JP3769351B2 - 紙用コ−ト剤およびそれを用いた塗工紙の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗工紙の製造工程においてドライヤ−ロ−ルやカレンダ−ロ−ルへの汚れがなく、かつ塗工紙に優れたバリヤ−性を付与することができる紙用コ−ト剤およびそれを用いた塗工紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)が造膜性および紙の表面強度において他の紙用コ−ト剤に比べ優れた性能を示すことは広く知られている。従来より、紙の表面強度、平滑度、光沢度等の表面特性を改良するためのクリアコ−ト剤、顔料コ−トにおけるバインダ−、剥離紙原紙用のアンダ−コ−ト剤等に広く利用されている。中でも、高いバリヤ−性が要求される剥離紙用原紙のアンダ−コ−ト剤として使用する場合は、比較的紙の表面に皮膜形成し易い部分鹸化PVAが使用されているが、バリヤ−性が必ずしも十分とはいえず、塗工後の工程におけるドライヤ−ロ−ルやカレンダ−ロ−ルへの汚れが著しい。このような汚れは紙の表面特性を低下させるばかりでなく、紙切れ等のトラブルの原因となり、大幅な生産性の低下をきたす。この汚れ防止対策としては、予めコ−ト剤の水溶液にWAX等の離型剤を添加する方法も行われているが、バリヤ−性の低下が大きく、目的とするバリヤ−性を有する塗工紙が得られないという問題がある。
【0003】
一方、これらの問題を解決する方法として、硫酸バンドと反応してコ−ト液の浸透を抑制することにより、紙表面での皮膜形成性を向上させてバリヤ−性の高い塗工紙が得られるカルボキシル基含有PVAが使用されており、塗工後の工程での汚れも部分鹸化PVAに比べ改善されることが知られている。しかしながら、近年のように高速塗工化の状況においては、カルボキシル基含有PVAでさえも汚れ性においてまだ不十分である。そこで、バリヤ−性の高い塗工紙が得られ、さらに汚れのない紙用コ−ト剤が切望されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塗工した紙が優れたバリヤ−性をもち、なおかつ塗工後の工程においてドライヤ−ロ−ルやカレンダ−ロ−ルの汚れのない紙用コ−ト剤およびそれを用いた塗工紙の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するものであって、(A)カルボキシル基含有PVA100重量部に対して、(B)20℃における4%水溶液粘度が25mPa・s以上、鹸化度が95モル%以上のPVAを0.5〜100重量部を配合してなることを特徴とする紙用コ−ト剤、および、それを0.05g/m2 以上になるように塗工、乾燥させることを特徴とする塗工紙の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】
本発明で使用するカルボキシル基含有PVA(A)は、脂肪族ビニルエステルおよび脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和カルボン酸またはその誘導体を塊状重合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合などの公知の方法で重合したものを、例えばメタノ−ル等のアルコ−ル中や酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類とアルコ−ル類との混合溶媒中で、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やナトリウムメチラ−トなどのアルコラ−ト等を鹸化触媒として用いた公知の方法によって鹸化することによって得られる。鹸化物の乾燥、粉砕方法は各種の公知の方法で行われる。
【0008】
前記脂肪族ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどがあげられるが、工業的には酢酸ビニルが望ましい。また、不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和二カルボン酸またはその塩、モノアルキルエステル類、クロトン酸、アクリル酸等の不飽和一カルボン酸またはその塩等が挙げられるが、これに限るものではない。この中では特にマレイン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチルが有用である。またさらに、前記脂肪族ビニルエステルはこれと共重合可能な単量体を本発明の効果を損なわない範囲で共重合を行っても良い。脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類や(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含有単量体、ラウリルビニルエ−テル、ステアリルビニルエ−テル等のアルキルビニルエ−テル、トリメトキシビニルシラン等のシリル基含有単量体、アリルアルコ−ル、ジメチルアリルアルコ−ル、イソプロペニルアリルアルコ−ル等の水酸基含有単量体、アリルアセテ−ト、ジメチルアリルアセテ−ト、イソプロペニルアリルアセテ−ト等のアセチル基含有単量体、ビニルスルホン酸ソ−ダ、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソ−ダ等のビニルスルホン酸基含有単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、スチレン等の芳香族系単量体を挙げることができるが、これに限らない。
