JPH10245797A - 紙用コート剤 - Google Patents
紙用コート剤Info
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- JPH10245797A JPH10245797A JP5719997A JP5719997A JPH10245797A JP H10245797 A JPH10245797 A JP H10245797A JP 5719997 A JP5719997 A JP 5719997A JP 5719997 A JP5719997 A JP 5719997A JP H10245797 A JPH10245797 A JP H10245797A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 紙表面への歩留まりが高く、バリア性、表面
強度等の表面特性の改善効果が高く、なおかつ高速塗工
性に優れた紙用コ−ト剤を提供する。 【解決手段】 (A)ケン化度が60モル%以上で、2
0℃における4%水溶液粘度が1.5mPa・s以上で
あるポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し
て、(B)置換度が0.05以上で、20℃における4
%水溶液粘度が1.5mPa・s以上のリン酸エステル
化でんぷんを0.1〜50重量部配合してなる。
強度等の表面特性の改善効果が高く、なおかつ高速塗工
性に優れた紙用コ−ト剤を提供する。 【解決手段】 (A)ケン化度が60モル%以上で、2
0℃における4%水溶液粘度が1.5mPa・s以上で
あるポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し
て、(B)置換度が0.05以上で、20℃における4
%水溶液粘度が1.5mPa・s以上のリン酸エステル
化でんぷんを0.1〜50重量部配合してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系の紙用コ−ト剤に関するものである。
ール系の紙用コ−ト剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリビニルアルコール(以
下、PVAと略記する)は紙の表面強度、平滑度、光沢
等の表面特性を改良するためのクリアコ−ト剤、顔料コ
−ティングにおけるバインダ−として、また、剥離紙原
紙用のアンダ−コ−ト剤等の紙用コ−ト剤として広く利
用されている。
下、PVAと略記する)は紙の表面強度、平滑度、光沢
等の表面特性を改良するためのクリアコ−ト剤、顔料コ
−ティングにおけるバインダ−として、また、剥離紙原
紙用のアンダ−コ−ト剤等の紙用コ−ト剤として広く利
用されている。
【0003】しかしながら、PVAを含む紙用コ−ティ
ング液を紙の表面に塗工すると、PVAが紙層内部に浸
透し、紙表面への歩留まりが小さくなり、その結果、バ
リア性、表面強度等の表面特性の改善効果が充分に発揮
されず、それを補うために塗工量を多くしなければなら
なかった。PVAからなる紙用コ−ティング液では、塗
工量を増やすために水溶液濃度を上げると、塗工性が悪
化するという欠点があった。
ング液を紙の表面に塗工すると、PVAが紙層内部に浸
透し、紙表面への歩留まりが小さくなり、その結果、バ
リア性、表面強度等の表面特性の改善効果が充分に発揮
されず、それを補うために塗工量を多くしなければなら
なかった。PVAからなる紙用コ−ティング液では、塗
工量を増やすために水溶液濃度を上げると、塗工性が悪
化するという欠点があった。
【0004】また、近年、大量生産される紙は、その表
面加工においても生産性を上げるため、高速塗工される
場合が多くなっており、PVAからなる紙用コ−ティン
グ液の場合は、濃度に関わらず、高速塗工時の糊飛びや
塗工むらが問題となってきた。
面加工においても生産性を上げるため、高速塗工される
場合が多くなっており、PVAからなる紙用コ−ティン
グ液の場合は、濃度に関わらず、高速塗工時の糊飛びや
塗工むらが問題となってきた。
【0005】上記問題を解決するため、従来よりカルボ
キシメチルセルロースを併用する方法が知られている。
また、PVA系樹脂にカルボキシメチル化でんぷん、水
溶性セルロ−ス誘導体、海藻多糖類の少なくとも1種を
配合する方法(特開平6−81297号公報)やPVA
に水溶性セルロース誘導体、ウレタン縮合物を配合する
方法(特開平7−138897号公報)等が提案されて
いるが、紙表面への歩留まりの改善、高速塗工性の改善
の両方を満足する方法は見いだされていないのが現状で
ある。
キシメチルセルロースを併用する方法が知られている。
また、PVA系樹脂にカルボキシメチル化でんぷん、水
溶性セルロ−ス誘導体、海藻多糖類の少なくとも1種を
配合する方法(特開平6−81297号公報)やPVA
に水溶性セルロース誘導体、ウレタン縮合物を配合する
方法(特開平7−138897号公報)等が提案されて
いるが、紙表面への歩留まりの改善、高速塗工性の改善
