JPH0718599A - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

塗工紙の製造方法

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JPH0718599A
JPH0718599A JP18658193A JP18658193A JPH0718599A JP H0718599 A JPH0718599 A JP H0718599A JP 18658193 A JP18658193 A JP 18658193A JP 18658193 A JP18658193 A JP 18658193A JP H0718599 A JPH0718599 A JP H0718599A
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aqueous solution
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pva
coated paper
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Tetsuya Katayama
哲也 片山
Sadahiko Shiragami
貞彦 白神
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 濃度が12〜60重量%であるポリビニルアルコ
ール(PVA)系重合体の水溶液を、塗工時の水溶液の
温度を60〜95℃に且つ粘度を100〜3000cPに保って、2
00m/分以上の塗工速度で紙に塗工して塗工紙を製造す
る方法。 【効果】 本発明の方法による場合は、空気等の気体、
油、有機溶剤等の吸収や透過性の極めて小さい、高いバ
リヤー性を有する塗工紙を、塗工時における液の飛散や
スジの発生を防止しながら良好な塗工性で、高い生産性
で製造することができ、特に本発明の方法は、バリヤー
性の比較的小さい被塗工原紙を用いてGRC等の高速ロ
ールコーターを使用して塗工紙を製造する場合に有効で
あり、工業的価値が極めて高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
系重合体を塗工した塗工紙の製造方法に関する。詳細に
は、空気等の気体、油、有機溶剤などの吸収や透過性の
極めて小さい、良好なバリヤー性を有する塗工紙の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコールは、紙の表面強
度、平滑度、光沢、バリヤー性などを向上させるための
クリヤーコーティング剤として、更には顔料コーティン
グにおけるバインダーとして従来から広く使用されてい
る。特に、ポリビニルアルコールは造膜性および強度に
おいて他の糊剤の追随を許さぬ優れた性質を有してい
て、空気等の気体、油、有機溶剤等の吸収や透過性が小
さく、いわゆるバリヤー性に優れているところから、バ
リヤー紙を製造する際のコーティング剤として汎用され
ており、ポリビニルアルコールをコーティングして得ら
れるバリヤー紙は剥離紙用原紙としての用途を中心に大
きな発展を見ている。
【0003】ポリビニルアルコールを塗工したバリヤー
紙の代表的な製造法としては、従来、叩解度を高めたパ
ルプを用いてそれ自体でかなりのバリヤー性を有する被
塗工原紙(例えば透気度が300秒の紙)を製造し、そ
の原紙にサイズプレスによってディップ−ニップ方式で
粘度が100cP以下で濃度が3〜7%のポリビニルア
ルコール水溶液を100m/分程度の低い塗工速度で塗
工する方法が知られている。
【0004】しかし、上記したサイズプレスによる従来
法による場合は、生産性が低くバリヤー紙を短時間に大
量生産できないところから、近年、ゲートロールコータ
ー(以下「GRC」と略称することがある)などの高速
ロールコーターを用いてオンマシン塗工するケースが増
えているが、GRCを用いた場合には、その装置特性か
らサイズプレスを用いた場合に比べて一般に液の塗工量
が少なくなり、サイズプレスで使用してきたポリビニル
アルコール水溶液をそのまま使用するとポリビニルアル
コールの塗布量が少なくなり過ぎて目的とするバリヤー
性を紙に付与できなくなるという問題がある。その場合
に、サイズプレスに使用してきたポリビニルアルコール
水溶液の濃度を単に上げてそれをGRCにそのまま使用
しても、塗工性が悪化して、液がロールから飛散して作
業性が著しく低下し、しかもロール上に液膜がスジ状に
