JP4758995B2 - 1回及び/又は数回塗被された基材を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1回−及び/又は数回塗被された基材、例えば、写真用紙及び自己接着性ラベル紙を除く、紙又は板紙(Pappe)の製造法に関する。
カーテンコーティング法(Vorhangstreichverfahren)は、写真工業における技術水準から公知のコーティング法である。写真工業で使用されている乳液及び液体は、低い固体含有率及び極めて低い粘度を有し、更にその塗布速度が非常に遅く、かつ600m/minを下回ってすらいる。これに反して、グラフィックアート紙の製造時には、写真工業で使用されている懸濁液に比べて高い固体含有率及び高い粘度を有する顔料含有懸濁液が使用されている。更に、グラフィックアート紙は、大抵、ブレードコーティング(Blade-Streichen)又はフィルムプレス(Filmpresse)を用いて、明らかに1000m/minを上回る速度で製造される。ブレード−塗布法もフィルムプレス−塗布法も、塗被された紙の品質に作用する欠点を有する。ブレード−塗布法の場合には、例えばブレードの下の高い剪断速度によって誘発される粒子の凝集が紙片上に筋(Streifen)をもたらし、これが紙−及び厚紙(Karton)品質に負の影響を及ぼすことがある。更に、使用ブレードは、グラフィックアート工業で使用される塗工液(Streich-farbe)を、紙又は板紙上での一様なコート品質を保証するためにこのブレードをかなり頻繁に交換しなければならない程度に、強く押し付ける。
更に、紙−又は厚紙表面上のコート分布は、紙基材の非平面性によって影響される。紙表面上の不均一なコート分布は、視覚的な印象不均等性をもたらすことがある。この品質欠陥はモットリング(Mottling)とも称される。
前記のフィルムプレス−塗布法で通常は、加工されるべき基材の表面特性、気孔率によって又は塗工液固体含有率によって決められる狭く限られた操作窓がある。更に、各々のウエブ速度(Bahngeschwindigkeit)又は各々のコート質量に対して、前記の狭い操作窓を新たに考慮しなければならない。従って、至適化されていないフィルムプレス−塗工液処方では、塗被すべき基材の表面上に不均一な膜裂けパターン(Film-Splitting Muster)が生じることがあり、これが更にそれ自体の悪い印刷性をもたらす。更に、フィルムプレス−コーティング時に小滴が形成され、これが再び基材の上に沈殿して、塗被された基材(紙、板紙又は厚紙であれ)の品質低下をもたらすことがある。
フィルムプレス−塗布法で達成可能な最大塗布質量は、同様にナイフ法(ブレード法)のためのそれよりも少ない。この限定は、処理すべき基材上への高い塗布速度の場合に特別明らかである。
記載の二つのコーティング法に関して、塗被すべき基材の高所(ピーク)と低所(谷)との間に塗布質量が不均一に分布されているので、印刷インキ受理性(Druckfarben-annahme)は不均一であり、これが更に前記のモットリングをもたらすことがありうる。高い塗布速度に基づき、フィルムプレス−法もナイフ法(ブレード法)も、グラフィックアート紙の製造時に非常に広く用いられている。
JP94/89437、JP93/311931、JP93/177816、JP93/131718並びにEP0517223B1並びにEP−A1249533から、1種以上の顔料含有塗工液での紙の被覆のために、カーテンコーティング法を使用することが公知である。
EP0517223B1から既に、塗被された印刷紙の製造法が明らかである。この製造された塗被された紙は、殊に印刷時に使用され、この際、コーティング液から自由落下性コーティングカーテンが得られ、印刷原紙が脱気されたコーティング液で被覆されて、コーティング原紙上へのコーティング液の自由落下性コーティングカーテンが現れる。これが連続的に自由落下性コーティングカーテン中で横方向に走る。このコーティング液は、少なくとも1種の顔料及び少なくとも1種のバインダーを含有し、50質量%〜70質量%の濃度及び700〜4000mPa.sの粘度を有する。このコーティング液は、飽和水蒸気圧又はそれを下回る真空値の環境中で、かつコーティング液上に剪断が使用されるような条件下で脱気される。このコーティング液中の直径0.01mm〜0.5mmの直径を有する気泡の脱気率は90%又はそれを上回っている。このコーティング原紙は、ナイフタイプの被覆法又はローラタイプの被覆法を包含する群から選択されるコーティング法を用いて施与されるプライマー層(Grundierungsschicht)を有する。
EP1249533A1からは、数回塗被された紙又は厚紙の製造法が公知である。この方法は、写真用紙及び自己接着性ラベリング用紙を除く、数回塗被された紙又は厚紙の製造のために使用されている。この数回塗被された紙又は厚紙は、殊に印刷−、包装−及び書き込み用途に使用でき、ここでは水性溶液又は懸濁液から選択される少なくとも2種の塗布すべき液が、組み合わされた自由落下しているカーテンとして一緒に導かれ、原紙又は原厚紙の連続ベルトがこの組み合わせコーティング液で塗被される。
紙及び厚紙の仕上げ加工のためのカーテンコーティング法の使用は、例えばEP0517223B1及びEP1249533A1に記載されているように、慣用の塗布法に比べて改良された塗被表面構造を生じる。このカーテンコーティング法で低い塗布量では、この液体カーテンが不安定になるので、殊に高い塗布速度は実現困難であるだけである。更に、塗工液が紙基材上に当たる場合に、この塗工液は、この自由落下の間に曲げられ、かつ基材速度まで加速される。この過程で、液体中で局所的に非常に高い剪断−及び歪み速度(Dehnraten)が現れる。この場合に、自由カーテンとして落下するこの液体が、空洞気泡による液膜の割れが現れうる程度に強く打ち付けられることがある。この割れの危険が基材ベルトの速度増加に伴って上昇し、この危険がカーテンコーティング法を操作できる上限である。
本発明は、着色された塗工液のカーテンコーティング法の使用範囲を広げることを課題としている。
本発明によれば、この課題は、写真用紙及び自己接着性ラベリング用紙を除く、殊に印刷、包装及び書き込みに好適である1回及び/又は数回塗被された紙及び/又は板紙の製造法によって解決され、この際、基材は自由落下している液体カーテンのコーティング液で1回又は数回塗被され、このコーティング液は、1〜15のヘンキー歪み(Hencky-dehnung)において、CaBER−法で測定される伸張粘度(Dehnviskositaet)1〜1000Pa.sを有する。本発明により提案されている方法の使用の場合に有利に使用される塗工液(Streichfarben)は、下記の組成を有する。記載の全ての百分率値は、乾燥質量部に関連している。
塗工液として、CaCOをベースとするもの、例えば90%の粒径<2μmを有する炭酸カルシウムの77%スラリ(Hydrocarb 90 ME、OMYA, Oftringen, Schweizから入手可能)、並びに98%の粒径<2μmを有するアマゾン プレミアムの74.6%クレースラリ(Amazon Plus 、Kaolin Internationalから入手可能)が使用される。更にこの塗工液は、スチレン−ブタジエン−ラテックスからのバインダーA(Styronal(R)D536、BASF AG,Ludwigshafenから入手可能)を、水中に50%で含有することができる。更に、種々の添加剤、例えばBASF AGから入手可能なASE−シックナー(Additiv C)並びに選択的に又は組み合わせて添加剤A、ポリアクリルアミドシックナー(アクリル酸40モル%、アクリルアミド60モル%、分子量20000000)並びに添加剤B、ポリアクリルアミドシックナー(アクリル酸40モル%、アクリルアミド60モル%、分子量44000000)を混入することができる。更に、この塗工液は、同様にBASF AGから入手可能なナトリウムジアルキルスルホスクシネートの水溶液の形の界面活性剤(Lumiten(R)I-DS 3525)を含有する。最後に、本発明により提案されている方法で使用される塗工液は、例えばBlancophor(R)Pの形で、Bayer AG、Leverkusenから入手可能な光学的増白剤を混入していてよい。
コーティング液、即ちこの塗工液の伸張粘度は、1〜15のヘンキー歪みにおいて、CaBER−法で測定される1〜1000Pa.sである。好ましくは、1〜12のヘンキー歪みにおいて、CaBER−法で測定される伸張粘度は5〜500Pa.s、特に好ましくは1〜8のヘンキー歪みにおいて、CaBER−法で測定される塗工液の伸張粘度は10〜100Pa.sである。このコーティング液の剪断粘度(100rpm ブルックフィールド)は、0〜5000mPa.s、好ましくは0〜2000mPa.sであり、特に好ましくはこのコーティング液は、0〜1000mPa.sの剪断粘度(100rpmブルックフィールド)を有する。
