JP2005299068A - 印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 特にカーテン塗工装置において高速塗工時に発生する微小未塗工部の発生を効果的に抑制し、白紙品質ならびに印刷品質に優れる印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法に関するものである。
【解決手段】 基材上に顔料を主成分とする塗工液を塗工、乾燥した塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工液が天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法であり、天然多糖類系高分子としては、キサンタンガムが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法に関し、特に、カーテン塗工方式により得られる印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法に関するものである。
商用印刷に用いられる印刷用塗工紙の塗工法として、各種方式が知られており、カーテン塗工方式もその一形態である。カーテン塗工方式は、塗工幅方向に均一な流量・膜圧を持つ、自由落下する塗工液膜(以下、カーテン膜という)を塗工基材上に落下させ、その全量を基材上に転移する方式で、印刷用塗工紙の製造方法として良く用いられるブレード、ロッド、ロール塗工方式と比較した場合、a)塗工液の掻き落しが無い為に塗工液の組成変化がほとんど無く品質変動が少ない、b)基材上に転移された塗工液が全量基材上に転移される前計量タイプの塗工方式である為、塗工量管理が容易である、c)幅方向・流れ方向の塗工量均一性に優れ、塗工時の塗工液の基材への押し込みが非常に少ない為に塗工層厚みも均一である事から、例えばブレード塗工方式によって得られた印刷用塗工紙のように、塗工層厚みムラに起因するインキの吸収ムラが無く、アイムラ・印刷モトリングと呼ばれる印刷欠陥の発生が抑制される、d)塗工時の基材への物理的な接触は塗工液のみであり紙切れが少ない等、多くの優れた特徴を持っている。
しかしながら、一般印刷用塗工紙の製造においては、カーテン塗工方式はほとんど用いられていないのが現状である。これは、近年の生産速度の高速化に伴い、1000m/min.を超える塗工速度が一般的になりつつあるのに対し、カーテン塗工方式では高速塗工時に塗工欠陥が出やすいということに起因していると考えられる。
カーテン塗工方式において発生する塗工欠陥としては、塗工液の表面張力が高いことによる膜切れ、パドリングや空気同伴現象による塗工欠陥などが挙げられる。これらは、塗工速度1000m/min.以下の比較的遅い塗工速度でも発生する現象であり、これまでにも各種抑制方法が提案されてきた(特許文献1、2、3を参照)。
一方、カーテン塗工方式での1000m/min.を超える高速塗工において、カーテン膜が基材に接触する際に、鉛直方向に数十m/min.程度で自由落下していたカーテン膜が、基材進行方向に数百m/min.〜1000m/min.以上にて引き伸ばされる為、カーテン膜が基材に接触した際数〜数百μmの大きさで破断し、これが微小な未塗工部(以下、微小未塗工部という)の発生原因となっている。
この、高速度塗工でのカーテン膜の微小な破断による微小未塗工部発生を抑制する方法としては、平滑な下塗り層を設けるなど平滑な基材を使用する方法(非特許文献1を参照)、塗工液中に特定の増粘剤を添加し、塗工液に伸びやすく切れ難い性質(以下、曳糸性という)を与える方法(特許文献4〜9を参照)等が開示されている。
しかしながら、平滑な基材を使用する方法では、高速度下での微小未塗工部の発生を抑制することには効果的であるが、自由落下する塗工液膜が、高速度で走行している基材上に衝突し基材進行方向に急速に伸長される際に、基材が平滑な為に基材による塗工液を引っ張る効果が低く、結果として高速塗工時においては、塗工液カーテン膜が基材に接触する動的接触線近傍に、過剰な塗工液が蓄積してパドリングが生ずるといった問題を抱えている。実際、平滑な基材を使用して高速度塗工下の微小未塗工部発生を抑制させた報告において、平滑化しすぎた場合にパドリングに伴う塗工欠陥が発生することも同時に報告されている(非特許文献1を参照)。更に基材の平滑度をコントロールして塗工欠陥の発生を抑制する方法では、基材や塗工層構成の自由度が非常に制限され、カーテン塗工方式を印刷用塗工紙の生産に実際に摘要する場合において、生産できる品種が限られるなど不具合が生じる。
