を表2に示す。
【0034】実施例14 重合度1720,けん化度99.5モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例8で使用したCMCに代えて市販の
アルギン酸ソーダ(三晶(株)製,ケルギンLV)と
を、重量比で100:20の割合で配合したものの水溶
液を作成し、実施例8と同様の方法で塗工紙の表面強度
と水溶液のゲートロールコーター塗工の際の水溶液の飛
び散りを評価したところ、良好な表面強度であり、ゲー
トロールコーター塗工の際の水溶液の飛び散りは認めら
れないことが確認された。上記水溶液の塗工性および得
られた塗工紙の表面強度を表2に示す。
【0035】実施例15 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと実施例1で使用したカルボキシメチル化でん
ぷんを重量比で100:20の割合で配合したものの水
溶液を作成し、得られた水溶液の粘度を25℃で200
cPとした。この水溶液のゲートロールコーター塗工の
際の水溶液の飛び散りを各ロールの周速を300m/m
inとして評価したところ、飛び散りは認められなかっ
た。この水溶液を用いてゲートロールコーターにて坪量
73g/m2 ,透気度15秒の上質紙に固形分塗布量が
約3g/m2 となるように塗工し、直ちにロータリード
ライヤーを用いて100℃,1分間乾燥したものを、2
0℃,65%RHの恒温恒湿室内にて1週間調湿した
後、20℃,65%RHの恒温恒湿室内にてJIS P
−8130に示された方法でバリヤー性を測定したとこ
ろ、10万秒以上の値が確認され、良好なバリヤー性で
あることが確認された。上記水溶液の塗工性および得ら
れた塗工紙の塗布量,バリヤー性を表4に示す。
【0036】実施例16 実施例15で使用したポリビニルアルコールとカルボキ
シメチル化でんぷんを重量比で100:50の割合で配
合したものの水溶液を作成し、実施例15に準じて塗工
性とバリヤー性を評価した。上記水溶液の塗工性および
得られた塗工紙の塗布量,バリヤー性を表4に示す。
【0037】実施例17 実施例15で使用したポリビニルアルコールとカルボキ
シメチル化でんぷんを重量比で100:100の割合で
配合したものの水溶液を作成し、実施例15に準じて塗
工性とバリヤー性を評価した。上記水溶液の塗工性およ
び得られた塗工紙の塗布量,バリヤー性を表4に示す。
【0038】実施例18 実施例15で使用したポリビニルアルコールとカルボキ
シメチル化でんぷんを重量比で100:200の割合で
配合したものの水溶液を作成し、実施例14に準じて塗
工性とバリヤー性を評価した。上記水溶液の塗工性およ
び得られた塗工紙の塗布量,バリヤー性を表4に示す。
【0039】実施例19 重合度700,けん化度95.0モル%のポリビニルアル
コールと実施例15で使用したカルボキシメチル化でん
ぷんを重量比で100:20の割合で配合したものの水
溶液を作成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性
を評価した。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙
の塗布量,バリヤー性を表4に示す。
【0040】実施例20 イタコン酸を1モル%共重合した重合度1000,けん
化度97モル%のポリビニルアルコールと実施例15で
使用したカルボキシメチル化でんぷんを重量比で10
0:20の割合で配合したものの水溶液を作成し、実施
例15に準じて塗工性とバリヤー性を評価した。上記水
溶液の塗工性および得られた塗工紙の塗布量,バリヤー
性を表4に示す。
【0041】実施例21 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例15で使用したカルボキシメチル化
でんぷんに代えて実施例8で使用したCMCとを、重量
比で100:10の割合で配合したものの水溶液を作成
し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性を評価し
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の塗布
量,バリヤー性を表5に示す。
【0042】実施例22 実施例15で使用したポリビニルアルコールとCMCを
重量比で100:3の割合で配合したものの水溶液を作
成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性を評価し
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の塗布
量,バリヤー性を表5に示す。
【0043】実施例23 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例15で使用したカルボキシメチル化
でんぷんに代えて実施例10で使用したCMCとを、重
量比で100:10の割合で配合したものの水溶液を作
成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性を評価し
た。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の塗布
量,バリヤー性を表5に示す。
【0044】実施例24 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例15で使用したカルボキシメチル化
でんぷんに代えて実施例11で使用したセルロースと
を、重量比で100:10の割合で配合したものの水溶
