JP2990881B2 - キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents

キャスト塗被紙の製造方法

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JP2990881B2 JP3218889A JP21888991A JP2990881B2 JP 2990881 B2 JP2990881 B2 JP 2990881B2 JP 3218889 A JP3218889 A JP 3218889A JP 21888991 A JP21888991 A JP 21888991A JP 2990881 B2 JP2990881 B2 JP 2990881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙の製造方
法に関し、特に光沢ムラやピンホールが無く、キャスト
塗被紙の特徴である白紙光沢及び印刷適性に極めて優れ
たリウェットキャスト塗被紙を効率良く得る方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢
紙の製造方法としては、顔料および接着剤を主成分とす
るキャスト塗被液を原紙に塗工した後、塗被層が湿潤状
態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムの表面に圧接、
乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト法、湿潤状
態の塗被層を一旦乾燥した後、再湿潤液により湿潤、可
塑化させた後、鏡面を有する加熱ドラム面に圧接するリ
ウェットキャスト法、及び湿潤状態の塗被層をゲル状態
にして、鏡面を有する加熱ドラム面に圧接、乾燥して光
沢仕上げするゲル化キャスト法等が一般に知られてい
る。
【0003】これらのキャスト仕上げ方法は、いずれも
湿潤、可塑状態にある塗被層表面を加熱鏡面ドラムに圧
接、乾燥し、加熱鏡面ドラムより離型させて鏡面を写し
とる点で共通するものである。このようなキャスト塗被
紙の製造方法においては、塗被層を加熱鏡面ドラムに圧
接して乾燥させるため、塗被層中の水分又は再湿潤液の
水分は全て紙層中を通過して非キャスト面側へ蒸発して
いくことになる。蒸発速度が、ある限界を越えるほど高
くなると、塗被層及び再湿潤液の水分の一部は、鏡面ド
ラムの方向へ向かって蒸発するようになり、結果とし
て、得られたキャスト塗被紙の塗被層表面にピンホール
や光沢ムラが発生し、品質が著しく低下する。
【0004】これらのキャスト仕上げ方法のうち、ゲル
化キャスト法及びリウェットキャスト法は、キャスト塗
被層が鏡面ドラム面に圧接される前に各々ゲル化もしく
は半乾燥されているため、いずれも表面温度が90℃以上
の比較的高温の鏡面ドラムに圧接してキャスト仕上げす
ることができる。従って、表面温度が80〜90℃程度でキ
ャスト仕上げされるウェットキャスト法に比べて乾燥速
度を著しく速めることが可能となるので、生産性の点で
優れた特徴を有している。
【0005】しかしながら、ゲル化キャスト法は、キャ
スト塗被層用塗液を凝固液処理によってゲル化するため
に、通常では凝固液処理の前に乾燥工程を伴わないの
で、結果として、鏡面ドラムにおける乾燥負荷は比較的
高くなる。さらに、凝固液処理がキャスト仕上げ直前に
行われるため十分な凝固作用が得られず、凝固剤による
表面強度の低下や光沢度の低下が懸念される。
【0006】一方、リウェットキャスト法は、他のキャ
スト法に比べて、鏡面ドラムに圧接する前の塗被層の可
塑化度合が低いため、鏡面ドラムに均一に密着され難
く、従って低速の操業下では比較的均質な光沢、印刷適
性を有するキャスト塗被紙が得られるものの、高速操業
になるに従って、急激に光沢の均質性が失われ、光沢ム
ラやピンホール等が発生し易くなり、さらに表面強度の
低下を誘発し易い欠点がある。このようなリウェットキ
ャスト法の欠点を解消するために種々の方法が提案され
ている。
【0007】例えば、キャスト塗被層中の熱可塑性物質
の配合比率を多くしたり、塗被層を鏡面ドラムに高線圧
で圧接する方法等が提案されているが、鏡面ドラムへの
密着性や印刷表面強度は改良されるものの、鏡面ドラム
から塗被層を剥離する際の離型性の低下、印刷インキの
乾燥性不良といった新たな欠点が付随する。更に、塗被
層を余りに高線圧でプレスすると、一度形成された塗被
層がキャストニップで再構成される際に接着剤が移動
し、結果として、表面強度が低下してしまうことがあ
る。
【0008】従来、リウェットキャスト法で使用される
再湿潤液としては、水又は水に界面活性剤を含有させた
もの、その他ポリエチレンエマルジョン、脂肪酸塩、高
級アルコール、ロート油等の離型剤を含有した水溶液、
又はエマルジョン等が一般に用いられてきた。なお、再
湿潤液に使用する材料によって、リウェットキャスト法
の欠点を解消するアプローチも試みられている。