このコーティング液は、40%〜75%、好ましくは50%〜75%、特別好ましくは60%〜65%の固体含有率を有することができる。
自由落下している液体カーテンは、スチレン−ブタジエン−ラテックスバインダー、エチレンアクリル酸−ワックス、ポリエチレン、ポリエステル、スチレン−アルキルアクリレート−ラテックスバインダー、スチレンブタジエンアクリロニトリル−ラテックスバインダー、スチレン−無水マレイン酸−バインダー、スチレンアクリレート無水マレイン酸−バインダー、多糖類、蛋白質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース及びセルロース誘導体を包含する群から選択されるバインダー少なくとも1種を含有する。更にこの自由落下している液体カーテンは、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、二酸化チタン、サチン白、合成ポリマー顔料、酸化亜鉛、硫酸バリウム、石膏、シリカ及びアルミニウム3水和物(Aluminiumtrihydrate)の群から選択される有機及び/又は無機の顔料を含有する。
加えて、塗工液の自由落下している液体カーテンは、1〜50百万の分子量Mw、好ましくは5〜45百万の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有し、かつ特別好ましくはこの自由落下している液体カーテンは、20〜40百万の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有する。
この自由落下している液体カーテンのブルックフィールド−粘度は、20〜5000mPa.s、好ましくは20mPa.s〜2000mPa.s、特別好ましくは20mPa.s〜1300mPa.s(スピンドルNo.2)である。
基材上の乾燥物質重量に対する塗工液の塗布質量は、0.1g/m〜50g/mの範囲内である。
前記の顔料含有塗工液処方物のpH値は、10%NaOH−水溶液の添加によって8.7に調節された。前記の塗工液処方物の固体含有率は、水での希釈によって調節された。
塗工液中に添加される添加剤において、会合性シックナー(Assoziativ-verdicker)が使用できる。会合性シックナーは、一般に、並列して親水性及び疎水性構造単位を有する、疎水性に変性されたポリマーシックナーである。このシックナー群の重要な代表は、ポリウレタンシックナー(=疎水性に変性され、エトキシル化されたウレタンHEUR−又はPU−シックナー)及びHASE−シックナー(=疎水性変性された、アルカリ膨潤可能なエマルジヨン)である。会合性シックナーは、分子中の疎水性基を介してバインダー粒子の表面に吸着し、セル状の会合性錯体を水相中で形成することを可能とする。これによって、塗工液の粘度は、バインダー富化処方物中の中程度又は高い剪断速度の場合に、目的に合わせて高めることができる。
セルロースエーテルにおいても、大抵はHEC又はEHECから出発して疎水性に変性されたタイプ(HEER=疎水性変性されたセルロースエーテル)が普及している。いずれにせよこれらはむしろ慣用的に粘稠化し、大抵はバインダー粒子と弱い会合性交換作用を示すだけである。ポリウレタンシックナーは、通常はポリエチレングリコール、イソシアナート(例えばヘキサメチレンジイソシアナート)及び疎水性の長鎖アルコールを有し、ある種の3ブロック構造を有するポリマーを包含する。それらの中央には、むしろ親水性ポリウレタンブロックが存在し、これに反して鎖端部は、それぞれ長鎖アルコールによって疎水性に変性されている。
コーティング組成物又は塗工液用のシックナーとしては、ラジカル(共)重合体と並んで、慣用の有機及び無機のシックナー、例えばヒドロキシエチルセルロース又はベントナイトがこれに該当する。
更に、添加剤として、イオン性又はアニオン性ポリアクリルアミド並びにポリビニルホルムアミドを使用することができる。
バインダーポリマーの製造は、特定の1方法のみに限られない。むしろ、ポリマー製造のための全ての公知の方法を使用することができる。乳化重合、懸濁重合、マイクロ乳化重合又はマイクロ懸濁重合の方法が有利に使用され、これらはラジカル重合を利用する。
重合の開始のためには、熱的又は光化学的に分解し、この際にラジカルを形成して重合を開始させる重合開始剤が好適である。この際、熱的に活性化可能な重合開始剤としては、20℃〜180℃の間で、殊に50℃〜90℃の間で分解するようなものが好ましい。
特に好ましい重合開始剤は、ペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ペルエステル、ペルカーボネート、ペルケタール、ヒドロペルオキシドであるが、無機ペルオキシド、例えばH、ペルオキソ硫酸及びペルオキソ−ジ硫酸の塩、アゾ化合物、ホウ素アルキル化合物並びにホモリシス分解する炭化水素でもある。
重合すべき物質の要求に応じて、重合可能な成分に対して0.01〜15質量%の量で使用される開始剤及び/又は光重合開始剤は、単独で、又は有利な相乗効果の利用のために相互に組み合わせて使用することができる。
この重合法のために必要である安定な分散液の製造のために、通常は保護コロイドが使用される。
保護コロイドとしては、極性基を有する水溶性の高分子有機化合物、例えばポリビニルピロリドン、プロピオン酸ビニル又は酢酸ビニルとビニルピロリドンとからのコポリマー、アクリルエステルとアクリロニトリルとからの部分鹸化されたコポリマー、種々の残余アセテート−含有率を有するポリビニルアルコール、セルロースエーテル、ゼラチン、ブロックコポリマー、変性澱粉、低分子の炭素−及び/又はスルホン酸基含有ポリマー又はこれら物質の混合物が使用される。天然の保護コロイドとしては、全ての水溶性蛋白質、部分分解された蛋白質、水溶性セルロースエーテル、天然澱粉、分解澱粉及び/又は化学的に変性された澱粉がこれに該当する。水溶性セルロースエーテルは、例えばヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロースである。天然の澱粉としては、水性媒体中で澱粉の糊化温度を上回る温度まで加熱することにより得られるようなものがこれに該当する。更に、加水分解、酸化的又は酵素的分解によって得られる分解澱粉が好適である。
特別好適な保護コロイドは、35を下回る、殊に5〜39モル%の残留アセテート含有率を有するポリビニルアルコール及び/又は35、殊に5〜30質量%のビニルエステル含有率を有するビニルピロリドン−/ビニルプロピオナート−コポリマーである。
非イオン性又はイオン性乳化剤も、場合によっては混合物として使用することができる。好ましい乳化剤は、場合によりエトキシル化又はプロポキシル化された、種々のエトキシル化−又はプロポキシル化度を有する、長鎖アルカノール又はアルキルフェノール(例えばアルキレンオキシド0〜50モルを有する付加生成物)又はこれらの中和された、硫酸化された、スルホン化された又は燐酸化された誘導体である。中和されたジアルキルスルホコハク酸エステル又はアルキルジフェニルオキシド−ジスルホネートも特別好適である。更に、カチオン性乳化剤が好適である。
ポリマーは、例えばC〜C−モノエチレン系不飽和カルボン酸と1価のC〜C22−アルコールとからのアルキルエステル、C〜C−モノエチレン系不飽和カルボン酸と2価のC〜C−アルコールとからのヒドロキシアルキルエステル、飽和C〜C18−カルボン酸のビニルエステル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、C〜C24−α−オレフィン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、テトラフルオロエチレン、弗化ビニリデン、フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン又はこれら混合物の群からのモノマーの重合によって得られている。この場合に、これはホモポリマー又はコポリマーであってよい。
有利に使用されるモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブテン、ジイソブテン及びテトラフルオロエチレンであり、特別好ましいモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、スチレン、メチルメタクリレート及びビニルアセテートである。