特定の増粘剤を添加し、塗工液に曳糸性を与え、高速度で塗工液が急速に伸長される際の微小非塗工部発生を抑制する方法では、開示されている方法には、塗工液に求められる物性、すなわち曳糸性について数値等の具体的な開示が無く、また開示されている増粘剤では、塗工液の曳糸性が足らず、微小未塗工部発生の抑制効果が不十分であったり、増粘が著しい為に、塗工液を大幅に希釈せざるを得ず、結果塗工紙の品質が低下するなどの問題があった。これらのことから更なる製造技術の向上、特に高速度塗工下において、塗工液に十分な曳糸性を与え、コントロールする技術が望まれていた。
特開2002‐192046号公報 特許第3111106号 特許第3257720号 特開平5−117996号公報 特開平6−294099号公報 特開平8−058237号公報 特開平11−310751号公報 特表平11−506140号公報 特開平2003−276324号公報 伊藤一聡ら「高速カーテン塗工による顔料塗工紙の検討」、第70回紙パルプ研究発表会要旨集、130−133頁(2003年9月)
本発明は、特にカーテン塗工装置において高速塗工時に発生する微小未塗工部の発生を効果的に抑制し、白紙品質ならびに印刷品質に優れる印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法を提供するものである。
本発明の印刷用塗工紙は、基材上に顔料を主成分とする塗工液を塗工、乾燥した塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工液が天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする。
前記天然多糖類系高分子が、キサンタンガムであることが好ましい。
前記ポリアクリルアミド系高分子が、アクリルアミド/(メタ)アクリル酸共重合物及びその塩のいずれかであり、且つ分子量が50万以上であることが好ましい。
前記天然多糖類系高分子の含有量が、塗工液中の顔料全固形分に対して0.01〜0.5質量%であることが好ましい。
前記ポリアクリルアミド系高分子の含有量が、塗工液中の顔料全固形分に対して0.001〜1質量%であることが好ましい。
基材上に顔料を主成分とする塗工液を塗工、乾燥した塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工装置がカーテンであり、塗工液は上記記載の塗工液が好ましい。
基材上に顔料を主成分とする塗工液をカーテン塗工装置を用いて塗工、乾燥された塗工層を設けた印刷用塗工紙の製造方法において、前記塗工液が、前記塗工液(液温:25℃)を同軸且つ垂直に配置された一対の直径8mmの円形プレート間(ギャップ1.6mm)に封入し、上方のプレートを31.5m/minの速度で10.5mm垂直に引き上げそのまま保持した時、プレート引き上げ直後からの時間t(ms)、時間tの時の塗工液フィラメントの径D(mm)、プレート引き上げ直後の塗工液フィラメントの径D(mm)、の間に(式1)、(式2)が成り立つことを特徴とする。
/D=0.5となる時の時間t0.5において、t0.5≧50 (式1)
=0となる時の時間tmaxにおいて、(tmax−t0.5)≧100 (式2)
前記の式1、式2を満たすためには、塗工液中に、天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種が含有されることが好ましい。
前記天然多糖類系高分子が、キサンタンガムであることが好ましい。
前記ポリアクリルアミド系高分子が、アクリルアミド/(メタ)アクリル酸共重合物及びその塩のいずれかであり、且つ分子量50万以上であることが好ましい。
本発明によって、塗工装置として特に高速度のカーテン塗工装置を使用した場合でも、白紙品質ならびに印刷品質に優れた印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法を提供することが可能となった。
本発明者らは、印刷用塗工紙について鋭意検討を重ねた結果、基材上に顔料を主成分とする塗工液を特にカーテン塗工装置を用いて塗工、乾燥された塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工液が天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種を含有することにより、高速度塗工下における、塗工液の急激な伸長においても、塗工液に微小な破断が発生することなく、結果微小未塗工部の発生が無い高品質の印刷用塗工紙が得られることを見出した。
