JP2002266285A - 紙塗工剤および塗工紙の製造方法 - Google Patents

紙塗工剤および塗工紙の製造方法

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JP2002266285A
JP2002266285A JP2001103871A JP2001103871A JP2002266285A JP 2002266285 A JP2002266285 A JP 2002266285A JP 2001103871 A JP2001103871 A JP 2001103871A JP 2001103871 A JP2001103871 A JP 2001103871A JP 2002266285 A JP2002266285 A JP 2002266285A
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Yoshiaki Kozuka
佳明 小塚
Hiroshi Noguchi
博司 野口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたバリヤー性および表面強度を付与する
ことができ、高速塗工時の糊飛びや塗工むらが少なく、
塗工後のドライヤーロールなどへの付着汚れが少ないな
どの高速塗工性、作業性に優れた紙塗工剤および塗工紙
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂(A)10
0質量部に対して、1質量%水溶液の25℃における粘
度が30mPa・s以上の水溶性セルロース誘導体また
はデンプン誘導体の少なくとも一種(B)を0.1〜2
5質量部、水溶性ホウ素化合物(C)を0.01〜3.
0質量部含有する紙塗工剤、この紙塗工剤にpH調整剤
としてのアルカリ性物質(D)を紙塗工剤の固形分濃度
4質量%水溶液の20℃におけるpHが7.5以上とな
る量を含有する紙塗工剤および前記紙塗工剤を水溶液と
し、紙表面に塗工し、乾燥する塗工紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙塗工剤および塗工
紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール(以下、PVAと
略す)が造膜性および紙の表面強度において他の紙塗工
剤に比べて優れた性能を示すことは広く知られている。
そのため、紙の表面強度、平滑度、光沢度などの表面特
性を改良するためのクリア塗工剤や顔料塗工におけるバ
インダー、剥離紙原紙用のアンダーコート剤などに広く
利用されている。中でも、高いバリヤー性が要求される
剥離紙用原紙のアンダーコート剤として使用する場合
は、鹸化度90モル%前後の部分鹸化PVAが使用され
ている。しかし、部分鹸化PVAは、塗工後の乾燥工程
におけるドライヤーロールやカレンダーロールへの汚れ
が著しい。このような汚れは紙の表面特性を低下させる
ばかりでなく、紙切れなどのトラブルの原因となり、大
幅な生産性の低下をきたす。この汚れ防止対策として
は、予め塗工剤の水溶液にワックスなどの離型剤を添加
する方法も行われているが、バリヤー性および表面強度
の低下が大きくなる。
【0003】一方、PVAの中でも、鹸化度98モル%
以上の完全鹸化PVAは部分鹸化PVAに比べ、表面強
度、耐水性の改善効果が高く、塗工後の乾燥工程でのロ
ール汚れは格段に少なくなるが、バリヤー性に劣ってい
る。
【0004】さらに、従来は剥離処理剤には溶剤希釈型
やエマルジョン型シリコーンが使用されていたが、近
年、省エネルギー化、省資源化さらに環境への配慮か
ら、無溶剤型シリコーンの使用が増加している。無溶剤
型の場合には、シリコーン純分が100%であり、非常
に高価でもあるため、バリヤー性が従来以上のものでな
ければ十分性能が発揮されないばかりでなく、甚だ不経
済であるため、より一層の高バリヤー化が得られる塗工
剤が求められている。
【0005】このような要望に対しては、部分鹸化PV
Aを用いて対応してもバリヤー性が十分でないため、そ
れを補うためには塗工量を多くしなければならず、ドラ
イヤーロールへの付着汚れが一層激しくなる。
【0006】一方、近年、大量生産される紙は、その表
面加工においても生産性を上げるため、高速塗工される
場合が多くなっており、PVAからなる紙用コーティン
グ液を使用する場合には、使用濃度のいかんに関わら
ず、高速塗工時の糊飛びや塗工むらが問題となってき
た。
【0007】これらの問題点を解決するために、カルボ
キシメチル化デンプン、水溶性セルロース誘導体、海藻
多糖類の少なくとも1種を配合する方法(特開平6−8
1297号公報)、PVAに水溶性セルロース誘導体、
ウレタン縮合物を配合する方法(特開平7−13889
7号公報)、完全鹸化PVAに界面活性剤を添加し水溶
液の表面張力を調整する方法(特開平10−25928
5号公報)などが提案されているが、バリアー性、高速