記載のポリマーのアニオン性は、例えば、コポリマーの基礎となっているモノマーを、アニオン性モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホネート及び/又はマレイン酸の存在下に、及び場合によっては乳化剤及び保護コロイドの存在下に、共重合させることによって得ることができる。
しかしながら、記載のポリマーのアニオン性は、アニオン性保護コロイド及び/又はアニオン性乳化剤の存在下に、共重合を実施することにより得ることができる。
しかしながら、記載のポリマーのアニオン性は、完成ポリマーをアニオン性保護コロイド及び/又はアニオン性乳化剤の存在下に、乳化又は分散させることによって得ることもできる。
記載のポリマーのカチオン性は、例えばコポリマーの基礎となっているモノマーを、カチオン性モノマー、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート及びジエチルアミノブチルアクリレートの存在下に、かつ場合により乳化剤及び保護コロイドの存在下に共重合させることによって得ることができる。
しかしながら、記載のポリマーのカチオン性は、カチオン性保護コロイド及び/又はカチオン性乳化剤の存在下に共重合を実施することによって得ることもできる。
しかしながら、記載のポリマーのカチオン性は、完成ポリマーを、カチオン性保護コロイド及び/又はカチオン性乳化剤の存在下に、乳化又は分散させることによっても得ることができる。
記載のポリマーの両性(amphotere Charakter)は、両性保護コロイド及び/又は両性乳化剤の存在下に、共重合を実施することによって得ることもできる。
記載のポリマーの両性は、完成ポリマーを、両性保護コロイド及び/又は両性乳化剤の存在下に、乳化又は分散させることによって得ることもできる。
バインダー−ポリマーは、例えば次のもの:
(a)水に難溶性の又は水中に不溶性の非イオン性モノマー少なくとも1種
0〜100質量%、有利に10〜90質量%、特に好ましくは20〜80質量%、
(b)カルボキシル基含有モノマー又はその塩少なくとも1種
0〜60質量%、有利に1〜55質量%、特に好ましくは1〜50質量%、
殊に1〜5質量%、
(c)スルホン酸及び/又はホスホン酸基を含有するモノマー及びその塩
0〜25質量%、有利に0〜3質量%、
(d)水溶性の非イオン性モノマー少なくとも1種
0〜55質量%、有利に0〜5質量%、
(e)多エチレン系不飽和モノマー少なくとも1種
0〜30質量%、有利に0〜10質量%
を重合導入可能な形で含有している。
アニオン性モノマー(b)又は(c)少なくとも1種を含有するポリマーは、付加的なアニオン性乳化剤又は保護コロイドなしに使用することができる。0.5%を下回るアニオン性モノマーを含有するポリマーは、大抵はアニオン性乳化剤又は保護コロイド少なくとも1種と一緒に使用される。
有利に使用される主モノマー(a)は、C〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、20個までのC−原子を有するカルボン酸のビニルエステル、20個までのC−原子を有するビニル芳香族化合物、エチレン系不飽和ニトリル、ビニルハロゲニド、1〜10個のC−原子を有するアルコールのビニルエーテル、2〜8個のC−原子及び1又は2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素又はこれらモノマーの混合物である。
例として、C〜C10−アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
殊に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も好適である。
1〜20個のC原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばビニルラウレート、−ステアレート、ビニルプロピオネート、ベルサティック酸ビニルエステル及びビニルアセテートである。
ビニル芳香族化合物としては、ビニルトルエン、α及びβ−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン及び有利にはスチレンがこれに該当する。ニトリルの例は、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。
ビニルハロゲニドは、塩素、弗素又は臭素で置換された不飽和化合物、好ましくは塩化ビニル及び塩化ビニリデンである。
ビニルエーテルとしては、例えばビニルメチルエーテル又はビニルイソブチルエーテルが挙げられる。C−原子1〜4個を有するアルコールのビニルエーテルが好ましい。
2〜8個のC−原子及び1個又は2個のオレフィン系二重結合を有する炭化水素としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンが挙げられる。
好ましい主モノマーは、C〜C10−アルキル(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートとビニル芳香族化合物、殊にスチレンとの混合物又は2個の二重結合を有する炭化水素、殊にブタジエン又はこのような炭化水素とビニル芳香族化合物、殊にスチレンとの混合物である。
脂肪族炭化水素(殊にブタジエン)とビニル芳香族化合物(殊にスチレン)との混合時に、その割合は、例えば10:90〜90:10、殊に20:80〜80:20の間にあってよい。
特別好ましい主モノマーはブタジエン及びブタジエンとスチレン(短ポリスチレンブタジエン)との前記混合物又はC〜C10−アルキルメタクリレート又はスチレン(短ポリアクリレート)とのその混合物である。
有利に使用されるアニオン性副モノマー(b)は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はC〜C−アルコールのマレイン酸半エステルである。
群(c)のモノマーは、例えばアクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸並びにこれらモノマーのアルカリ金属−及びアンモニウム塩である。
好適なモノマー(d)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセタミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、メチルポリグリコールアクリレート、メチルポリグリコールメタクリレート及びメチルポリグリコールアクリルアミドである。
好適な多不飽和モノマー(e)は、例えば少なくとも2価のアルコールのアクリルエステル、メタクリルエステル、アリルエーテル又はビニルエーテルである。この場合に、基礎となっているアルコールのOH−基は、完全に又は部分的にエーテル化又はエステル化されていてよいが:架橋剤は少なくとも2個のエチレン系不飽和基を含有している。例は、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートである。更なる不飽和モノマー(e)は、例えば不飽和カルボン酸のアリルエステル、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド及びジビニル尿素である。
このようなコポリマーは、ラジカル重合開始剤の使用下に、モノマーの溶液−、沈殿−、懸濁−又は乳化重合の公知方法によって製造することができる。有利には、粒子状の反応性架橋剤を含有するポリマーが、水中での乳化重合の方法によって得られる。このポリマーは、例えば1000〜2000000、有利には5000〜500000の分子量を有し、大抵はこのポリマーの分子量は10000〜150000の範囲内にある。
ポリマーの分子量の限定のために、重合時に慣用の調節剤を添加することができる。典型的な調節剤の例は、メルカプト化合物、例えばメルカプトエタノール、チオグリコール酸、t−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン及びメルカプトプロピルトリメトキシシランである。
乳化重合は、通常は30℃〜130℃、有利には50℃〜90℃で行われる。重合媒体は、水だけからも、水と混ざりうる液体、例えばメタノールからも成っていてよい。有利には水のみが使用される。乳化重合は、バッチ法としても、段階的−又は勾配的方法をも包含する流入法(Zulaufverfahren)の形でも実施することができる。重合バッチの一部分を予め装入し、重合温度まで加熱し、重合開始させ、かつ引き続き重合バッチの残分を、通常は空間的に分けられた複数の供給路(Zulaeufe)(その1以上が、モノマーを純粋な又は乳化された形で含有している)を経て、連続的に、段階的に又は濃度勾配を重ねて、重合の保持下に重合帯域に供給する流入法が好ましい。その重合時に、例えば粒子寸法の良好な調節のために、予め装入することもできる。