形成されてそれがそのまま紙上に転写されるために塗布
むらを生じ、目的とするバリヤー性を付与できずしかも
外観が劣ったものとなるいう欠点がある。
【0005】また、生産性向上などの点から、近年叩解
度の低いパルプを原料として製造されたバリヤー性の小
さい原紙(例えば透気度が10秒程度のもの)を被塗工
原紙として使用する要求が高まってきており、そのよう
な低バリヤー性の原紙を用いて従来以上に高いバリヤー
性を有する塗工紙を高い生産性で製造することのできる
方法の開発が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、通常
の紙を用いた場合は勿論のこと、バリヤー性の低い紙を
使用した場合にも、高いバリヤー性を有し、気体、油、
溶剤などの遮蔽性に優れる塗工紙を、ポリビニルアルコ
ール系重合体の水溶液を用いて高い生産性で製造(高速
塗工)することのできる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明者らが検討を重ねた結果、塗工液として特に
ポリビニルアルコール系重合体の濃度が12〜60重量
%の水溶液を使用し、塗工時における塗工液の温度を6
0〜95℃に且つ粘度を100〜3000cPに保っ
て、200m/分以上の速い塗工速度で紙に塗工する
と、ロールからの液の飛散、ロール上におけるスジ状の
液膜の形成などが防止されて、バリヤー性に富み且つ良
好な外観を有する塗工紙が高い生産性で極めて円滑に製
造できること、しかもこの方法は叩解度の低いパルプか
ら製造されるバリヤー性の低い原紙を用いた場合にも極
めて有効であることを見出して本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、濃度が12〜60重
量%であるポリビニルアルコール系重合体の水溶液を塗
工液として用いて、塗工時における塗工液の温度を60
〜95℃に且つ粘度を100〜3000cPに保って、
200m/分以上の塗工速度で紙に塗工することを特徴
とする塗工紙の製造方法である。
【0009】本発明で使用するポリビニルアルコール系
重合体(以下「ポリビニルアルコール」を「PVA」と
いう)は、酢酸ビニルなどのビニルエステルまたは該ビ
ニルエステルと他の共重合性モノマーを塊状重合、溶液
重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合方法によっ
て重合または共重合して得られるビニルエステルの単独
重合体または共重合体を公知の方法によりケン化するこ
とによって得られる。
【0010】PVA系重合体としては、ケン化度が60
〜100モル%、好ましくは70〜99.9モル%、更
に好ましくは80〜99.5モル%のものを使用するの
がよく、ケン化度が60モル%未満の場合はPVA系重
合体の水溶性が低下する傾向があり、均一な水溶液にな
りにくい。
【0011】また、本発明で使用するPVA系重合体の
重合度は100〜3000であるのが好ましく、150
〜2500がより好ましく、200〜2000が更に好
ましく、200〜1500が一層好ましく、200〜1
000が特に好ましい。PVA系重合体の重合度が10
0未満の場合には、製造されたPVA系重合体塗工紙の
バリヤー性の向上度合いが小さくなり、一方重合度が3
000を超えると水溶液の塗工性が低下して、ロール上
でのスジの発生、ロールからの飛散などが生じ易くな
る。
【0012】PVA系重合体としてはPVA単独重合
体、他の共重合性モノマーとの共重合体、連鎖移動剤を
使用して重合体末端を修飾したものなどのいずれも使用
できる。PVA共重合体を使用する場合は、他の共重合
性モノマーの共重合割合が10モル%以下のものを使用
するのが、水溶性、バリヤー性、バインダー力などの点
から好ましい。その際の他の共重合性モノマーとして
は、酢酸ビニル等のビニルエステルと共重合可能なモノ
マーであればいずれでもよく特に制限されない。
【0013】その際の他の共重合性モノマーの例として
は、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、
1−ヘキサデセン等のα−オレフィン類;(メタ)アク
リル酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類またはその
塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類;フマル酸ジメチル、イタコ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメ
チル、クロトン酸メチル等のエステル類;メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有
モノマーまたはその塩;(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−t−ブトキシ(メタ)ア
クリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン等のアミド基含有モノマー;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアミ
ノ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド−プロピル
−トリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニ
ウム塩含有モノマー;ビニルヒドロキシシラン、(メ
タ)アクリル酸−3−トリメトキシシリルプロピル等の
シリル基含有モノマー;アリルアルコール、ジメチルア
リルアルコール、イソプペニルアルコール等の水酸基含
有モノマー;アリルアセテート、ジメチルアリルアセテ
ート、イソプロペニルアセテート等のアセチル基含有モ
ノマーなどを挙げることができる。本発明で使用する塗
工液では1種類のPVA系重合体のみを使用してもまた
は2種以上のPVA系重合体を併用してもよい。
【0014】そして本発明では、塗工液におけるPVA
系重合体の濃度が12〜60重量%であることが必要で
あり、14〜55重量%が好ましく、20〜50重量%
がより好ましい。塗工液におけるPVA系重合体の濃度
が12重量%未満であるとバリヤー性に優れた塗工紙が
得られなくなり、一方60重量%を超えると塗工性が不
良になり、ロールからの飛散が著しくなる。更に、濃度
が60重量%を超えると紙に対するコーティング液の付
着量が多くなり過ぎてコスト的に不利である。
【0015】更に本発明では、PVA系重合体の水溶液
からなる塗工液を紙に塗工する際に、塗工液の温度を6
0〜95℃の範囲に保っておくことが必要であり、好ま
しくは65〜90℃、より好ましくは65〜85℃に保
っておくのがよい。塗工時における塗工液の温度が60
℃よりも低いと得られる塗工紙のバリヤー性の向上度合
いが低下し、一方95℃よりも高いと塗工液からの水分
の蒸発が著しくなり塗布むらが激しくなると共に運転の
停止時や開始時に設定値よりも高い濃度の液が紙に塗工
され易くなって製品品質にばらつきが発生し易くなる。
【0016】また、塗工時における塗工液の粘度が10
0cP以上になるようにしておくことが必要であり、好
ましくは100〜3000cP、より好ましくは150
〜2500cP、更に好ましくは200〜2000cP
にしておくのがよい。塗工時における塗工液の粘度が1
00cPよりも低いとバリヤー性に優れた塗工紙が得ら
れなくなる。また、塗工時における塗工液の粘度が30
00cPよりも高いと塗工性が低下して、塗工スジの発
生やロールからの飛散が生じ易くなる。
【0017】また、本発明で使用するPVA系重合体の
水溶液からなる塗工液は、液の塗工性や得られる塗工紙
のバリヤー性やその他の物性低下を招かない限り、必要
に応じて他の成分を溶解または分散して含有していても
よく、そのような他の成分の例としては、澱粉、CMC
などの増粘剤、無機顔料、有機顔料、重合体のエマルジ
ョンやラテックス、消泡剤、帯電防止剤、防カビ剤など
を挙げることができる。
【0018】そして本発明では、生産性、均一塗工性な
どの点から塗工液の紙への塗工速度を200m/分以上
とする。塗工速度は300m/分以上であるのが好まし
く、400m/分以上にするのがより好ましい。200
m/分以上の塗工速度を採用している本発明による場合
は、抄紙と同時にPVA系重合体の水溶液からなる塗工
液をオンマシン塗工することができ、その結果製造手順
を簡略化して生産効率を一層向上させながら高いバリヤ
ー性を有する塗工紙を製造することができる。塗工速度
が200m/分未満の場合は、PVA系重合体水溶液の
塗工を抄紙と同時にオンマシン塗工することが一般に困
難になって、一旦抄紙した後に改めて塗工液を塗工する
ことが必要になる。しかしながら、本発明においては、
PVA系重合体の水溶液からなる塗工液を必ずしも抄紙
と同時に塗工しなくてもよく、一旦被塗工原紙を製造し