塗工性、作業性などの全ての特性を満足するような紙塗
工剤は未だ得られていない。
【0008】以上のとおり、バリヤー性および表面強度
の改善効果に優れ、なおかつ高速塗工性、作業性に優れ
た紙塗工剤は見出されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑み、紙に塗工することによって優れたバリヤー性お
よび表面強度を付与することができ、なおかつ、高速塗
工時の糊飛びや塗工むらが少なく、塗工後のドライヤー
ロールなどへの付着汚れが少ないなどの高速塗工性、作
業性に優れた紙塗工剤および塗工紙の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するものであって、PVA系樹脂(A)100質量部
に対して、1質量%水溶液の25℃における粘度が30
mPa・s以上の水溶性セルロース誘導体またはデンプ
ン誘導体の少なくとも一種(B)を0.1〜25質量
部、水溶性ホウ素化合物(C)を0.01〜3.0質量
部含有することを特徴とする紙塗工剤、およびこの紙塗
工剤にpH調整剤としてのアルカリ性物質(D)を紙塗
工剤の固形分濃度4質量%水溶液の20℃におけるpH
が7.5以上となる量を含有する紙塗工剤、およびこれ
らの紙塗工剤を水溶液とし、紙表面に塗工し、乾燥する
塗工紙の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0012】本発明において用いられるPVA系樹脂
(A)は、公知の各種の方法によって得られるものが用
いられる。例えば、脂肪族ビニルエステルを塊状重合、
溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合などの公知の方法
で重合したものを、例えばメタノールなどのアルコール
類中、または酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類
とアルコール類との混合溶媒中で、水酸化ナトリウムな
どのアルカリ金属の水酸化物やナトリウムメチラートな
どのアルコラートなどを鹸化触媒として用いた公知の方
法によって鹸化することによって得られる。鹸化物の乾
燥、粉砕方法は公知の各種の方法で行われる。
【0013】前記脂肪族ビニルエステルとしては、ギ酸
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸
ビニルなどが挙げられるが、工業的には酢酸ビニルが好
ましい。また、この際、本発明の効果の範囲で、これら
と共重合可能な他の単量体と共重合を行ってもよい。例
えば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類や
クロトン酸、アクリル酸などの不飽和一塩基酸またはそ
の塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和
二塩基酸またはその塩、あるいはマレイン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノメチルなどの不飽和二塩基酸モノア
ルキルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、ア
クリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドンなどの
アミド基含有単量体、ラウリルビニルエーテル、ステア
リルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル、ト
リメトキシビニルシランなどのシリル基含有単量体、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、イソプロ
ペニルアリルアルコールなどの水酸基含有単量体、アリ
ルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イソプロペ
ニルアリルアセテートなどのアセチル基含有単量体、ビ
ニルスルホン酸ソーダ、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸ソーダなどのビニルスルホン酸基含有
単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含
有単量体、スチレンなどの芳香族系単量体を挙げること
ができるが、これらに限らない。
【0014】PVA系樹脂の鹸化度は、特に限定はない
が、65モル%以上であることが好ましい。好ましくは
75モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であ
る。鹸化度が65モル%未満では水溶性または水分散性
に劣るおそれがあり、PVA本来の性能が損なわれるお
それがある。
【0015】また、本発明で使用されるPVA系樹脂の
重合度は特に限定はないが、200〜5000のものが