ラジカル的水性乳化重合の過程で開始剤が重合容器に添加される方式及び方法は公知である。完全に重合容器中に予め装入することも、その消費の程度に応じてラジカル的水性乳化重合の過程で、連続的又は段階的に使用することもできる。個々には、このことは、開始剤系の化学的性質にも重合温度にも依存する。一部分を予め装入し、残分を重合帯域の消費の程度に応じて供給するのが有利である。
残留モノマーの除去のために、通常は特有の乳化重合法の終了後にも、即ち少なくとも95%のモノマーの変換の後にも開始剤が添加される。
個々の成分は、この流入法では反応器に上から、側部に又は反応器の底部を通って下から添加することができる。
乳化重合時に、通常は15〜75質量%、好ましくは40〜75質量%の固体含有率を有するポリマーの水性分散液が得られる。
ポリアクリルアミドをベースとするシックナーの製造は、特定の1方法に限定されない。むしろ、ポリマー製造のために公知の多くの方法を利用することができる。ラジカル重合が作用する、逆乳化重合又は逆マイクロ乳化重合の方法を使用するのが有利である。
重合の開始のためには、熱的又は光化学的に分解し、ラジカルを形成し、かつ重合を開始させる重合開始剤が好適である。この際に、熱的に活性化可能な重合開始剤としては、20℃〜180℃、殊に20℃〜90℃の間で分解するものが好ましい。
可能な重合開始剤は、油溶性のペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ペルエステル、ペルカーボネート、ペルケタール、ヒドロペルオキシドであるが、無機のペルオキシド、例えばH、ペルオキソ硫酸及びペルオキソ−ジ硫酸の塩、アゾ化合物、ホウ素アルキル化合物並びにホモリシス分解する炭化水素である。
特別好ましい重合開始剤は、レドックス−開始剤、例えばペルスルフェート−メルカプタン−系、ペルスルフェート−スルフィット−系、クロロビスルフィット−系及び過酸化水素−鉄−系である。
重合材料の要求に応じて、重合可能な成分に対して0.01〜15質量%の量で使用される開始剤及び/又は光重合開始剤は、単独で、又は有利な相乗効果の利用のために相互に組み合わせて使用することができる。
油中水型(Wasser-in-Oel)エマルジヨンの製造のために、芳香族及び脂肪族物質、例えばベンゼン、キシレン、トルエン、鉱油、ケロシン、ナフサを包含する多くの有機液体が好適である。ポリアクリルアミド−エマルジヨンの製造のために特別好適な油は、水中のその不溶性、無害性及びその高い引火点に基づき、工業的使用のために好適である、直鎖及び分枝鎖のパラフィン油である。更に、これはコスト的に非常に好適である。
使用ポリアクリルアミド−エマルジヨン中の油の慣用量は、一般に水に対して20〜50質量%、油に対して10〜40質量%及びポリマーに対して20〜50質量%である。
この重合法のために必要である安定なエマルジヨンの製造のために、通常は非イオン性及びイオン性乳化剤が使用される。
油中水型エマルジヨンの製造のために、低いHLB値を有する乳化剤が好適であり、この際、HLBは親水性−親油性バランスの省略文字である。この物質群は、文献中に広範に記載されている(例えば"The Atlas HLB Surfactant Selector"中に)。
好ましい乳化剤は、ソルビタンエステル及びそのエトキシル化誘導体である。ソルビタンモノオレエートが特別好ましい。油中水型マクロエマルジヨンの製造のために好適な更なる乳化剤は、Vanderhoff等のUS3284393中に記載されている。更に、油中水型−エマルジヨンの製造を可能とする全ての乳化剤及び高分子が好適である。
使用ポリアクリルアミド−エマルジヨン中の乳化剤の慣用量は、一般に、油に対して0.1〜30質量%、有利には3〜15質量%である。
ポリアクリルアミド−シックナーポリマーは、例えば
(a)水溶性の非イオン性モノマー少なくとも1種
0〜100質量%、有利に10〜90質量%、特に好ましくは10〜80質量%、
(b)カルボキシル基含有モノマー又はその塩少なくとも1種
0〜99質量%、有利に1〜80質量%、特に好ましくは1〜60質量%、
(c)スルホン酸及び/又はホスホン酸基含有モノマー又はそれらの塩少なくとも1種
0〜99質量%、有利に1〜80質量%、特に好ましくは1〜60質量%、
(d)多エチレン系不飽和モノマー少なくとも1種
0〜30質量%、有利に0〜1質量%
を、重合導入可能な形で含有している。
有利に使用される水溶性の、非イオン性モノマー(a)は、例えばC〜C−(Alk)アクリルアミド、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセタミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、メチルポリグリコールアクリレート、メチルポリグリコールメタクリレート及びメチルポリグリコールアクリルアミドである。
有利に使用されるアニオン性副モノマー(b)は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はC〜C−アルコールのマレイン酸半エステルである。
群(c)のモノマーは、例えばアクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸並びにこれらモノマーのアルカリ金属−及びアンモニウム塩である。
好適な多不飽和モノマー(d)は、例えば少なくとも2価アルコールのアクリルエステル、メタクリルエステル、アリルエーテル又はビニルエーテルである。この場合に、基礎となっているアルコールのOH−基は完全に又は部分的にエーテル化された又はエステル化されていてよいが、これら架橋剤は少なくとも2個のエチレン系不飽和基を含有している。例は、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートである。更なる不飽和モノマー(d)は、例えば不飽和カルボン酸のアリルエステル、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド及びジビニル尿素である。
アニオン性油中水型−シックナー含有C〜C−(Alk)アクリルアミド及びアクリルアミドの製造のためのもう一つの方法には、非イオン性C〜C−(Alk)アクリルアミド及びアクリルアミド−誘導体の加水分解が包含される。
好適な加水分解物質は、例えばアルカリ金属ヒドロキシド又は4級アンモニウムヒドロキシドである。特別好適な加水分解試薬は、ナトリウム−、カリウム−及びリチウムヒドロキシド並びにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。更に、水溶液中でアルカリ性pH値を示す、全ての試薬が好適である。
〜C−(Alk)アクリルアミド−及びアクリルアミドを含有するシックナーの加水分解に好適な方法には、加水分解物質を水溶液の形のポリマーエマルジヨンにゆっくり添加することが包含される。
加水分解試薬は、例えば水性アルカリ金属ヒドロキシド溶液少なくとも1種0.1〜50質量%、有利には20〜40質量%、特に好ましくは30質量%を含有する。
ポリマーシックナーの質量%に対する加水分解試薬の濃度は、例えば0.1〜30質量%、有利には4〜12質量%である。
正確な濃度は、非イオン性シックナーの目標加水分解度に依存して変動する。
この加水分解反応は、例えば10〜70℃、有利には35〜55℃の温度で実施される。加水分解の時間は、反応成分、その濃度、反応条件及び所望の加水分解度に依存する。
〜C−(Alk)アクリルアミド−及びアクリルアミド−誘導体は更に部分的に加水分解されている。この加水分解度は、例えば3〜80%、有利には5〜60%、特別好ましくは10〜50%である。
〜C−(Alk)アクリルアミド−及びアクリルアミド−誘導体の加水分解反応の後に、Anderson等のUS3624019に記載のように、水/油−エマルジヨン中にポリマーが残る。
このようなコポリマーは、ラジカル重合開始剤の使用下に、モノマーの溶液−、沈殿−、懸濁−又は逆乳化重合の公知方法によって製造することができる。有利には、C〜C−(Alk)アクリルアミド及びアクリルアミドを含有するポリマーが、水中の逆乳化重合の方法によって得られる。このポリマーは、例えば1〜55百万、有利には20〜50百万の分子量を有する。
このポリマーの分子量を高めるために、低温重合法並びに架橋剤を使用することができる。