た後にそれに塗工を行ってもよく、その場合にも従来法
よりもバリヤー性に優れた塗工紙を高い生産性で製造す
ることができる。
【0019】本発明の方法において、塗工装置として2
00m/分以上の塗工速度で上記したPVA系重合体の
水溶液を紙に均一に塗工することのできる装置であれば
いずれも使用でき、特にロールコーターを使用するのが
好ましく、そのうちでも上記したGRC等の高速ロール
コーターを使用するのがより好ましい。
【0020】本発明の方法では被塗工原紙として上質
紙、グラシン紙、他の被覆剤で既に塗工されている紙な
どのいずれもが使用でき特に制限されないが、生産性の
向上などの点を考慮すると、叩解度の低いパルプを用い
た抄造速度の速い上質紙タイプのものを用いるのが好ま
しい。
【0021】紙へのPVA系重合体の水溶液からなる塗
工液の塗工量は、使用する原紙の種類や塗工紙に求めら
れるバリヤー性の程度、塗工紙の用途などに応じて適宜
調節することができるが、一般に乾燥後の塗工紙の片面
における塗工量が、全固形分量で0.5〜10g/m
になるようにするのが好ましく、より好ましくは1〜8
g/m、一層好ましくは2〜6g/mになるように
するのがよい。塗工量が0.5g/m未満であると高
いバリヤー性の塗工紙が得られにくくなり、一方10g
/mより多くてもバリヤー性はそれ以上あまり向上せ
ずむしろPVA系重合体等の使用量が多くなってコスト
的に好ましくない。
【0022】上記した本発明の方法によって、空気等の
気体、油、溶剤などの遮蔽性に優れた高バリヤー性の塗
工紙が得られ、この高バリヤー性の塗工紙は剥離紙用原
紙として極めて有効に使用することができる。しかしな
がら、本発明により得られる塗工紙の用途は何らそれに
限定されず、各種のバリヤー性が要求される他の用途に
も勿論有効に使用することができ、例えばその高バリヤ
ー性を利用してインクの裏抜けの少ない印刷用紙として
も有効に使用することができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが本発明はそれにより何ら限定されない。なお、
以下の例で、「部」および「%」は特に断らない限り、
それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。ま
た、以下の例において、PVAの重合度、塗工時の塗工
液の粘度、塗工性、得られた塗工紙における固形分塗布
量、並びに原紙および得られた塗工紙のバリヤー性は下
記のようにして測定または評価した。更に、塗工操作は
ゲートロールコーター(GRC)を使用して下記のよう
にして行った。
【0024】PVAの重合度:PVAの水溶液を用い
て、「酢酸ビニル樹脂」第77頁(昭和36年5月15
日;日刊工業新聞社発行)に記載されている方法にした
がって粘度平均重合度を求めてそれをPVAの重合度と
した。塗工液の粘度 :東京計器社製のB型粘度計を用いて塗工
温度にて回転数60rpmで測定したときの値である。
【0025】塗工性の評価:GRC塗工の際のロール上
の液膜がスジ状になりそれがそのまま紙上に転写される
ことによる塗布むらおよびロールからの塗工液の飛散
を、GRCにおけるインナーロール上の液膜のスジ発生
およびインナーロールとアプリケーターロール間から発
生する塗工液の飛散の状態を目視により観察して評価し
た。
【0026】塗工紙における固形分塗布量(片面):乾
燥後の塗工紙の重量を測定し、その重量から同じ塗工紙
の乾燥前の重量を減じ、その結果得られた重量を塗工紙
の面積(片面)で除して、1m当たりの固形分量
(g)として求めた。
【0027】原紙および塗工紙のバリヤー性(透気
度):原紙または乾燥後の塗工紙を20℃、65%RH
の恒温恒湿室内にて1週間調湿した後、20℃、65%
RHの恒温恒湿室内でJIS P−8130に示された
方法で測定した。
【0028】塗工操作:アウターロール(直径200m
mのゴムロール)、インナーロール(直径200mmの
金属ロール)、アプリケーターロール(直径360mm
のゴムロール)およびバックアップロール(直径349
mmのゴムロール)を備えたゲートロールコーター(試
験機)を用いて、各ロールの周速度を300m/分に統
一して塗工処理を行った。
【0029】《実施例 1》PVA(重合度330、ケ
ン化度88.1モル%)の濃度33.2%水溶液を調製
したところ、この水溶液の65℃での粘度は600cP
であった。このPVA水溶液を塗工液として用いて、坪
量70g/m、透気度10秒の上質紙に上記したゲー