好ましく、重合度600〜2500のものがさらに好ま
しい。PVA系樹脂の重合度が200未満の場合には、
紙のバリヤー性および表面強度、耐水性が低くなる傾向
にある。逆に重合度が5000を超える場合には、粘度
が高くなりすぎ塗工性が悪くなるおそれがある。
【0016】さらに、本発明に使用されるPVA系樹脂
は、異なる2種類以上のPVAをブレンドして使用して
もよい。ブレンドは粉体の状態でも、水溶液の状態で
も、さらには、鹸化前のポリビニルエステルの状態で行
ってもよい。
【0017】本発明に使用する(B)成分は、水溶性セ
ルロース誘導体またはデンプン誘導体のいずれか一種、
あるいはこれらの併用物である。
【0018】水溶性セルロース誘導体としてはメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等の各種の水溶性セルロース誘導体が挙げられる。水溶
性であればよく、置換度には特に制限はない。
【0019】デンプン誘導体としては、カルボキシアル
キル化デンプン、シアノアルキル化デンプン、ヒドロキ
シアルキル化デンプン、酸化デンプン、エステル化デン
プン等が挙げられる。部分的にまたは完全に水や熱水に
可溶なものならば置換度には特に制限はない。
【0020】これらの中でも、カルボキシメチルセルロ
ースや生デンプンをオルソリン酸塩、ポリリン酸塩の水
溶液に浸漬し、脱水乾燥後に140℃前後に加熱して脱
水エステル化反応をしたものや、デンプンに尿素、リン
酸を溶解した水溶液を混合し乾燥させた後、100℃以
上の高温に加熱して反応させたリン酸エステル化デンプ
ンや、カルボキシメチル化デンプンが好ましい。特に、
PVAとの相溶性の点でカルボキシメチルセルロースが
最も好ましい。
【0021】本発明で使用する水溶性セルロース誘導体
またはデンプン誘導体(B)は、1質量%水溶液の25
℃における粘度が30mPa・s以上、好ましくは10
0mPa・s以上のものである。1質量%水溶液の25
℃における粘度が30mPa・s未満のものを使用した
場合には、塗工した紙のバリア性の向上度合いが小さ
い。
【0022】本発明の紙塗工剤において用いられる1質
量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s以上
の水溶性セルロース誘導体またはデンプン誘導体(B)
の量は、PVA系樹脂100質量部に対して0.1〜2
5質量部、好ましくは1〜10質量部である。(B)成
分の量がPVA系樹脂100質量部に対して0.1質量
部未満の場合には、バリア性が低くなり、塗工液の高速
塗工性も悪くなる。また、25質量部を超える場合には
塗工した紙のバリア性が低く、表面強度も低くなる。
【0023】本発明において用いられる水溶性ホウ素化
合物(C)は、分子内にホウ素原子を含む物質で水に溶
解するものであれば特に制限はなく用いることができ
る。例えば、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸アンモニウムなど
を挙げることができるが、これらに限らない。なかで
も、ホウ酸、ホウ砂が好適に用いられる。
【0024】また、本発明に使用される水溶性ホウ素化
合物(C)の量は、PVA系樹脂(A)成分100質量
部に対して0.01〜3.0質量部である。好ましく
は、0.02〜2.0質量部である。水溶性ホウ素化合
物の配合量が0.01質量部未満の場合には、高いバリ
アー性、表面強度、耐水性、および塗工後のドライヤー
ロールなどへの付着汚れ防止効果を得ることができな
い。水溶性ホウ素化合物の配合量が3.0質量部を超え
ると、塗工液がゲル化を起こすようになり、溶液の安定
性に問題がある。
【0025】本発明において用いられるpH調整剤とし
て用いられるアルカリ性物質(D)は、水に溶解しアル
カリ性を示すものであれば、特に制限なく用いることが
できる。例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金
属塩や、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、
アンモニアなどのアンモニウム塩を挙げることができる
が、これらに限らない。このなかでも緩衝効果のある炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが好適に用いら
れる。
【0026】pH調整剤としてのアルカリ性物質(D)
の配合量は、本発明の(A)成分、(B)成分、(C)
成分および(D)成分からなる紙塗工剤を固形分濃度4
質量%の水溶液としたときに20℃で測定したpHが
7.5以上となる量である。好ましくは、pH7.8以
上となる量であり、pHが7.8以上且つ10以下とな
る量がさらに好ましい。
【0027】pHが7.5より低い量であると、高いバ
リアー性、表面強度、および塗工後のドライヤーロール
などへの付着汚れ防止効果を得ることができないおそれ