の両方を満足する方法は見いだされていないのが現状で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙表面への
歩留まりが高く、バリア性、表面強度等の表面特性の改
善効果が高く、なおかつ高速塗工性に優れた紙用コ−ト
剤を提供することを目的とするものである。
歩留まりが高く、バリア性、表面強度等の表面特性の改
善効果が高く、なおかつ高速塗工性に優れた紙用コ−ト
剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の紙用コ−ト剤
は、上記目的を達成するものであって、(A)ケン化度
が60モル%以上で、20℃における4%水溶液粘度が
1.5mPa・s以上であるポリビニルアルコール系樹
脂100重量部に対して、(B)置換度が0.05以上
で、20℃における4%水溶液粘度が1.5mPa・s
以上のリン酸エステルでんぷんを0.1〜50重量部配
合してなることを特徴とするものである。
は、上記目的を達成するものであって、(A)ケン化度
が60モル%以上で、20℃における4%水溶液粘度が
1.5mPa・s以上であるポリビニルアルコール系樹
脂100重量部に対して、(B)置換度が0.05以上
で、20℃における4%水溶液粘度が1.5mPa・s
以上のリン酸エステルでんぷんを0.1〜50重量部配
合してなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明で使用されるPVA系樹脂はケン化度が
60モル%以上で、20℃における4%水溶液粘度が
1.5mPa・s以上のものである。
明する。本発明で使用されるPVA系樹脂はケン化度が
60モル%以上で、20℃における4%水溶液粘度が
1.5mPa・s以上のものである。
【0009】ケン化度は60モル%以上、好ましくは7
0モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であっ
て、ケン化度が60モル%未満では水溶液が相分離を起
こし、バリア性が低下する。20℃における4%水溶液
粘度は1.5mPa・s以上、好ましくは5mPa・s
以上である。20℃における4%水溶液粘度が1.5m
Pa・s未満の場合には、紙の表面強度が小さい。
0モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であっ
て、ケン化度が60モル%未満では水溶液が相分離を起
こし、バリア性が低下する。20℃における4%水溶液
粘度は1.5mPa・s以上、好ましくは5mPa・s
以上である。20℃における4%水溶液粘度が1.5m
Pa・s未満の場合には、紙の表面強度が小さい。
【0010】本発明に使用するPVA系樹脂は、脂肪族
ビニルエステルを塊状重合、溶液重合、懸濁重合あるい
は乳化重合などの公知の方法で重合したものを、例えば
メタノ−ル等のアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル類とアルコ−ル類との混合溶媒中で、水酸
化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やナトリウ
ムメチラ−トなどのアルコラ−ト等をケン化触媒として
用いた公知の方法によってケン化することによって得ら
れる。ケン化物の乾燥、粉砕方法は特に制限はなく公知
の方法で行われる。
ビニルエステルを塊状重合、溶液重合、懸濁重合あるい
は乳化重合などの公知の方法で重合したものを、例えば
メタノ−ル等のアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル類とアルコ−ル類との混合溶媒中で、水酸
化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やナトリウ
ムメチラ−トなどのアルコラ−ト等をケン化触媒として
用いた公知の方法によってケン化することによって得ら
れる。ケン化物の乾燥、粉砕方法は特に制限はなく公知
の方法で行われる。
【0011】脂肪族ビニルエステル類としては、ギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどがあげられるが、工業的には酢酸ビニルが望ま
しい。また、前記脂肪族ビニルエステルは、これと共重
合可能な不飽和単量体との共重合を行っても良い。脂肪
族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体として
は、例えは、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン
類やクロトン酸、アクリル酸等の不飽和一塩基酸または
その塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和
二塩基酸またはその塩、あるいはマレイン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアル
キルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、アク
リルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロ−ル
アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミ
ド基含有単量体、ラウリルビニルエ−テル、ステアリル
ビニルエ−テル等のアルキルビニルエ−テル、トリメト
キシビニルシラン等のシリル基含有単量体、アリルアル
コ−ル、ジメチルアリルアルコ−ル、イソプロペニルア
リルアルコ−ル等の水酸基含有単量体、アリルアセテ−
ト、ジメチルアリルアセテ−ト、イソプロペニルアリル
アセテ−ト等のアセチル基含有単量体、ビニルスルホン
酸ソ−ダ、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸ソ−ダ等のビニルスルホン酸基含有単量体、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、スチレ
ン等の芳香族系単量体を挙げることができるが、これに
限らない。
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどがあげられるが、工業的には酢酸ビニルが望ま
しい。また、前記脂肪族ビニルエステルは、これと共重
合可能な不飽和単量体との共重合を行っても良い。脂肪
族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体として
は、例えは、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン
類やクロトン酸、アクリル酸等の不飽和一塩基酸または
その塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和
二塩基酸またはその塩、あるいはマレイン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアル
キルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、アク
リルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロ−ル
アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミ
ド基含有単量体、ラウリルビニルエ−テル、ステアリル
ビニルエ−テル等のアルキルビニルエ−テル、トリメト
キシビニルシラン等のシリル基含有単量体、アリルアル
コ−ル、ジメチルアリルアルコ−ル、イソプロペニルア
リルアルコ−ル等の水酸基含有単量体、アリルアセテ−
ト、ジメチルアリルアセテ−ト、イソプロペニルアリル
アセテ−ト等のアセチル基含有単量体、ビニルスルホン
酸ソ−ダ、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸ソ−ダ等のビニルスルホン酸基含有単量体、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、スチレ
ン等の芳香族系単量体を挙げることができるが、これに
限らない。
【0012】本発明に使用されるPVA系樹脂は、ケン
化度の異なるもの、水溶液粘度の異なるもの、共重合変
性してないもの、共重合変性してあるものなど、種類の
異なるPVA系樹脂を2種類以上ブレンドして用いても
良い。またブレンドは、粉体の状態でも、また水溶液の
状態でも、さらには、ケン化前のポリビニルエステルの
状態で行っても良い。
化度の異なるもの、水溶液粘度の異なるもの、共重合変
性してないもの、共重合変性してあるものなど、種類の
異なるPVA系樹脂を2種類以上ブレンドして用いても
良い。またブレンドは、粉体の状態でも、また水溶液の
状態でも、さらには、ケン化前のポリビニルエステルの
状態で行っても良い。
【0013】本発明に使用するリン酸エステル化でんぷ
んとしては、でんぷんをオルソリン酸塩、ポリリン酸塩
の水溶液に浸漬して、脱水乾燥後に140℃前後に加熱
して、脱水エステル化反応をしたものや、でんぷんに尿
素、リン酸を溶解した水溶液を混合し乾燥させた後、1
00℃以上の高温に加熱して反応させたもの等の従来公
知のもので良いが、水酸基部分を置換して得られたリン
酸エステル基部分の置換度が0.05以上、好ましくは
0.1以上で、20℃における4%水溶液粘度が1.5
mPa・s以上、好ましくは5mPa・s以上のもので
ある。
んとしては、でんぷんをオルソリン酸塩、ポリリン酸塩
の水溶液に浸漬して、脱水乾燥後に140℃前後に加熱
して、脱水エステル化反応をしたものや、でんぷんに尿
素、リン酸を溶解した水溶液を混合し乾燥させた後、1
00℃以上の高温に加熱して反応させたもの等の従来公
知のもので良いが、水酸基部分を置換して得られたリン
酸エステル基部分の置換度が0.05以上、好ましくは
0.1以上で、20℃における4%水溶液粘度が1.5
mPa・s以上、好ましくは5mPa・s以上のもので
ある。
【0014】置換度が0.05未満の場合には、PVA