トロールコーターに乾燥後の固形分塗布量が下記の表1
に示す量になるような割合で65℃で塗工速度300m
/分で塗工した後、直ちにロータリードライヤーを用い
て100℃で1分間乾燥して塗工紙を製造した。その際
の塗工性、得られた塗工紙の固形分量およびバリヤー性
(透気度)を上記した方法により評価および測定したと
ころ、表1に示すとおりの結果であった。
【0030】《実施例 2》重合度330、ケン化度9
8.5モル%のPVAを用いて、実施例1と同様にして
塗工紙を製造した。その結果を表1に示す。
【0031】《実施例 3》イタコン酸を2モル%共重
合した重合度330、ケン化度88.2モル%のPVA
共重合体を用いて、実施例1と同様にして塗工紙を製造
した。その結果を表1に示す。
【0032】《実施例 4〜7》重合度580でケン化
度88.7モル%のPVA(実施例4)、重合度580
でケン化度98.3モル%のPVA(実施例5)、重合
度740でケン化度88.2モル%のPVA(実施例
6)および重合度230でケン化度88.5モル%のP
VA(実施例7)のPVAをそれぞれ用いて、実施例1
と同様にして塗工紙を製造した。その結果を表1に示
す。
【0033】《実施例 8》実施例1で用いたのと同じ
PVAを用いて濃度36.6%の水溶液を調製し、この
水溶液を用いて実施例1と同様にして塗工紙を製造し
た。その結果を表1に示す。
【0034】《実施例 9》重合度1200、ケン化度
87.8モル%のPVAを用いて濃度17.5%の水溶
液(塗工液)を調製し、塗工時の温度を70℃として
(このときの塗工液の粘度は1400cP)、実施例1
と同様にして塗工紙を製造した。その結果を表1に示
す。
【0035】《実施例 10》重合度1720、ケン化
度88.0モル%のPVAを用いて濃度15.5%の水
溶液(塗工液)を調製し、塗工時の温度を70℃として
(このときの塗工液の粘度は1700cP)、実施例1
と同様にして塗工紙を製造した。その結果を表1に示
す。
【0036】《実施例 11》実施例1で使用したのと
同じPVAと酸化澱粉(松谷化学社製「ニールガムA−
55」)を重量比で1:1でブレンドしたものを水に分
散させた後、95℃で2時間撹拌し、次いで温度を65
℃にまで下げて、重合体濃度(PVAと酸化澱粉の合計
濃度)が27.3%(PVAの濃度13.7%)、65
℃での粘度420cPの水分散液を調製し、これを塗工
液として用いて実施例1と同様にして塗工紙を製造し
た。その結果を表1に示す。
【0037】《実施例 12》実施例3で使用したのと
同じPVA共重合体とクレー(エンゲルハード社製「ウ
ルトラホワイト90」)を重量比で2:1でブレンドし
たものを水に分散させた後、95℃で2時間撹拌し、次
いで温度を65℃にまで下げて、濃度(PVAとクレー
の合計濃度)が35%(PVAの濃度約23.3%)、6
5℃での粘度480cPの水分散液を調製し、これを塗
工液として用いて実施例1と同様にして塗工紙を製造し
た。その結果を表1に示す。
【0038】《比較例 1》実施例1で使用したのと同
じPVA水溶液の温度を25℃にまで下げたところ水溶
液の粘度が1500cPになった。このPVA水溶液を
塗工液として用いて塗工温度を25℃として、実施例1
と同様にして塗工紙を製造した。その結果を表2に示
す。
【0039】《比較例 2》実施例10で使用したのと
同じPVA水溶液の温度を25℃にまで下げたところ水
溶液の粘度が6200cPになった。このPVA水溶液
を塗工液として用いて塗工温度を25℃として、実施例
1と同様にして塗工紙を製造した。その結果を表2に示
す。
【0040】《比較例 3》実施例10で使用したPV
A水溶液の濃度を下げて濃度10.0%の水溶液を調製
したところ、この水溶液の65℃での粘度は220cP
であった。このPVA水溶液を塗工液として用いて塗工
温度65℃で実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
その結果を表2に示す。
【0041】《比較例 4》実施例10で使用したPV
A水溶液の濃度を更に下げて、従来のサイズプレスによ
る塗工法で用いられていたのとほぼ同じ濃度7.0%の
水溶液を調製した。この水溶液の65℃での粘度は38
cPであり、このPVA水溶液を塗工液として用いて塗
工温度65℃で実施例1と同様にして塗工紙を製造し
た。その結果を表2に示す。
【0042】《比較例 5》実施例1で使用したPVA
水溶液の濃度を下げて濃度20.1%の水溶液を調製し
たところ、この水溶液の65℃での粘度は48cPであ