【0009】例えば、特公昭48−38005 号には、顔料お
よび接着剤を主成分とする塗被層を鏡面を有する加熱鏡
面ドラムに圧接する直前に0.1 〜20%の成膜性物質を含
む再湿潤液でリウェットキャスト法によりキャスト仕上
げする方法が提案されている。この方法によると、イン
キの吸収、保持等の印刷適性はあくまで顔料および接着
剤を主成分とする塗被層が受持ち、この塗被層表面上に
成膜性物質の薄い層を設けて白紙光沢を高めようとする
ものであるが、印刷適性を満足するレベルとするには、
塗被層のポーラス性を損なわない範囲でしか成膜性物質
を加えることができず、十分な白紙光沢が得られないと
いった難点がある。
【0010】他方、白紙光沢を十分なものとするために
成膜性物質量を増やすと、塗被層表面上に完全な成膜性
物質層が形成されることになり、この成膜性物質層が同
時に印刷適性、離型性に優れた適性を持っていることが
要求されるわけであるが、ここに例示されている成膜性
物質にはこれらの特性を同時に満足するものはない。こ
のように、リウェットキャスト法では、白紙外観か操業
性のいずれかをある程度犠牲にして製造しているのが現
状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状より、
本発明者等は、リウェットキャスト法において光沢ムラ
やピンホールを発生させることなく、優れた白紙光沢を
有し、且つ印刷適性に優れたキャスト塗被紙を得る方法
について鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の重合
体とコロイダルシリカとの複合体を主成分とし、さらに
離型剤を併用した水性分散液を再湿潤液として用いるこ
とにより、本発明が所望とする極めて優れた平滑性と高
光沢を有し、且つ印刷適性の極めて優れたリウェットキ
ャスト塗被紙が効率良く得られることを見出したのであ
る。
【0012】
【問題を解決するための手段】本発明は、原紙上に、予
め顔料及び接着剤を主成分とするキャスト塗被紙用水性
塗液を塗被、乾燥してなる塗被層を設け、次いで塗被層
に再湿潤液を付与して湿潤、可塑化後、加熱された鏡面
ドラムに圧接し、強光沢仕上げするキャスト塗被紙の製
造方法において、該再湿潤液中にエチレン性不飽和結合
を有するモノマーを重合してなる重合体と平均粒子径が
0.005 〜 0.1μmのコロイダルシリカとの複合体からな
る樹脂成分、および離型剤を含有せしめたことを特徴と
するキャスト塗被紙の製造方法である。
【0013】
【作用】上記したように、本発明者等はリウェットキャ
スト法が抱える難点、所謂白紙品質と操業性との二律背
反性、を解消するべく再湿潤液の組成物について鋭意検
討を重ねた結果、特定の重合体とコロイダルシリカとの
複合体からなる樹脂及び離型剤を再湿潤液として用いる
ことにより、操業性を低下させることなく光沢ムラやピ
ンホールの発生を解消し、優れた白紙光沢と印刷適性を
有するキャスト塗被紙が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は、原紙上に予め顔料及び接
着剤を主成分とするキャスト塗被紙用水性塗液を塗被、
乾燥して顔料塗被層を設け、次いで該顔料塗被層を再湿
潤液で処理して再湿潤後、鏡面を有する加熱ドラムに圧
接し、強光沢仕上げする、所謂リウェットキャスト塗被
紙の製造方法において、該再湿潤液が樹脂成分及び離型
剤を主成分として含み、樹脂成分としてエチレン性不飽
和結合を有するモノマーを重合してなる重合体と平均粒
子径が0.005 〜 0.1μm、好ましくは0.01〜0.05μmの
範囲のコロイダルシリカとの複合体を用いたことを特徴
とするキャスト塗被紙の製造方法である。
【0015】上記のエチレン性不飽和結合を有するモノ
マーからなる重合体とコロイダルシリカとの複合体を再
湿潤液に用いることによって、本発明が所望とする効果
が得られる理由については必ずしも定かではないが、以
下のように推察される。即ち、一般にキャスト塗被紙に
おいて、優れた白紙外観を得るには、湿潤可塑状態で加
熱鏡面ドラムに圧接される際には、ドラム表面を忠実に
複写させるために湿潤塗被層と鏡面ドラムが適度な粘着
力で均一に密着し、乾燥後は鏡面ドラムと塗被層が容易
に剥離するといった、相反する性質を兼ね備えているこ
とが重要であり、本発明で用いる複合体樹脂はキャスト
塗被層上に均一な塗被膜を形成し、湿潤状態では、複合
体樹脂中の重合体成分により、加熱鏡面ドラム面との間
に適当な粘着力を有しており、乾燥過程を経ることによ
ってコロイダルシリカのヒドロキシル基がコロイダルシ
リカ同士、或いはキャスト塗被層中の接着剤成分と脱水
縮合して強固に結合することにより、鏡面ドラム面との
密着性が急激に低下し、離型がし易くなり、所望とする
効果が発揮されるものと考えられる。
【0016】本発明におけるエチレン性不飽和結合を有
するモノマーを重合してなる重合体及びコロイダルシリ
カについて、以下に述べる。