逆マイクロエマルジヨンは、マクロエマルジヨンに比べて熱力学的に安定なエマルジヨンを有する。殊に、逆マイクロエマルジヨンにおいては2μmを下回る、好ましくは1μmを下回る、水相の液滴直径が好適である。本発明により提案されている逆マイクロエマルジヨンポリマーは、次のようにして得ることができる:
重合の開始のために、熱的又は光化学的に分解し、ラジカルを形成し、こうして重合を開始させる重合開始剤が好適である。この場合に熱的に活性化可能な重合開始剤は、20℃〜180℃、殊に20℃〜90℃の間で分解するものが好ましい。
可能な重合開始剤は、ペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ペルエステル、ペルカーボネート、ペルケタール、ヒドロペルオキシドであるが、無機のペルオキシド、例えばH、ペルオキソ硫酸及びペルオキソジ硫酸の塩、アゾ化合物、ホウ素アルキル化合物並びにホモリシス(homolytisch)分解する炭化水素でもある。
特別好ましい重合開始剤は、レドックス−開始剤、例えばペルスルフェート−メルカプタン−系、ペルスルフェート−スルフィット−系、塩素−ビスルフィット−系及び過酸化水素−鉄−系である。重合材料の要求に応じて重合可能な成分に対して0.01〜15質量%の量で使用される開始剤及び/又は光重合開始剤は、単独で、又は有利な相乗効果を利用するために相互に組み合わせて使用することができる。
油中水型−マイクロエマルジヨンの製造のためには、水中のその不溶性、その無害性及びその高い引火点に基づき工業的用途に好適である、芳香族及び脂肪族物質、例えばベンゼン、キシレン、トルエン、鉱油、ケロシン、ナフサ及び特別な直鎖及び分枝鎖のパラフィン油を包含する多数の有機液体が好適である。更に、これらは非常に価格的に好適である。
使用ポリアクリルアミド−エマルジヨン中の油の慣用量は、一般に水に対して25〜75質量%である。
この重合法のために必要である安定な逆マイクロエマルジヨンの製造のために、通常は、非イオン性及びイオン性乳化剤が使用される。
油中水型−マイクロエマルジヨンの製造のために、低いHLB−値を有する乳化剤が好適であり、ここで、HLBは親水性−親油性バランスの省略文字である。これらの物質群は、文献、例えば"The Atlas HLB Surfactant Selector"中に広範に記載されている。好ましいHLBは、8〜11の範囲内にある。ここに記載の範囲外では、通常は逆マイクロエマルジヨンは得られない。
好ましい乳化剤は、ソルビタンエステル及びそのエトキシル化誘導体である。ポリオキシエチレン−ソルビタン−トリオレエート、ソルビタン−トリオレエート、ナトリウム−ジ−2−エチルヘキシルスルホスクシネート、ナトリウム−イソステアリル−2−ラクテート、オレアミドプロピルジメチルアミン並びに混合物が特別好ましい。
適切な乳化剤の使用と並んで、乳化剤の使用濃度は至適化されているべきである。低すぎる濃度は、逆マクロエマルジヨンをもたらし、高すぎる濃度は、高すぎる価格をもたらす。
使用ポリアクリルアミド−エマルジヨン中の乳化剤の慣用量は、一般に油に対して0.1〜30質量%、好ましくは3〜15質量%である。
ポリアクリルアミドシックナーポリマーは、例えば
a)水溶性の非イオン性モノマー少なくとも1種
0〜100質量%、有利に10〜90質量%、特に好ましくは10〜80質量%、
b)カルボキシル基含有モノマー又はその塩少なくとも1種
0〜99質量%、有利に1〜80質量%、特に好ましくは1〜60質量%、
c)スルホン酸及び/又はホスホン酸基含有モノマー又はそれらの塩少なくとも1種
0〜99質量%、有利に1〜80質量%、特に好ましくは1〜60質量%、
d)多エチレン系不飽和モノマー少なくとも1種
0〜30質量%、有利に0〜1質量%
を、重合導入可能な形で含有している。
有利に使用される、水溶性の非イオン性モノマーa)は、例えばC〜C−(Alk)アクリルアミド、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセタミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、メチルポリグリコールアクリレート、メチルポリグリコールメタクリレート及びメチルポリグリコールアクリルアミド、N,N’−ジアルキルアクリルアミド、例えばジメチルアクリルアミド、更にメチルアクリレート、メチルメタクリレート及びアクリロニトリルである。
b)による有利に使用されるアニオン性副モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はC〜C−アルコールのマレイン酸半エステルである。
群c)のモノマーは、例えばアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸並びにこれらモノマーのアルカリ金属−及びアンモニウム塩である。
d)による好適な多不飽和モノマーは、例えば少なくとも2価のアルコールのアクリルエステル、メタクリルエステル、アリルエーテル又はビニルエーテルである。この場合に、基礎アルコールのOH−基は完全に又は部分的にエーテル化又はエステル化されていてよいが、架橋剤は少なくとも2個のエチレン系不飽和基を含有している。例は、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレートである。d)による更なる不飽和モノマーは、例えばアリルエステル、不飽和カルボン酸、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド及びジビニル尿素、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミドである。
〜C−(Alk)アクリルアミド及びアクリルアミドを含有しているアニオン性油中水型−マイクロエマルジヨンシックナーのもう一つの製造法には、非イオン性C〜C−(Alk)アクリルアミド及びアクリルアミド−誘導体の加水分解が包含される。好適な加水分解物質は、例えばアルカリ金属水酸化物及び4級アンモニウムヒドロキシドである。
特別好適な加水分解試薬は、ナトリウム、カリウム及びリチウムヒドロキシド並びにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。
更に、水溶液中でアルカリ性pH値を示す全ての試薬が好適である。
〜C−(Alk)アクリルアミド及びアクリルアミドを含有するシックナーの加水分解の好ましい方法には、加水分解物質を水溶液の形でポリマーエマルジヨンへゆっくり添加することが包含される。
加水分解試薬は、例えばアルカリ金属水酸化物水溶液少なくとも1種0.1〜50質量%、有利には20〜40質量%、特別好ましくは30質量%を含有する。
ポリマーシックナーの質量%に対する加水分解試薬の濃度は、例えば0.1〜30質量%、有利には4〜12質量%である。正確な濃度は、非イオン性シックナーの目標加水分解度に依存して変動する。
この加水分解反応は、例えば10℃〜70℃、有利には30℃〜55℃の温度で実施される。この加水分解の時間は、反応成分、その濃度、反応条件及び所望の加水分解度に依存している。
その場合に、C〜C−(Alk)アクリルアミド−及びアクリルアミド−誘導体は部分的に加水分解される。加水分解度は、例えば3〜80%、有利には5〜60%、特に好ましくは10〜50%である。
〜C−(Alk)アクリルアミド−及びアクリルアミド−誘導体の加水分解反応の後に、例えばAnderson等のUS3624019に記載のように、油中水型−エマルジヨン中のポリマーが残る。
ポリマーは、例えば1000〜55000000、有利には20000000〜50000000の分子量を有することができる。ポリマーの分子量を高めるために、低温重合法並びに架橋剤を使用することができる。
逆マイクロ−乳化重合は、通常は、0℃〜130℃、有利には0℃〜60℃の温度で行われる。重合媒体は、水だけをも又は水と混ざりうる液体、例えばメタノールをも含有することができる。水のみを使用するのが有利である。重合はバッチ法でも、段階−又は勾配法を包含する流入法の形でも実施することができる。流入法が好ましく、ここでは、重合バッチの一部分を予め装入し、重合温度まで加熱し、重合開始させ、引き続き重合バッチの残分を、通常は複数の空間的に分けられた供給路(その1つ以上は純粋な形又は乳化されたでモノマーを含有している)を経て、連続的、段階的に又は濃度勾配を重ねて、重合の保持下に重合帯域に供給する。