【0009】
本発明で使用されるカルボキシル基含有PVA(A)は、鹸化度は好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。鹸化度が低いと、カルボキシル基含有PVAの水溶性が低下する傾向にあり、コ−ティング液が相分離を起こすおそれがあったり、塗工性が悪くなりバリヤ−性が低下するおそれがある。また、ドライヤ−等の汚れ防止効果も小さくなるおそれがある。
【0010】
また、本発明で使用されるカルボキシル基含有PVA(A)の20℃における4%水溶液粘度は、好ましくは5.0mPa・s以上である。20℃における4%水溶液粘度が低すぎると、バリヤ−性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明で使用されるカルボキシル基含有PVA(A)のカルボキシル基含有量は、好ましくは0.1〜10モル%、さらに好ましくは0.5〜5.0モル%のものである。この含有量が少なすぎると、バリヤ−性が低くなるおそれがあったり、ドライヤ−等の汚れ防止効果も小さくなるおそれがある。また、含有量が多すぎると、塗工性が悪くなる傾向にあり、均質な紙が得られ難くなるおそれがある。
【0012】
本発明で使用されるカルボキシル基含有PVA(A)は、鹸化度の異なるもの、重合度の異なるもの、重合の際に用いる不飽和カルボン酸またはその誘導体の異なるものなど種類の異なるカルボキシル基含有PVAを2種類以上ブレンドして用いても良い。また、ブレンドは粉体の状態でも、また水溶液の状態でも、さらには、鹸化前のポリビニルエステルの状態で行っても良い。
【0013】
本発明で使用されるPVA(B)は、脂肪族ビニルエステルを塊状重合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合などの公知の方法で重合したものを、例えばメタノ−ル等のアルコ−ル中や、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類とアルコ−ル類との混合溶媒中で、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やナトリウムメチラ−トなどのアルコラ−ト等を鹸化触媒として用いた公知の方法によって鹸化することによって得られる。鹸化物の乾燥、粉砕方法は各種の公知の方法で行われる。
【0014】
前記脂肪族ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどがあげられるが、工業的には酢酸ビニルが望ましい。また、前記脂肪族ビニルエステルは、これと共重合可能な不飽和単量体との共重合を行っても良い。ただし、この不飽和単量体としては不飽和カルボン酸は除く。脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含有単量体、ラウリルビニルエ−テル、ステアリルビニルエ−テル等のアルキルビニルエ−テル、トリメトキシビニルシラン等のシリル基含有単量体、アリルアルコ−ル、ジメチルアリルアルコ−ル、イソプロペニルアリルアルコ−ル等の水酸基含有単量体、アリルアセテ−ト、ジメチルアリルアセテ−ト、イソプロペニルアリルアセテ−ト等のアセチル基含有単量体、ビニルスルホン酸ソ−ダ、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソ−ダ等のビニルスルホン酸基含有単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、スチレン等の芳香族系単量体を挙げることができるが、これに限らない。
【0015】
本発明に使用されるPVA(B)の20℃における4%水溶液粘度は25mPa・s以上であり、好ましくは35mPa・s以上である。20℃における水溶液粘度が25mPa・s未満の場合は、ドライヤ−等の汚れ防止効果が小さい。
【0016】
本発明に使用されるPVA(B)の鹸化度は、95モル%以上であり、好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは99モル%である。鹸化度が95モル%未満の場合は、ドライヤ−等の汚れ防止効果が小さい。
【0017】