【0017】先ず、エチレン性不飽和結合を有するモノ
マー(以下、エチレン性モノマーという)としては、例
えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートやラウ
リルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のア
クリル酸エステル類、メチルメタクリレートやエチルメ
タクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタク
リル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレンやビ
ニルトルエン等のモノオレフィン芳香族系モノマー類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル系モノマー類、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸アミ
ド、更には塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、エチレン、ブタジエン等の各種エ
チレン性モノマーを重合した重合体であって、重合体
は、必要に応じて二種類以上のエチレン性モノマーを併
用した共重合体であっても良いし、これら重合体或いは
共重合体の置換誘導体でもよい。置換誘導体としては、
例えばカルボキシル基化したもの、又はそれをアルカリ
反応性にしたもの等が例示される。
【0018】これらの重合体(樹脂)の具体例として
は、例えばスチレン−アクリル酸エステル共重合体樹
脂、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸エス
テル共重合体樹脂、メタクリル酸エステル−アクリル酸
エステル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
樹脂、および酢酸ビニル系樹脂等であるが、これらの中
でも特に印刷適性に優れる点で、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体樹脂、スチレン−メタクリル酸エステ
ル−アクリル酸エステル共重合体樹脂、およびメタクリ
ル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体樹脂等のア
クリル系樹脂がより好んで用いられる。なお、これら重
合体のガラス転移温度(Tg)は−30℃以上、好ましく
は−20℃以上であることが、離型性等に優れるため、望
ましい。
【0019】さらに、実験を行った結果、上記の樹脂
(重合体)だけでは連続して安定操業を行う上で難点を
有することが分かった。そのために、種々検討を重ねた
結果、コロイダルシリカの存在下で上記のモノマー成分
を従来の乳化重合法で重合して得られる重合体とコロイ
ダルシリカがSi−O−R(R:樹脂成分)の形で結合
している複合体を使用するとキャスト操業性及び品質面
において、極めて顕著な改善効果の有ることが分かっ
た。
【0020】即ち、上記重合体とコロイダルシリカの複
合体を再湿潤液に使用することによって、離型性に優
れ、光沢ムラが発生せず、且つ白紙光沢及びインキセッ
ト等の印刷適性に優れたリウェットキャスト塗被紙が得
られることを初めて見出したのである。なお、上記の重
合体と水に分散した水性のコロイダルシリカを単に分
散、混合したものを使用した場合には、離型性や印刷適
性、さらには光沢ムラの抑制の点で所望とする効果を得
ることが難しい。
【0021】この場合、使用されるコロイダルシリカの
粒子径によって、得られるキャスト塗被紙の品質が左右
されるので、特にその粒子径について配慮する必要があ
る。因みに、コロイダルシリカの平均粒子径が 0.005μ
m未満のときはインキセット等の印刷適性が低下し、他
方、 0.1μmを越える場合には白紙光沢が著しく低下し
たり、或いは表面強度の低下が懸念される。
【0022】なお、上記複合体を構成する重合体とコロ
イダルシリカの重量比は 100:50〜100: 300、好まし
くは 100:60〜 100:200 の範囲に調節されるのが好ま
しい。因みに、重合体 100に対するコロイダルシリカの
重量割合が50未満又は300 を越える場合には離型性が著
しく低下し、操業性が悪化するので好ましくない。
【0023】上記の重合体とコロイダルシリカからなる
複合体の再湿潤液中の濃度は、0.1〜30重量%、好まし
くは0.5 〜25重量%の範囲に調節して使用される。
【0024】また、本発明の方法では、キャストコーテ
ィング時の離型性をより確実なものとするために、再湿
潤液の主成分である複合体と併用して離型剤を併用する
ものである。この場合の離型剤としては、例えばステア
リン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸及びそれ