ラジカル的水性乳化重合の過程で重合容器に開始剤が添加される方式及び方法は公知である。重合容器中に全てを予め装入することも、ラジカル的水性乳化重合の過程で消費の程度に応じて連続的に又は段階的に使用することもできる。個々にはこれは、開始剤系の化学的性質にも、重合温度にも依存する。一部分を予め装入し、残りを消費の程度に応じて重合帯域に供給するのが有利である。
残留モノマーの除去のために、通常は、特有の乳化重合法の終了後にも、即ち少なくとも95%のモノマーの変換の後に開始剤が添加される。
この流入法の場合に、個々の成分を反応器に上から、側面から又は下から反応器底を通して添加することができる。
逆乳化重合及び逆マイクロ乳化重合の場合に、通常10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%の固体含有率を有するポリマーの油中水型−エマルジヨンが得られる。
シックナーは単独で使用可能であるが、この際に、シックナー−混合物を使用することがまったく可能である。
前記の会合性シックナー又はPAM’sは、本発明により提案されている塗工液組成物に添加することのできる流動学的添加剤の選択である。
本発明により提案されている塗工液(Streichfarbe)を用いて、塗被されるべき基材、例えば紙又は板紙上への塗布法の範囲で、下記の例から個々に明らかになるように、殊にコート欠陥(Streichdefekte)を著しく減少させることができる。
本発明により提案されている塗工液の伸張粘度は、いわゆるCaBER−実験で測定され、この際、液糸(Fluessigkeitsfaden)又は液膜が形成され、その厚さは、引き続き主力としての表面張力σの影響下に減少される。膜厚の時間的減少Dmid(t)が測定される。これから、次の関連式によって伸張粘度ηE,appが測定される。
Figure 0004758995
生じる伸び率(Streckrate)
Figure 0004758995
は、次式から得られる:
Figure 0004758995
従って、伸張粘度
Figure 0004758995
が得られる:
Figure 0004758995
実施変法/実施例
後に挙げられているそれぞれの処方による塗工液の粘度を、ブルックフィールド−粘度計(RVT)(Brookfield Engineering Laboratories,Inc. Stoughton, Massachusetts USAから入手可能)を用いて、25℃の温度で測定した。ブルックフィールド−粘度の測定のために、分散液600mlを1リットル内容量のビーカー中に入れ、スピンドルNo.4を用い、100U/minのスピンドル回転数で粘度を測定した。下記の処方による塗工液を、カーテンコーティングを用いて基材(紙、厚紙)上に施与した。
下記の処方に従って得られる塗工液の特性の測定は、次の試験プロトコルを用いて実施した:
− 紙光沢
紙光沢は、DIN54502に従い75°の投射角で測定される。
− 試験構造物裏移り(Pruefbau Offset)
この試験結果は、基材(紙であれ、厚紙であれ)が、紙表面が紙むけ(Rupfen)する傾向なしに印刷インキを受理する能力の尺度である。「合格−不合格(pass to fail)」で、基材が紙むけする傾向なしに実施することのできる実験の数を同定する。この試験構造物裏移りは、試験構造物−印刷可能性テスターMUII、試験構造物−インキ付けローラ、40mm幅の金属印刷ディスク、それを用いて0.01mlが配量できる塗布ピペット並びにそれを用いて0.001mlが配量できる塗布ピペット;更に長い印刷試料ホルダー並びにストップウオッチを包含している。印刷インキとして、Kast & EhingerのNovavit 4F 713 Cyanを使用した。検査すべき基材から、240×46mmの寸法を有する試料を長手方向に切り出す。これらを、検査の前に、コンディショニング室中で相互に分けて少なくとも15時間貯蔵すべきである。
検査は、装置のスイッチを入れ、引き続きインキローラ上に印刷インキ0.3mlを施与し、引き続き1分間作動させるようにして行う。その後、ホルダー中に印刷ディスクを挿入し、30秒間インキ付けする。更なる各々の印刷ディスクに対して、このインキローラ上に印刷インキ0.03mlを後施与し、その後、これがインキ付けされる前に再び30秒間作動させる。インキ付けられたインキローラは、最大で20分間使用できる。ニップ圧(Liniendruck)を800N(=200N/cm)に調節し、印刷速度は1m/sである。紙片を印刷試料ホルダー上に張り、溝(Kanal)中に、適切な印刷装置の前の指止めまで入れる。適切な印刷装置軸上にこのインキ付けられた印刷ディスクを取付け、スタートボタンを押して印刷工程を開始させる。その印刷インキ量で隠蔽点(Deckungspunkt)が達成されない場合には、この印刷インキ量並びにその補充分を、0.4及び0.04ml又は0.5及び0.05mlまで高めるべきである。この紙片において隠蔽点が達成されたら初めて、更なる検査を続ける。
印刷された紙片を有する印刷試料ホルダーをスタート位置まで持ってくる。この場合に、この紙片が指又は他の物体と接触しないように注意すべきである。通常は10秒である規定の期間の後に、印刷ディスクを交換せずに、この印刷工程を新たに開始させる。このことを合計5回繰り返す。各々の過程の後に、紙片の印刷された側上の紙むけ(Rumpfen)を視覚的に評価する。6過程の後に紙むけが現れない場合には、例えば20秒又は30秒の長い時間間隔でこの測定を続ける。使用された印刷ディスク及びインキローラを、次の使用の前に重質ナフサで浄化し、木綿布を用いて乾燥させる。
結果は、最初の紙むけが現れるまでに数えられる印刷過程の数、インキ塗布量(ml)並びに個々の過程の間の時間間隔の値(秒)で表すことができる。
− 紙の粗面性
塗被された基材、例えば紙の粗面性を、Parker Printsurf 粗面性テスターを用いて測定した。試料塗被された紙をCork−Melinexplatteと測定ヘッドとの間に、1000kPaの圧力で挟む。圧縮空気を400kPaの圧力でこの基材上に当て、測定ヘッドと基材表面との間の空気の漏れの測定を行う。高い測定結果は、塗被された基材(ここでは紙)の高い紙粗面性を意味する。
− コート均一性(Strichgleichmaessigkeit)
検査すべき基材試料をネオカルミン溶液(Neocarminloesung)MS"Fesago"(Merck Darmstadt)中に1分間完全に浸漬させる。引き続き、このネオカルミン溶液から取り出された基材試料を流水道水下で、色がなくなるまで洗浄する。次いで試料を2枚の濾紙の間に置き、引き続き乾燥機中、90℃の温度で乾燥させる。基材試料の着色されたコート表面の外観を眼で評価する。
− 塗布質量(Auftragsgewicht)調節
各々のコーティング実験において、塗布質量は、カーテンコーティング−装置ノズルを通る塗工液カーテンの流量、基材速度、塗工液の密度及び塗被される紙の幅によって決められる。
− 塗工液密度
塗工液の密度を、デンシトメーター(Densitometer)を用いて測定した。
− 伸張レオロジー(Dehnrheologie)測定
塗工液の伸張レオロジーの測定のためにFirma ThermoElectron社のHaake CaBER 1 装置を用いた。この場合に、試料液体(塗工液)を2個のスタンプ(Stempel)の間に施与する。円筒状スタンプの直径は6mmであり、スタンプの間のスリットは3mm、端スリットの高さは11mmである。20分の間に試料液体液滴は、3mmから11mmまで伸張される。この場合に液糸(Fluessig-keitsfaden)が生じる。この糸直径(Dmid)を、レーザーマイクロメータを用いて双方のスタンプの間の中央で測定する。伸張粘度は、次式を用いて測定される。
CaBER−実験で、表面張力(σ)を液膜の引裂きための作動力と仮定すると、次の関係式により上昇性のずれ応力(Schubspannung)が生じる:
Figure 0004758995
得られる伸び率
Figure 0004758995
は、次式から明らかである:
Figure 0004758995
従って、伸張粘度
Figure 0004758995
は、次のように算出される:
Figure 0004758995
液糸又は液膜の伸びに関する尺度として、いわゆるヘンキ−歪みε(t)が算出される:
Figure 0004758995
この式によるレオロジーの大きさの計算のために、糸直径の変化δDmid(t)/δtが、数値的に測定値Dmid(t)から算出される。
文献:
1.Entov,V.M. and Hinch E.J.,J.Non-Newt.Fluid Mech.,72(1),31(1997)
2.McKinkey,G.H. and Tripathi,A.,J.Rheol., 44(3),653(2000).