また、本発明者らは、塗工液において以下の条件を満足する場合、同様にカーテン塗工装置を用いて高速度塗工をおこなった場合に塗工液に微小な破断が発生することなく、結果微小未塗工部の発生が無い高品質の印刷用塗工紙が得られるという製造方法を見出した。
即ち、前記条件とは、液温25℃の塗工液を同軸且つ垂直に配置された一対の直径8mmの円形プレート間(ギャップ1.6mm)に封入し、上方のプレートを31.5m/minの速度で10.5mm垂直に引き上げそのまま保持した時、プレート引き上げ直後からの時間t(ms)、時間tの時の塗工液フィラメントの径D(mm)、プレート引き上げ直後の塗工液フィラメントの径D(mm)、の間に(式1)、(式2)が成り立つことである。
/D=0.5となる時の時間t0.5において、t0.5≧50 (式1)
=0となる時の時間tmaxにおいて、(tmax−t0.5)≧100 (式2)
また、この条件を満足する場合の塗工液としては、塗工液が天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種を含有するものである。
なお、本発明におけるカーテン塗工装置は、塗工ヘッドから幅方向において膜厚が均一なカーテン膜を形成し、連続して走行する基材上にカーテン膜を塗工層として転移される装置を指す。
本発明者らは、カーテン塗工方式での高速度塗工に適用する塗工液の曳糸性の検討を重ねた。高速度でのカーテン塗工においては、カーテン膜が基材に接触する際に、鉛直方向に数十m/min.程度で自由落下していたカーテン膜が、基材進行方向に数百m/min.〜1000m/min.以上にて引き伸ばされる為、塗工液に十分な曳糸性がないと、塗工液が破断し、微小未塗工部発生の原因となるからである。しかし、塗工液の曳糸性については、今まで液中に浸した棒を引き上げ、その落下具合を目視で判定するなど、官能的な評価に頼っており、適当な測定装置、基準がないのが現状であった。
本発明者らは、サーモハーケ社製の伸長粘度計CaBER1を用いて、塗工液の曳糸性を評価した。前記伸長粘度計は、サンプルを同軸且つ垂直に配置された一対の円形プレート間に封入し、上方のプレートを引き上げ、そのまま保持し、サンプルのフィラメント径の時間変化をレーザーマイクロメーターにて測定する。サンプルのフィラメント径は時間に伴い減少し、ついには破断に至るが、フィラメント径の変化が急激でなく、漸減する傾向にあり、破断するまでに時間がかかるほど、塗工液は曳糸性を持つことになる。
本発明者らは、前記伸長粘度計を用いて鋭意検討を重ねた結果、塗工液を同軸且つ垂直に配置された一対の直径8mmの円形プレート間(ギャップ1.6mm)に封入し、上方のプレートを31.5m/minの速度で10.5mm垂直に引き上げそのまま保持した時、プレート引き上げ直後からの時間t(ms)、時間tの時の塗工液フィラメントの径D(mm)、プレート引き上げ直後の塗工液フィラメントの径D(mm)、の間に(式1)、(式2)が成り立つとすると、カーテン塗工方式において1000m/min.以上の高速塗工を行っても、塗工液は十分な曳糸性を保ち、得られれる印刷用塗工紙に微小未塗工部の発生が無いことを見出した。
/D=0.5となる時の時間t0.5において、t0.5≧50 (式1)
=0となる時の時間tmaxにおいて、(tmax−t0.5)≧100 (式2)
0.5が500msを超えたり、tmax−t0.5が1000msを超えると、曳糸性が強すぎて塗料の送液トラブルが生じる恐れがあり、あまり好ましくない。
塗工液に曳糸性を与える方法については、幾つかの方法が考えられる。例えば、塗工液の濃度を上げれば、顔料粒子やその他の内容物の間に相互作用によるずりが生じ、曳糸性は上昇するが、同時に塗工液の粘度も大幅に上がってしまい、塗工液の脱泡がし難くなり塗工欠陥の原因になってしまう。また、この方法では求める曳糸性レベルに到達しない。
発明者らは、検討を進めた結果、塗工液に天然多糖類系高分子、ポリアクリルアミド系高分子の何れか、又はそれらを複合したものを添加すると、塗工液の粘度を適切にコントロールし、且つ十分な曳糸性が得られ、水系である塗工液との相溶性も良いことを見出した。