らのカルシウム、亜鉛、ナトリウム、アンモニウム等の
塩類、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミド及びメチレンビスステアリン酸アミド等のアミド
類、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワック
ス、ポリエチレンエマルジョン等の炭化水素類、セチル
アルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコー
ル、ロート油やレシチン等の油脂類、含フッ素界面活性
剤等の各種界面活性剤、四フッ化エチレンポリマーやエ
チレン−四フッ化エチレンポリマー等のフッ素系ポリマ
ー等が例示される。そして、これらの離型剤は再湿潤液
中に 0.1〜20重量%の範囲で添加される。
【0025】さらに、検討を重ねた結果、再湿潤液とし
て上記の重合体とコロイダルシリカとの複合体と離型剤
を単に混合して使用しただけでも本発明の所望とする光
沢ムラやピンホール等の解消効果が得られるが、より望
ましくは再湿潤液の粘度をB型粘度計(室温/60rpm
の条件で測定)で測定した値が、50〜5000cps 、より好
ましくは 70 〜3000cps の範囲に調節することにより、
光沢ムラやピンホールを一層効果的に解消できることが
分かった。
【0026】再湿潤液の粘度をこのように調節すること
で、より優れた効果が得られる理由についてはかならず
しも明らかではないが、再湿潤液の粘度が上記の範囲に
ある場合に、特にキャスト塗被層表面をより均一に可塑
化することができるので、光沢ムラやピンホールが効果
的に解消されるものと推定される。
【0027】再湿潤液の粘度を上記の範囲に調節する方
法としては、特に限定されるものではないが、上記の重
合体とコロイダルシリカとの複合体や離型剤の濃度を高
くする方法や、再湿潤液中にカゼイン、大豆蛋白、合成
蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメ
チルセルロース等のセルロース誘導体類、ポリカルボン
酸、ポリアクリル酸、アクリルエマルジョン、ポリアマ
イド、ポリエステル、アルカリ増粘型や非イオン界面活
性剤等の各種増粘剤や流動変性剤、塩化ナトリウム、塩
化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜
鉛、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄、硝酸ナトリウム、
硝酸アンモニウム、第1燐酸ナトリウム、燐酸アンモニ
ウム、燐酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサ
メタリン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、モノクロル酢酸
ナトリウム、マロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、
酒石酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウ
ム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン
酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等
の無機酸や有機酸のアンモニウム塩や金属塩類、更には
メチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチレントリア
ミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、
エタノールアミン等のアミン類やアンモニア水等の各種
添加剤を再湿潤液中に0.05〜10重量%、好ましくは 0.1
〜5重量%の範囲で添加して調節する方法等がある。
【0028】また、再湿潤液中には必要に応じて、スチ
レン−ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート−
ブタジエンラテックス、スチレン−アクリル酸樹脂、ア
クリル酸エマルジョン等の合成樹脂ラテックスや塗被組
成物の耐水性、耐ブロッキング性を向上させる目的でジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポ
リグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテルやアジピン酸ジグリシジルエステル等の多官
能性エポキシ化合物、炭酸ジルコニウムアンモニウム、
酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物、尿素−ホル
ムアルデヒド系、メラミン−ホルムアルデヒド系、ポリ
アミド尿素ーホルムアルデヒド系、ポリアミドーエピク