3.Willenbacher,N.,Proc. of the Int. Congress on Rheology,Seoul,Korea(2004).
次に記載の第1表には、処方物に関する概要が示されている。
Figure 0004758995
処方物1〜6のブルックフィールド−粘度を、ブルックフィールド−RVT−粘度計(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.から入手可能)を用いて、25℃の室温で測定した。測定のために分散液600mlを1リットル−ビーカー中に入れ、スピンドルNo.4を用い、100n-1のスピンドル回転数で、粘度を測定した。
例1
番号1の処方物を、木材不含の70g/m原紙上に、基材上への1回カーテンコーティングを用いて、20g/mの塗布質量で、1200m/minのペーパーウエブ(Papierbahn)速度で適用した。更に、一定の流量でペーパーウエブ速度をそれぞれ1400、1600及び1800m/minに高めると、次の第2表中に記載の実験点が得られた。
Figure 0004758995
得られた結果は、次の第3表中にまとめられている。
Figure 0004758995
第3表に示されている結果は、1400m/minを上回るウエブ速度で、その他は良好な紙特性であるが、非常に多くのコート欠陥(Strichdefekt)が生ることを示している。
例2
第1表中の「処方物の概要」に表示されている処方物No.2を、木材不含の70g/m原紙上に、基材上への1回カーテンコーティング法を用いて、20g/mの塗布質量で、1200m/minのペーパーウエブ速度で施与した。更に、一定の流量でペーパーウエブ速度をそれぞれ1400、1600及び1800m/minに高めると、次の第4表中に対比されているような合計4つの実験点が得られた。
Figure 0004758995
1200〜1800m/minのペーパーウエブ速度及び施与すべき塗工液の減少性塗布質量における処方物No.2の結果が、第5表中にまとめられている。
Figure 0004758995
第5表中にまとめられている結果から、1400m/minを上回るペーパーウエブ速度の場合に、その他は良好な紙特性で、非常に多いコート欠陥が現れることが明らかである。処方物1に比べて処方物2は、少ない量の添加剤Aが加えられているが、このことは、第5表から明らかなように、ペーパーウエブの同じ速度ではコート欠陥の悪化をもたらさない。
例3
第1表に比較表示されている概要のNo.3の塗工液の処方物を、木材不含の70g/m原紙上に、被加工基材上への1回カーテンコーティング法を用いて、20g/mの塗布質量で、1200m/minのペーパーウエブ速度で施与した。更に、処方物No.3による塗工液の一定の流量で、1200m/minのペーパーウエブ速度をそれぞれ1400、1600及び1800m/minに高めると、例1及び例2と同様に、次の第6表中に相互に比較されている4つの実験点が得られた。
Figure 0004758995
得られた結果は、次の第7表に示されている。
Figure 0004758995
第7表中にまとめられている結果から、1800m/minまでのウエブ速度でも、その他は良好な紙特性で、コート欠陥は現れないことが判る。処方物3には、第1表によれば添加剤Bが加えられており、これによって塗布速度の著るしい上昇が達成でき、この際、コート欠陥は認められなかった。
例4
第1表による処方物No.4を、木材不含の70g/m原紙上に、1回カーテンコーティング法を用いて、20g/mの塗布質量で、1200m/minのペーパーウエブ速度で施与した。更に、既に記載の例1、2及び3と同様に、塗工液の一定の流量で、1200m/minのウエブ速度をそれぞれ1400、1600及び1800m/minに高めると、次の第8表中に相互に比較されている合計4つの実験点が得られた。
Figure 0004758995
得られた結果は、次の第9表中で比較されている。
Figure 0004758995
第9表による結果は、1400m/minまでのウエブ速度では、他は良好な紙特性で、顕著なコート欠陥が観察されないことを示している。これに反して、処方物4中で添加剤Bの量を減少させたら、これが、第9表の結果によれば、塗工液の最大塗布速度の低下に作用している。
例5
第1表の処方物No.5を有する塗工液を、木材不含の70g/m原紙上に、基材上への1回カーテンコーティング法を用いて、20g/mの塗布質量で、1200m/minのペーパーウエブ速度で施与した。更に、一様な流量で、1200m/minのペーパーウエブ速度をそれぞれ1400、1600及び1800m/minに高めると、次の第10表中に相互に比較されているように合計4つの実験点が確認された。
Figure 0004758995
得られた結果が、第11表に表示されている。
Figure 0004758995
第11表による結果は、既に1200m/minのウエブ速度で、非常に多くのコート欠陥が現れ、この際、その他の紙特性は良好であると評価できることを示している。従って、添加剤C(HASE−シックナー(Sterocoll SL))は、塗工液には不適当であり、これは、被加工基材の低いウエブ速度の場合にも、多数のコート欠陥の出現の原因となっている。
例6
第1表の表概要による塗工液の処方物No.6を、木材不含の70g/m原紙上に、基材上への1回カーテンコーティング法を用いて、20g/mの塗布質量で、1200m/minのペーパーウエブ速度で施与した。更に、前記の例と同様に施与すべき塗工液の一様な流量で、1200m/minのペーパーウエブ速度を、それぞれ1400、1600及び1800m/minに高めた。次の第12表中で相互に比較されている合計4つの実験点が確認された。
Figure 0004758995
処方物6を使用する場合の例6による結果が、第13表に表示されている。
Figure 0004758995
第13表にまとめられている内容による結果は、1200m/minのウエブ速度で既に、多くのコート欠陥が現れることを示しているが、この際、残りの紙特性は良好であると認められた。添加剤C、即ちASE−シックナーの減少は、例6における第13表の結果によれば、コート欠陥の顕著な改良をもたらしていない。従ってASE−ベースのシックナー系(添加剤C)は、中程度のウエブ速度で既に、多数のコート欠陥を被加工品上に現すので、カーテンコーティングには好適ではない。
例1〜6から判るように、処方物3の使用時には、最良の結果が得られる。塗布速度の顕著な上昇が達成できたが、この際に、コート欠陥は現れない(第7表の結果と比較)。これに反して、第1表による処方物4の添加剤Bを0.17から0.11まで減少すると、コート欠陥を生じることができない程度まで最大塗布速度は低下する。しかも処方物4の使用の場合には、1200又は1400m/minのウエブ速度の場合にコート欠陥は生じないが、処方物4による添加剤Bの減少の場合に、処方物3と比べて高い塗布速度上昇は達成できない。
図1及び図2は、コーティング組成物をカーテン−コーティング−法によってウエブ状基材(ein bahnfoermiges Substrat)上に塗布するための装置の1実施変形を示している。
図1は、その装置を用いてウエブ状基材2の上側を塗被する塗布装置1を示している。この塗布装置1のオリフィスから出てくる膜3が、塗布位置4でウエブ状基材2の上側に出てくる。ウエブ状基材2は、推進方向7で、第1の案内ローラ5及び第2ローラ6を経て導かれる。第1案内ローラ5と第2ローラとの間の範囲内に、ウエブ状基材2の上側への膜3の衝突位置4がある。
図2は、図1に記載の塗布装置1を拡大して記載している。