との相溶性が悪く、塗工した紙のバリア性が悪くなる。
また、4%水溶液粘度が1.5mPa・s未満のものは
塗工した紙の表面強度やバリア性が低くなる。
との相溶性が悪く、塗工した紙のバリア性が悪くなる。
また、4%水溶液粘度が1.5mPa・s未満のものは
塗工した紙の表面強度やバリア性が低くなる。
【0015】本発明の紙用コ−ト剤において、PVA系
樹脂に対するリン酸エステル化でんぷんの配合比率は、
PVA系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは2〜30重量部である。リン酸エステル
化でんぷんの配合比率がPVA系樹脂100重量部に対
して0.1重量部未満の場合には、バリア性が低くな
り、塗工液の高速塗工性も悪くなる。また、50重量部
を超える場合には塗工した紙のバリア性が低く、表面強
度も低くなる。
樹脂に対するリン酸エステル化でんぷんの配合比率は、
PVA系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは2〜30重量部である。リン酸エステル
化でんぷんの配合比率がPVA系樹脂100重量部に対
して0.1重量部未満の場合には、バリア性が低くな
り、塗工液の高速塗工性も悪くなる。また、50重量部
を超える場合には塗工した紙のバリア性が低く、表面強
度も低くなる。
【0016】本発明の紙用コ−ト剤は、一般には通常の
PVAと同様に水に溶解して使用される。この際、
(A)PVA系樹脂と、(B)リン酸エステル化でんぷ
んとの混合物を水に投入して溶解してもよく、(A)と
(B)とを別々に溶解したものを混合してもよく、また
(A)の水溶液に(B)を添加して溶解してもよい。
PVAと同様に水に溶解して使用される。この際、
(A)PVA系樹脂と、(B)リン酸エステル化でんぷ
んとの混合物を水に投入して溶解してもよく、(A)と
(B)とを別々に溶解したものを混合してもよく、また
(A)の水溶液に(B)を添加して溶解してもよい。
【0017】本発明の紙用コ−ト剤には必要に応じて可
塑剤、消泡剤、防カビ剤、帯電防止剤等の公知の添加剤
を添加することもできる。さらに、本発明の効果を損な
わない範囲で他のコ−ト剤、例えば、生でんぷんや変性
でんぷん等のでんぷん類、カラギ−ナンやアガロ−ス−
アガロペクチン、アルギン酸ソ−ダ、キチン、キトサン
等の多糖類、カルボキシメチルセルロースやメチルセル
ロ−ス等のセルロ−ス誘導体、あるいは各種合成樹脂エ
マルジョン、無機顔料、有機顔料等を混合することがで
きる。
塑剤、消泡剤、防カビ剤、帯電防止剤等の公知の添加剤
を添加することもできる。さらに、本発明の効果を損な
わない範囲で他のコ−ト剤、例えば、生でんぷんや変性
でんぷん等のでんぷん類、カラギ−ナンやアガロ−ス−
アガロペクチン、アルギン酸ソ−ダ、キチン、キトサン
等の多糖類、カルボキシメチルセルロースやメチルセル
ロ−ス等のセルロ−ス誘導体、あるいは各種合成樹脂エ
マルジョン、無機顔料、有機顔料等を混合することがで
きる。
【0018】本発明の紙用コ−ト剤を塗工する紙として
は、特に制限はないが、例えば、剥離紙原紙や情報処理
用紙、一般上質紙、中質紙、グラビア紙、新聞紙等の印
刷用紙、マニラボ−ル、白ボ−ル等の板紙を挙げること
ができるが、これに限らない。
は、特に制限はないが、例えば、剥離紙原紙や情報処理
用紙、一般上質紙、中質紙、グラビア紙、新聞紙等の印
刷用紙、マニラボ−ル、白ボ−ル等の板紙を挙げること
ができるが、これに限らない。
【0019】かかる紙に該コ−ト剤を塗工する場合の水
溶液の濃度としては、固形分として30重量%以下、好
ましくは1〜20重量%が適当である。これを塗工する
にあたっては、ゲ−トロ−ルコ−タ−、サイズプレス、
エアナイフコ−タ−、ブレ−ドコ−タ−等の公知の任意
の方法が採用される。本発明の紙用コ−ト剤の塗工量
は、特に制限はないが、目的に応じて通常0.01〜3
0g/m2 程度塗工される。
溶液の濃度としては、固形分として30重量%以下、好
ましくは1〜20重量%が適当である。これを塗工する
にあたっては、ゲ−トロ−ルコ−タ−、サイズプレス、
エアナイフコ−タ−、ブレ−ドコ−タ−等の公知の任意
の方法が採用される。本発明の紙用コ−ト剤の塗工量
は、特に制限はないが、目的に応じて通常0.01〜3
0g/m2 程度塗工される。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0021】実施例1 表1に示すように、(A)成分としてケン化度が98モ
ル%、20℃における4%水溶液粘度が28mPa・s
のPVAを100重量部、(B)成分として置換が0.
8、20℃における4%水溶液粘度が15mPa・sの
リン酸エステル化でんぷんを6重量部、消泡剤としてウ
レタン系の消泡剤(サンノプコ社製)を0.1重量部ほ
ど混合してコ−ト剤を得た。このコ−ト剤を水に分散さ
せた後、80℃で加温溶解し、濃度4%の水溶液に調整
したものをコ−ティング液とした。
ル%、20℃における4%水溶液粘度が28mPa・s
のPVAを100重量部、(B)成分として置換が0.