ロロヒドリン系、グリオキザール等の各種耐水化剤や印
刷適性向上剤を適宜添加することも可能である。
【0029】さらに、再湿潤液中にコロイダルシリカ、
クレーや炭酸カルシウム等の顔料、分散剤、消泡剤、着
色剤、蛍光染料、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤も適
宜添加される。
【0030】本発明で使用されるリウェットキャスト用
塗被組成物は、特に限定されるものではなく、一般にキ
ャスト塗被紙の製造分野で使用されている塗被用顔料と
接着剤を主成分とするもので、顔料としては、例えばカ
オリン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、硫酸バ
リウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タ
ルク、プラスチックピグメント、焼成クレー、二酸化チ
タン等が例示され、これらの中から1種以上が適宜選択
使用される。接着剤としてはカゼイン、大豆蛋白等の蛋
白質類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタク
リレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体
ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル
酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体
ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル
系重合体ラテックス、或いはこれらの各種重合体をカル
ボキシル基等の官能基含有単量体により、官能基変性し
たアルカリ溶解性或はアルカリ非溶解性の重合体ラテッ
クス、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイ
ン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、陽性化
澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体等、一般の塗被紙用として知られる接
着剤を単独或いは併用で使用することができる。なお、
接着剤の使用量は顔料 100重量部に対し5〜50重量部、
一般的には10〜30重量部の範囲で使用される。また、上
記の顔料と接着剤の他に、助剤として消泡剤、着色剤、
離型剤、流動変性剤、耐水化剤、防腐剤等が必要に応じ
て適宜使用される。
【0031】而して、上記材料をもって構成されるリウ
ェットキャスト用塗被液の組成物は、一般に固形分濃度
を45〜65重量%程度に調製し、米坪が約35〜 400g/m
2 程度の原紙及び多孔性フィルム上に乾燥重量で5〜50
g/m2 程度になるように、一般に公知公用の塗布装置
を用いて塗布した後、キャスト仕上げされる。
【0032】塗布装置としては、例えばブレードコータ
ー、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコ
ーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グ
ラビアコーター等公知の装置が使用され、塗料を塗布し
た後は、乾燥もしくは半乾燥状態で上記の再湿潤液を付
与してリウェットキャスト法により光沢仕上げすること
になる。
【0033】なお、キャスト塗被紙用原紙としては、特
に限定されものではなく、一般にキャスト塗被紙分野で
使用される酸性紙、或いは中性紙が適用されるものであ
る。なお、原紙の片面又は両面には必要に応じて、一般
の顔料塗被組成物を予め予備塗工してもよく、その場合
の塗工量は片面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望
ましい。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部及び重量%を示す。
【0035】実施例1〜実施例8、及び比較例1〜比較
例4 カオリン70部、軽質炭酸カルシウム30部、ポリアクリル
酸ナトリウム 0.5部、ステアリン酸カルシウム 1.0部、
アンモニアを用いて溶解したカゼイン10部(固形分)及
びスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス16部(固形
分)からなる固形分濃度が45%のリウェットキャスト用
塗被液を調製し、米坪 100g/m2 の原紙上にエアーナ
イフコーターを用いて乾燥重量で25g/m2 になるよう
に塗被、乾燥してリウェットキャスト用塗被紙を得た。
【0036】次ぎに、この塗被紙をプレスロールとキャ
ストドラムで形成されるプレスニップに通紙し、ここで
ノズルから供給された表1及び表2に示す組成からなる
再湿潤液によって塗被層表面を再湿潤した後、95℃に加