この塗布装置1は、その下側に出口オリフィス9があるノズル体8を有している。ノズル体8中に貯蔵されている例1〜6に記載されている組成の塗工液が、膜3の形で出口オリフィス9から出て、この際、膜3は、塗布位置(Auftragsstelle)4に向かって連続的に先細になり、塗布位置4からウエブ状基材2の表面10上に当る。出口オリフィス9から膜3が出る前に膜3が加速し、出口オリフィス9の下側で、図面に対して垂直に流出し、それ自体ウエブ状基材2の幅に渡って広がったカーテンを形成する。出口オリフィス9からの膜3の出現の後に、これは収縮し、衝突位置(Auftreffstelle)4で曲げられる。ウエブ状基材2の表面10は粗面性11を有し;ウエブ状基材の表面10の粗面性11に応じて、ウエブ状基材2の表面10上に塗工液の膜厚12が生じる。このウエブ状基材2は、紙、厚紙又はプラスチックシート又は類似物であってよい。この基材表面から引き剥がされる空気層を保留するために、空気ドクターブレード(Luftschaber)13が役立つ。
塗工液の調製のために、差し当たり水性顔料分散液を製造する。このために顔料と供給水とを、所望の固体含有率及び所望の粘度が達成されるまで混合する。このスラリの粘度を、脱ガスのために非常に低く調節するのが有利である。これは、500mPa.s(ブルックフィールド100Upm、20℃)を下回る、好ましくは200mPa.s(ブルックフィールド100Upm、20℃)を下回る。顔料としては、例えば炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン又はタルクを使用することができる。それが後の脱ガスに不利に影響しない場合にはバインダーを、容器中の顔料−分散液に供給することができる。選択的に、このバインダーを脱ガスの後に初めて混合することもできる。この脱ガスは、その中に供給分散液が減圧下にスプレーされる脱ガス装置中で行われる。この場合にこの分散液から出てくるガス、殊に空気が容器から放出される。分散液から、即ち塗工液から脱ガス可能な成分を排出させるために、この分散液を、非常に低い絶対圧で大表面上に広げる。塗工液(分散液)の表面の拡大は、ノズルを用いるスプレーによって行うのが好ましく;選択的には、遠心分離プレートの使用による表面積の拡大も考えられうる。
引き続き、顔料を有している分散液を、空気遮断下にシックナー及び添加剤と混合することができる。脱ガス装置は、例えば2つの直列に連続されている脱ガス工程を有していてよく、ここで、シックナー及び添加剤が空気遮断下に混合される前に、塗工液を連続的に順次に脱ガスする。塗工液の性質に応じて、2を上回る、例えば3又は5つの脱ガス工程が前後に接続されていてもよい。この脱ガス工程は、真空化可能な容器を有するスプレー脱ガス装置を包含している。塗工液のコンディショニングのために、第1の脱ガス工程に温度調節装置が前接続されていてよく、この中で加熱又は冷却によって、塗工液の所望温度に調節することができる。
図1は、その装置を用いてウエブ状基材2の上側を塗被する塗布装置1を示している 図2は、図1に記載の塗布装置1を拡大して記載している
符号の説明
1 塗布装置、 2 ウエブ状基材、 3 膜、 4 塗布位置、 5 第1案内ローラ、 6 第2ローラ、 7 推進方向、 8 ノズル体、 9 出口オリフィス、 10 基材表面、 11 粗面性、 12 膜厚、 13 空気ドクターブレード

Claims (13)

  1. 印刷、包装及び書き込みのための、1回及び/又は数回塗被された紙及び/又は板紙を製造する方法において、
    a)基材を自由落下している液体カーテンのコーティング液で1回又は数回塗被する、その際、このコーティング液は、バインダー少なくとも1種を含有し、かつこのコーティング液は、有機又は無機の顔料を含有し、かつ1〜50百万の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有し、
    b)コーティング液は、ヘンキー歪み1〜15において、CaBER法で測定される伸張粘度1〜1000Pa.sを有し、
    c)コーティング液は、固体含有率60〜75%を有し、
    d)コーティング液は、ブルックフィールド−粘度20〜5000mPa.sを有し、
    e)基材上の塗工液の塗布質量は、乾燥質量に対して0.1g/m〜50g/mである
    ことを特徴とする、1回又は数回塗被された紙及び/又は板紙の製造法。
  2. ヘンキー歪み1〜12において、CaBER−法で測定される伸張粘度は5〜500Pa.sであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ヘンキー歪み1〜8において、CaBER−法で測定される伸張粘度は10〜100Pa.sであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. コーティング液は、ブルックフィールド−粘度20〜5000mPa.sを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. コーティング液は、ブルックフィールド−粘度20〜2000mPa.sを有することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. コーティング液は、ブルックフィールド−粘度20〜1000mPa.sを有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
  7. コーティング液は、5〜45百万の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. コーティング液は、20〜40百万の分子量Mwを有するポリアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. コーティング液は、ブルックフィールド−粘度20mPa.s〜2000mPa.sを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. コーティング液は、ブルックフィールド−粘度20mPa.s〜1300mPa.sを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 顔料を、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、サチン白、合成ポリマー顔料、酸化亜鉛、硫酸バリウム、石膏、シリカ及びアルミニウム三水和物の群から選択することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. バインダーを、スチレン−ブタジエン−ラテックスバインダー、スチレン−アクリレート−ラテックスバインダー、スチレン−ブタジエンアクリロニトリル−ラテックスバインダー、スチレン無水マレイン酸−バインダー、スチレンアクリレート無水マレイン酸−バインダー、多糖類、蛋白質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース及びセルロース誘導体の群から選択することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  13. コーティング液は、エチレンアクリル酸ワックスをベースとするポリマー、ポリエチレン、ポリエステル、スチレンブタジエン−ラテックスバインダー、スチレンアクリレート−ラテックスバインダー、スチレンブタジエンアクリロニトリル−ラテックスバインダー、スチレン無水マレイン酸−バインダー、スチレンアクリレート無水マレイン酸−バインダー、多糖類、蛋白質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース及びセルロース誘導体の1種以上及びシリコーンを含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法
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