天然多糖類系高分子はキサンタンガムであることが好ましい。キサンタンガムはブドウ糖、ショ糖を醗酵させて製造した天然多糖類系高分子で、測定法により分子量は200万とも数千万ともいわれ、天然多糖類系高分子の中で、曳糸性の発現性や塗工液との相溶性が最も優れている。また、天然多糖類系高分子は塗工液中の全顔料固形分に対して、0.01〜0.5質量%含有されることが好ましい。0.01質量%未満では塗工液に十分な曳糸性を付与することができず、0.5質量%より多いと、塗工液の粘度が高くなりすぎる結果、塗工液濃度を大幅に下げざるを得ず、塗工液の曳糸性や塗工紙品質の低下につながり好ましくない。塗工液の曳糸性と塗工紙品質のバランスの観点から、天然多糖類系高分子の添加量上限としてより好ましくは、塗工液中の全顔料固形分に対して0.4質量%以下である。
ポリアクリルアミド系高分子は、アクリルアミド/(メタ)アクリル酸共重合物及びその塩のいずれかであることが好ましく、更に分子量50万以上であることがより好ましい。50万未満では、塗工液に十分な曳糸性を付与することができない恐れがあり、あまり好ましくない。また、ポリアクリルアミド系高分子は塗工液中の全顔料固形分に対して、0.001〜1.0質量%含有されることが好ましい。0.001質量%未満では塗工液に十分な曳糸性を付与することができず、1.0質量%より多いと、塗工液の粘度が高くなりすぎる結果、塗工液濃度を大幅に下げざるを得ず、塗工液の曳糸性や塗工紙品質の低下につながり好ましくない。塗工液の曳糸性と塗工紙品質のバランスの観点から、ポリアクリルアミド系高分子の添加量上限としてより好ましくは、塗工液中の全顔料固形分に対して0.6質量%以下である。
ポリアクリルアミド系高分子としては、直鎖型、分岐型ともに使用できるが、同じ分子量である場合には、直鎖型の方が曳糸性付与効果は高い。また、分子量が2000万を超えると粘度の上昇が著しく、添加量を少なくしても塗工液の液性変化が激しいため、塗工性が低下するおそれがあり、好ましくない。このため、ポリアクリルアミド系高分子の分子量として、直鎖型の場合は分子量下限値として50万以上が好ましく、60万以上が更に好ましく、他方分子量上限値としては2000万以下が好ましく、200万以下が特に好ましい。また、分岐型の場合は分子量下限値として100万以上が好ましく、150万以上がさらに好ましく、他方分子量上限値として2000万以下が好ましく、500万以下が特に好ましい。なお、ここで言う分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される分子量を言う。
さらに、ポリアクリルアミド系高分子としては、アニオンタイプ、およびアニオンとカチオンの両方を含有する両性タイプともに使用できるが、両性タイプは分子中にカチオン部分があり、塗工液の他の成分と相互作用を及ぼすことにより更に曳糸性を向上できる場合がある。このため、同分子量で直鎖・分岐の型が同じである場合、両性タイプの方が好ましい。
また、天然多糖類系高分子とポリアクリルアミド系高分子を併用する場合、それらの総含有量は、塗工液中の全顔料固形分に対して1.0質量%を上限とすることが好ましい。1.0質量%を超えると、塗工液の粘度が高くなりすぎる結果、塗工液濃度を大幅に下げざるを得ず、塗工液の曳糸性や塗工紙品質の低下につながり好ましくない。塗工液の曳糸性や塗工紙品質のバランスの観点から、天然多糖類系高分子とポリアクリルアミド系高分子を併用する場合の添加量上限として、さらに好ましくは塗工液中の全顔料固形分に対して0.8質量%以下である。
本発明において顔料を主成分とする塗工液とは、顔料とバインダー、その他添加剤を共に溶解もしくは分散せしめた液であって、塗工液の固形分濃度は、10〜70質量%程度である。顔料、バインダーの配合割合は、一般に顔料全固形分に対しバインダーが5〜100質量%、好ましくは10〜70質量%程度である。
本発明で用いる顔料としては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ、マイカ、活性白土、レーキ、プラスチックピグメント等一般塗工紙の製造で使用されている公知公用のものが挙げられる。
本発明に用いられるバインダーとしては、スチレン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル系、エチレン・酢ビ系、ブタジエン・メチルメタクリル系、酢ビ・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、イソブテン・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変成澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤などのような一般に知られた接着剤が挙げられる。