8、20℃における4%水溶液粘度が15mPa・sの
リン酸エステル化でんぷんを6重量部、消泡剤としてウ
レタン系の消泡剤(サンノプコ社製)を0.1重量部ほ
ど混合してコ−ト剤を得た。このコ−ト剤を水に分散さ
せた後、80℃で加温溶解し、濃度4%の水溶液に調整
したものをコ−ティング液とした。
【0022】
【表1】
【0023】このコ−ティング液を用いて以下の方法に
より塗工紙を作成し、この塗工紙の評価試験を行った。 (塗工紙の作成方法)コ−ティング液を未塗工の上質紙
(坪量65g/m2 )の片面に、透気度測定用にはコ−
ト剤の塗工量が0.5g/m2 、IGTピック測定用に
は0.2g/m2 になるようにロ−ルコ−タ−を用いて
塗工した。塗工後、直ちにドラム乾燥機を用いて95
℃、1分間乾燥したものを、20℃、65%RHの雰囲
気中で2日間調湿し、塗工紙としての評価試験を行っ
た。
より塗工紙を作成し、この塗工紙の評価試験を行った。 (塗工紙の作成方法)コ−ティング液を未塗工の上質紙
(坪量65g/m2 )の片面に、透気度測定用にはコ−
ト剤の塗工量が0.5g/m2 、IGTピック測定用に
は0.2g/m2 になるようにロ−ルコ−タ−を用いて
塗工した。塗工後、直ちにドラム乾燥機を用いて95
℃、1分間乾燥したものを、20℃、65%RHの雰囲
気中で2日間調湿し、塗工紙としての評価試験を行っ
た。
【0024】(高速塗工時の糊飛びの測定および評価)
糊飛び試験機のロ−ルの周速を300m/minとした
時に、ステンレス製およびゴム製の一対の塗工ロ−ルか
ら糊飛びが発生するかどうかを確認し、糊飛びの生じな
いものを優れていると評価した。
糊飛び試験機のロ−ルの周速を300m/minとした
時に、ステンレス製およびゴム製の一対の塗工ロ−ルか
ら糊飛びが発生するかどうかを確認し、糊飛びの生じな
いものを優れていると評価した。
【0025】(塗工紙の物性測定および評価) (バリヤー性)塗工紙の透気度(気体の透過する時間を
秒で表示)を、JIS P 8117に順じてB型ガ−
レ式デンソメ−タ−を用いて測定し、この測定値が大き
いものをバリヤー性が良好であると評価した。 (表面強度)20℃、65%RH下でIGT印刷適性試
験機により東洋インキ株式会社製SMX タックグレ−
ド20を用いて印圧35kg/cm、スプリングドライ
ブMの条件下でIGTピックを測定し、この測定値が大
きいものを表面強度が良好であると評価した。
秒で表示)を、JIS P 8117に順じてB型ガ−
レ式デンソメ−タ−を用いて測定し、この測定値が大き
いものをバリヤー性が良好であると評価した。 (表面強度)20℃、65%RH下でIGT印刷適性試
験機により東洋インキ株式会社製SMX タックグレ−
ド20を用いて印圧35kg/cm、スプリングドライ
ブMの条件下でIGTピックを測定し、この測定値が大
きいものを表面強度が良好であると評価した。
【0026】(総合評価)塗工時の糊飛び、バリア性、
表面強度のすべてを総合して、下記の3段階で評価し
た。 ○:優れている △:やや悪い ×:悪い
表面強度のすべてを総合して、下記の3段階で評価し
た。 ○:優れている △:やや悪い ×:悪い
【0027】結果は表2に示すように、バリア性および
表面強度は良好で、塗工時の糊飛びも発生することな
く、総合評価は優れていた。
表面強度は良好で、塗工時の糊飛びも発生することな
く、総合評価は優れていた。
【0028】
【表2】
【0029】実施例2〜7 (A)成分として、表1に示す各種のケン化度、20℃
での4%水溶液粘度のPVA、(B)成分として、表1
に示す各種の置換度、20℃での4%水溶液粘度のリン
酸エステル化でんぷんを使用した以外は、実施例1と同
様にしてコート剤、コーティング液および塗工紙を得
た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工
時の糊飛びについて実施例1と同様に試験を行ったとこ
ろ、その結果は表2に示すように、すべてにおいて優れ
ていた。
での4%水溶液粘度のPVA、(B)成分として、表1
に示す各種の置換度、20℃での4%水溶液粘度のリン
酸エステル化でんぷんを使用した以外は、実施例1と同
様にしてコート剤、コーティング液および塗工紙を得
た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工
時の糊飛びについて実施例1と同様に試験を行ったとこ
ろ、その結果は表2に示すように、すべてにおいて優れ
ていた。
【0030】実施例8 (A)成分として、ケン化度97モル%、20℃での4
%水溶液粘度27mPa・sのマレイン酸モノメチル変
性PVA(変性度2モル%)を用いた以外は実施例1と
同様にしてコート剤、コーティング液および塗工紙を得
た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工
時の糊飛びについて実施例1と同様に試験を行ったとこ
ろ、その結果は表2に示すように、すべてにおいて優れ
ていた。
%水溶液粘度27mPa・sのマレイン酸モノメチル変