った。このPVA水溶液を塗工液として用いて塗工温度
65℃で実施例1と同様にして塗工紙を製造した。その
結果を表2に示す。
【0043】《比較例 6》実施例4で使用したPVA
水溶液の濃度を下げて濃度14.0%の水溶液を調製し
たところ、この水溶液の65℃での粘度は47cPであ
った。このPVA水溶液を塗工液として用いて塗工温度
65℃で実施例1と同様にして塗工紙を製造した。その
結果を表2に示す。
【0044】《比較例 7》比較例2で使用したPVA
水溶液の濃度を上げて16.5%の水溶液を調製したと
ころ、この水溶液の65℃での粘度は3300cPであ
った。このPVA水溶液を塗工液として用いて塗工温度
65℃で実施例1と同様にして塗工紙を製造した。その
結果を表2に示す。
【0045】《比較例 8》実施例4で使用したPVA
水溶液の濃度を上げて36.6%の水溶液を調製したと
ころ、この水溶液の65℃での粘度は3200cPであ
った。このPVA水溶液を塗工液として用いて塗工温度
65℃で実施例1と同様にして塗工紙を製造した。その
結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上記表1の結果から、塗工液におけるPV
Aの濃度、塗工時における塗工液の温度および粘度が上
記した本発明の範囲内にある実施例1〜12では、塗工
性が良好で塗工時に液の飛散やスジの発生が生ずること
なく、バリヤー性の高い(透気度の値の大きい)塗工紙
を高速で円滑に製造できることがわかる。
【0049】これに対して、表2の結果から、塗工時の
塗工液の温度が25℃と低い比較例1および塗工時の塗
工液の温度が25℃と低く且つ粘度が6200と高い比
較例2では塗工性に劣り液の飛散およびスジの発生が生
ずること、また塗工液におけるPVAの濃度が10.0
%と低い比較例3、塗工液におけるPVAの濃度が7.
0%で塗工時の粘度が38cPといずれも低い比較例
4、塗工時における塗工液の粘度が48cPまたは47
cPと低い比較例5および比較例6では、塗工性は良好
であるもののバリヤー性の低い(透気度の値の小さい)
塗工紙しか得られないことがわかる。更に、塗工液の塗
工時における粘度が3000cPを超えている比較例7
および比較例8の場合には、塗工性が劣り、しかもバリ
ヤー性の低い塗工紙しか得られないことがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法による場合は、空気等の気
体、油、有機溶剤などの吸収や透過性の極めて小さい、
高いバリヤー性を有するPVA系重合体塗工紙を、塗工
時における液の飛散やスジの発生を防止しながら良好な
塗工性で、高い生産性で製造することができる。特に本
発明の方法は、バリヤー性の比較的小さい被塗工原紙を
用いてGRCなどの高速ロールコーターを使用してPV
A系重合体塗工紙を製造する場合に有効であり、工業的
価値が極めて高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃度が12〜60重量%であるポリビニ
    ルアルコール系重合体の水溶液を塗工液として用いて、
    塗工時における塗工液の温度を60〜95℃に且つ粘度
    を100〜3000cPに保って、200m/分以上の
    塗工速度で紙に塗工することを特徴とする塗工紙の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ロールコーターを用いる請求項1記載の
    塗工紙の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10325098A (ja) * 1997-03-26 1998-12-08 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 紙加工用組成物
JPH11229298A (ja) * 1998-02-19 1999-08-24 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 剥離紙
US6326060B1 (en) 1999-08-17 2001-12-04 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method of forming coating layers

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