がある。
【0028】また、(D)成分を配合する場合には、
(C)成分の量は0.01〜1.0質量部が好ましい。
【0029】本発明の紙塗工剤は、通常のPVAの場合
と同様の方法で溶解することができる。この際、PVA
系樹脂(A)、1質量%水溶液の25℃における粘度が
30mPa・s以上の水溶性セルロース誘導体またはデ
ンプン誘導体(B)、水溶性ホウ素化合物(C)、pH
調整剤としてのアルカリ性物質(D)をあらかじめ混合
しておいたものを水に投入して溶解してもよく、PVA
系樹脂(A)、水溶性セルロース誘導体またはデンプン
誘導体(B)、水溶性ホウ素化合物(C)、アルカリ性
物質(D)とを別々に溶解したものを混合してもよい。
また、PVA系樹脂(A)の水溶液に水溶性セルロース
誘導体またはデンプン誘導体(B)、水溶性ホウ素化合
物(C)、アルカリ性物質(D)を加えた後、溶解して
もよい。
【0030】本発明の紙塗工剤には必要に応じ可塑剤、
消泡剤、防カビ剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を加
えてもよい。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で
他の塗工剤、例えば、カラギーナンやアガロース、アガ
ロペクチン、アルギン酸ソーダ、キチン、キトサンなど
の多糖類、あるいはSBRなどの各種合成樹脂エマルジ
ョン、無機顔料、有機顔料などを混合することもでき
る。
【0031】本発明の紙塗工剤を用いて塗工紙を製造す
る際の紙は、特に制限はなく、例えば剥離紙用原紙や情
報処理用紙、一般上質紙、中質紙、グラビア紙、新聞紙
などの印刷用紙、マニラボール、白ボールなどの板紙を
挙げることができるが、これに限らない。中でも高いバ
リヤー性が要求される剥離紙用原紙が好適である。
【0032】かかる紙に本発明の紙塗工剤を塗工する場
合の水溶液の濃度としては特に制限はなく、固形分とし
て30質量%以下、更には1〜20質量%好適である。
【0033】これを塗工するにあたっては、ゲートロー
ルコーター、サイズプレス、エアナイフコーター、ブレ
ードコーターなどの公知の各種の方法が採用される。
【0034】本発明の紙塗工剤の塗工量は、特に制限は
ないが、使用目的に応じて通常0.01〜30g/m
程度塗工される。塗工した紙の乾燥方法は、公知の任意
の方法により行うことができる。例えば、加熱した金属
製の円筒の表面に紙を接触させて乾燥させる方法が一般
的であるが、熱風、赤外線を用いる方法やこれらを組み
合わせた方法を用いることもできる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。ここで使用する重合度および鹸化度は、JI
S K 6726に準じて測定を行ったときの値であ
る。また、特に断らない限り、各実施例および比較例に
おける(B)成分および(C)成分の使用量は、いずれ
も(A)成分100質量部に対するものである。
【0036】実施例1 (A)成分として重合度1780、鹸化度99.3モル
%のPVA100質量部、(B)成分として1質量%水
溶液の25℃における粘度が1500mPa・sである
カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記す
る)3.0質量部、(C)成分としてホウ砂0.1質量
部、(D)成分として炭酸ナトリウム1.0質量部を混
合して塗工剤を得た。この塗工剤を水に分散させた後、
90℃で加熱溶解し、固形分濃度が6質量%の水溶液に
調整したものを塗工液とした。
【0037】この塗工液を固形分濃度が4質量%の濃度
に希釈し、20℃にてpHを測定したところ、8.4で
あった。
【0038】この塗工液を用いて下記の(1)の方法に
より塗工紙を作製し、(2)の方法によりこの塗工紙の
バリヤー性、および表面強度の評価を行ったところ、バ
リヤー性、表面強度ともに非常に優れていた。さらに、
この塗工液を用いて下記の(3)の方法により高速塗工
試験を行ったところ、糊飛びの発生はなく均一に混練す
ることができた。また(4)の方法により塗工液の乾燥
時のロール(ドライヤーロール)汚れ試験を行ったとこ
ろ、100サイクル以上の使用によっても汚れは認めら
れず、汚れにくかった。以上の結果が示す通り、この塗
工液を使用すると、バリヤー性および表面強度の改善効
果が非常に高く、なおかつ高速塗工性が良好であり、乾
燥時のドライヤーロールも汚れにくく、総合評価は優れ
ていた。
【0039】(1)塗工紙の作成方法 塗工液を未塗工の剥離紙原紙(坪量70g/m)の片
面に、塗工量が0.4g/mになるようにロールコー
ターを用いて塗工した。塗工後、直ちにドラム乾燥機を
用いて95℃で2分間乾燥した。その後、20℃,65
%RHの雰囲気中で24時間調湿したものを塗工紙と
し、物性の評価を行った。
【0040】(2)塗工紙の物性測定 (透気度)塗工紙の透気度を王研式平滑度透気度測定試