本発明で用いられる天然多糖類系高分子、ポリアクリルアミド系高分子は塗工液に曳糸性を付与する以外に粘度を増加する効果もあるが、一般に知られた増粘剤、例えばポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等の各種水溶性高分子を本願発明の条件式を満たすレベルで併用しても良い。
本発明に用いる塗工液中には、前述した顔料や、接着剤、増粘剤のほかに各種助剤、例えば界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、保水剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、防腐剤、香料等を、本発明の所望の効果を失わない様に必要に応じて適宜使用することも可能である。
本発明で使用される原紙としては、一般に使用される上質紙、中質紙、更紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、合成紙、レジンコーテッド紙、プラスチックフィルム等を例外無く含む。
本発明の塗工紙は、原紙の両面ないし片面に、単層ないし多層塗工されるものである。多層塗布においていずれかの層の塗工には、カーテン塗工装置以外の塗工装置の使用も可能であり、例えば、カーテン塗工装置による顔料塗布液の塗工をおこなった後、ブレード塗工装置による顔料塗工液の塗工をおこなったり、ブレード塗工をおこなった後にカーテン塗工をおこなう組合せであっても良い。更に、下層塗工部を乾燥せずに上層塗工を行うウェットオンウェット塗工をおこなっても良い。
本発明の塗工層の塗工量は、片面あたり乾燥重量で3〜30g/mが適当である。塗工量が3g/m未満では、紙基材表面の凹凸を十分に覆うことが出来ないため、印刷インクの受理性が著しく低下することがある。一方、ひとつの層が30g/mを越えると、塗工時の乾燥性が悪くなるなど操業性が低下したり、バインダーマイグレーションによる印刷ムラの原因になったりするので好ましくなく、塗工層が多層で構成されている場合も、上限値としては片面あたり30g/m程度である。
本発明は、基材上に塗工層を設けた後、通常の乾燥工程を経て必要に応じて表面処理工程等で平滑化処理されて、水分が3〜10%、好ましくは4〜8%程度となるように調整して仕上げられる。
また平滑化処理する際は、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置が使用され、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調整される。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」、「%」は特に断わらない限り、質量部、質量%を示す。
実施例1
・塗工液の調製
顔料として、平均粒子径0.4μmの微細カオリン(商品名:カオグロス、ヒューバー社製)80%、平均粒子径0.8μmの重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)20%からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)1部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名:スマーテックスPA2043、日本エイアンドエル社製)12部、キサンタンガム(商品名:ケルザンASXT、ケルコ社製、分子量約200万)0.3部(いずれも固形分換算)を添加して最終的には固形分濃度が55%の塗布液を調整した。
・印刷用塗工紙の作成
上質原紙(キンド:0.8g/cm、米坪93.4g/m)上に前記塗工液を片面あたり乾燥重量で10g/mの塗工量となるようにカーテン塗工装置にて塗工速度1200m/min.で両面塗工、乾燥を行って塗工紙を得た。この様にして得られた塗工紙を、温度35℃、線圧100kN/mの条件でスーパーカレンダーに通紙して、印刷用塗工紙を得た。
実施例2
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガム(前出)を0.1部に変更し、塗工液の固形分濃度を55%とした以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
実施例3
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガムに代えてポリアクリルアミド系高分子(商品名:ポリストロン 194−7、荒川化学社製、分子量約100万、直鎖型、アニオンタイプ)0.3部配合し、塗工液の固形分濃度を58%とした以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