性PVA(変性度2モル%)を用いた以外は実施例1と
同様にしてコート剤、コーティング液および塗工紙を得
た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工
時の糊飛びについて実施例1と同様に試験を行ったとこ
ろ、その結果は表2に示すように、すべてにおいて優れ
ていた。
【0031】実施例9 (A)成分として、ケン化度98モル%、20℃での4
%水溶液粘度21mPa・sのエチレン変性PVA(変
性度5モル%)を用いた以外は実施例1と同様にしてコ
ート剤、コーティング液および塗工紙を得た。得られた
塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工時の糊飛びに
ついて実施例1と同様に試験を行ったところ、その結果
は表2に示すように、すべてにおいて優れていた。
%水溶液粘度21mPa・sのエチレン変性PVA(変
性度5モル%)を用いた以外は実施例1と同様にしてコ
ート剤、コーティング液および塗工紙を得た。得られた
塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工時の糊飛びに
ついて実施例1と同様に試験を行ったところ、その結果
は表2に示すように、すべてにおいて優れていた。
【0032】比較例1 表3に示すように、(A)成分として、ケン化度が98
モル%、20℃における4%水溶液粘度が28mPa・
sのPVAを100重量部、(B)成分を使用しない
で、消泡剤としてウレタン系の消泡剤(サンノプコ社
製)を0.1重量部を混合してコ−ト剤を得た。このコ
−ト剤を水に分散させた後、80℃で加温溶解し、濃度
4%の水溶液に調整したものをコ−ティング液とした。
実施例1と同様にして塗工紙を作成し、バリヤー性、表
面強度および塗工時の糊飛びについて実施例1と同様に
試験を行ったところ、その結果は表4に示すように、バ
リヤー性が劣り、糊飛びも生じた。
モル%、20℃における4%水溶液粘度が28mPa・
sのPVAを100重量部、(B)成分を使用しない
で、消泡剤としてウレタン系の消泡剤(サンノプコ社
製)を0.1重量部を混合してコ−ト剤を得た。このコ
−ト剤を水に分散させた後、80℃で加温溶解し、濃度
4%の水溶液に調整したものをコ−ティング液とした。
実施例1と同様にして塗工紙を作成し、バリヤー性、表
面強度および塗工時の糊飛びについて実施例1と同様に
試験を行ったところ、その結果は表4に示すように、バ
リヤー性が劣り、糊飛びも生じた。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】比較例2〜7 (A)成分として、表3に示す各種のケン化度、20℃
での4%水溶液粘度のPVA、(B)成分として、表3
に示す各種の置換度、20℃での4%水溶液粘度のリン
酸エステル化でんぷんを使用した以外は、実施例1と同
様にしてコート剤、コーティング液および塗工紙を得
た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工
時の糊飛びについて実施例1と同様に試験を行ったとこ
ろ、その結果は表4に示すように、塗工が困難となった
り、あるいは少なくともいずれかにおいて劣っており、
総合評価は悪かった。
での4%水溶液粘度のPVA、(B)成分として、表3
に示す各種の置換度、20℃での4%水溶液粘度のリン
酸エステル化でんぷんを使用した以外は、実施例1と同
様にしてコート剤、コーティング液および塗工紙を得
た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強度および塗工
時の糊飛びについて実施例1と同様に試験を行ったとこ
ろ、その結果は表4に示すように、塗工が困難となった
り、あるいは少なくともいずれかにおいて劣っており、
総合評価は悪かった。
【0036】比較例8 (A)成分として、ケン化度97モル%、20℃での4
%水溶液粘度27mPa・sのマレイン酸モノメチル変
性PVA(変性度2モル%)を用い、(B)成分は用い
なかった以外は実施例1と同様にしてコート剤、コーテ
ィング液および塗工紙を得た。得られた塗工紙のバリヤ
ー性、表面強度および塗工時の糊飛びについて実施例1
と同様に試験を行ったところ、その結果は表4に示すよ
うに、糊飛びが生じ、総合評価は悪かった。
%水溶液粘度27mPa・sのマレイン酸モノメチル変
性PVA(変性度2モル%)を用い、(B)成分は用い
なかった以外は実施例1と同様にしてコート剤、コーテ
ィング液および塗工紙を得た。得られた塗工紙のバリヤ
ー性、表面強度および塗工時の糊飛びについて実施例1
と同様に試験を行ったところ、その結果は表4に示すよ
うに、糊飛びが生じ、総合評価は悪かった。
【0037】比較例9 (A)成分として、ケン化度98モル%、20℃での4
%水溶液粘度21mPa・sのエチレン変性PVA(変
性度5モル%)を用い、(B)成分は用いなかった以外
は実施例1と同様にしてコート剤、コーティング液およ
び塗工紙を得た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強