験機(熊谷理機工業(株)製)を用いてJ.TAPPI
No.5に準じて測定し、透気度の秒数の大きいもの
をバリアー性が良いと評価した。 (表面強度)20℃,65%RH下でIGT印刷適性試
験〔熊谷理機工業(株)製〕により、SMX タックグ
レード25〔東洋インキ(株)製〕を用いて印圧35k
g/cm、スプリングドライブMの条件下でIGTピッ
クを測定した。
【0041】(3)高速塗工試験 高速塗工時の糊飛びを評価するため、塗工液をロールコ
ーターに加え、周速を300m/minとしたときに、
ステンレスおよびゴム製の塗工ロールから糊飛びが発生
するかどうかを観察し、次の基準で評価した。 ○:糊飛び無し ×:糊飛び有り
【0042】(4)塗工液の乾燥時のロール汚れ試験 塗工液を剥離紙原紙(長さ30cm、幅25cm、坪量
70g/m)の片面にバーコーターを用いて1g/m
となるように塗工し、直ちに40℃に調整したドラム
型乾燥機(ロール径:30cm、表面:クロムメッキ塗
装)に塗工面を5cm/secの速度でロール1回転分
接触させ乾燥した。塗工剤を塗工した紙がロール面に接
触する場所は一定でこの操作を繰り返し、ロール面に汚
れが現れ始める枚数を測定し、次の基準で塗工液の乾燥
時のロール汚れ評価を行った。 ○:優れている △:やや悪い ×:悪い (5)総合評価 塗工紙のバリヤー性および表面強度と、塗工液の高速塗
工性および乾燥時のドライヤーロール汚れ、全てを総合
して、下記の4段階で評価した。 ◎:非常に優れている ○:優れている △:やや悪い ×:悪い
【0043】実施例2〜12 (A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の性
状および使用量を表1に記載のように変更した以外は実
施例1と同様にして紙塗工剤、塗工液、塗工紙を作製
し、評価を行った。表2に記載の結果の通り、バリヤー
性、表面強度の改善効果が非常に高く、なおかつ高速塗
工性が良好であり、乾燥時のドライヤーロールも汚れに
くく、総合評価は優れていた。
【0044】比較例1〜8 (A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の性
状および使用量を表2に記載のように変更したこと以外
は実施例1と同様に紙塗工剤、塗工液、塗工紙を作製
し、評価を行った。表3に記載の結果の通り、バリヤー
性、表面強度、高速塗工性、および乾燥時のドライヤー
ロールへの付着汚れのいずれかが劣っており、総合評価
は悪かった。
【0045】比較例9 表2の記載の(A)成分、(B)成分、(C)成分、
(D)成分を混合して塗工剤を得た。これを水に分散さ
せ、90℃で加熱溶解した後、固形分濃度6質量%の水
溶液に調整し塗工液とした。しかし、塗工液がゲル化し
てしまい、物性の評価は不可能であった。
【0046】比較例10 各実施例および比較例で使用した未塗工の剥離紙原紙
(坪量70g/m)の透気度と表面強度を実施例1と
同様に測定した。結果を表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の紙塗工剤を使用すると、バリヤー性、表面強度を従来
以上に高くすることができ、なおかつ、高速塗工性が良
好であり、塗工後のドライヤーなどへの付着汚れを減少
させることができ、生産者や作業性も向上するため、工
業的に非常に有効である。特に、高いバリヤー性を要求
される剥離紙原紙では、シリコーン樹脂などの剥離剤の
塗工ロスが非常に少なくなり、経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA102 BA122 CE021 HA176 HA206 HA276 HA286 HA476 MA14 NA08 NA11 NA24 PC10 4L055 AG04 AG46 AG48 AG64 AH13 BE08 EA25 EA31 EA32 FA17 GA43

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂(A)10
    0質量部に対して、1質量%水溶液の25℃における粘
    度が30mPa・s以上の水溶性セルロース誘導体また
    はデンプン誘導体の少なくとも一種(B)を0.1〜2
    5質量部、水溶性ホウ素化合物(C)を0.01〜3.
    0質量部含有することを特徴とする紙塗工剤。
  2. 【請求項2】 pH調整剤としてのアルカリ性物質
    (D)を紙塗工剤の固形分濃度4質量%水溶液の20℃
    におけるpHが7.5以上となる量を含有することを特
    徴とする請求項1記載の紙塗工剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の紙塗工剤
    を水溶液とし、紙表面に塗工し、乾燥することを特徴と
    する塗工紙の製造方法。
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