実施例4
実施例3の塗工液の調製において、ポリアクリルアミド系高分子(前出)を0.1部配合し、塗工液の固形分濃度を58%とした以外は、実施例3と同様に印刷用塗工紙を得た。
実施例5
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガムを0.1部に変更し、更にポリアクリルアミド系高分子(前出)を0.1部配合し、塗工液の固形分濃度を55%とした以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
実施例6
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガム(前出)を0.8部配合した以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を作成しようとしたが、塗工液の粘度が高くなりすぎ、塗工ができなかったため、塗工液の固形分濃度を50%として印刷用塗工紙を得た。
実施例7
実施例3の塗工液の調製において、ポリアクリルアミド系高分子(前出)を1.5部配合し、塗工液の固形分濃度を52%とした以外は、実施例3と同様に印刷用塗工紙を得た。
実施例8
実施例3において、ポリアクリルアミド系高分子(前出)0.3部を異なるポリアクリルアミド系高分子(商品名:ポリストロン 463、荒川化学社製、分子量約250万、分岐型、両性タイプ)0.25部に変更した以外は、実施例3と同様に印刷用塗工紙を得た。
比較例1
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガム(前出)の配合を0部とし、塗工液の固形分濃度を60%とした以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
比較例2
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガムに代えてポリエチレングリコール系高分子(商品名:E−60、明成化学社製、分子量100万)0.05部配合し、塗工液の固形分濃度を53%とした以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
比較例3
実施例1の塗工液の調製において、キサンタンガムに代えてポリビニルアルコール系高分子(商品名:JC−40、日本酢ビ・ポバール社製、分子量18万)0.1部配合し、固形分濃度を53%とした以外は、実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
かくして得られた印刷用塗工紙について、下記のごとき評価を行い、得られた結果を表1にまとめて示した。なお、本発明における印刷用塗工紙の測定及び評価については特に記載のない限り、23℃、50%RHの環境下で行った。
・曳糸性
サーモハーケ社製伸長粘度計(機種名:CaBER1)において、同軸且つ垂直に配置された一対の直径8mmの円形プレート間(ギャップ1.6mm)に液温が25℃の塗工液を封入し、上方のプレートを1.5m/minの速度で10.5mm垂直に引き上げそのまま保持したときの塗工液フィラメント径の時間変化を測定することで評価した。
測定では、塗工液の種類によって図1のような曲線が得られ、プレート引き上げ直後からの時間t(ms)、時間tの時の塗工液フィラメントの径D(mm)、プレート引き上げ直後の塗工液フィラメントの径D(mm)とした場合、D/D=0.5となる時の時間t0.5およびD=0となる時の時間tmaxが算出される。
・粘度
塗工液調製後の粘度を東京計器株式会社製B型粘度計にて、25℃、60rpmの条件で測定した。
・PPS平滑度(μm)
印刷用塗工紙の平滑性をパーカープリントサーフ(PPS)表面平滑度試験機(機種名:MODEL M−569型、MESSMER BUCHEL社製)を用い、バッキングディスクがソフトラバーであり、クランプ圧力:1MPaで測定した。測定値が小さいほど、平滑性が高いことを示す。
・白紙光沢度
JIS−P8142に準じて、印刷用塗工紙について、光沢度計(機種名:GM−26D型、株式会社村上色彩技術研究所製)にて測定した。
・印刷平滑性
印刷用塗工紙について、RI印刷機による墨ベタ印刷を行い、印刷平滑性について目視にて下記の通り評価した。
◎:印刷表面の平滑性が特に優れている。
○:印刷表面の平滑性が優れている。
△:印刷表面のボコツキが見られ、品質上問題となることがある。