度および塗工時の糊飛びについて実施例1と同様に試験
を行ったところ、その結果は表4に示すように、バリヤ
ー性が劣り、糊飛びも生じ、総合評価は悪かった。
%水溶液粘度21mPa・sのエチレン変性PVA(変
性度5モル%)を用い、(B)成分は用いなかった以外
は実施例1と同様にしてコート剤、コーティング液およ
び塗工紙を得た。得られた塗工紙のバリヤー性、表面強
度および塗工時の糊飛びについて実施例1と同様に試験
を行ったところ、その結果は表4に示すように、バリヤ
ー性が劣り、糊飛びも生じ、総合評価は悪かった。
【0038】比較例10 本発明のコ−ト剤の代わりにでんぷんを糊化したものを
用いた以外は実施例1と同様にしてコート剤、コーティ
ング液および塗工紙を得た。得られた塗工紙のバリヤー
性、表面強度および塗工時の糊飛びについて実施例1と
同様に試験を行ったところ、その結果は表4に示すよう
に、いずれも劣っており、総合評価は悪かった。
用いた以外は実施例1と同様にしてコート剤、コーティ
ング液および塗工紙を得た。得られた塗工紙のバリヤー
性、表面強度および塗工時の糊飛びについて実施例1と
同様に試験を行ったところ、その結果は表4に示すよう
に、いずれも劣っており、総合評価は悪かった。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の紙用コ−ト剤を使用すると、紙の表面強度、バリア−
性及び印刷適性を従来よりも高くできると同時に、塗工
時におけるロ−ルからの糊飛びの発生が無く、また、塗
工ムラをなくすことができる。
の紙用コ−ト剤を使用すると、紙の表面強度、バリア−
性及び印刷適性を従来よりも高くできると同時に、塗工
時におけるロ−ルからの糊飛びの発生が無く、また、塗
工ムラをなくすことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)ケン化度が60モル%以上で、2
0℃における4%水溶液粘度が1.5mPa・s以上で
あるポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し
て、(B)置換度が0.05以上で、20℃における4
%水溶液粘度が1.5mPa・s以上のリン酸エステル
化でんぷんを0.1〜50重量部配合してなることを特
徴とする紙用コ−ト剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5719997A JPH10245797A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 紙用コート剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5719997A JPH10245797A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 紙用コート剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10245797A true JPH10245797A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=13048833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5719997A Pending JPH10245797A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 紙用コート剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10245797A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005052255A1 (en) * | 2003-11-27 | 2005-06-09 | Cerestar Holding B.V. | Thickener for paper coating compositions |
JP2011236516A (ja) * | 2010-05-07 | 2011-11-24 | Daio Paper Corp | 塗工板紙 |
-
1997
- 1997-02-26 JP JP5719997A patent/JPH10245797A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005052255A1 (en) * | 2003-11-27 | 2005-06-09 | Cerestar Holding B.V. | Thickener for paper coating compositions |
JP2011236516A (ja) * | 2010-05-07 | 2011-11-24 | Daio Paper Corp | 塗工板紙 |
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