液を作成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性を
評価した。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の
塗布量,バリヤー性を表5に示す。
【0045】実施例25 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例15で使用したカルボキシメチル化
でんぷんに代えて実施例12で使用したヒドロキシエチ
ルセルロースとを、重量比で100:10の割合で配合
したものの水溶液を作成し、実施例15に準じて塗工性
とバリヤー性を評価した。上記水溶液の塗工性および得
られた塗工紙の塗布量,バリヤー性を表5に示す。
【0046】実施例26 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例15で使用したカルボキシメチル化
でんぷんに代えて実施例13で使用したヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースとを、重量比で100:10の割
合で配合したものの水溶液を作成し、実施例15に準じ
て塗工性とバリヤー性を評価した。上記水溶液の塗工性
および得られた塗工紙の塗布量,バリヤー性を表5に示
す。
【0047】実施例27 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールと、実施例15で使用したカルボキシメチル化
でんぷんに代えて実施例14で使用したアルギン酸ソー
ダとを、重量比で100:10の割合で配合したものの
水溶液を作成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー
性を評価した。上記水溶液の塗工性および得られた塗工
紙の塗布量,バリヤー性を表5に示す。
【0048】比較例7 重合度1720,けん化度88.1モル%のポリビニルア
ルコールのみの水溶液を作成し、実施例15に準じて塗
工性とバリヤー性を評価した。この場合、塗工紙のバリ
ヤー性は良好であったが、水溶液のゲートロールコータ
ー塗工の際、著しいすじの発生と水溶液の飛び散りが認
められた。上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の
塗布量,バリヤー性を表6に示す。
【0049】比較例8 イタコン酸を1モル%共重合した重合度1000,けん
化度97モル%のポリビニルアルコールのみの水溶液を
作成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性を評価
した。この場合、塗工紙のバリヤー性が低下し、水溶液
のゲートロールコーター塗工の際、著しいすじの発生と
水溶液の飛び散りが認められた。また、塗工した紙のポ
リビニルアルコールの存在状態をヨウ素染色法のより確
認したところ著しい塗工むらが確認された。上記水溶液
の塗工性および得られた塗工紙の塗布量,バリヤー性を
表6に示す。
【0050】比較例9 実施例15で使用したカルボキシメチル化でんぷんのみ
の水溶液を作成し、実施例15に準じて塗工性とバリヤ
ー性を評価した。この場合、塗工紙のバリヤー性が低下
し、水溶液のゲートロールコーター塗工の際、著しいす
じの発生と水溶液の飛び散りが認められた。また、塗工
した紙のポリビニルアルコールの存在状態をヨウ素染色
法のより確認したところ著しい塗工むらが確認された。
上記水溶液の塗工性および得られた塗工紙の塗布量,バ
リヤー性を表6に示す。
【0051】比較例10 実施例15で使用したカルボキシメチル化でんぷん代わ
りに市販の酸化でんぷん(日本食品加工(株)製,MS
−3800)を使用した以外は、実施例15に準じて塗
工性とバリヤー性を評価した。この場合も塗工紙のバリ
ヤー性が低下し、水溶液のゲートロールコーター塗工の
際、著しいすじの発生と水溶液の飛び散りが認められ
た。また、塗工した紙のポリビニルアルコールの存在状
態をヨウ素染色法のより確認したところ著しい塗工むら
が確認された。上記水溶液の塗工性および得られた塗工
紙の塗布量,バリヤー性を表6に示す。
【0052】比較例11 比較例10で使用した酸化でんぷんのみの水溶液を作成
し、実施例15に準じて塗工性とバリヤー性を評価し
た。この場合、塗工性は良好であったが塗工紙のバリヤ
ー性は良くなかった。上記水溶液の塗工性および得られ
た塗工紙の塗布量,バリヤー性を表6に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【発明の効果】本発明の紙用コーティング剤は、ポリビ
ニルアルコール系樹脂で塗工した紙の特徴である表面強
度が大きく、印刷適性が良好でありバリヤー性が高いと
いう性能は損なわず、従来のポリビニルアルコール系樹
脂からなるコーティング剤よりも高速塗工性に優れてい
る。また、高速で塗工しても、塗工の際のロール上の液
膜がスジ状になりそれがそのまま紙上に転写されること
による塗布むらや、ロールからの飛び散り等のトラブル
が起きにくいことから、その工業的価値がきわめて高い
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 1/42 (72)発明者 丸山 均 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂に、カルボ
    キシメチル化でんぷん,水溶性セルロース化合物および
    海藻多糖類の少なくとも1種を配合してなる紙用コーテ
    ィング剤。
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