×:印刷表面のボコツキが目立ち、品質上問題となる。
・印刷ムラ
印刷用塗工紙について、同一図柄による実機オフセット印刷を行い、重色部の印刷ムラについて下記の通り目視評価を行った。
◎:印刷ムラが無く、印刷仕上りが特に優れている。
○:印刷ムラが僅かに見られるが、印刷仕上りについて、品質上問題ではない。
△:印刷ムラが見られ、品質上問題となることがある。
×:印刷ムラがひどく、品質上問題となる。
・塗工欠陥
印刷用塗工紙について、塗工面上の欠陥について、目視にて下記の通り評価した。
◎:塗工面上の欠陥が無く、表面の仕上りが特に優れている。
○:塗工面上の欠陥が無く、表面の仕上りが優れる。
△:塗面上の欠陥が僅かに見られ、品質上問題となることがある。
×:塗面上の欠陥が見られ、品質上問題となる。
Figure 2005299068
塗工液の曵糸性を評価するために、サーモハーケ社製伸長粘度計を使用して得られた曲線である。

Claims (12)

  1. 基材上に顔料を主成分とする塗工液を塗工、乾燥した塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工液が天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記天然多糖類系高分子が、キサンタンガムである請求項1記載の印刷用塗工紙。
  3. 前記ポリアクリルアミド系高分子が、アクリルアミド/(メタ)アクリル酸共重合物及びその塩のいずれかであり、且つ分子量が50万以上である請求項1記載の印刷用塗工紙。
  4. 前記天然多糖類系高分子の含有量が、塗工液中の顔料全固形分に対して0.01〜0.5質量%である請求項1または2記載の印刷用塗工紙。
  5. 前記ポリアクリルアミド系高分子の含有量が、塗工液中の顔料全固形分に対して0.001〜1質量%である請求項1または3記載の印刷用塗工紙。
  6. 基材上に顔料を主成分とする塗工液を塗工、乾燥した塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工装置がカーテンであり、塗工液が請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷用塗工紙。
  7. 基材上に顔料を主成分とする塗工液をカーテン塗工装置を用いて塗工、乾燥した塗工層を設けた印刷用塗工紙の製造方法において、前記塗工液が、前記塗工液(液温:25℃)を同軸且つ垂直に配置された一対の直径8mmの円形プレート間(ギャップ1.6mm)に封入し、上方のプレートを31.5m/minの速度で10.5mm垂直に引き上げそのまま保持した時、プレート引き上げ直後からの時間t(ms)、時間tの時の塗工液フィラメントの径D(mm)、プレート引き上げ直後の塗工液フィラメントの径D(mm)、の間に(式1)、(式2)が成り立つことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
    /D=0.5となる時の時間t0.5において、t0.5≧50 (式1)
    =0となる時の時間tmaxにおいて、(tmax−t0.5)≧100 (式2)
  8. 塗工液が天然多糖類系高分子およびポリアクリルアミド系高分子から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項7に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  9. 前記天然多糖類系高分子が、キサンタンガムである請求項8記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  10. 前記ポリアクリルアミド系高分子が、アクリルアミド/(メタ)アクリル酸共重合物及びその塩のいずれかであり、且つ分子量が50万以上である請求項8または9記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  11. 前記天然多糖類系高分子の含有量が、塗工液中の顔料全固形分に対して0.01〜0.5質量%である請求項8または9記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  12. 前記ポリアクリルアミド系高分子の含有量が、塗工液中の顔料全固形分に対して0.001〜1質量%である請求項、8、9、10のいずれか一項記載の印刷用塗工紙の製造方法。
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