本発明の紙用コ−ト剤は、カルボキシル基含有PVA(A)とPVA(B)とを配合することにより得られるが、その配合割合は、カルボキシル基含有PVA(A)100重量部に対し、0.5〜100重量部であり、好ましくは3〜80重量部である。PVA(B)の配合割合が0.5重量部よりも少ない場合は、ドライヤ−等の汚れ防止効果が小さい。また、PVA(B)の配合割合が100重量部を超えると、バリア−性が著しく低下する。
【0018】
PVA(B)は、鹸化度の異なるもの、水溶液粘度の異なるものなど種類の異なるPVAを2種類以上ブレンドして用いても良い。またこの際、不飽和カルボン酸またはその誘導体以外の脂肪族ビニルエステルと共重合可能な単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で共重合したものより誘導したPVA系樹脂でもよい。
【0019】
また、カルボキシル基含有PVA(A)とPVA(B)とのブレンドは、粉体の状態でも、また水溶液の状態でも、さらには、鹸化前のポリビニルエステルの状態で行っても良い。
【0020】
本発明の紙用コ−ト剤は、一般には水に溶解して使用されるが、その際カルボキシル基含有PVA(A)100重量部に対してPVA(B)を0.5〜100重量部になるように配合したものであれば、いかなるものでもよい。例えば、(A)と(B)の混合物を水に投入して加熱溶解する方法や、(A)と(B)とを別々に溶解した水溶液を混合する方法などが挙げられる。
【0021】
本発明の紙用コ−ト剤には、必要に応じて可塑剤、消泡剤、防カビ剤、帯電防止剤等の公知の添加物を加えてもよい。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で他のコ−ト剤、例えば、酸化、エステル化、エ−テル化、カチオン化、カルボキシメチル化等の加工でんぷん類、カラギ−ナンやアガロ−ス、アガロペクチン、アルギン酸ソ−ダ、キチン、キトサン等の多糖類、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス等の水溶性セルロ−ス類、あるいはSBR等の各種合成樹脂エマルジョン、無機顔料、有機顔料等を混合することもできる。
【0022】
本発明の紙用コ−ト剤を用いて塗工紙を製造する際の紙には、各種の紙を使用することができ、例えば、剥離紙用原紙や情報処理用紙、一般上質紙、中質紙、グラビア紙、新聞紙等の印刷用紙、マニラボ−ル、白ボ−ル等の板紙を挙げることができるが、これに限らない。中でも高いバリヤ−性が要求される剥離紙用原紙は好適である。
【0023】
かかる紙に本発明の紙用コ−ト剤を塗工する場合の水溶液の濃度としては、各種のものを使用できるが、固形分として30重量%以下、更には1〜20重量%が好適である。
【0024】
これを塗工するにあたっては、ゲ−トロ−ルコ−タ−、サイズプレス、エアナイフコ−タ−、ブレ−ドコ−タ−等の公知の任意の方法が採用される。
本発明の紙用コ−ト剤の塗工量は0.05g/m2 以上である。通常0.1〜5g/m2 程度塗工される。0.05g/m2 未満では、高いバリヤ−性が得られない。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】
実施例1
マレイン酸を2.0モル%共重合した鹸化度が93.5モル%、20℃における4%水溶液粘度が30mPa・sの変性PVA(A) 100重量部と鹸化度が99.0モル%、20℃における4%水溶液粘度が65mPa・sのPVA(B) 20重量部を混合して紙用コ−ト剤を作製した。この紙用コ−ト剤を水に分散させた後、90℃で加熱溶解し、濃度3%の水溶液に調製したものをコ−ト液とした。
【0027】
このコ−ト液を用いて(1) 乾燥時の汚れの加速試験を行うとともに、塗工紙を作製して (2)塗工紙のバリヤ−性試験を行った。以下にその方法を示す。
【0028】
(1).乾燥時のロ−ル汚れの加速試験
コ−ト液を剥離紙原紙(長さ30cm、幅25cm、坪量65g/m2 )の片面にバ−コ−タ−を用いて1g/m2 となるよう塗工し、直ちに40℃に調整したドラム型乾燥機(ロ−ル径30cm)に塗工面を5cm/secの速度でロ−ル1回転分接触させて乾燥した。これを1サイクルとし、紙用コ−ト剤を塗工した紙がロ−ル面に接触する場所を一定として、この操作を繰り返し、乾燥時におけるロ−ル面の汚れの評価を下記の基準で行った。
ロ−ル面の汚れ評価基準
A:ロ−ル面の汚れが全く無い。
B:ロ−ル面の一部にわずかな汚れがある。
C:ロ−ル面の全面が少し汚れる。
D:ロ−ル面の全面が著しく汚れる。
【0029】
(2). 塗工紙のバリヤ−性試験
(透気度)
コ−ト液を剥離紙用原紙(坪量65g/m2 )の片面にバ−コ−タ−を用いて0.5g/m2 となるように塗工したものを105℃に調整したドラム乾燥機で乾燥した後、20℃・65%RHの雰囲気中で2日間調湿した塗工紙を作製し、JIS P 8117に順じて透気度(気体の通過する時間を秒で表示)の試験を行った。
(トルエンバリヤー性)