熱されたキャストドラムにプレス線圧 150Kg/cmで圧
接、乾燥した後、テークオフロールでキャストドラムか
ら剥離することによってリウェットキャスト塗被紙を得
た。
【0037】実施例9〜実施例15、及び比較例5 カオリン70部、炭酸カルシウム30部、ポリアクリル酸ナ
トリウム0.5部、酸化澱粉6部、スチレン−ブタジエン
ラテックス15部、及びステアリン酸カルシウム1.0 部か
らなるリウェットキャスト用塗被液を固形分濃度が64%
となるように調製した後、米坪100 g/m2 の原紙上に
ブレードコーターを用いて乾燥重量で25g/m2 となる
ように塗被、乾燥してリウェットキャスト用塗被紙を得
た。
【0038】次ぎに、この塗被紙をプレスロールとキャ
ストドラムで形成されるプレスニップに通紙し、ここで
ノズルから供給された表1、表3に示す組成からなる再
湿潤液によって塗被層表面を再湿潤した後、95℃に加熱
されたキャストドラムにプレス線圧 150Kg/cmで圧
接、乾燥した後、テークオフロールでキャストドラムか
ら剥離してリウェットキャスト塗被紙を得た。
【0039】このようにして得られたリウェットキャス
ト塗被紙の白紙光沢、光沢ムラ、ピンホール、インキセ
ット、及びキャスト塗被紙の最高生産速度(操業性)を
表4及び表5に示した。なお、上記の評価方法は下記に
より行った。
【0040】〔白紙光沢〕JIS P8142 に準じて測定し
た。
【0041】〔光沢ムラ〕キャスト塗被紙表面の光沢ム
ラを以下の基準に従って目視で判定した。 ◎:光沢ムラがまったくない。 ○:光沢ムラがわずかに見られるが実用上問題ない。 △:光沢ムラが見られる。 ×:光沢ムラが多く見られる。
【0042】〔ピンホール〕キャスト塗被紙表面のピン
ホールを実体顕微鏡で観察し、以下の基準に従って判定
した。 ○:1cm2 中にピンホールが10ケ未満 △:1cm2 中にピンホールが10〜50ケ ×:1cm2 中にピンホールが50ケ以上
【0043】〔インキセット〕RI−1型印刷試験機で
シートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製F
−Gloss)0.3 ccを用いてキャスト塗被紙表面に印刷
し、印刷直後及び印刷から5分後に、印刷面上に上質紙
を重ね合わせて一定の圧力で加圧し、上質紙に転移した
インキ濃度を以下の基準で判定した。 ◎:5分後にはインキがほとんど転移しない。 ○:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度が半分程度であるが、実用上問題ない。 △:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度が、やや薄くなっている。 ×:印刷直後と5分後でインキの転移濃度に、殆ど差が
見られない。
【0044】〔最高生産速度〕キャスト塗被紙を上記の
方法において生産した場合に、キャスト塗被紙がキャス
トドラムに貼り付いたり、ドラムピックやドラムピック
が発生せず、安定して生産が可能な操業時の最高速度
(m/分)を示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】表4及び表5の結果から明らかなよう
に、本発明の方法で得られたキャスト塗被紙は光沢ムラ
やピンホールが無く、しかも白紙光沢、印刷適性に極め
て優れたものであった。さらに、キャストコーティング
においては効率良く生産することが可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 19/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、予め顔料及び接着剤を主成分と
    するキャスト塗被紙用水性塗液を塗被、乾燥してなる塗
    被層を設け、次いで塗被層に再湿潤液を付与して湿潤、
    可塑化後、加熱された鏡面ドラムに圧接し、強光沢仕上
    げするキャスト塗被紙の製造方法において、該再湿潤液
    中にエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して
    なる重合体と平均粒子径が0.005 〜 0.1μmのコロイダ
    ルシリカとの複合体からなる樹脂成分、および離型剤を
    含有せしめたことを特徴とするキャスト塗被紙の製造方
    法。
  2. 【請求項2】複合体における重合体とコロイダルシリカ
    の重量比が 100:50〜100:300 である請求項1記載の
    キャスト塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】再湿潤液の粘度がB型粘度計(室温/60r
    pmで測定)で50〜5000 cpsである請求項1記載のキャ
    スト塗被紙の製造方法。
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