塗工紙の塗工面に赤色に着色したトルエンを塗工し、未塗工面への裏抜けの度合いを調べ、下記の基準により評価した。
評価基準
A:裏面に赤色の斑点が無い。
B:裏面に赤色の斑点が1〜2個発生した。
C:裏面に赤色の斑点が多数発生した。
D:裏面のほぼ全体が赤色に着色した。
【0030】
表2に示すように、乾燥時のロ−ル汚れの加速試験におけるロ−ル表面の汚れは50サイクル以上でも全く認められず、また塗工紙のバリヤ−性試験においても透気度(秒)の値が非常に大きく、またトルエンバリヤー性も高く、バリヤー性が非常に優れていることがわかった。
【0031】
実施例2〜6
表1に示すPVA(A) 、PVA(B) およびこれらの使用量を用いた以外は、実施例1と同様にして紙用コ−ト剤、コート液、塗工紙を作製するとともに、実施例1と同様の試験を行った。その結果は表2に示すように、乾燥時のロ−ル汚れの加速試験におけるロ−ル表面の汚れは50サイクル以上でも全く認められず、また塗工紙のバリヤ−性試験においても透気度(秒)の値が非常に大きく、またトルエンバリヤー性も高く、バリヤー性が非常に優れていることがわかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
なお、表1において、粘度は20℃における4%水溶液粘度であり、添加量はPVA(A) 100重量部に対するPVA(B) の添加量(重量部)である。また、PVA(A) の他の共重合成分のベオバ10は、シェル化学社製の炭素数10個の分岐構造を持つ合成飽和モノカルボン酸のビニルエステルである。
【0035】
実施例7
表1に示すように、PVA(A) 、PVA(B) およびこれらの使用量は実施例1と同様にしてコ−ト剤を作製し、このコ−ト剤を水に分散させた後、90℃で加熱溶解し、濃度3%の水溶液を調製した。このコ−ト液を剥離紙用原紙(坪量65g/m2 )の片面にバ−コ−タ−を用いて1g/m2 となるように塗工したものを105℃に調整したドラム乾燥機で乾燥した後、20℃・65%RHの雰囲気中で2日間調湿した塗工紙を作製し、JIS P 8117に順じて透気度の試験を行った。その結果は表2に示すように、透気度(秒)の値が非常に大きく、またトルエンバリヤー性も高く、バリヤー性が非常に優れていることがわかった。
【0036】
比較例1〜9
PVA(A) 、PVA(B) の性状およびこれらの使用量を表3に記載したこと以外は、実施例1と同様に試験を行った。その結果を表4に示した。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
比較例10
表3に示すようにマレイン酸を2.0モル%共重合した鹸化度が93.5モル%、20℃における4%水溶液粘度が30mPa・sのカルボキシル基変性PVAのみのコ−ト剤を用いた以外は実施例1と同様に試験を行い、その結果を表4に示した。
【0040】
比較例11
表3に示すようにマレイン酸を2.0モル%共重合した鹸化度が93.5モル%、20℃における4%水溶液粘度が30mPa・sのカルボキシル基変性PVAに離型剤としてポリオキシエチレンラウリルエ−テルを1%(PVAに対して)添加したものをコ−ト剤として用いた以外は実施例1と同様にして試験した。その結果を表4に示す。
【0041】
比較例12
表3に示すように、PVA(A) 、PVA(B) の性状およびこれらの使用量は実施例1と同様にしてコ−ト剤を作製し、このコ−ト剤を水に分散させた後、90℃で加熱溶解し、濃度1%の水溶液に調製した。このコ−ト液を剥離紙用原紙(坪量65g/m2 )の片面にバ−コ−タ−を用いて0.03g/m2 となるように塗工したものを105℃に調整したドラム乾燥機で乾燥した後、20℃・65%RHの雰囲気中で2日間調湿した塗工紙を作製し、JIS P 8117に順じて透気度の試験を行った。その結果を表4に示した。
【0042】
【発明の効果】
本発明の紙用コ−ト剤を使用すると、塗工後の工程におけるドライヤ−ロ−ルやカレンダ−ロ−ルへの汚れが非常に少なくなるため、長時間の連続生産が可能となり、大幅に生産性を向上させることができる。
Claims (3)
- (A)カルボキシル基が0.1〜10モル%で含有されており、鹸化度が70モル%以上であり、20℃における4%水溶液粘度が5mPa・s以上であるカルボキシル基含有ポリビニルアルコール100重量部に対して、(B)20℃における4%水溶液粘度が25mPa・s以上、鹸化度が95モル%以上のポリビニルアルコールを0.5〜100重量部を配合してなり、水溶液の形態であることを特徴とする紙用コ−ト剤。
- 請求項1に記載の紙用コ−ト剤を0.05g/m2以上になるように塗工、乾燥させることを特徴とする塗工紙の製造方法。
- 塗工紙が剥離紙用原紙であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
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